説明

記録装置、記録装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】ライン状の記録ヘッドによって記録する記録装置について、間欠印字の発生を抑制する。
【解決手段】複合処理装置1は、ホストコンピューター5から受信した画像データを記憶する受信バッファー79と、画像データに基づいてイメージデータを生成し、イメージバッファー78aに記憶する生成処理を行うイメージデータ生成部70aと、イメージデータに基づいて、サーマルヘッド65により記録する記録処理を行う記録制御部70bと、を備え、記録制御部70bは、記録開始時の記録速度を、受信バッファー79における画像データの受信速度に基づいて設定し、記録開始後の記録速度を、イメージデータ生成部70aによる生成処理の処理速度に基づいて設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置から受信した記録データに基づいて記録する記録装置、当該記録装置の制御方法、及び、当該記録装置を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、制御装置(上位装置)の制御の下、ライン型のヘッドによって記録媒体に記録する記録装置(ラインサーマルプリンター)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−285463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したライン型のサーマルヘッドのようにライン状の記録ヘッドによって記録する記録装置では、記録中の記録媒体の搬送の停止による間欠印字に起因して、画像におけるヘッドのライン方向にいわゆる白スジが発生することを防止したいとするニーズがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ライン状の記録ヘッドによって記録する記録装置について、間欠印字の発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、制御装置に接続可能な記録装置であって、記録媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により前記記録媒体が搬送される方向と交わる方向に記録素子が延在して配置されたライン状の記録ヘッドと、前記制御装置から受信したデータを記憶する受信バッファーと、前記受信バッファーに記憶された前記データを読み出し、読み出した前記データに基づいてイメージデータを生成し、生成した前記イメージデータをイメージバッファーに記憶する生成処理を行うイメージデータ生成部と、前記イメージバッファーに記憶された前記イメージデータに基づいて、前記搬送部により前記記録媒体を所定の記録速度で搬送しながら前記記録ヘッドにより記録する記録処理を行う記録制御部と、を備え、前記記録制御部は、記録開始時の記録速度を、前記受信バッファーにおける前記データの受信速度に基づいて設定し、記録開始後の記録速度を、前記イメージデータ生成部による前記生成処理の処理速度に基づいて設定することを特徴とする。
ここで、間欠印字は、記録中に、上記記録処理の処理速度または記録速度が上記生成処理の処理速度を上回り、イメージバッファーにこれから記録するためのイメージデータが記憶されていない状況が現出することに起因して発生する。そして、生成処理の処理速度に基づいて上記記録速度を設定すれば、記録速度を、記録処理の処理速度が、生成処理の処理速度を上回らないような値とすることができ、間欠印字を好適に防止できる。しかしながら、生成処理の処理速度は、生成処理が行われて初めて取得できるものであるため、記録開始時の記録速度は、生成処理の処理速度に基づいて設定することはできない。この場合、記録開始時の記録速度を固定値とすることが考えられるが、固定値とすると、記録速度の値が、間欠印字が発生しない適切な値と乖離し、間欠印字が発生する可能性がある。
これを踏まえ、上記構成によれば、記録開始時の記録速度が、受信バッファーにおける記録データの受信速度に基づいて設定されるため、少なくとも、記録開始時の記録速度を、生成処理の前提となる記録データの受信が完了しないことに起因した間欠印字が発生しないような値とすることができ、記録開始時の記録速度の不適切さに起因して間欠印字が発生することを効果的に抑制できる。
【0006】
また、本発明は、前記記録制御部は、記録開始時の記録速度を、前記受信バッファーにおける前記データの受信速度に対し、前記記録制御部による前記記録処理の処理速度が遅くなるように設定することを特徴とする。
この構成によれば、受信バッファーにおける記録データの受信速度に対して、記録制御部による記録処理の処理速度のほうが遅くなるように記録開始時の記録速度が設定されるため、記録開始時の記録速度を、記録データの未受信に起因した間欠印字が発生しないような値とすることができる。
【0007】
また、本発明は、設定可能な記録速度のそれぞれと、各記録速度で記録した場合の前記記録制御部による前記記録処理の処理速度と、を対応付けたテーブルを記憶する記憶部をさらに備え、前記記録制御部は、前記テーブルに基づいて、設定可能な記録速度のうち、前記受信バッファーにおける前記データの受信速度に対し、前記記録制御部による前記記録処理の処理速度が遅くなるような記録速度を判別し、判別した記録速度を記録開始時の記録速度とすることを特徴とする。
この構成によれば、テーブルを利用して、簡易な手段で、記録開始時の記録速度を設定することが可能となる。
【0008】
また、本発明は、前記イメージデータ生成部は、前記イメージデータを、少なくとも1行あるいは1ドットラインを単位として前記イメージバッファーに記憶することを特徴とする。
この構成によれば、ライン状の記録ヘッドに適した態様で、イメージバッファーにイメージデータを記憶することが可能となる。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明は、制御装置に接続可能に構成され、記録媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により前記記録媒体が搬送される方向と交わる方向に記録要素が延在して配置されたライン状の記録ヘッドと、前記制御装置から受信したデータを記憶する受信バッファーと、を備える記録装置の制御方法であって、前記受信バッファーに記憶された前記データを読み出し、読み出した前記データに基づいてイメージデータを生成し、生成した前記イメージデータをイメージバッファーに記憶する生成処理を行い、前記イメージバッファーに記憶された前記イメージデータに基づいて前記搬送部により前記記録媒体を所定の記録速度で搬送しながら前記記録ヘッドにより記録する記録処理を行うと共に、前記受信バッファーにおける前記データの受信速度に基づいて記録開始時の記録速度を設定し、前記イメージデータ生成部による前記生成処理の処理速度に基づいて記録開始後の記録速度を設定することを特徴とする。
この制御方法によれば、記録開始時の記録速度が、受信バッファーにおける記録データの受信速度に基づいて設定されるため、少なくとも、記録開始時の記録速度を、生成処理の前提となる記録データの受信が完了しないことに起因した間欠印字が発生しないような値とすることができ、記録開始時の記録速度の不適切さに起因して間欠印字が発生することを効果的に抑制できる。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明は、制御装置に接続可能に構成され、記録媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により前記記録媒体が搬送される方向と交わる方向に記録要素が延在して配置されたライン状の記録ヘッドと、前記制御装置から受信したデータを記憶する受信バッファーと、を備える記録装置の各部を制御する制御部により実行されるプログラムであって、前記制御部を、前記受信バッファーに記憶された前記データを読み出し、読み出した前記データに基づいてイメージデータを生成し、生成した前記イメージデータをイメージバッファーに記憶する生成処理を行うイメージデータ生成部と、前記イメージバッファーに記憶された前記イメージデータに基づいて、前記搬送部により前記記録媒体を所定の記録速度で搬送しながら前記記録ヘッドにより記録する記録処理を行うと共に、前記受信バッファーにおける前記データの受信速度に基づいて記録開始時の記録速度を設定し、前記イメージデータ生成部による前記生成処理の処理速度に基づいて記録開始後の記録速度を設定する記録制御部と、として機能させることを特徴とする。
このプログラムを実行すれば、記録開始時の記録速度が、受信バッファーにおける記録データの受信速度に基づいて設定されるため、少なくとも、記録開始時の記録速度を、生成処理の前提となる記録データの受信が完了しないことに起因した間欠印字が発生しないような値とすることができ、記録開始時の記録速度の不適切さに起因して間欠印字が発生することを効果的に抑制できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ライン状の記録ヘッドによって記録する記録装置について、間欠印字の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】複合処理装置の外観斜視図である。
【図2】複合処理装置の内部構造を示す図である。
【図3】複合処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】複合処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】イメージデータ生成部による生成処理の説明に利用する図である。
【図6】感熱ロール紙に画像が記録された様子を模式的に示す図である。
【図7】複合処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図8】記録速度テーブルの内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る複合処理装置1(記録装置)の外観斜視図である。
複合処理装置1は、読取対象媒体であるシート状の小切手4や帳票類に対し、この読取対象物に記録された磁気インク文字の読み取り、読取対象物の両面の光学的読み取り、及び、当該読取対象物への画像の記録を行う装置である。また、複合処理装置1は、クレジットカード等のカード型の媒体に記録された磁気情報を読み取るリーダーとしての機能、及び、感熱ロール紙Rに画像を記録して切断することにより、画像が記録された所定の紙片を発行する機能を備えている。
【0014】
本実施形態では、読取対象物として小切手4を処理する場合を例に挙げて説明する。小切手4は、図1に示すように、所定の模様や装飾が施されたシートに金額、振出人、通し番号、サインなどが記録された帳票である。これら金額、振出人、通し番号、サインなどは表面4aに記録される。小切手4の表面4aには小切手4の長辺方向に延びる磁気インク文字列4cが形成されている。磁気インク文字列4cは、磁気インクで印刷された複数の磁気インク文字(MICR文字)が並んだものであり、磁気的または光学的に読み取ることができる。
小切手4の裏面4bには裏書き欄が設けられている。この裏書き欄には、後述するインクジェットヘッド10によって、裏書きに係る画像が記録される。小切手4の短辺方向及び長辺方向のサイズは規格化されているものの、多様な規格が存在するため、実際には様々なサイズがある。複合処理装置1では、一般的な小切手4のサイズをほぼ包含し得る最大サイズを規定し、この最大サイズ内の小切手4であれば処理できる。
【0015】
複合処理装置1は、本体下部を覆う下部ケース11、及び下部ケース11に被せられるカバー12からなる外装を有し、外装の内部に複合処理装置1の本体13が収容されている。複合処理装置1の前面には、小切手4を挿入する挿入口14が開口しており、挿入口14の奥には複数の小切手4を積層して収納できるストッカー15が設けられている。このストッカー15は、前面側へ向かって引き出し自在に構成されており、ストッカー15に収納すべき小切手4のサイズに応じてストッカー15を引き出した上で、このストッカー15に小切手4を収納させることが可能である。
また、カバー12には、上面視で略U字形状に、小切手4の搬送路Wとなるスリット18が形成されている。スリット18は、上述したストッカー15に連通すると共に、スリット18は複合処理装置1の前面側に設けられたポケット19に連通している。ストッカー15に収納された小切手4は、後述するように1枚ずつ複合処理装置1の内部に取り込まれ、スリット18を通る間に処理されて、処理後の小切手4はポケット19に排出される。ポケット19には複数の小切手4を収納することができる。
図1に示すように、ストッカー15の側方には、磁気カードリーダーユニット20が設けられている。磁気カードリーダーユニット20は、カバー12に形成されたカードスリット21と、このカードスリット21に対応して設けられたMCRヘッド22(図3)とを備え、カードスリット21を通るカード類に磁気的に記録された情報をMCRヘッド22によって読み取る。
【0016】
図2は、複合処理装置1の外装内部に収容されている本体13の構成を示す平面図である。ストッカー15の一側面にはホッパー25が設けられている。このホッパー25は、ホッパー駆動モーター26(図3)により、図中矢印方向に回動可能に構成されており、ストッカー15に貯留された小切手4を他方の側面側に付勢する。
ストッカー15の他方の側面には、後述するASF(Automatically Sheet Feeder)モーター27(図3)により駆動されるピックアップローラー28が配置されており、ホッパー25がピックアップローラー28側に回動すると、この回動に応じてストッカー15内の小切手4のうち1枚がピックアップローラー28に付勢され、当該ローラーに接触して、当該ローラーの回転に応じて搬送路Wに引き込まれる。
ストッカー15の奥には、一対のローラーで構成されるASFローラー29が配置されている。ASFローラー29の2つのローラーは、搬送路Wの両側に配置され、一方は後述するASFモーター27の動力により回転し、他方のローラーは従動ローラーである。ピックアップローラー28に接した小切手4はASFローラー29に挟まれて、スリット18内を下流側へ搬送される。
【0017】
ストッカー15の所定の位置には、ASF用紙検出器31(図3)が設けられている。ASF用紙検出器31は、例えば透過型光センサーで構成され、ストッカー15における小切手4の有無を検出する。
また、ストッカー15において、ホッパー25の待機位置には、ホッパー位置検出器32(図3)が設けられている。ホッパー位置検出器32は、例えば透過型光センサーで構成され、ホッパー25が待機位置に位置しているか否かを検出する。
ASFローラー29の下流側には、小切手4の表面4aに接して磁気インク文字列4c(図1)を磁気的に読み取るMICR(Magnetic Ink Character Recognition)ヘッド35が配置されている。MICRヘッド35には、MICRローラー36が対向配置される。MICRローラー36はMICRヘッド35側に付勢されており、小切手4をMICRヘッド35に押しつけながら回転して、小切手4を、MICR文字の読み取りに適した定速で搬送する。MICRヘッド35の上流側には、ASFローラー29により繰り出された小切手4をMICRヘッド35に案内する、一対のローラーからなるアシストローラー37が配置されている。
【0018】
また、搬送路W上においてアシストローラー37とMICRヘッド35との間には、用紙長検出器38が配置されている。用紙長検出器38は、例えば反射型光センサーで構成され、搬送路W上を通る小切手4の検出位置における有無を検出することにより、小切手4の先端及び後端を検出する。用紙長検出器38の検出値は後述する制御部70により取得され、この検出値の変化に基づいて小切手4の長さが求められる。
搬送路W上でMICRヘッド35の下流側には、搬送路Wを挟んで対向する一対のローラーを有する第1搬送ローラー40が設けられ、さらに、この第1搬送ローラー40の下流側には第2搬送ローラー41が設けられている。これら第1搬送ローラー40、及び、第2搬送ローラー41は、搬送モーター42(図3)によって回転駆動されるローラーであり、これらローラーによって小切手4はインクジェットプリンターユニット44へ搬送される。
【0019】
インクジェットプリンターユニット44は、インクジェットヘッド10を備えている。インクジェットヘッド10は、本体13の前部に収容されているインクカートリッジ45からインクの供給を受けて、小切手4にインクを吐出するインクジェット方式の記録ヘッドである。このインクジェットヘッド10は、いわゆるラインインクジェットヘッドであり、小切手4に対する記録の際は、一定の速度で搬送される小切手4の裏面4bに対して、固定された状態のインクジェットヘッド10からインクが吐出されて、画像が記録される。この小切手4の裏面4bに記録される画像は、いわゆる裏書きと呼ばれる文字や記号等である。
インクジェットヘッド10の上流側であって、インクジェットヘッド10と、第2搬送ローラー41との間には、中間検出器46が設けられている。中間検出器46は、例えば反射型光センサーで構成され、検出位置における小切手4の有無を検出する。
【0020】
インクジェットヘッド10の下流には、小切手4を光学的に読み取るCIS(Contact Image Sensor)ユニットが配置されている。このCISユニットは、小切手4の表面4aを読み取る表面CISユニット47と、裏面4bを読み取る裏面CISユニット48とを有し、小切手4の両面を光学的に読み取り可能である。表面CISユニット47と裏面CISユニット48は搬送路Wを挟んで対向配置されており、これらユニットの上流側には第1CISローラー50が配置され、また、下流側には第2CISローラー51が配置されている。これら第1CISローラー50、及び、第2CISローラー51は、搬送モーター42によって回転駆動されるローラーであり、これらローラーによってCISユニットによって読み取り中の小切手4が安定して搬送される。
第2CISローラー51の下流には、排出検出器52が設けられている。排出検出器52は、例えば反射型光センサーで構成され、検出位置における小切手4の有無を検出する。
【0021】
表面CISユニット47、裏面CISユニット48の下流側には上述したポケット19が設けられている。ポケット19は、メインポケット19aと、サブポケット19bとに区画されており、スリット18が分岐して、それぞれのポケット19に連通している。これらメインポケット19a、及び、サブポケット19bには、それぞれ複数の小切手4を収納できる。
そして、スリット18が分岐した位置には、小切手4を排出すべきポケット19を、メインポケット19aとサブポケット19bとのいずれかに切り替える切替板54が配置されている。切替板54は、メインポケット19aに連通する経路とサブポケット19bに連通する経路のいずれか一方を塞ぐことで小切手4を他方に案内するガイドであり、切替板駆動モーター55によって駆動される。切替板54からメインポケット19aに繋がる経路には排出ローラー56が設けられ、また、切替板54からサブポケット19bに繋がる経路には排出ローラー57が設けられており、小切手4は、これらローラーにより切替板54に案内されたいずれかのポケット19にスムーズに排出される。
後述するように、複合処理装置1は、MICRヘッド35による磁気インク文字列4cの読み取り結果に基づいて、小切手4が正しくセットされていると判別した場合は、小切手4をメインポケット19aに排出し、一方、小切手4が正しくセットされていないと判別した場合は、サブポケット19bに排出する。
【0022】
また、図1及び図2に示すように、複合処理装置1の中央部には、画像が記録された紙片を発行するサーマルプリンターユニット60が設けられている。
図1に示すように、サーマルプリンターユニット60は、ユニット本体の上部を覆うプリンターカバー61を備えている。このプリンターカバー61は、カバー12に対して開閉自在に取り付けられており、プリンターカバー61を開くと、記録媒体たる感熱ロール紙R(図6)を収容可能な空間であるロール紙収容部62(図2)が露出し、感熱ロール紙Rの補充や交換が可能となる。プリンターカバー61には、排紙口63が形成されており、ロール紙収容部62に収容された感熱ロール紙Rは、排紙口63を介して、排出される。
サーマルプリンターユニット60は、ロール紙収容部62に収容した感熱ロール紙Rを繰り出して搬送路上を搬送させるローラー状のプラテン(不図示)と、プラテンに対向配置されたサーマルヘッド65(ライン状の記録ヘッド。図3、図6参照。)と、搬送方向に対し直交する方向に感熱ロール紙Rを切断するカッターユニット66とを備えている。
サーマルヘッド65は、いわゆるラインヘッドであり、感熱ロール紙Rが搬送される搬送方向と交わる方向に発熱素子90(記録素子。図6参照)が延在して形成された発熱素子列91(図6)が配置されている。
後に詳述するが、紙片を発行する場合、サーマルプリンターユニット60は、プラテン駆動モーター82(図3)を駆動することによりプラテンを駆動して感熱ロール紙Rを搬送方向に搬送しつつ、サーマルヘッド65により感熱ロール紙Rに画像を記録し、カッター駆動モーター83(図3)を駆動することによりカッターユニット66によって所定の位置で感熱ロール紙Rを切断することにより、紙片を発行する。
【0023】
図3は、複合処理装置1とホストコンピューター5(制御装置)とを接続して構成される複合処理システム8の機能的構成を示すブロック図である。
複合処理装置1は、複合処理装置1の各部を中枢的に制御する制御部70と、インクジェットヘッド10及びサーマルヘッド65を制御するプリンター制御部71と、ヘッド駆動回路72と、モータードライバー73と、読取制御回路74と、センサー駆動回路75と、インターフェイス部76と、フラッシュROM77(記憶部)と、RAM78と、を有し、これらの各部は相互に通信可能に接続されている。
【0024】
制御部70は、CPU、その他の周辺回路を備え、フラッシュROM77に記憶されている制御プログラムをCPUにより読み出して実行することにより、複合処理装置1の各部を制御する。制御部70は、イメージデータ生成部70aと、記録制御部70bと、コマンド解析部70cと、を備えているが、これらについては後述する。
プリンター制御部71は、制御部70の制御の下、ヘッド駆動回路72を介してインクジェットヘッド10に駆動電流を供給し、小切手4への記録を行う。また、プリンター制御部71は、制御部70の制御の下、ヘッド駆動回路72を介してサーマルヘッド65に駆動電流を供給し、感熱ロール紙Rへの記録を行う。
モータードライバー73は、ホッパー駆動モーター26に接続され、制御部70の制御に従ってホッパー25を回動させる。また、モータードライバー73は、ASFモーター27、及び、搬送モーター42に接続され、これら各モーターに駆動電流や駆動パルスを出力して、制御部70の制御に従いこれらモーターを動作させて、これらモーターに接続されたローラーを駆動する。
また、モータードライバー73は、切替板駆動モーター55に接続され、制御部70の制御の下、当該モーターに駆動電流や駆動パルスを出力することによって切替板54を移動させ、小切手4が排出されるポケット19を、メインポケット19a側、又は、サブポケット19b側に切り替える。
また、モータードライバー73は、プラテン駆動モーター82に接続され、制御部70の制御の下、当該モーターに駆動電流や駆動パルスを出力することによってサーマルプリンターユニット60に設けられたプラテンを駆動して、感熱ロール紙Rを搬送方向に搬送する。これら制御部70や、モータードライバー73、プラテン駆動モーター82、プラテン、その他の付随する機構、装置が協働して搬送部として機能する。
また、モータードライバー73は、カッター駆動モーター83に接続され、制御部70の制御の下、当該モーターに駆動電流や駆動パルスを出力することによってサーマルプリンターユニット60に設けられたカッターユニット66の可動刃を移動させ、感熱ロール紙Rを切断する。
【0025】
読取制御回路74は、MCRヘッド22、MICRヘッド35、表面CISユニット47、及び、裏面CISユニット48に接続されている。
読取制御回路74は、制御部70の制御に従って、カードスリット21(図1)にカード類が通される際にMCRヘッド22によって磁気情報を読み取らせ、MCRヘッド22が出力する読取信号をデジタル化して制御部70に出力する。
また、読取制御回路74は、制御部70の制御に従って、MICRヘッド35によって磁気情報を読み取らせ、MICRヘッド35が出力する読取信号をデジタル化して制御部70に出力する。
また、読取制御回路74は、制御部70の制御に従って、表面CISユニット47及び裏面CISユニット48に、小切手4の表面4a及び裏面4bの読み取りを実行させる。
センサー駆動回路75は、ASF用紙検出器31、ホッパー位置検出器32、用紙長検出器38、中間検出器46、及び、排出検出器52に接続され、これらの各検出器に電流を供給して、所定周期で出力値を取得し、取得した出力値をデジタルデータに変換して制御部70に出力する。
インターフェイス部76は、ホストコンピューター5に対して有線または無線で接続され、制御部70の制御に従って、ホストコンピューター5との間で各種コマンドを送受信する。ホストコンピューター5から入力されたコマンドは、順次、受信バッファー79に格納されると共に、順次、制御部70により読み出されて実行される。
フラッシュROM77は、各種データを書き換え可能に、不揮発的に記憶する。フラッシュROM77には、複合処理装置1の制御用の制御プログラムが記憶されているほか、記録速度テーブル77a(テーブル)が記憶されている。記録速度テーブル77aについては、後述する。
RAM78は、揮発性メモリーであり、制御部70のワークエリアとして機能する。RAM78には、イメージバッファー78aが形成されているが、これらについては後述する。
【0026】
次いで、小切手4を処理する際の複合処理装置1の基本的な動作について説明する。
上述したように、ストッカー15には、複数枚の小切手4を収納可能である。そして、複合処理装置1は、ストッカー15に収納された複数の小切手4について、所定のタイミングで、順次、搬送路W上に送り出し、以下で説明する一連の処理を、各小切手4について連続して実行可能である。
【0027】
図4は、ストッカー15に収納された1枚の小切手4に対して実行される一連の処理を示すフローチャートである。
以下の説明の前提として、ホストコンピューター5から入力された制御コマンドには、処理対象となる1枚の小切手4を処理するために必要なコマンドやデータが、不足無く含まれているものとする。
ホストコンピューター5から小切手4の処理に係る制御コマンドが入力されると(ステップSA1)、複合処理装置1の制御部70の制御部70は、ホッパー位置検出器32の検出値や、ASF用紙検出器31の検出値を監視しつつ、ホッパー駆動モーター26や、ASFモーター27を駆動して、ストッカー15に収納された小切手4のうち1枚を搬送路Wに送り出して、小切手4の搬送を開始する(ステップSA2)。
以後、制御部70は、小切手4を略一定の速度で搬送しつつ、小切手4に対して各種処理を実行する。
次いで、制御部70は、用紙長検出器38の検出値を監視することにより小切手4の位置を管理しつつ、MICRヘッド35によって、小切手4の磁気インク文字列4cを読み取る(ステップSA3)。
次いで、制御部70は、MICRヘッド35の読み取り結果に基づいて、小切手4が上下裏表逆にセットされることなく、正しくセットされているか否かを判別する(ステップSA4)。詳細には、制御部70は、磁気インク文字列4cを構成する磁気インク文字について、磁気インク文字を読み取って得られる検出波形と、基準波形との比較による磁気インク文字認識を行って、磁気インク文字認識の成否により、小切手4が正しくセットされているか否かを判別する。
【0028】
次いで、制御部70は、ステップSA4の判別結果に基づいて、切替板54を切り替える(ステップSA5)。詳述すると、本実施形態では、小切手4が上下裏表逆にセットされることなく、正しくセットされている場合は、小切手4はメインポケット19aに排出され、一方、小切手4が正しくセットされていない場合は、小切手4はサブポケット19bに排出されるものとされている。ステップSA5において、制御部70は、小切手4が正しくセットされている場合、切替板54をメインポケット19a側に切り替え、小切手4が正しくセットされていない場合、切替板54をサブポケット19b側に切り替える。
【0029】
次いで、制御部70は、中間検出器46の検出値を監視することにより小切手4の位置を監視しつつ、搬送モーター42の駆動により各種モーターを駆動して小切手4をさらに搬送し、インクジェットヘッド10により、小切手4の裏面4bに所定の画像を記録する(ステップSA6)。なお、小切手4が正しくセットされていない場合は、ステップSA7において、画像の記録を行わないようにしてもよい。
次いで、制御部70は、表面CISユニット47によって小切手4の表面4aを光学的に読み取ると共に、裏面CISユニット48によって裏面4bを光学的に読み取り、読み取り結果をホストコンピューター5に出力する(ステップSA7)。なお、小切手4が正しくセットされていない場合は、ステップSA7において、小切手4の読み取りを行わないようにしてもよい。
次いで、制御部70は、排出検出器52の検出値を監視することにより小切手4が正常に排紙されたか否かを監視しつつ、搬送モーター42を駆動することにより各種モーターを駆動して小切手4をポケット19に排出する(ステップSA8)。その際、小切手4は、切替板54に導かれてメインポケット19a、サブポケット19bのうちMICRヘッド35の読み取り結果に応じた適切なポケット19に排出される。
【0030】
次いで、サーマルプリンターユニット60によって感熱ロール紙Rに画像を記録する際の複合処理装置1の動作について説明する。
まず、サーマルプリンターユニット60によって感熱ロール紙Rに画像を記録する際の複合処理装置1の動作について簡単に説明して課題を明らかにし、次に、当該動作について詳細に説明する。
【0031】
図5、図6は、サーマルプリンターユニット60によって感熱ロール紙Rに画像を記録する際の複合処理装置1の動作を説明するために利用する図である。
以下、図5、図6を用いて、上記動作について具体例を挙げて簡単に説明し、課題を明らかにする。
以下の説明では、図6に示すように、感熱ロール紙Rに画像Gを記録する場合を例に挙げて説明する。
感熱ロール紙Rへの画像Gの記録に際し、ホストコンピューター5は、当該画像Gの画像データD(ビットマップデータ等の画素ごとに色に関する情報を保持するデータ。)を生成する。図5(A)では、画像データDを模式的に示している。
次いで、ホストコンピューター5は、必要に応じて、当該画像データDを「行」ごとに分割する。
ここで、ホストコンピューター5から複合処理装置1に画像データを出力する際は、「行」単位で出力することとなっている。1行分の画像データのサイズには、上限があり、本実施形態では、サイズの上限は、30ドットラインとされている。
ドットラインとは、サーマルヘッド65の発熱素子列91に対応したデータ、又は、画像の単位のことである。より具体的には、本実施形態では、発熱素子列91は、512個の発熱素子90が搬送方向と交わる方向に延在して構成されている。これを踏まえ、画像データや、後述するイメージデータにおけるドットラインとは、縦1ドット×横512ドットのデータであり、また、感熱ロール紙Rに記録される画像におけるドットラインとは、縦1ドット×横512ドットの範囲で画素の組み合わせによって表現される画像のことである。なお、縦方向は、搬送方向に対応する方向であり、横方向は、発熱素子列91が延在する方向に対応する方向である。
従って、1行分の画像データのサイズの上限は、512×30ドットということになる。後に明らかとなるように、本実施形態では、イメージデータのイメージバッファー78aへの展開や、感熱ロール紙Rへの画像の記録は、行単位で行われる。
以下の説明では、説明の便宜を考慮して、図5(A)に示すように、画像データDは、画像データD1(1行目の画像データ)、画像データD2(2行目の画像データ)、画像データD3(3行目の画像データ)、及び、画像データD4(4行目の画像データ)の4つの行に分割されると共に、画像データD1〜D4のそれぞれは、30ドットラインのデータであるものとする。
【0032】
画像データDを画像データD1〜D4に分割した後、ホストコンピューター5は、画像の記録を指示するコマンド(以下、「画像記録指示コマンド」という。)と共に、画像データD1〜D4を、画像データごとに、順次、複合処理装置1に送信する。
複合処理装置1では、ホストコンピューター5から受信した画像記録指示コマンド、及び、画像データD1〜D4(データ)が、順次、受信バッファー79に格納(記憶)される。図5(B)は、ホストコンピューター5から受信した画像記録指示コマンド、及び、画像データD1〜D4が受信バッファー79に格納(記憶)された様子を模式的に示している。
【0033】
ホストコンピューター5からの画像記録指示コマンド、及び、画像データD1〜D4の受信に応じて、複合処理装置1は、以下のようにして感熱ロール紙Rへの画像の記録を行う。
画像データD1に基づいて、画像G1(図6)を記録する場合を例にして説明すると、複合処理装置1の制御部70は、受信バッファー79に格納された画像データD1を読み出し、画像データD1に対して必要な画像処理を行うことにより、イメージデータI1を生成し、イメージバッファー78aに展開(記憶)する。図5(C)は、イメージバッファー78aにイメージデータI1、及び、画像データD2〜D4に基づいて生成されるイメージデータI2〜I4が展開(記憶)された様子を模式的に示している。
イメージデータとは、感熱ロール紙Rに記録可能な態様で画像を表現する実データのことである。ホストコンピューター5から受信した画像データのデータ形式と、イメージデータのデータ形式とが同一の場合もある。
【0034】
次いで、制御部70は、イメージバッファー78aに展開(記憶)したイメージデータI1に基づいて、画像データD1に対応する画像G1を記録する。
詳述すると、図6を参照し、制御部70は、イメージデータI1の全てがイメージバッファー78aに展開(記憶)された後、後述する手段によって設定された記録速度で感熱ロール紙Rを搬送方向に搬送しつつ、イメージバッファー78aに展開(記憶)されたイメージデータI1の各ドットラインについて、所定の周期で、順番に、1ドットライン分のイメージデータI1に基づいて、1ドットライン分の画像G1を記録する。このようにして、制御部70は、画像データD1に係るイメージデータの全てのドットラインについて、順次、各ドットラインに基づく画像を記録することにより、画像G1の記録を行う。
同様にして、制御部70は、画像データD2〜D4に基づいて画像G2〜G4の記録を行い、これにより、感熱ロール紙Rへの画像Gの記録が完了する。すなわち、制御部70は、行単位で画像データを受信して受信バッファー79に展開(記憶)し、行単位でイメージデータを生成してイメージバッファー78aに展開(記憶)し、行単位で感熱ロール紙Rに画像を記録する。
【0035】
以上のようにして感熱ロール紙Rへの画像の記録を行う場合、以下のような課題があった。すなわち、ある1行分の画像を感熱ロール紙Rに記録した後、次の1行分の画像を感熱ロール紙Rに記録する場合、当該次の1行分の画像のイメージデータのイメージバッファー78aへの展開が完了している必要がある。しかしながら、画像を記録するときの記録速度によっては、イメージデータがイメージバッファー78aに展開されるペースに比して、イメージデータに基づいて画像が記録されるペースが早くなってしまい、当該次の1行分の画像の記録を開始するときに、当該次の1行分の画像のイメージデータのイメージバッファー78aへの展開が完了していない、といった事態が生じ得る。この場合、当該次の1行分の画像のイメージデータの展開が完了するまで、感熱ロール紙Rの搬送、及び、感熱ロール紙Rへの画像の記録を一時的に中断し、当該展開が完了したときに新たに画像の記録を開始するいわゆる間欠印字が行うこととなるが、周知の通り、間欠印字は画像におけるいわゆる白スジの原因となるため、その発生をできるだけ抑制する必要がある。
以上を踏まえ、本実施形態に係る複合処理装置1、及び、ホストコンピューター5は、サーマルプリンターユニット60による感熱ロール紙Rへの画像の記録に際し、以下の動作を実行する。
【0036】
図7は、感熱ロール紙Rへの画像の記録時の複合処理装置1、及び、ホストコンピューター5の動作を示すフローチャートである。
図7において、(A)はホストコンピューター5の動作を示し、(B)は複合処理装置1の制御部70のイメージデータ生成部70aの動作を示し、(C)はコマンド解析部70cの動作を示し、(D)は記録制御部70bの動作を示している。また、図7では、説明の便宜のため、(E)にイメージバッファー78aの状態を示し、(F)にメカ機構としてのサーマルプリンターユニット60の状態を示している。
また、図7は、図5、6を援用し、感熱ロール紙Rに画像Gを記録するときの動作を示しているものとし、動作の前提として、ホストコンピューター5が画像Gの画像データDを生成しているものとする。
図7に示すように、まず、ホストコンピューター5は、画像記録指示コマンドを複合処理装置1に送信する(ステップSB1)。
この画像記録指示コマンドには、少なくとも、以後に送信される画像データの行数と、各画像データのサイズを示す情報が含まれている。本例では、画像記録指示コマンドには、以後に4行分の画像データ(画像データD1〜D4)が送信されてくること、及び、各画像データのサイズを示す情報が含まれている。
この画像記録指示コマンドは、受信バッファー79に格納された後、制御部70のコマンド解析部70cに読み出される。コマンド解析部70cは、コマンドを解析し、受信したコマンドが画像記録指示コマンドであることを判別すると、当該コマンドを記録制御部70bに出力する(ステップSB2)。
【0037】
記録制御部70bは、画像記録指示コマンドに基づいて、画像の記録を行うことを検出し、必要な処理(例えば、サーマルプリンターユニット60の各機構の状態、エラーの状況の検出や、画像の記録を行うための準備に係る処理)を実行すると共に、以後受信する画像データについて、受信に応じてイメージデータをイメージバッファー78aに展開する旨、イメージデータ生成部70aに出力する(ステップSB3)。
その後、ホストコンピューター5から1行目の画像データD1が送信され(ステップSB4)、当該画像データD1を受信し、当該画像データD1が受信バッファー79に格納されると、イメージデータ生成部70aは、受信バッファー79に格納された画像データD1に基づいてイメージデータI1を生成し、イメージバッファー78aに展開(記憶)する(ステップSB5)。さらに、イメージデータ生成部70aは、受信バッファー79への画像データD1の格納が開始されてから終了するまでに要した時間を計測し、計測結果に基づいて、1ドットライン分の画像データを受信するのに要する時間(以下、「受信所要時間」という。)を算出する。イメージデータ生成部70aは、算出した受信所要時間を示す情報を、記録制御部70bに出力する(ステップSB6)。
受信所要時間が入力されると、記録制御部70bは、記録速度設定処理を実行する(ステップSB7)。以下、記録速度設定処理について詳述する。
【0038】
本実施形態では、記録速度を最も遅いレベル1から最も速いレベル13の13段階に変更可能な構成となっている。記録速度とは、上述したように、感熱ロール紙Rに画像を記録する際に、感熱ロール紙Rを搬送方向に搬送する速度のことである。そして、各レベルの記録速度で感熱ロール紙Rへの画像を記録した場合に、1ドットライン分の画像の記録に要する時間(以下、「記録処理所要時間」という。)が事前の実験、シミュレーションで求められており、記録速度テーブル77aにおいて、各レベルと、各レベルにおける記録処理所要時間とが対応付けて記憶されている。
【0039】
図8は、記録速度テーブル77aの内容の一例を示す図である。
図8に示すように記録速度テーブル77aでは、記録速度のレベルごとに記録処理所要時間(1ドットライン分の画像を記録するのに要する時間)が記憶されており、当該テーブルを参照することにより、1のレベルに係る記録処理所要時間を取得可能である。
ステップSB7の記録速度設定処理では、記録制御部70bは、ステップSB6で入力された受信所要時間と、記録速度テーブル77aの内容とに基づいて、画像データD1に係るイメージデータI1に基づいて画像G1を記録するときの記録速度を求める。
詳述すると、記録制御部70bは、記録速度テーブル77aを参照して各レベルの記録速度の記録処理所要時間を取得した上で、レベル1〜レベル13の記録速度のうち、その記録処理所要時間が、受信所要時間よりも長く、かつ、その記録処理所要時間の値が最も小さいものを、画像G1を記録するときの記録速度とする。例えば、受信所要時間が1000μsの場合、図8を参照し、記録制御部70bは、レベル6(1137μs)の記録速度を、画像G1を記録するときの記録速度とする。
このようにして記録速度を設定するのは、以下の理由による。
すなわち、その記録処理所要時間が、受信所要時間よりも長いということは、受信バッファー79における記録データの受信速度の方が、記録制御部70bが、イメージバッファー78aに展開されたイメージデータに基づいて、感熱ロール紙Rを記録速度で搬送しながら画像を記録する記録処理の処理速度よりも早いということである。したがって、レベル1〜レベル13の記録速度のうち、その記録処理所要時間が、受信所要時間よりも長いものを記録速度とすることにより、以後、受信バッファー79に画像データが格納されていくペースに比して、画像データに基づいて画像が記録されていくペースが速くなってしまい画像データの未受信に起因した間欠印字が発生することを防止できる。さらに、記録処理所要時間が、受信所要時間よりも長い記録速度のうち、その記録処理所要時間の値が最も小さいものを選択することにより、記録速度をできるだけ速い記録速度とすることができ、処理効率の向上、及び、スループットを向上できる。
【0040】
ステップSB7の記録速度設定処理において画像G1を記録するときの記録速度を設定した後、記録制御部70bは、サーマルプリンターユニット60の各種メカ機構を制御して、感熱ロール紙Rへの画像G1の記録を実行する(ステップSB8)。その際、記録制御部70bは、ステップSB7で設定した記録速度で、感熱ロール紙Rを搬送しつつ、画像G1を記録する。
【0041】
その後、ホストコンピューター5から2行目の画像データD2が送信され(ステップSB9)、当該画像データD2を受信し、当該画像データD2が受信バッファー79に格納されると、イメージデータ生成部70aは、受信バッファー79に格納された画像データD2に基づいてイメージデータI2を生成し、イメージバッファー78aに展開(記憶)する(ステップSB10)。さらに、イメージデータ生成部70aは、受信バッファー79への画像データD2の格納が開始されてから終了するまでに要した時間を計測し、計測結果に基づいて、1ドットライン分の画像データを受信するのに要する時間である受信所要時間を算出する。イメージデータ生成部70aは、算出した受信所要時間を示す情報を、記録制御部70bに出力する(ステップSB11)。
受信所要時間が入力されると、記録制御部70bは、入力された受信所要時間を用いて記録速度設定処理を実行して、画像G2を記録するときの記録速度を設定する(ステップSB12)。このように、直近の受信所要時間を用いて記録速度を設定するのは、受信速度は、受信環境の変化や、その他の要因によって時間の経過と共に変化するため、最新の受信所要時間を用いることにより、記録速度を実態に即した値とすることができるからである。
次いで、記録制御部70bは、サーマルプリンターユニット60の各種メカ機構を制御して、感熱ロール紙Rへの画像G2の記録を実行する(ステップSB13)。その際、記録制御部70bは、ステップSB12で設定した記録速度で、感熱ロール紙Rを搬送しつつ、画像G2を記録する。
【0042】
その後、ホストコンピューター5から3行目の画像データD3が送信され(ステップSB14)、当該画像データD3を受信し、当該画像データD3が受信バッファー79に格納されると、イメージデータ生成部70aは、受信バッファー79に格納された画像データD3に基づいてイメージデータI3を生成し、イメージバッファー78aに展開(記憶)する(ステップSB15)。
次いで、記録制御部70bは、イメージデータ生成部70aによる生成処理に基づいて記録速度を設定する(ステップSB16)。以下、ステップSB16の処理について詳述する。
【0043】
このステップSB16では、上述したステップSB7や、ステップSB12における記録速度設定処理とは異なり、以下のようにして記録速度を設定する。
すなわち、記録制御部70bは、イメージデータ生成部70aによってイメージデータがイメージバッファー78aに展開されるときの速度、すなわち、イメージデータ生成部70aによる画像データに基づくイメージデータの生成、及び、イメージデータのイメージバッファー78aへの展開という一連の生成処理の処理速度に基づいて記録速度を設定する。
具体的には、本実施形態では、イメージバッファー78aにおいてデータを書き込むアドレスは、ポインターによって管理されている。図5(C)では、ポインターとイメージバッファー78aとの関係を概念的に表しており、ポインターが位置P1に位置している場合は、データの書き込み開始アドレスは、当該位置P1であり、また、ポインターが位置P2に位置している場合は、データの書き込み開始アドレスは、当該位置P2となる。これを踏まえ、記録制御部70bは、ステップSB5にてイメージバッファー78aへの画像データD1の展開が開始された後のポインターの動きを、経過時間と対応付けて管理することにより、イメージバッファー78aに、1ドットライン分のイメージデータが展開されるのに要する時間(以下、「展開所要時間」という。)を算出する。
【0044】
この展開所要時間の算出に際し、記録制御部70bは、画像データD1に基づくイメージデータI1の展開が開始されてから、画像データD2に基づくイメージデータI2の展開が完了するまでのポインターの動きに基づいて展開所要時間を算出する。すなわち、図5を参照し、位置P1が示すアドレスへのイメージデータI1の書き込みが開始された後、当該イメージデータI1の書き込みが終了し、さらに、ポイント2が示すアドレスへのイメージデータI2の書き込みが開始され、当該書き込みが終了し、ポインターが位置P3に至るまでに要した時間を、展開したイメージデータのドットライン数(本例では、60ドットライン)で除算することにより、イメージバッファー78aに、1ドットライン分のイメージデータが展開されるのに要する時間である展開所要時間を算出する。
このように、ステップSB16において、記録制御部70bは、イメージデータI1の展開に要した時間に基づいて展開所要時間を算出するのではなく、イメージデータI1、及び、イメージデータI2の展開に要した時間に基づいて展開所要時間を算出するのは、以下の理由による。
すなわち、イメージデータI1の展開に要した時間(位置P1から位置P2にポインターが移動するのに要した時間)に基づいて展開所要時間を算出すると、算出した展開所要時間の値は、例えば、画像データD1の受信が完了してから、画像データD2の受信が開始されるまでのタイムラグや、これに起因した、イメージデータI1の展開が完了してから、イメージデータI2の展開が開始されるまでのタイムラグが反映されていない値となる。しかしながら、複数行の画像データを受信する場合には、各行の画像データが個別に送信されることに起因して実際に発生するタイムラグ等を踏まえて、展開所要時間を算出する必要がある。これを踏まえ、ステップSB16では、イメージデータI1、及び、イメージデータI2の展開に要した時間に基づいて展開所要時間を算出し、これにより、画像データD1と画像データD2とが個別に送信されることに起因した各種タイムラグ等を反映して適切な展開所要時間を算出している。
【0045】
展開所要時間を算出した後、記録制御部70bは、記録速度テーブル77aを参照して各レベルの記録速度の記録処理所要時間を取得した上で、レベル1〜レベル13の記録速度のうち、その記録処理所要時間が、展開所要時間よりも長く、かつ、その記録処理所要時間の値が最も小さいものを、画像G3を記録するときの記録速度とする。例えば、展開所要時間が1000μsの場合、図8を参照し、記録制御部70bは、レベル6(1137μs)の記録速度を、画像G3を記録するときの記録速度とする。
このようにして記録速度を設定するのは、以下の理由による。
すなわち、その記録処理所要時間が、展開所要時間よりも長いということは、イメージデータ生成部70aによる画像データに基づくイメージデータの生成、及び、イメージデータのイメージバッファー78aへの展開という一連の生成処理の処理速度の方が、記録制御部70bによるイメージバッファー78aに展開されたイメージデータに基づいて、感熱ロール紙Rを記録速度で搬送しながら画像を記録する記録処理の処理速度よりも早いということである。したがって、レベル1〜レベル13の記録速度のうち、その記録処理所要時間が、展開所要時間よりも長いものを記録速度とすることにより、以後、イメージバッファー78aにイメージデータが展開されていくペースに比して、画像データに基づいて画像が記録されていくペースが速くなってしまいイメージデータの未展開に起因した間欠印字が発生することを防止できる。さらに、記録処理所要時間が、展開所要時間よりも長い記録速度のうち、その記録処理所要時間の値が最も小さいものを選択することにより、記録速度をできるだけ速い記録速度とすることができ、処理効率の向上、及び、スループットを向上できる。
【0046】
なお、受信バッファー79における画像データの受信速度よりも、記録制御部70bによる記録処理の処理速度が速くなるように(=受信所要時間よりも、記録処理所要時間が短くなるように)記録速度を設定した場合であっても、実際にイメージデータが展開される速度(=イメージデータ生成部70aによる生成処理の処理速度)が、上記記録処理の処理速度よりも遅ければ、間欠印字は発生する。一方で、生成処理の処理速度が、記録処理の処理速度よりも速くなるように記録速度を設定すれば間欠印字が発生することはない。従って、ステップSB7、及び、ステップSB12の記録速度設定処理においても、イメージデータ生成部70aによる生成処理の処理速度に基づいて記録速度を設定することが望ましい。しかしながら、ステップSB7の時点では、イメージデータI2の展開が完了しておらず、また、ステップSB12の時点では、イメージデータI2の展開が確実に完了している状態ではないため、展開所要時間の算出ができない。
これを踏まえ、本実施形態では、ステップSB7と、ステップSB12の記録速度設定処理では、受信所要時間を用いて、受信バッファー79における画像データの受信速度に基づいて記録速度を決定し、記録速度の値を、少なくとも、画像データの未受信に起因した間欠印字が発生しないような値とし、これにより、記録開始時の記録速度の不適切さに起因して間欠印字が発生することを効果的に抑制している。
【0047】
さて、ステップSB16において、記録速度を設定した後、記録制御部70bは、サーマルプリンターユニット60の各種メカ機構を制御して、感熱ロール紙Rへの画像G3の記録を実行する(ステップSB17)。その際、記録制御部70bは、ステップSB16で設定した記録速度で、感熱ロール紙Rを搬送しつつ、画像G3を記録する。
【0048】
その後、ホストコンピューター5から最後の行である4行目の画像データD4が送信され(ステップSB18)、当該画像データD4を受信し、当該画像データD4が受信バッファー79に格納されると、イメージデータ生成部70aは、受信バッファー79に格納された画像データD4に基づいてイメージデータI4を生成し、イメージバッファー78aに展開(記憶)する(ステップSB19)。
次いで、記録制御部70bは、生成処理に基づいて記録速度を設定する(ステップSB20)。以下、ステップSB20の処理について詳述する。
このステップSB20では、記録制御部70bは、イメージデータI1、I2、及び、I3(ステップSB20の開始時点で確実に展開が終了しているイメージデータ)についての生成、及び、展開という一連の生成処理の処理速度に基づいて記録速度を設定する。すなわち、上述したように、これらイメージデータI1、I2、及び、I3が展開されるペースに基づいて、1ドットラインが展開されるのに要する時間を算出し、算出した時間と、記録速度テーブル77aの内容とに基づいて、記録速度を設定する。
【0049】
次いで、記録制御部70bは、サーマルプリンターユニット60の各種メカ機構を制御して、感熱ロール紙Rへの画像G4の記録を実行する(ステップSB21)。その際、記録制御部70bは、ステップSB20で設定した記録速度で、感熱ロール紙Rを搬送しつつ、画像G4を記録する。
以上のようにして、画像G1〜画像G4が記録されることにより、感熱ロール紙Rへの画像Gの記録が完了する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態では、記録制御部70bは、感熱ロール紙Rへ画像G1、G2を記録するときの記録速度(記録開始時の記録速度)を、受信バッファー79における画像データの受信速度に基づいて設定し、画像G3、G4を記録するときの記録速度(記録開始後の記録速度)を、イメージデータ生成部70aによる生成処理の処理速度に基づいて設定する。
これによれば、画像G1、G2を記録するときの記録速度が、受信バッファー79における画像データの受信速度に基づいて設定されるため、少なくとも、当該記録速度を、イメージデータ生成部70aによる生成処理(イメージデータを生成し、生成したイメージデータを展開する処理)の前提となる画像データの受信が完了しないことに起因した間欠印字が発生しないような値とすることができ、記録開始時の記録速度の不適切さに起因して間欠印字が発生することを効果的に抑制できる。
【0051】
また、本実施形態では、記録制御部70bは、画像G1、G2を記録するときの記録速度を、受信バッファー79における画像データの受信速度の方が、記録制御部70bによる記録処理(イメージバッファー78aに展開されたイメージデータに基づいて画像を記録する処理)の処理速度よりも速くなるように設定する。
これによれば、受信バッファー79における画像データの受信速度の方が、記録制御部70bによる記録処理の処理速度よりも速くなるように画像G1、G2を記録するときの記録速度が設定されるため、当該記録速度を、画像データの未受信に起因した間欠印字が発生しないような値とすることができる。
【0052】
また、本実施形態に係る複合処理装置1は、設定可能な記録速度のそれぞれと、記録速度で記録した場合の記録制御部70bによる記録処理の処理速度に対応する記録処理所要時間と、を対応付けた記録速度テーブル77aを記憶するフラッシュROM77をさらに備えている。そして、記録制御部70bは、記録速度テーブル77aに基づいて、設定可能な記録速度のうち、受信バッファー79における画像データの受信速度の方が、記録制御部70bによる記録処理の処理速度よりも速くなるような記録速度を判別し、判別した記録速度を画像G1、G2を記録するときの記録速度(記録開始時の記録速度)とする。
この構成によれば、記録速度テーブル77aを利用して、簡易な手段で、記録開始時の記録速度を設定することが可能となる。
【0053】
また、本実施形態では、イメージデータ生成部70aは、イメージデータを、1行を単位としてイメージバッファー78aに展開(記憶)する。
これによれば、ライン状の記録ヘッドであるサーマルヘッド65に適した態様で、イメージバッファー78aにイメージデータを記憶することが可能となる。
なお、本実施形態では、1行ごとにイメージデータをイメージバッファー78aに展開する構成であったが、1ドットラインを単位として展開する構成であってもよい。
【0054】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、ライン状の記録ヘッドの例として、発熱素子90が搬送方向と交わる方向に延在して配置されたサーマルヘッド65を挙げたが、ライン状の記録ヘッドはこれに限らず、記録素子としてのノズルが搬送方向に交わる方向に延在して配置されたライン型のインクジェットヘッドであってもよい。
また例えば、図3に示す各機能ブロックはハードウェアとソフトウェアの協働により任意に実現可能であり、特定のハードウェア構成を示唆するものではない。
また例えば、制御部70の機能を、複合処理装置1に外部接続される別の装置に持たせるようにしてもよい。
また、外部接続される記憶媒体に記憶させたプログラムを実行することにより、図4、図7で示した各フローチャートの各ステップを実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…複合処理装置、5…ホストコンピューター(制御装置)、60…サーマルプリンターユニット、65…サーマルヘッド(ライン状の記録ヘッド)、70…制御部、70a…イメージデータ生成部、70b…記録制御部、70c…コマンド解析部、78a…イメージバッファー、79…受信バッファー、90…発熱素子(記録素子)、R…感熱ロール紙(記録媒体)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置に接続可能な記録装置であって、
記録媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部により前記記録媒体が搬送される方向と交わる方向に記録素子が延在して配置されたライン状の記録ヘッドと、
前記制御装置から受信したデータを記憶する受信バッファーと、
前記受信バッファーに記憶された前記データを読み出し、読み出した前記データに基づいてイメージデータを生成し、生成した前記イメージデータをイメージバッファーに記憶する生成処理を行うイメージデータ生成部と、
前記イメージバッファーに記憶された前記イメージデータに基づいて、前記搬送部により前記記録媒体を所定の記録速度で搬送しながら前記記録ヘッドにより記録する記録処理を行う記録制御部と、を備え、
前記記録制御部は、
記録開始時の記録速度を、前記受信バッファーにおける前記データの受信速度に基づいて設定し、
記録開始後の記録速度を、前記イメージデータ生成部による前記生成処理の処理速度に基づいて設定することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記記録制御部は、
記録開始時の記録速度を、
前記受信バッファーにおける前記データの受信速度に対し、前記記録制御部による前記記録処理の処理速度が遅くなるように設定することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
設定可能な記録速度のそれぞれと、各記録速度で記録した場合の前記記録制御部による前記記録処理の処理速度と、を対応付けたテーブルを記憶する記憶部をさらに備え、
前記記録制御部は、
前記テーブルに基づいて、設定可能な記録速度のうち、前記受信バッファーにおける前記データの受信速度に対し、前記記録制御部による前記記録処理の処理速度が遅くなるような記録速度を判別し、判別した記録速度を記録開始時の記録速度とすることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記イメージデータ生成部は、
前記イメージデータを、少なくとも1行あるいは1ドットラインを単位として前記イメージバッファーに記憶することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の記録装置。
【請求項5】
制御装置に接続可能に構成され、
記録媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部により前記記録媒体が搬送される方向と交わる方向に記録要素が延在して配置されたライン状の記録ヘッドと、
前記制御装置から受信したデータを記憶する受信バッファーと、を備える記録装置の制御方法であって、
前記受信バッファーに記憶された前記データを読み出し、読み出した前記データに基づいてイメージデータを生成し、生成した前記イメージデータをイメージバッファーに記憶する生成処理を行い、前記イメージバッファーに記憶された前記イメージデータに基づいて前記搬送部により前記記録媒体を所定の記録速度で搬送しながら前記記録ヘッドにより記録する記録処理を行うと共に、
前記受信バッファーにおける前記データの受信速度に基づいて記録開始時の記録速度を設定し、前記イメージデータ生成部による前記生成処理の処理速度に基づいて記録開始後の記録速度を設定することを特徴とする記録装置の制御方法。
【請求項6】
制御装置に接続可能に構成され、記録媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により前記記録媒体が搬送される方向と交わる方向に記録要素が延在して配置されたライン状の記録ヘッドと、前記制御装置から受信したデータを記憶する受信バッファーと、を備える記録装置の各部を制御する制御部により実行されるプログラムであって、
前記制御部を、
前記受信バッファーに記憶された前記データを読み出し、読み出した前記データに基づいてイメージデータを生成し、生成した前記イメージデータをイメージバッファーに記憶する生成処理を行うイメージデータ生成部と、
前記イメージバッファーに記憶された前記イメージデータに基づいて、前記搬送部により前記記録媒体を所定の記録速度で搬送しながら前記記録ヘッドにより記録する記録処理を行うと共に、前記受信バッファーにおける前記データの受信速度に基づいて記録開始時の記録速度を設定し、前記イメージデータ生成部による前記生成処理の処理速度に基づいて記録開始後の記録速度を設定する記録制御部と、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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