説明

診断カセットを把持及び保持するための装置

【課題】自動診断分析装置の一部をなしうる試薬又は試料カセットのようなカセット形状の物品を捕捉、保持し、更にその移動を可能とすることにより、捕捉操作において相当な程度のカセットの配置ずれ及び/又は位置ずれを許容しうる装置を提供する。
【解決手段】本発明は、把持装置の捕捉顎部材の二次元の運動を同時に提供することにより、上向きの垂直方向の運動が提供されると同時に顎部材間の距離が近くなる一方で試料の物理的状態に影響しないように顎部材の運動が適切に円滑となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カセット形状の物品を把持するための装置に一般的に関し、より詳細には、自動診断分析装置の一部としての試薬カセット又は試料カセットを捕捉、保持し、その移動を可能とするための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
診断用臨床分析装置は、特に患者試料及び付随する試薬の取り扱い、更に複数の位置の間での移動という点に関してより高度なものとなりつつある。益々増加する複雑なピックアンドプレース輸送装置は、患者試料容器の二次元、場合によっては三次元の移動が可能なロボットシステムに発展を遂げた。しかしながら、こうした容器を物理的に捕捉及び保持するための装置の発展は、特に、こうした容器が例えばその全容を本明細書に援用するところの米国特許第5,780,248号に示される凝集反応用の箔密封されたカセットのような単純な試験管でない場合には進歩を遂げていない。更に、こうした患者試料容器の捕捉は、少数の基本的な機構に依ったものである。カム駆動機械は、最も滑らかな運動並びに加速及び減速の制御を可能とするものである。カム駆動機械は、高い発射速度で運転可能であるが、大型で重く、空間が限定された用途には適していない。油圧/空圧駆動機械は、より小型で使用が容易であるが、通常、油圧/空圧を利用して堅い係止部に対して部品を打ちつけるために衝撃が発生し(全血成分の入ったカセットを扱う際に、特に重要である)、発射速度が低く騒音が大きい機械となる。サーボモータ/ステッパモータにより駆動される機械は、通常、より低速であり、コストが嵩みうるが、より柔軟な動作が可能である。米国特許第5,681,530号は、カセット把持装置及び搬送装置を含む液体分析器具用の輸送システムに関するものであり、本明細書に当該特許の全容を援用する。
【0003】
患者試料の捕捉に関して、既存の機構は試験管に特化したものであり、多くの部品を有する機械的に複雑なものである。限定された運動機能のために誤って配置された患者試料容器を捕捉及び保持する能力が極めて限定されていることに加えて、これらのユニットは、製造コストが嵩み、しばしば信頼性が低い。更に、多くの機構では患者試料容器に大きな慣性力が作用するが、これは非常に望ましくなく、試料の物理的性質を変化させてしまう可能性がある。多くのこうしたシステムが下記に記載されている。すなわち、発明の名称が「Machine for picking up,transferring, turning and plaching parts(部品を捕捉、移動、回転、及び載置するための機械)」である米国特許第4,002,247号、発明の名称が「Pick and place mechanism(ピックアンドプレース機構)」である米国特許第4,411,576号、発明の名称が「Linear unit for transferring objects(物体を移動させるための直線ユニット)」である米国特許第4,975,018号、発明の名称が「Apparatus to load workpieces(工作物を装填するための装置)」である米国特許第5,249,663号、発明の名称が「Apparatus to manipulate workpieces(工作物を操作するための装置)」である米国特許第5,333,720号、発明の名称が「Dual purpose apparatus to manipulate workpieces(加工物を操作するための二重目的装置)」である米国特許第5,467,864号、発明の名称が「Pick and place machine(ピックアンドプレース機械)」である米国特許第5,564,888号、発明の名称が「Robot arm(ロボットアーム)」である米国特許第6,264,419号、発明の名称が「Robotics for transporting containers and objects within an automated analytical instrument and service tool for servicing robotics(自動分析機器内で容器及び物体を輸送するためのロボティクス、並びにロボティクスを補修するための補修ツール)」である米国特許第6,293,750号、発明の名称が「Robotics for transporting containers and objects within an automated analytical instrument and service tool for servicing robotics(自動分析機器内で容器及び物体を輸送するためのロボティクス、並びにロボティクスを補修するための補修ツール)」である米国特許第6,374,982号、発明の名称が「Two−axis for specimen transfer(試料移動のための2軸ロボット)である米国特許第6,843,357号、発明の名称が「Robotics device for loading laboratory instruments(実験器具を装填するためのロボティック装置)」である米国特許第6,889,119号、発明の名称が「Workpiece−transfer device(工作物移動装置)」である米国特許第7,131,361号、発明の名称が「Robotics devices(ロボティクス装置)」である米国特許第7,448,294号、発明の名称が「Robot(ロボット)」である米国特許第7.563.067号、発明の名称が「Container transfer apparatus with automatic pisitioning compensation(自動位置補償を行う容器移動装置)」である国際特許出願公開第WO2008067847号、及び、発明の名称が「Workpiece transfer system(工作物移動システム)」である米国特許出願公開第2010/0150688号。
【0004】
上記に示した従来技術の参照文献のいずれも、限定された空間内での動作が可能であり、部品数が最小に抑えられ、大きく位置ずれしたカセット内の患者試料を捕捉する能力を有し、特に非試験管形状の患者試料容器の捕捉及び保持の助けとなる装置の運動を提供する装置については開示していない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、上記に述べた従来技術の問題点を解決又は少なくとも改善することにある。
【0006】
本発明の一態様は、カセット形状の物品を把持するための装置に関する。本装置は、支持ハウジングと、前記支持体に対してX軸に沿って動くことができるリニアアクチュエータと、それぞれが近位端と、前記カセット形状の物品を把持するために適合された遠位端とを有する、前記カセット形状の物品を把持するための1組の顎部材と、前記各顎部材の近位端に配置された、各顎部材を前記リニアアクチュエータに接続するための可動節と、前記各顎部材の前記近位端と遠位端との間に配置された、前記顎部材のそれぞれを前記支持体に接続するための、前記支持体に対して固定された節であって、前記顎部材上に間接的に配置され、リンク機構及び顎部材上の可動節を介して前記顎部材に接続された固定節と、を備え、前記リニアアクチュエータの運動が、前記可動節にX軸及びY軸への運動を提供することにより、前記固定節を中心として前記顎部材を回転させる結果、前記顎部材が開閉する。
【0007】
本発明の別の態様は、カセット形状の物品を把持するための装置に関する。本装置は、支持ハウジングと、前記支持体に対してX軸に沿って動くことができるリニアアクチュエータと、それぞれが近位端と、前記カセット形状の物品を把持するために適合された遠位端とを有する、前記カセット形状の物品を把持するための1組の顎部材と、前記各顎部材の近位端に配置された、各顎部材を前記リニアアクチュエータに接続するための可動節と、前記各顎部材の前記近位端と遠位端との間に配置された、前記顎部材のそれぞれを前記支持体に接続するための、前記支持体に対して固定された節であって、前記顎部材上に直接配置された固定節と、前記リニアアクチュエータにその中心において接続された駆動リンク機構であって、前記中心の両側に細長いスロットを有し、前記可動節が前記スロット内に摺動可能に嵌合され、これにより、前記リニアアクチュエータの運動によって前記駆動リンク機構が動くことによって前記可動節に前記摺動運動に垂直な方向の直線運動が提供され、これにより前記固定節を中心として前記顎部材が回転する結果、前記顎部材が開閉する駆動リンク機構と、前記顎部材のそれぞれの遠位端付近において前記ハウジングの底部に取り付けられた1組の位置合わせダボであって、前記カセット形状の物品が捕捉された時点で前記カセット形状の物品によって当接されうるように配置された1組の位置合わせダボと、を備え、弾性ブロックが前記ハウジングの上端に配置され、前記弾性ブロックの下にバネが配置されることにより、前記ハウジングがわずかに傾くことが可能であり、前記カセットの捕捉が前記位置合わせダボによって案内され、前記カセット形状の物品の運動が前記弾性ブロック及びバネによって案内されることにより、前記カセット形状の物品に対する前記装置の起こりうる位置ずれを提供する。
【0008】
本発明の更なる別の態様は、カセット形状の物品を把持するための方法に関する。本方法は、支持ハウジングを提供することと、前記支持体に対してX軸に沿って動くことができるリニアアクチュエータを提供することと、それぞれが近位端と、前記カセット形状の物品を把持するために適合された遠位端とを有する、前記カセット形状の物品を把持するための1組の顎部材を提供することと、前記各顎部材の近位端に配置された、各顎部材を前記リニアアクチュエータに接続するための可動節を提供することと、前記各顎部材の前記近位端と遠位端との間に配置された、前記顎部材のそれぞれを前記支持体に接続するための、前記支持体に対して固定された節であって、前記顎部材上に間接的に配置され、リンク機構及び顎部材上の可動節を介して前記顎部材に接続された固定節を提供することと、前記ハウジングを、把持しようとする前記カセット形状の物品の上に位置するように配置することと、前記リニアアクチュエータを動かして前記可動節にX軸及びY軸への運動を提供することによって前記固定節を中心として前記顎部材が回転する結果、前記顎部材が閉じて前記カセット形状の物品を捕捉する工程と、を含む。
【0009】
本発明の更なる別の態様は、カセット形状の物品を把持するための方法に関する。本方法は、支持ハウジングを提供することと、前記支持体に対してX軸に沿って動くことができるリニアアクチュエータを提供することと、それぞれが近位端と、前記カセット形状の物品を把持するために適合された遠位端とを有する、前記カセット形状の物品を把持するための1組の顎部材を提供することと、前記各顎部材の近位端に配置された、各顎部材を前記リニアアクチュエータに接続するための可動節を提供することと、前記各顎部材の前記近位端と遠位端との間に配置された、前記顎部材のそれぞれを前記支持体に接続するための、前記支持体に対して固定された節であって、前記顎部材上に直接配置された固定節を提供することと、前記リニアアクチュエータにその中心において接続された駆動リンク機構であって、前記中心の両側に細長いスロットを有し、前記可動節が前記スロット内に摺動可能に嵌合された駆動リンク機構を提供することと、前記顎部材のそれぞれの遠位端付近において前記ハウジングの底部に取り付けられた1組の位置合わせダボであって、前記カセット形状の物品が捕捉された時点で前記カセット形状の物品によって当接されうるように配置された1組の位置合わせダボを提供することと、前記ハウジングの向きが偏向されるように前記ハウジングの上端に弾性ブロックを、更に前記弾性ブロックの下にバネを提供することと、前記ハウジングを、把持しようとする前記カセット形状の物品の上に位置するように配置することと、前記リニアアクチュエータを動かして前記駆動リンク機構を動かすことによって前記可動節に前記摺動運動と垂直な方向の直線運動を提供し、これにより前記固定節を中心として前記顎部材が回転する結果、前記顎部材が閉じて前記カセット形状の物品を捕捉することであって、前記カセットの捕捉が前記位置合わせダボによって案内され、前記カセット形状の物品の運動が前記弾性ブロック及びバネによって案内されることにより、前記カセット形状の物品に対する前記装置の起こりうる位置ずれを可能にする、ことと、を含む。
【0010】
本発明の好ましい一実施形態では、装置は、ある程度の位置ずれがある場合であっても診断カセットを正確に捕捉してしっかりと保持することができる。
【0011】
更に、本発明の好ましい別の実施形態では、把持装置の捕捉顎部材に同時に二次元の運動が提供されることにより、上向きの垂直方向の運動を提供すると同時に顎部材間の距離が近くなるため、使用される空間が最小に抑えられる。
【0012】
更に、本発明の別の好ましい実施形態は、部品の数が最小であり、したがって高い信頼性を有する一方で製造コストがかからない装置を提供する。
【0013】
本発明の別の実施形態では、装置は、歯車、ラック、及び、カム、空圧又は油圧駆動装置よりも優れた滑らかな運動を提供する機械的リンク機構から構成され、影響を受けやすい患者試料の物理的性質に影響しない点で特に優れている。
【0014】
好ましい一実施形態では、本発明にはバネによる垂直方向の駆動運動が取り入れられているため、装置はカセットの捕捉操作において相当な程度のカセットの配置ずれ及び/又は把持装置の位置ずれを許容しうる。カセットを捕捉する機械部品の運動は、試料の物理的状態に影響せず、カセット捕捉の機械的動作が最小限の空間内で行われるようなものである。
【0015】
別の好ましい実施形態では、本発明はホーキンスリンク機構を取り入れている。
【0016】
更なる別の好ましい実施形態では、本発明は、患者試料容器を1組の位置合わせダボに対して位置合わせすることによって、患者試料容器が能動的に捕捉されたことを示す光学センサ又は他のフィードバックを可能とする。本出願の更なる目的、特徴、及び利点は、以下の実施形態の詳細な考察から当業者には明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の好ましい実施形態の構成1に基づく、開位置にある把持及び保持装置の概略正面図。カセット保持ユニットとしても知られる装置は、送りネジ105に連結されるか又は送りネジ105として構成された、例えば、電子サーボモータ104のようなリニアアクチュエータを保持するハウジング102内に収容されている。サーボモータ104は、ラックナット103に螺入される送りネジ105として構成されるか、あるいは回転連結機構によって送りネジと連結されたシャフトを有する。セクター歯車リンク機構106がハウジング102に回転可能に取り付けられ、1組の顎部材109を有するホーキンスリンク機構107として構成されている。顎部材の組109のセクター歯車リンク機構106に取り付けられた方の端部を近位端とし、顎部材の組109の診断カセット110を把持する方の端部を遠位端とする。カセット110の上側への運動は、1組の位置合わせダボ108によって規制される。エラストマーブロックのような弾性ブロック100及びバネ101によって、カセット把持ユニットはある程度の位置ずれを有するカセットを捕捉及び載置することが可能である。位置合わせダボ108にしっかりと押し付けられたカセット110の有無が、光センサ111によって感知される。
【図2】本発明の好ましい実施形態の構成1に基づく、閉位置にある、カセット把持ユニットとしても知られる把持及び保持装置の概略正面図。装置は、送りネジ105に連結されるか又は送りネジ105として構成された、例えば、電子サーボモータ104のようなリニアアクチュエータを保持するハウジング102内に収容されている。ボモータ104は、ラックナット103に螺入される送りネジ105として構成されるか、あるいは回転連結機構によって送りネジと連結されたシャフトを有する。セクター歯車リンク機構106がハウジング102に回転可能に取り付けられ、1組の顎部材109を有するホーキンス連結機構107として構成されている。カセット110の上側への運動は、1組の位置合わせダボ108によって規制される。弾性ブロック100及びバネ101によって、カセット把持ユニットはある程度の位置ずれを有する物体を捕捉及び載置することが可能である。位置合わせダボ108にしっかりと押し付けられたカセット110の有無が、光センサ111によって感知される。
【図3】本発明の好ましい実施形態の構成2に基づく、開位置にある、カセット把持ユニットとしても知られる把持及び保持装置の概略正面図。装置は、送りネジ105に連結されるか又は送りネジ105として構成された、例えば、電子サーボモータ104のようなリニアアクチュエータを保持するハウジング102内に収容されている。ボモータ104は、駆動リンク300に螺入される送りネジとして構成されるか、あるいは回転連結機構によって送りネジと連結されたシャフト301を有する。1組の顎部材302が設けられており、駆動リンク300に取り付けられた顎部材の組302の上端を近位端とし、診断カセットを把持する顎部材の組302の下端を遠位端とする。顎部材の組302は、顎部材302の近位端が駆動リンク300内で水平方向に摺動できるように駆動リンク300に取り付けられている。カセット110の上側への運動は、1組の位置合わせダボ108によって規制される。弾性ブロック100及びバネ101によって、カセット把持ユニットはある程度の位置ずれを有する物体を捕捉及び載置することが可能である。位置合わせダボ108にしっかりと押し付けられたカセット110の有無が、光センサ111によって感知される。
【図4】本発明の好ましい実施形態の構成2に基づく、カセット把持ユニットとしても知られる、閉位置にある把持及び保持装置の概略正面図。装置は、送りネジ105に連結されるか又は送りネジ105として構成された、例えば、電子サーボモータ104のようなリニアアクチュエータを保持するハウジング102内に収容されている。サーボモータ104は、駆動リンク300に螺入される送りネジとして構成されるか、あるいは回転連結機構によって送りネジと連結されたシャフト301を有する。顎部材の組302が、顎部材302の近位端が駆動リンク300内で水平方向に摺動できるように駆動リンク300に取り付けられている。カセット110の上側への運動は、1組の位置合わせダボ108によって規制される。弾性ブロック100及びバネ101によって、カセット把持ユニットはある程度の位置ずれを有する物体を捕捉及び載置することが可能である。位置合わせダボ108にしっかりと押し付けられたカセット110の有無が、光センサ111によって感知される。
【図5】構成1のリンク機構の細部の概略図。送りネジ105として構成されたモータシャフトがラックナット103に螺入されている。節A1によって示される関節を中心として回転するセクター歯車リンク機構500がラックナット103に噛合することによって、顎部材の組501が、節B1及びB2における第1の関節、及びリンクアーム502に付随する節A2における第2の関節を介して送りネジ105の回転に応じて動く。1組の顎部材501の遠位端の運動が矢印503によって示されている。節A1及びA2によって示される関節は、リンクとハウジングとが回転可能にピン固定されたものであり、節B1及びB2によって示される関節はリンクとリンクとがピン固定されたもの。
【図6】構成2のリンク機構の細部の概略図。送りネジ301として構成されたモータシャフトが、駆動クロスバースライダー300に螺入されている。顎部材の組302の上端が駆動クロスバースライダー300に嵌合していることにより、顎部材の組302の近位端は、送りネジ301の回転に応じて駆動クロスバースライダー300内で水平方向に左右に摺動する。顎部材の組302の遠位端の運動は円運動であり、矢印600によって示される。節Dによって示される関節はリンクとハウジングとが回転可能にピン固定されたものであり、節Cによって示される関節はリンクとクロスバースライダーとがピン固定されたものである(これにより、水平方向に左右の運動が可能である)。
【図7】ホーキンスリンク機構のカプラー曲線の図。リンクアーム701の遠位端の運動が破線の曲線700によって示されている。リンクアーム701の近位端は、節B1によって示される関節においてセクター歯車リンク703に接続されている。セクター歯車リンク703は、節A1によって示される関節においてハウジング102に回転可能に取り付けられている。接続リンク702が、節B2によって示される関節においてリンクアーム701に取り付けられ、更に、節A2によって示される関節においてハウジングに回転可能に取り付けられており、ホーキンスリンク機構の第3の要素である。セクター歯車リンク703の回転によってリンクアーム701の遠位端の運動が提供される。節A1及びA2によって示される関節は、リンクとハウジングとが回転可能にピン固定されたものであり、節B1及びB2によって示される関節はリンクとリンクとがピン固定されたもの。
【図8】図5及び6に示されるような顎部材の組の左側の要素109の細部の概略図。この要素の外形が正面図で示され、この要素の側面図では顎部材の組109の遠位端部にテーパ状の切欠き800が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を、以下に述べる図に示される好ましい実施形態に関して説明するが、本発明はその後に続く特許請求の範囲の境界のみによって限定されるものである。
【0019】
本明細書において述べる装置及び方法は、診断臨床分析装置内におけるその後の移動及び分析装置からの取り出しのために分析装置内の診断カセットの高速かつ安定した捕捉を可能とするものである。公知の診断分析装置の例としては、いずれもオーソ・クリニカル・ダイアグノスティクス株式会社より販売される、Vitros(登録商標)ECi免疫診断分析装置若しくはVitros(登録商標)3600免疫診断分析装置などの免疫診断分析装置、又はVitros(登録商標)5,1FS若しくはVitros(登録商標)5600などの臨床化学分析装置が挙げられる。代表的なシステムは、例えば、いずれも本明細書にその全容を援用するところの米国特許出願公開第2003/0026733号及び2005年3月28日出願の米国特許出願第11/091,283号に開示されている。他の例としては、米国特許第5,681,530号及び米国特許第5,594,808号に述べられるものなどの、血液型判定操作に使用される血液の免疫血液学的分析装置、並びにオーソ・クリニカル・ダイアグノスティクス株式会社よりOrtho Summit System(商標)として販売される血液ドナースクリーニング装置が挙げられる。本明細書において使用する場合、これらの分析装置をすべてまとめて「診断分析装置」と呼ぶ。
【0020】
本装置の効果としては、カセットの位置のわずかな配置ずれ又は位置ずれがある場合に診断カセットを捕捉する能力、患者試料に伝達される力を最小としつつカセットを捕捉する能力、最小の空間内でカセットを捕捉する能力、捕捉機構が最小の数の部品、ひいては高い信頼性を有しうる点、及び、カセットの捕捉を位置合わせし、必要に応じて用いられるフィードバックセンサによってその捕捉のシグナルを送信しうる点が挙げられる。
【0021】
開示される技術の一般的な理解のため、図面を参照する。図中、同様の要素は同様の参照番号を用いて示している。開示される技術を説明するに当たり、説明文中において以下の用語を使用している。
【0022】
本明細書において「ハウジング」なる用語は、異なる他の構造的要素が取り付けられ、カセット把持装置を一体として使用及び移動できるように一定の剛性を提供する支持構造、フレーム、ケージ、格納体、包囲体、又は基材のことを指す。
【0023】
本明細書において「リンク」なる用語は、他のリンク又は支持体との取り付け点である少なくとも2個の節を有する剛体のことを指す。「2節リンク」は2個の節を有し、「3節リンク」は3個の節を有する、といった具合である。
【0024】
本明細書において「節」とは、他のリンクが取り付けられることによって関節を形成することができるリンク上の位置のことを指す。
【0025】
本明細書において「関節」とは、接続されたリンク間で一定の運動又は潜在的運動を可能とする、2個以上のリンク間の(それらの節における)接続部のことを指す。関節は、特に、運動の自由度が1である「回転ピン関節」の形態か、又は運動の自由度がやはり1である「並進スライダー関節」の形態のものとすることができる(参照、Robert L.Norton,Design of Machinery,3rd edition,McGraw−Hill Book Company,2003当該文献を本明細書に援用する。)
【0026】
本明細書における「送りネジ」なる用語は、回転運動を直線運動に変換するように設計された機構のことを指す。これは、ナット内に挿入されたネジ切りされたロッドの回転によって行われ、ネジ切りされたロッドが回転させられるとナットが(ロッド内のネジ山のピッチに応じて)所定の直線的距離を動くことになる。
【0027】
本明細書における「ラックナット」なる用語は、送りネジに螺入され、送りネジの回転がラックナットの直線運動を生じさせるように固定された向きに保持された、雌ネジを有する送りネジのことを指す。更に、ラックナットの少なくとも1つの側面は、ラックナットの直線運動がピニオン又は歯車の回転運動を生じるように円形のピニオン又は歯車と噛合するラック構造を有する。
【0028】
本発明の一態様は、極めて限定された空間内で動作しながら診断カセット110を捕捉及び保持するための把持装置のような、カセット形状の物品を把持するための装置に関する。図1及び図2は、カセット把持ユニットの構成1を示す。このユニットは、弾性ブロック100に接続されたアーム(図に示されていない)によって診断分析装置のようなシステムに取り付けることができる。アームの上げ下げによってカセット把持ユニットにZ軸方向の運動が提供される。アームはまた、カセット110を適切に配置するためのX軸及びY軸方向の運動を提供する。このユニットを分析装置に固定し、ユニットに運動を提供するための他の適当な機構を使用することもできる。カセット把持ユニットは、下降させられる際に、捕捉されるカセットの上面と完全に直角になるとは限らず、弾性ブロック100がバネ101と協働することにより、カセットの上面が両方の位置合わせダボ108と軽く接触するようにカセット把持ユニットがわずかな傾斜で傾くか、わずかに枢動することができる。したがって、この機構は、カセット110とカセット把持ユニットとの間のある程度の位置ずれを吸収することができる。構成1に示されるカセット把持ユニットは、閉じる際に顎部材間の間隔を短くすると同時に垂直方向の運動を提供する1組の顎部材109を有している。正確な運動プロファイルは、図7に関連して下記により完全に説明するホーキンスリンク機構107の機械的構成によって決定される。上記の要領で動作する1組の顎部材109は、始めに捕捉されるカセット110の方向に下向きかつ内側に動いた後、垂直方向503に持ち上げる運動を行う。最終的に垂直方向の運動によって診断カセット110の上面が位置合わせダボ108に対してしっかりと押し付けられる。これらの位置合わせダボ108は、診断カセット110と接触すると変形するゴム又は柔軟かつ可撓性のポリマーのような弾性材料で形成することができる。位置合わせダボ108の変形によって診断カセット110と顎部材109との間に張力が提供され、カセット110がしっかりと固く保持される。更に、顎部材の組109のアームに切り込まれたテーパ状切欠き800によって顎部材の組109の中心にカセットが位置する傾向があり、更なる位置ずれが生じうる。カセット110が適正な位置にあることが、光学センサ111によって感知されると、捕捉シグナルが送信されて起電力の印加が停止される。また、位置合わせダボの変形によって、マイクロスイッチ又は歪みゲージ型センサに圧力が作用し、診断カセット110が捕捉され、適正な位置に保持されたというシグナルが送信されるようにしてもよい。ホーキンスリンク機構107の使用により、極めて小さい空間を利用して1組の顎部材109の運動が可能となるが、機械的な複雑さはある程度犠牲となる点に留意されたい。
【0029】
図1は、構成1として示される、カセット把持ユニットとしても知られる把持装置の好ましい一実施形態の概略正面図である。構成1の異なる要素は、弾性ブロック100及びバネ101を備えたハウジング102内に配置されているため、カセット把持ユニットが下降される際に位置合わせダボ108とカセット110の上縁部との間にわずかな位置ずれが生じうる。送りネジ105として構成されたシャフトを有するサーボモータ104が、ハウジング102の上部に取り付けられている。また、サーボモータ104のシャフトは、回転連結機構を含む複数の一般的に知られる機構によって別の送りネジに接続することもできる。送りネジ105は、左右両側にラックを有するラックナット103に螺入される。セクター歯車リンク106が、ラックアンドピニオン形態でラックナット103と噛合しており、ホーキンスリンク機構107の基本的要素を構成している。動作時には、サーボモータ104に起電力が印加されると、シャフトが順方向に回転して送りネジ105を回転させることによってラックナット103が下方に直線的に移動する。このようなラックナット103の下方への運動によって、セクター歯車リンク106が反時計回りに回転してホーキンスリンク機構107を動かすと顎部材の組109の遠位端が下方及び内側に同時に動いた後、上方503に動く。顎部材の組109の遠位端が診断カセット110と接触してカセットをテーパ状切欠き800内で中心に位置決めし、これを上方にわずかに動かすことによって、カセットの上面が位置合わせダボ108に対して押し付けられる。カセット110が適正な位置にあることが、光学センサ111によって感知されると、捕捉シグナルが送信されて起電力の印加が停止される。あるいは、位置合わせダボが圧縮されることによってマイクロスイッチ又は歪みゲージ型センサが作動するか、あるいはサーボモータに作用する荷重が特定の閾値を上回った場合のいずれの場合にも捕捉シグナルが送信されて起電力の印加が停止される。この時点で、カセット110は捕捉されており、診断臨床分析装置によって更に移動させられるようにしっかりと保持される。
【0030】
図2は、診断カセット110が完全に捕捉及び保持された位置にある、閉位置の構成1を示している。
【0031】
本発明の別の態様は、最小数の部品を有するために製造コストが低く、信頼性が高く、更に動きが正確である把持装置に関する。図3及び4を参照すると、構成2によって示されるカセット把持ユニットは、閉じる際に遠位端の顎部材間の間隔を短くすると同時に垂直方向の運動を提供する1組の顎部材302を含んでいる。しかしながら、構成1のホーキンスリンク機構と異なり、顎部材302の各側面は、中央部付近の一点においてハウジング102に回転可能にピン固定されている。これは、1組の顎部材302の遠位端が円運動によって内側に閉じることだけを可能とするものである。上記の要領で動作する1組の顎部材302の遠位端は、捕捉されるカセット110の方向に内側に動き、カセット110をテーパ状切欠き800内で中心に位置決めし、垂直方向に持ち上げる。リンク機構を構成する部品の数が限定されている(3個)ことは、製造及び取り付けにおけるミスは機構の部材の数を乗じたものとなる(Robert L.Norton,Design of Machinery,3rd edition,McGraw−Hill Book Company,2003,当該文献を本明細書に援用する。)ことから構成1よりも高い精度を有する機構が得られる。最終的に垂直方向の運動によって診断カセット110の上面が、位置合わせダボ108に対してしっかりと押し付けられる。構成1と同様に、カセット110が適正な位置にあることが光学センサ111によって感知されることにより、捕捉シグナルが送信されて起電力の印加が停止される。あるいは、位置合わせダボが圧縮されることによってマイクロスイッチ又は歪みゲージ型センサが作動するか、あるいはサーボモータに作用する荷重が特定の閾値を上回ることによって、捕捉シグナルが送信されて起電力の印加が停止される。この時点で、カセット110は捕捉されており、診断臨床分析装置によって更に移動させられるようにしっかりと保持される。
【0032】
図3は、構成2として示される、カセット把持ユニットとして知られる把持装置の好ましい一実施形態の概略正面図である。構成2の異なる要素は弾性ブロック100及びバネ101を備えたハウジング102内に配置されているため、構成1の下降運動と同様のカセットを捕捉するための最初の下降運動において把持装置とカセットの位置との間に位置ずれが生じうる。送りネジ301として構成されたシャフトを有するサーボモータ104が、ハウジング102の上部に取り付けられている。また、サーボモータ104のシャフトは、回転連結機構を含む多くの一般的に知られる機構によって送りネジに取り付けることもできる。顎部材の組302の近位端部が並進スライダー関節として知られる形態でピン固定された駆動リンクに送りネジ301が螺入されることにより、水平方向への摺動運動が実現される。顎部材の組302は概ねその長さの中間点においてハウジング102に回転可能にピン固定されており、円運動のみが可能である。動作時には、サーボモータ104に起電力が印加されると、シャフトが順方向に回転して送りネジ301を回転させることによって駆動リンク300が上方に直線的に移動する。これにより顎部材の組302の近位端が並進スライダー関節を介して外側に動く。すると、顎部材の組302の遠位端が円運動で内側に動く。顎部材の組302の遠位端が診断カセット110と接触して、これを上方にわずかに動かすことによって、カセットの上面が位置合わせダボ108に対して押し付けられる。構成1と同様に、カセット110が適正な位置にあることが光学センサ111によって感知されることにより、捕捉シグナルが送信されて起電力の印加が停止される。あるいは、位置合わせダボが圧縮されることによってマイクロスイッチ又は歪みゲージ型センサが作動するか、あるいはサーボモータに作用する荷重が閾値を上回ることによって、捕捉シグナルが送信されて起電力の印加が停止される。この時点で、カセット110は捕捉されており、診断臨床分析装置内において更に移動させられるようにしっかりと保持される。円運動のみが可能な顎部材の組302と連結された駆動リンク300の使用は、構成1と比較して動作するうえでより大きな空間を必要とするが、より低コストで信頼性の高い簡単な機構となる点に留意されたい。
【0033】
図4は、診断カセット110が完全に捕捉及び保持された位置にある、閉位置の構成2を示している。
【0034】
図5は、構成1の更なる詳細を示す。ここでは、送りネジ105として構成されたシャフトが、セクター歯車リンク500を備えたラックナット103に螺入されている状態が示されおり、セクター歯車リンク500は、節A1によって形成された関節及びハウジング102に回転可能に接続され、ラックナット103のラック(図に示されていない)と噛合している。上記に述べたように、サーボモータ104のシャフトは送りネジに単純に接続することができる。具体的には、ホーキンスリンク機構107の要素の詳細は、(1)節A1によって形成された関節及びハウジング102に回転可能に接続されたセクター歯車リンク500、(2)セクター歯車リンク500とアームリンク501とを接続する節B1によって形成された第1の関節と、接続リンク502とアームリンク501とを接続する節B2によって形成された第2の関節の2個の関節を有するアームリンク(又は顎部材の組の半分)501、及び(3)アームリンク501と接続リンク502とを接続する節B2によって形成された第1の関節と、接続リンク502をハウジング102に回転可能に接続する節A2によって形成された第2の関節の2個の関節を有する接続リンク502である。ホーキンスリンク機構107の要素の関節は、(1)A1又はA2がハウジング102に回転可能にピン固定されたものとして定義されるタイプ、及び(2)B1又はB2が別のリンクに回転可能にピン固定された1つのリンクを有するものとして定義されるタイプの2つのタイプからなる点に留意することは重要である。したがって、ハウジング102に回転可能にピン固定されたセクター歯車リンク500及び接続リンク502は、これらが接続された点を中心として円を描くように回転のみ可能である。これに対して、アームリンク501は、アームリンク501の遠位端(又は1組の顎部材501の一方の要素の遠位端)がホーキンス運動503を辿るように自由に動くことができる。
【0035】
図6は、構成2の更なる詳細を示す。ここでは、送りネジ301として構成されたサーボモータのシャフトが駆動リンク300に螺入されている。上記に述べたように、サーボモータ104のシャフトは送りネジに単純に接続することができる。詳細には、この機構はわずか3個の機械的部品から構成される点に留意されたい。アームリンク302の近位端(又は顎部材の組の半分)は、節Cによって形成される並進スライダー関節によって駆動リンク300に接続され、更にアームリンク302は節Dによって形成される関節によってハウジング102に回転可能に接続されている。更に、上記の関節は、(1)Dがハウジング102に回転可能にピン固定されるリンクを有するものとして定義されるタイプ、及び(2)Cが別のリンクにピン固定された1つのリンクを有することにより接続部が一次元で自由に摺動できるものとして定義されるタイプの2つのタイプからなる点に留意することは重要である。したがって、アームリンク302は、駆動リンク300の上下動に応じて節Dにより形成される関節を中心として回転できるのみであるが、節Cによって形成されるアームリンク302との並進スライダー関節は水平方向に一次元で摺動することができる。
【0036】
図7は、ホーキンスリンク機構のカプラー曲線の概略図を示す。ホーキンス曲線700は、アームリンク701及び連結リンク702に連結されたセクター歯車リンク703の回転を通じてアームリンク701の遠位端(又は本発明では顎部材の要素の一方の遠位端)が辿るものである。リンク間の接続には2つのタイプがあり、タイプA1又はA2の接続はリンク要素がハウジング102に回転可能にピン固定されるものであり、タイプB1又はB2の接続は1つのリンクが別のリンクに接続されるものである。本発明においては、ホーキンス曲線の最も左側の部分のみが利用される点に留意されたい。
【0037】
図8は、顎部材の組109の1個の要素の詳細を示す。側面図では、顎部材の遠位端に切欠き800が切り込まれている点に留意されたい。この切欠き800は徐々にテーパしているために、顎部材の組109が閉じられる際、カセット110の壁の厚さよりも大きい切欠き800は、カセットが保持されている間、カセットの位置を中心に位置決めする傾向を有する。
【0038】
特に好ましい実施形態では、本発明に基づく装置は、免疫凝集反応に応じて形成される凝集塊を検出及び定量するシステム、すなわち免疫血液学的分析装置に特に適している。このようなシステムでは、ゲル又はガラスビーズの微小粒子が、マイクロカラムと呼ばれる小型のカラム内に入っている。抗IgGなどの試薬を、マイクロカラム中の希釈剤にディスペンスし、試験赤血球試料がカラムの上の反応室内に置く。次いで、通常、透明なカセット内に形成された複数のカラムの1つであるカラムを遠心する。カセットは、本発明に基づくカセット把持装置によって取り扱われる。このようなシステムについては、いずれも本明細書にその全容を援用するところの米国特許第5,681,530号、同第5,905,808号、及び同第5,911,000号に述べられている。カラム凝集法(CAT)において使用される一般的なカセットについては、上記に述べた米国特許第5,780,248号に述べられている。
【0039】
このようなシステムでは、保存ユニット中に保存されたカセット110がユニットの開口部の下においてディスペンス状態に動かされる。可動アームに取り付けられたカセット把持ユニットが、保存ユニットから取り出されるカセット110に重なり合うまで保存ユニットの方向に移動する。この後、把持ユニットは上記に述べたようにしてカセットと接触し、次いでカセットは把持ユニットの顎部材109によってクランプで挟まれるようにして掴まれる。この後、カセット110は保管ユニットから外に持ち上げられ、隣接するバーコードリーダーを通過させられてもよく、バーコードリーダーはカセットの適正な向きに関する情報、保管ユニットから所望のカセットが取り出されたこと、そのカセットが有効期限切れの日付となっていないこと、及び、カセットの通し番号及びロット番号に関する種々の情報を確認し、これらの情報をいずれもコンピュータのメモリーに送信して保存することができる。
【0040】
次いでカセット保持ユニットはカセット110をインキュベータに輸送する。この時点で、穿孔機によってカセットを覆った箔に1つ以上の穴を開ける。次いで血液及び試薬をカセット110内にディスペンスした後、これをインキュベートすることができる。
【0041】
次いで把持ユニットはカセットを遠心分離器に輸送し、遠心分離器は、例えば、最初に55gで2分間、更に199gで3分間スピンすることによって、各ウェル中の血液試料と試薬とを適当に混合することができる。遠心分離操作の完了後、把持部材が遠心分離されたカセットを掴んでこれを読み取りステーションに移送する。読み取りの完了後、カセットは処分される。
【0042】
上記の操作は、当業者には周知のコンピュータによるコンピュータプログラム制御に適合させられる。
【0043】
本発明の方法及びプロセスに対して様々な改変及び変更を行いうることは、当業者にとっては明白であろう。したがって、本発明は、このような改変例及び変形例を、それらが添付の「特許請求の範囲」及びその均等物の範囲に含まれるものとして包含するものとする。
【0044】
上記に引用したすべての刊行物の開示内容は、あたかもそれぞれが個別に援用されているものと同様にしてそれらの全容を本明細書に明確に援用するものである。
【0045】
〔実施の態様〕
(1) カセット形状の物品を把持するための装置であって、
支持ハウジングと、
前記支持体に対してX軸に沿って動くことができるリニアアクチュエータと、
それぞれが近位端と、前記カセット形状の物品を把持するために適合された遠位端とを有する、前記カセット形状の物品を把持するための1組の顎部材と、
前記各顎部材の近位端に配置された、各顎部材を前記リニアアクチュエータに接続するための可動節と、
前記各顎部材の前記近位端と遠位端との間に配置された、前記顎部材のそれぞれを前記支持体に接続するための、前記支持体に対して固定された節であって、前記顎部材上に間接的に配置され、リンク機構及び前記顎部材上の可動節を介して前記顎部材に接続された固定節と、を備え、
前記リニアアクチュエータの運動が、前記可動節にX軸及びY軸への運動を提供することにより、前記固定節を中心として前記顎部材を回転させる結果、前記顎部材が開閉する、装置。
(2) 歯が形成された側面を有するセクター歯車リンク機構と、前記歯が形成された側面から遠ざかる方向に延びるリンク機構であって、前記リンク機構の前記セクター歯車リンク機構と反対側の端部が前記可動節に連結された、リンク機構と、前記リニアアクチュエータ上のラックと、を更に備え、前記セクター歯車リンク機構の歯と前記ラックの歯とが噛合し、前記ラックの運動によって前記セクター歯車リンク機構が回転して前記リンク機構に運動を提供し、この運動が前記可動節を介して前記顎部材に運動を提供する、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記リニアアクチュエータがモータ及び前記モータによって駆動される回転可能な送りネジを含む、実施態様1に記載の装置。
(4) 1組の位置合わせダボと、
弾性ブロック(compliance block)と、
バネと、を更に備え、
前記カセットの捕捉が前記位置合わせダボによって案内され、前記カセット形状の物品の運動が前記弾性ブロック及びバネによって案内されることにより、前記カセット形状の物品に対する前記装置の起こりうる位置ずれを可能にする、実施態様1に記載の装置。
(5) 更に、前記1組の位置合わせダボが前記顎部材のそれぞれの遠位端付近において前記ハウジングの底部に取り付けられ、更に前記カセット形状の物品が捕捉された時点で前記カセット形状の物品によって当接されうるように配置されており、前記弾性ブロックが前記ハウジングの上端に配置され、更に前記バネが前記弾性ブロックの下に配置されることによって前記ハウジングの向きが偏向されうる、実施態様4に記載の装置。
【0046】
(6) カセット形状の物品を把持するための装置であって、
支持ハウジングと、
前記支持体に対してX軸に沿って動くことができるリニアアクチュエータと、
それぞれが近位端と、前記カセット形状の物品を把持するために適合された遠位端とを有する、前記カセット形状の物品を把持するための1組の顎部材と、
前記各顎部材の近位端に配置された、各顎部材を前記リニアアクチュエータに接続するための可動節と、
前記各顎部材の前記近位端と遠位端との間に配置された、前記顎部材のそれぞれを前記支持体に接続するための、前記支持体に対して固定された節であって、前記顎部材上に直接配置された固定節と、
前記リニアアクチュエータにその中心において接続された駆動リンク機構であって、前記中心の両側に細長いスロットを有し、前記可動節が前記スロット内に摺動可能に嵌合され、これにより、前記リニアアクチュエータの運動によって前記駆動リンク機構が動くことによって前記可動節に前記摺動運動に垂直な方向の直線運動が与えられ、これにより前記固定節を中心として前記顎部材が回転する結果、前記顎部材が開閉する、駆動リンク機構と、
前記顎部材のそれぞれの遠位端付近において前記ハウジングの底部に取り付けられた1組の位置合わせダボであって、前記カセット形状の物品が捕捉された時点で前記カセット形状の物品によって当接されうるように配置された1組の位置合わせダボと、を備え、
弾性ブロックが前記ハウジングの上端に配置され、
前記弾性ブロックの下にバネが配置されることにより、前記ハウジングがわずかに傾くことが可能であり、前記カセットの捕捉が前記位置合わせダボによって案内され、前記カセット形状の物品の運動が前記弾性ブロック及びバネによって案内されることにより、前記カセット形状の物品に対する前記装置の起こりうる位置ずれを可能にする、装置。
(7) 診断カセットを把持するための装置であって、
ハウジングと、
サーボモータと、
前記モータによって駆動される回転可能な送りネジと、
ラックナットと、
セクター歯車リンク機構と、
1組の顎部材と、を備え、
前記サーボモータへの起電力の印加により、前記送りネジが第1の方向に回転して前記ラックナットに第1の方向の直線運動を与える結果、前記セクター歯車リンク機構の反対方向への回転運動が生じることにより、前記1組の顎部材の所定の点までの内側への回転が生じ、これにより前記診断カセットが前記顎部材によって把持される、装置。
(8) 前記カセットが把持されると前記1組の顎部材が前記ハウジング内へと上方に引き込まれる、実施態様7に記載の装置。
(9) カセット形状の物品を把持するための方法であって、
支持ハウジングを提供することと、
前記支持体に対してX軸に沿って動くことができるリニアアクチュエータを提供することと、
それぞれが近位端と、前記カセット形状の物品を把持するために適合された遠位端とを有する、前記カセット形状の物品を把持するための1組の顎部材を提供することと、
前記各顎部材の近位端に配置された、各顎部材を前記リニアアクチュエータに接続するための可動節を提供することと、
前記各顎部材の前記近位端と遠位端との間に配置された、前記顎部材のそれぞれを前記支持体に接続するための、前記支持体に対して固定された節であって、前記顎部材上に間接的に配置され、リンク機構及び前記顎部材上の可動節を介して前記顎部材に接続された固定節を提供することと、
前記ハウジングを、把持しようとする前記カセット形状の物品の上に位置するように配置することと、
前記リニアアクチュエータを動かして前記可動節にX軸及びY軸への運動を提供することによって前記固定節を中心として前記顎部材が回転する結果、前記顎部材が閉じて前記カセット形状の物品を捕捉することと、を含む、方法。
(10) 歯が形成された側面を有するセクター歯車リンク機構と、前記歯が形成された側面から遠ざかる方向に延びるリンク機構であって、該リンク機構の前記セクター歯車リンク機構と反対側の端部が前記可動節に連結された、リンク機構と、前記リニアアクチュエータ上のラックと、を更に含み、前記セクター歯車リンク機構の歯と前記ラックの歯とが噛合し、前記ラックの運動によって前記セクター歯車リンク機構が回転して前記リンク機構に運動を与え、この運動が前記可動節を介して前記顎部材に運動を提供する、実施態様9に記載の方法。
【0047】
(11) 前記顎部材のそれぞれの遠位端付近において前記ハウジングの底部に取り付けられた1組の位置合わせダボであって、前記カセット形状の物品が捕捉された時点で前記カセット形状の物品によって当接されうる1組の位置合わせダボを提供することと、
前記ハウジングがわずかに傾くことができるように前記ハウジングの上端に配置される弾性ブロックと、前記弾性ブロックの下に配置されるバネとを提供することと、を更に含み、
前記カセットの捕捉が前記位置合わせダボによって案内され、前記カセット形状の物品の運動が前記弾性ブロック及びバネによって案内されることにより、前記カセット形状の物品に対する前記装置の起こりうる位置ずれを可能にする、実施態様10に記載の方法。
(12) カセット形状の物品を把持するための方法であって、
支持ハウジングを提供することと、
前記支持体に対してX軸に沿って動くことができるリニアアクチュエータを提供することと、
それぞれが近位端と、前記カセット形状の物品を把持するために適合された遠位端とを有する、前記カセット形状の物品を把持するための1組の顎部材を提供することと、
前記各顎部材の近位端に配置された、各顎部材を前記リニアアクチュエータに接続するための可動節を提供することと、
前記各顎部材の前記近位端と遠位端との間に配置された、前記顎部材のそれぞれを前記支持体に接続するための、前記支持体に対して固定された節であって、前記顎部材上に直接配置された固定節を提供することと、
前記リニアアクチュエータにその中心において接続された駆動リンク機構であって、前記中心の両側に細長いスロットを有し、前記可動節が前記スロット内に摺動可能に嵌合された、駆動リンク機構を提供することと、
前記顎部材のそれぞれの遠位端付近において前記ハウジングの底部に取り付けられた1組の位置合わせダボであって、前記カセット形状の物品が捕捉された時点で前記カセット形状の物品によって当接されうるように配置された1組の位置合わせダボを提供することと、
前記ハウジングの向きが偏向されるように前記ハウジングの上端に弾性ブロックを、更に前記弾性ブロックの下にバネを提供することと、
前記ハウジングを、把持しようとする前記カセット形状の物品の上に位置するように配置することと、
前記リニアアクチュエータを動かして前記駆動リンク機構を動かすことによって前記可動節に前記摺動運動と垂直な方向の直線運動を提供し、これにより前記固定節を中心として前記顎部材が回転する結果、前記顎部材が閉じて前記カセット形状の物品を捕捉することであって、前記カセットの捕捉が前記位置合わせダボによって案内され、前記カセット形状の物品の運動が前記弾性ブロック及びバネによって案内されることにより、前記カセット形状の物品に対する前記装置の起こりうる位置ずれを可能にする、ことと、を含む、方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カセット形状の物品を把持するための装置であって、
支持ハウジングと、
前記支持体に対してX軸に沿って動くことができるリニアアクチュエータと、
それぞれが近位端と、前記カセット形状の物品を把持するために適合された遠位端とを有する、前記カセット形状の物品を把持するための1組の顎部材と、
前記各顎部材の近位端に配置された、各顎部材を前記リニアアクチュエータに接続するための可動節と、
前記各顎部材の前記近位端と遠位端との間に配置された、前記顎部材のそれぞれを前記支持体に接続するための、前記支持体に対して固定された節であって、前記顎部材上に間接的に配置され、リンク機構及び前記顎部材上の可動節を介して前記顎部材に接続された固定節と、を備え、
前記リニアアクチュエータの運動が、前記可動節にX軸及びY軸への運動を提供することにより、前記固定節を中心として前記顎部材を回転させる結果、前記顎部材が開閉する、装置。
【請求項2】
歯が形成された側面を有するセクター歯車リンク機構と、前記歯が形成された側面から遠ざかる方向に延びるリンク機構であって、前記リンク機構の前記セクター歯車リンク機構と反対側の端部が前記可動節に連結された、リンク機構と、前記リニアアクチュエータ上のラックと、を更に備え、前記セクター歯車リンク機構の歯と前記ラックの歯とが噛合し、前記ラックの運動によって前記セクター歯車リンク機構が回転して前記リンク機構に運動を提供し、この運動が前記可動節を介して前記顎部材に運動を提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記リニアアクチュエータがモータ及び前記モータによって駆動される回転可能な送りネジを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
1組の位置合わせダボと、
弾性ブロックと、
バネと、を更に備え、
前記カセットの捕捉が前記位置合わせダボによって案内され、前記カセット形状の物品の運動が前記弾性ブロック及びバネによって案内されることにより、前記カセット形状の物品に対する前記装置の起こりうる位置ずれを可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
更に、前記1組の位置合わせダボが前記顎部材のそれぞれの遠位端付近において前記ハウジングの底部に取り付けられ、更に前記カセット形状の物品が捕捉された時点で前記カセット形状の物品によって当接されうるように配置されており、前記弾性ブロックが前記ハウジングの上端に配置され、更に前記バネが前記弾性ブロックの下に配置されることによって前記ハウジングの向きが偏向されうる、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
カセット形状の物品を把持するための装置であって、
支持ハウジングと、
前記支持体に対してX軸に沿って動くことができるリニアアクチュエータと、
それぞれが近位端と、前記カセット形状の物品を把持するために適合された遠位端とを有する、前記カセット形状の物品を把持するための1組の顎部材と、
前記各顎部材の近位端に配置された、各顎部材を前記リニアアクチュエータに接続するための可動節と、
前記各顎部材の前記近位端と遠位端との間に配置された、前記顎部材のそれぞれを前記支持体に接続するための、前記支持体に対して固定された節であって、前記顎部材上に直接配置された固定節と、
前記リニアアクチュエータにその中心において接続された駆動リンク機構であって、前記中心の両側に細長いスロットを有し、前記可動節が前記スロット内に摺動可能に嵌合され、これにより、前記リニアアクチュエータの運動によって前記駆動リンク機構が動くことによって前記可動節に前記摺動運動に垂直な方向の直線運動が与えられ、これにより前記固定節を中心として前記顎部材が回転する結果、前記顎部材が開閉する、駆動リンク機構と、
前記顎部材のそれぞれの遠位端付近において前記ハウジングの底部に取り付けられた1組の位置合わせダボであって、前記カセット形状の物品が捕捉された時点で前記カセット形状の物品によって当接されうるように配置された1組の位置合わせダボと、を備え、
弾性ブロックが前記ハウジングの上端に配置され、
前記弾性ブロックの下にバネが配置されることにより、前記ハウジングがわずかに傾くことが可能であり、前記カセットの捕捉が前記位置合わせダボによって案内され、前記カセット形状の物品の運動が前記弾性ブロック及びバネによって案内されることにより、前記カセット形状の物品に対する前記装置の起こりうる位置ずれを可能にする、装置。
【請求項7】
診断カセットを把持するための装置であって、
ハウジングと、
サーボモータと、
前記モータによって駆動される回転可能な送りネジと、
ラックナットと、
セクター歯車リンク機構と、
1組の顎部材と、を備え、
前記サーボモータへの起電力の印加により、前記送りネジが第1の方向に回転して前記ラックナットに第1の方向の直線運動を与える結果、前記セクター歯車リンク機構の反対方向への回転運動が生じることにより、前記1組の顎部材の所定の点までの内側への回転が生じ、これにより前記診断カセットが前記顎部材によって把持される、装置。
【請求項8】
前記カセットが把持されると前記1組の顎部材が前記ハウジング内へと上方に引き込まれる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
カセット形状の物品を把持するための方法であって、
支持ハウジングを提供することと、
前記支持体に対してX軸に沿って動くことができるリニアアクチュエータを提供することと、
それぞれが近位端と、前記カセット形状の物品を把持するために適合された遠位端とを有する、前記カセット形状の物品を把持するための1組の顎部材を提供することと、
前記各顎部材の近位端に配置された、各顎部材を前記リニアアクチュエータに接続するための可動節を提供することと、
前記各顎部材の前記近位端と遠位端との間に配置された、前記顎部材のそれぞれを前記支持体に接続するための、前記支持体に対して固定された節であって、前記顎部材上に間接的に配置され、リンク機構及び前記顎部材上の可動節を介して前記顎部材に接続された固定節を提供することと、
前記ハウジングを、把持しようとする前記カセット形状の物品の上に位置するように配置することと、
前記リニアアクチュエータを動かして前記可動節にX軸及びY軸への運動を提供することによって前記固定節を中心として前記顎部材が回転する結果、前記顎部材が閉じて前記カセット形状の物品を捕捉することと、を含む、方法。
【請求項10】
歯が形成された側面を有するセクター歯車リンク機構と、前記歯が形成された側面から遠ざかる方向に延びるリンク機構であって、該リンク機構の前記セクター歯車リンク機構と反対側の端部が前記可動節に連結された、リンク機構と、前記リニアアクチュエータ上のラックと、を更に含み、前記セクター歯車リンク機構の歯と前記ラックの歯とが噛合し、前記ラックの運動によって前記セクター歯車リンク機構が回転して前記リンク機構に運動を与え、この運動が前記可動節を介して前記顎部材に運動を提供する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記顎部材のそれぞれの遠位端付近において前記ハウジングの底部に取り付けられた1組の位置合わせダボであって、前記カセット形状の物品が捕捉された時点で前記カセット形状の物品によって当接されうる1組の位置合わせダボを提供することと、
前記ハウジングがわずかに傾くことができるように前記ハウジングの上端に配置される弾性ブロックと、前記弾性ブロックの下に配置されるバネとを提供することと、を更に含み、
前記カセットの捕捉が前記位置合わせダボによって案内され、前記カセット形状の物品の運動が前記弾性ブロック及びバネによって案内されることにより、前記カセット形状の物品に対する前記装置の起こりうる位置ずれを可能にする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
カセット形状の物品を把持するための方法であって、
支持ハウジングを提供することと、
前記支持体に対してX軸に沿って動くことができるリニアアクチュエータを提供することと、
それぞれが近位端と、前記カセット形状の物品を把持するために適合された遠位端とを有する、前記カセット形状の物品を把持するための1組の顎部材を提供することと、
前記各顎部材の近位端に配置された、各顎部材を前記リニアアクチュエータに接続するための可動節を提供することと、
前記各顎部材の前記近位端と遠位端との間に配置された、前記顎部材のそれぞれを前記支持体に接続するための、前記支持体に対して固定された節であって、前記顎部材上に直接配置された固定節を提供することと、
前記リニアアクチュエータにその中心において接続された駆動リンク機構であって、前記中心の両側に細長いスロットを有し、前記可動節が前記スロット内に摺動可能に嵌合された、駆動リンク機構を提供することと、
前記顎部材のそれぞれの遠位端付近において前記ハウジングの底部に取り付けられた1組の位置合わせダボであって、前記カセット形状の物品が捕捉された時点で前記カセット形状の物品によって当接されうるように配置された1組の位置合わせダボを提供することと、
前記ハウジングの向きが偏向されるように前記ハウジングの上端に弾性ブロックを、更に前記弾性ブロックの下にバネを提供することと、
前記ハウジングを、把持しようとする前記カセット形状の物品の上に位置するように配置することと、
前記リニアアクチュエータを動かして前記駆動リンク機構を動かすことによって前記可動節に前記摺動運動と垂直な方向の直線運動を提供し、これにより前記固定節を中心として前記顎部材が回転する結果、前記顎部材が閉じて前記カセット形状の物品を捕捉することであって、前記カセットの捕捉が前記位置合わせダボによって案内され、前記カセット形状の物品の運動が前記弾性ブロック及びバネによって案内されることにより、前記カセット形状の物品に対する前記装置の起こりうる位置ずれを可能にする、ことと、を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−82062(P2013−82062A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−224806(P2012−224806)
【出願日】平成24年10月10日(2012.10.10)
【出願人】(511093409)オーソ−クリニカル・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】Ortho−Clinical Diagnostics, Inc.
【住所又は居所原語表記】1001 U.S. Route 202, Raritan, New Jersey 08869, United States of America
【Fターム(参考)】