説明

記録及び/又は再生装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気テープを収納したテープカセットを記録媒体に用いる記録及び/又は再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気テープを収納したテープカセットを記録媒体に用いる記録及び/又は再生装置として、テープカセットが挿入保持されるカセットホルダを用いてテープカセットのローディングを行うようにした記録及び/又は再生装置が用いられている。
【0003】カセットホルダへのテープカセットの挿入は、装置本体に設けたカセット挿入口を介して行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】装置本体に設けられたカセット挿入口が開放されたままの状態にあると、このカセット挿入口を介して塵埃が装置本体に侵入し、装置本体内に配設した記録再生部や磁気テープを汚損させ、正確な情報信号の記録再生を行うことができなくなってしまう。
【0005】そこで、この種の記録及び/又は再生装置には、テープカセットの挿脱を行うとき以外はカセット挿入口を閉塞しておく蓋体が設けられている。蓋体は、装置本体に回動可能に支持されてカセット挿入口を開閉する。この蓋体は、テープカセットの記録及び/又は再生装置への挿脱に関連して開閉操作されることが望ましい。
【0006】また、携帯して用いられる記録及び/又は再生装置にあっては、迅速なテープカセットの交換を行う必要が発生する。例えば、報道現場のような場所で用いる場合には、映像を連続して撮影する必要性が生ずる場合がある。このような迅速なテープカセットの交換が要求される場合には、カセットホルダの移動に関連して蓋体の開閉操作を行うような機構を備えたものにあっては、蓋体の開閉に時間がかかり迅速なテープカセットの交換を行うことができない。
【0007】そこで、本発明は、カセットホルダの移動に関して蓋体の開閉操作を可能としながら、蓋体を単独で開閉してテープカセットの挿脱を行うことができる記録及び/又は再生装置を提供することを目的に提案されたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述したような目的を達成するために提案される本発明に係る記録及び/又は再生装置は、テープカセットが挿入され、このテープカセットを保持し、テープカセットの挿脱を可能とする挿脱位置とテープカセットをカセット装着部に装着させるカセット装着位置との間に亘って移動操作されるカセットホルダと、このカセットホルダに対向して設けられたカセット挿入口を、このカセット挿入口の外側に位置して開閉するように装置本体に回動可能に支持された蓋体と、テープカセットの挿入前はカセット挿入口を開放する方向へ蓋体を付勢するとともにテープカセットの挿入後はカセット挿入口を閉塞する方向へ蓋体を付勢する付勢部材と、カセットホルダのカセット装着位置方向への移動に関連して蓋体をカセット挿入口を閉塞する方向に回動させ、カセットホルダの挿脱位置方向への移動に関連して蓋体をカセット挿入口を開放する方向に回動させるリンク機構とを有するようにしたものである。
【0009】
【作用】本発明に係る記録及び/又は再生装置は、カセットホルダの移動に関連して蓋体の開閉操作が行われ、手動操作により、カセットホルダの移動とは関連することなく蓋体の開閉操作を行うことができる。また、蓋体は、付勢部材の付勢力を受けて開放位置及び閉塞位置に保持される。
【0010】
【実施例】以下、本発明に係る記録及び/又は再生装置の具体的な実施例を図面を参照しながら説明する。
【0011】本発明に係る記録及び/又は再生装置は、磁気テープを収納したテープカセットを記録媒体として用いるものであって、大きさを異にする図25に示す小型の第1のテープカセット301と図26に示す大型の第2のテープカセット302を選択的に使用することができるように構成されている。
【0012】〔1〕第1及び第2のテープカセット(図1616、図17、図25及び図26)
第1のテープカセット301は、図25に示すように、第1のカセットハーフ303内に回転可能に支承された一対のテープリール304,305間に亘って磁気テープ306が巻装されている。この磁気テープ306は、図示しないガイド部材にガイドされ、第1のカセットハーフ303の開放された前面部に沿って一方のテープリール304と他方のテープリール305との間に亘って走行される。磁気テープ306が走行する開放された前面部は、リッド308により開閉される。
【0013】磁気テープ306が巻回される各テープリール304,305は、第1のカセットハーフ303内の天板部に取り付けられたリール押さえバネ307により、中心部を押圧されて第1のカセットハーフ303の底面部側に押圧付勢されている。また、各テープリール304,305は、図16に示すように、底部側に設けたリール軸係合孔304a,305aを第1のカセットハーフ303の底面部に穿設した円形の開口部を介して外方側に臨んでいる。
【0014】第1のテープカセット301の幅Sより大きな幅Lを有すように大型に形成された第2のテープカセット302は、第1のテープカセット301と基本的的な構成を共通にするものであって、図26に示すように、第2のカセットハーフ309内に回転可能に支承された一対のテープリール310,311間に亘って磁気テープ306が巻装されている。この磁気テープ306は、図示しないガイド部材にガイドされ、第2のカセットハーフ309の開放された前面部に沿って一方のテープリール310と他方のテープリール311との間に亘って走行される。磁気テープ306が走行する開放された前面部は、リッド316により開閉される。
【0015】磁気テープ306が巻回される各テープリール310,311は、第2のカセットハーフ309の天板部側に取り付けられたリール押さえコイルバネ313,315により押圧付勢されたリール押さえ部材312,314を介して第2のカセットハーフ309の底面部側に押圧付勢されている。また、各テープリール310,311は、図17に示すように、底部側に設けたリール軸係合孔310a,311aを第2のカセットハーフ309の底面部に穿設した円形の開口部を介して外方側に臨んでいる。
【0016】第2のカセットハーフ309の底面部には、図12に示すように記録及び/又は再生装置に設けられたガイド突条93,94が挿入されるガイド溝317,318が設けられている。これらガイド溝317,318は、第2のテープカセット302の記録及び/又は再生装置への挿入操作方向、すなわち、第2のカセットハーフ309の前面部に垂直な方向に沿って設けられている。
【0017】〔2〕本発明に係る記録及び/又は再生装置の概要及びカセットローディング機構(図1乃至図5R>5、図19及び図20)
上述したような第1又は第2のテープカセット301,302が装着される本発明に係る記録及び/又は再生装置は、図1に示すように、装置本体を構成する図示しない筐体内に配設されるシャーシ1上に一対のリール軸7,8が設けられている。これらリール軸7,8は、図示しないリール駆動モータにより、回転操作されるようになされている。また、リール軸7,8は、それぞれシャーシ1に設けられたリール軸移動ガイド溝9,10に沿い、図1中矢印A方向及び矢印B方向にシャーシ1上を移動可能となされている。これらリール軸7,8は、各リール軸移動ガイド溝9,10にガイドされ、小型の第1のテープカセット301の各テープリール304,305間の距離に相当する位置と大型の第2のテープカセット302の各テープリール310,311間の距離に相当する位置との間に亘って移動操作される。
【0018】また、シャーシ1には、磁気テープが巻回されて走行する回転磁気ヘッド装置ガイドも受けられている。この回転磁気ヘッド装置は、磁気テープが巻回される回転ドラムに磁気ヘッドを取り付け、回転する磁気ヘッドと回転ドラムに斜めに巻回されて走行する磁気テープとを相対摺接させることによって情報信号の記録再生を行う。
【0019】さらに、シャーシ1上には、筐体の前面部に形成されたカセット挿入口を介して挿入される第1又は第2のテープカセット301,302を、シャーシ1上に構成されたカセット装着部に搬送して装着させるカセットローディング機構が配設されている。カセットローディング機構は、図1に示すように、シャーシ1上に取り付けられるフレーム2と、このフレーム2に支持されるカセットホルダ3と、カセットホルダ3をフレーム2に対して移動させる一対のローディング板5,6とを主たる構成要件として構成されている。
【0020】フレーム2は、シャーシ1上の両側に植立するように取り付けられた一対の側板12,13と、これら側板12,13の上端部間に亘って配設された天板11とを備える。天板11は、各側板12,13により、シャーシ1に対して略々平行に配設されている。これら各側板12,13と天板11とは、金属板等により形成され、ネジ止め等の手段により連結されてフレーム2を構成している。
【0021】各側板12,13には、カセットホルダ3を支持するための第1及び第2のホルダ支持スリット21,23、22,24が設けられている。各側板12,13の第1のホルダ支持スリット21,23は、対応する側板12,13の略々中央位置に設けられ、互いに対をなし、相対向して設けられている。これら第1のホルダ支持スリット21,23は、シャーシ1に平行となされた水平部分と、シャーシ1に垂直となされた垂直部分とを有している。水平部分は後端部において垂直部分の上端部に連続し、この垂直部分とともにL字型の第1のホルダ支持スリット21,23を構成している。また、各側板12,13の第2のホルダ支持スリット22,24は、対応する側板12,13の前方側位置に設けられ、互いに対をなし、相対向して設けられている。これら第2のホルダ支持スリット22,24は、シャーシ1に平行となされた水平部分と、シャーシ1に垂直となされた垂直部分とを有している。水平部分は、後端部において垂直部分の上端部に連続し、垂直部分とともにL字型の第2のホルダ支持スリット22,24を構成している。
【0022】カセットホルダ3は、図1及び図2に示すように、底板43と、この底板43の両側に対をなして突設された側板42,42とを有している。これら底板43と各側板42,42とは、金属板を屈曲して一体的に形成されている。これら側板42,42は、第2のテープカセット302の幅Lに相当する間隔を隔てて配置されいる。したがって、各側板42,42間の底板43上には、第1又は第2のテープカセット301,302が、前面部を挿入端として挿入可能となされている。
【0023】そして、各側板42,42の上端部間には、対をなす第1及び第2の支持シャフト46,47が掛け渡されている。第1の支持シャフト46は、各側板42,42の上端部の後方側に形成された第1のシャフト支持凹部42a,42aに両端側を係合させて支持されている。また、第2の支持シャフト47は、各側板42,42の上端部の前方側に形成された第2のシャフト支持凹部42b,42bに両端側を係合させて支持されている。これら支持シャフト46,47は、各側板42,42の上端側に取り付けられるシャフト押さえ板バネ61,63により押圧支持されている。シャフト押さえ板バネ61,63は、中央部を止めネジ60,62により各側板42,42の上端側に固定され、自由端側となされた両端側により各支持シャフト46,47を押圧支持している。
【0024】カセットホルダ3の各側板42,42には、このカセットホルダ3の外方側に向けてそれぞれ第1及び第2のホルダ支持ピン40,40、41,41が突設されている。第1のホルダ支持ピン40,40は、各側板42,42の後方側に設けられ、第2のホルダ支持ピン41,41は、各側板42,42の略々中央位置の底板43寄りに設けられている。カセットホルダ3は、これらホルダ支持ピン40,40、41,41を、各1及び第2の支持スリット21,23、22,24に挿通させてフレーム2に支持されている。すなわち、カセットホルダ3は、図3に示すように、第1のホルダ支持ピン40,40を第1の支持スリット21,23に挿通し、第2のホルダ支持ピン41,41を第2の支持スリット22,24に挿通している。
【0025】そして、カセットホルダ3は、図3に示すように、第1のホルダ支持ピン40,40が第1の支持スリット21,23の水平部分の前端部に位置し、第2のホルダ支持ピン41,41が第2の支持スリット22,24の水平部分に位置しているとき、第1又は第2のテープカセット301,302の挿脱が行われるカセット挿脱位置に置かれる。なお、第2の支持スリット22,24の水平部分は、カセットホルダ3がカセット挿脱位置にあるときの第2のホルダ支持ピン41,41の位置よりもさらに前方側まで延在されている。この第2のホルダ支持ピン41,41より前方側の部分は、後述するように、ローディング板5,6を支持するために用いられる。また、カセットホルダ3は、図5に示すように、第1のホルダ支持ピン40,40が第1の支持スリット21,23の垂直部分の下端部、すなわち、シャーシ1に最も近接する位置にあり、第2のホルダ支持ピン41,41が第2の支持スリット22,24の垂直部分の下端部に位置しているとき、第1又は第2のテープカセット301,302をカセット装着部に装着させる。
【0026】そして、一対のローディング板5,6は、フレーム2の各側板12,13に対応して、これら側板12,13に対して前後方向に移動可能に支持されている。すなわち、各ローディング板5,6は、それぞれ前端側にローディング板支持ピン78,78を有し、このローディング板支持ピン78,78を第2の支持スリット22,24に挿通支持させている。また、各ローディング板5,6は、それぞれ後方側に被支持スリット25,26を有している。そして、各側板12,13には、これら被支持スリット25,26に重なるようにして、ローディング板支持スリット77,77が設けられている。これら被支持スリット25,26及びローディング板支持スリット77,77は、それぞれ各側板12,13及び各ローディング板5,6の前後方向に形成されている。これら各被支持スリット25,26及び各ローディング板支持スリット77,77が重なった部分には、一対のローディング板支持ローラ39,39が挿通支持されている。これら一対のローディング板支持ローラ39,39は、各被支持スリット25,26及び各ローディング板支持スリット77,77内において前後方向に移動可能であって、各ローディング板5,6を対応する側板12,13に対し前後方向に移動可能に支持している。
【0027】各ローディング板5,6には、それぞれ第1及び第2のローディングスリット27,29、28,30が設けられている。第1のローディングスリット27,29は、各ローディング板5,6の略中央部分に互いに相対向して設けられている。これら第1のローディングスリット27,29は、前方側より後方側に向かって、シャーシ1より離間する方向に傾斜されたスリットとして形成されている。また、第2のローディングスリット28,30は、各ローディング板5,6の前方側部分に互いに相対向して設けられている。これら第2のローディングスリット28,30は、前方側より後方側に向かってシャーシ1より離間する方向に傾斜され、各第1のローディングスリット27,29に平行なスリットとして形成されている。
【0028】第1のローディングスリット27,29には、第1の支持スリット21,23に挿通された各第1のホルダ支持ピン40,40が挿通されている。また、第2のローディングスリット28,30には、第2の支持スリット22,24に挿通された各第2のホルダ支持ピン41,41が挿通されている。したがって、各第1のホルダ支持ピン40,40は、各第1のローディングスリット27,29と各第1の支持スリット21,23とが重なった部分に位置される。同様に、各第2のホルダ支持ピン41,41は、各第2のローディングスリット28,30と各第2の支持スリット22,24とが重なった部分に位置される。
【0029】そして、各ローディング板5,6は、フレーム2の一方の側板13に取り付けられるローディングモータ36により前後方向に移動操作される。ローディングモータ36は、後述するように、図示しない制御装置により制御されて駆動する。このローディングモータ36の駆動力は、一方の側板13に取り付けられる減速ギヤ37及び伝達ギヤ34を介してローディング板6に伝達される。減速ギヤ37は、順次に噛合された複数の平歯車により構成されている。伝達ギヤ34は、各側板12,13間に亘るようにしてこれら側板12,13に回転可能に支持された伝達ギヤ支軸35の一端側に取り付けられ、一方の上記ローディング板6の上端部に設けられたラックギヤ部32に噛合している。伝達ギヤ支軸35の他端側には、他方のローディング板5の上端部に設けられたラックギヤ部31に噛合する伝達ギヤ33が取り付けられている。これら各伝達ギヤ33,34が伝達ギヤ支軸35に一体的に取り付けられ同一の速度で回転される。したがって、各ローディング板5,6は、ローディングモータ36の回転駆動により、互いに同一の速度で同一の方向に移動操作される。
【0030】この記録及び/又は再生装置の非使用時、及び各テープカセット301,302をシャーシ1上の装着位置まで搬送して装着させるローディング操作の開始時には、図3に示すように、各ローディング板5,6はカセット挿入口側に位置されている。このとき、カセットホルダ3は、各ホルダ支持ピン40,40、41,41が各ローディングスリット27,28の後端部に位置していることにより、カセット挿脱位置に置かれる。このようにカセット挿脱位置にカセットホルダ3が移動されたとき、筐体に設けたカセット挿入口を介して第1又は第2のテープカセット301,302の挿脱が行われる。
【0031】そして、各ローディング板5,6は、カセットホルダ3に対し第1又は第2のテープカセット301,302が所定位置まで挿入されると、図4に示すように、ローディングモータ36が駆動され、図4中矢印C方向の後方側に移動される。カセットホルダ3は、各ローディング板5,6の移動によって、各ホルダ支持ピン40,40、41,41を各支持スリット21,23、22,24の水平部分に沿わせて後方側に移動される。
【0032】さらに、各ローディング板5,6が、後方側に移動操作されると、カセットホルダ3は、これらローディング板5,6の移動によって、各ホルダ支持ピン40,40、41,41を各支持スリット21,23、22,24の垂直部分に沿わせて図5中矢印E方向の下方側、すなわち、シャーシ1に接近する方向に移動される。各ローディング板5,6が図5中矢印C方向の後方側に移動され、図5に示すように、各ホルダ支持ピン40,40、41,41が各ローディングスリット27,29、28,30の前端部に位置するようになると、カセットホルダ3は、テープカセット301,302をカセット装着部に装着させるローディング位置に移動される。このとき、カセットホルダ3に挿入されている第1又は第2のテープカセット301,302は、カセット装着部に位置決め装着され、各リール軸8,9が対応するリール軸係合孔304a,305a、310a,311aに係合する。
【0033】なお、カセット装着部に装着された第1又は第2のテープカセット301,302は、リッド308,316より閉塞されていた前面部が開放され、磁気テープ306が外方に引き出され、回転磁気ヘッド装置の回転ドラムを含むテープ案内ドラムに巻回されて走行可能な状態となる。
【0034】そして、カセットホルダ3がローディング位置に移動され、各ローディング板5,6が図5中矢印D方向の前方側に移動されると、カセットホルダ3は、これらローディング板5,6の移動によって各ホルダ支持ピン40,40、41,41を各支持スリット21,23、22,24の垂直部分に沿わせて図5中矢印F方向の上方側であるシャーシ1より離間する方向に移動される。さらに、各ローディング板5,6が前方に移動されると、カセットホルダ3は、これらローディング板5,6の移動によって、各ホルダ支持ピン40,40、41,41を各支持スリット21,23、22,24の水平部分に沿わせて図4中矢印D方向の前方側に移動され、図3に示すように、カセット挿脱位置に戻る。
【0035】ところで、フレーム2の天板11には、図1R>1及び図19に示すように、係止部材となるホルダロックアーム14が取り付けられている。ホルダロックアーム14は、長尺なアームであって、フレーム2の後方側のなる基端部17を天板11の略々中央位置に回動可能に支持されている。このホルダロックアーム14の基端部17は、天板11に設けられたロックアーム取り付け部18,19に、支軸15を介して支持されている。この支軸15は、シャーシ1及び各支持シャフト46,47に平行となされている。また、ホルダロックアーム14は、先端側をフレーム2の前方側に延在させ、先端側がカセットホルダ3に対して接離するように回動可能となされている。このホルダロックアーム14は、支軸15に巻回された捩じりコイルバネ38により、先端側が図19中矢印V方向のシャーシ1側に回動付勢されている。
【0036】ホルダロックアーム14の先端側には、屈曲された当接部20と舌片部20aとが設けられている。当接部20は、フレーム2の前方側に向かう平坦部として形成されている。舌片部20aは、当接部10の上端部よりフレーム2の前方側に向けて突設されている。このホルダロックアーム14の中央部分は、シャーシ1側に膨出するように湾曲された被押圧部20bとなされている。
【0037】カセットホルダ2がカセット挿脱位置にあるときには、ホルダロックアーム14は、第2の支持シャフト47の略々中央位置に当接部20と舌片部20aとを捩じりコイルバネ38の付勢力によって圧接させている。このとき、カセットホルダ3をフレーム2の後方側に移動させようとしても、当接部20より第2の支持シャフト47の後方側への移動が阻止されるため、カセットホルダ3は、後方側に移動されることがない。すなわち、第1又は第2のテープカセット301,302がカセットホルダ3に対し所定位置まで挿入されていないときには、第1又は第2のテープカセット301,302とカセットホルダ3との摩擦力等によって、カセットホルダ3の後方側への移動が規制されている。
【0038】そして、カセットホルダ3に第1又は第2のテープカセット301,302が前方側より挿入され所定位置まで挿入されると、第1又は第2のテープカセット301,302の前端部がホルダロックアーム14の被押圧部20bに当接する。第1又は第2のテープカセット301,302の前端部は、ホルダロックアーム14を捩じりコイルバネ38の付勢力に抗して、先端側がシャーシ1より離間する方向の図19中矢印W方向に回動させる。すると、図20に示すように、当接部20の第2の支持シャフト47に対する当接が解除され、カセットホルダ3は、図20中矢印X方向の後方側への移動が可能な状態となる。
【0039】この記録及び/又は再生装置においては、このときに、後述するように、制御装置の制御によってローディングモータ36の回転駆動が開始され、カセットホルダ3の後方側への移動操作が開始される。また、カセットホルダ3が後方側より前方側に移動されるときには、カセットホルダ3がカセット挿脱位置に移動されたときに、ホルダロックアーム14が捩じりコイルバネ38の付勢力により、当接部20及び舌片部20aを第2の支持シャフト47に当接させる初期位置に復帰する。
【0040】〔3〕蓋体の開閉機構(図1、図6乃至図1010)
本発明に係る記録及び/又は再生装置は、図1及び図6に示すように、カセットホルダ3に対し第1又は第2のテープカセット301,302が挿入操作されるフレーム2の前方側に設けられたカセット挿入口を開閉する蓋体4が設けられている。この蓋体4は、両側が蓋体支持アーム64,65を介してフレーム2の各側板12,13間に支持されている。各蓋体支持アーム64,65は、蓋体4の背面側から側方に向かって突出するように取り付けられている。すなわち、一方の蓋体支持アーム65は、一方の側板13に支軸を介して略々中央部分を回動可能に支持されている。また、他方の蓋体支持アーム64は、他方の側板12に支軸82を介して略々中央部分を回動可能に支持されている。したがって、蓋体4は、フレーム2の前方側部分に対し、図7中矢印K及び矢印L方向の上下方向に移動するように回動可能に支持されている。
【0041】なお、各蓋体支持アーム64,65は、図6R>6に示すように、支軸82を中心とする円弧状の回動規制スリット79を有し、この回動規制スリット79に各側板12,13に植立された回動規制ピン80を挿通させることにより、回動範囲が規制されている。また、回動規制ピン80と、各蓋体支持アーム64,65上の支軸82の近傍に植立された付勢ピン81との間には、リング状に屈曲された蓋体付勢バネ68が張架されている。蓋体付勢バネ68は、蓋体4が回動規制ピン80により規制される回動可能範囲の略々中央位置に回動されたときに最も屈曲される。すなわち、蓋体付勢バネ68は、蓋体4を中央回動位置より離間する方向、すなわち、フレーム2の前方側部分を閉塞する位置とフレーム2の前方側部分を開放する位置とのいずれかの回動方向に選択的に付勢している。また、各蓋体支持アーム64,65には、支軸82を中心とする円弧状のギヤ部69が設けられている。このギヤ部69は、図示しないダンパ機構のギヤを噛合させることによって、蓋体4の開閉速度を制御する。
【0042】そして、各蓋体支持アーム64,65には、蓋体4を支持している一端側に支軸82を介して対向する他端側に、連結軸83を介して、リンク機構を構成する蓋体操作アーム65,65が回動可能に取り付けられている。この蓋体操作アーム65,65は、一端側を蓋体支持アーム64,65の他端側に支持され、他端側をフレーム2の後方側に延在させている。蓋体操作アーム65,65のフレーム2の後方側に位置する他端側には、この蓋体操作アーム65,65の長手方向に沿って長孔67,67が設けられている。これら長孔67,67には、各蓋体操作アーム65,65とともにリンク機構を構成する一対の蓋体操作部材70,70が係合している。これら一対の蓋体操作部材70,70は、それぞれフレーム2の各側板12,13に対応して回動可能に支持されている。
【0043】蓋体操作部材70,70は、略扇型の板状部材であって、扇型の要に相当する下方側部分に設けられた支持孔73に各側板12,13に植立された支軸71を挿通させて回動可能に支持されている。この蓋体操作部材70,70は、扇型の外周部分に操作ピン75が設けられている。この操作ピン75は、蓋体操作アーム65の長孔67に係合している。
【0044】各蓋体操作アーム65,65の一端側と、蓋体操作部材70,70との間には、それぞれ引っ張りコイルバネ66,66が張架されている。この引っ張りコイルバネ66は、一端側を蓋体操作アーム65の連結軸83の近傍位置に設けられたバネ係止部84に係止され、他端側を蓋体操作部材70の操作ピン75の近傍に設けられたバネ係止部85に係止されている。したがって、各蓋滝操作部材70,70は、引っ張りコイルバネ66,66の付勢力により、操作ピン75を長孔67の連結軸83側の端縁に圧接させている。すなわち、各蓋体操作部材70,70は、蓋体4を手動により開閉動作させると、図6及び図9に示すように、蓋体操作アーム65,65を介して回動操作される。
【0045】そして、蓋体操作部材70,70には、第2の支持スリット22,24の垂直部分に対応して蓋体操作凹部76が設けられている。蓋体操作凹部76は、図6に示すように、蓋体4がカセット挿入口を開放した位置に回動され、カセットホルダ3がカセット装着位置に移動されていないときに第2の支持スリット22,24の垂直部分の上方側部分に重なる。この蓋体操作凹部76は、図9に示すように、蓋体4がカセット挿入口を閉塞した位置に回動されたとき第2の支持スリット22,24の垂直部分の下端部分に重なる。
【0046】なお、蓋体操作部材70,70には、支持孔73を中心とする円弧状の回動規制スリット74が設けられている。回動規制スリット74には、各側板12,13に植立された回動規制ピン72が挿通され、蓋体操作部材70,70の回動範囲を規制している。
【0047】蓋体4がカセット挿入口を開放した位置に回動されカセットホルダ3がカセット装着位置に移動されていない様態にあるときにローディング板5,6が後方側が移動されると、蓋体操作部材70,70の蓋体操作凹部76に、第2の支持スリット22,24の垂直部分を下方側に移動する各第2のホルダ支持ピン41,41が進入する。そして、カセットホルダ3がカセット装着位置に移動されると、図7に示すように、各第2のホルダ支持ピン41,41が、図7中矢印E方向に移動し、第2の支持スリット22,24の垂直部分の下端部にまで移動し、蓋体操作部材70,70が、蓋体操作凹部76を下方側となす方向であるシャーシ1に接近させる方向の図7中矢印G方向に回動される。このような蓋体操作部材70,70の回動により、蓋体操作アーム65,65は、図7中矢印I方向の後方側に移動され、蓋体支持アーム64,65を図7中矢印K方向に回動させ、蓋体4をカセット挿入口を閉塞した位置に回動させる。
【0048】上述のように、カセットホルダ3がカセット装着位置まで移動され蓋体4がカセット挿入口を閉塞するときに、蓋体4が手動操作により図8中矢印L方向のカセット挿入口を開放する方向に回動操作されても、図8に示すように、各蓋体操作部材70,70は、各蓋体操作凹部76に各第2のホルダ支持ピン41,41が進入していることにより回動が規制されている。そのため、蓋体操作アーム65,65は、各長孔67,67を操作ピン75,75に対して移動させるとともに、各引っ張りコイルバネ66,66を伸長させながら、図8中矢印J方向の前方側に移動される。そして、蓋体4に対する手動操作が解除されると、蓋体4は、蓋体操作アーム65,65が、各引っ張りコイルバネ66,66の付勢力によって図8中矢印I方向の後方側に復帰することによって図8中矢印K方向に回動されカセット挿入口を閉塞する。
【0049】また、この記録及び/又は再生装置は、図9R>9に示すように、カセットホルダ3がカセット装着位置に移動されていない状態で、蓋体4が手動操作によりカセット挿入口を閉塞する図9中矢印K方向に回動され、その後カセットホルダ3がカセット装着位置に移動される場合がある。このとき、各第2のホルダ支持ピン41,41は、各蓋体操作部材70,70を図10中矢印M方向の外方側に弾性変形させて各蓋体操作凹部76,76に係合する。このときに各第2のホルダ支持ピン41,41に臨む各蓋体操作部材70,70の上端側部分は、図10に示すように、上方側が外方側に向けて開いたテーパ部86とされているので、各第2のホルダ支持ピン41,41による各蓋体操作部材70,70の弾性変形を容易に行うことができる。
【0050】そして、蓋体4がカセット挿入口を閉塞した位置に回動され、カセットホルダ3がカセット装着位置まで移動されているときに、ローディング板5,6が前方側が移動操作されると、蓋体操作部材70,70の蓋体操作スリット74に係合していた各第2のホルダ支持ピン41,41は、第2の支持スリット22,24の垂直部分を図7中矢印F方向の上方側に移動する。このとき、各第2のホルダ支持ピン41,41は、蓋体操作部材70,70を、蓋体操作スリット76を上方側となす図7中矢印H方向に回動させる。このような蓋体操作部材70,70の回動により、蓋体操作アーム65,65は、図7中矢印J方向の前方側に移動され、蓋体支持アーム64,65を図7中矢印L方向に回動させ、図6に示すように、蓋体4をカセット挿入口を閉塞した位置に回動させる。
【0051】〔4〕カセットホルダ(図2、図11乃至図18、図21乃至図24)
ところで、カセットホルダ3には、図2及び図11に示すように、第1及び第2の支持シャフト46,47間を連結するそれぞれ押圧部材となる一対の第1及び第2の連結支持部材48,49、52,53が設けられている。これら第1及び第2の連結支持部材48,49、52,53は、合成樹脂等のやや弾性を有する材料により形成されている。第1の連結支持部材48,49は、各支持シャフト46,47の中央部に位置して互いに平行に配設されている。これら第1の連設支持部材48,49は、棒状の部材であって、両端側の透孔に各支持シャフト46,47を挿通させて支持している。第2の連設支持部材52,53は、各第1の連結支持部材48,49よりも外側に位置して互いに平行に配設されている。これら第2の連設支持部材52,53は、棒状の部材であって、両端側の上面側の凹部に各支持シャフト46,47を係合させて支持している。
【0052】そして、各第1の連結支持部材48,49の外側であってこれら第1の連結支持部材48,49の近傍位置には、一対の誤挿入阻止アーム50,51が第1の連結支持部材48,49を挟むようにして配設されている。これら誤挿入阻止アーム50,51は、基端側を第1の支持シャフト46に回動可能に支持され、先端側を第2の支持シャフト47側に向けている。これら誤挿入阻止アーム50,51は、第1の支持シャフト87,88に巻装された一対の捩じりコイルバネ87,88により、それぞれ先端側を底板43に接近させる方向に回動付勢されている。これら誤挿入阻止アーム50,51は、内側の側縁に係止突起89,91が設けられり、これら係止突起89,91を各第1の連結支持部材48,49の外側の側縁に設けられた係止舌片90,92に当接させることにより初期位置に位置決めされている。
【0053】これら誤挿入阻止アーム50,51は、底板43に対向する下面部に段差部50a,51aが設けられ、第1又は第2のテープカセット301,302がカセットホルダ3に対して裏返して、すなわち、底面部を上方側に向けて挿入されたときに、これら第1又は第2のテープカセット301,302に段差部50a,51aを当接させて挿入を阻止する。なお、第1及び第2のカセットハーフ303,309の前面部の上端側、すなわち、リッド316の上端側には、図19及び図20に示すように、各誤挿入阻止アーム50,51を上方側に回動させるためのテーパ部316bが設けられている。
【0054】また、第1の支持シャフト46には、第2の連結支持部材52,52の外側となる位置に一対のカセットガイド部材54,55が設けられている。カセットガイド部材54,55は、合成樹脂等により第1の支持シャフト46の中央部を介して左右対称となるように舌片状に形成され、基端側の透孔54a,55aに第1の支持シャフト46を挿通させて回動可能に支持されている。一方のカセットガイド部材54は、図21に示すように、第2の支持シャフト47に取り付けられたガイド部材操作アーム56により、先端側を底板43の前端部に向けるように傾斜した初期位置に位置決めされている。他方のカセットガイド部材55も、一方のカセットガイド部材54と同様に構成され、ガイド部材操作アーム58によって初期位置に位置決めされている。これらカセットガイド部材54,55の先端側は、互いに対向する内側が、カセットホルダ3の前方側、すなわち、第1又は第2のテープカセット301,302が挿入される側に向けて互いの間隔が徐々に拡大するように傾斜したテーパ状となされている。また、各カセットガイド部材54,55間は、図11及び図12に示すように、第1のカセットハーフ303の幅に相当する間隔Sを有する。
【0055】ガイド部材操作アーム56は、基端側の透孔56aに第2の支持シャフト47を挿通させて回動可能に支持されており、先端側をカセットガイド部材54のカセットホルダ3の外方側に向かう側部に添わせている。このガイド部材操作アーム56の先端側には、操作軸56aが側方に向けて突設されている。操作軸56aは、カセットガイド部材54の側部に形成された被操作スリット54aに挿通されている。被操作スリット54aは、カセットガイド部材54の長手方向に亘って形成されておる。すなわち、ガイド部材操作アーム56は、第2の支持シャフト47を中心に先端側が底板53より離間する方向に回動されると、図23に示すように、操作軸56aを被操作スリット54a内をカセットガイド部材54の基端側方向に移動させ、カセットガイド部材54を、先端側が底板43より離間する方向に回動させる。他方のカセットガイド部材55も、一方のカセットガイド部材54と同様に、ガイド部材操作アーム58によって上述のように回動される。
【0056】そして、各ガイド部材操作アーム56,58の近傍には、カセットサイズ検出アーム57,59が設けられている。これらカセットサイズ検出アーム57,59は、基端側の透孔57a,59aに第2の支持シャフト47に回動可能に支持されている。これらカセットサイズ検出アーム57,59は、先端側がカセット当接部57a,59aとなされており、このカセット当接部57a,59aを底板43に向けている。
【0057】第2の支持シャフト47には、一方側のガイド部材操作アーム56及びカセットサイズ検出アーム57と他方側のガイド部材操作アーム59及びカセットサイズ検出アーム58とに対応して一対の捩じりコイルバネ116が巻装されて設けられている。捩じりコイルバネ116,116は、図21に示すように、一端側をカセットホルダ3の側板42に設けられた係止片3aに係止させ、中途部をカセットサイズ検出アーム57,58の係止部57cに係止させ、さらに、他端側をガイド部材操作アーム56,57に係止させている。この捩じりコイルバネ116は、中途部によってカセットサイズ検出アーム57を、カセット当接部57aを上記カセットホルダ3の前方側に振り出す図21及び図22中矢印α方向に回動付勢している。カセットサイズ検出アーム57は、捩じりコイルバネ116による回動付勢方向を図示しない規制部材により規制されて初期位置に位置決めされている。また、捩じりコイルバネ116は、カセットサイズ検出アーム57とガイド部材操作アーム56とを互いに離間させる方向に回動付勢している。これらカセットサイズ検出アーム57とガイド部材操作アーム56とは、図示しない規制部材により、第2の支持シャフト47を中心とした回動角度が所定の角度以上とならないように規制されている。
【0058】また、カセットホルダ3の底板43には、図12に示すように、一対のガイド突条93,94と一対の位置決め突片95,96とが設けられている。一対のガイド突条93,94は、各テープカセット301,302の挿入方向に沿って左右対称となるように互いに平行に設けられている。これらガイド突条93,94の前方側部分は、互いの間隔が前方に向かって徐々に拡大されるように傾斜されたテーパ状となされている。各位置決め突片95,96は、底板43の後端縁に各ガイド突条95,96よりも底板43の中央側に突設されている。
【0059】カセットホルダ3に第1のテープカセット301が挿入されると、カセットガイド部材54,55及びガイド突条93,94にガイドされて、底板43上の中央に挿入される。第1のテープカセット301は、第1のカセットハーフ303の前端部が各位置決め突片95,96に当接する位置まで挿入される。
【0060】また、カセットホルダ3に第2のテープカセット303が挿入されると、各ガイド溝317,318に各ガイド突条93,94を係合させながら挿入される。このとき、各カセットガイド部材54,55は、図2323に示すように、底板43より離間する方向に回動され、各支持シャフト46,47と略々面一となる。すなわち、第2のカセットハーフ309は、各カセットサイズ検出アーム57,59の各カセット当接部57a,59aに当接し、これらカセット当接部57a,59aを各捩じりコイルバネ116,116の付勢力に抗して後方側に移動させるように各カセットサイズ検出アーム57,59を回動させる。すると、各ガイド部材操作アーム56,58は、図23に示すように、捩じりコイルバネ116,116の弾性力によって、先端側を底板43より離間させる方向に回動され、各カセットガイド部材54,55を、先端側を底板43より離間させる方向に回動させる。そして、第2のテープカセット303は、各カセットガイド部材54,55に当接することなく、図24に示すように、第2のカセットハーフ309の前端部が各位置決め突片95,96に当接する位置まで挿入される。
【0061】カセットホルダ3の底板43の前端側には、図15に示すようにカセットホルダ3に挿入された第1又は第2のテープカセット301,302の一対のリール軸係合孔304a,305a、310a,311aを、図16及び図17に示すように、シャーシ1側に臨ませるための一対のリール軸用切り欠き部44,45が設けられている。また、底板43の後端側には、第1又は第2のテープカセット301,302の底部前方側に設けられている磁気テープ引き出し部をシャーシ1側に臨ませるためのテープ用切り欠き部97が設けられている。
【0062】そして、カセットホルダ3の底板43には、図15に示すように、第1及び第2のカセット挿入検出レバー101,105が設けられている。これらカセット挿入検出レバー101,105は、底板43のシャーシ1に臨む側に回動軸99,103を介して回動可能に支持されている。第1のカセット挿入検出レバー101は、一端側の被当接部102をテープ用切り欠き部97内に進入させた初期位置に図示しないコイルバネにより位置決めされている。また、第2のカセット挿入検出レバー105も、一端側の被当接部106をテープ用切り欠き部97内に進入させた初期位置に図示しないコイルバネにより位置決めされている。そして、第1のカセット挿入検出レバー101の他端側には、第1の被回動操作レバー100が設けられている。第1の被回動操作レバー100の先端側は、フレーム2の一方の側板12に近接されている。また、第2のカセット挿入検出レバー105の他端側には、第2の被回動操作レバー104が設けられている。第2の被回動操作レバー104の先端側は、フレーム2の他方の側板13に近接されている。
【0063】また、第1のカセット挿入検出レバー101には、支軸110を介してリンク98の一端側が連結されている。このリンク98の他端側は、第1の検出伝達アーム107の一端側に支軸109を介して連結されている。第1の検出伝達アーム107は、回動軸103に回動可能に支持され、他端側を底板43の後方側に突出させている。第2のカセット挿入検出レバー105には、第2の検出伝達レバー108が取り付けられている。第2の伝達検出レバー108は、基端側を第2のカセット挿入検出レバー105に支持され、先端側を底板43の後方側に突出させている。第1及び第2の検出伝達レバー107,108は、底板43の後方側に突出された側の端部近傍が、それぞれ第1及び第2の検出伝達部111,112となる。これら第1及び第2の検出伝達部111,112は、カセットホルダ3に第1又は第2のテープカセット301,302が挿入されていないときに互いに重なり合っている。これら第1及び第2の検出伝達部111,112が互いに重なり合った部分には、カセットホルダ3に支持されたフォトセンサ113が臨んでいる。
【0064】カセットホルダ3に第1又は第2のテープカセット301,302が挿入されると、図16及び図1717に示すように、各カセット挿入検出レバー101,105は、被当接部102,106が第1又は第1のカセットハーフ303,309に押圧されて底板43の後方側となす図16及び図17中矢印N方向及び矢印O方向に回動され、各検出伝達レバー107,108を回動させ、各被検出部111,112を互いに離間させるとともに各被検出部111,112をフォトセンサ113の検出範囲より退避させる。このフォトセンサ113により検出される検出信号は、制御装置に供給されローディングモータ36を駆動させる。
【0065】また、各カセット挿入検出レバー101,105は、第1又は第2のテープカセット301,302が挿入されたカセットホルダ3が、フレーム2の後方側より前方側に向かう図18中矢印T方向に移動されるときには、被回動操作レバー100,104の先端部がフレーム2の各側板12,13の互いに対向する内側に突設された当接突部114,115に当接することにより、初期位置に復帰する図18中矢印Q方向及び矢印R方向に強制的に回動される。このようなカセット挿入検出アーム101,105の回動により、各被当接部102,106が第1又は第2のカセットハーフ303,309の前面部を押圧して、第1又は第2のテープカセット301,302をフレーム2の前方に向かう図18中矢印U方向に押し出す。
【0066】ところで、カセットホルダ3に挿入れた第1又は第2のテープカセット301,302は、ローディングモータ36の回転駆動により、カセットホルダ3とともに移動されシャーシ1上のカセット装着部に装着される。このとき、第1又は第2のテープカセット301,302は、リール軸係合孔304a,405a、310a,311aに各リール軸8,9が係合され、シャーシ1上に設けられる図示しない位置決め部に当接されて高さ方向の位置決めが行われる。
【0067】カセット装着部に装着された第1のテープカセット301には、図13に示すように、各第1の連結支持部材48,49及び各第2の連結支持部材52,53が当接される。そして、各支持シャフト46,47は、両端側をシャフト押さえ板バネ61,63により押圧支持されるとともに、各連結支持部材48,49、52,53を介して第1のカセットハーフ303を押圧支持する。また、各支持シャフト46,47が若干の反りを生ずるため、第1のカセットハーフ303には、各連結支持部材48,49、52,53の各端部が上面部の両側縁近傍の4箇所に当接する。第1のカセットハーフ303は、上述のように、上面部の側縁近傍を押圧されるため、歪みを生ずることなくカセット装着部に装着される。
【0068】また、カセット装着部に装着された第2のテープカセット302には、図14に示すように、各第1の連結支持部材48,49、各第2の連結支持部材52,53及び各支持シャフト46,47の両端部近傍が当接される。このとき、第2の連結支持部材52,53の前方側の端部近傍は、各リール押さえ部材312,314の上面部に当接する。このとき、リール押さえ部材312,314は、各リール押さえコイルバネ313,315の付勢力を受けて各テープリール310,311を各リール軸8,9側に押圧する。また、各支持シャフト46,47が若干の反りを生ずるため、第2のカセットハーフ309には、第1の連結支持部材48,49は殆ど当接せず、各支持シャフト46,47の各端部近傍が、上面部の両側縁近傍の4箇所に当接する。第2のカセットハーフ309は、上述のように、上面部の側縁近傍を押圧されるため、歪みを生ずることなくカセット装着部に装着される。
【0069】なお、各支持シャフト46,47に対する各シャフト押さえ板バネ61,63による押圧力は、各止めネジ60,62の位置を各シャフト押さえ板バネ61,63の中央部よりずらすことにより調整することができる。すなわち、各止めネジ60,62の位置を各シャフト押さえ板バネ61,63の後方寄りとすると、第1の支持シャフト46による第1又は第2のカセットハーフ303,309に対する押圧力が強くなり、第2の支持シャフト47による第1又は第2のカセットハーフ303,309に対する押圧力が弱くなる。逆に、各止めネジ60,62の位置を各シャフト押さえ板バネ61,63の前方寄りとなる位置とすると、第1の支持シャフト46による第1又は第2のカセットハーフ303,309に対する押圧力が弱くなり、第2の支持シャフト47による第1又は第2のカセットハーフ303,309に対する押圧力が強くなる。これらは、シャーシ1上の各カセットハーフ303,309に当接する位置決め部の位置等に応じて調整することができる。
【0070】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る記録及び/又は再生装置は、カセットホルダの移動に関連して蓋体の開閉操作が行われ、手動操作により、カセットホルダの移動とは関連することなく蓋体の開閉操作を行うことができるので、緊急時に蓋体を手動により回動操作することによって迅速なテープカセットの装脱操作を行うことができる。特に、蓋体は、カセット挿入口の外側で回動操作されるので、手動操作により容易に回動操作することができる。また、蓋体は、付勢部材の付勢力を受けて開放位置及び閉塞位置に保持されるので、カセット挿入口を開閉した状態を確実に保持でき、カセット挿入口が開放された状態で蓋体に邪魔されることなく容易にテープカセットの装脱を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録及び/又は再生装置を示す分解斜視図である。
【図2】上記記録及び/又は再生装置のカセットホルダを示す斜視図である。
【図3】上記記録及び/又は再生装置がアンローディング状態にある側面図である。
【図4】上記記録及び/又は再生装置がローディング途中の状態にある側面図である。
【図5】上記記録及び/又は再生装置のローディング完了状態を示す側面図である。
【図6】上記記録及び/又は再生装置のローディング途中でカセット挿入口が開放されている状態を示す側面図である。
【図7】上記記録及び/又は再生装置のローディングが完了してカセット挿入口が閉塞された状態を示す側面図である。
【図8】上記記録及び/又は再生装置の要部のローディングが完了してカセット挿入口が開放された状態を示す側面図である。
【図9】上記記録及び/又は再生装置の要部のローディング途中でカセット挿入口が閉塞された状態を示す側面図である。
【図10】上記記録及び/又は再生装置の要部のローディング途中でカセット挿入口が閉塞された状態を示す要部斜視図である。
【図11】上記記録及び/又は再生装置のカセットホルダを示す平面図である。
【図12】上記カセットホルダの正面図である。
【図13】カセットホルダに第1のテープカセットが挿入された状態を示す平面図である。
【図14】カセットホルダに第2のテープカセットが挿入された状態を示す平面図である。
【図15】上記カセットホルダの底面図である。
【図16】カセットホルダに第1のテープカセットが挿入された状態を示す底面図である。
【図17】カセットホルダに第2のテープカセットが挿入された状態を示す底面図である。
【図18】カセットホルダに装着された第2のテープカセットを取り出す状態を示す底面図である。
【図19】カセットホルダにテープカセットが挿入される前の状態を示す縦断面図である。
【図20】カセットホルダにテープカセットが挿入された状態を示す縦断面図である。
【図21】カセットホルダに設けられたカセットガイド部材を示す要部斜視図である。
【図22】上記カセットガイド部材を示す縦断面図である。
【図23】上記カセットガイド部材のテープカセットの挿入開始状態を示す縦断面図である。
【図24】上記カセットガイド部材のテープカセットの挿入完了状態を示す縦断面図である。
【図25】第1のテープカセットを一部を破断して示す斜視図である。
【図26】第2のテープカセットを一部を破断して示す斜視図である。
【符号の説明】
1 シャーシ、 2 フレーム、 3 カセットホルダ、 4 蓋体、 14ホルダロックアーム、 48,49 第1の連結支持部材、 52,53 第2の連結支持部材、 54,55 カセットガイド部材、 56,58 ガイド部材操作アーム、 57,59 カセットサイズ検出アーム、 65,65 蓋体操作アーム、 70,70 蓋体操作部材、 301 第1のテープカセット、 302 第2のテープカセット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 テープカセットが挿入され、このテープカセットを保持し、テープカセットの挿脱を可能とする挿脱位置と上記テープカセットをカセット装着部に装着させるカセット装着位置との間に亘って移動操作されるカセットホルダと、上記カセットホルダに対向してカセット挿入口を、このカセット挿入口の外側に位置して開閉するように装置本体に回動可能に支持された蓋体と、上記テープカセットの挿入前は上記カセット挿入口を開放する方向へ上記蓋体を付勢するとともに上記テープカセットの挿入後は上記カセット挿入口を閉塞する方向へ上記蓋体を付勢する付勢部材と、上記カセットホルダのカセット装着位置方向への移動に関連して上記蓋体を上記カセット挿入口を閉塞する方向に回動させ、上記カセットホルダの挿脱位置方向への移動に関連して上記蓋体を上記カセット挿入口を開放する方向に回動させるリンク機構とを有する記録及び/又は再生装置。

【図1】
image rotate


【図22】
image rotate


【図20】
image rotate


【図23】
image rotate


【図24】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【図9】
image rotate


【図10】
image rotate


【図19】
image rotate


【図11】
image rotate


【図12】
image rotate


【図13】
image rotate


【図14】
image rotate


【図15】
image rotate


【図25】
image rotate


【図16】
image rotate


【図17】
image rotate


【図18】
image rotate


【図21】
image rotate


【図26】
image rotate


【特許番号】特許第3063221号(P3063221)
【登録日】平成12年5月12日(2000.5.12)
【発行日】平成12年7月12日(2000.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−108395
【出願日】平成3年4月13日(1991.4.13)
【公開番号】特開平4−315858
【公開日】平成4年11月6日(1992.11.6)
【審査請求日】平成10年4月9日(1998.4.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【参考文献】
【文献】実開 昭55−141301(JP,U)
【文献】実開 昭59−164959(JP,U)
【文献】実開 平3−14746(JP,U)