説明

記録媒体及びトレイ又は用紙搬送面形状

【課題】凸ガイド付のプリンターにて記録媒体をセットする場合、目視でセット位置を確認できる記録媒体を提供する。
【解決手段】記録媒体は、透明な樹脂シートと、透明な樹脂シートの一方の面に形成される第1のレンチキュラーレンズ20と、記録領域22a及び非記録領域22bを有し、透明な樹脂シートの他方の面に形成される画像形成層22と、画像形成層22の非記録領域22bに形成される第2のレンチキュラーレンズ24と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体及びトレイ又は用紙搬送面形状に関するものである。
【背景技術】
【0002】
記録層に重ねてレンチキュラーレンズを有し、記録層に記録された画像をレンチキュラーレンズを介して、立体画像あるいは見る角度によって見える画像の形態等が変わる変り絵画像として見ることができる記録媒体が従来から知られている。かかる記録媒体に記録された画像を所定の立体画像あるいは変り絵画像として見ることができるようにするためには、記録層への記録位置をレンチキュラーレンズのレンズ配列に精度良く対応させて行う必要がある。そのため、例えば、特許文献1には、レンズピッチと同じ凹凸を備えたプリンターで、専用紙のレンズと搬送面上の凹凸とをかみ合わせることで搬送角度精度を向上させる手段が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−073651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の手段による場合は、レンズ付専用紙をプリンター上のガイドにセットする作業があり、その作業は、印刷用紙が透明ではなく白色の場合、手の感覚だけでセット位置を判定するために、セットした位置が本当に正解かどうか定かではない虞がある。また、正常かどうかの判断が、作業者自身にしかわからない。もしも位置ずれが頻繁に起きる事態が発生した場合、原因の1つを減らす意味で位置合わせの状態が見えていたほうが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]透明な樹脂シートと、前記透明な樹脂シートの一方の面に形成される第1のレンチキュラーレンズと、記録領域及び非記録領域を有し、前記透明な樹脂シートの他方の面に形成される画像形成層と、前記画像形成層の前記非記録領域に形成される第2のレンチキュラーレンズと、を含むことを特徴とする記録媒体。
【0007】
これによれば、第1のレンチキュラーレンズと第2のレンチキュラーレンズとのダブルレンズを採用することにより、凸ガイド付きのプリンターにてこの記録媒体をセットする場合、レンズ効果を相殺後、拡大することにより、目視でセット位置が正しいかどうかを確認できる。そのため、印刷面に視差画像を印刷するときに、視差画像をレンズと正確な位置関係に印刷しやすくなる。
【0008】
[適用例2]上記記録媒体であって、前記第1のレンチキュラーレンズの配設ピッチは、前記第2のレンチキュラーレンズの配設ピッチより小さいことを特徴とする記録媒体。
【0009】
これによれば、レンズ効果を相殺後、さらに拡大することにより、目視でセット位置が正しいかどうかを容易に確認できる。
【0010】
[適用例3]透明な樹脂シートと、前記透明な樹脂シートの一方の面に形成される第1のレンチキュラーレンズと、前記透明な樹脂シートの他方の面に形成される画像形成層と、前記第1のレンチキュラーレンズの並びに対して略直交するとともに、厚さが他の領域よりも薄く形成されている少なくとも1つの折り返し部と、を含むことを特徴とする記録媒体。
【0011】
これによれば、レンズの並びに対して略直交する折り返し部を形成することにより、折り返し部から記録媒体を折り返すことができ、折り返された記録媒体のレンズが印刷面側に向くことになる。その結果、ダブルレンズを採用することにより、凸ガイド付きのプリンターにてこの記録媒体をセットする場合、レンズ効果を相殺後、拡大することにより、目視でセット位置が正しいかどうかを確認できる。そのため、印刷面に視差画像を印刷するときに、視差画像をレンズと正確な位置関係に印刷しやすくなる。
【0012】
ここで、レンズの並びに対して略直交とは、例えば、レンズが柱型非球面レンズであるレンチキュラーレンズの場合は、レンチキュラーレンズの長手軸線方向に対して略直交のことであり、レンズが蝿の目レンズを設けたインテグラルシートの場合は、各蝿の目レンズの中心を結ぶ直線に対して略直交のことである。
【0013】
[適用例4]上記記録媒体であって、前記折り返し部が、前記第1のレンチキュラーレンズ側に向かって開口する切り込みであることを特徴とする記録媒体。
【0014】
これによれば、折り返し部から記録媒体を印刷面が形成されている他方の面側に折り返しやすくなり、折り返された記録媒体のレンズが印刷面側に向き易くなる。
【0015】
[適用例5]上記記録媒体であって、前記画像形成層であって、前記折り返し部から折り返すことにより前記画像形成層同士が対向する領域の少なくとも一部に、前記画像形成層同士を固定する固定部材が設けられていることを特徴とする記録媒体。
【0016】
これによれば、上記領域の少なくとも一部に、固定部材を設けているため、折り返し部から折り返した記録媒体を容易に固定することができる。また、画像形成層へ保護シートが貼り付けやすくなる。
【0017】
[適用例6]上記記録媒体であって、前記画像形成層同士が対向する領域は、該画像形成層の非記録領域であることを特徴とする記録媒体。
【0018】
これによれば、印刷領域を容易に確保することができる。
【0019】
[適用例7]上記記録媒体であって、前記固定部材は、糊又は両面テープであることを特徴とする記録媒体。
【0020】
これによれば、固定部材として糊又は両面テープを用いることで、特別な工程、方法を用いる必要がないので、容易に記録媒体を製造することができる。
【0021】
[適用例8]上記のいずれか一項に記載の記録媒体をその第1のレンチキュラーレンズを下側にして支持する支持面と、前記支持面に前記第1のレンチキュラーレンズに対して、所定の搬送方向に沿って係合する線条の係合部と、前記支持面あるいは前記係合部上に形成される検査画像と、を含むことを特徴とするトレイ又は用紙搬送面形状。
【0022】
これによれば、支持面あるいは係合部に検査画像を設けることにより、記録媒体の凸部面のレンズ部とトレイ又は用紙搬送面形状の係合部とのセット位置が正しいかどうかを目視で判断できる。また、第1のレンチキュラーレンズと第2のレンチキュラーレンズとのダブルレンズを採用することにより、この検査画像が見やすくなる。そのため、印刷面に視差画像を印刷するときに、視差画像をレンズと正確な位置関係に印刷しやすくなる。
【0023】
[適用例9]上記トレイ又は用紙搬送面形状であって、前記検査画像を介して前記支持面に支持される前記記録媒体側に光を拡散する光拡散手段を有していることを特徴とするトレイ又は用紙搬送面形状。
【0024】
これによれば、検査画像が見易くなり目視でセット位置が正しいかどうかを容易に確認できる。
【0025】
[適用例10]上記トレイ又は用紙搬送面形状であって、前記係合部は、前記第1のレンチキュラーレンズの配設ピッチの整数倍で複数設けられていることを特徴とするトレイ又は用紙搬送面形状。
【0026】
これによれば、係合部が主走査方向に複数配設されるため、係合部と記録媒体との係合力を高めることができ、記録媒体の主走査方向への移動をより効果的に抑えることができる。
【0027】
[適用例11]上記トレイ又は用紙搬送面形状であって、前記検査画像は、前記係合部に対して長手方向に沿って平行な複数及び複数色のラインで形成されていることを特徴とするトレイ又は用紙搬送面形状。
【0028】
これによれば、検査画像としてのラインの色(モアレ)の変化で、記録媒体の凸部面のレンズ部とトレイ又は用紙搬送面形状の係合部とのセット位置が正しいかどうかを目視で判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1の実施形態に係る記録装置の後方斜視図。
【図2】図1に示す部分Rの拡大図。
【図3】第1の実施形態に係るレンズシートの画像形成層側の上面図。
【図4】図3に示すレンズシートの他の形態を示す図。
【図5】図4に示すレンズシートの適用例を示す図。
【図6】第1の実施形態に係るシートガイドを示す断面図。
【図7】図6に示すシートガイドの係合部の他の形態を示す図。
【図8】図6に示すシートガイドの追加機能を示す図。
【図9】図6に示すシートガイドの他の形態を示す図。
【図10】図9に示すシートガイドのレンズシートを示す図。
【図11】図10に示すレンズシートの適用例を示す図。
【図12】第1の実施形態に係る検査画像を示す上面図。
【図13】図12に示す検査画像の他の形態を示す断面図。
【図14】第1の実施形態に係るシートガイドのセット時の目視例を示す図。
【図15】第2の実施形態に係るレンズシートの一実施形態を示す斜視図。
【図16】第2の実施形態に係る糊付レンズシートの例を示す図。
【図17】第2の実施形態に係るレンズシートの一実施形態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る記録装置2について、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0031】
図1は、本実施形態に係る記録装置の後方斜視図である。図2は、図1に示す部分Rの拡大図である。なお、図1において、記録媒体としてのレンズシートLが進行する方向である矢印Xの方向を前方(前側)とし、この反対方向を後方(後側)とする。また、後方から前方に向かって右手方向となる矢印Yの方向を右方(右側)とし、この反対方向である左手方向を左方(左側)とする。そして、矢印Zの方向を上方(上側)とし、この反対方向を下方(下側)として、以下の説明を行うこととする。
【0032】
記録装置2は、外装体である筐体10と、記録媒体としてのレンズシートLを下側から支持するトレイ又は用紙搬送面形状としてのシートガイド12と、シートガイド12上に載置されたレンズシートLを後方から前方に向けて搬送する給紙ローラー14及び排紙ローラー16と、レンズシートLに対して記録を行う記録ヘッド18等を有する。
【0033】
レンズシートLは、透明な樹脂シートと、透明な樹脂シートの一方の面に形成される第1のレンチキュラーレンズ20と、記録領域22a及び非記録領域22b(図3参照)を有し、透明な樹脂シートの他方の面に形成される画像形成層22と、画像形成層22の非記録領域22bに形成される第2のレンチキュラーレンズ24と、を備えている。
【0034】
レンズシートLは、透明な樹脂シートの一方の面に第1のレンチキュラーレンズ20が形成され、他方の面に画像形成層22が形成されている。このレンズシートLは、画像形成層22に記録された画像を第1のレンチキュラーレンズ20を介して視認することができるように構成されている。したがって、例えば、画像形成層22に、第1のレンチキュラーレンズ20の配設ピッチや焦点距離等に対応させて視差のある画像を記録し、この画像を第1のレンチキュラーレンズ20の側から視認すると、立体感のある画像として、あるいは見る角度によって異なる画像として視認することができるというものである。なお、レンズシートLは画像形成層22を形成することなく、第1のレンチキュラーレンズ20が形成される側と反対の面の樹脂部に直接記録を行う構成のものとしてもよい。
【0035】
筐体10の後側の側面には、レンズシートLを筐体10内に供給するための給紙開口部26が形成され、また、前側の側面には、給紙開口部26の側から供給されたレンズシートLを排出する排紙開口部28が形成されている。給紙開口部26から記録装置2に供給されたレンズシートLは、給紙ローラー14及び排紙ローラー16により前方に向かって搬送されるとともに、記録ヘッド18により記録が行われた後、排紙開口部28から記録装置2の外部に排出される。
【0036】
シートガイド12は、給紙ローラー14と排紙ローラー16との下方に配設され、全体として矩形の板状体を呈している。このシートガイド12は、前後方向が、給紙開口部26の後方に突出した位置から排紙開口部28と排紙ローラー16との間の位置に亘って備えられている。また、左右の幅方向については、載置されるレンズシートLの全幅に亘って支持できる幅となっている。シートガイド12は、筐体10、又は内部のフレーム等の構造体に対して図示を省略する構成により取り付けられている。
【0037】
シートガイド12は、樹脂等から形成される板状体の基板30と、レンズシートLをその第1のレンチキュラーレンズ20を下側にして支持する支持面としての上面30Aと、上面30Aに第1のレンチキュラーレンズ20に対して、所定の搬送方向に沿って係合する線条の係合部32と、上面30Aあるいは係合部32上に形成される検査画像34(図5参照)と、を備えている。係合部32は、基板30においてレンズシートLを支持する側の面である上面30Aに設けられていて、第1のレンチキュラーレンズ20と同一形状に形成されている。すなわち、第1のレンチキュラーレンズ20を形成する各レンズ要素36(例えば、シリンドリカルレンズ)と同一形状の線条の凸条38が第1のレンチキュラーレンズ20の配設ピッチと同一ピッチでレンズシートLの幅よりも広い幅に亘って並設されている。凸条38の長手方向、すなわち凸条38の母線(稜線)方向は、レンズシートLの所定の搬送方向、すなわち給紙ローラー14及び排紙ローラー16に直交する方向に沿って形成されている。
【0038】
係合部32は、第1のレンチキュラーレンズ20の配設ピッチの整数倍で複数設けられていてもよい。これにより、係合部32が主走査方向に複数配設されるため、係合部32とレンズシートLとの係合力を高めることができ、レンズシートLの主走査方向への移動をより効果的に抑えることができる。
【0039】
本実施形態では、係合部32は、第1のレンチキュラーレンズ20と同一部材により形成されている。すなわち、第1のレンチキュラーレンズ20の凸面を上方に向けたレンズシートLを基板30の上面に貼り付けることで、基板30に係合部32を備えることとしている。このように、係合部32をレンズシートLにより形成することで、容易に基板30上に係合部32を設けることができる。なお、基板30を樹脂成形により作成する場合には、成形金型に予め係合部32に対応する型面を形成して、係合部32を基板30と一体に成形するようにしてもよい。このように基板30に係合部32を一体に樹脂成形する場合には、基板30を形成する樹脂材をフッ素樹脂等の低摩擦の樹脂材とすることで、レンズシートLと係合部32との摩擦を小さくすることができ、レンズシートLの搬送をスムーズに行うことができる。また、基板30を金属板により形成してもよい。この場合には、金属板を切削加工することにより係合部32を形成することができる。
【0040】
これにより、上面30Aあるいは係合部32に検査画像34を設けることにより、レンズシートLの第1のレンチキュラーレンズ20とシートガイド12の係合部32とのセット位置が正しいかどうかを目視で判断できる。また、第1のレンチキュラーレンズ20と第2のレンチキュラーレンズ24とのダブルレンズを採用することにより、この検査画像34が見やすくなる。そのため、印刷面に視差画像を印刷するときに、視差画像をレンズと正確な位置関係に印刷しやすくなる。
【0041】
第1及び第2のレンチキュラーレンズ20,24は、複数の半円筒状又は円弧状の細長い凸部が並列に配置されている。第1及び第2のレンチキュラーレンズ20,24は、柱型非球面レンズ(シリンドリカルレンズ)が複数形成されている。第1及び第2のレンチキュラーレンズ20,24は、その長手軸線方向が平行かつ等間隔に配列されている。
【0042】
記録ヘッド18の前後には、給紙ローラー14と排紙ローラー16が配設されている。給紙ローラー14と排紙ローラー16とは、それぞれ給紙用モーター42と排紙用モーター44とにより回転駆動され、シートガイド12の上に載置されているレンズシートLを後方から前方に向けて搬送する。
【0043】
記録ヘッド18は、キャリッジ46の下面に取り付けられ、本実施形態では、インクを吐出するインクジェット型の記録ヘッドとして構成されている。キャリッジ46は、左右方向に延設されるキャリッジガイド48に移動可能に支持され、また、キャリッジ用モーター50により駆動されるタイミングベルト52に取り付けられている。このため、キャリッジ用モーター50によりタイミングベルト52を左右方向に回転駆動すると、キャリッジ46と共に記録ヘッド18がキャリッジガイド48に沿って左右方向に移動することができる。
【0044】
したがって、給紙ローラー14と排紙ローラー16とによるレンズシートLの搬送方向である副走査方向への搬送を制御するとともに、記録ヘッド18の移動方向である主走査方向、すなわち左右方向への移動についても制御することで、記録ヘッド18をレンズシートLの所定位置に移動することができ、レンズシートLの所望の位置に画像を記録することができる。なお、レンズシートLは、画像形成層22の側を記録ヘッド18に対向され、第1のレンチキュラーレンズ20の側が係合部32に接触するようにシートガイド12に載置される。つまり、記録ヘッド18は画像形成層22に対して記録を行い、第1のレンチキュラーレンズ20の側から画像形成層22に記録された画像を視認することができる記録物が製作されることになる。
【0045】
上述したように、構成される記録装置2によりレンズシートLに対して記録を行う場合には、レンズシートLを、第1のレンチキュラーレンズ20の側をシートガイド12の係合部32に向けてシートガイド12の上に載置する。その際、第1のレンチキュラーレンズ20と第2のレンチキュラーレンズ24とのダブルレンズでシートガイド12の検査画像34を用いて目視でセット位置が正しいかどうかを確認する。係合部32と第1のレンチキュラーレンズ20とは同一形状であるため、図2に示すように、シートガイド12上に載置されたレンズシートLは、第1のレンチキュラーレンズ20を構成するレンズ要素36と凸条38が互いに噛み合い、レンズシートLは係合部32により左右方向(主走査方向)の位置決めが行われた状態となる。また、凸条38は、その母線(稜線)方向がレンズシートLの所定の搬送方向である主走査方向に直交する方向に沿うように形成されている。したがって、レンズシートLが給紙ローラー14と排紙ローラー16とによって搬送される際には、係合部32により主走査方向に直交する方向にガイドされた状態で搬送される。つまり、シートガイド12を、凸条38の母線(稜線)方向、すなわち係合部32のガイド方向が、レンズシートLの所定の搬送方向に沿うように配置されることで、レンズシートLは、搬送方向が一定に維持された状態で搬送される。搬送方向が一定に維持された状態でレンズシートLが搬送されることで、記録ヘッド18によるレンズシートLへの記録を所定の位置に行うことができる。
【0046】
給紙ローラー14とシートガイド12との間隔、及び排紙ローラー16とシートガイド12との間隔は、これらのローラーからレンズシートLに対して適度な押圧力を作用させることができる間隔となっている。つまり、レンズシートLをシートガイド12に対して押圧することで、係合部32と第1のレンチキュラーレンズ20との係合を確実なものとすることができ、レンズシートLを搬送する際の左右方向の搬送精度、すなわちレンズシートLの搬送の直進性を向上させることができる。
【0047】
特に、例えば、レンズシートLが上下方向に湾曲している場合には、第1のレンチキュラーレンズ20と係合部32との係合が外れ易い。そこで、湾曲した第1のレンチキュラーレンズ20がシートガイド12から離れないように、給紙ローラー14及び排紙ローラー16によりレンズシートLをシートガイド12に対して押圧することで、第1のレンチキュラーレンズ20と係合部32との係合状態を保持することができる。一方、レンズシートLをシートガイド12に対して強い力で押圧するとレンズシートLとシートガイド12との間の摩擦等の搬送負荷が大きくなり、レンズシートLをスムーズに搬送することができなくなる。そこで、スムーズにレンズシートLを搬送できるように搬送負荷を考慮しながら、確実に第1のレンチキュラーレンズ20と係合部32との係合状態を維持できるような適度な押圧力が作用するように給紙ローラー14とシートガイド12との間隔及び排紙ローラー16とシートガイド12との間隔等を設定する。
【0048】
例えば、本実施形態では、給紙ローラー14及び排紙ローラー16の周囲を、弾性を有する肉厚のゴム材により被覆することで給紙ローラー14及び排紙ローラー16の表面を弾性変形可能に構成するとともに、給紙ローラー14とシートガイド12との間隔及び排紙ローラー16とシートガイド12との間隔を、レンズシートLの厚さより狭く構成することで、給紙ローラー14及び排紙ローラー16がレンズシートLをシートガイド12に押圧することとしている。このように構成することで、レンズシートLが給紙ローラー14及び排紙ローラー16とシートガイド12との間を通過する際に、給紙ローラー14及び排紙ローラー16のレンズシートLとの接触部の表面が平らに弾性変形する。この弾性変形の反力によりレンズシートLはシートガイド12に押圧された状態で、給紙ローラー14及び排紙ローラー16の回転により搬送されることになる。ゴム材の弾性や肉厚、さらに給紙ローラー14とシートガイド12との間の間隔及び排紙ローラー16とシートガイド12との間の間隔を適切に設定することで、レンズシートLをスムーズに搬送することができるとともに、第1のレンチキュラーレンズ20を係合部32に適度な押圧力で押圧することができる。
【0049】
なお、上述のように給紙ローラー14及び排紙ローラー16の表面を弾性変形可能に構成した場合には、給紙ローラー14及び排紙ローラー16と、シートガイド12との間隔を、いわゆるコピー用紙等の紙媒体を搬送することができる間隔に設定しながら、レンズシートLについては、上述の押圧力を作用させながら搬送させることができる。
【0050】
コピー用紙等の紙媒体の厚さが0.1mm程度であるのに対し、レンズシートLは、第1のレンチキュラーレンズ20を形成する必要があるため、厚さが0.5mm程度と厚いものとなっている。したがって、該間隔を、紙媒体を搬送できる狭い間隔に設定しておくことで、搬送対象が紙媒体であるときはこの紙媒体を搬送することができる。一方、搬送対象が厚いレンズシートLであるときは、給紙ローラー14及び排紙ローラー16のレンズシートLとの接触部が弾性変形し、レンズシートLをシートガイド12にゴム材の弾性変形の反力で押圧した状態で搬送することができる。
【0051】
なお、給紙ローラー14及び排紙ローラー16は、レンズシートLの左右の幅よりも長いものとされている。そのため、レンズシートLを広い範囲に亘って均一に係合部32に押圧することができ、第1のレンチキュラーレンズ20と係合部32との係合状態をより確実なものとすることができる。
【0052】
図3は、本実施形態に係るレンズシートLの画像形成層22側の上面図である。レンズシートLの画像形成層22の記録領域22aは白色で、非記録領域22bは透明である。レンズシートLは、非記録領域22bに検査画像34確認用のレンズを備えている。なお、記録領域22aは透明であってもよい。
【0053】
図4は、図3に示すレンズシートLの他の形態を示す図である。図5は、図4に示すレンズシートLの適用例を示す図である。
【0054】
レンズシートLの第1のレンチキュラーレンズ20と第2のレンチキュラーレンズ24とは重なり合うことで、検査画像34を確認するダブルレンズを構成している。これにより、画像を拡大する効果が増すので、検査画像34がかなり見やすくなる。レンズシートLのダブルレンズ構成(検査画像34確認用の透明箇所)は、レンズシートLの四辺にすべて設けてもよいし、四辺の内の一部でもよい。レンズシートLは、ダブルレンズ構成の部分が切り離せるように、ミシン目が設けてあってもよい。
【0055】
レンズシートLの第1のレンチキュラーレンズ20と第2のレンチキュラーレンズ24との長さは同じであってもよいし(図4(A))、異なっていてもよい(図4(B))。また、その本数は同じであってもよいし(図4(B))、異なっていてもよい(図4(C))。例えば第2のレンチキュラーレンズ24は1本でも複数本であってもよい。
【0056】
レンズシートLの第1のレンチキュラーレンズ20の配設ピッチと、第2のレンチキュラーレンズ24の配設ピッチとは同じであってもよいし、異なっていてもよい(図4(D))。例えば第1のレンチキュラーレンズ20の配設ピッチが第2のレンチキュラーレンズ24の配設ピッチより小さくてもよい。これにより、レンズ効果を相殺後、さらに拡大することにより、目視でセット位置が正しいかどうかを容易に確認できる。
【0057】
レンズシートLは、レンチキュラーレンズへインク受容層(インク吸収層、インク透過層)をコーティングした構成であってもよい。レンズシートLは、レンチキュラーレンズへバックライトフィルム(PET層、インク透過層、インク吸収層)を両面テープでラミネートした構成であってもよい。このレンズシートLは、図5に示すように、シートガイド12上に載置され、第1のレンチキュラーレンズ20を構成するレンズ要素36と凸条38が互いに噛み合い、レンズシートLは係合部32により左右方向(主走査方向)の位置決めが行われた状態となる。
【0058】
図6は、本実施形態に係るシートガイド12を示す断面図である。シートガイド12は、樹脂等から形成される板状体の基板30と、レンズシートLをその第1のレンチキュラーレンズ20を下側にして支持する支持面としての上面30Aと、上面30Aに第1のレンチキュラーレンズ20に対して、所定の搬送方向に沿って係合する線条の係合部32と、上面30Aあるいは係合部32上に形成される検査画像34と、を備えている。
【0059】
図7は、図6に示すシートガイド12の係合部32の他の形態を示す図である。シートガイド12の係合部32は、複数本の凸形状であってもよいし、図7に示すように、1本の凸形状であってもよい。
【0060】
図8は、図6に示すシートガイド12の追加機能を示す図である。シートガイド12は、検査画像34を介して上面30Aに支持されるレンズシートL側に光を拡散する光拡散手段としての光源層62を備えていてもよい。これにより、検査画像34が見易くなり目視でセット位置が正しいかどうかを容易に確認できる。
【0061】
図9は、図6に示すシートガイド12の他の形態を示す図である。シートガイド12の検査画像34は、図9(A)に示すように、係合部32あるいは図9(B)に示すように、上面30A上にあってもよい。
【0062】
図10は、図9に示すシートガイド12のレンズシートLを示す図である。図11は、図10に示すレンズシートLの適用例を示す図である。レンズシートLの第1のレンチキュラーレンズ20と第2のレンチキュラーレンズ24との対向するレンズの向きは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えばレンズシートLは、図10に示すように、第1のレンチキュラーレンズ20と第2のレンチキュラーレンズ24との対向するレンズの向きが異なっていてもよい。このレンズシートLは、図11に示すように、シートガイド12上に載置され、第1のレンチキュラーレンズ20を構成するレンズ要素36と凸条38が互いに噛み合い、レンズシートLは係合部32により左右方向(主走査方向)の位置決めが行われた状態となる。
【0063】
図12は、本実施形態に係る検査画像34を示す上面図である。図13は、図12に示す検査画像34の他の形態を示す断面図である。シートガイド12の検査画像34は、図12に示すように、上面30Aあるいは係合部32上の凸条38の長手方向、すなわち凸条38の母線(稜線)方向にそって平行な検査ライン40であってもよい。検査ライン40は、係合部32上の凸条38の1つの凸形状に対して1本以上のラインであってもよい(図13(A))。また、係合部32上の凸条38の2つの凸形状に対して1本以上のラインであってもよい(図13(B))。さらに、係合部32上の凸条38の1つの凸形状に対して1色以上で1本以上のラインであってもよい(図13(C))。これにより、検査画像34としてのラインの色(モアレ)の変化で、レンズシートLの第1のレンチキュラーレンズ20とシートガイド12の係合部32とのセット位置が正しいかどうかを目視で判断できる。
【0064】
なお検査ライン40は、金属線などの実在線でなすラインであってもよい。例えば金属線、樹脂線、繊維線、タンパク質などで構成した線といったように物理的な線を利用してもよい。線幅は、レンズ解像度の2倍以上あるとよりよい。設置の際は、係合部32の凸間の谷などを利用すると手軽に設置できる。
【0065】
また検査画像34と、検査画像34の印字面(上面30Aあるいは係合部32)とは、見やすさを向上させるために、青と白の組、赤と青の組といったように色の差を設けてもよい。
【0066】
さらに検査画像34は、見る位置によって画像が切り替わる(見る人によってパターンが変わる)視差画像であってもよい。この検査画像34は、機械的に差し替えられるようにしてもよい。検査画像34は、モアレの状態がみやすい画像であってもよい。
【0067】
図14は、本実施形態に係るシートガイド12のセット時の目視例を示す図である。レンズシートLがシートガイド12に対し位置ずれのない状態は、図14(A)に示すように、検査ライン40が1本ラインあるいはラインがなく、レンズシートLがシートガイド12に対し位置ずれのある状態は、図14(B)に示すように、2本以上ラインが確認される。
【0068】
本実施形態における検査画像34の観測は、図9、図6、図5、図8、図11の順で、モアレの状態がみやすくなっている。
【0069】
本実施形態によれば、第1のレンチキュラーレンズ20と第2のレンチキュラーレンズ24とのダブルレンズを採用することにより、記録装置2にてこのレンズシートLをセットする場合、レンズ効果を相殺後、拡大することにより、目視でセット位置が正しいかどうかを確認できる。そのため、印刷面に視差画像を印刷するときに、視差画像をレンズと正確な位置関係に印刷しやすくなる。
【0070】
なお、上記の実施形態においては、第1のレンチキュラーレンズ20を設けたレンズシートLに適応して説明したが、このレンズシートLを用いたものに限られることなく、蝿の目レンズを設けたインテグラルシートなど、その他各種のレンズを用いたレンズシートに適応することができるものである。
【0071】
(第2の実施形態)
図15は、本実施形態に係るレンズシートMの一実施形態を示す斜視図である。図16は、本実施形態に係る糊付レンズシートMの例を示す図である。記録媒体としてのレンズシートMは、図15に示すように、一方の面に柱型非球面レンズ(シリンドリカルレンズ)である第1のレンチキュラーレンズ20が複数形成されるとともに、他方の面にインク吸収層からなる画像形成層22が形成されている。第1のレンチキュラーレンズ20は、その長手軸線方向(図15における矢印A方向)が平行かつ等間隔に配列されている。
【0072】
レンズシートMは、透明な樹脂シートと、透明な樹脂シートの一方の面に形成される第1のレンチキュラーレンズ20と、透明な樹脂シートの他方の面に形成される画像形成層22と、第1のレンチキュラーレンズ20の並びに対して略直交するとともに、厚さが他の領域よりも薄く形成されている少なくとも1つの折り返し部54と、を備えている。
【0073】
折り返し部54が、第1のレンチキュラーレンズ20側に向かって開口する切り込みであってもよい。これにより、折り返し部54からレンズシートMを画像形成層22が形成されている他方の面側に折り返しやすくなり、折り返されたレンズシートMのレンズが画像形成層22側に向き易くなる。画像形成層22同士が対向する領域は、画像形成層22の非記録領域22bであってもよい。これにより、印刷領域を容易に確保することができる。
【0074】
画像形成層22であって、折り返し部54から折り返すことにより画像形成層22同士が対向する領域の少なくとも一部に、画像形成層22同士を固定する固定部材56が設けられていてもよい。これにより、上記領域の少なくとも一部に、固定部材56を設けているため、折り返し部54から折り返したレンズシートMを容易に固定することができる。また、画像形成層22へ保護シートが貼り付けやすくなる。固定部材56は糊又は両面テープであってもよい。固定部材56は透明接着層及び剥離紙を備えてもよい。透明接着層は、再剥離接着であってもよい。これにより、折り返しなどが可能となるためダブルレンズ構成をとるとき最適である。また、再剥離糊も1度だけの接着にしておくとさらによい。さらに、固定部材56として糊又は両面テープを用いることで、特別な工程、方法を用いる必要がないので、容易にレンズシートMを製造することができる。
【0075】
レンズシートMは、第1のレンチキュラーレンズ20の一部を折り曲げたものであり(図16(A))、折り曲げた部分を第2のレンチキュラーレンズ24としてもよい(図16(B))。第1のレンチキュラーレンズ20と第2のレンチキュラーレンズ24とは重なり合うことで、検査画像34を確認するダブルレンズを構成してもよい。レンズシートMのダブルレンズは、印刷中の間、用紙と接続していてもいいが、好適には、プラテン距離を縮める意味で、切り離しておくか(図16(C))あるいは折り返して平らにしたほうがよい。
【0076】
レンズシートMには、第1のレンチキュラーレンズ20側に向かって開口する1本の切り込みである折り返し部54が形成され、折り返し部54は、第1のレンチキュラーレンズ20の長手軸線方向に対して略直交する方向(図15における矢印B方向)に延在するように形成されている。1本の折り返し部54により、レンズシートMは、中央の記録領域22aの観測用レンチキュラーシート58と、その端側の非記録領域22bの検出用レンチキュラーシート60とに分けられている。そのため、観測用レンチキュラーシート58及び検出用レンチキュラーシート60における第1のレンチキュラーレンズ20の形状、配置位置及び配置ピッチは、全く同一となっている。なお、折り返し部54は上述のように1本形成されてもよいし、2本以上形成してもよい。この場合、検出用レンチキュラーシート60の面積を広くすることができ、レンズシートMに対する目視によるセット位置を確認する領域を広くすることができる。
【0077】
図17は、本実施形態に係るレンズシートMの一実施形態を示す斜視図である。図17(A)は、折り返し部54から折り曲げられたレンズシートMの斜視図であり、図17(B)は、折り返し部54から折り曲げられたレンズシートMを背面側から見た斜視図である。折り返し部54が第1のレンチキュラーレンズ20側に向かって開口しているので、検出用レンチキュラーシート60は、折り返し部54を支点として、図17(A)、(B)に示すように、観測用レンチキュラーシート58の画像形成層22側に回り込み可能とされている。
【0078】
なお、上述のように検出用レンチキュラーシート60を観測用レンチキュラーシート58の画像形成層22側に回り込み可能とするだけでもよいし、検出用レンチキュラーシート60及び観測用レンチキュラーシート58の画像形成層22が重ね合わさる領域の少なくとも一部に、糊又は両面テープ(固定部材56)などの接着材を設け、回り込んだ検出用レンチキュラーシート60を観測用レンチキュラーシート58の画像形成層22に貼り付けてもよい。
【0079】
次に、上記の構成からなるレンズシートMにおける作用について説明する。上述したレンズシートMへの印刷は下記に示すような手順に基づいて行われる。まず、レンズシートMは、図17(A)、(B)に示すように、検出用レンチキュラーシート60を観測用レンチキュラーシート58の画像形成層22側に折り曲げ、観測用レンチキュラーシート58の画像形成層22を上方に向けた状態で、例えばインクジェット法を用いた記録装置2にセットされる。その際、第1のレンチキュラーレンズ20と第2のレンチキュラーレンズ24とのダブルレンズでシートガイド12の検査画像34を用いて目視でセット位置が正しいかどうかを確認する。以降は、第1の実施形態と同様に印刷作業が行われる。
【0080】
上記の構成によれば、画像形成層22が形成されている面の形状が平面状であるので、例えば、画像形成層22に印刷された視差画像を保護するためのシート(保護シート)などを貼り合わせやすくすることができる。また、画像形成層22を平面状にしているので、画像形成層22を形成するのに、特別な工程、方法を用いる必要がなく、容易に形成することができる。そのため、画像形成層22を有するレンズシートMも容易に製造することができる。
【0081】
第1のレンチキュラーレンズ20の並びに対して略直交する折り返し部54を形成することにより、折り返し部54から検出用レンチキュラーシート60を折り返すことができ、折り返された検出用レンチキュラーシート60の第1のレンチキュラーレンズ20が観測用レンチキュラーシート58の画像形成層22側に向く。その結果、検出用レンチキュラーシート60における第1のレンチキュラーレンズ20の配置位置、配置ピッチに基づいて、画像形成層22に印刷する視差画像の位置を決めることができ、視差画像を第1のレンチキュラーレンズ20と正確な位置関係に印刷することができる。
【0082】
本実施形態によれば、レンズの並びに対して略直交する折り返し部54を形成することにより、折り返し部54からレンズシートMを折り返すことができ、折り返されたレンズシートMのレンズが画像形成層22側に向くことになる。その結果、ダブルレンズを採用することにより、凸ガイド付きの記録装置2にてこのレンズシートMをセットする場合、レンズ効果を相殺後、拡大することにより、目視でセット位置が正しいかどうかを確認できる。そのため、印刷面に視差画像を印刷するときに、視差画像をレンズと正確な位置関係に印刷しやすくなる。
【符号の説明】
【0083】
2…記録装置 10…筐体 12…シートガイド(トレイ又は用紙搬送面形状) 14…給紙ローラー 16…排紙ローラー 18…記録ヘッド 20…第1のレンチキュラーレンズ 22…画像形成層 22a…記録領域 22b…非記録領域 24…第2のレンチキュラーレンズ 26…給紙開口部 28…排紙開口部 30…基板(樹脂シート) 30A…上面(支持面) 32…係合部 34…検査画像 36…レンズ要素 38…凸条 40…検査ライン 42…給紙用モーター 44…排紙用モーター 46…キャリッジ 48…キャリッジガイド 50…キャリッジ用モーター 52…タイミングベルト 54…折り返し部 56…固定部材 58…観測用レンチキュラーシート 60…検出用レンチキュラーシート 62…光源層(光拡散手段) L…レンズシート(記録媒体)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な樹脂シートと、
前記透明な樹脂シートの一方の面に形成される第1のレンチキュラーレンズと、
記録領域及び非記録領域を有し、前記透明な樹脂シートの他方の面に形成される画像形成層と、
前記画像形成層の前記非記録領域に形成される第2のレンチキュラーレンズと、
を含むことを特徴とする記録媒体。
【請求項2】
請求項1に記載の記録媒体において、
前記第1のレンチキュラーレンズの配設ピッチは、前記第2のレンチキュラーレンズの配設ピッチより小さいことを特徴とする記録媒体。
【請求項3】
透明な樹脂シートと、
前記透明な樹脂シートの一方の面に形成される第1のレンチキュラーレンズと、
前記透明な樹脂シートの他方の面に形成される画像形成層と、
前記第1のレンチキュラーレンズの並びに対して略直交するとともに、厚さが他の領域よりも薄く形成されている少なくとも1つの折り返し部と、
を含むことを特徴とする記録媒体。
【請求項4】
請求項3に記載の記録媒体において、
前記折り返し部が、前記第1のレンチキュラーレンズ側に向かって開口する切り込みであることを特徴とする記録媒体。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の記録媒体において、
前記画像形成層であって、前記折り返し部から折り返すことにより前記画像形成層同士が対向する領域の少なくとも一部に、前記画像形成層同士を固定する固定部材が設けられていることを特徴とする記録媒体。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか一項に記載の記録媒体において、
前記画像形成層同士が対向する領域は、該画像形成層の非記録領域であることを特徴とする記録媒体。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか一項に記載の記録媒体において、
前記固定部材は、糊又は両面テープであることを特徴とする記録媒体。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の記録媒体をその第1のレンチキュラーレンズを下側にして支持する支持面と、
前記支持面に前記第1のレンチキュラーレンズに対して、所定の搬送方向に沿って係合する線条の係合部と、
前記支持面あるいは前記係合部上に形成される検査画像と、
を含むことを特徴とするトレイ又は用紙搬送面形状。
【請求項9】
請求項8に記載のトレイ又は用紙搬送面形状において、
前記検査画像を介して前記支持面に支持される前記記録媒体側に光を拡散する光拡散手段を有していることを特徴とするトレイ又は用紙搬送面形状。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のトレイ又は用紙搬送面形状において、
前記係合部は、前記第1のレンチキュラーレンズの配設ピッチの整数倍で複数設けられていることを特徴とするトレイ又は用紙搬送面形状。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか一項に記載のトレイ又は用紙搬送面形状において、
前記検査画像は、前記係合部に対して長手方向に沿って平行な複数及び複数色のラインで形成されていることを特徴とするトレイ又は用紙搬送面形状。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−203615(P2011−203615A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72399(P2010−72399)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】