説明

評価決定システム及び評価決定方法

【課題】 任意の評価依頼内容に対する比較データや第三者の評価をリアルタイムに取得して、その評価結果データに基づく比較判定を行うことによって、評価依頼内容に対する評価を決定できるようにする。
【解決手段】 主体側の評価決定装置1において、客観的又は相対的な評価を得たい評価依頼内容を決定して、ネットワーク3を介してP2P通信によって接続された客体側評価決定補助装置2a、2bに対して、その評価依頼内容への評価を行うよう要求する。客体側評価決定補助装置は、その評価依頼内容への評価や、評価を行うためのデータを取得して、主体側の評価決定装置に対して返答する。主体側の評価決定装置は、客体側評価決定補助装置から受けたデータや、主体側の評価決定装置が存在するローカルな環境に係るデータなどに基づいて、評価依頼内容に対する評価を決定し、その評価結果を表示部13や音声出力部14を通じて、ユーザに報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、評価対象の評価処理を実施し、この評価結果を分析して結論を出し、この結論をユーザに報知するための評価決定システム及び評価決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、インターネット上に開設されたオークションサイトなどでは、評価依頼内容(対象商品)に対する入札が繰り返されることによって、徐々に評価依頼内容に対する評価が定まり、最終的には市場原理に従った客観的な価格の設定(落札価格の決定)が行われるようになっている。すなわち、オークションサイトでは、第三者による入札行為によって、任意の評価依頼内容に対する評価が落札価格として決定される評価方法が採用されている。
【0003】
また、例えば、下記の特許文献1には、客観的な評価が困難な無体財産(アイデアや発明など)などを対象商品とし、その対象商品を第三者が自由に閲覧可能なインターネット上に開示して入札を募り、最終的に入札が最も多くなった価格をその対象商品に対する客観的な評価結果とみなす市場評価方法が開示されている。
【特許文献1】特開2002−49789号公報(段落0023−0027、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、インターネットなどの通信を利用した従来の評価方法では、以下の問題がある。
(1)特定のWebサーバが提供するWebページなどによって制限された評価依頼内容についてのみしか評価できないという問題がある。
(2)評価依頼内容に対する評価を得るためには、不特定の第三者がWebページの閲覧操作及び評価の入力操作を行うのを受動的に待たなければならず、評価依頼内容に対する評価が得られるまでに時間を要する(徐々に評価が定まっていくので、リアルタイム性が低い)という問題がある。
(3)客観的視点を持っているか否かが不明な第三者によって評価され、誤評価される確率が高いという問題がある。
(4)不特定の第三者の介在(閲覧・中傷)に係る問題がある。
また、さらに、環境不一致性が高いため、場所や時間などに影響される共感性が損なわれ、認知・認識に誤解やぶれが生じるという問題も懸念される。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑み、
(1)ユーザが、任意の評価依頼内容について、第三者の評価協力を依頼できるようにすること
(2)リアルタイム性を重視して、評価結果(評価結果データ)を取得することを可能とすること
(3)第三者(及び別視点)からの評価結果を集計することによって、客観的又は相対的な評価結果を結論として、ユーザに対して報知することが可能な評価決定システム及び評価決定方法を提供すること
(4)(必要な場合は)評価環境及び/又は評価メカニズムの不一致性を抑止すること
(5)(必要な場合は)分散協調によって効率的に評価計算処理ができること
を目的とする。なお、任意の評価依頼内容に対する第三者の評価(評価結果データ)を取得する場合、実際には、例えば、通信やデータ処理などの時間を必要とするが、こうした通信やデータ処理に要する時間は極端に長いものではなく、本明細書では、通信やデータ処理にある程度の時間が掛かった場合でも、リアルタイムと呼ぶことにする。また、P2P(Peer to Peer:ピアトゥーピア、PtoPと記載されることもある)通信とは、物理的な(純粋な)ピアトゥーピア間通信と、論理的な(擬似的な)ピアトゥーピア間通信の双方を含む通信手法である。このP2P通信に使用される通信インフラ(回線、P2P以外のプロトコル仕様)は、特に限定されるものではなく、例えば、携帯電話キャリアを使用するような無線通信ネットワーク、及び、Ethernet(登録商標)を使用するような有線通信ネットワークなどが許容される。また、複数のネットワークをまたいで通信が行われてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上記目的を達成するため、評価対象の評価処理を実施し、この評価結果を分析して結論を出し、この結論をユーザに報知するための評価決定システムであって、
主体側に属する評価決定装置と、客体側に属する1つ又は複数の評価決定補助装置とが相互にP2P通信を行うことが可能なネットワーク環境下に存在し、
前記評価決定装置と前記評価決定補助装置との間で確立された前記P2P通信の接続を介して、前記評価決定装置が、前記評価決定補助装置に対して、前記評価対象に係る評価依頼を行い、前記評価決定補助装置が、前記評価決定装置から取得した前記評価依頼の内容を解釈・理解し、前記評価依頼の内容に応じて評価処理を実行し、この評価結果を客体側評価結果として、前記評価決定装置に応答することによって、前記評価決定装置が、客体側の視点を加えた評価結果を前記結論として報知することが可能な評価決定システムが提供される。
【0007】
また、本発明では、上記目的を達成するため、評価対象の評価処理を実施し、この評価結果を分析して結論を出し、この結論をユーザに報知するための評価決定システムであって、主体側に属する評価決定装置と、客体側に属する1つ又は複数の評価決定補助装置とが、相互にP2P通信を行うことが可能なようにネットワーク環境下に存在している前記評価決定システムにおける評価決定方法であって、
前記評価決定装置が、前記評価依頼の内容を生成する評価依頼生成ステップと、
前記評価決定装置が、前記評価依頼を受け入れてくれる前記評価決定補助装置を探索・発見する相手探索・発見ステップと、
前記評価決定装置と前記評価決定補助装置との間で、前記P2P通信の接続を確立する接続確立ステップと、
前記評価決定装置が、前記評価決定補助装置に対して、前記評価依頼を行う評価依頼ステップと、
前記評価決定補助装置が、前記評価決定装置からの前記評価依頼の内容に応じた評価処理を実行する評価処理ステップと、
前記評価決定補助装置が、前記評価決定装置に対して、前記評価処理の実行によって生成された客体側評価結果を応答する評価結果応答ステップと、
前記評価決定装置が、前記客体側評価結果に基づく評価結果を、前記主体側のユーザに報知するための報知ステップとを、
有する評価決定方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、上記構成を有する評価決定システム及び評価決定方法を提供することにより、任意の評価依頼内容に対する第三者の評価(評価結果データ)をリアルタイムに取得して、その評価結果データに基づく比較判定を行うことによって、評価依頼内容に対する評価を決定することができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明について説明する。まず、本発明の概要について説明する。本発明は、自(主体)が、1人又は複数の他(客体)に対して、評価依頼内容(評価対象)に係る評価依頼を行い、客体が、その評価対象の解釈・理解を行って、評価処理(相対的評価処理又は客観的評価処理)を行って、その結果を評価結果として主体側に応答することで、主体側は、客体側の視点による相対的評価処理又は客観的評価処理を獲得し、この客体側の評価結果を考慮した評価結果の取得及び報知を行うことを可能とするものである。また、主体側は、客体側の評価結果を集計し、その集計結果を報知してもよく、さらに、主体側においても評価処理を行い、その評価結果(擬似的な客体側の評価結果)を加えた集計や報知を行うことも可能である。なお、主体とは、評価依頼を行う者、又は、評価対象に係る評価結果の取得を望む者であり、客体とは、主体による評価依頼に協力(主体による評価依頼の受け入れ)し、評価対象に対して相対的評価処理又は客観的評価処理を行い、その結果を応答する者を指す。
【0010】
図8は、本発明の概要を説明するための模式的な図である。本発明では、評価決定システムを介して、主体から客体に、評価対象を特定する内容を含む評価依頼(評価協力依頼)が送られ、客体における評価処理の後、この評価依頼に対して、客体から主体に、評価結果が送られる。なお、評価対象は、主体によって任意に設定可能であるとともに、評価決定システムによって、自律的に提案・設定されるようにしてもよい。
【0011】
また、上記の相対的評価結果(相対論)とは、主体と客体との間の(絶対ではない)相対評価(差分比較)を指すものである。つまり、本発明では、燃費比較システムを例とした場合、後述の図4に示すように、「あなたの燃費は8リットル/kmで、私は10リットル/kmです。よって2リットル/kmの差があります。」などのような比較手法が施行できる。また、上記の客観的評価結果(客観論)とは、(主体ではない)客体による評価対象への別視点評価(客観的評価)を指すものである。つまり、本発明では、洗車斡旋システムを例とした場合、後述の図6に示すように、「あなたの車を、10人中8人が“汚れている”と言っています。」などのようなアンケート手法(又は、客観テスト手法が施行できる。
【0012】
なお、この評価決定システムとは、評価対象の評価処理を実施するとともに、この評価結果を分析して結論を出し、この結論をユーザに報知するためのシステムである。図9は、本発明に係る評価決定システムの一構成例を示す図である。評価決定システムは、例えば、図9に示すように、主体側に位置する自(主体)システムと、客体側に位置する他(客体)システムとを有している。自システム及び他システムは、基本的に同一であり、評価メカニズム及び視点リソースを含む評価決定装置又は評価決定補助装置を有している。なお、主体側に属する自システムでは、主に、相対的評価処理又は客観的評価処理に係る評価依頼や、客体側からの評価結果の取得を行う評価決定装置が動作し、客体側に属する他システムでは、主に、主体側から指定された評価対象に対する相対的評価処理又は客観的評価処理を行う評価決定補助装置が動作する。また、視点リソースとは、カメラ、ミリ波レーダセンサ、その他のセンサや画像取得ユニットなど、評価対象を視認できる装置(評価対象データ取得装置)のことである。なお、視点リソースとして、人の視覚を含めることも可能であり、この場合には、評価対象データは、人の視覚認識結果(視覚したイメージを表現すること)となる。
【0013】
次に、主体側が、相対的評価を取得する場合と、客観的評価を取得する場合との差異について説明する。図10は、本発明に係る客観的評価処理を説明するための模式図であり、図11は、本発明に係る相対的評価処理を説明するための模式図である。
【0014】
相対的評価処理は、主体の視点で得られた評価やデータ、及び、各客体の視点で得られた評価やデータを、相互に比較することによって相対差を得て、この相対差を評価値として利用するものである。すなわち、図10に示すように、1人の主体及び2人の客体が存在する場合には、評価決定システムは、自と他1との相対差、自と他2との相対差、他1と他2との相対差の3つの相対差を取得し、これらの相対差から、主体は、自の視点から得られる評価結果と、他の視点から得られる評価結果との相対的な位置関係を把握することが可能となる。なお、後述の図4に示す燃費の比較は、相対的評価処理の一例である。
【0015】
一方、客観的評価処理は、主体が、他の視点(自とは異なる客観的視点)で得られた主観評価(客体による主観的な評価)の結果を、そのまま評価値として利用するものである。すなわち、図11に示すように、評価決定システムは、各客体によって行われる主観評価を取得することによって、主体は、他の視点による評価(他の意見)を把握することが可能となる。なお、後述の図6に示す車体の汚れ具合の評価は、客観的評価処理の一例である。
【0016】
次に、本発明の第1及び第2の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1及び第2の実施の形態における評価決定システムの構成を示す図である。図1に示す評価決定システムは、評価決定装置1と、この評価決定装置1が、有線又は無線を介してP2P通信を行うことが可能な複数の客体側評価決定補助装置2a、2bとを有している。なお、評価決定装置1は、任意の通信方式によって客体側評価決定補助装置2a、2bと通信を行うことが可能であり、図1には、評価決定装置1が、例えば、近距離通信などによって客体側評価決定補助装置2aとP2P通信を行い、インターネットなどのネットワーク3を介して客体側評価決定補助装置2bとP2P通信を行う様子が図示されている。なお、図1には、2台の客体側評価決定補助装置2a、2bが図示されているが、客体側評価決定補助装置2a、2bの台数は任意であり、評価決定装置1は、客体側評価決定補助装置2a、2bと1対1〜n(nは任意の整数)の通信を行うことが可能である。
【0017】
また、図1に示す評価決定装置1は、CPU(Central Processing Unit)などの中央処理部11、本発明の評価決定動作を実行するための評価決定用プログラム20が格納された情報格納部12、ユーザに対して情報を視覚的に報知する液晶ディスプレイなどの表示部13、ユーザに対して情報を聴覚的に(音声によって)報知するスピーカなどの音声出力部14、ユーザによる操作・入力を可能とするマウス、キーボード、タッチパネル、操作ボタンなどの操作入力部15、ユーザによる音声入力を可能とするマイクロホンなどの音声入力部16、客体側評価決定補助装置2a、2bとP2P通信を行うための通信部17、評価決定装置1の周辺に存在するローカルの周辺機器と接続し、当該周辺機器から評価決定の際に必要なデータを取得することを可能とする通信ポート部18を有している。
【0018】
また、情報格納部12に格納されている評価決定用プログラム20は、中央処理部11で実行可能であり、中央処理部11による評価決定用プログラム20の実行によって、所定の評価依頼内容に対する評価結果データを客体側評価決定補助装置2a、2bに対して要求する動作や、所定の評価依頼内容に対する評価を決定する動作を始めとした本発明に係る様々な動作が実現される。
【0019】
図7は、本発明の第1及び第2の実施の形態における評価決定装置によって実行可能な評価決定用プログラムの一構成例を示す模式図である。例えば、評価決定用プログラム20は、評価依頼内容生成部(比較判定依頼情報生成部)201、依頼相手探索・発見部202、比較判定依頼・評価結果受付部203、評価結果データ比較部204、比較結果報知部205により構成されている。
【0020】
評価依頼内容生成部(比較判定依頼情報生成部)201は、任意の評価依頼内容(ユーザが第三者による評価を所望する評価依頼内容を含む)の生成を行うためのプログラムであり、このプログラムによって、例えば、後述の図3中のステップS101に係る処理が行われる。また、評価依頼相手探索・発見部202は、評価依頼を行う対象となる客体側評価決定補助装置2a、2bの探索及び発見を行うためのプログラムであり、このプログラムによって、例えば、後述の図3中のステップS103に係る処理が行われる。また、比較判定依頼・評価結果受付部203は、客体側評価決定補助装置2a、2bに対して、比較判定のための評価依頼内容を含み、比較判定依頼を要求する情報(比較判定依頼情報)を客体側評価決定補助装置2a、2bに送信するとともに、最終的に評価結果を決定するための基礎データ(客体側評価決定補助装置2a、2bからの評価結果データ)を受信するためのプログラムであり、このプログラムによって、例えば、後述の図3中のステップS107に係る処理やステップS111a、S111bで送信された評価結果データの受信が行われる。また、評価結果データ比較部204は、客体側評価決定補助装置2a、2bから受信した評価結果データの集計や、評価決定装置1(主体側)における評価を行うためのプログラムであり、このプログラムによって、例えば、後述の図3中のステップS113に係る処理が行われる。また、比較結果報知部205は、最終的に求められた主体側の評価結果をユーザに報知するためのプログラムであり、このプログラムによって、例えば、後述の図3中のステップS115に係る処理が行われる。
【0021】
また、評価決定装置1は、例えば、PC(Personal Computer)、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistance)などの移動端末、車両に設置された車載ナビゲーション装置、ネットワークに接続可能な家庭用電化製品(いわゆる、ネット家電)などを始めとする様々なコンピュータによって実現可能であるが、特に、移動と共にユーザ環境が大きく変わる移動端末や移動体に搭載されたコンピュータにおいて実現することが有用である。また、例えば、移動体に搭載されているコンピュータと、所定の施設などに設置された評価決定装置1とが無線通信などを介して連携することによって、移動体内のコンピュータが、別体で設置された評価決定装置1を、ネットワーク越しに利用できるようにすることも可能である。
【0022】
次に、図1に示す評価決定システムに基づいて、任意の評価依頼内容に対する評価結果データをリアルタイムに取得して、複数の評価結果データに基づく評価結果データ比較処理を行うことによって、評価依頼内容に対する相対的な評価を決定する態様(第1の実施の形態)と、任意の評価依頼内容に対する第三者の評価をリアルタイムに取得して、その評価に基づく比較判定を行うことによって、評価依頼内容に対する客観的な評価を決定する態様(第2の実施の形態)とについてそれぞれ説明する。
【0023】
<第1の実施の形態>
まず、任意の評価依頼内容に対する評価結果データをリアルタイムに取得して、複数の評価結果データに基づく比較判定を行うことによって、評価依頼内容に対する評価を決定する態様について説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態における評価決定システムの客体側評価決定補助装置の構成を示す図である。図2に示す客体側評価決定補助装置2a、2bは、評価決定装置1とP2P通信を行うための通信部21、通信部21を介して評価決定装置1から受信した、比較判定のための評価判定依頼内容を含む比較判定依頼情報に係る処理(例えば、異種システム間のメタレベルでのオントロジ解析を実施して、依頼内容を理解する処理)を行う情報処理部22、客体側評価決定補助装置2a、2bの周辺に存在するローカルの比較データ保有機器30や、操作入出力系のデバイス(後述の図5に示す表示部53や音声出力部54に対応する評価依頼データ出力機器31、後述の図5に示す操作入力部55や音声入力部56に対応する評価結果入力機器32)との接続を可能とする通信ポート部23、通信ポート部23及び評価依頼部25を介して、比較データ保有機器30から出力されるデータや評価結果入力機器32から入力されるデータを、比較データとして取得する比較データ取得部24、比較判定依頼情報に基づく評価依頼比較データを取得する評価依頼部25を有している。
【0024】
また、評価依頼部25は、評価依頼データ自動評価部26と、評価依頼データユーザ評価依頼部27とを有している。評価依頼データ自動評価部26は、例えば、比較データ保有機器30が保有しているデータ(例えば、ユーザに評価入力の依頼を行う必要のない、車載機器からの出力データなど)を、ユーザへの評価入力の依頼を行うことなく、自動で取得することが可能な機能である。一方、評価依頼データユーザ評価依頼部27は、ユーザに評価入力の依頼を行う必要のあるデータに関して、その評価処理をユーザに委ねることが可能な機能である。具体的には、評価依頼データユーザ評価依頼部27は、出力デバイスである評価依頼データ出力機器31によって、ユーザに対して、評価依頼内容及び評価入力を促す報知を行い、入力デバイスである評価結果入力機器32から、ユーザ入力を取得することが可能である。
【0025】
なお、比較データを出力する比較データ保有機器30は、任意のデータ処理機器を利用することが可能である。比較データ保有機器30は、当該比較データ保有機器30が様々なセンサ(不図示)から取得することが可能な計測データや、当該比較データ保有機器30が参照可能な情報格納部(不図示)に格納されているデータなどを、比較判定依頼情報に基づく比較データ取得部24からの要求に応じて、比較データとして出力する。また、評価依頼データ自動評価部26はユーザの代理として処理を行うエージェントプログラムによって実現可能である。
【0026】
次に、図1及び図2に示す構成を参照しながら、本発明の第1の実施の形態における評価決定システムの動作の概要について説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態における評価決定システムの動作の概要を示すシーケンスチャートである。
【0027】
まず、評価決定装置1において、ユーザが操作入力部15や音声入力部16によって評価依頼内容を入力したり、状況やユーザの特徴に応じた評価依頼内容を評価決定装置1が自動的に決定したりすることによって、評価依頼内容が生成される(ステップS101:評価依頼内容を生成)。このステップS101で生成される評価依頼内容とは、例えば、評価決定装置1が属するローカルな環境下の情報だけでは、相対的な評価決定(評価決定装置1が属するローカルな環境と他の同様のシステムの環境とを比較することによって、ローカルな環境の相対的なステータスを判定すること)が困難な議題や疑問などである。例えば、他のシステムにおける評価依頼内容に係る評価結果データを取得し、評価決定装置1が属するローカルな環境下での評価依頼内容に係るデータとの比較を行うことによって、評価依頼内容の相対的な評価を決定することが可能であり、これによって、評価決定装置1が属するローカルな環境の状態が、他のシステムと比べた場合にどれくらい優れているか(あるいは劣っているか)を相対的に把握することが可能となる。
【0028】
次に、評価決定装置1は、この評価依頼内容の比較判定に必要な評価結果データを送信することが可能な客体側評価決定補助装置2a、2bを探索して発見し(ステップS103:客体側評価決定補助装置を探索・発見)、発見した客体側評価決定補助装置2a、2bとの間でP2P通信の接続を確立する(ステップS105a、S105b:P2P通信の接続確立)。なお、この客体側評価決定補助装置2a、2bの探索・発見では、例えば、評価決定装置1からブロードキャスト又はエニキャストによって、評価協力者を募集するための所定のメッセージの送信が行われる。また、この客体側評価決定補助装置2a、2bの探索・発見は、P2P通信の基本能力(Discover機能、Bind機能など)を利用することが可能である。
【0029】
また、このとき、P2P通信によって接続が確立できる客体側評価決定補助装置2a、2bを探索することが必要条件となるが、P2P通信の接続確立の確認と同時に、客体側評価決定補助装置2a、2bが評価依頼内容に係る比較データの取得や、評価結果データの送信を行うことが可能か否かを確認し、評価依頼内容に係る比較データの取得及び評価結果データの送信が可能な客体側評価決定補助装置2a、2bとのみP2P通信の接続確立を行うことによって、より効率的に後続の処理を行うことが可能であり、また、無駄な通信のトラフィックを軽減させることが可能となる。また、客体側評価決定補助装置2a、2bでは、評価決定装置1からの評価依頼に対して評価協力の可否を決定することが可能である(ステップS106a、106b:評価協力可否の決定)。なお、図3では、客体側評価決定補助装置2a、2bは、評価決定装置1とのP2P通信の接続確立後に、評価協力に係る可否の決定を行っているが、先に評価協力に係る可否の決定を行って、評価協力を行う場合のみP2P通信の接続確立を行ってもよい。なお、図3では、評価客体側決定補助装置2a、2bが共に、評価決定装置1からの評価依頼に協力する場合について説明する。
【0030】
そして、評価決定装置1は、接続が確立されたP2P通信を介して、客体側評価決定補助装置2a、2bに対して、ステップS101で決定された評価依頼内容の比較判定に必要な評価結果を要求する(ステップS107:比較判定依頼情報を送信)。このとき、評価決定装置1は、所定の数値データを単に要求するだけの情報を比較判定依頼情報として送信してもよく、また、抽象的な議題や疑問の形式で比較判定依頼情報を送信し、客体側評価決定補助装置2a、2bにおいて、その議題や疑問の内容の答えとなる評価結果を判断してもらうことも可能である。なお、比較判定依頼情報の送信の際には、P2P通信を介さず、直接的(例えば、サブルーチンコール方式、同期・非同期イベント駆動方式など)に評価依頼を行うことも可能である。
【0031】
なお、このステップS107において、評価決定装置1は、主体側の視点から見た比較データ(あるいは、評価結果データ)や、主体側の評価決定装置1内で評価依頼内容に対して行われた評価結果(主体側の評価結果)を同時に送信することも可能であり、各客体側評価決定補助装置2a、2bが、この主体側の評価結果を用いて、評価処理(例えば、相対的な評価処理)を行うことによって、評価処理の分散化を実現することも可能である。
【0032】
また、このステップS107において、評価決定装置1が、評価結果の入力フォームを同時に送信することも可能であり、これによって、各客体側評価決定補助装置2a、2bが、所定のフォームを埋めたり、所定の選択項目の選択を行ったりすることによって、簡単かつ統一的な評価を行えるようにするとともに、評価結果のぶれ(例えば、比較結果の精度のぶれや、所望の評価結果の種別の違いなど)を低減させることが可能となる。
【0033】
また、このステップS107において、評価決定装置1は、客体側評価決定補助装置2a、2bに対して、評価メカニズムのプログラムを同時に提供することも可能であり、これによって、一律の(統一の)評価アルゴリズムによって各客体の視点から見た評価結果が獲得される。なお、この場合には、評価メカニズム部が、相手先でプログラムが実行できるように、例えば、プログラム可搬性を有するJava(登録商標)Scriptなどによって実現されることが望ましい。
【0034】
評価決定装置1から比較判定依頼情報を受信した各客体側評価決定補助装置2a、2bは、受信した比較判定依頼情報の内容を情報処理部22によって解析し、比較データとして必要となるデータや、そのデータを出力する比較データ保有機器30を判定する。そして、その判定結果に応じて、比較データ取得部24が、比較データ保有機器30から比較データを取得したり、ユーザによって入力される評価結果を取得したりすることによって客体側評価処理を行い(ステップS109a、S109b:客体側評価処理)、評価依頼内容に対する最終的な評価結果を評価結果データとして、評価決定装置1に送信する(ステップS111a、S111b:評価結果データを送信)。なお、評価結果データを送信する際には、各客体側評価決定補助装置2a、2bのユーザに対して、評価結果データを送信する旨の確認を行い、ユーザによる送信許可の指示が行われた後に、評価結果データの送信を行うようにすることが望ましい。また、評価結果データの送信の際には、P2P通信を介さず、直接的(例えば、サブルーチンコール方式、同期・非同期イベント駆動方式など)に評価依頼を行うことも可能である。
【0035】
各客体側評価決定補助装置2a、2bから評価結果データを受信した評価決定装置1は、受信した評価結果データに基づく集計処理などを行うことによる主体側評価処理を行う(ステップS113:評価結果データの集計及び主体側評価処理)。例えば、評価決定装置1は、周辺機器から通信ポート部18を介して評価依頼内容の評価を行う際の基準データを取得し、各客体側評価決定補助装置2a、2bから受信した評価結果データとの比較を行うことによって、評価決定装置1が属するローカルな環境と他の同様のシステムにおける環境との比較を行うことが可能となる。
【0036】
なお、図3に示すシーケンスチャートでは、主体側で集中的に相対的な評価処理が行われる場合について説明しているが、上述のように、相対的な評価処理を各客体側評価決定補助装置2a、2bに分散することも可能である。主体側での集中的な評価処理は、各客体側評価決定補助装置2a、2bにおける一律の評価メカニズムによる計算の基準化・統一化、主体側の評価メカニズムを用いた同一の評価対象の多角的な評価、客体側評価決定補助装置2a、2bごとに異なる評価対象データを取得した場合の集中的・集約的な評価などを行う場合に有用である。一方、客体側での分散的な評価処理は、各客体側評価決定補助装置2a、2bにおける一律ではない(異実装の)評価メカニズムによる計算の非基準化・不統一化、客体側の評価メカニズムを用いた同一の評価対象の多角的な評価、客体側評価決定補助装置2a、2bごとに異なる評価対象データを取得した場合の離散的・拡散的な評価などを行う場合(例えば、カルバック・ライブラー情報量の計算メカニズムや、逆行列問題の計算メカニズムに利用可能)に有用である。
【0037】
そして、例えば、表示部13や音声出力部14から、上述の基準データや各客体側評価決定補助装置2a、2bから受信した評価結果データを報知したり、評価結果データを更に分析した評価依頼内容の評価結果を報知したりすることによって(ステップS115:評価結果を報知)、ユーザが、評価決定装置1が属するローカルな環境と他の同様のシステムにおける環境との比較を行って、評価依頼内容に対する相対的な評価を行えるようになる。なお、ステップS113における集計や主体側評価処理を行わずに、客体側から受信した評価結果データをそのまま報知することによって、主体側のユーザが、客体側の評価結果データを把握できるようにしてもよい。また、評価結果の解析を行う報知内容制御手段を設けて、ユーザに対して報知することが有用である(評価として意味のある)評価結果(例えば、独創的な評価など)のみを選別して、報知を行うようにすることも可能である。
【0038】
次に、上記の第1の実施の形態における評価決定システムの動作に関して、具体的な例を挙げて説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態における評価決定システムの動作の概要を模式的に示す図である。ここでは、評価決定装置1が車両Cに設置された車載装置、客体側評価決定補助装置2a、2bが車両A、Bに設置された車載装置によって実現されているものとする。また、各車両A〜Cには、燃費(走行距離/ガソリン使用量)を計測する燃費センサ(不図示)が取り付けられており、評価決定装置1及び客体側評価決定補助装置2a、2bは、この燃費センサによる燃費の計測データを取得することができるよう構成されているものとする。
【0039】
図4に示す車両A〜Cは、高速道路などを100km以上並走しており、ほぼ同一の条件でガソリンが消費されていると考えられる。そこで、例えば、車両Cのユーザが、評価依頼内容の議題として、燃費の比較を行って自車の燃費の優劣を評価したい旨を評価決定装置1に入力したとする(ステップS101に対応)。なお、例えば、評価決定装置1が、車両Cのユーザは燃費を気にする人であること、車両A及びBが車両Cと共に100km以上並走していることなどの条件を検知して、評価依頼内容として燃費の比較を行う旨を評価決定装置1自身で決定することも可能である。
【0040】
評価依頼内容の決定を受けて、評価決定装置1は、車両A、Bの客体側評価決定補助装置2a、2bとのP2P通信の接続確立を行った後(ステップS103、S105a、S105bに対応)、『ここまでの100km区間の燃費を教えて下さい』という要求を、客体側評価決定補助装置2a、2bに対して比較判定依頼情報として送信する(ステップS107に対応)。
【0041】
客体側評価決定補助装置2a、2bは、この比較判定依頼情報を受けて、燃費センサ(比較データ保有機器30に対応)からここまでの100km区間の燃費の計測データを取得して(ステップS109a、S109bに対応)、この計測データを評価結果データとして評価決定装置1に送信する(ステップS111a、S111bに対応)。例えば、車両Cの燃費の計測データ(基準データ)が8km/リットルであり、車両A及び車両Bの燃費の計測データ(評価結果データ)がそれぞれ10km/リットル及び12km/リットルであった場合、評価決定装置1は、これらのデータの集計や評価処理を行って、自車の燃費が悪いことを相対的に把握し(ステップS113に対応)、『燃費の比較を行って自車の燃費の優劣を評価したい』という評価依頼内容に対して、『自車の燃費は悪い』という評価結果を含む情報をユーザに対して報知する(ステップS115に対応)。なお、ユーザに対して、単に『車両Aの燃費:10km/リットル、車両Bの燃費:12km/リットル、自車の燃費:8km/リットル』という情報のみを報知したり、『自車の燃費:8km/リットル。車両Aの燃費より2km/リットル下回っています。車両Bの燃費より4km/リットル下回っています。』などのように、表現を変えて報知したりすることも可能である。また、この評価結果を情報格納部12などに格納することも可能であり、さらに、評価結果を客体側評価決定補助装置2a、2bと共有できるよう構成することも可能である。
【0042】
また、図4に示す例では、車両Aに設置されている評価決定装置1が、同一条件の比較データを取得するため、車両Aの周囲に存在する車両B及びC内の客体側評価決定補助装置2a、2bとの間でP2P通信の接続を確立して評価結果データを取得しているが、評価決定装置1は、その周囲に存在する客体側評価決定補助装置2a、2bを必ずしも選ぶ必要はなく、所望の評価依頼内容に係る評価結果データ(この場合は、最近の100km区間の燃費の計測データ)を取得することが可能な客体側評価決定補助装置2a、2bを、ネットワーク3を介して探索・発見してもよい。
【0043】
<第2の実施の形態>
次に、任意の評価依頼内容に対する第三者の主観に基づく評価をリアルタイムに取得して、その評価に基づく比較判定を行うことによって、評価依頼内容に対する客観的な評価を決定する態様について説明する。なお、この第2の実施の形態における評価決定装置1が客体側評価決定補助装置2a、2bから取得する評価依頼内容に対する評価は、客体側評価決定補助装置2a、2bのユーザが主観に基づいて判断する意見や感想などであり、各ユーザのそれぞれの意思や感覚によって異なるものとなる。
【0044】
図5は、本発明の第2の実施の形態における評価決定システムの客体側評価決定補助装置の構成を示す模式図である。図5に示す客体側評価決定補助装置2a、2bは、評価決定装置1とP2P通信を行うための通信部51、通信部51を介して比較判定のための評価を要求する情報(比較判定依頼情報)を評価決定装置1から受信し、その比較判定依頼情報に係る処理を行う情報処理部52、客体側評価決定補助装置2a、2bのユーザに対して情報を視覚的に報知する液晶ディスプレイなどの表示部53、客体側評価決定補助装置2a、2bのユーザに対して情報を聴覚的に(音声によって)報知するスピーカなどの音声出力部54、客体側評価決定補助装置2a、2bのユーザによる操作・入力を可能とするマウス、キーボード、タッチパネル、操作ボタンなどの操作入力部55、客体側評価決定補助装置2a、2bのユーザによる音声入力を可能とするマイクロホンなどの音声入力部56を有している。なお、上述のように、表示部53や音声出力部54は、図2に示す評価依頼データ出力機器31に対応しており、操作入力部55や音声入力部56は、図2に示す評価結果入力機器32に対応している。
【0045】
次に、図1及び図5に示す構成を参照しながら、本発明の第2の実施の形態における評価決定システムの動作の概要について説明する。なお、以下では、図3に示すシーケンスチャートの文言を必要に応じて適宜読み換えることによって、本発明の第2の実施の形態の動作の概要を説明する。
【0046】
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、まず、評価決定装置1における評価依頼内容の生成(ステップS101)、客体側評価決定補助装置2a、2bの探索・発見(ステップS103)、P2P通信の接続確立(ステップS105a、S105b)、客体側評価決定補助装置2a、2bにおける評価協力への可否の決定(ステップS106a、S106b)が行われる。
【0047】
そして、評価決定装置1は、接続が確立されたP2P通信を介して、客体側評価決定補助装置2a、2bに対して、評価依頼内容である比較判定依頼情報を送信する(ステップS107:比較判定依頼情報の送信)。この比較判定依頼情報は、客体側評価決定補助装置2a、2bのユーザの主観に基づく評価(どう思うか、どう感じるかなどの評価)を尋ねる議題や疑問を含むものである。
【0048】
評価決定装置1から比較判定依頼情報を受信した各客体側評価決定補助装置2a、2bは、表示部53や音声出力部54を通じて、ユーザの主観に基づく評価を尋ねる議題や疑問を報知する。そして、各客体側評価決定補助装置2a、2bのユーザによって、操作入力部55や音声入力部56から入力された議題や疑問などに係る主観的な評価(客体側による主観評価データ)を取得して(ステップS109a、S109b:主観的な評価の取得処理)、この主観評価データを評価決定装置1に対して送信する(ステップS111a、S111b:主観評価データを送信)。なお、各客体側評価決定補助装置2a、2bにおける動作は、図3に示す(ステップS109a、S109b:客体側評価処理)及び(ステップS111a、S111b:評価結果データを送信)のそれぞれの動作を、(ステップS109a、S109b:主観的な評価の取得処理)、(ステップS111a、S111b:主観評価データを送信)に読み換え、各客体側評価決定補助装置2a、2bから評価決定装置1に送信される評価結果データを主観評価データに置き換えることによって説明される。
【0049】
なお、客観的な評価処理は、各客体側評価決定補助装置2a、2bにおいて異なる評価メカニズムで行われることが望ましい。これにより、一律でない(異観点の)評価メカニズムによる計算の非基準化・不統一化、客体側の評価メカニズムを用いた同一の評価対象の多角的な評価、客体側評価決定補助装置2a、2bごとに異なる評価対象データを取得した場合の離散的・拡散的な評価などが実現される。また、客体側の評価処理用に、主体側から評価メカニズムのプログラムが提供される場合には、このプログラムの提供は、客体側における評価メカニズムの補完や、評価メカニズムによる計算の基準化・統一化、評価対象に対する評価及び評価処理の計算の分散化・拡散化を目的として行われることが望ましい。
【0050】
各客体側評価決定補助装置2a、2bから評価決定装置1に送信される主観評価データは、所定の議題や疑問に対して、各客体側評価決定補助装置2a、2bのユーザが自らの主観(客体側の主観)に基づいて評価した結果を含んでいる。したがって、主観評価データに含まれている評価は、各客体側評価決定補助装置2a、2bのユーザの主観的な評価ではあるが、評価決定装置1のユーザにとっては、第三者(各客体側評価決定補助装置2a、2bのユーザ)によって判断された客観的な評価結果であり、評価決定装置1のユーザが意思決定を行うために有用な情報となる。
【0051】
各客体側評価決定補助装置2a、2bから主観評価データを受信した評価決定装置1は、受信した主観評価データの集計及び評価決定装置1側(主体側)における評価処理を行い(ステップS113:評価結果データの集計及び主体側評価処理)、例えば、表示部13や音声出力部14から、各客体側評価決定補助装置2a、2bから受信した主観評価データをそのまま報知したり、あるいは、複数の主観評価データの統計処理結果を報知したりすることによって(ステップS115:評価結果を報知)、評価決定装置1のユーザは、評価依頼内容に対して、客観的な評価を加味した考察及び意思決定を行えるようになる。
【0052】
次に、上記の第2の実施の形態における評価決定システムの動作に関して、具体的な例を挙げて説明する。図6は、本発明の第2の実施の形態における評価決定システムの動作の概要を模式的に示す図である。ここでは、評価決定装置1が車両Cに設置された車載装置、客体側評価決定補助装置2a、2bが車両A、Bに設置された車載装置によって実現されているものとする。
【0053】
図6に示す車両Cは、ガソリンスタンドに立ち寄って給油を行っているが、さらに、洗車を行うか否かを決めかねている状態にある。そこで、例えば、車両Cのユーザは、評価依頼内容の議題として、自車が汚れているか否かの客観的な評価を受けたい旨を評価決定装置1に入力したとする(ステップS101に対応)。
【0054】
評価依頼内容の決定を受けて、評価決定装置1は、例えば、車両Cの周囲で信号待ちをしている車両A、Bの客体側評価決定補助装置2a、2bとのP2P通信の接続確立を行った後(ステップS103、S105a、S105bに対応)、『私の車は汚いですか?』という質問を、客体側評価決定補助装置2a、2bに対して比較判定依頼情報として送信する(ステップS107に対応)。
【0055】
各客体側評価決定補助装置2a、2bは、この比較判定依頼情報を受けて、『車両Cは汚いですか?』という質問を各客体側評価決定補助装置2a、2bのユーザに対して報知する。そして、各客体側評価決定補助装置2a、2bのユーザは、車両Cを目視することによって車両Cが汚いか否かを判断し、その判断に基づく主観的な評価を入力する(ステップS109a、S109bに対応)。入力された主観的な評価は、主観評価データとして評価決定装置1に送信される(ステップS111a、S111bに対応)。
【0056】
例えば、各客体側評価決定補助装置2a、2bのユーザ(車両A及び車両Bのそれぞれの搭乗者)が共に『車両Cは汚いです』という評価を行った場合、評価決定装置1は、その評価結果を含む主観評価データを受信して、これらの主観評価データに係る処理を行って(ステップS113に対応)、『車両Cは汚いですか?』という評価依頼内容に対して、車両A及び車両Bから『車両Cは汚いです』という評価結果を受けた旨を評価決定装置1のユーザに対して報知する(ステップS115に対応)。これによって、評価決定装置1のユーザは、第三者によって判断された客観的な評価結果を把握して、この評価結果を考慮しながら、洗車を行うか否かの最終的な意思決定を行うことが可能となる。なお、例えば、評価結果の統計処理を行って、『2人から評価を得ました。車両Cは汚い:100%、車両Cはきれい:0%』などのように、表現を変えて報知することも可能である。また、この評価結果を情報格納部12などに格納することも可能であり、さらに、評価結果を客体側評価決定補助装置2a、2bと共有できるよう構成することも可能である。
【0057】
また、図6に示す洗車あっせんサービス装置60が撮像カメラ61によって車両Cの車体を撮像し、洗車あっせん広告情報と共に、車両Cの車体の撮像データを撮像データ伝送部62から車体Cの評価決定装置1に送信するよう構成することも可能である。この場合、評価決定装置1は、撮像データを車両A及び車両Bの客体側評価決定補助装置2a、2bに対して送信し、各客体側評価決定補助装置2a、2bのユーザは、この撮像データを閲覧することによって、評価依頼内容に対する評価を決定することが可能となる。なお、撮像データによって評価依頼内容に対する評価を行えるようにした場合には、各客体側評価決定補助装置2a、2bのユーザは、車両Cを目視して評価を行う必要はなく、したがって、遠隔の場所(車両Cの車体を目視できない場所)に存在する客体側評価決定補助装置2a、2bのユーザでも、撮像データの閲覧によって評価依頼内容に対する評価を行えるようになる。
【0058】
なお、上記の第1の実施の形態は、評価決定装置1が属するローカルな環境と他の同様のシステムの環境との間の相対的な比較に基づいて評価依頼内容に対する評価結果を決定する場合を説明するものであり、また、上記の第2の実施の形態は、第三者による客観的な評価に基づいて評価依頼内容に対する評価結果を決定する場合を説明するものであって、客体側評価決定補助装置2a、2bにおける比較データや主観評価データの取得方法を限定するものではない。すなわち、第1の実施の形態において、例えば、燃費の数値データをユーザが入力するなど、客体側評価決定補助装置2a、2bのユーザが操作入力部15を用いて比較データを入力することも可能であり、また、第2の実施の形態において、例えば、ユーザ嗜好をモデル化したアルゴリズムの実行が可能なコンピュータが、車両Cの車体の撮像データを解析することによって、車両Cが汚いか否かの判定結果を出力するなど、所定の主観評価データ出力機器から主観評価データを取得することも可能である。
【0059】
また、上記の第1及び第2の実施の形態では、例えば、評価決定装置1及び客体側評価決定補助装置2a、2bが、各機能(図1、図2、図5に示す各ブロック)をあらかじめ実装するように図示されているが、例えば、モバイルエージェントと呼ばれるプログラムによって、必要に応じて(評価決定システムにおいて一連の評価決定動作が行われる場合に)、各機能が実現されるようにすることも可能である。
【0060】
モバイルエージェントは、他のシステムやコンピュータへの移動性を有しており、移動先の外部環境において、その外部環境に適応しながら自律的にデータ処理を行うことが可能なプログラムである。このモバイルエージェントの動作を管理するためには、各コンピュータは所定のエージェントプラットフォームを有すればよく、モバイルエージェントは、各コンピュータに実装されたエージェントプラットフォームを移動しながら、データ取得処理を始めとする様々な動作を行うことが可能である。
【0061】
したがって、本発明においても、評価決定装置1及び客体側評価決定補助装置2a、2bがそれぞれエージェントプラットフォームを実装し、モバイルエージェントの動作を管理・許容することによって、あらかじめ特定の機能のみを実現する手段を実装することなく、様々な評価依頼内容に適応して適切に評価結果を得ることが可能となる評価決定システムを実現することが可能となる。
【0062】
次に、図12〜図16を参照しながら、本発明に係る評価決定方法の実現パターンについて説明する。図12〜図16に示すように、本発明では、同一又は異なる評価対象インスタンス、同一又は異なる視点、一律又は独立した評価メカニズムの利用を組み合わせることによって、様々な評価決定方法の実現パターンが存在する。
【0063】
図12は、本発明に係る評価決定方法の実現パターンの第1の例を示す模式図である。図12には、主体及び2人の客体(他1、他2)が図示されている。そして、主体側評価決定装置、他1(客体)側評価決定補助装置、他2(客体)側評価決定補助装置が、主体及び客体(他1、他2)のそれぞれに属しており、視点リソース(自視点リソース、他1視点リソース、他2視点リソース)及び評価メカニズム(自評価メカニズム、他1評価メカニズム、他2評価メカニズム)をそれぞれ有している。
【0064】
この図12に示す評価決定方法では、主体及び客体(他1、他2)のそれぞれが、異なる視点から、異なる評価対象インスタンス(自評価対象インスタンス、他1評価対象インスタンス、他2評価対象インスタンス)に係る評価対象データを取得して、それぞれの評価メカニズムが、評価結果データ(自評価結果データ、他1評価結果データ、他2評価結果データ)の出力を行う。
【0065】
これにより、主体及び客体(他1、他2)のそれぞれにおいて、異なる機能やアルゴリズムを有する可能性のある各評価決定(補助)装置の評価メカニズム(すなわち、異なる観点を有する評価メカニズム)が、それぞれ異なる視点から取得された異なる評価対象インスタンスに係る評価処理を行って、各評価結果データを導出することが可能となり、異なる対象を異なる視点から見た場合の離散的・拡散的な評価が行われるようになる。
【0066】
また、図13は、本発明に係る評価決定方法の実現パターンの第2の例を示す模式図である。図13も、図12と同様に、主体側評価決定装置、他1(客体)側評価決定補助装置、他2(客体)側評価決定補助装置が、主体及び客体(他1、他2)のそれぞれに属しており、視点リソース(自視点リソース、他1視点リソース、他2視点リソース)及び評価メカニズム(自評価メカニズム、他1評価メカニズム、他2評価メカニズム)をそれぞれ有している様子が模式的に図示されている。
【0067】
この図13に示す評価決定方法では、主体及び客体(他1、他2)のそれぞれが、それぞれ異なる視点から、同一の評価対象インスタンス(同一評価対象インスタンス)に係る評価対象データを取得して、それぞれの評価メカニズムが、評価結果データ(自評価結果データ、他1評価結果データ、他2評価結果データ)の出力を行う。
【0068】
これにより、主体及び客体(他1、他2)のそれぞれにおいて、異なる機能やアルゴリズムを有する可能性のある各評価決定(補助)装置の評価メカニズム(すなわち、異なる観点を有する評価メカニズム)が、それぞれ異なる視点から取得された同一評価対象インスタンスに係る評価処理を行って、各評価結果データを導出することが可能となり、同一の対象を異なる視点から見た場合の多角的・多視点的な評価が行われるようになる。
【0069】
また、図14は、本発明に係る評価決定方法の実現パターンの第3の例を示す模式図である。図14も、図12と同様に、主体側評価決定装置、他1(客体)側評価決定補助装置、他2(客体)側評価決定補助装置が、主体及び客体(他1、他2)のそれぞれに属しており、視点リソース(自視点リソース、他1視点リソース、他2視点リソース)及び評価メカニズム(自評価メカニズム、他1評価メカニズム、他2評価メカニズム)をそれぞれ有している様子が模式的に図示されている。ただし、ここでは、各客体側評価決定補助装置は、主体側評価決定装置の自視点リソースを利用して、評価対象インスタンスに係る評価対象データの取得を行う。
【0070】
この図14に示す評価決定方法では、主体及び客体(他1、他2)のそれぞれが、同一の視点(ここでは、主体の視点)から、同一の評価対象インスタンス(同一評価対象インスタンス)に係る評価対象データを取得して、それぞれの評価メカニズムが、評価結果データ(自評価結果データ、他1評価結果データ、他2評価結果データ)の出力を行う。
【0071】
これにより、主体及び客体(他1、他2)のそれぞれにおいて、異なる機能やアルゴリズムを有する可能性のある各評価決定(補助)装置の評価メカニズム(すなわち、異なる観点を有する評価メカニズム)が、同一の視点から取得された同一評価対象インスタンスに係る評価処理を行って、各評価結果データを導出することが可能となり、同一の対象を同一の視点から見た場合に起こり得る多様性のある評価が行われるようになる。
【0072】
また、図15は、本発明に係る評価決定方法の実現パターンの第4の例を示す模式図である。図15も、図12と同様に、主体側評価決定装置、他1(客体)側評価決定補助装置、他2(客体)側評価決定補助装置が、主体及び客体(他1、他2)のそれぞれに属しており、視点リソース(自視点リソース、他1視点リソース、他2視点リソース)及び評価メカニズム(自評価メカニズム、他1評価メカニズム、他2評価メカニズム)をそれぞれ有している様子が模式的に図示されている。ただし、ここでは、主体側評価決定装置の自評価メカニズムのプログラムが、各客体側評価決定補助装置上に移動して、移動先の装置のリソースを利用しながら、所定の評価処理を行う。
【0073】
この図15に示す評価決定方法では、主体及び客体(他1、他2)のそれぞれが、異なる視点から、異なる評価対象インスタンス(自評価対象インスタンス、他1評価対象インスタンス、他2評価対象インスタンス)に係る評価対象データを取得して、同一の評価メカニズム(ここでは、主体から提供される自評価メカニズム)が、評価結果データ(自評価結果データ、他1評価結果データ、他2評価結果データ)の出力を行う。
【0074】
これにより、主体及び客体(他1、他2)のそれぞれにおいて、同一の評価メカニズム(すなわち、同一の観点を有する評価メカニズム)が、それぞれ異なる視点から取得された異なる評価対象インスタンスに係る評価処理を行って、各評価結果データを導出することが可能となり、基準化又は統一された評価メカニズムによって、異なる対象を異なる視点から見た場合の統一的・統合的な評価が行われるようになる。
【0075】
また、図16は、本発明に係る評価決定方法の実現パターンの第5の例を示す模式図である。図16も、図12と同様に、主体側評価決定装置、他1(客体)側評価決定補助装置、他2(客体)側評価決定補助装置が、主体及び客体(他1、他2)のそれぞれに属しており、視点リソース(自視点リソース、他1視点リソース、他2視点リソース)及び評価メカニズム(自評価メカニズム、他1評価メカニズム、他2評価メカニズム)をそれぞれ有している様子が模式的に図示されている。ただし、ここでは、主体側評価決定装置の自評価メカニズムのプログラムが、各客体側評価決定補助装置上に移動して、移動先の装置のリソースを利用しながら、所定の評価処理を行う。
【0076】
この図16に示す評価決定方法では、主体及び客体(他1、他2)のそれぞれが、それぞれ異なる視点から、同一の評価対象インスタンス(同一評価対象インスタンス)に係る評価対象データを取得して、同一の評価メカニズム(ここでは、主体から提供される自評価メカニズム)が、評価結果データ(自評価結果データ、他1評価結果データ、他2評価結果データ)の出力を行う。
【0077】
これにより、主体及び客体(他1、他2)のそれぞれにおいて、同一の評価メカニズム(すなわち、同一の観点を有する評価メカニズム)が、それぞれ異なる視点から取得された同一評価対象インスタンスに係る評価処理を行って、各評価結果データを導出することが可能となり、基準化又は統一された評価メカニズムによって、同一の対象を異なる視点から見た場合の多視点的、かつ統合的な評価が行われるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の評価決定システム及び評価決定方法は、任意の評価依頼内容に対する比較データや第三者の評価をリアルタイムに取得して、その評価結果データに基づく比較判定を行うことによって、評価依頼内容に対する評価を決定することができるという効果を有しており、有線又は無線によって通信を行う通信システムに適用される。また、環境不一致性を抑止して、第三者の観点を取り入れることで、客観的及び相対的な評論を行うためのシステムに適用される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1及び第2の実施の形態における評価決定システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における評価決定システムの客体側評価決定補助装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における評価決定システムの動作の概要を示すシーケンスチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態における評価決定システムの動作の概要を模式的に示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における評価決定システムの客体側評価決定補助装置の構成を示す模式図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における評価決定システムの動作の概要を模式的に示す図である。
【図7】本発明の第1及び第2の実施の形態における評価決定装置によって実行可能な評価決定用プログラムの一構成例を示す模式図である。
【図8】本発明の概要を説明するための模式的な図である。
【図9】本発明に係る評価決定システムの一構成例を示す図である。
【図10】本発明に係る客観的評価処理を説明するための模式図である。
【図11】本発明に係る相対的評価処理を説明するための模式図である。
【図12】本発明に係る評価決定方法の実現パターンの第1の例を示す模式図である。
【図13】本発明に係る評価決定方法の実現パターンの第2の例を示す模式図である。
【図14】本発明に係る評価決定方法の実現パターンの第3の例を示す模式図である。
【図15】本発明に係る評価決定方法の実現パターンの第4の例を示す模式図である。
【図16】本発明に係る評価決定方法の実現パターンの第5の例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0080】
1 評価決定装置
2a、2b 客体側評価決定補助装置(評価決定補助装置)
3 ネットワーク
11 中央処理部(CPU)
12 情報格納部
13、53 表示部
14、54 音声出力部
15、55 操作入力部
16、56 音声入力部
17、21、51 通信部
18、23 通信ポート部
20 評価決定用プログラム
22、52 情報処理部
24 比較データ取得部
25 評価依頼部
26 評価依頼データ自動評価部
27 評価依頼データユーザ評価依頼部
30 比較データ保有機器
31 評価依頼データ出力機器
32 評価結果入力機器
60 洗車あっせんサービス装置
61 撮像カメラ
62 撮像データ伝送部
201 評価依頼内容生成部(比較判定依頼情報生成部)
202 依頼相手探索・発見部
203 比較判定依頼・評価結果受付部
204 評価結果データ比較部
205 比較結果報知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価対象の評価処理を実施し、この評価結果を分析して結論を出し、この結論をユーザに報知するための評価決定システムであって、
主体側に属する評価決定装置と、客体側に属する1つ又は複数の評価決定補助装置とが相互にP2P通信を行うことが可能なネットワーク環境下に存在し、
前記評価決定装置と前記評価決定補助装置との間で確立された前記P2P通信の接続を介して、前記評価決定装置が、前記評価決定補助装置に対して、前記評価対象に係る評価依頼を行い、前記評価決定補助装置が、前記評価決定装置から取得した前記評価依頼の内容を解釈・理解し、前記評価依頼の内容に応じて評価処理を実行し、この評価結果を客体側評価結果として、前記評価決定装置に応答することによって、前記評価決定装置が、客体側の視点を加えた評価結果を前記結論として報知することが可能な評価決定システム。
【請求項2】
前記評価決定装置及び前記評価決定補助装置の少なくとも一方が、移動通信端末又は移動体に搭載された通信装置である請求項1に記載の評価決定システム。
【請求項3】
前記評価決定装置が、
前記評価依頼の内容を生成するための評価依頼生成手段と、
前記評価依頼を受け入れてくれる前記評価決定補助装置を探索・発見するための相手探索・発見手段と、
前記評価決定補助装置との間で、前記P2P通信の接続を確立するための接続確立手段と、
前記評価決定補助装置に対して、前記評価依頼を行うための評価依頼手段と、
前記評価決定補助装置から、前記評価依頼の内容に応じた評価処理の実行結果である前記客体側評価結果を受信する評価結果受信手段と、
前記客体側評価結果に基づく評価結果を、ユーザに報知するための報知手段とを、
有するとともに
前記評価決定補助装置が、
前記評価決定装置から、前記評価依頼を受信する評価依頼受信手段と、
前記評価決定装置からの前記評価依頼の内容に応じた評価処理を実行するための評価処理手段と、
前記評価決定装置に対して、前記評価処理の実行によって生成された前記客体側評価結果を応答するための評価結果応答手段とを、
有する請求項1又は2に記載の評価決定システム。
【請求項4】
前記評価決定装置が、複数の前記評価決定補助装置のそれぞれから前記客体側評価結果を受信した場合には、複数の前記客体側評価結果を集計するための評価結果集計手段を有し、
前記報知手段が、前記評価結果集計手段による集計結果に基づいて、前記ユーザに対して報知を行うように構成されている請求項3に記載の評価決定システム。
【請求項5】
前記評価決定装置が、前記客体側評価結果に基づく評価処理を実行する評価処理手段を有し、
前記報知手段が、前記評価処理手段による前記評価処理の結果に基づいて、前記ユーザに対して報知を行うように構成されている請求項3又は4に記載の評価決定システム。
【請求項6】
前記評価決定装置が、評価決定補助装置を有しており、前記評価決定装置から、前記評価決定補助装置に前記評価依頼が行われ、前記評価決定補助装置が、擬似的な前記評価決定補助装置として、前記評価依頼の内容に応じた評価処理を実行し、客体側評価結果を生成するように構成されている請求項3から5のいずれか1つに記載の評価決定システム。
【請求項7】
前記評価決定装置及び前記評価決定補助装置が、それぞれ前記評価対象の評価処理を行うため必要な評価対象データを取得するための評価対象データ取得手段を有し、
前記評価決定装置が、前記評価依頼手段による前記評価依頼を行う際に、前記評価決定補助装置に対して、前記評価決定補助装置の前記評価対象データ取得手段によって、前記評価依頼の内容に応じた前記評価対象データを取得することを同時に依頼し、
前記評価決定補助装置が、前記評価決定補助装置の前記評価対象データ取得手段によって取得された前記評価対象データを前記評価結果として、前記評価決定装置に応答し、
前記評価決定装置が、前記評価決定補助装置から前記評価対象データを受信するとともに、前記評価決定装置の前記評価対象データ取得手段によって、前記評価対象データの取得を行い、前記評価処理手段が、前記主体側における評価対象データ及び前記客体側における評価対象データとの差分比較処理を行うことによって、前記主体側と前記客体側との相対的評価結果を取得するように構成されている請求項5に記載の評価決定システム。
【請求項8】
前記評価決定装置及び前記評価決定補助装置が、それぞれ前記評価対象の評価処理を行うため必要な評価対象データを取得するための評価対象データ取得手段を有し、
前記評価決定装置が、前記評価決定装置の前記評価対象データ取得手段による前記評価対象データの取得を行って、前記評価依頼手段による前記評価依頼を行う際に、前記評価決定補助装置に対して、前記評価対象データ取得手段によって取得された前記評価対象データを同時に送信し、
前記評価決定補助装置が、前記評価決定補助装置の前記評価対象データ取得手段によって前記評価依頼の内容に応じた前記評価対象データを取得するとともに、前記評価処理手段が、前記主体側における評価対象データ及び前記客体側における評価対象データとの差分比較処理を行うことによって、前記主体側と前記客体側との相対的評価結果を、前記客体側で算出するように構成されている請求項3から6のいずれか1つに記載の評価決定システム。
【請求項9】
前記評価決定補助装置が、前記評価対象の評価処理を行うため必要な評価対象データを取得するための評価対象データ取得手段を有し、
前記評価決定補助装置の前記評価処理手段が、前記評価決定補助装置の前記評価対象データ取得手段によって取得された前記評価対象データに基づいて評価処理の結果を前記評価結果として、前記評価決定装置に応答することによって、前記主体側が、前記客体側による前記評価対象に係る前記客観的評価結果を取得するように構成されている請求項3から6のいずれか1つに記載の評価決定システム。
【請求項10】
前記評価決定補助装置の前記評価処理手段が、前記客体側のユーザによる入力、又は、前記客体側のユーザの嗜好を知識モデル化したプログラムからの出力に基づいて、前記評価結果を生成できるように構成されている請求項9に記載の評価決定システム。
【請求項11】
前記評価決定装置が、前記評価依頼手段による前記評価依頼を行う際に、前記対象に係る評価処理を行うための評価メカニズムのプログラムを同時に送信し、
前記評価決定補助装置の前記評価処理手段が、前記評価決定装置から受信された前記評価メカニズムの前記プログラムを利用して、前記評価処理を行うように構成されている請求項3から10のいずれか1つに記載の評価決定システム。
【請求項12】
前記評価決定装置が、前記評価依頼手段による前記評価依頼を行う際に、前記評価決定補助装置による前記評価結果の入力を行うための所定の入力フォームを同時に送信するように構成されている請求項3から11のいずれか1つに記載の評価決定システム。
【請求項13】
前記評価決定装置が、前記主体側の前記ユーザに対して、所定の基準に基づいて、前記結論を選択的に報知するように構成されている請求項1から12のいずれか1つに記載の評価決定システム。
【請求項14】
前記ネットワーク環境下に、さらに、前記評価決定装置及び前記評価決定補助装置とは異なる通信装置が存在し、前記評価決定装置の代理として、前記通信装置が、前記評価決定補助装置に対して前記評価依頼を行うように構成されている請求項1から13のいずれか1つに記載の評価決定システム。
【請求項15】
前記評価決定装置から前記評価決定補助装置への前記評価依頼にエージェント指向技術を使用し、前記主体側のユーザ及び/又は前記客体側のユーザの操作をエージェントプログラムが代理することによって、前記主体側のユーザ及び/又は前記客体側の前記ユーザの介在を必要とせずに処理を行うように構成されている請求項1から14のいずれか1つに記載の評価決定システム。
【請求項16】
前記評価決定補助装置からの前記客体側評価結果が、前記評価決定補助装置の属するローカルな環境に係る情報である請求項1から15のいずれか1つに記載の評価決定システム。
【請求項17】
評価対象の評価処理を実施し、この評価結果を分析して結論を出し、この結論をユーザに報知するための評価決定システムであって、主体側に属する評価決定装置と、客体側に属する1つ又は複数の評価決定補助装置とが、相互にP2P通信を行うことが可能なようにネットワーク環境下に存在している前記評価決定システムにおける評価決定方法であって、
前記評価決定装置が、前記評価依頼の内容を生成する評価依頼生成ステップと、
前記評価決定装置が、前記評価依頼を受け入れてくれる前記評価決定補助装置を探索・発見する相手探索・発見ステップと、
前記評価決定装置と前記評価決定補助装置との間で、前記P2P通信の接続を確立する接続確立ステップと、
前記評価決定装置が、前記評価決定補助装置に対して、前記評価依頼を行う評価依頼ステップと、
前記評価決定補助装置が、前記評価決定装置からの前記評価依頼の内容に応じた評価処理を実行する評価処理ステップと、
前記評価決定補助装置が、前記評価決定装置に対して、前記評価処理の実行によって生成された客体側評価結果を応答する評価結果応答ステップと、
前記評価決定装置が、前記客体側評価結果に基づく評価結果を、前記主体側のユーザに報知するための報知ステップとを、
有する評価決定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−4221(P2006−4221A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−180588(P2004−180588)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)