設備機器
【課題】より安全性の高い浴室換気乾燥暖房機を提供する。
【解決手段】金属ケース3に覆われた本体部2がネジ8によって一部が開口した開口部9を有する天井パネル7に固定される。ネジ8には所定の温度以上になるときに変形する締結ナット12が設けられる。締結ナット12は、外部からの熱で所定の温度以上になると、当該締結ナット12が溶融してネジ8によって天井パネル7に固定された本体部2を天井パネル7から分離させる。これにより、万一の火災時に本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【解決手段】金属ケース3に覆われた本体部2がネジ8によって一部が開口した開口部9を有する天井パネル7に固定される。ネジ8には所定の温度以上になるときに変形する締結ナット12が設けられる。締結ナット12は、外部からの熱で所定の温度以上になると、当該締結ナット12が溶融してネジ8によって天井パネル7に固定された本体部2を天井パネル7から分離させる。これにより、万一の火災時に本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室の天井に設置される浴室換気乾燥暖房機等の設備機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、消費生活用製品安全法が改正され、当該消費生活用製品安全法に係る製品に対して安全性の意識が高まっている。当該製品を製造・販売するメーカーはより一層安全性を持った製品の開発を行っている。
【0003】
その製品の中で、浴室の天井に設置される浴室換気乾燥暖房機においても安全性を高めた製品が開発されている。安全策として、例えば、装置本体を金属ケースで覆うこと等が挙げられる(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−162950号公報(第8図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の多室用換気装置は、装置本体が金属ケースで覆われているので外部からの熱を遮断できる。そのため、火災時に当該装置本体まで火が及ぶことを阻止できる。しかしながら、更なる安全性を確保する必要がある。
【0006】
そこで本発明は、装置本体に延焼してしまうことを確実に回避できる安全性の高い設備機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明に係る設備機器は、一部が開口した設置場所に設置されて金属ケースに覆われた本体部と、本体部を設置場所に固定する固定手段と、固定手段に設けられ、所定の温度以上になると変形して固定手段による本体部の固定を解除する分離手段とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る設備機器では、外部からの熱で所定の温度以上になると分離手段が変形して固定手段による本体部の固定を解除することで、本体部が所定の温度に達する前に当該本体部を設置場所から分離する。
【0009】
また、本発明に係る設備機器は、一部が開口した設置場所に設置される本体部と、本体部を覆う金属部とを備え、金属部は、設置場所に固定される第1の金属部と、本体部を設置場所に固定する第2の金属部と、第1の金属部と第2の金属部とを固定すると共に、所定の温度以上になると溶融して第1の金属部と第2の金属部との固定を解除する分離手段とを有することを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る設備機器では、第1の金属部が設置場所に固定され、第2の金属部が本体部を設置場所に固定する。分離手段は、第1の金属部と第2の金属部とを固定すると共に、所定の温度以上になると当該分離手段自身が溶融して第1の金属部と第2の金属部との固定を解除することで、本体部が所定の温度に達する前に当該本体部を設置場所から分離する。
【0011】
また、本発明に係る設備機器は、一部が開口した設置場所に設置されて金属ケースに覆われ、被固定部を有する本体部と、被固定部を介して本体部を設置場所に固定する固定手段と、本体部に設けられ、本体部及び/又は本体部周辺が所定の温度以上になると熱感知信号を出力する熱感知手段と、熱感知手段によって出力された熱感知信号を受信し、熱源を有する分離手段とを備え、分離手段は、熱感知信号を受信すると熱源が加熱して、本体部の被固定部を溶融して固定手段による本体部の固定を解除することを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る設備機器では、分離手段は、熱感知手段によって出力された熱感知信号を受信すると、当該分離手段が有する熱源が加熱して本体部の被固定部を溶融して固定手段による本体部の固定を解除することで、本体部が所定の温度に達する前に当該本体部を設置場所から分離する。
【0013】
更に、本発明に係る設備機器は、一部が開口した設置場所に設置されて金属ケースに覆われた本体部と、本体部に設けられ、本体部及び/又は本体部周辺が所定の温度以上になると熱感知信号を出力する熱感知手段と、熱感知手段によって出力された熱感知信号を受信する固定/固定解除手段とを備え、固定/固定解除手段は、熱感知手段から熱感知信号が出力されない場合、本体部を設置場所に固定し、熱感知手段から熱感知信号が出力される場合、熱感知信号を受信して設置場所に固定した本体部の固定を解除することを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る設備機器では、固定/固定解除手段は、熱感知手段から熱感知信号が出力されない場合、本体部を設置場所に固定し、熱感知手段から熱感知信号が出力される場合、熱感知信号を受信して設置場所に固定した本体部の固定を解除することで、本体部が所定の温度に達する前に当該本体部を設置場所から分離する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る設備機器によれば、外部からの熱で本体部が所定の温度に達する前に本体部を設置場所から分離するので、本体部自体に延焼してしまうことを回避することができる。これにより、安全性の高い設備機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係る設備機器の一例として浴室換気乾燥暖房機について説明する。
【0017】
<第1の実施の形態>
[浴室換気乾燥暖房機1の構成例]
図1は、第1の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1の構成例を示す断面図である。本実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1は、金属ケース3に覆われた本体部2が固定手段の一例であるネジ8と分離手段の一例である締結ナット12とによって天井パネル7に固定され、外部からの熱で所定の温度以上になるときに締結ナット12が変形して、ネジ8等による本体部2の固定を解除することで、本体部が所定の温度に達する前に当該本体部2を天井パネル7から分離するようにしたものである。
【0018】
図1に示すように、本体部2は、当該本体部2を覆う金属ケース3、ファンモータ20Mに回転駆動されるファン20F、ヒータ20H及びファンケースを構成する本体シャーシ21を備える。
【0019】
本体部2には、ファン20Fの下側に吸込口22aが設けられ、ファン20Fによる空気の吹出方向に沿った当該本体部2の下側に吹出口22bが設けられ、ファン20Fによる空気の排気方向に沿った当該本体部2の側面に排気口22cが設けられる。
【0020】
本体部2は、吹出口22bと排気口22cとの間で風路を切り替える風路切替ダンパ23を備える。風路切替ダンパ23は、当該風路切替ダンパ23に接続されたダンパモータ26によって吹出口22bと排気口22cの開閉動作を行い風路を切り替える。浴室換気乾燥暖房機1は、風路切替ダンパ23を図1の実線で示すように排気口22cを閉じる位置(循環位置)にすると、吹出口22bが開いて吸込口22aから吹出口22bへ連通した風路(循環風路)が形成される。また、浴室換気乾燥暖房機1は、風路切替ダンパ23を図1の一点鎖線で示すように吹出口22bを閉じる位置(換気位置)にすると、排気口22cが開いて吸込口22aから排気口22cへ連通した風路(換気風路)が形成される。更に、浴室換気乾燥暖房機1は、風路切替ダンパ23を図1の二点鎖線で示すように循環位置と換気位置との間の位置(循環換気位置)にすると、吹出口22bと排気口22cの双方が開いて循環風路と換気風路とが形成される。
【0021】
吹出口22bにはヒータ20Hが設けられる。ヒータ20Hには、例えば、周囲の温度によって発熱量を制御するPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータが用いられる。風路切替ダンパ23を循環位置又は循環換気位置にして、ファンモータ20Mを駆動してファン20Fを回転させると共に、ヒータ20Hに通電して当該ヒータ20Hを加熱することで吹出口22bを通過する空気が温められて吹出口22bから温かい温風が吹き出されようになされる。
【0022】
本体シャーシ21は熱溶融材料で形成されている。その熱溶融材料には、ABS樹脂、PET樹脂、AS樹脂等の樹脂材料や、低融点の金属材料等が用いられる。本体シャーシ21は、下端の周縁から外側に突出するフランジ部24を備える。
【0023】
フランジ部24には、ネジ8が通る孔が設けられる。この孔と天井パネル7に設けられる孔とを重ね合わせてネジ8を通す。ネジ8の先端部を天井裏から締結ナット12で締結することで、本体部2が天井パネル7に固定される。ネジ8が通る孔が設けられている箇所を被固定部とする。
【0024】
締結ナット12は、本体シャーシ21と同様に熱溶融材料で形成される。その熱溶融材料には、ABS樹脂、PET樹脂、AS樹脂等の樹脂材料や、低融点の金属材料等が用いられる。締結ナット12は、ネジ8の先端部全体を包み込むように形成され、ネジ8に締結される。締結ナット12は、外部から所定の温度(締結ナット12の融点)以上の熱が与えられると、当該締結ナット12自体が溶融して、ネジ8への締結力を解除して本体部2を天井パネル7から分離させる。
【0025】
本体シャーシ21は、フランジ部24の上面にアルミテープ11を備える。アルミテープ11は金属箔による断熱部材の一例で、本例では、非鉄金属であるアルミニウム箔の裏面に粘着材を塗布して構成される。アルミテープ11は、浴室換気乾燥暖房機1を天井パネル7に形成された開口部9に取り付けたときに、開口部9に露出するフランジ部24の上面の内周側に沿った所定の範囲に、全周にわたって貼り付けられる。
【0026】
ネジ8は、熱伝導性が良好な金属材料を用いることが望ましく、例えば、鉄、銅、黄銅等が挙げられる。また、固定手段は、ネジに限定されるものではなく、リベットやボルト等を用いてもよい。
【0027】
本体シャーシ21には金属ケース3が設けられる。金属ケース3は、鉄や銅、又はそれらの合金等で構成された金属の板材で形成され、本体部2の上部及び側部を覆う形状を成している。また、金属ケース3は、排気口22cの大きさに合わせて開口される。
【0028】
浴室換気乾燥暖房機1は、金属ケース3の開口部に排気口22cとつながるダクトジョイント4が取り付けられる。ダクトジョイント4は、金属ケース3と同様に鉄や銅、又はそれらの合金等で構成された金属の板材で形成される。
【0029】
浴室換気乾燥暖房機1は、本体部2の下部にフロントパネル5が取り付けられる。フロントパネル5は、吸込口22aの位置に合わせて吸込口グリル50aが設けられ、吹出口22bの位置に合わせて吹出口グリル50bが設けられる。
【0030】
[浴室換気乾燥暖房機1の設置例]
次に、浴室換気乾燥暖房機1の設置例について説明する。図2は、浴室換気乾燥暖房機1の要部構成例を示す断面図である。図2に示すように、浴室換気乾燥暖房機1は、天井パネル7の一部が開口した開口部9から、金属ケース3で覆われた本体部2が天井裏に入れられる。浴室換気乾燥暖房機1は、本体シャーシ21のフランジ部24の孔部に挿入されたネジ8を、フランジ部24と締結ナット12との間に天井パネル7を挟んだ状態で締結することで固定される。天井パネル7に固定された浴室換気乾燥暖房機1は、本体部2の下部にフロントパネル5が取り付けられる。
【0031】
天井パネル7に取り付けられるフランジ部24の上面には、アルミテープ11が貼り付けられているが、アルミテープ11は厚さが薄いので、天井パネル7に対する本体部2の取り付け高さに影響を及ぼすことはない。
【0032】
[浴室換気乾燥暖房機1の動作例]
次に、浴室換気乾燥暖房機1の動作例について説明する。浴室換気乾燥暖房機1は、ファンモータ20Mが駆動してファン20Fが回転駆動されると、フロントパネル5の吸込口グリル50aを介して吸込口22aから浴室内の空気を吸い込む。
【0033】
風路切替ダンパ23が図1の実線で示す循環位置にある場合、吸込口22aから吹出口22bへの循環風路が形成されるので、吸込口22aから吸い込まれた空気は、循環風路を通り吹出口22bからフロントパネル5の吹出口グリル50bを介して浴室内に吹き出され、かつ、ヒータ20Hが通電されて循環風路を通る空気が温められて温風が吹出口グリル50bから吹き出される(暖房モード)。
【0034】
風路切替ダンパ23が図1の一点鎖線で示す換気位置にある場合、吸込口22aから排気口22cへ換気通路が形成されるので、吸込口22aから吸い込まれた空気は、換気風路を通り排気口22cから屋外へ排気される(換気モード)。
【0035】
風路切替ダンパ23が図1の二点鎖線で示す循環換気位置にある場合、吸込口22aから吹出口22bへの循環風路と吸込口22aから排気口22cへ換気通路とが形成される。そのため、吸込口22aから吸い込まれた空気の一部は、循環風路を通り吹出口22bからフロントパネル5の吹出口グリル50bを介して浴室内に吹き出され、吸込口22aから吸い込まれた空気の他部は、換気風路を通り排気口22cから屋外へ排気される(涼風モード)。
【0036】
また、ヒータ20Hが通電される場合、循環風路を通る空気が温められて温風が吹出口グリル50bから吹き出されると共に、浴室内の湯気や湿気が換気風路を通り排気される(乾燥モード)。
【0037】
上述の風路の切替えは一例であって、風路切替ダンパ23に限定されるものではなく、換気ファンと循環ファンとを別々に備え、それらの組み合わせにより切替る構成でもよい。
【0038】
[浴室換気乾燥暖房機1の作用効果例]
図2に示すように、浴室換気乾燥暖房機1は、本体部2が金属ケース3に覆われる。これにより、本体部2を構成する本体シャーシ21の熱溶融部分は、天井パネルの開口部9から天井裏に直接露出しない。
【0039】
フランジ部24の上面で、天井パネル7の開口部9に露出する部分には、全周にわたってアルミテープ11が貼り付けられており、天井パネル7の開口部9にフランジ部24の熱溶融部分は直接露出しない。
【0040】
本体シャーシ21を覆う金属ケース3の下端部とフランジ部24の上面のアルミテープ11の間には、金属ケース3の内部の本体シャーシ21が、外部からの熱に直接晒されるような隙間が形成されない。これにより、本体部2を構成する本体シャーシ21の熱溶融部分は、天井パネル7の開口部9から天井裏に直接露出しない。
【0041】
建物で万一火災が発生した場合、火が浴室の天井パネル7上部の天井裏に延焼しても、浴室換気乾燥暖房機1は、本体部2が金属ケース3に覆われているので、熱溶融材料で構成される本体シャーシ21等が発火することを防止できる。
【0042】
また、天井パネル7に取り付けられるフランジ部24の上面で、天井パネル7の開口部9に露出する部分には、全周にわたってアルミテープ11が貼り付けられているので、熱溶融材料で構成される本体シャーシ21のフランジ部24からの発火が防止される。
【0043】
更に、本体シャーシ21を覆う金属ケース3の下端部とフランジ部24の上面のアルミテープ11の間には、金属ケース3の内部の本体シャーシ21が、外部からの熱に直接晒されるような隙間が形成されないので、熱溶融材料で構成される本体シャーシ21の発火が防止される。
【0044】
図3は、浴室換気乾燥暖房機1の延焼防止効果例を示す動作説明図である。本体部2が天井パネル7に固定されている状態(図3(A)参照)を前提として、浴室換気乾燥暖房機1が外部からの火によって天井裏から加熱されると、ネジ8の先端部に設けられる締結ナット12に所定の温度以上の熱が伝わる。図3(B)に示すように、その熱で締結ナット12が徐々に軟化して変形することで、本体部2が徐々に下方へ下がっていく。更に締結ナット12に熱が加えられ続けると、図3(C)に示すように、締結ナット12は溶融してネジ8による本体部2の固定を解除することで、本体部2が所定の温度に達する前に当該本体部2を天井パネル7から分離して落下させる。
【0045】
これにより、外部から所定の温度以上の熱が浴室換気乾燥暖房機1に加わっても、締結ナット12が溶融してネジ8による本体部2の固定を解除することで、本体部2を所定の温度に達する前に天井パネル7から分離して落下させるので、長時間の火災であっても本体部2自体に延焼してしまうことを回避し、本体部2の自己発火を防止できる。
【0046】
このように、第1の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1によれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1に加わらない場合、本体部2は天井パネル7に確実に固定される。外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1に加わった場合、その熱で本体部2が所定の温度に達する前に、分離手段である締結ナット12が本体部2を天井パネル7から分離させる。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【0047】
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、分離手段として形状記憶材料を用いた浴室換気乾燥暖房機1Aについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0048】
図4は、第2の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Aの延焼防止効果例を示す動作説明図である。図4(A)に示すように、浴室換気乾燥暖房機1Aは、図2で示した締結ナット12を形状記憶材料12Aに置き換えたものである。浴室換気乾燥暖房機1Aは、本体シャーシ21のフランジ部24の孔部に挿入されたネジ8を、フランジ部24と形状記憶材料12Aとの間に天井パネル7を挟んだ状態で締結することで固定される。
【0049】
形状記憶材料12Aは、分離手段の一例であり、例えば、ニッケル−チタン合金や鉄−マンガン−ケイ素合金等で構成されるバイメタルであって、所定の温度以上の熱が加わると変形するものである。形状記憶材料12Aは、ネジ8の先端部を囲うようにドーナッツ状に形成される。形状記憶材料12A自体の温度が、所定の温度より低い場合には、ネジ8を締め付け、所定の温度以上の場合には、ネジ8の締め付けが解除される。
【0050】
外部から所定の温度以上の熱が加わらなければ、本体部2は天井パネル7に確実に固定される。本体部2が天井パネル7に固定されている状態を前提として、浴室換気乾燥暖房機1Aが外部からの火によって天井裏から加熱されると、ネジ8の先端部に設けられる形状記憶材料12Aに所定の温度以上の熱が伝わる。図4(B)に示すように、その熱で形状記憶材料12Aがネジ8の中心方向と反対側に広がるように変形する。図4(C)に示すように、形状記憶材料12Aが変形したことでネジ8への締結力が解除されて、本体部2が所定の温度に達する前に天井パネル7から分離して落下する。
【0051】
これにより、外部から所定の温度以上の熱が浴室換気乾燥暖房機1Aに加わっても、形状記憶材料12Aが変形してネジ8による本体部2の固定を解除することで、本体部2を天井パネル7から落下させるので、長時間の火災であっても本体部2自体に延焼してしまうことを回避し、本体部2の自己発火を防止できる。
【0052】
このように、第2の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Aによれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Aに加わらない場合、本体部2は天井パネル7に確実に固定される。外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Aに加わった場合、その熱で本体部2が所定の温度に達する前に、分離手段である形状記憶材料12Aが本体部2を天井パネル7から分離させる。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【0053】
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、分離手段として形状記憶材料のワッシャを使用した浴室換気乾燥暖房機1B,1Cについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0054】
図5は、第3の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Bの延焼防止効果例を示す動作説明図である。また、図6は、浴室換気乾燥暖房機1Cの延焼防止効果例を示す動作説明図である。図5(A)及び図6(A)に示すように、浴室換気乾燥暖房機1B,1Cは、本体シャーシ21のフランジ部24に金属カラー19及び分離手段の一例である形状記憶材料のワッシャ(以下、ワッシャ12B,12Cという)を備える。
【0055】
金属カラー19は固定手段の一例であり、本体部2と分離可能なものである。金属カラー19は、フランジ部24に形成された円筒形状の孔部に圧入される。金属カラー19の高さは、金属カラー19が圧入される位置のフランジ部24の厚みと略同等である。
【0056】
ワッシャ12B,12Cは、ネジ8及び金属カラー19に当接し、本体部2を固定する。また、ワッシャ12B,12Cは、形状記憶材料であって、例えば、ニッケル−チタン合金や鉄−マンガン−ケイ素合金等で構成されるものであり、所定の温度以上の熱が加わると変形するものである。
【0057】
浴室換気乾燥暖房機1B,1Cは、本体シャーシ21のフランジ部24に圧入された金属カラー19の孔部にワッシャ12B,12Cを介してネジ8を挿入して、天井パネル7に設置された取付金具10に締結することで固定される。
【0058】
ワッシャ12B自体の温度が、所定の温度より低い場合には、ネジ8を締め付け、所定の温度以上の場合には、ワッシャ12Bの径が大きくなるように変形してネジ8の締め付けが解除される。ワッシャ12C自体の温度が、所定の温度より低い場合には、ネジ8を締め付け、所定の温度以上の場合には、ワッシャ12Cが折れ曲がるように変形する。
【0059】
外部から所定の温度以上の熱が加わらなければ、本体部2は天井パネル7に確実に固定される。本体部2が天井パネル7に固定されている状態を前提として、浴室換気乾燥暖房機1Bが外部からの火によって天井裏から加熱されると、天井裏に突出しているネジ8を介して当該ネジ8の根元部に設けられるワッシャ12Bに所定の温度以上の熱が伝わる。図5(B)に示すように、その熱でワッシャ12Bの径が大きくなるように変形する。図5(C)に示すように、ワッシャ12Bが変形したことで、ネジ8への締め付けが解除され、フランジ部24に圧入された金属カラー19と本体部2とが分離して、天井パネル7から本体部2が分離して落下する。
【0060】
浴室換気乾燥暖房機1Cが外部からの火によって天井裏から加熱されると、天井裏に突出しているネジ8を介して当該ネジ8の根元部に設けられるワッシャ12Cに所定の温度以上の熱が伝わる。図6(B)に示すように、その熱でワッシャ12Cが下方に折れ曲がるように変形する。図6(C)に示すように、ワッシャ12Bが変形したことで、フランジ部24に圧入された金属カラー19と本体部2とが分離して、天井パネル7から本体部2が分離して落下する。
【0061】
これにより、外部から所定の温度以上の熱が浴室換気乾燥暖房機1B,1Cに加わっても、ワッシャ12B,12Cが変形して本体部2を天井パネル7から落下させるので、長時間の火災であっても本体部2自体に延焼してしまうことを回避し、本体部2の自己発火を防止できる。
【0062】
このように、第3の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1B,1Cによれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1B,1Cに加わらない場合、本体部2は天井パネル7に確実に固定される。外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1B,1Cに加わった場合、その熱で本体部2が所定の温度に達する前に、分離手段であるワッシャ12B,12Cが本体部2を天井パネル7から分離させる。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【0063】
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、分離手段として低融点金属材料を使用した浴室換気乾燥暖房機1Dについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0064】
図7は、第4の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Dの延焼防止効果例を示す動作説明図である。図7(A)に示すように、浴室換気乾燥暖房機1Dは、第1の金属部の一例である第1の金属ケース(以下、金属ケース3aという)と、第2の金属部の一例である第2の金属ケース(以下、金属ケース3bという)と、金属ケース3aと金属ケース3bとを接続させる分離手段の一例である低融点金属材料12Dとを備える。
【0065】
金属ケース3aはフランジを有し、そのフランジの孔部にネジ8aを挿入して当該金属ケース3aが天井パネル7に固定される。金属ケース3bは本体部2の上部に設けられる。金属ケース3bには孔部が開けられ、その孔部にネジ8bを挿入して本体部2を固定する。
【0066】
低融点金属材料12Dは、例えば、錫−鉛合金や、錫−銀系、錫−ビスマス系合金等の金属であり、融点が180℃〜250℃程度である。低融点金属材料12Dは、金属ケース3aと金属ケース3bとを接続させる。低融点金属材料12Dは、外部から所定の温度(低融点金属材料12Dの融点)以上の熱が加わったときに、当該低融点金属材料12Dが溶融して金属ケース3aと金属ケース3bとを分離するようになされる。
【0067】
浴室換気乾燥暖房機1Dは、金属ケース3aのフランジの孔部に挿入されたネジ8aを、フランジと取付金具10との間に天井パネル7を挟んだ状態で締結することで固定される。また、浴室換気乾燥暖房機1Dは、金属ケース3bの孔部に挿入されたネジ8bを、本体部2に締結させることで固定される。
【0068】
外部から所定の温度以上の熱が加わらなければ、本体部2は天井パネル7に確実に固定される。本体部2が天井パネル7に固定されている状態を前提として、浴室換気乾燥暖房機1Dが外部からの火によって天井裏から加熱されると、金属ケース3aと金属ケース3bとを接続する低融点金属材料12Dに所定の温度以上の熱が伝わる。図7(B)に示すように、その熱で低融点金属材料12Dが徐々に軟化して変形し、本体部2が徐々に下方へ下がっていく。更に低融点金属材料12Dに熱が与えられ続けると、図7(C)に示すように、低融点金属材料12Dは溶融し、金属ケース3aと金属ケース3bとが分離して、天井パネル7から本体部2が分離して落下する。
【0069】
これにより、外部から所定の温度以上の熱が浴室換気乾燥暖房機1Dに加わっても、低融点金属材料12Dが溶融して本体部2を天井パネル7から落下させるので、長時間の火災であっても本体部2自体に延焼してしまうことを回避し、本体部2の自己発火を防止できる。
【0070】
このように、第4の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Dによれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Dに加わらない場合、本体部2は天井パネル7に確実に固定される。外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Dに加わった場合、その熱で本体部2が所定の温度に達する前に、分離手段である低融点金属材料12Dが本体部2を天井パネル7から分離させる。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【0071】
<第5の実施の形態>
本実施の形態では、固定手段としてアンカーボルトを用いて、分離手段として樹脂製の固定部材を用いた浴室換気乾燥暖房機1Eについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0072】
図8は、第5の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Eの延焼防止効果例を示す動作説明図である。図8(A)に示すように、浴室換気乾燥暖房機1Eは、固定手段の一例であるアンカーボルト13と、アンカーボルト13と当該浴室換気乾燥暖房機1Eとを固定する分離手段の一例である樹脂製の固定部材(以下、固定部材12Eという)とを備える。
【0073】
アンカーボルト13は、屋根裏30に接続されて固定部材12Eを介して浴室換気乾燥暖房機1Eを固定する。固定部材12Eは、例えば、ABS樹脂などの強化プラスチックで形成される。固定部材12Eは、アンカーボルト13と接続されており、浴室換気乾燥暖房機1Eをリベット18で固定する。
【0074】
外部から所定の温度以上の熱が加わらなければ、浴室換気乾燥暖房機1Eは屋根裏30に確実に固定される。浴室換気乾燥暖房機1Eが屋根裏30に固定されている状態を前提として、浴室換気乾燥暖房機1Eが外部からの火によって屋根裏30から加熱されると、固定部材12Eに所定の温度以上の熱が伝わる。図8(B)に示すように、その熱で固定部材12Eが徐々に軟化して、当該固定部材12Eが変形することで、浴室換気乾燥暖房機1Eが徐々に下方へ下がっていく。更に固定部材12Eに熱が与えられ続けると、図8(C)に示すように、固定部材12Eは溶融し、浴室換気乾燥暖房機1Eが落下するようになされる。その落下の際に、ダクトジョイント4は、天井パネル7に衝突して浴室換気乾燥暖房機1Eから分離する。
【0075】
これにより、外部から所定の温度以上の熱が浴室換気乾燥暖房機1Eに加わっても、固定部材12Eが溶融してアンカーボルト13による本体部2の固定を解除することで、浴室換気乾燥暖房機1Eを屋根裏30から落下させるので、長時間の火災であっても浴室換気乾燥暖房機1E自体に延焼してしまうことを回避し、本体部2の自己発火を防止できる。
【0076】
このように、第5の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Eによれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Eに加わらない場合、浴室換気乾燥暖房機1Eはアンカーボルト13及び固定部材12Eによって屋根裏30に確実に固定される。外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Eに加わった場合その熱で本体部2が所定の温度に達する前に、分離手段である固定部材12Eが浴室換気乾燥暖房機1Eを屋根裏30から分離させる。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【0077】
<第6の実施の形態>
本実施の形態では、固定手段であるアンカーボルトに分離手段である低融点金属材料を設けた浴室換気乾燥暖房機1Fについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0078】
図9は、第6の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Fの延焼防止効果例を示す動作説明図である。図9(A)に示すように、浴室換気乾燥暖房機1Fは、固定手段の一例である第1のアンカーボルト(以下、アンカーボルト13aという)と、固定手段の一例である第2のアンカーボルト(以下、アンカーボルト13bという)と、アンカーボルト13aとアンカーボルト13bとの間に設けられる分離手段の一例である低融点金属材料12Fとを備える。
【0079】
アンカーボルト13aは、屋根裏30に接続される。アンカーボルト13bは、浴室換気乾燥暖房機1Fに接続される。低融点金属材料12Fはアンカーボルト13aとアンカーボルト13bと接続させる。つまり、浴室換気乾燥暖房機1Fは、アンカーボルト13b、低融点金属材料12F及びアンカーボルト13aを介して屋根裏30に固定される。低融点金属材料12Fは、例えば、錫−鉛合金や、錫−銀系、錫−ビスマス系合金等の金属であり、融点が180℃〜250℃程度である。
【0080】
外部から所定の温度(低融点金属材料12Fの融点)以上の熱が加わらなければ、浴室換気乾燥暖房機1Fは屋根裏30に確実に固定される。浴室換気乾燥暖房機1Fが屋根裏30に固定されている状態を前提として、浴室換気乾燥暖房機1Fが外部からの火によって屋根裏30から加熱されると、低融点金属材料12Fに所定の温度以上の熱が伝わる。
【0081】
図9(B)に示すように、その熱で低融点金属材料12Fが徐々に軟化して、当該低融点金属材料12Fが変形し、浴室換気乾燥暖房機1Fが徐々に下方へ下がっていく。更に低融点金属材料12Fに熱が与えられ続けると、図9(C)に示すように、低融点金属材料12Fは溶融してアンカーボルト13a,13bによる浴室換気乾燥暖房機1Fの固定を解除することで、浴室換気乾燥暖房機1Fが落下する。その落下の際に、ダクトジョイント4は、天井パネル7に衝突して浴室換気乾燥暖房機1Eから分離する。
【0082】
これにより、外部から所定の温度以上の熱が浴室換気乾燥暖房機1Eに加わっても、低融点金属材料12Fが溶融してアンカーボルト13a,13bによる浴室換気乾燥暖房機1Fの固定を解除することで、浴室換気乾燥暖房機1Fを屋根裏30から落下させるので、長時間の火災であっても浴室換気乾燥暖房機1F自体に延焼してしまうことを回避し、本体部2の自己発火を防止できる。
【0083】
本実施の形態では、アンカーボルト13a,13bの間に低融点金属材料12Fを設けて浴室換気乾燥暖房機1Fを固定したが、適当な長さを有するアンカーボルトの一端及び又は他端に低融点金属材料12Fを設けて浴室換気乾燥暖房機1Fを固定してもよい。
【0084】
このように、第6の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Fによれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Fに加わらない場合、浴室換気乾燥暖房機1Fはアンカーボルト13a,13b及び低融点金属材料12Fによって屋根裏30に確実に固定される。外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Fに加わった場合、その熱で本体部2が所定の温度に達する前に、分離手段である低融点金属材料12Fが浴室換気乾燥暖房機1Fを屋根裏30から分離させる。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【0085】
<第7の実施の形態>
本実施の形態では、熱感知信号を出力する熱感知手段と固定/固定解除手段であるソレノイドとを備えた浴室換気乾燥暖房機1Gについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0086】
図10は、第7の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Gの延焼防止効果例を示す動作説明図である。図10(A)に示すように、浴室換気乾燥暖房機1Gは、熱感知信号を出力する熱感知手段14と、本体部2を天井パネル7に固定する固定/固定解除手段の一例であるソレノイド12Gとを備える。
【0087】
熱感知手段14は、本体シャーシ21と金属ケース3との間に設けられ、本体部2及び/又は本体部2周辺が所定の温度以上になると熱感知信号を出力する。
【0088】
ソレノイド12Gは、熱感知手段14から熱感知信号が出力されない場合、本体部2を天井パネル7に固定し、熱感知手段14から熱感知信号が出力される場合、その熱感知信号を受信して、当該ソレノイド12G自体が移動し天井パネル7に固定した本体部2の固定を解除する。
【0089】
外部から所定の温度以上の熱が加わらなければ、浴室換気乾燥暖房機1Gは天井パネル7に確実に固定される。浴室換気乾燥暖房機1Gが天井パネル7に固定されている状態を前提として、浴室換気乾燥暖房機1Gが外部からの火によって天井パネル7から加熱されると、熱感知手段14が熱感知信号をソレノイド12Gに送信する。ソレノイド12Gは、熱感知手段14から熱感知信号を受信して、図10(B)に示すように、浴室換気乾燥暖房機1Gから離れる方向に移動して、天井パネル7に固定された本体部2の固定を解除する。図10(C)に示すように、ソレノイド12Gが本体部2の固定を解除することで、天井パネル7から浴室換気乾燥暖房機1Gが分離して落下する。その落下の際に、ダクトジョイント4は、天井パネル7に衝突して浴室換気乾燥暖房機1Gから分離する。
【0090】
これにより、外部から所定の温度以上の熱が浴室換気乾燥暖房機1Gに加わっても、ソレノイド12Gが浴室換気乾燥暖房機1Gの固定を解除して浴室換気乾燥暖房機1Gを天井パネル7から落下させるので、長時間の火災であっても浴室換気乾燥暖房機1G自体に延焼してしまうことを回避し、本体部2の自己発火を防止できる。
【0091】
このように、第7の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Gによれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Gに加わらない場合、本体部2は天井パネル7に確実に固定される。外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Gに加わった場合、その熱で本体部2が所定の温度に達する前に、固定/固定解除手段であるソレノイド12gが本体部2を天井パネル7から分離させる。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【0092】
<第8の実施の形態>
本実施の形態では、熱感知信号を出力する熱感知手段と分離手段である電熱線駆動回路及び電熱線とを備えた浴室換気乾燥暖房機1Hについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0093】
図11は、第8の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Hの構成例を示す断面図である。図11に示すように、浴室換気乾燥暖房機1Hは、本体部2及び/又は本体部2周辺が所定の温度以上になると熱感知信号出力する熱感知手段14と、熱感知信号を受信して電熱線12Hを加熱させる電熱線駆動回路17と、電熱線駆動回路17によって加熱される電熱線12Hとを備える。電熱線駆動回路17と電熱線12Hは、分離手段の一例である。
【0094】
本体部2のフランジ部24とネジ8とが接している部分を被固定部とし、被固定部で、ネジ8が本体部を固定する。
【0095】
電熱線駆動回路17は、熱感知手段14から熱感知信号を受信すると電熱線12H自体を加熱させる。電熱線12Hはネジ8にその熱を伝える。電熱線12Hは、例えば、ニッケル−クロム系合金や、鉄−クロム−アルミニウム系合金等で構成される。
【0096】
図12は、浴室換気乾燥暖房機1Hの延焼防止効果例を示す動作説明図である。図12(A)に示すように、外部から所定の温度以上の熱が加わらなければ、浴室換気乾燥暖房機1Hは天井パネル7に確実に固定される。浴室換気乾燥暖房機1Hが天井パネル7に固定される状態を前提として、浴室換気乾燥暖房機1Hが外部からの火によって天井パネル7から加熱されると、熱感知手段14が熱感知信号を電熱線駆動回路17に送信する。電熱線駆動回路17は、熱感知手段14から熱感知信号を受信して電熱線12Hを加熱する。電熱線12Hがその加熱した熱をネジ8に伝達させることで、図12(B)に示すように、フランジ部24とネジ8とが接している部分(被固定部)が徐々に軟化し、本体部2が徐々に下方へ下がっていく。更に電熱線12Hからネジ8を介して被固定部に熱が加えられ続けると、図12(C)に示すように、被固定部は溶融して、ネジ8による本体部2の固定を解除することで、天井パネル7から本体部2が分離して落下する。
【0097】
これにより、外部から所定の温度以上の熱が浴室換気乾燥暖房機1Hに加わっても、熱感知手段14が外部からの熱を感知して電熱線12Hを加熱させて、被固定部を溶融してネジ8による本体部2の固定を解除することで、当該本体部2を天井パネル7から落下させるので、長時間の火災であっても本体部2自体に延焼してしまうことを回避し、本体部2の自己発火を防止できる。
【0098】
このように、第8の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Hによれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Hに加わらない場合、本体部2は天井パネル7に確実に固定される。外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Hに加わった場合、熱感知手段14が外部からの熱を感知して電熱線12Hを加熱させて本体部2が所定の温度に達する前に当該本体部2を天井パネル7から分離させる。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【0099】
<第9の実施の形態>
本実施の形態では、熱感知信号を出力する熱感知手段と延焼を防止する散水装置とを備えた浴室換気乾燥暖房機1Iについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0100】
図13は、第9の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Iの延焼防止効果例を示す説明図である。図13に示すように、浴室換気乾燥暖房機1Iは、本体部2及び/又は本体部2周辺が所定の温度以上になると熱感知信号を出力する熱感知手段14と、延焼を防止する散水装置15とを備える。
【0101】
散水装置15は、屋根裏30に設けられ、熱感知手段14に接続される。浴室換気乾燥暖房機1Iが外部からの火によって天井パネル7から加熱されると、熱感知手段14が熱感知信号を散水装置12Iに送信する。散水装置12Iは、熱感知手段14から熱感知信号を受信して浴室換気乾燥暖房機1Iに水を噴射する。浴室換気乾燥暖房機1Iは散水装置12Iからの散水によって所定の温度以上はならず、本体部2への延焼を防止できる。
【0102】
このように、第9の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Iによれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Iに加わったときに、熱感知手段14が外部からの熱を感知して熱感知信号を出力する。散水装置12Iは、その熱感知信号を受信して水を噴射することで、浴室換気乾燥暖房機1Iの温度を下げる。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【0103】
<第10の実施の形態>
本実施の形態では、熱感知信号を出力する熱感知手段と延焼を防止する消火ケースとを備えた浴室換気乾燥暖房機1Jについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0104】
図14は、第10の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Jの延焼防止効果例を示す説明図である。図14に示すように、浴室換気乾燥暖房機1Jは、本体部2及び/又は本体部2周辺が所定の温度以上になると熱感知信号を出力する熱感知手段14と、延焼を防止する消火ケース16とを備える。
【0105】
消火ケース16は、本体シャーシ21と金属ケース3との間に設けられ、水や消火剤等を有している。浴室換気乾燥暖房機1Iが外部からの火によって天井パネル7から加熱されると、熱感知手段14が熱感知信号を消火ケース16に送信する。消火ケース16は、熱感知手段14から熱感知信号を受信して、消火ケース16自体が破裂して浴室換気乾燥暖房機1J内に水や消火剤等を撒く。これにより、本体部2への延焼を防止できる。
【0106】
このように、第10の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Jによれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Iに加わったときに、熱感知手段14が外部からの熱を感知して消火ケース12Jから水又は消火剤を撒く。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、熱源を有した空調装置等の設備機器に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】第1の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1の構成例を示す断面図である。
【図2】浴室換気乾燥暖房機1の要部構成例を示す断面図である。
【図3】浴室換気乾燥暖房機1の延焼防止効果例を示す動作説明図である。
【図4】第2の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Aの延焼防止効果例を示す動作説明図である。
【図5】第3の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Bの延焼防止効果例を示す動作説明図である。
【図6】浴室換気乾燥暖房機1Cの延焼防止効果例を示す動作説明図である。
【図7】第4の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Dの延焼防止効果例を示す動作説明図である。
【図8】第5の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Eの延焼防止効果例を示す動作説明図である。
【図9】第6の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Fの延焼防止効果例を示す動作説明図である。
【図10】第7の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Gの延焼防止効果例を示す動作説明図である。
【図11】第8の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Hの構成例を示す断面図である。
【図12】浴室換気乾燥暖房機1Hの延焼防止効果例を示す動作説明図である。
【図13】第9の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Iの延焼防止効果例を示す説明図である。
【図14】第10の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Jの延焼防止効果例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0109】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I,1J・・・浴室換気乾燥暖房機、2・・・本体部、3・・・金属ケース、3a・・・第1の金属ケース、3b・・・第2の金属ケース、4・・・ダクトジョイント、5・・・フロントパネル、7・・・天井パネル、8,8a,8b・・・ネジ、9・・・開口部、10・・・取付金具、11・・・アルミテープ、12・・・締結ナット、12A・・・形状記憶材料、12B,12C・・・形状記憶材料のワッシャ、12D,12F・・・低融点金属材料、12E・・・固定部材、12G・・・ソレノイド、12H・・・電熱線、13・・・アンカーボルト、13a・・・第1のアンカーボルト、13b・・第2のアンカーボルト、14・・・熱感知手段、15・・・散水手段、16・・・消火ケース、17・・・電熱線駆動回路、18・・・リベット、19・・・金属カラー、21・・・本体シャーシ
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室の天井に設置される浴室換気乾燥暖房機等の設備機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、消費生活用製品安全法が改正され、当該消費生活用製品安全法に係る製品に対して安全性の意識が高まっている。当該製品を製造・販売するメーカーはより一層安全性を持った製品の開発を行っている。
【0003】
その製品の中で、浴室の天井に設置される浴室換気乾燥暖房機においても安全性を高めた製品が開発されている。安全策として、例えば、装置本体を金属ケースで覆うこと等が挙げられる(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−162950号公報(第8図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の多室用換気装置は、装置本体が金属ケースで覆われているので外部からの熱を遮断できる。そのため、火災時に当該装置本体まで火が及ぶことを阻止できる。しかしながら、更なる安全性を確保する必要がある。
【0006】
そこで本発明は、装置本体に延焼してしまうことを確実に回避できる安全性の高い設備機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明に係る設備機器は、一部が開口した設置場所に設置されて金属ケースに覆われた本体部と、本体部を設置場所に固定する固定手段と、固定手段に設けられ、所定の温度以上になると変形して固定手段による本体部の固定を解除する分離手段とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る設備機器では、外部からの熱で所定の温度以上になると分離手段が変形して固定手段による本体部の固定を解除することで、本体部が所定の温度に達する前に当該本体部を設置場所から分離する。
【0009】
また、本発明に係る設備機器は、一部が開口した設置場所に設置される本体部と、本体部を覆う金属部とを備え、金属部は、設置場所に固定される第1の金属部と、本体部を設置場所に固定する第2の金属部と、第1の金属部と第2の金属部とを固定すると共に、所定の温度以上になると溶融して第1の金属部と第2の金属部との固定を解除する分離手段とを有することを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る設備機器では、第1の金属部が設置場所に固定され、第2の金属部が本体部を設置場所に固定する。分離手段は、第1の金属部と第2の金属部とを固定すると共に、所定の温度以上になると当該分離手段自身が溶融して第1の金属部と第2の金属部との固定を解除することで、本体部が所定の温度に達する前に当該本体部を設置場所から分離する。
【0011】
また、本発明に係る設備機器は、一部が開口した設置場所に設置されて金属ケースに覆われ、被固定部を有する本体部と、被固定部を介して本体部を設置場所に固定する固定手段と、本体部に設けられ、本体部及び/又は本体部周辺が所定の温度以上になると熱感知信号を出力する熱感知手段と、熱感知手段によって出力された熱感知信号を受信し、熱源を有する分離手段とを備え、分離手段は、熱感知信号を受信すると熱源が加熱して、本体部の被固定部を溶融して固定手段による本体部の固定を解除することを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る設備機器では、分離手段は、熱感知手段によって出力された熱感知信号を受信すると、当該分離手段が有する熱源が加熱して本体部の被固定部を溶融して固定手段による本体部の固定を解除することで、本体部が所定の温度に達する前に当該本体部を設置場所から分離する。
【0013】
更に、本発明に係る設備機器は、一部が開口した設置場所に設置されて金属ケースに覆われた本体部と、本体部に設けられ、本体部及び/又は本体部周辺が所定の温度以上になると熱感知信号を出力する熱感知手段と、熱感知手段によって出力された熱感知信号を受信する固定/固定解除手段とを備え、固定/固定解除手段は、熱感知手段から熱感知信号が出力されない場合、本体部を設置場所に固定し、熱感知手段から熱感知信号が出力される場合、熱感知信号を受信して設置場所に固定した本体部の固定を解除することを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る設備機器では、固定/固定解除手段は、熱感知手段から熱感知信号が出力されない場合、本体部を設置場所に固定し、熱感知手段から熱感知信号が出力される場合、熱感知信号を受信して設置場所に固定した本体部の固定を解除することで、本体部が所定の温度に達する前に当該本体部を設置場所から分離する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る設備機器によれば、外部からの熱で本体部が所定の温度に達する前に本体部を設置場所から分離するので、本体部自体に延焼してしまうことを回避することができる。これにより、安全性の高い設備機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係る設備機器の一例として浴室換気乾燥暖房機について説明する。
【0017】
<第1の実施の形態>
[浴室換気乾燥暖房機1の構成例]
図1は、第1の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1の構成例を示す断面図である。本実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1は、金属ケース3に覆われた本体部2が固定手段の一例であるネジ8と分離手段の一例である締結ナット12とによって天井パネル7に固定され、外部からの熱で所定の温度以上になるときに締結ナット12が変形して、ネジ8等による本体部2の固定を解除することで、本体部が所定の温度に達する前に当該本体部2を天井パネル7から分離するようにしたものである。
【0018】
図1に示すように、本体部2は、当該本体部2を覆う金属ケース3、ファンモータ20Mに回転駆動されるファン20F、ヒータ20H及びファンケースを構成する本体シャーシ21を備える。
【0019】
本体部2には、ファン20Fの下側に吸込口22aが設けられ、ファン20Fによる空気の吹出方向に沿った当該本体部2の下側に吹出口22bが設けられ、ファン20Fによる空気の排気方向に沿った当該本体部2の側面に排気口22cが設けられる。
【0020】
本体部2は、吹出口22bと排気口22cとの間で風路を切り替える風路切替ダンパ23を備える。風路切替ダンパ23は、当該風路切替ダンパ23に接続されたダンパモータ26によって吹出口22bと排気口22cの開閉動作を行い風路を切り替える。浴室換気乾燥暖房機1は、風路切替ダンパ23を図1の実線で示すように排気口22cを閉じる位置(循環位置)にすると、吹出口22bが開いて吸込口22aから吹出口22bへ連通した風路(循環風路)が形成される。また、浴室換気乾燥暖房機1は、風路切替ダンパ23を図1の一点鎖線で示すように吹出口22bを閉じる位置(換気位置)にすると、排気口22cが開いて吸込口22aから排気口22cへ連通した風路(換気風路)が形成される。更に、浴室換気乾燥暖房機1は、風路切替ダンパ23を図1の二点鎖線で示すように循環位置と換気位置との間の位置(循環換気位置)にすると、吹出口22bと排気口22cの双方が開いて循環風路と換気風路とが形成される。
【0021】
吹出口22bにはヒータ20Hが設けられる。ヒータ20Hには、例えば、周囲の温度によって発熱量を制御するPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータが用いられる。風路切替ダンパ23を循環位置又は循環換気位置にして、ファンモータ20Mを駆動してファン20Fを回転させると共に、ヒータ20Hに通電して当該ヒータ20Hを加熱することで吹出口22bを通過する空気が温められて吹出口22bから温かい温風が吹き出されようになされる。
【0022】
本体シャーシ21は熱溶融材料で形成されている。その熱溶融材料には、ABS樹脂、PET樹脂、AS樹脂等の樹脂材料や、低融点の金属材料等が用いられる。本体シャーシ21は、下端の周縁から外側に突出するフランジ部24を備える。
【0023】
フランジ部24には、ネジ8が通る孔が設けられる。この孔と天井パネル7に設けられる孔とを重ね合わせてネジ8を通す。ネジ8の先端部を天井裏から締結ナット12で締結することで、本体部2が天井パネル7に固定される。ネジ8が通る孔が設けられている箇所を被固定部とする。
【0024】
締結ナット12は、本体シャーシ21と同様に熱溶融材料で形成される。その熱溶融材料には、ABS樹脂、PET樹脂、AS樹脂等の樹脂材料や、低融点の金属材料等が用いられる。締結ナット12は、ネジ8の先端部全体を包み込むように形成され、ネジ8に締結される。締結ナット12は、外部から所定の温度(締結ナット12の融点)以上の熱が与えられると、当該締結ナット12自体が溶融して、ネジ8への締結力を解除して本体部2を天井パネル7から分離させる。
【0025】
本体シャーシ21は、フランジ部24の上面にアルミテープ11を備える。アルミテープ11は金属箔による断熱部材の一例で、本例では、非鉄金属であるアルミニウム箔の裏面に粘着材を塗布して構成される。アルミテープ11は、浴室換気乾燥暖房機1を天井パネル7に形成された開口部9に取り付けたときに、開口部9に露出するフランジ部24の上面の内周側に沿った所定の範囲に、全周にわたって貼り付けられる。
【0026】
ネジ8は、熱伝導性が良好な金属材料を用いることが望ましく、例えば、鉄、銅、黄銅等が挙げられる。また、固定手段は、ネジに限定されるものではなく、リベットやボルト等を用いてもよい。
【0027】
本体シャーシ21には金属ケース3が設けられる。金属ケース3は、鉄や銅、又はそれらの合金等で構成された金属の板材で形成され、本体部2の上部及び側部を覆う形状を成している。また、金属ケース3は、排気口22cの大きさに合わせて開口される。
【0028】
浴室換気乾燥暖房機1は、金属ケース3の開口部に排気口22cとつながるダクトジョイント4が取り付けられる。ダクトジョイント4は、金属ケース3と同様に鉄や銅、又はそれらの合金等で構成された金属の板材で形成される。
【0029】
浴室換気乾燥暖房機1は、本体部2の下部にフロントパネル5が取り付けられる。フロントパネル5は、吸込口22aの位置に合わせて吸込口グリル50aが設けられ、吹出口22bの位置に合わせて吹出口グリル50bが設けられる。
【0030】
[浴室換気乾燥暖房機1の設置例]
次に、浴室換気乾燥暖房機1の設置例について説明する。図2は、浴室換気乾燥暖房機1の要部構成例を示す断面図である。図2に示すように、浴室換気乾燥暖房機1は、天井パネル7の一部が開口した開口部9から、金属ケース3で覆われた本体部2が天井裏に入れられる。浴室換気乾燥暖房機1は、本体シャーシ21のフランジ部24の孔部に挿入されたネジ8を、フランジ部24と締結ナット12との間に天井パネル7を挟んだ状態で締結することで固定される。天井パネル7に固定された浴室換気乾燥暖房機1は、本体部2の下部にフロントパネル5が取り付けられる。
【0031】
天井パネル7に取り付けられるフランジ部24の上面には、アルミテープ11が貼り付けられているが、アルミテープ11は厚さが薄いので、天井パネル7に対する本体部2の取り付け高さに影響を及ぼすことはない。
【0032】
[浴室換気乾燥暖房機1の動作例]
次に、浴室換気乾燥暖房機1の動作例について説明する。浴室換気乾燥暖房機1は、ファンモータ20Mが駆動してファン20Fが回転駆動されると、フロントパネル5の吸込口グリル50aを介して吸込口22aから浴室内の空気を吸い込む。
【0033】
風路切替ダンパ23が図1の実線で示す循環位置にある場合、吸込口22aから吹出口22bへの循環風路が形成されるので、吸込口22aから吸い込まれた空気は、循環風路を通り吹出口22bからフロントパネル5の吹出口グリル50bを介して浴室内に吹き出され、かつ、ヒータ20Hが通電されて循環風路を通る空気が温められて温風が吹出口グリル50bから吹き出される(暖房モード)。
【0034】
風路切替ダンパ23が図1の一点鎖線で示す換気位置にある場合、吸込口22aから排気口22cへ換気通路が形成されるので、吸込口22aから吸い込まれた空気は、換気風路を通り排気口22cから屋外へ排気される(換気モード)。
【0035】
風路切替ダンパ23が図1の二点鎖線で示す循環換気位置にある場合、吸込口22aから吹出口22bへの循環風路と吸込口22aから排気口22cへ換気通路とが形成される。そのため、吸込口22aから吸い込まれた空気の一部は、循環風路を通り吹出口22bからフロントパネル5の吹出口グリル50bを介して浴室内に吹き出され、吸込口22aから吸い込まれた空気の他部は、換気風路を通り排気口22cから屋外へ排気される(涼風モード)。
【0036】
また、ヒータ20Hが通電される場合、循環風路を通る空気が温められて温風が吹出口グリル50bから吹き出されると共に、浴室内の湯気や湿気が換気風路を通り排気される(乾燥モード)。
【0037】
上述の風路の切替えは一例であって、風路切替ダンパ23に限定されるものではなく、換気ファンと循環ファンとを別々に備え、それらの組み合わせにより切替る構成でもよい。
【0038】
[浴室換気乾燥暖房機1の作用効果例]
図2に示すように、浴室換気乾燥暖房機1は、本体部2が金属ケース3に覆われる。これにより、本体部2を構成する本体シャーシ21の熱溶融部分は、天井パネルの開口部9から天井裏に直接露出しない。
【0039】
フランジ部24の上面で、天井パネル7の開口部9に露出する部分には、全周にわたってアルミテープ11が貼り付けられており、天井パネル7の開口部9にフランジ部24の熱溶融部分は直接露出しない。
【0040】
本体シャーシ21を覆う金属ケース3の下端部とフランジ部24の上面のアルミテープ11の間には、金属ケース3の内部の本体シャーシ21が、外部からの熱に直接晒されるような隙間が形成されない。これにより、本体部2を構成する本体シャーシ21の熱溶融部分は、天井パネル7の開口部9から天井裏に直接露出しない。
【0041】
建物で万一火災が発生した場合、火が浴室の天井パネル7上部の天井裏に延焼しても、浴室換気乾燥暖房機1は、本体部2が金属ケース3に覆われているので、熱溶融材料で構成される本体シャーシ21等が発火することを防止できる。
【0042】
また、天井パネル7に取り付けられるフランジ部24の上面で、天井パネル7の開口部9に露出する部分には、全周にわたってアルミテープ11が貼り付けられているので、熱溶融材料で構成される本体シャーシ21のフランジ部24からの発火が防止される。
【0043】
更に、本体シャーシ21を覆う金属ケース3の下端部とフランジ部24の上面のアルミテープ11の間には、金属ケース3の内部の本体シャーシ21が、外部からの熱に直接晒されるような隙間が形成されないので、熱溶融材料で構成される本体シャーシ21の発火が防止される。
【0044】
図3は、浴室換気乾燥暖房機1の延焼防止効果例を示す動作説明図である。本体部2が天井パネル7に固定されている状態(図3(A)参照)を前提として、浴室換気乾燥暖房機1が外部からの火によって天井裏から加熱されると、ネジ8の先端部に設けられる締結ナット12に所定の温度以上の熱が伝わる。図3(B)に示すように、その熱で締結ナット12が徐々に軟化して変形することで、本体部2が徐々に下方へ下がっていく。更に締結ナット12に熱が加えられ続けると、図3(C)に示すように、締結ナット12は溶融してネジ8による本体部2の固定を解除することで、本体部2が所定の温度に達する前に当該本体部2を天井パネル7から分離して落下させる。
【0045】
これにより、外部から所定の温度以上の熱が浴室換気乾燥暖房機1に加わっても、締結ナット12が溶融してネジ8による本体部2の固定を解除することで、本体部2を所定の温度に達する前に天井パネル7から分離して落下させるので、長時間の火災であっても本体部2自体に延焼してしまうことを回避し、本体部2の自己発火を防止できる。
【0046】
このように、第1の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1によれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1に加わらない場合、本体部2は天井パネル7に確実に固定される。外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1に加わった場合、その熱で本体部2が所定の温度に達する前に、分離手段である締結ナット12が本体部2を天井パネル7から分離させる。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【0047】
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、分離手段として形状記憶材料を用いた浴室換気乾燥暖房機1Aについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0048】
図4は、第2の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Aの延焼防止効果例を示す動作説明図である。図4(A)に示すように、浴室換気乾燥暖房機1Aは、図2で示した締結ナット12を形状記憶材料12Aに置き換えたものである。浴室換気乾燥暖房機1Aは、本体シャーシ21のフランジ部24の孔部に挿入されたネジ8を、フランジ部24と形状記憶材料12Aとの間に天井パネル7を挟んだ状態で締結することで固定される。
【0049】
形状記憶材料12Aは、分離手段の一例であり、例えば、ニッケル−チタン合金や鉄−マンガン−ケイ素合金等で構成されるバイメタルであって、所定の温度以上の熱が加わると変形するものである。形状記憶材料12Aは、ネジ8の先端部を囲うようにドーナッツ状に形成される。形状記憶材料12A自体の温度が、所定の温度より低い場合には、ネジ8を締め付け、所定の温度以上の場合には、ネジ8の締め付けが解除される。
【0050】
外部から所定の温度以上の熱が加わらなければ、本体部2は天井パネル7に確実に固定される。本体部2が天井パネル7に固定されている状態を前提として、浴室換気乾燥暖房機1Aが外部からの火によって天井裏から加熱されると、ネジ8の先端部に設けられる形状記憶材料12Aに所定の温度以上の熱が伝わる。図4(B)に示すように、その熱で形状記憶材料12Aがネジ8の中心方向と反対側に広がるように変形する。図4(C)に示すように、形状記憶材料12Aが変形したことでネジ8への締結力が解除されて、本体部2が所定の温度に達する前に天井パネル7から分離して落下する。
【0051】
これにより、外部から所定の温度以上の熱が浴室換気乾燥暖房機1Aに加わっても、形状記憶材料12Aが変形してネジ8による本体部2の固定を解除することで、本体部2を天井パネル7から落下させるので、長時間の火災であっても本体部2自体に延焼してしまうことを回避し、本体部2の自己発火を防止できる。
【0052】
このように、第2の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Aによれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Aに加わらない場合、本体部2は天井パネル7に確実に固定される。外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Aに加わった場合、その熱で本体部2が所定の温度に達する前に、分離手段である形状記憶材料12Aが本体部2を天井パネル7から分離させる。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【0053】
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、分離手段として形状記憶材料のワッシャを使用した浴室換気乾燥暖房機1B,1Cについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0054】
図5は、第3の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Bの延焼防止効果例を示す動作説明図である。また、図6は、浴室換気乾燥暖房機1Cの延焼防止効果例を示す動作説明図である。図5(A)及び図6(A)に示すように、浴室換気乾燥暖房機1B,1Cは、本体シャーシ21のフランジ部24に金属カラー19及び分離手段の一例である形状記憶材料のワッシャ(以下、ワッシャ12B,12Cという)を備える。
【0055】
金属カラー19は固定手段の一例であり、本体部2と分離可能なものである。金属カラー19は、フランジ部24に形成された円筒形状の孔部に圧入される。金属カラー19の高さは、金属カラー19が圧入される位置のフランジ部24の厚みと略同等である。
【0056】
ワッシャ12B,12Cは、ネジ8及び金属カラー19に当接し、本体部2を固定する。また、ワッシャ12B,12Cは、形状記憶材料であって、例えば、ニッケル−チタン合金や鉄−マンガン−ケイ素合金等で構成されるものであり、所定の温度以上の熱が加わると変形するものである。
【0057】
浴室換気乾燥暖房機1B,1Cは、本体シャーシ21のフランジ部24に圧入された金属カラー19の孔部にワッシャ12B,12Cを介してネジ8を挿入して、天井パネル7に設置された取付金具10に締結することで固定される。
【0058】
ワッシャ12B自体の温度が、所定の温度より低い場合には、ネジ8を締め付け、所定の温度以上の場合には、ワッシャ12Bの径が大きくなるように変形してネジ8の締め付けが解除される。ワッシャ12C自体の温度が、所定の温度より低い場合には、ネジ8を締め付け、所定の温度以上の場合には、ワッシャ12Cが折れ曲がるように変形する。
【0059】
外部から所定の温度以上の熱が加わらなければ、本体部2は天井パネル7に確実に固定される。本体部2が天井パネル7に固定されている状態を前提として、浴室換気乾燥暖房機1Bが外部からの火によって天井裏から加熱されると、天井裏に突出しているネジ8を介して当該ネジ8の根元部に設けられるワッシャ12Bに所定の温度以上の熱が伝わる。図5(B)に示すように、その熱でワッシャ12Bの径が大きくなるように変形する。図5(C)に示すように、ワッシャ12Bが変形したことで、ネジ8への締め付けが解除され、フランジ部24に圧入された金属カラー19と本体部2とが分離して、天井パネル7から本体部2が分離して落下する。
【0060】
浴室換気乾燥暖房機1Cが外部からの火によって天井裏から加熱されると、天井裏に突出しているネジ8を介して当該ネジ8の根元部に設けられるワッシャ12Cに所定の温度以上の熱が伝わる。図6(B)に示すように、その熱でワッシャ12Cが下方に折れ曲がるように変形する。図6(C)に示すように、ワッシャ12Bが変形したことで、フランジ部24に圧入された金属カラー19と本体部2とが分離して、天井パネル7から本体部2が分離して落下する。
【0061】
これにより、外部から所定の温度以上の熱が浴室換気乾燥暖房機1B,1Cに加わっても、ワッシャ12B,12Cが変形して本体部2を天井パネル7から落下させるので、長時間の火災であっても本体部2自体に延焼してしまうことを回避し、本体部2の自己発火を防止できる。
【0062】
このように、第3の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1B,1Cによれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1B,1Cに加わらない場合、本体部2は天井パネル7に確実に固定される。外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1B,1Cに加わった場合、その熱で本体部2が所定の温度に達する前に、分離手段であるワッシャ12B,12Cが本体部2を天井パネル7から分離させる。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【0063】
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、分離手段として低融点金属材料を使用した浴室換気乾燥暖房機1Dについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0064】
図7は、第4の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Dの延焼防止効果例を示す動作説明図である。図7(A)に示すように、浴室換気乾燥暖房機1Dは、第1の金属部の一例である第1の金属ケース(以下、金属ケース3aという)と、第2の金属部の一例である第2の金属ケース(以下、金属ケース3bという)と、金属ケース3aと金属ケース3bとを接続させる分離手段の一例である低融点金属材料12Dとを備える。
【0065】
金属ケース3aはフランジを有し、そのフランジの孔部にネジ8aを挿入して当該金属ケース3aが天井パネル7に固定される。金属ケース3bは本体部2の上部に設けられる。金属ケース3bには孔部が開けられ、その孔部にネジ8bを挿入して本体部2を固定する。
【0066】
低融点金属材料12Dは、例えば、錫−鉛合金や、錫−銀系、錫−ビスマス系合金等の金属であり、融点が180℃〜250℃程度である。低融点金属材料12Dは、金属ケース3aと金属ケース3bとを接続させる。低融点金属材料12Dは、外部から所定の温度(低融点金属材料12Dの融点)以上の熱が加わったときに、当該低融点金属材料12Dが溶融して金属ケース3aと金属ケース3bとを分離するようになされる。
【0067】
浴室換気乾燥暖房機1Dは、金属ケース3aのフランジの孔部に挿入されたネジ8aを、フランジと取付金具10との間に天井パネル7を挟んだ状態で締結することで固定される。また、浴室換気乾燥暖房機1Dは、金属ケース3bの孔部に挿入されたネジ8bを、本体部2に締結させることで固定される。
【0068】
外部から所定の温度以上の熱が加わらなければ、本体部2は天井パネル7に確実に固定される。本体部2が天井パネル7に固定されている状態を前提として、浴室換気乾燥暖房機1Dが外部からの火によって天井裏から加熱されると、金属ケース3aと金属ケース3bとを接続する低融点金属材料12Dに所定の温度以上の熱が伝わる。図7(B)に示すように、その熱で低融点金属材料12Dが徐々に軟化して変形し、本体部2が徐々に下方へ下がっていく。更に低融点金属材料12Dに熱が与えられ続けると、図7(C)に示すように、低融点金属材料12Dは溶融し、金属ケース3aと金属ケース3bとが分離して、天井パネル7から本体部2が分離して落下する。
【0069】
これにより、外部から所定の温度以上の熱が浴室換気乾燥暖房機1Dに加わっても、低融点金属材料12Dが溶融して本体部2を天井パネル7から落下させるので、長時間の火災であっても本体部2自体に延焼してしまうことを回避し、本体部2の自己発火を防止できる。
【0070】
このように、第4の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Dによれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Dに加わらない場合、本体部2は天井パネル7に確実に固定される。外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Dに加わった場合、その熱で本体部2が所定の温度に達する前に、分離手段である低融点金属材料12Dが本体部2を天井パネル7から分離させる。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【0071】
<第5の実施の形態>
本実施の形態では、固定手段としてアンカーボルトを用いて、分離手段として樹脂製の固定部材を用いた浴室換気乾燥暖房機1Eについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0072】
図8は、第5の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Eの延焼防止効果例を示す動作説明図である。図8(A)に示すように、浴室換気乾燥暖房機1Eは、固定手段の一例であるアンカーボルト13と、アンカーボルト13と当該浴室換気乾燥暖房機1Eとを固定する分離手段の一例である樹脂製の固定部材(以下、固定部材12Eという)とを備える。
【0073】
アンカーボルト13は、屋根裏30に接続されて固定部材12Eを介して浴室換気乾燥暖房機1Eを固定する。固定部材12Eは、例えば、ABS樹脂などの強化プラスチックで形成される。固定部材12Eは、アンカーボルト13と接続されており、浴室換気乾燥暖房機1Eをリベット18で固定する。
【0074】
外部から所定の温度以上の熱が加わらなければ、浴室換気乾燥暖房機1Eは屋根裏30に確実に固定される。浴室換気乾燥暖房機1Eが屋根裏30に固定されている状態を前提として、浴室換気乾燥暖房機1Eが外部からの火によって屋根裏30から加熱されると、固定部材12Eに所定の温度以上の熱が伝わる。図8(B)に示すように、その熱で固定部材12Eが徐々に軟化して、当該固定部材12Eが変形することで、浴室換気乾燥暖房機1Eが徐々に下方へ下がっていく。更に固定部材12Eに熱が与えられ続けると、図8(C)に示すように、固定部材12Eは溶融し、浴室換気乾燥暖房機1Eが落下するようになされる。その落下の際に、ダクトジョイント4は、天井パネル7に衝突して浴室換気乾燥暖房機1Eから分離する。
【0075】
これにより、外部から所定の温度以上の熱が浴室換気乾燥暖房機1Eに加わっても、固定部材12Eが溶融してアンカーボルト13による本体部2の固定を解除することで、浴室換気乾燥暖房機1Eを屋根裏30から落下させるので、長時間の火災であっても浴室換気乾燥暖房機1E自体に延焼してしまうことを回避し、本体部2の自己発火を防止できる。
【0076】
このように、第5の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Eによれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Eに加わらない場合、浴室換気乾燥暖房機1Eはアンカーボルト13及び固定部材12Eによって屋根裏30に確実に固定される。外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Eに加わった場合その熱で本体部2が所定の温度に達する前に、分離手段である固定部材12Eが浴室換気乾燥暖房機1Eを屋根裏30から分離させる。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【0077】
<第6の実施の形態>
本実施の形態では、固定手段であるアンカーボルトに分離手段である低融点金属材料を設けた浴室換気乾燥暖房機1Fについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0078】
図9は、第6の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Fの延焼防止効果例を示す動作説明図である。図9(A)に示すように、浴室換気乾燥暖房機1Fは、固定手段の一例である第1のアンカーボルト(以下、アンカーボルト13aという)と、固定手段の一例である第2のアンカーボルト(以下、アンカーボルト13bという)と、アンカーボルト13aとアンカーボルト13bとの間に設けられる分離手段の一例である低融点金属材料12Fとを備える。
【0079】
アンカーボルト13aは、屋根裏30に接続される。アンカーボルト13bは、浴室換気乾燥暖房機1Fに接続される。低融点金属材料12Fはアンカーボルト13aとアンカーボルト13bと接続させる。つまり、浴室換気乾燥暖房機1Fは、アンカーボルト13b、低融点金属材料12F及びアンカーボルト13aを介して屋根裏30に固定される。低融点金属材料12Fは、例えば、錫−鉛合金や、錫−銀系、錫−ビスマス系合金等の金属であり、融点が180℃〜250℃程度である。
【0080】
外部から所定の温度(低融点金属材料12Fの融点)以上の熱が加わらなければ、浴室換気乾燥暖房機1Fは屋根裏30に確実に固定される。浴室換気乾燥暖房機1Fが屋根裏30に固定されている状態を前提として、浴室換気乾燥暖房機1Fが外部からの火によって屋根裏30から加熱されると、低融点金属材料12Fに所定の温度以上の熱が伝わる。
【0081】
図9(B)に示すように、その熱で低融点金属材料12Fが徐々に軟化して、当該低融点金属材料12Fが変形し、浴室換気乾燥暖房機1Fが徐々に下方へ下がっていく。更に低融点金属材料12Fに熱が与えられ続けると、図9(C)に示すように、低融点金属材料12Fは溶融してアンカーボルト13a,13bによる浴室換気乾燥暖房機1Fの固定を解除することで、浴室換気乾燥暖房機1Fが落下する。その落下の際に、ダクトジョイント4は、天井パネル7に衝突して浴室換気乾燥暖房機1Eから分離する。
【0082】
これにより、外部から所定の温度以上の熱が浴室換気乾燥暖房機1Eに加わっても、低融点金属材料12Fが溶融してアンカーボルト13a,13bによる浴室換気乾燥暖房機1Fの固定を解除することで、浴室換気乾燥暖房機1Fを屋根裏30から落下させるので、長時間の火災であっても浴室換気乾燥暖房機1F自体に延焼してしまうことを回避し、本体部2の自己発火を防止できる。
【0083】
本実施の形態では、アンカーボルト13a,13bの間に低融点金属材料12Fを設けて浴室換気乾燥暖房機1Fを固定したが、適当な長さを有するアンカーボルトの一端及び又は他端に低融点金属材料12Fを設けて浴室換気乾燥暖房機1Fを固定してもよい。
【0084】
このように、第6の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Fによれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Fに加わらない場合、浴室換気乾燥暖房機1Fはアンカーボルト13a,13b及び低融点金属材料12Fによって屋根裏30に確実に固定される。外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Fに加わった場合、その熱で本体部2が所定の温度に達する前に、分離手段である低融点金属材料12Fが浴室換気乾燥暖房機1Fを屋根裏30から分離させる。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【0085】
<第7の実施の形態>
本実施の形態では、熱感知信号を出力する熱感知手段と固定/固定解除手段であるソレノイドとを備えた浴室換気乾燥暖房機1Gについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0086】
図10は、第7の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Gの延焼防止効果例を示す動作説明図である。図10(A)に示すように、浴室換気乾燥暖房機1Gは、熱感知信号を出力する熱感知手段14と、本体部2を天井パネル7に固定する固定/固定解除手段の一例であるソレノイド12Gとを備える。
【0087】
熱感知手段14は、本体シャーシ21と金属ケース3との間に設けられ、本体部2及び/又は本体部2周辺が所定の温度以上になると熱感知信号を出力する。
【0088】
ソレノイド12Gは、熱感知手段14から熱感知信号が出力されない場合、本体部2を天井パネル7に固定し、熱感知手段14から熱感知信号が出力される場合、その熱感知信号を受信して、当該ソレノイド12G自体が移動し天井パネル7に固定した本体部2の固定を解除する。
【0089】
外部から所定の温度以上の熱が加わらなければ、浴室換気乾燥暖房機1Gは天井パネル7に確実に固定される。浴室換気乾燥暖房機1Gが天井パネル7に固定されている状態を前提として、浴室換気乾燥暖房機1Gが外部からの火によって天井パネル7から加熱されると、熱感知手段14が熱感知信号をソレノイド12Gに送信する。ソレノイド12Gは、熱感知手段14から熱感知信号を受信して、図10(B)に示すように、浴室換気乾燥暖房機1Gから離れる方向に移動して、天井パネル7に固定された本体部2の固定を解除する。図10(C)に示すように、ソレノイド12Gが本体部2の固定を解除することで、天井パネル7から浴室換気乾燥暖房機1Gが分離して落下する。その落下の際に、ダクトジョイント4は、天井パネル7に衝突して浴室換気乾燥暖房機1Gから分離する。
【0090】
これにより、外部から所定の温度以上の熱が浴室換気乾燥暖房機1Gに加わっても、ソレノイド12Gが浴室換気乾燥暖房機1Gの固定を解除して浴室換気乾燥暖房機1Gを天井パネル7から落下させるので、長時間の火災であっても浴室換気乾燥暖房機1G自体に延焼してしまうことを回避し、本体部2の自己発火を防止できる。
【0091】
このように、第7の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Gによれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Gに加わらない場合、本体部2は天井パネル7に確実に固定される。外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Gに加わった場合、その熱で本体部2が所定の温度に達する前に、固定/固定解除手段であるソレノイド12gが本体部2を天井パネル7から分離させる。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【0092】
<第8の実施の形態>
本実施の形態では、熱感知信号を出力する熱感知手段と分離手段である電熱線駆動回路及び電熱線とを備えた浴室換気乾燥暖房機1Hについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0093】
図11は、第8の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Hの構成例を示す断面図である。図11に示すように、浴室換気乾燥暖房機1Hは、本体部2及び/又は本体部2周辺が所定の温度以上になると熱感知信号出力する熱感知手段14と、熱感知信号を受信して電熱線12Hを加熱させる電熱線駆動回路17と、電熱線駆動回路17によって加熱される電熱線12Hとを備える。電熱線駆動回路17と電熱線12Hは、分離手段の一例である。
【0094】
本体部2のフランジ部24とネジ8とが接している部分を被固定部とし、被固定部で、ネジ8が本体部を固定する。
【0095】
電熱線駆動回路17は、熱感知手段14から熱感知信号を受信すると電熱線12H自体を加熱させる。電熱線12Hはネジ8にその熱を伝える。電熱線12Hは、例えば、ニッケル−クロム系合金や、鉄−クロム−アルミニウム系合金等で構成される。
【0096】
図12は、浴室換気乾燥暖房機1Hの延焼防止効果例を示す動作説明図である。図12(A)に示すように、外部から所定の温度以上の熱が加わらなければ、浴室換気乾燥暖房機1Hは天井パネル7に確実に固定される。浴室換気乾燥暖房機1Hが天井パネル7に固定される状態を前提として、浴室換気乾燥暖房機1Hが外部からの火によって天井パネル7から加熱されると、熱感知手段14が熱感知信号を電熱線駆動回路17に送信する。電熱線駆動回路17は、熱感知手段14から熱感知信号を受信して電熱線12Hを加熱する。電熱線12Hがその加熱した熱をネジ8に伝達させることで、図12(B)に示すように、フランジ部24とネジ8とが接している部分(被固定部)が徐々に軟化し、本体部2が徐々に下方へ下がっていく。更に電熱線12Hからネジ8を介して被固定部に熱が加えられ続けると、図12(C)に示すように、被固定部は溶融して、ネジ8による本体部2の固定を解除することで、天井パネル7から本体部2が分離して落下する。
【0097】
これにより、外部から所定の温度以上の熱が浴室換気乾燥暖房機1Hに加わっても、熱感知手段14が外部からの熱を感知して電熱線12Hを加熱させて、被固定部を溶融してネジ8による本体部2の固定を解除することで、当該本体部2を天井パネル7から落下させるので、長時間の火災であっても本体部2自体に延焼してしまうことを回避し、本体部2の自己発火を防止できる。
【0098】
このように、第8の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Hによれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Hに加わらない場合、本体部2は天井パネル7に確実に固定される。外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Hに加わった場合、熱感知手段14が外部からの熱を感知して電熱線12Hを加熱させて本体部2が所定の温度に達する前に当該本体部2を天井パネル7から分離させる。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【0099】
<第9の実施の形態>
本実施の形態では、熱感知信号を出力する熱感知手段と延焼を防止する散水装置とを備えた浴室換気乾燥暖房機1Iについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0100】
図13は、第9の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Iの延焼防止効果例を示す説明図である。図13に示すように、浴室換気乾燥暖房機1Iは、本体部2及び/又は本体部2周辺が所定の温度以上になると熱感知信号を出力する熱感知手段14と、延焼を防止する散水装置15とを備える。
【0101】
散水装置15は、屋根裏30に設けられ、熱感知手段14に接続される。浴室換気乾燥暖房機1Iが外部からの火によって天井パネル7から加熱されると、熱感知手段14が熱感知信号を散水装置12Iに送信する。散水装置12Iは、熱感知手段14から熱感知信号を受信して浴室換気乾燥暖房機1Iに水を噴射する。浴室換気乾燥暖房機1Iは散水装置12Iからの散水によって所定の温度以上はならず、本体部2への延焼を防止できる。
【0102】
このように、第9の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Iによれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Iに加わったときに、熱感知手段14が外部からの熱を感知して熱感知信号を出力する。散水装置12Iは、その熱感知信号を受信して水を噴射することで、浴室換気乾燥暖房機1Iの温度を下げる。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【0103】
<第10の実施の形態>
本実施の形態では、熱感知信号を出力する熱感知手段と延焼を防止する消火ケースとを備えた浴室換気乾燥暖房機1Jについて説明する。前述の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0104】
図14は、第10の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Jの延焼防止効果例を示す説明図である。図14に示すように、浴室換気乾燥暖房機1Jは、本体部2及び/又は本体部2周辺が所定の温度以上になると熱感知信号を出力する熱感知手段14と、延焼を防止する消火ケース16とを備える。
【0105】
消火ケース16は、本体シャーシ21と金属ケース3との間に設けられ、水や消火剤等を有している。浴室換気乾燥暖房機1Iが外部からの火によって天井パネル7から加熱されると、熱感知手段14が熱感知信号を消火ケース16に送信する。消火ケース16は、熱感知手段14から熱感知信号を受信して、消火ケース16自体が破裂して浴室換気乾燥暖房機1J内に水や消火剤等を撒く。これにより、本体部2への延焼を防止できる。
【0106】
このように、第10の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Jによれば、外部から所定の温度以上の熱が当該浴室換気乾燥暖房機1Iに加わったときに、熱感知手段14が外部からの熱を感知して消火ケース12Jから水又は消火剤を撒く。この結果、本体部2自体に延焼してしまうことを回避することができる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、熱源を有した空調装置等の設備機器に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】第1の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1の構成例を示す断面図である。
【図2】浴室換気乾燥暖房機1の要部構成例を示す断面図である。
【図3】浴室換気乾燥暖房機1の延焼防止効果例を示す動作説明図である。
【図4】第2の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Aの延焼防止効果例を示す動作説明図である。
【図5】第3の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Bの延焼防止効果例を示す動作説明図である。
【図6】浴室換気乾燥暖房機1Cの延焼防止効果例を示す動作説明図である。
【図7】第4の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Dの延焼防止効果例を示す動作説明図である。
【図8】第5の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Eの延焼防止効果例を示す動作説明図である。
【図9】第6の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Fの延焼防止効果例を示す動作説明図である。
【図10】第7の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Gの延焼防止効果例を示す動作説明図である。
【図11】第8の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Hの構成例を示す断面図である。
【図12】浴室換気乾燥暖房機1Hの延焼防止効果例を示す動作説明図である。
【図13】第9の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Iの延焼防止効果例を示す説明図である。
【図14】第10の実施の形態に係る浴室換気乾燥暖房機1Jの延焼防止効果例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0109】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I,1J・・・浴室換気乾燥暖房機、2・・・本体部、3・・・金属ケース、3a・・・第1の金属ケース、3b・・・第2の金属ケース、4・・・ダクトジョイント、5・・・フロントパネル、7・・・天井パネル、8,8a,8b・・・ネジ、9・・・開口部、10・・・取付金具、11・・・アルミテープ、12・・・締結ナット、12A・・・形状記憶材料、12B,12C・・・形状記憶材料のワッシャ、12D,12F・・・低融点金属材料、12E・・・固定部材、12G・・・ソレノイド、12H・・・電熱線、13・・・アンカーボルト、13a・・・第1のアンカーボルト、13b・・第2のアンカーボルト、14・・・熱感知手段、15・・・散水手段、16・・・消火ケース、17・・・電熱線駆動回路、18・・・リベット、19・・・金属カラー、21・・・本体シャーシ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部が開口した設置場所に設置されて金属ケースに覆われた本体部と、
前記本体部を前記設置場所に固定する固定手段と、
前記固定手段に設けられ、所定の温度以上になると変形して前記固定手段による前記本体部の固定を解除する分離手段とを備えることを特徴とする設備機器。
【請求項2】
前記分離手段には熱溶融材料が用いられ、
前記熱溶融材料は、
所定の温度以上になると溶融することを特徴とする請求項1に記載の設備機器。
【請求項3】
前記分離手段には形状記憶材料が用いられ、
前記形状記憶材料は、
所定の温度以上になると変形することを特徴とする請求項1に記載の設備機器。
【請求項4】
一部が開口した設置場所に設置される本体部と、
前記本体部を覆う金属部とを備え、
前記金属部は、
前記設置場所に固定される第1の金属部と、
前記本体部を前記設置場所に固定する第2の金属部と、
前記第1の金属部と前記第2の金属部とを固定すると共に、所定の温度以上になると溶融して前記第1の金属部と前記第2の金属部との固定を解除する分離手段とを有することを特徴とする設備機器。
【請求項5】
一部が開口した設置場所に設置されて金属ケースに覆われ、被固定部を有する本体部と、
前記被固定部を介して前記本体部を前記設置場所に固定する固定手段と、
前記本体部に設けられ、前記本体部及び/又は前記本体部周辺が所定の温度以上になると熱感知信号を出力する熱感知手段と、
前記熱感知手段によって出力された熱感知信号を受信し、熱源を有する分離手段とを備え、
前記分離手段は、
前記熱感知信号を受信すると前記熱源が加熱して、前記本体部の前記被固定部を溶融して前記固定手段による前記本体部の固定を解除することを特徴とする設備機器。
【請求項6】
一部が開口した設置場所に設置されて金属ケースに覆われた本体部と、
前記本体部に設けられ、前記本体部及び/又は前記本体部周辺が所定の温度以上になると熱感知信号を出力する熱感知手段と、
前記熱感知手段によって出力された熱感知信号を受信する固定/固定解除手段とを備え、
前記固定/固定解除手段は、
前記熱感知手段から前記熱感知信号が出力されない場合、前記本体部を前記設置場所に固定し、前記熱感知手段から前記熱感知信号が出力される場合、前記熱感知信号を受信して前記設置場所に固定した前記本体部の固定を解除することを特徴とする設備機器。
【請求項1】
一部が開口した設置場所に設置されて金属ケースに覆われた本体部と、
前記本体部を前記設置場所に固定する固定手段と、
前記固定手段に設けられ、所定の温度以上になると変形して前記固定手段による前記本体部の固定を解除する分離手段とを備えることを特徴とする設備機器。
【請求項2】
前記分離手段には熱溶融材料が用いられ、
前記熱溶融材料は、
所定の温度以上になると溶融することを特徴とする請求項1に記載の設備機器。
【請求項3】
前記分離手段には形状記憶材料が用いられ、
前記形状記憶材料は、
所定の温度以上になると変形することを特徴とする請求項1に記載の設備機器。
【請求項4】
一部が開口した設置場所に設置される本体部と、
前記本体部を覆う金属部とを備え、
前記金属部は、
前記設置場所に固定される第1の金属部と、
前記本体部を前記設置場所に固定する第2の金属部と、
前記第1の金属部と前記第2の金属部とを固定すると共に、所定の温度以上になると溶融して前記第1の金属部と前記第2の金属部との固定を解除する分離手段とを有することを特徴とする設備機器。
【請求項5】
一部が開口した設置場所に設置されて金属ケースに覆われ、被固定部を有する本体部と、
前記被固定部を介して前記本体部を前記設置場所に固定する固定手段と、
前記本体部に設けられ、前記本体部及び/又は前記本体部周辺が所定の温度以上になると熱感知信号を出力する熱感知手段と、
前記熱感知手段によって出力された熱感知信号を受信し、熱源を有する分離手段とを備え、
前記分離手段は、
前記熱感知信号を受信すると前記熱源が加熱して、前記本体部の前記被固定部を溶融して前記固定手段による前記本体部の固定を解除することを特徴とする設備機器。
【請求項6】
一部が開口した設置場所に設置されて金属ケースに覆われた本体部と、
前記本体部に設けられ、前記本体部及び/又は前記本体部周辺が所定の温度以上になると熱感知信号を出力する熱感知手段と、
前記熱感知手段によって出力された熱感知信号を受信する固定/固定解除手段とを備え、
前記固定/固定解除手段は、
前記熱感知手段から前記熱感知信号が出力されない場合、前記本体部を前記設置場所に固定し、前記熱感知手段から前記熱感知信号が出力される場合、前記熱感知信号を受信して前記設置場所に固定した前記本体部の固定を解除することを特徴とする設備機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−145039(P2010−145039A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−324015(P2008−324015)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]