診療用キャビネットにおける蒸気ダクト取付構造
【目的】 高圧蒸気滅菌器から排出される蒸気がキャビネット本体内に充満しないように、蒸気を外部に効率良く排出させることを目的とする。
【構成】 高圧蒸気滅菌器8等が収容される診療用キャビネット1において、該キャビネット1の本体天板1a内面に、前方が開口されたダクト2もしくは9の下面後方に高圧蒸気滅菌器8の排出口8aと接合すべく孔2aを設ける。又、高圧蒸気滅菌器8の排出口8aと接合すべく適宜位置を変更し得る孔9cを設ける。又、ダクト2もしくは9の適宜個所に強制ファンを設けるようにする。
【構成】 高圧蒸気滅菌器8等が収容される診療用キャビネット1において、該キャビネット1の本体天板1a内面に、前方が開口されたダクト2もしくは9の下面後方に高圧蒸気滅菌器8の排出口8aと接合すべく孔2aを設ける。又、高圧蒸気滅菌器8の排出口8aと接合すべく適宜位置を変更し得る孔9cを設ける。又、ダクト2もしくは9の適宜個所に強制ファンを設けるようにする。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、医療・歯科で使用される高圧蒸気滅菌器を収容する診療用キャビネットの蒸気ダクト取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、医療または歯科で使用する治療器具等は衛生上の問題で、これら器具等を滅菌するように義務付けられており、その一つの手段として、高圧で蒸気を発生させて滅菌を行う高圧蒸気滅菌器がある。
この高圧蒸気滅菌器は、器具等が収容された圧力釜内に注水される水を加熱させ圧力釜内を加圧し、一定時間滅菌するようにしている。
水は水タンクから一定量注水された後加熱されると、圧力釜内の水は熱湯となり、この加熱された水は加圧された圧力によって、滅菌終了後に再度水タンク内に戻る。
【0003】
この高圧蒸気滅菌器はこの工程を繰り返しているため、水タンク内の水は熱湯となって水タンク内は蒸気が発生する。
従って、水タンク内の蒸気を排出させてやらなければならない構造となっている。
そこで、高圧蒸気滅菌器は、診療用キャビネットの天板上に載置した状態で使用されるか、またキャビネット内に収容されて使用される場合と、ほぼ2通り方法がある。
【0004】
天板上に載置して使用する場合、作業スペースが小さくなることも有って、キャビネット内に収納されて使用されるケースが多いが、この場合の蒸気の処理方法が問題となっている。
キャビネット内に高圧蒸気滅菌器を組み込んだ場合、高圧蒸気滅菌器から排出された蒸気がキャビネット本体内部に排出されているだけのものはある。
また、キャビネットの天板に孔をあけて蒸気を逃がす構造のもの、またはキャビネット内面にステンレス板を施しているものもある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
上述したように、従来の診療用キャビネットにおける高圧蒸気滅菌器より発生する蒸気の排出では、キャビネット内に高圧蒸気滅菌器から排出される蒸気がキャビネット本体内に充満し湿気を帯びることとなり、キャビネットを構成している化粧板や金具が腐食したりあるいはサビが生じるなどの問題がある。
【0006】
また、キャビネットの天板に孔をあけて蒸気を逃がす構造のものについても、同様に、キャビネット内の腐食や金具のサビなどを回避できない問題があった。
さらにキャビネット内部に蒸気が排出される部分にステンレス板等を施しているものについてもキャビネット内に蒸気が充満するといった問題は解決されていない。
【0007】
本考案は、前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、高圧蒸気滅菌器から排出される蒸気がキャビネット本体内に充満しないように、蒸気を外部に排出させるためのダクトを設け、且つ高圧蒸気滅菌器から排出される蒸気を外部に効率良く排出させる。
さらには、高圧蒸気滅菌器の排出口の位置の相違に対してもそれぞれ対応できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案の診療用キャビネットにおける蒸気ダクト取付構造は、前記目的を達成せんとするもので、その手段としては、高圧蒸気滅菌器等が収容される医療用・歯科用キャビネットにおいて、該キャビネットの本体天板内面に取付けられ前方に開口部を有するダクトの下面後方に、前記高圧蒸気滅菌器の排出口と接合すべく孔を設ける。
【0009】
また、高圧蒸気滅菌器等が収容される医療用・歯科用キャビネットにおいて、該キャビネットの本体天板内面に、前後面が開口される筒体と、前方部が開口し且つ該筒体内に摺動可能に嵌挿される筒体で形成されるダクトと、前記摺動する筒体の下面後方に、前記高圧蒸気滅菌器の排出口と接合すべく孔を設ける。
さらには前記ダクトの適宜個所に強制ファンを設けるようにする。
【0010】
【作用】
前記した如く構成した本考案の診療用キャビネットにおける蒸気ダクト取付構造は、該ダクトに設けられる孔と高圧蒸気滅菌器の蒸気が排出する排水口に接合させて取付けられているため、高圧蒸気滅菌器から排出される蒸気は該ダクトの孔から排出され、ダクト内を通って、キャビネット前面に施される開口部から外部に排出されるようになっている。
【0011】
また、前記ダクトが鞘方式になっているため、高圧蒸気滅菌器の排出口がどの位置にあっても該ダクトの孔は高圧蒸気滅菌器の排出口に接合できる。
さらに、前記ダクトの適宜個所に蒸気を外部に送り込むまたは吸い込むための排出用の強制ファンを設けているため、蒸気を効率良く外部に排出することができる。
【0012】
【実施例】
以下、本考案に係る診療用キャビネットにおける蒸気ダクト取付構造の実施例を図1〜図10と共に説明する。
図1は診療用キャビネット天板内面に蒸気ダクトが取付けられた状態の縦断面図、図2は診療用キャビネット天板内面に蒸気ダクトが取付けられた状態図の平面図、図3は診療用キャビネットの正面図である。
図4は第2実施例のスライド式の蒸気ダクトが取付けられた状態の縦断面図、図5は第2実施例のスライド式の蒸気ダクトが伸長した状態の縦断面図である。
図6は第3実施例のファンが取り付いた状態の縦断面図、図7は第4実施例のファンが取り付いた状態の縦断面図、図8は第4実施例のファンが取り付いた状態の平面図、図9は第4実施例のスライド式の蒸気ダクトが伸長しファンが取り付いた状態の縦断面図、図10は第5実施例のファンが取り付いた状態の縦断面図である。
【0013】
第1の実施例について、図1から図3と共に説明すると、1はキャビネット本体、1aはキャビネット本体1を構成する天板、2は耐熱性樹脂等で形成され前面が開口した筒形状を成したダクトであり、該ダクト2の下面部には孔2aが設けられている。
3及び5は取付座で4及び6は前記ダクト2を保持する取付ブラケットであり、ダクト2の後端部を取付座3及び取付ブラケット4で、前端部を取付座5及び取付ブラケット6で前記天板1aの内面に固定して取り付けるようにしている。
また取付ブラケット6の前面部は開口部6aを有している。
【0014】
7は載置台で高圧蒸気滅菌器8が載置されている。
高圧蒸気滅菌器8は、蒸気が排出される排出口8a、蒸気を前記排出口8aに誘導するための蒸気ダクト8b、水が溜められている水タンク8c、圧力釜を形成する圧力釜カバー8d、水を圧力釜8d内に注水するためのバルブ8e、注水された水を加熱するヒーター8f、前記水の水位を検知するための水位センサ8g、滅菌される治療器具等が載置される棚8h及び開閉扉8iで構成されている。
【0015】
以上の構成によって、治療器具等を滅菌させようとする時は、水タンク8c内の水が一定時間バルブ8eの開によって圧力釜内に注水される。
前記した水位センサ8gによって圧力釜内に一定量の水が注水されると、ヒーター8fによって水が加熱されて加圧滅菌され、滅菌終了後、該バルブ8eが開となる。
圧力釜内の水は熱湯となっているため、この加熱された水は加圧された圧力によって再度水タンク8c内に戻るようになっている。
この工程を繰り返しているため、水タンク8c内の水は熱湯となって水タンク8c内は蒸気が発生しこの蒸気を外部に排出させてやらなければならない構造となっている。
【0016】
従って、水タンク8cから排出される蒸気は蒸気ダクト8bを通って、排出口8aから排出される。
これを受け、本考案のダクト2に設けられる孔2aを通ってダクト2内に入り、ダクト2が保持される取付ブラケット6の前面ブラケットに設けられる開口部から外部へ排出される。
【0017】
次に、第2の実施例について、図4及び図5と共に説明すると、9aは耐熱性樹脂等で形成され前面部及び後端部が開口した筒体であり、前面部にて取付座5及び取付ブラケット6で天板1aの内面に取付けられている。
また前記筒体9aに嵌挿されて前方部が開口した筒体9bが設けられダクト9を形成している。また筒体9bの下面には孔9cが設けられている。
前記した高圧蒸気滅菌器8の排出口8aの位置に該筒体9bの孔9cを接合させた位置で取付座3及び取付ブラケット4で天板1aの内面に取付られている。
【0018】
従って、排出口8aが高圧蒸気滅菌器8のどの位置にあっても、ダクト9の孔9cは適宜接合させることができ、高圧蒸気滅菌器8から排出される蒸気を外部に排出することができる。
10はダクト9を保持補強するための補強ブラケットであり、適宜補強することができる。
第3の実施例について、図6と共に説明すると、ダクト2は、第1の実施例のものと同一のものが取付けられており、その説明については省略する。
第3の実施例のものは、第1の実施例に示すダクト2の他にダクト2の下部に蒸気排出用の強制ファン11を設けている。
【0019】
これによって、高圧蒸気滅菌器8から誘導された蒸気は強制フアン11によって強制的にダクト2内に送られ、開口部6aから排出されるようになる。
第4の実施例について、図7から図9と共に説明すると、ダクト9を形成する筒体9bの下面に第3の実施例のものと同様、強制ファン11が設けられている。
【0020】
以上の構成になっているため、高圧蒸気滅菌器8から排出される蒸気はキャビネット本体1内に充満することなく、本考案のダクト2又は9内を通って外部に排出されるためキャビネット本体1を形成する化粧板や取付金具などの腐食やサビを生じさせることはない。
第3及び第4の実施例では、ダクト2又はダクト9を形成する角筒9bの下面に設けた強制ファン11を示したが、図10に示すように、前記ダクト2又はダクト9の適宜個所にも取付けることができ変更し得るものである。
さらには、前記取付座3又は5を天板1aの内面にダクト2及び9に対して平行にスライドさせることによって取付けも容易となり適宜変更し得るものである。
【0021】
【考案の効果】
本考案の診療用キャビネットにおける蒸気ダクト取付構造は以上のように構成されているので、高圧蒸気滅菌器より排出する蒸気はキャビネット本体内に充満することはなくキャビネットを構成している化粧板や金具が腐食したりあるいはサビが生じることはない。
また強制ファンを取り付けることにより高圧蒸気滅菌器から排出される蒸気を外部に効率良く排出させることができる。
さらには高圧蒸気滅菌器の位置が相違するそれぞれの排出口に対しても対応することができ汎用としても使用でき効率の良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】診療用キャビネット天板内面に蒸気ダクトが取付けられた状態の縦断面図である。
【図2】診療用キャビネット天板内面に蒸気ダクトが取付けられた状態図の平面図である。
【図3】診療用キャビネットの正面図である。
【図4】第2実施例のスライド式の蒸気ダクトが取付けられた状態の縦断面図である。
【図5】第2実施例のスライド式の蒸気ダクトが伸長した状態の縦断面図である。
【図6】第3実施例のファンが取り付いた状態の縦断面図である。
【図7】第4実施例のファンが取り付いた状態の縦断面図である。
【図8】第4実施例のファンが取り付いた状態の平面図である。
【図9】第4実施例のスライド式の蒸気ダクトが伸長しファンが取り付いた状態の縦断面図である。
【図10】第5実施例のファンが取り付いた状態の縦断面図である。
【符号の説明】
1 キャビネット本体
1a 天板
2、9 ダクト
2a、9c 孔
3、5 取付座
4、6 取付ブラケット
8 高圧蒸気滅菌器
8a 排出口
8b 蒸気ダクト
8c 水タンク
8d 圧力釜カバー
8e バルブ
8f ヒーター
8g 水位センサ
8h 棚
8i 開閉扉
9a、9b 筒体
11、12 強制ファン
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、医療・歯科で使用される高圧蒸気滅菌器を収容する診療用キャビネットの蒸気ダクト取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、医療または歯科で使用する治療器具等は衛生上の問題で、これら器具等を滅菌するように義務付けられており、その一つの手段として、高圧で蒸気を発生させて滅菌を行う高圧蒸気滅菌器がある。
この高圧蒸気滅菌器は、器具等が収容された圧力釜内に注水される水を加熱させ圧力釜内を加圧し、一定時間滅菌するようにしている。
水は水タンクから一定量注水された後加熱されると、圧力釜内の水は熱湯となり、この加熱された水は加圧された圧力によって、滅菌終了後に再度水タンク内に戻る。
【0003】
この高圧蒸気滅菌器はこの工程を繰り返しているため、水タンク内の水は熱湯となって水タンク内は蒸気が発生する。
従って、水タンク内の蒸気を排出させてやらなければならない構造となっている。
そこで、高圧蒸気滅菌器は、診療用キャビネットの天板上に載置した状態で使用されるか、またキャビネット内に収容されて使用される場合と、ほぼ2通り方法がある。
【0004】
天板上に載置して使用する場合、作業スペースが小さくなることも有って、キャビネット内に収納されて使用されるケースが多いが、この場合の蒸気の処理方法が問題となっている。
キャビネット内に高圧蒸気滅菌器を組み込んだ場合、高圧蒸気滅菌器から排出された蒸気がキャビネット本体内部に排出されているだけのものはある。
また、キャビネットの天板に孔をあけて蒸気を逃がす構造のもの、またはキャビネット内面にステンレス板を施しているものもある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
上述したように、従来の診療用キャビネットにおける高圧蒸気滅菌器より発生する蒸気の排出では、キャビネット内に高圧蒸気滅菌器から排出される蒸気がキャビネット本体内に充満し湿気を帯びることとなり、キャビネットを構成している化粧板や金具が腐食したりあるいはサビが生じるなどの問題がある。
【0006】
また、キャビネットの天板に孔をあけて蒸気を逃がす構造のものについても、同様に、キャビネット内の腐食や金具のサビなどを回避できない問題があった。
さらにキャビネット内部に蒸気が排出される部分にステンレス板等を施しているものについてもキャビネット内に蒸気が充満するといった問題は解決されていない。
【0007】
本考案は、前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、高圧蒸気滅菌器から排出される蒸気がキャビネット本体内に充満しないように、蒸気を外部に排出させるためのダクトを設け、且つ高圧蒸気滅菌器から排出される蒸気を外部に効率良く排出させる。
さらには、高圧蒸気滅菌器の排出口の位置の相違に対してもそれぞれ対応できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案の診療用キャビネットにおける蒸気ダクト取付構造は、前記目的を達成せんとするもので、その手段としては、高圧蒸気滅菌器等が収容される医療用・歯科用キャビネットにおいて、該キャビネットの本体天板内面に取付けられ前方に開口部を有するダクトの下面後方に、前記高圧蒸気滅菌器の排出口と接合すべく孔を設ける。
【0009】
また、高圧蒸気滅菌器等が収容される医療用・歯科用キャビネットにおいて、該キャビネットの本体天板内面に、前後面が開口される筒体と、前方部が開口し且つ該筒体内に摺動可能に嵌挿される筒体で形成されるダクトと、前記摺動する筒体の下面後方に、前記高圧蒸気滅菌器の排出口と接合すべく孔を設ける。
さらには前記ダクトの適宜個所に強制ファンを設けるようにする。
【0010】
【作用】
前記した如く構成した本考案の診療用キャビネットにおける蒸気ダクト取付構造は、該ダクトに設けられる孔と高圧蒸気滅菌器の蒸気が排出する排水口に接合させて取付けられているため、高圧蒸気滅菌器から排出される蒸気は該ダクトの孔から排出され、ダクト内を通って、キャビネット前面に施される開口部から外部に排出されるようになっている。
【0011】
また、前記ダクトが鞘方式になっているため、高圧蒸気滅菌器の排出口がどの位置にあっても該ダクトの孔は高圧蒸気滅菌器の排出口に接合できる。
さらに、前記ダクトの適宜個所に蒸気を外部に送り込むまたは吸い込むための排出用の強制ファンを設けているため、蒸気を効率良く外部に排出することができる。
【0012】
【実施例】
以下、本考案に係る診療用キャビネットにおける蒸気ダクト取付構造の実施例を図1〜図10と共に説明する。
図1は診療用キャビネット天板内面に蒸気ダクトが取付けられた状態の縦断面図、図2は診療用キャビネット天板内面に蒸気ダクトが取付けられた状態図の平面図、図3は診療用キャビネットの正面図である。
図4は第2実施例のスライド式の蒸気ダクトが取付けられた状態の縦断面図、図5は第2実施例のスライド式の蒸気ダクトが伸長した状態の縦断面図である。
図6は第3実施例のファンが取り付いた状態の縦断面図、図7は第4実施例のファンが取り付いた状態の縦断面図、図8は第4実施例のファンが取り付いた状態の平面図、図9は第4実施例のスライド式の蒸気ダクトが伸長しファンが取り付いた状態の縦断面図、図10は第5実施例のファンが取り付いた状態の縦断面図である。
【0013】
第1の実施例について、図1から図3と共に説明すると、1はキャビネット本体、1aはキャビネット本体1を構成する天板、2は耐熱性樹脂等で形成され前面が開口した筒形状を成したダクトであり、該ダクト2の下面部には孔2aが設けられている。
3及び5は取付座で4及び6は前記ダクト2を保持する取付ブラケットであり、ダクト2の後端部を取付座3及び取付ブラケット4で、前端部を取付座5及び取付ブラケット6で前記天板1aの内面に固定して取り付けるようにしている。
また取付ブラケット6の前面部は開口部6aを有している。
【0014】
7は載置台で高圧蒸気滅菌器8が載置されている。
高圧蒸気滅菌器8は、蒸気が排出される排出口8a、蒸気を前記排出口8aに誘導するための蒸気ダクト8b、水が溜められている水タンク8c、圧力釜を形成する圧力釜カバー8d、水を圧力釜8d内に注水するためのバルブ8e、注水された水を加熱するヒーター8f、前記水の水位を検知するための水位センサ8g、滅菌される治療器具等が載置される棚8h及び開閉扉8iで構成されている。
【0015】
以上の構成によって、治療器具等を滅菌させようとする時は、水タンク8c内の水が一定時間バルブ8eの開によって圧力釜内に注水される。
前記した水位センサ8gによって圧力釜内に一定量の水が注水されると、ヒーター8fによって水が加熱されて加圧滅菌され、滅菌終了後、該バルブ8eが開となる。
圧力釜内の水は熱湯となっているため、この加熱された水は加圧された圧力によって再度水タンク8c内に戻るようになっている。
この工程を繰り返しているため、水タンク8c内の水は熱湯となって水タンク8c内は蒸気が発生しこの蒸気を外部に排出させてやらなければならない構造となっている。
【0016】
従って、水タンク8cから排出される蒸気は蒸気ダクト8bを通って、排出口8aから排出される。
これを受け、本考案のダクト2に設けられる孔2aを通ってダクト2内に入り、ダクト2が保持される取付ブラケット6の前面ブラケットに設けられる開口部から外部へ排出される。
【0017】
次に、第2の実施例について、図4及び図5と共に説明すると、9aは耐熱性樹脂等で形成され前面部及び後端部が開口した筒体であり、前面部にて取付座5及び取付ブラケット6で天板1aの内面に取付けられている。
また前記筒体9aに嵌挿されて前方部が開口した筒体9bが設けられダクト9を形成している。また筒体9bの下面には孔9cが設けられている。
前記した高圧蒸気滅菌器8の排出口8aの位置に該筒体9bの孔9cを接合させた位置で取付座3及び取付ブラケット4で天板1aの内面に取付られている。
【0018】
従って、排出口8aが高圧蒸気滅菌器8のどの位置にあっても、ダクト9の孔9cは適宜接合させることができ、高圧蒸気滅菌器8から排出される蒸気を外部に排出することができる。
10はダクト9を保持補強するための補強ブラケットであり、適宜補強することができる。
第3の実施例について、図6と共に説明すると、ダクト2は、第1の実施例のものと同一のものが取付けられており、その説明については省略する。
第3の実施例のものは、第1の実施例に示すダクト2の他にダクト2の下部に蒸気排出用の強制ファン11を設けている。
【0019】
これによって、高圧蒸気滅菌器8から誘導された蒸気は強制フアン11によって強制的にダクト2内に送られ、開口部6aから排出されるようになる。
第4の実施例について、図7から図9と共に説明すると、ダクト9を形成する筒体9bの下面に第3の実施例のものと同様、強制ファン11が設けられている。
【0020】
以上の構成になっているため、高圧蒸気滅菌器8から排出される蒸気はキャビネット本体1内に充満することなく、本考案のダクト2又は9内を通って外部に排出されるためキャビネット本体1を形成する化粧板や取付金具などの腐食やサビを生じさせることはない。
第3及び第4の実施例では、ダクト2又はダクト9を形成する角筒9bの下面に設けた強制ファン11を示したが、図10に示すように、前記ダクト2又はダクト9の適宜個所にも取付けることができ変更し得るものである。
さらには、前記取付座3又は5を天板1aの内面にダクト2及び9に対して平行にスライドさせることによって取付けも容易となり適宜変更し得るものである。
【0021】
【考案の効果】
本考案の診療用キャビネットにおける蒸気ダクト取付構造は以上のように構成されているので、高圧蒸気滅菌器より排出する蒸気はキャビネット本体内に充満することはなくキャビネットを構成している化粧板や金具が腐食したりあるいはサビが生じることはない。
また強制ファンを取り付けることにより高圧蒸気滅菌器から排出される蒸気を外部に効率良く排出させることができる。
さらには高圧蒸気滅菌器の位置が相違するそれぞれの排出口に対しても対応することができ汎用としても使用でき効率の良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】診療用キャビネット天板内面に蒸気ダクトが取付けられた状態の縦断面図である。
【図2】診療用キャビネット天板内面に蒸気ダクトが取付けられた状態図の平面図である。
【図3】診療用キャビネットの正面図である。
【図4】第2実施例のスライド式の蒸気ダクトが取付けられた状態の縦断面図である。
【図5】第2実施例のスライド式の蒸気ダクトが伸長した状態の縦断面図である。
【図6】第3実施例のファンが取り付いた状態の縦断面図である。
【図7】第4実施例のファンが取り付いた状態の縦断面図である。
【図8】第4実施例のファンが取り付いた状態の平面図である。
【図9】第4実施例のスライド式の蒸気ダクトが伸長しファンが取り付いた状態の縦断面図である。
【図10】第5実施例のファンが取り付いた状態の縦断面図である。
【符号の説明】
1 キャビネット本体
1a 天板
2、9 ダクト
2a、9c 孔
3、5 取付座
4、6 取付ブラケット
8 高圧蒸気滅菌器
8a 排出口
8b 蒸気ダクト
8c 水タンク
8d 圧力釜カバー
8e バルブ
8f ヒーター
8g 水位センサ
8h 棚
8i 開閉扉
9a、9b 筒体
11、12 強制ファン
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 高圧蒸気滅菌器等が収容される医療用・歯科用キャビネットにおいて、該キャビネットの本体天板内面に取付けられ前方に開口部を有するダクトの下面後方に、前記高圧蒸気滅菌器の排出口と接合すべく孔を設けたことを特徴とする診療用キャビネットにおける蒸気ダクト取付構造。
【請求項2】 高圧蒸気滅菌器等が収容される医療用・歯科用キャビネットにおいて、該キャビネットの本体天板内面に、前後面が開口される筒体と、前方部が開口し且つ該筒体内に摺動可能に嵌挿される筒体で形成されるダクトと、前記摺動する筒体の下面後方に、前記高圧蒸気滅菌器の排出口と接合すべく孔を設けたことを特徴とする診療用キャビネットにおける蒸気ダクト取付構造。
【請求項3】 前記ダクトの適宜個所に強制ファンを設けたことを特徴とする請求項1ないしは2に記載の診療用キャビネットにおける蒸気ダクト取付構造。
【請求項1】 高圧蒸気滅菌器等が収容される医療用・歯科用キャビネットにおいて、該キャビネットの本体天板内面に取付けられ前方に開口部を有するダクトの下面後方に、前記高圧蒸気滅菌器の排出口と接合すべく孔を設けたことを特徴とする診療用キャビネットにおける蒸気ダクト取付構造。
【請求項2】 高圧蒸気滅菌器等が収容される医療用・歯科用キャビネットにおいて、該キャビネットの本体天板内面に、前後面が開口される筒体と、前方部が開口し且つ該筒体内に摺動可能に嵌挿される筒体で形成されるダクトと、前記摺動する筒体の下面後方に、前記高圧蒸気滅菌器の排出口と接合すべく孔を設けたことを特徴とする診療用キャビネットにおける蒸気ダクト取付構造。
【請求項3】 前記ダクトの適宜個所に強制ファンを設けたことを特徴とする請求項1ないしは2に記載の診療用キャビネットにおける蒸気ダクト取付構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図8】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図8】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【登録番号】第3010754号
【登録日】平成7年(1995)2月22日
【発行日】平成7年(1995)5月9日
【考案の名称】診療用キャビネットにおける蒸気ダクト取付構造
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−15127
【出願日】平成6年(1994)10月31日
【出願人】(000108672)タカラベルモント株式会社 (113)
【登録日】平成7年(1995)2月22日
【発行日】平成7年(1995)5月9日
【考案の名称】診療用キャビネットにおける蒸気ダクト取付構造
【国際特許分類】
【出願番号】実願平6−15127
【出願日】平成6年(1994)10月31日
【出願人】(000108672)タカラベルモント株式会社 (113)
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