説明

読影レポート作成システム及びその制御プログラム

【課題】読影レポートの作成をより簡単に行なうことができる読影レポート作成システムを提供する。
【解決手段】被検体の医用画像が表示されるモニタ13と、このモニタ13に表示された医用画像において操作者が任意の部分を指示する指示マーカであって、所定の所見情報及び所定の診断情報のうち少なくとも一方を示す指示マーカを、操作者が複数種類から選択して設定する入力を行なう入力部11と、この入力部11によって設定された前記指示マーカが示す所見情報及び診断情報のうち少なくとも一方が、読影レポートにおける所見欄又は診断欄のいずれかの内容として記載された読影レポートを作成する読影レポート作成部1212と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読影レポートの作成を支援する読影レポート作成システム及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
X線CT(Computed Tomography)装置やMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置などの医用画像装置で得られた医用画像を用いた診断を行なうにあたり、主治医とは別に読影医が医用画像に基づいて読影レポートを作成する場合がある。読影レポートには、所見や診断の情報が含まれており、読影医はこれらの情報を読影端末において記載して読影レポートを作成している。
【0003】
読影レポートの作成にあたっては、読影医が、読影端末上で文字を入力することもあるが、読影レポートの記載内容は、ある程度定型化しているため、テンプレートから選択する場合もある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−31719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のように、読影レポートの記載内容をテンプレートから選択する場合、文字を入力する場合と比べれば読影レポートの作成が容易になる。しかし、複数の候補の中から所望の言葉を選択するという作業を、複数の項目について行なう必要があり、かえって面倒な場合もある。このため、読影レポートの作成をより簡単に行うことができる読影レポート作成システムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するためになされた発明は、被検体の医用画像が表示される表示部と、この表示部に表示された医用画像において任意の部分を指示する指示マーカであって、所定の所見情報及び所定の診断情報のうち少なくとも一方を示す指示マーカを、操作者が複数種類から選択して設定する入力を行なう入力部と、この入力部によって設定された前記指示マーカが示す所見情報及び診断情報のうち少なくとも一方が、読影レポートにおける所見欄又は診断欄のいずれかの内容として記載された読影レポートを作成する読影レポート作成部と、を備えることを特徴とする読影レポート作成システムである。
【発明の効果】
【0007】
上記観点の発明によれば、操作者が医用画像の任意の部分を指示する指示マーカを設定するだけで、設定された指示マーカが示す所見情報及び診断情報のうち少なくとも一方が、読影レポートにおける所見欄及び診断欄のいずれかの内容を構成する情報として表示される。従って、読影レポートが半自動的に作成されるので、読影レポートを一層容易に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第一実施形態の医用情報システムのブロック図である。
【図2】図1に示す医用情報システムにおける読影端末のブロック図である。
【図3】図1に示す医用情報システムにおける医用画像サーバに記憶されたデータを示すブロック図である。
【図4】Series Instance UIDを説明する図である。
【図5】図3に示す定義情報データの具体例を示す図である。
【図6】読影レポートの作成のフローチャートである。
【図7】医用画像が表示されたモニタの一例を示す図である。
【図8】指示マーカにカーソルを合わせた状態の医用画像が表示されたモニタの一例を示す図である。
【図9】所見が見られた位置に指示マーカが設定された医用画像が表示されたモニタの一例を示す図である。
【図10】指示マーカの設定の他例を説明する図である。
【図11】指示マーカの円周部の径の調節を説明する図である。
【図12】所見欄が重畳された医用画像が表示されたモニタの一例を示す図である。
【図13】所見欄と診断欄とが重畳された医用画像が表示されたモニタの一例を示す図である。
【図14】第一実施形態の第一変形例における定義情報データの具体例を示す図である。
【図15】第二実施形態の医用情報システムのブロック図である。
【図16】第二実施形態の医用情報システムにおける読影端末のブロック図である。
【図17】読影レポートの作成画面が表示されたモニタの一例を示す図である。
【図18】指示マーカが設定された医用画像が表示されたモニタの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。
(第一実施形態)
先ず、第一実施形態について図1〜図11に基づいて説明する。図1に示す医用情報システム100は、本発明に係る読影レポート作成システムの実施の形態の一例であり、読影端末1、医用画像サーバ2及びモダリティ3を含んで構成される。これら読影端末1、医用画像サーバ2及びモダリティ3は、ネットワーク4を介して接続されている。
【0010】
前記読影端末1は、汎用型のパーソナルコンピュータ(Personal Computer)であり、図2に示すように、入力部11、CPU(Central Processing Unit)12、モニタ(monitor)13、通信インターフェース(interface)14、メモリ(memory)15を有している。
【0011】
前記入力部11は、キーボード(keyboard)やマウス(mouse)などからなる。操作者は、この入力部11により、後述するように前記モニタ13に表示された医用画像において任意の部分を指示する指示マーカIMを設定する。前記入力部11は、本発明における入力部の実施の形態の一例である。
【0012】
前記CPU12は、プログラム(program)を読み出して、前記読影端末1における各種の機能を実行する。このCPU12は、図2に示すように画像ビューワ(viewer)121を有している。
【0013】
前記画像ビューワ121は、画像表示制御部1211及び読影レポート作成部1212を有している。前記画像表示制御部1211は、前記モニタ13に画像を表示させる機能を実行するものであり、前記モダリティ3で撮影された医用画像Gや前記指示マーカIMを前記モニタ13に表示させる。
【0014】
ちなみに、前記医用画像Gが表示される前記モニタ13は、近接して複数個設けられていてもよい。前記モニタ13は、本発明における表示部の実施の形態の一例である。
【0015】
前記読影レポート作成部1212は、読影レポート作成機能を実行するものであり、前記指示マーカIMが設定されると、その指示マーカIMが示す所見情報が読影レポートにおける所見欄に表示された読影レポートを作成する。詳細は後述する。前記読影レポート作成部1212は、本発明における読影レポート作成部の実施の形態の一例である。
【0016】
前記医用画像サーバ2には、図3に示すように、医用画像データ21、患者・検査情報データ22、定義情報データ23が記憶されている。前記医用画像データ21は、前記モダリティ3で撮影されたDICOMデータであり、DICOMヘッダ情報として、Study Instance UID、Series Instance UID、SOP Instance UIDなどを有している。Study Instance UIDは検査のIDであり、Series Instance UIDはどのシリーズの画像であるかを示すIDであり、SOP Instance UIDはあるシリーズにおける画像番号を示すIDである。例えば、ある検査が、図4に示すように、スカウト像の撮影、断面群Iについての撮影、断面群IIについての撮影からなる場合、スカウト像の撮影をSeries1、断面群Iについての撮影をSeries2、断面群IIについての撮影をSeries3とする。この場合、Study Instance UIDは、前記Series1〜3からなる検査のIDであり、Series Instance UIDは、Series1〜3のうちいずれのシリーズであるかを示すIDである。また、SOP Instance UIDは、各シリーズにおける画像に付された画像番号を示すIDである。例えば、Series2がn枚の画像からなる場合、画像番号1〜nを示すIDがSOP Instance UIDである。
【0017】
Series Instance UID及びSOP Instance UIDは、同一被検体について一回の検査で得られた複数の医用画像の中から医用画像を特定するための情報であり、本発明における医用画像の特定情報の実施の形態の一例である。
【0018】
前記患者・検査情報データ22は、前記医用画像データ21の患者情報と検査情報のデータである。患者情報は、例えば患者の氏名、患者のID等の情報である。また、検査情報は、例えば医用画像が取得された検査の情報であり、例えば検査日、検査モダリティ、検査部位等の情報である。
【0019】
前記定義情報データ23は、図5に示すように、表示形態が異なる複数種類の前記指示マーカIM1,IM2,IM3,・・・と、各指示マーカIMが示す所見欄の内容の情報(所見情報)とからなる。診断部位に応じて所見が異なるため、前記定義情報データ23は、検査部位ごとに記憶されている。図5では、検査部位が乳房である例が示されており、指示マーカIM1は「脂肪」という所見情報、指示マーカIM2は「石灰化」という所見情報、指示マーカIM3は「腫瘤」という所見情報を示す。ここでいう所見情報は、所見欄に記載される情報のうち、医用画像に見られる所見そのもの(狭義の所見)を意味する。前記定義情報データ23が記憶された前記医用画像サーバ2は、本発明における記憶部の実施の形態の一例である。
【0020】
前記モダリティ3としては、例えば核医学診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、一般X線撮影装置などが前記ネットワーク4に接続されている。
【0021】
さて、前記医用情報システム100における読影レポートの作成について図6のフローチャートに基づいて説明する。先ずステップS1では、読影医は前記読影端末1の入力部11において、読影レポートの作成対象を特定するための情報を入力する。具体的には、読影レポートの作成対象となる患者の氏名、検査日、検査モダリティを入力する。本例では、検査モダリティとしてマンモグラフィが入力される。ちなみに、読影医は本発明における操作者の一例である。
【0022】
次にステップS2では、前記医用画像サーバ2に記憶された医用画像データのうち、前記ステップS1で入力された情報に該当する検査の医用画像データを、前記読影端末1が取得し、前記メモリ15に記憶する。また、前記読影端末1は、前記患者・検査情報データ22の中から、前記ステップS1で入力された検査の患者情報及び検査情報を取得して前記メモリ15に記憶する。さらに、前記読影端末1は、前記検査情報に含まれる検査部位の情報に基づいて、前記定義情報データ23の中から該当する検査部位に対応する定義情報データを取得し、それぞれ前記メモリ15に記憶する。本例では、検査部位は乳房であるものとする。
【0023】
次にステップS3では、読影医は、前記モニタ13に表示された医用画像の読影を行ない、所見が認められた医用画像に指示マーカIMを設定する。詳しく説明すると、前記画像表示制御部1211は、図7に示すように、前記メモリ15に記憶された医用画像データに基づく医用画像Gを前記モニタ13に表示させる。また、前記画像表示制御部1211は、前記定義情報データにおいて記憶された指示マーカIMを前記モニタ13に表示させる。
【0024】
読影医は、表示された医用画像Gの読影を行なう。そして、読影レポートに記載すべき所見が認められた場合、その医用画像Gの該当箇所に指示マーカIMを設定する。
【0025】
前記指示マーカIMの設定について説明する。前記モニタ13には、表示形態が異なる指示マーカIMが表示されている。操作者は、前記指示マーカIMの中から、前記医用画像Gに認められた所見に対応する指示マーカIMを選択し、これを前記医用画像Gに設定する。具体的に説明すると、ここでは検査部位が乳房である医用画像Gに石灰化と思われる部分が認められたものとする。読影医は、前記入力部11のマウス等を用いて、図8に示すように石灰化を示す指示マーカIM2にカーソルCを合わせる。そして、図9に示すように、ドラッグ・アンド・ドロップ(drag and drop)操作を行なって、前記医用画像Gにおいて石灰化と思われる部分に指示マーカIM2を設定する。
【0026】
なお、図10に示すように、マウスの右クリック操作によって前記医用画像Gに指示マーカIMを表示させ、表示された指示マーカIMの中から所見に対応する指示マーカIMを選択することによって指示マーカIMの設定を行なうようにしてもよい。この場合、ドラック・アンド・ドロップ操作が不要になり、マウスの移動操作を少なくすることができるので、マウス操作の煩わしさを軽減することができる。
【0027】
また、図11に示すように、前記指示マーカIMの円周部cfの径は変更できるようになっていてもよい。これにより、所見が見られる部位の大きさに応じた径を有する指示マーカIMを設定することができる。
【0028】
ステップS3において指示マーカIM2が設定されると、ステップS4では、読影レポート作成部1212が、前記指示マーカIM2が示す所見情報が所見欄に記載された読影レポートを作成する。具体的には、前記読影レポート作成部1212は、前記メモリ15に記憶された定義情報データ23に基づいて、前記医用画像Gに設定された指示マーカIM2が示す所見情報(石灰化)が記載された所見欄Xを、図12に示すように前記医用画像Gに重畳することにより読影レポートを作成する。ちなみに、ここでいう医用画像Gとは、被検体の画像が表示された四角形の枠Frで囲まれる部分の画像をいうものとする。
【0029】
読影医は、自動的に表示された情報以外の他の情報を文字で前記所見欄Xに入力してもよい。
【0030】
ちなみに、前記読影レポート作成部1212は、前記指示マーカIM2が設定されることによって特定される情報として、シリーズ情報や画像番号、モダリティ情報などを、前記メモリ15に記憶されたDICOMヘッダ情報や患者・検査情報データ22に基づいて前記所見欄Xに記載してもよい。また、前記読影レポート作成部1212は、読影医が前記入力部11のキーボード等を用いて診断内容を文字で入力できるように、図13に示すように、前記所見欄Xとは別に、空欄の診断欄Yを前記医用画像Gに重畳してもよい。
【0031】
前記ステップS4で作成された読影レポート、すなわち医用画像G上に所見欄Xや診断欄Yを有してなる読影レポートは、前記医用画像サーバ2に記憶される。
【0032】
本例によれば、前記医用画像Gに前記指示マーカIMを設定するだけで、所見欄Xの内容が半自動的に作成されるので、読影医は読影レポートを従来よりも容易に作成することができる。
【0033】
次に、第一実施形態の変形例について説明する。先ず、第一変形例について説明すると、本例では、前記定義情報データ23として、図14に示すように、表示形態が異なる複数種類の前記指示マーカIM1,IM2,IM3,・・・と、各指示マーカIMが示す診断欄の内容の情報(診断情報)とが記憶されている。そして、前記ステップS3において前記指示マーカIMが設定されると、ステップS4において、前記読影レポート作成部1212は、前記定義情報データ23に基づいて、前記医用画像Gに設定された指示マーカIMが示す診断情報が記載された診断欄Yを、前記医用画像Gに重畳することにより読影レポートを作成する(図示省略)。また、前記読影レポート作成部1212は、空欄の所見欄Xを前記医用画像Gに重畳してもよい。この場合、前記所見欄Xに読影医が文字で所見を記載する。
【0034】
次に、第二変形例について説明する。検査部位と所見とが特定されると、診断内容は絞られる。従って、予め検査部位と所見とから考えられる診断情報を前記医用画像サーバ2に記憶しておき、ステップS3において、所見に応じて指示マーカIMが選択されると、前記読影レポート作成部1212は、前記指示マーカIMの種類と、ステップS2において取得された検査情報に含まれる検査部位とに基づいて、診断情報の候補を表示するようにしてもよい。
【0035】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について説明する。ただし、第一実施形態と異なる事項について説明する。
【0036】
図15に示す本例の医用情報システム100′は、読影端末1′、医用画像サーバ2及びモダリティ3の他、これら読影端末1、医用画像サーバ2及びモダリティ3と前記ネットワーク4を介して接続された読影レポートサーバ5を有している。前記読影レポートサーバ5には、特に図示しないが、前記医用画像サーバ2に記憶された前記患者・検査情報データ22と同一内容のデータ(患者の氏名、患者のID、検査日、検査モダリティ、検査部位等の情報)が記憶されている。
【0037】
また、図16に示すように、前記読影端末1′におけるCPU12は、画像ビューワ121′、読影レポート作成部122、測定部123、位置特定部124を有している。従って、第一実施形態とは異なり、本例では画像ビューワの機能と読影レポートの作成機能とが別々になっている。
【0038】
前記画像ビューワ121′は、前記モニタ13に画像を表示させる機能を実行するものであり、前記モダリティ3で撮影された医用画像Gや前記指示マーカIMを前記モニタ13に表示させる。前記読影レポート作成部122は、読影レポートの作成機能を実行する。本例では、第一実施形態とは異なり、医用画像とは別画面において読影レポートを作成する。詳細は後述する。前記読影レポート作成部122は、本発明における読影レポート作成部の実施の形態の一例である。
【0039】
前記測定部123は、前記指示マーカIMによって指示された部位の大きさを測定する。詳細は後述する。前記測定部123は本発明における測定部の実施の形態の一例である。
【0040】
前記位置特定部124は、医用画像Gに設定された前記指示マーカIMの設定位置を特定する。詳細は後述する。前記位置特定部124は本発明における位置特定部の実施の形態の一例である。
【0041】
本例における読影レポートの作成について説明する。本例では、頭部CT画像についての読影レポートの作成例について説明する。本例においても、図6のフローチャートと同様にして読影レポートの作成が行われる。ただし、本例では検査部位は頭部であるので、前記ステップS2においては、頭部の定義情報データ(具体例は図示省略)が取得されるものとする。
【0042】
前記ステップS2では、前記読影端末1′は、前記医用画像サーバ2に記憶された患者・検査情報データ22の代わりに、前記読影レポートサーバ5に記憶された患者・検査情報データを取得して前記メモリ15に記憶する。
【0043】
前記ステップS3では、前記医用画像Gのほか、図17に示すように読影レポートの作成画面GRが前記モニタ13に表示される。前記読影レポートの作成画面GRは、前記読影レポート作成部122が表示させる。前記読影レポートの作成画面GRは、前記医用画像Gとは別のモニタに表示されてもよい。
【0044】
前記読影レポートの作成画面GRにおいて、X11は患者の氏名、IDなどの患者情報や撮影モダリティ、撮影日などの情報が表示される欄、X12は所見を記入する所見欄、X13は診断内容を記入する診断欄である。また、X14は患者の氏名、身長、体重、血液型などの患者情報、撮影部位などの撮影情報、過去の読影レポートを選択するための画面が表示される欄である。さらに、前記読影レポートの作成画面GRは、この他に、診断においてキーとなる画像が添付される画像欄を有していてもよい。
【0045】
前記読影レポート作成部122は、前記X11の欄の患者の氏名、IDなどの患者情報や検査モダリティ、検査日などの情報を、前記読影レポートサーバ5から取得された患者・検査情報データに基づいて表示させる。
【0046】
前記医用画像G及び前記読影レポートの作成画面GRが表示されると、第一実施形態と同様に、読影医は読影を行ない、読影レポートに記載されるべき所見が認められた場合、その医用画像Gの該当箇所に前記指示マーカIMを設定する。
【0047】
本例では、所見として血腫が認められたものとする。前記ステップS3では、読影医は血腫を示す指示マーカIM1を選択して医用画像Gに設定する。この時、指示マーカIM1の設定によって血腫の大きさが測定される。具体的には、読影医は所見が認められた部分に前記指示マーカIM1を合わせ、この指示マーカIMの円周部cfの径を調節して血腫の外縁に円周部cfを位置させるようにして指示マーカIM1を設定する。前記指示マーカIM1が設定されると、前記測定部123は、前記円周部cfの直径を測定する。
【0048】
また、前記位置特定部124は、前記指示マーカIM1が設定されると、医用画像Gにおける前記指示マーカIM1の設定位置を特定し、前記指示マーカIM1によって指示された部位の被検体における位置を特定する。例えば、前記位置特定部124は、頭部CT画像である医用画像Gにおいて、図18に示す位置に前記指示マーカIM1が設定された場合、頭部の輪郭を画像上で検出した上で、医用画像Gにおける前記指示マーカIM1の設定位置を特定し、その位置特定情報と検査部位の情報を用いて前記指示マーカIM1の設定位置が右側頭部であることを特定する。
【0049】
前記ステップS4においては、読影レポートは医用画像とは別に作成される。具体的には、前記ステップS3において前記指示マーカIM1が設定されると、前記ステップS4では、前記読影レポート作成部122は、前記指示マーカIM1が示す所見情報及びその他前記指示マーカIM1の設定によって特定される情報が前記所見欄X12に記載された読影レポートを作成する。本例では、前記読影レポート作成部122は、前記所見欄X12に、例えば「シリーズ2、画像番号10の頭部CT画像の右側頭部に2cm大の血腫が見られる」と記載された読影レポートを作成する。
【0050】
「シリーズ2、画像番号10」の情報は前記指示マーカIM1が設定された医用画像GのDICOMヘッダ情報に基づくものである。「頭部CT画像」の情報は前記指示マーカIM1が設定された医用画像Gの患者・検査情報データ22に基づくものである。「右側頭部」の情報は、前記位置特定部124によって特定された前記指示マーカIM1の位置情報に基づくものである。「2cm大」の情報は、前記測定部123によって測定された前記円周部cfの直径の情報に基づくものである。「血腫」の情報は、前記定義情報データ23に基づくものである。これらの情報は、いずれも前記指示マーカIM1の設定によって特定された情報である。
【0051】
本例では、前記ステップS4で作成された読影レポートは、前記読影レポートサーバ5に記憶される。
【0052】
本例によれば、第一実施形態と同様に、前記医用画像Gに前記指示マーカIMを設定するだけで、所見欄X12の内容が半自動的に作成されるので、読影医は読影レポートを従来よりも容易に作成することができる。
【0053】
以上、本発明を上記各実施形態によって説明したが、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。例えば、上記実施形態において、前記指示マーカIMの設定によって特定されて、読影レポートにおける所見欄及び診断欄の少なくともいずれかの内容として記載される情報は一例であり、上述のものに限られるものではない。
【0054】
また、第二実施形態において、前記読影レポートサーバ5に前記定義情報データ23が記憶されていてもよい。
【符号の説明】
【0055】
11 入力部
122,1212 読影レポート作成部
123 測定部
124 位置特定部
13 モニタ(表示部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の医用画像が表示される表示部と、
該表示部に表示された医用画像において任意の部分を指示する指示マーカであって、所定の所見情報及び所定の診断情報のうち少なくとも一方を示す指示マーカを、操作者が複数種類から選択して設定する入力を行なう入力部と、
該入力部によって設定された前記指示マーカが示す所見情報及び診断情報のうち少なくとも一方が、読影レポートにおける所見欄又は診断欄のいずれかの内容として記載された読影レポートを作成する読影レポート作成部と、
を備えることを特徴とする読影レポート作成システム。
【請求項2】
前記読影レポート作成部は、前記指示マーカの設定によって特定される情報として、前記指示マーカが設定された医用画像を特定するための特定情報、前記医用画像が取得された検査の情報、前記指示マーカによって指示された部位の被検体における位置及び大きさの少なくともいずれかが記載された読影レポートを作成することを特徴とする請求項1に記載の読影レポート作成システム。
【請求項3】
医用画像を特定するための特定情報は、同一被検体について一回の検査で得られた複数の医用画像の中から医用画像を特定するための情報であることを特徴とする請求項2に記載の読影レポート作成システム。
【請求項4】
前記医用画像が取得された検査の情報には検査モダリティの情報が含まれることを特徴とする請求項2又は3に記載の読影レポート作成システム。
【請求項5】
前記指示マーカによって指示された部位の被検体における位置を、前記医用画像における前記指示マーカの設定位置と前記検査の情報とに基づいて特定する位置特定部を備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の読影レポート作成システム。
【請求項6】
前記指示マーカによって指示された部位の大きさを測定する測定部を備えることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の読影レポート作成システム。
【請求項7】
表示形態が異なる複数種類の前記指示マーカが記憶されるとともに、該指示マーカが示す所見情報及び診断情報のうち少なくとも一方が記憶された記憶部を備え、
前記読影レポート作成部は、前記記憶部の記憶内容に基づいて、前記医用画像に設定された指示マーカに対応する内容が前記所見欄又は前記診断欄に記載された読影レポートを作成する
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の読影レポート作成システム。
【請求項8】
前記読影レポート作成部は、検査部位と医用画像の所見情報とに基づいて、予め記憶された診断情報の候補を表示することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の読影レポート作成システム。
【請求項9】
コンピュータに、
被検体の医用画像において任意の部分を指示する指示マーカであって、所定の所見情報及び所定の診断情報のうち少なくとも一方を示す指示マーカが設定されると、該指示マーカが示す所見情報及び診断情報のうち少なくとも一方が、読影レポートにおける所見欄及び診断欄の少なくともいずれかの内容として記載された読影レポートを作成する読影レポート作成機能
を実行させることを特徴とする読影レポート作成システムの制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−8274(P2013−8274A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141598(P2011−141598)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)