説明

調剤の検品方法及び調剤検品システム

【課題】 従来の手作業で行っていた調剤によるミスをなくする調剤検品方法及び検品装置を提供する。
【解決手段】 薬剤10の品目を特定する薬剤バーコードが記載されたバーコード部7を付し、対応する薬剤が収納された薬剤収納体6を調剤棚に多数個配列しておき、目的の薬剤収納体6を選択するに際して、薬剤に対応する薬剤バーコードが予め記憶されたコンピュータ40に処方箋に記入された年月日、患者名、処方された薬剤の品目等の処方内容を予め入力し、調剤データとして記憶させてハンディターミナル42に転送し、この調剤データを画面表示装置42bに所定の形態にて表示する。ハンディターミナル42により選択した薬剤収納体6のバーコード部7を読取り、調剤データ中の薬剤バーコードとバーコード部7の薬剤バーコードとを照合し、一致すると、一致マークを画面表示装置42bに表示し、一致しないときには警報を鳴らす。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調剤薬局において、調剤するときに患者に渡す薬剤に誤りのないようにするための調剤の検品方法及び調剤検品システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、医薬分業制度の元、病院、医院、診療所にて発行された処方箋を、患者が調剤薬局に持ち込むと、調剤薬局では、その処方箋をみながら、調剤し、所定の医薬品(以下単に薬剤という)を患者ごとにまとめて手渡すようにしていた。
【0003】その場合、多数の薬剤(錠剤、散剤、顆粒、細粒、シロップ、舌下剤、貼り薬、塗り薬、座薬等をいう、以下同じ)を識別するため、調剤薬局内には調剤棚を設け、該調剤棚には、品目毎に分別された薬剤が収納された薬剤収納体を多数、引き出し可能に配列しておき、各薬剤収納体の外面等には予め薬剤名等が記載されたラベルを貼着しておく。薬剤師等は、処方箋を見ながら、前記薬剤収納体のラベルを観察して、該当する薬剤収納体から薬剤を所定数量だけ取り出し、患者毎の調剤かごに入れる。この調剤かご内の薬剤が処方箋と一致するか否かを他の薬剤師(監査薬剤師)が点検し、誤りがなければ、薬剤名、その用途、薬の用法等を書いた薬剤情報箋を薬剤袋に入れ替えながら患者に薬の説明等をして手渡すようしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば薬剤名(製品名)が同じでも、同じ大きさ形状の錠剤であっても規格(有効成分の含有量(通常ミリグラム単位)等の品目が異なる場合があり、この品目の選択を間違うと、患者に対する薬剤の効能や副作用等の程度が大きく相違することになるので、前記調剤棚には、薬剤の品目毎に分別されて収納できる薬剤収納体を多数準備し、この各薬剤収納体の外面等には、収納した薬剤名とその品目等を記入したラベルを貼設しておき、薬剤師はそのラベルを読んで、当該薬剤収納体の中身である薬剤を調剤かごに入れるようにしていたから、ラベルの読み間違い等から、取り出すべき薬剤収納体を間違えてしまうことがあり、調剤誤りを完全に防ぐことができないという問題があった。
【0005】本発明は、製薬会社が製品(薬剤)出荷等の製品管理のために、薬剤の品目毎にそれを特定する薬剤バーコードを付していることに鑑み、電子処理装置を利用して前記のような調剤誤りを発生させないようにした、調剤検品方法と調剤検品装置とを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の薬剤の検品方法は、処方箋に基づいて電子処理装置に入力・記憶させた患者名と当該患者毎の処方された薬剤の品目等の処方内容等とからなる処方データを画面表示装置に表示させる一方、選択された薬剤収納体に予め付され、それに収納されている薬剤の品目を特定するための薬剤バーコードをハンディターミナルにて読み取り、該読み取りデータと前記処方データとを、前記電子処理装置またはハンディターミナルにて照合し、少なくとも前記両データが一致しない場合の識別を、前記電子処理装置及びハンディターミナルのいずれか一方もしくは双方における画面表示装置にて視覚的に判別可能に表示することを特徴とするものである。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の調剤の検品方法において、前記両データが一致しない場合及び一致した場合のそれぞれについて、前記電子処理装置及びハンディターミナルのいずれか一方もしくは双方における画面表示装置にて視覚的に判別可能に表示するようにしたものである。
【0008】そして、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の調剤の検品方法において、前記処方データから調剤録画面を前記画面表示装置に表示させ、該調剤録画面における項目のうち、薬剤の品目の項目と他の項目とを所定の字体もしくは色彩等視覚的に区別される形態にて表示し、前記読み取りデータと前記処方データとを照合して両データが一致したときには、一致することを視覚的に認識できる形態にて表示し、両データが一致しないときには、一致しないことを視覚的に認識できる形態にて表示すると共に警報を出力することを特徴とするものである。
【0009】請求項4に記載の発明の調剤の検品方法は、薬剤の品目に対応する薬剤バーコードを予め記憶させた電子処理装置に、前記処方箋に記載されている患者名と当該患者毎の処方された薬剤の品目・投薬数量・投薬回数等の処方内容からなる処方データを、入力して記憶させ、前記電子処理装置は、前記患者を特定するための患者識別コードと、薬剤の品目と、薬剤の品目に対応する薬剤バーコードと、前記処方データから得られた薬剤の品目毎の調剤量と、薬剤の品目毎の処方注意事項とが印刷された調剤せんを得るようにプリンタに指令し、選択された薬剤収納体に予め付され、それに収納されている薬剤の品目を特定するための薬剤バーコードを、前記ハンディターミナルにて読み取る一方、前記印刷された調剤せんにおける薬剤バーコードをハンディターミナルにて読み込んで、選択すべき薬剤品目をハンディターミナルにおける画面表示装置に表示させると共に、両薬剤バーコードを前記電子処理装置またはハンディターミナルにて照合することを特徴とするものである。
【0010】請求項5に記載の発明の調剤の検品方法は、薬剤の品目に対応する薬剤バーコードを予め記憶させた電子処理装置に、処方箋に記載されている患者名と当該患者毎の処方された薬剤の品目・投薬数量・投薬回数等の処方内容とからなる処方データを、入力して記憶させ、前記電子処理装置は、前記患者を特定するための患者識別コードと、前記処方データから得られた薬剤の品目及びその調剤量と、薬剤の品目毎の前記薬剤バーコード及びその処方注意事項等の調剤事項データをハンディターミナルに伝送してその画面表示装置に表示させ、選択された薬剤収納体に予め付され、それに収納されている薬剤の品目を特定するための薬剤バーコードをハンディターミナルにて読み取り、前記処方データから得られた薬剤バーコードとを照合し、前記両薬剤バーコードが一致するときには、前記ハンディターミナルにおける画面表示装置に、前記選択された薬剤の品目箇所に一致マークが付され、この選択された薬剤の調剤量を表示することを特徴とするものである。
【0011】また、請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の調剤の検品方法において、前記両薬剤バーコードが一致しないときには、前記ハンディターミナル及び/又は電子処理装置にて、警報音を出力し及び/又は画面表示装置に警告マークを表示するものである。
【0012】さらに、請求項7に記載の発明は、請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の調剤の検品方法において、処方箋受付番号を付した処方箋受付シールを前記処方箋に付する一方、前記電子処理装置に前記処方箋受付番号を入力し、調剤作業に際して、処方箋受付番号を前記調剤せんに付し、または前記ハンディターミナルにおける画面表示装置に表示させるものである。
【0013】他方、請求項8に記載の発明の薬剤の検品システムは、薬剤の品目を特定するための薬剤バーコードが記載された認識票を付し、それに対応する薬剤が品目毎に収納された薬剤収納体が、多数個配列された調剤棚と、処方箋に記入されている年月日、患者名と当該患者毎の処方された薬剤の品目・投薬数量・投薬回数等の処方内容を入力し、処方データとして記憶させる電子処理装置と、前記処方データを所定の形態にて表示する表示装置と、前記薬剤バーコードを読取るためのハンディターミナルとを備え、前記処方データから調剤録画面を前記表示装置に表示させ、調剤に際して、前記調剤棚における薬剤収納体表面の薬剤バーコードをハンディターミナルにて読み取って前記電子処理装置にデータを伝送し、この読み取りデータと前記処方データとを照合して、少なくとも両データが一致しないときには、一致しないことを視覚的に認識できる形態にて表示するように構成したものである。
【0014】そして、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の薬剤の検品システムにおいて、前記電子処理装置は、入力された薬剤名から薬剤バーコードを出力可能に構成されているものである。
【0015】また、請求項10に記載の発明は、請求項8または請求項9に記載の薬剤の検品システムにおいて、前記両データが一致したときには、一致することを視覚的に認識できる形態にて表示し、両データが一致しないときには、一致しないことを視覚的に認識できる形態にて表示するように構成したものである。
【0016】さらに、請求項11に記載の発明は、請求項8乃至請求項10のいずれかに記載の薬剤の検品システムにおいて、前記両データが一致しないときには、警報装置を鳴動させ、及び/又はハンディターミナルを振動させるように構成したものである。
【0017】また、請求項12に記載の発明は、請求項8乃至請求項11のいずれかに記載の薬剤の検品システムにおいて、前記ハンディターミナルには画面表示装置とキー入力部と警報装置とを備え、前記両データが一致しないときには、読み取りデータをクリアして再度読み取り可能に構成したものである。
【0018】請求項13に記載の発明は、請求項8乃至請求項12のいずれかに記載の薬剤の検品システムにおいて、前記電子処理装置は、健康保険請求業務用であり、且つ薬剤情報箋のデータを出力することが可能であるように構成されているものである。
【0019】請求項14に記載の発明は、請求項8乃至請求項13のいずれかに記載の薬剤の検品システムにおいて、処方箋受付の順番を特定し、処方箋との照合のための処方箋受付シール及び調剤引換券を発行する処方箋受付機を有するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明を具体化した実施形態を説明すると、図1は薬剤の納品(補充)時の検品管理の状態を示す図、図2は本発明の第1実施形態に係る調剤時における調剤検品方法及びその検品システムの概略図、図3は調剤棚の概略斜視図、図4は薬剤収納体としての薬剤収納箱、調剤かご及びハンディターミナルの斜視図、図5は本発明の第2実施形態に係る調剤時における調剤検品方法及びその検品システムの概略図、図7は本発明の第3実施形態に係る調剤時における調剤検品方法及びその検品システムの概略図である。
【0021】まず、薬局において、医薬品(以下単に薬剤という)を購入しまたは補充する場合の検品、在庫管理並びに自動発注方法及びそのシステムについて説明する。薬局側が薬品卸業者に購入または補充する薬剤を発注する場合、薬剤管理用電子処理装置(コンピュータ)から、適正在庫量以下になった薬剤のリストをプリンタにて薬剤発注リストを作成する。この薬剤発注リストには後述するように、発注すべき薬剤名とそのJANコード及び発注量が印刷されている。発注者はこの薬剤発注リストを印刷されたもの乃至はコンピュータの画面表示装置で確認して薬品卸業者にデータ通信もしくはファクシミリ送信して発注する。
【0022】薬品卸業者は注文を受けた薬剤を段ボール箱等の適当な包装体(薬品箱)1に入れて納品する。薬局側では納品書と現物(薬剤)とを、後述するようして検品して、図1に示すように、薬局側の倉庫等における薬剤管理(ストック)棚2に、前記包装体(薬品箱)1を保管する。
【0023】ところで、製薬会社では、医薬品(薬剤)の品質管理、在庫管理や物流管理等のために、前記段ボール箱等の適当な包装体(薬品箱)1の表面には、薬剤の品目(薬剤の製品名、薬剤の規格(有効成分含有量、薬剤の形態、最小包装体内に含まれる個数などの量)をいう)毎にこれを特定するための統一された薬剤バーコードを印刷し、またはその薬剤バーコードを表示したバーコードラベルが貼着されている。例えば、同じ製造会社で、且つ薬剤の製品名が同じであっても、有効成分含有量の相違(例えば有効成分が1mgのものと2mg のものとの相違) や薬剤の形態の相違(錠剤と散剤との相違等)でもコード番号が異なる。なお、前記薬剤バーコードが印刷された箇所または薬剤バーコードを表示したバーコードラベルを、以下認識票としてのバーコード部7という。
【0024】バーコード(バーコードシンボルともいう、以下同じ)は、日本のJIS規格によるJAN(Japan Articl Number) コードまたはITF(Interleaved Tow ofFive) コードが一般的であり、JANコードでは、国名、会社名、商品名(商品アイテム)、チェック(ディジット)文字の合計13個(桁)の数字を白バーと黒バーとの組み合わせで表示するものであり、ITFコードはJANコードに1〜2桁の物流識別コードを付加したものである。
【0025】この種のバーコードは国際的にも統一されており、薬剤の品目毎に特定できるコードであるので、バーコードリーダー(バーコード読み取り装置)としてのハンディターミナル3にて読み取って、電子処理装置(サーバー用コンピュータ及びパーソナルコンピュータを含み、液晶またはCRT等の画面表示装置8及びキーボード等の入力装置9を含む以下、単にコンピュータという)4aに記憶させて、薬剤の品目ごとの在庫管理を行っている。なお、本発明においては、以下に述べるように、コンピュータやハンディターミナル等のハードの使用数には限定がないものとする。
【0026】ハンディターミナル3は、図4に示すように、携帯型であって、レーザ光線の投光部3cと受光部3dとを有し、バーコード部7に投射したレーザ光線の反射の程度等にて薬剤バーコード(シンボル)の相違を識別できるように構成されており、また、CPUやメモリを備え、キーボード部3aを有して、所定の数値や英数字等の記号等のデータ入力、ファイル、及び各種指令や取消等の実行が可能であり、さらに、液晶等の画面表示装置3bに前記読み取りデータや入力データを表示すると共に通信機能(双方向通信)を有している。例えば、ハンディターミナル3からの所定の出力信号を有線もしくは赤外線等の無線にてコンピュータ4aに伝送して、所定の判断を実行し、コンピュータ4aの内部もしくは外付けした記憶手段(ハードディスクやCD−R/RW等)に所定のデータを記憶させることができる。ハンディターミナル3の電源は乾電池またはバッテリである。
【0027】従って、納品に際しては、作業者は目視にて前記包装体1の薬品名等の品目と納品伝票とを比較して一致することを確認した後、当該包装体1に付されたバーコード部7をハンディターミナル3にて読み取り、もう一度、前記包装体1に付されたバーコード部7をハンディターミナル3にて読み取ると、「納品された数量は?」という表示が表れるので、ハンディターミナル3のキーボード部3aにて数量を入力すると、それらのデータがコンピュータ4aに伝送され、ストック棚2における在庫量として演算・記憶されるから、納品時の検品作業にミスがなくなり、且つ後の在庫管理に供することができる。その場合、前記在庫のための各種データをコンピュータ4aにおける画面表示装置8に品目や数量を表示するようにしても良い。
【0028】次に、薬剤の補充作業について説明する。図3に示すように、薬局内の調剤棚5には、薬剤収納体6の一例としての薬剤収納箱が多段横列状にて多数マトリックス状に配置されており、該各薬剤収納体6内には、患者(外来患者)から持ち込まれた処方箋に従って調剤するための薬剤10がその品目毎に収納されている(図3及び図4参照)。
【0029】この薬剤収納体6の中身が無くなり、または少なくなれば、前記ストック棚2から薬剤10を補充する。この場合、図1に示すように、薬剤収納体6としての薬剤収納箱は、調剤棚5からの出し入れが容易なように、前面側が斜めカットされたり把手が設けられたりした上面開放状の箱体であって、薬剤収納体6の前面等には、前記バーコード部7と、人が読める文字や記号にて表示した薬剤名ラベル11が貼着されている(図4参照)。前記バーコード部7及び薬剤名ラベル11は薬剤収納体6の前面における外面に設けても良いし、それらのラベル11及びバーコード部7の表面を透明なカバー体に覆っても良く、さらには薬剤収納体6を透明樹脂等の透明材料にて構成し、前記バーコード部7及び薬剤名ラベル11を箱6の内面側に張り付けるこれらにより、いずれにしても薬剤収納体6の外から前記バーコード部7及び薬剤名ラベル11の文字、記号等が読み取れるように構成されている。なお、薬剤収納体6は蓋付もしくは蓋なしのガラスビン、プラスチック容器等の容器であっても良いことはいうまでもない。
【0030】薬剤10の補充に際しては、まず、補充すべき薬剤収納体6におけるバーコード部7をハンディターミナル3にて読取ると、当該ハンディターミナル3における画面表示装置3b及びコンピュータ4aの画面表示装置8に読み取られた薬剤8の薬品名等の品目が文字表示される。次いで、前記ストック棚2内の包装体1の表面のバーコード部7をハンディターミナル3にて読み取る。
【0031】照合した両者のバーコードが一致すると、ハンディターミナル3における画面画面表示装置3bの画面から品目部分が消え、次いで、「数量は?」という表示が表れる。このように一致した場合には、包装体1から所定量の薬剤10を取り出して、薬剤収納体6に移しかえる。その移しかえ量(補充量)を、ハンディターミナル3のキーボード部3aにて入力すると、そのデータは前記コンピュータ4aに伝送されて、ストック棚2における在庫量として演算・記憶され、在庫管理に供され、また薬剤の補充の管理も実行することができる。この場合、ハンディターミナル3のキーボード部3aにて補充年月日、補充者名等の履歴データも入力することが好ましい。
【0032】さらに、ストック棚2における各薬剤の在庫量が所定量(基準量)以下になれば、前記コンピュータ4aから発注元に通信回線を介して自動的に所定の薬剤を所定量だけ発注するデータを送信することにより、自動発注システムとして利用できる。
【0033】もし、ハンディターミナル3にて読み取った包装体1の表面のバーコード部7のもの(バーコードシンボル)と前記補充すべき薬剤収納体6におけるバーコード部7のもの(バーコードシンボル)とが一致しない場合には、ハンディターミナル3から警告音が鳴動し、作業者に補充すべき薬剤の品目が相違する旨注意を促すから、作業者は正しい包装体1を選択して再度、前記のバーコード読み取り作業や数量入力作業を実行すれば良い。
【0034】なお、前記ストック棚2内の包装体1の表面のバーコード部7をハンディターミナル3にて読み取ると、そのデータはコンピュータ4aに伝送され、画面表示装置8にて薬剤の品目の部分が赤字等にて表示される。そして、補充すべき薬剤収納体6におけるバーコード部7を同じくハンディターミナル3にて読み取り、そのデータをコンピュータ4aに伝送する。そして、前述のように前記照合した両バーコードシンボルが一致した場合には、前記画面表示装置8における前記品目の赤字が黒字等に変換されて、作業者が視覚的に容易に認識できるようにする。逆に、両バーコードシンボルが一致しなかった場合に、前記画面表示装置8における赤字がそのまま残るように構成すれば、補充の作業者もしくは他のオペレータ、管理者等の第三者も遠隔箇所または後の時間帯(例えば、毎日の終業時等)でも確認することができる。さらに、前記コンピュータ4aに記憶された薬剤補充作業の履歴データを図示しないプリンタにて紙に出力する場合、前記照合した両バーコードシンボル(データ)が一致している箇所は黒字で印字し、両バーコードシンボルが一致しなかった箇所は赤字で印字する等、両データが一致したときには、一致することを視覚的に認識できる形態にて表示(印字)し、両データが一致しないときには、一致しないことを視覚的に認識できる形態にて表示(印字)することが好ましい。なお、前記視覚的に認識できる形態としては、文字の色の違いばかりでなく、照合したデータの相違箇所を網かけ表示したり、枠で囲み表示したり、データが一致しない箇所に、「*」等のマークを付するようにしても良い。なお、在庫管理及び補充管理用のコンピュータ4aと発注用コンピュータもしくは健康保険請求業務用コンピュータ、又はホストコンピュータ(図示せず)とを別にして、これら複数のコンピュータ間をLAN(ローカル・エリア・ネットワーク、構内通信網) にて接続してデータ交換可能に構成しても良い。
【0035】次に、調剤時における検品方法及びそのシステムについて説明する。通常、処方箋には、処方者(医師)名、処方の年月日(処方箋発行日)、患者名、患者の生年月日、処方された薬剤の品目、数量、朝夕または毎食後等の服用の時期等の処方内容(処方データ)が記入されている。調剤検品方法の第1実施形態では、患者等が調剤薬局に前記処方箋を差し出し、図2に示すように、まず、■処方箋受付機20にて処方箋受付番号票(後に薬剤との引換券となる)を、前記患者等に発行する。
【0036】■次いで、調剤薬局では、前記受け取った処方箋の内容を処方データとして電子処理装置(コンピュータ)4bに入力するため、キーボード9にて、前記処方箋の内容を入力するか、または光学式文字読み取り装置21にて前記処方箋の内容(文字)を読み取ってデータ化する。
【0037】■前記処方データは、コンピュータシステムにおける別のコンピュータ4c(4d)に伝送しても良く、いずれにしても、調剤棚5の前の作業台22上等の近傍に置いたコンピュータ4d(4b,4cでも良い)における画面表示装置8に処方データの画面を表示させる。
【0038】■他方、薬剤師等の調剤作業者は、前記処方箋を見て、調剤棚5における目的の(調剤すべき)薬剤収納体6を、薬剤名ラベルから見つけ出し(選択し)、薬剤収納体6における認識票としてのバーコード部7にハンディターミナル3を照射してバーコードを読取る。ハンディターミナル3とコンピュータ4dとは有線もしくは無線(赤外線)にて通信できることは前述のものと同じである。ハンディターミナル3からの読取りデータはその画面表示装置3bに表示されると共に前記コンピュータ4dに伝送される。コンピュータ4dには、前述のように処方データが格納されているので、この処方データと前記読取りデータとを照合し、誤っている(両データが一致していない)場合には、ハンディターミナル3又はコンピュータ4dにおいて警告音を鳴動させる。
【0039】これと同時に、もしくは、ハンディターミナル3における画面表示装置3bもしくはコンピュータ4dにおける画面表示装置8の調剤録画面において、前記処方データのうち読取りデータと一致しないことを視覚的に認識できる形態にて表示する。例えば、前記予め入力された処方データは黒字または白字で表示されているが、前記両データの一致しない箇所は赤字に変換して表示される。その他の視覚的に認識できる形態としては、文字の色の違いばかりでなく、照合したデータの相違箇所を網かけ表示したり、枠で囲み表示したり、データが一致しない箇所に、「*」等のマークを付したり、データが一致しない箇所の表示を点滅させるようにしても良い。
【0040】逆に、前記両データが一致するときには、その一致することを視覚的に認識できる形態にて表示する実施形態として、処方箋から入力された処方データの箇所は赤字にて画面表示装置8または画面表示装置3bに表示し、ハンディターミナル3の読取りデータと一致したときには、前記赤字を黒字に変更して表示する。従って両データが一致しない箇所は赤字のままで表示されるように構成しても良い。
【0041】なお、画面表示装置8の調剤録画面における項目のうち、薬剤の品目の項目を他の項目と所定の字体もしくは色彩等視覚的に区別される形態にて表示するようにしておいても良い。
【0042】■そして、前記両データが一致した場合には、前記作業者が調剤かご12に前記取り出した正しい薬剤収納体6から薬剤10を所定量だけ移しかえるのである(図4参照)。なお、前記処方データとハンディターミナル3の読取りデータとが一致しないときには、誤った薬剤収納体6を取り出したものであるので、それを調剤棚5に戻した後、再度別の薬剤収納体6を選択して前記■の作業を実行すれば、調剤用のコンピュータ4c(4d)の記憶データも修正される。その薬剤収納体6が正しい時には、■の作業を実行すれば良い。上記のような作業を、処方箋に記載された全ての薬剤の取り出し完了まで続行する。
【0043】なお、薬剤収納体6から薬剤10を所定量だけ移しかえるとき、ハンディターミナル3のキーボード部3aにてその数量を入力すれば、在庫管理用コンピュータ4aに伝送されて在庫量管理に直ちに反映される。
【0044】以上のように、コンピュータ及びハンディターミナル(バーコードリーダ)を用いて、調剤の検品を実行することにより、調剤時における薬剤採取ミスを確実に防止することができるのであり、ハンディターミナル3の画面表示装置3bの他、他のコンピュータにおける画面表示装置8にも、前記の両データの一致・不一致を視覚的に認識できる形態で表示することにより、第三者も同時に検品作業に参加しまたは監督することができるという効果を奏する。
【0045】図2に示すように、■前記作業と平行して、前記処方データが記憶された別のコンピュータ4c等を介してプリンタ23aにて、薬袋13に患者名、調剤日、処方箋受付番号等を印刷する一方、他方のプリンタ23bにて薬剤情報箋14を印刷する。
【0046】ここで薬剤情報箋14とは、前記調剤した薬剤毎の用法(服用法等)、各薬剤の効能及び副作用等を開示するものである。
【0047】■前記印刷した薬袋13及び薬剤情報箋14を前記調剤済みの調剤かご12に入れ、カウンタ箇所で、薬剤師が、前記処方箋受付番号票と引き換えに、該当する患者名を確認し、薬剤と薬剤情報箋14とを照合する最終確認の上、且つ薬剤の用法等を患者等に説明(薬剤指導)しつつ、薬袋13に移しかえて引き渡し、薬価計算用(会計用のソフト、健康保険請求業務用のソフトが搭載されている)コンピュータ4eにて清算するのである。処方箋の内容を最初に入力するコンピュータ4bを健康保険請求業務用としても良い。
【0048】■なお、前記薬剤指導した内容等を別のコンピュータ等に入力して後日のための記録とする。
【0049】図5及び図6は、調剤検品方法及び検品システムの第2実施形態を示し、患者等が調剤薬局に前記処方箋を差し出し、図5に示すように、まず、ステップS1では、処方箋受付機20にて処方箋33を受け付けた順番を示す処方箋受付番号票(後に薬剤との引換券となる)30と、処方箋受付番号が印刷された処方箋受付シール31とを発行する。
【0050】次いで、ステップS2において、調剤薬局では、前記受け取った処方箋33に前記処方箋受付シール31を見易い箇所に貼着し、さらに、ステップS3において、調剤薬局では、前記受け取った処方箋33の内容を処方データとして電子処理装置(健康保険請求業務用等のソフトが搭載されているコンピュータ等をいう、以下同じ)32に入力するため、キーボード9にて、前記処方箋の内容を入力するか、または図示しない光学式文字読み取り装置にて前記処方箋33の内容(文字)(処方データ)を読み取ってデータ化する。このデータ化されたものを調剤データという。これをプリンタ35にて打ち出して、調剤せん(調剤箋)34を得る(ステップS4)。
【0051】調剤せん34には、調剤すべき患者を特定するための患者識別コードと、調剤データと、調剤の必要事項が記入(印刷)される。本実施形態では患者識別コードの一例として、前記処方箋受付番号が印刷されるが、患者名及びその生年月日を印刷するようにしても良い。
【0052】図6に示すごとく、調剤データは、前記処方データから、実際に必要な薬剤とその調剤量(錠数)とを演算したものである。例えば、処方箋33にデバス錠(0.5mg )を3錠で14日分(1日3回毎食後)とあるとき、調剤量は、3×14日=42錠となる。また、セフゾンカプセル100mg が3カプセルで5日分(1日3回毎食後)とあるときには、調剤量は、3×5日=15カプセルとなる。同様にして、セルベックス細粒(1.5g)で14日分(1日3回毎食後)とあるとき、調剤量は、セルベックス細粒の0.5g入包みで3×14日=42包必要ということになる。
【0053】前記電子処理装置32では、このような演算を実行し、その薬剤名と調剤量(錠数、カプセル数、包数等)とが調剤せん34に予め印刷される。なお、前記電子処理装置32には、薬剤名とそれに対応する薬剤バーコード(JANコード)とが対の関係にてデータベース化されて、メモリに記憶することが好ましい。現在の健康保険請求業務では製品名と旧厚生省コード(現厚生・労働省コード)とが対応するようにした医薬品識別コードが公開されて、利用されている。また、これに各製薬会社が自己の製品とJANコードにて対応付けしたデータベースが市販(公表)されているので、このデータベースを利用すると、新製品の発表にも迅速に追従することができる。なお、薬剤名とそれに対応する薬剤バーコード(JANコード)のデータ、及び前記調剤データは、後述するハンディターミナル36のメモリ内に予め記憶されているものとし、そのデータの交換(更新)はコンピュータを介して実行するものとする。
【0054】前述のようにして得られた調剤せん34(シートの裏面の一部等に感圧性接着剤が塗布され、その部分を離型紙にて覆ったもの)を前記離型紙を剥がして処方箋33に連接する(ステップS5)。
【0055】次いで、調剤作業者は、ハンディターミナル36と、前記処方箋32に調剤せん34を連接したものとを持ち、処方箋32に書かれた薬剤名から調剤すべき薬剤収納体6を選択して取り出し、そのバーコード部7を同じく前記ハンディターミナル36にてスキャンすると、対応する薬剤名が画面表示装置36bの調剤録画面に表示される。次いで、ハンディターミナル36にて調剤せん34上の調剤すべき箇所のバーコード部37をスキャンして両方の薬剤バーコードが一致するか否かを照合する(ステップS6)。
【0056】一致すれば、調剤せん34に記載されている調剤量(錠数等)だけ、薬剤収納体6から薬剤を取り出せば良い。一致しないときには、ハンディターミナル36に内臓された警報器により警報音を発するようにする。このとき、ハンディターミナル36における画面表示装置36bの調剤録画面に警告マークを表示させるように構成しても良い。前記のように一致しないときには、正しい薬剤収納体6を選択する。
【0057】この実施形態では、ハンディターミナル36の画面表示装置36bの調剤録画面には、取り出すべき量(調剤量)が表示されようにしてもよいが、前記調剤せん34に調剤量が既に印刷されているから、画面表示装置36bを有しない、もしくは表示文字数の少ないハンディターミナル36でも適用できる。
【0058】このようにして取り出された薬剤10は調剤かご12に入れる(ステップS7)。前記電子処理装置32に処方データを入力する際に、誤った薬剤名を入力した場合、前記調剤せん34に印刷された薬剤名及び対応する薬剤バーコードは誤りであるから、再度電子処理装置32で訂正入力する必要がある。
【0059】最終的に、正しい処方データが作成された後に、プリンタ35にて薬袋13と薬剤情報せん14とを印刷作成し(ステップS8)、それを調剤かご12に入れる。その後、カウンタ箇所で、薬剤師が、前記処方箋受付番号票と引き換えに、該当する患者名を確認し、薬剤と薬剤情報箋14とを照合する最終確認の上、且つ薬剤の用法等を患者等に説明(薬剤指導)しつつ、薬袋13に移しかえて引き渡し(ステップS9)、薬価計算用(会計用、健康保険請求業務用)コンピュータにて清算するのである。処方箋の内容を最初に入力するコンピュータ32を健康保険請求業務用としても良い。
【0060】なお、前記薬剤指導した内容等を別のコンピュータ38等に入力して後日のための記録とする。
【0061】図7及び図8は調剤の検品方法及びそのシステムの第3実施形態を示す。患者等が調剤薬局に処方箋33(図6の左部分と同じものを実施例として使用する)を差し出し、図7に示すように、まず、ステップS11では、処方箋受付機20にて処方箋33を受け付けた順番を示す処方箋受付番号票(後に薬剤との引換券となる)30と、処方箋受付番号が印刷された処方箋受付シール31とを発行する。
【0062】次いで、ステップS12において、調剤薬局では、前記受け取った処方箋33に前記処方箋受付シール31を見易い箇所に貼着し、さらに、ステップS13において、調剤薬局では、処方箋受付番号ごとに、前記受け取った処方箋33の内容を調剤データとして、電子処理装置(健康保険請求業務用等のソフトが搭載されているコンピュータ等をいう)40に入力するため、キーボード9にて、前記処方箋の内容を入力するか、または図示しない光学式文字読み取り装置にて前記処方箋33の内容(文字)(処方データ)を読み取ってデータ化する。このデータ化されたものを調剤データという。
【0063】図6に示すごとく、調剤データは、前記処方データから、実際に必要な薬剤とその調剤量(錠数)とを演算したものである。例えば、処方箋33にデバス錠(0.5mg )を3錠で14日分(1日3回毎食後)とあるとき、調剤量は、3×14日=42錠となる。また、セフゾンカプセル100mg が3カプセルで5日分(1日3回毎食後)とあるときには、調剤量は、3×5日=15カプセルとなる。同様にして、セルベックス細粒(1.5g)で14日分(1日3回毎食後)とあるとき、調剤量は、セルベックス細粒の0.5g入包みで3×14日=42包必要ということになる。
【0064】前記電子処理装置40では、処方箋受付番号ごとに、調剤すべき患者を特定するための患者識別コードと、調剤データと、調剤に必要なメッセージが記憶される。本実施形態では患者識別コードの一例として、前記処方箋受付番号が用いられるが、患者名及びその生年月日にて特定するようにしても良い。また、前記電子処理装置40には、予め、薬剤名とそれに対応する薬剤バーコード(JANコード)とが対の関係にてデータベース化されて、メモリに記憶されている。現在の健康保険請求業務では製品名と旧厚生省コード(現厚生・労働省コード)とが対応するようにした医薬品識別コードが公開されて、利用されている。また、これに各製薬会社が自己の製品とJANコードにて対応付けしたデータベースが市販(公表)されているので、このデータベースを利用すると、新製品の発表にも迅速に追従することができる。
【0065】次に、ステップS14にて、処方箋受付番号ごとに、調剤すべき患者を特定するための患者識別コードと、調剤データ(薬剤名とそれに対応する薬剤バーコード(JANコード)のデータ、調剤量を含む)と、調剤に必要なメッセージとを、前記健康保険請求業務用等のコンピュータとしての電子処理装置40から別のコンピュータ41に伝送し、さらにハンディターミナル42のメモリ内に伝送するか、電子処理装置40から直接ハンディターミナル42のメモリ内に伝送する。これらの場合、電子処理装置40には、製品名と旧厚生省コード(現厚生・労働省コード)とが対応するようにデータベースが格納されており、前記コンピュータ41やハンディターミナル42のメモリ内に、前記旧厚生省コードとJANコードとが対応付けされたデータが格納されていると、電子処理装置40から送られた調剤データは旧厚生省コードとして前記コンピュータ41やハンディターミナル42に伝送されるから、ハンディターミナル42にて読み取ったJANコードが旧厚生省コードと対応していることが判別できれば、製薬会社が異なっていても少なくとも薬効が同じ薬剤を選択できたことになる。
【0066】次にステップS15において、調剤作業に際して、ハンディターミナル42におけるキー入力部42aにて 作業者は処方箋33の処方箋受付シール31を見ながらその処方箋受付番号をキー入力する。すると、ハンディターミナル42における液晶などの画面表示装置42bには図8に示す調剤画面(調剤録画面)43が表れる。この調剤画面43には、処方箋受付番号と患者名と、薬剤、数量(調剤量)及びメッセージとが同一画面に表れるようにする。但し、一般に医薬品名の文字数は多いから、薬剤名をその言語のままで所定の表示画面に表示すると、文字の大きさを小さくしなければならず、見にくい。そこで、薬剤名の箇所は、処方箋33に記載された薬剤名と同じ順番で符号、例えば■〜■のように符号化した記号で示す。
【0067】作業者は、手に持った処方箋33に書かれた薬剤名から調剤すべき薬剤収納体6を選択して取り出し、そのバーコード部7を前記ハンディターミナル42にてスキャンする。この場合、処方箋33に書かれた薬剤の記載順に実行することが好ましい。
【0068】そして、前記薬剤収納体6におけるバーコード部7の薬剤バーコードと、前記ハンディターミナル42に予め記憶されている薬剤バーコードとが一致するか否かを照合し、両者が一致すれば、調剤画面(調剤録画面)43における前記■〜■の箇所のうち対応する薬剤の行にアンダーライン等の一致マークが表示されるから、その行に記載されている調剤量(錠数等)だけ、薬剤収納体6から薬剤を取り出せば良い。一致しないときには、ハンディターミナル42に内臓された警報器により警報音を発するようにする。このとき、ハンディターミナル42における画面表示装置42bの調剤録画面に警告マークを表示させるように構成しても良い。前記のように一致しないときには、正しい薬剤収納体6を選択する。
【0069】なお、図8に示すメッセージ(処方注意事項表示部分)の箇所は、同じ薬剤名であっても、含有量が複数種類ある場合、例えば、デパス錠では0.5mg のものと1mg のものとがあり、それぞれ別の薬剤収納体6に収納されているから注意を要する旨のメッセージを出すのである。その他に、薬剤名が紛らわしい場合にもメッセージを出すことが望ましい。調剤ミスを防止するためである。
【0070】所定の薬剤を取り出した後にはキー入力部42aにて「OK」キーを押せば、一つの薬剤に関する調剤作業が終了するので、次の薬剤を取り出すために上述の作業を繰り返す。なお、「OK」キーを押したとき、正しい薬剤の取り出しが完了したものとみなし、その薬剤の行が画面表示装置42bの調剤録画面から消えるようにしても良い。また、ハンディターミナル42によるスキャン回数(累積数等)を画面表示装置42bの調剤録画面に表示するようにしても良い。
【0071】このようにして取り出された薬剤10は調剤かご12に入れる(ステップS16)。前記電子処理装置40に処方データを入力する際に、誤った薬剤名を入力した場合、前記ハンディターミナル42に転送されたデータである薬剤名及び対応する薬剤バーコードは誤りであるから、ハンディターミナル42のキー入力部42aにて入力修正し、そのデータを電子処理装置40転送する。
【0072】最終的に、正しい処方データが作成された後に、プリンタ44にて薬袋13と薬剤情報せん14とを印刷作成し(ステップS17)、それを調剤かご12に入れる。その後、カウンタ箇所で、薬剤師が、前記処方箋受付番号票と引き換えに、該当する患者名を確認し、薬剤と薬剤情報箋14とを照合する最終確認の上、且つ薬剤の用法等を患者等に説明(薬剤指導)しつつ、薬袋13に移しかえて引き渡し(ステップS18)、薬価計算用(会計用、健康保険請求業務用)コンピュータ40にて清算するのである。なお、前記薬剤指導した内容等を別のコンピュータ45等に入力して後日のための記録とすることも可能である。
【0073】この実施形態でも、薬剤名とそれに対応する薬剤バーコード(旧厚生省コードを含む)とが対になったデータベースは、新製品の発売等に合わせて随時更新すれば良い。
【0074】前記の説明中で複数のコンピュータ4a〜4e、32、38、40、41、45やハンディターミナル3、36、42、画面画面表示装置8、3b、42b、プリンタ23a,23b、35、44等が登場したが、これらは各作業に合わせた箇所に配置することが好ましい。その場合には、前記LAN組織を利用して複数のコンピュータ及び入出力端末を有機的に接続して、データを共有化して有効利用を図ることができる。コンピュータの能力が高く、他の作業、例えば薬価計算等のマルチ作業が可能なコンピュータで、且つ携帯性が高いものであれば、1台のコンピュータにて、間に合わすことも可能である。
【0075】なお、ハンディターミナルに所定の信号(読み取ったバーコードから薬剤が一致しないという信号)の場合に、当該ハンディターミナル自体が振動するような機能を備えていても良い。この構成によれば、作業者がハンディターミナルを身に付けまたは手で持っている状態でも直ちに判別できる。
【0076】将来型の調剤検品方法(装置)として、IC埋め込み型の診察券のICメモリ内に患者名及び前記処方の内容を記憶させておき、これらのデータ読取り装置にて読取るようにすれば、処方箋の発行を無くすることができ、その場合には、ハンディターミナルの画面表示装置に処方データや調剤データが転送されて、前記読取りデータとの照合や薬剤バーコードとの照合を行うことが可能となる。
【0077】なお、本発明は、粉薬等の散薬についても適用できるものであり、散薬がビン状の薬剤収納体に収納されていれば、その薬種ごと等別に前記と同じく薬剤名ラベル11とバーコード部7とを張り付けたものを使用し、前記各実施形態と同様にして処方データと調剤データとの照合をハンディターミナルによるバーコードの読取りにて実行する。
【0078】複数種類の散薬を混ぜ合わせて1回分の服用とする場合等の各散薬の分量は電子天秤装置にて計量し、その計量データをコンピュータもしくはハンディターミナルに伝送して、表示装置にて作業者がチェックできるようにすれば良い。
【0079】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1に記載の発明の薬剤の検品方法は、処方箋に基づいて電子処理装置に入力・記憶させた患者名と当該患者毎の処方された薬剤の品目等の処方内容等とからなる処方データを画面表示装置に表示させる一方、選択された薬剤収納体に予め付され、それに収納されている薬剤の品目を特定するための薬剤バーコードをハンディターミナルにて読み取り、該読み取りデータと前記処方データとを、前記電子処理装置またはハンディターミナルにて照合し、少なくとも前記両データが一致しない場合の識別を、前記電子処理装置及びハンディターミナルのいずれか一方もしくは双方における画面表示装置にて視覚的に判別可能に表示することを特徴とするものである。
【0080】この方法によれば、薬剤収納体を取り出すに際して、それに付されているバーコードをハンディターミナルにて読取ることにより、処方データ内における薬剤の品目との照合が行われ、少なくとも読取りデータと処方データとが相違する(一致しない)ときには、電子処理装置及びハンディターミナルのいずれか一方もしくは双方における画面表示装置にて視覚的に判別・認識できるように表示するから、作業者はこの表示を見るだけで、調剤ミスの発見が容易となり、至極簡単に調剤ミスをなくすることができるという効果を奏する。
【0081】また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の調剤の検品方法において、前記両データが一致しない場合及び一致した場合のそれぞれについて、前記電子処理装置及びハンディターミナルのいずれか一方もしくは双方における画面表示装置にて視覚的に判別可能に表示するようにしたものであるから、両データが一致した場合と、一致しなかった場合のいずれの場合でもその違いを視覚的に認識でき、調剤ミスの発見が一層容易となり、作業者による調剤ミスを一層なくすることがきるという効果を奏する。
【0082】そして、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の調剤の検品方法において、前記処方データから調剤録画面を前記表示装置に表示させ、該調剤録画面における項目のうち、薬剤の品目の項目と他の項目とを所定の字体もしくは色彩等視覚的に区別される形態にて表示し、前記読み取りデータと前記処方データとを照合して両データが一致したときには、一致することを視覚的に認識できる形態にて表示し、両データが一致しないときには、一致しないことを視覚的に認識できる形態にて表示すると共に警報を出力することを特徴とするものである。
【0083】本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明による効果に加えて、前記両データが一致しない場合には警告音等の警報が鳴ると共に視覚に訴える表示も出るので、視覚及び聴覚の両方で作業者に注意を促すことができ、尚一層調剤ミスの発見が容易となるという効果を奏する。
【0084】請求項4に記載の発明の調剤の検品方法は、薬剤の品目に対応する薬剤バーコードを予め記憶させた電子処理装置に、前記処方箋に記載されている患者名と当該患者毎の処方された薬剤の品目・投薬数量・投薬回数等の処方内容からなる処方データを、入力して記憶させ、前記電子処理装置は、前記患者を特定するための患者識別コードと、薬剤の品目と、薬剤の品目に対応する薬剤バーコードと、前記処方データから得られた薬剤の品目毎の調剤量と、薬剤の品目毎の処方注意事項とが印刷された調剤せんを得るようにプリンタに指令し、選択された薬剤収納体に予め付され、それに収納されている薬剤の品目を特定するための薬剤バーコードを、前記ハンディターミナルにて読み取る一方、前記印刷された調剤せんにおける薬剤バーコードをハンディターミナルにて読み込んで、選択すべき薬剤品目をハンディターミナルにおける画面表示装置に表示させると共に、両薬剤バーコードを前記電子処理装置またはハンディターミナルにて照合することを特徴とするものである。
【0085】この検品方法によれば、一旦電子処理装置に入力した処方データに基づいて作成された調剤データから印刷された調剤せんにおける薬剤バーコードと、薬剤収納体における薬剤バーコードとをハンディターミナルにて照合するので、その照合処理が迅速となる。且つ調剤すべき量も調剤せんに予め印刷されているから、両薬剤バーコードが一致した後に薬剤収納体から取り出す薬剤の量についての人間による計算(暗算)を実行する場合よりも、計算間違いがなく、調剤ミスを少なくすることができるという効果を奏する。また、前記調剤せんは印刷されたものであるから、保存し易く、調剤データを後の検証にも再利用できるという効果を奏する。
【0086】請求項5に記載の発明の調剤の検品方法は、薬剤の品目に対応する薬剤バーコードを予め記憶させた電子処理装置に、処方箋に記載されている患者名と当該患者毎の処方された薬剤の品目・投薬数量・投薬回数等の処方内容とからなる処方データを、入力して記憶させ、前記電子処理装置は、前記患者を特定するための患者識別コードと、前記処方データから得られた薬剤の品目及びその調剤量と、薬剤の品目毎の前記薬剤バーコード及びその処方注意事項等の調剤事項データをハンディターミナルに伝送してその画面表示装置に表示させ、選択された薬剤収納体に予め付され、それに収納されている薬剤の品目を特定するための薬剤バーコードをハンディターミナルにて読み取り、前記処方データから得られた薬剤バーコードとを照合し、前記両薬剤バーコードが一致するときには、前記ハンディターミナルにおける画面表示装置に、前記選択された薬剤の品目箇所に一致マークが付され、この選択された薬剤の調剤量を表示することを特徴とするものである。
【0087】本発明によれば、一旦電子処理装置に入力した処方データに基づいて作成された調剤データと、薬剤バーコードとをハンディターミナルに転送して記憶させているので、作業者は薬剤収納体における薬剤バーコードをハンディターミナルにてスキャンして入力するだけで、当該ハンディターミナルにおける画面表示装置を見れば、調剤すべき薬剤の一致・不一致が一目瞭然となり、調剤作業効率が一段と向上するという効果を奏する。また、調剤すべき量も画面表示装置に表示できるから、両薬剤バーコードが一致した後に薬剤収納体から取り出す薬剤の量についての人間による計算(暗算)を実行する場合よりも、計算間違いがなく、調剤ミスを少なくすることができるという効果を奏する。
【0088】また、請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の調剤の検品方法において、前記両薬剤バーコードが一致しないときには、前記ハンディターミナル及び/又は電子処理装置にて、警報音を出力し及び/又は画面表示装置に警告マークを表示するものであるから、請求項4または請求項5に記載の発明による効果に加えて、取り出すべき薬剤収納体を誤った場合に視覚及び聴覚のいずれか一方もしくは双方の感覚に訴えることができ、調剤ミスの防止を一層確実にすることができるという効果を奏する。
【0089】さらに、請求項7に記載の発明は、請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の調剤の検品方法において、処方箋受付番号を付した処方箋受付シールを前記処方箋に付する一方、前記電子処理装置に前記処方箋受付番号を入力し、調剤作業に際して、処方箋受付番号を前記調剤せんに付し、または前記ハンディターミナルにおける画面表示装置に表示させるものである。
【0090】このように構成すれば、患者名にて特定する処方箋に加えて、処方箋受付番号を、処方箋の識別に利用でき、別人に他人の処方箋による調剤薬を引き渡すという事故を未然防ぐことができて、調剤ミスの防止を一層確実にすることができるという効果を奏する。
【0091】他方、請求項8に記載の発明の薬剤の検品システムは、薬剤の品目を特定するための薬剤バーコードが記載された認識票を付し、それに対応する薬剤が品目毎に収納された薬剤収納体が、多数個配列された調剤棚と、処方箋に記入されている年月日、患者名と当該患者毎の処方された薬剤の品目・投薬数量・投薬回数等の処方内容を入力し、処方データとして記憶させる電子処理装置と、前記処方データを所定の形態にて表示する表示装置と、前記薬剤バーコードを読取るためのハンディターミナルとを備え、前記処方データから調剤録画面を前記表示装置に表示させ、調剤に際して、前記調剤棚における薬剤収納体表面の薬剤バーコードをハンディターミナルにて読み取って前記電子処理装置にデータを伝送し、この読み取りデータと前記処方データとを照合して、少なくとも両データが一致しないときには、一致しないことを視覚的に認識できる形態にて表示するように構成したものであるから、薬剤の品目毎に異なるバーコードが付されていることを利用し、電子処理装置とハンディターミナルとを使用することにより、調剤時の薬剤の選択間違いを容易になくすることができるという効果を奏する。
【0092】そして、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の薬剤の検品システムにおいて、前記電子処理装置は、入力された薬剤名から薬剤バーコードを出力可能に構成されているものである。従って、ハンディターミナルにて薬剤収納体表面の薬剤バーコード読み取って照合する場合に、処方データ内にある薬剤に対応する薬剤バーコードを、予め電子処理装置からハンディターミナルに転送しておくと、照合作業がより迅速、且つ確実に実行できるという効果を奏する。
【0093】また、請求項10に記載の発明は、請求項8または請求項9に記載の薬剤の検品システムにおいて、前記両データが一致したときには、一致することを視覚的に認識できる形態にて表示し、両データが一致しないときには、一致しないことを視覚的に認識できる形態にて表示するように構成したものであるから、視覚にて作業者に注意を促すことができ、調剤ミスの発見が容易となるという効果を奏する。
【0094】さらに、請求項11に記載の発明は、請求項8乃至請求項10のいずれかに記載の薬剤の検品システムにおいて、前記両データが一致しないときには、警報装置を鳴動させ、及び/又はハンディターミナルを振動させるように構成したものであるから、聴覚や身体への振動でも作業者に注意を促すことができ、尚一層調剤ミスの発見が容易となるという効果を奏する。
【0095】さらに、請求項12に記載の発明は、請求項8乃至請求項11のいずれかに記載の薬剤の検品システムにおいて、前記ハンディターミナルには画面表示装置とキー入力部と警報装置とを備え、前記両データが一致しないときには、読み取りデータをクリアして再度読み取り可能に構成したものである。
【0096】このように構成すれば、請求項8乃至請求項11に記載の発明による効果に加えて、前記両データが一致しないときには、キー入力部の操作で既に読み取ったデータをクリアして再度読取ることができるから、調剤の作業性が向上するという効果を奏する。
【0097】請求項13に記載の発明は、請求項8乃至請求項12のいずれかに記載の薬剤の検品システムにおいて、前記電子処理装置は、健康保険請求業務用であり、且つ薬剤情報箋のデータを出力することが可能であるように構成されているものであるから、1つまたは複数の電子処理装置を、健康保険請求業務及び薬剤の売り渡し時の会計に役立てながら調剤時の検品作業にも利用できるという効果を奏する。
【0098】請求項14に記載の発明は、請求項8乃至請求項13のいずれかに記載の薬剤の検品システムにおいて、処方箋受付の順番を特定し、処方箋との照合のための処方箋受付シール及び調剤引換券を発行する処方箋受付機を有するものである。このように構成すれば、調剤すべき対象の患者を特定するために、個人の認識(ID)コードに加えて、もしくは代えて処方箋受付番号を利用することができ、特に同姓同名の患者に誤った調剤をするのを防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ストック棚に薬剤を納品する場合の検品の実施形態を示す斜視図である。
【図2】調剤時の検品方法及び検品システムの第1実施形態を示す図である。
【図3】調剤棚の一例を示す斜視図である。
【図4】薬剤収納体、ハンディターミナル及び薬剤かごの斜視図である。
【図5】調剤の検品方法及び検品システムの第2実施形態を示す図である。
【図6】処方箋と調剤せんの実施形態を示す図である。
【図7】調剤の検品方法及び検品システムの第3実施形態を示す図である。
【図8】調剤画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
3、36、42 ハンディターミナル
3b、8、42b 画面表示装置
4a〜4e、38、40、41、45 コンピュータ(電子処理装置)
5 調剤棚
6 薬剤収納体
7、37 バーコード部
9 入力装置
10 薬剤
11 薬剤名ラベル
12 調剤かご
14 薬剤情報箋
20 処方箋受付機
21 光学式文字読取り装置
22 作業台
23a,23b、35、44 プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 処方箋に基づいて電子処理装置に入力・記憶させた患者名と当該患者毎の処方された薬剤の品目等の処方内容等とからなる処方データを画面表示装置に表示させる一方、選択された薬剤収納体に予め付され、それに収納されている薬剤の品目を特定するための薬剤バーコードをハンディターミナルにて読み取り、該読み取りデータと前記処方データとを、前記電子処理装置またはハンディターミナルにて照合し、少なくとも前記両データが一致しない場合の識別を、前記電子処理装置及びハンディターミナルのいずれか一方もしくは双方における画面表示装置にて視覚的に判別可能に表示することを特徴とする調剤の検品方法。
【請求項2】 前記両データが一致しない場合及び一致した場合のそれぞれについて、前記電子処理装置及びハンディターミナルのいずれか一方もしくは双方における画面表示装置にて視覚的に判別可能に表示することを特徴とする請求項1に記載の調剤の検品方法。
【請求項3】 前記処方データから調剤録画面を前記画面表示装置に表示させ、該調剤録画面における項目のうち、薬剤の品目の項目と他の項目とを所定の字体もしくは色彩等視覚的に区別される形態にて表示し、前記読み取りデータと前記処方データとを照合して両データが一致したときには、一致することを視覚的に認識できる形態にて表示し、両データが一致しないときには、一致しないことを視覚的に認識できる形態にて表示すると共に警報を出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の調剤の検品方法。
【請求項4】 薬剤の品目に対応する薬剤バーコードを予め記憶させた電子処理装置に、前記処方箋に記載されている患者名と当該患者毎の処方された薬剤の品目・投薬数量・投薬回数等の処方内容からなる処方データを、入力して記憶させ、前記電子処理装置は、前記患者を特定するための患者識別コードと、薬剤の品目と、薬剤の品目に対応する薬剤バーコードと、前記処方データから得られた薬剤の品目毎の調剤量と、薬剤の品目毎の処方注意事項とが印刷された調剤せんを得るようにプリンタに指令し、選択された薬剤収納体に予め付され、それに収納されている薬剤の品目を特定するための薬剤バーコードを、前記ハンディターミナルにて読み取る一方、前記印刷された調剤せんにおける薬剤バーコードをハンディターミナルにて読み込んで、選択すべき薬剤品目をハンディターミナルにおける画面表示装置に表示させると共に、両薬剤バーコードを前記電子処理装置またはハンディターミナルにて照合しすることを特徴とする調剤の検品方法。
【請求項5】 薬剤の品目に対応する薬剤バーコードを予め記憶させた電子処理装置に、処方箋に記載されている患者名と当該患者毎の処方された薬剤の品目・投薬数量・投薬回数等の処方内容とからなる処方データを、入力して記憶させ、前記電子処理装置は、前記患者を特定するための患者識別コードと、前記処方データから得られた薬剤の品目及びその調剤量と、薬剤の品目毎の前記薬剤バーコード及びその処方注意事項等の調剤事項データをハンディターミナルに伝送してその画面表示装置に表示させ、選択された薬剤収納体に予め付され、それに収納されている薬剤の品目を特定するための薬剤バーコードをハンディターミナルにて読み取り、前記処方データから得られた薬剤バーコードとを照合し、前記両薬剤バーコードが一致するときには、前記ハンディターミナルにおける画面表示装置に、前記選択された薬剤の品目箇所に一致マークが付され、この選択された薬剤の調剤量を表示することを特徴とする調剤の検品方法。
【請求項6】 前記両薬剤バーコードが一致しないときには、前記ハンディターミナル及び/又は電子処理装置にて、警報音を出力し及び/又は画面表示装置に警告マークを表示することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の調剤の検品方法。
【請求項7】 処方箋受付番号を付した処方箋受付シールを前記処方箋に付する一方、前記電子処理装置に前記処方箋受付番号を入力し、調剤作業に際して、処方箋受付番号を前記調剤せんに付し、または前記ハンディターミナルにおける画面表示装置に表示させることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の調剤の検品方法。
【請求項8】 薬剤の品目を特定するための薬剤バーコードが記載された認識票を付し、それに対応する薬剤が品目毎に収納された薬剤収納体が、多数個配列された調剤棚と、処方箋に記入されている年月日、患者名と当該患者毎の処方された薬剤の品目・投薬数量・投薬回数等の処方内容を入力し、処方データとして記憶させる電子処理装置と、前記処方データを所定の形態にて表示する表示装置と、前記薬剤バーコードを読取るためのハンディターミナルとを備え、前記処方データから調剤録画面を前記表示装置に表示させ、調剤に際して、前記調剤棚における薬剤収納体表面の薬剤バーコードをハンディターミナルにて読み取って前記電子処理装置にデータを伝送し、この読み取りデータと前記処方データとを照合して、少なくとも両データが一致しないときには、一致しないことを視覚的に認識できる形態にて表示するように構成したことを特徴とする調剤の検品システム。
【請求項9】 前記電子処理装置は、入力された薬剤名から薬剤バーコードを出力可能に構成されていることを特徴とする請求項8に記載の調剤の検品システム。
【請求項10】 前記両データが一致したときには、一致することを視覚的に認識できる形態にて表示し、両データが一致しないときには、一致しないことを視覚的に認識できる形態にて表示するように構成したことを特徴とする請求項8または請求項9のいずれかに記載の調剤の検品システム。
【請求項11】 前記両データが一致しないときには、警報装置を鳴動させ、及び/又はハンディターミナルを振動させるように構成したことを特徴とする請求項8乃至は請求項10のいずれかに記載の調剤の検品システム。
【請求項12】 前記ハンディターミナルには画面表示装置とキー入力部と警報装置とを備え、前記両データが一致しないときには、読み取りデータをクリアして再度読み取り可能に構成したことを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれかに記載の調剤の検品システム。
【請求項13】 前記電子処理装置は、健康保険請求業務用であり、且つ薬剤情報箋のデータを出力することが可能であるように構成されていることを特徴とする請求項8乃至請求項12のいずれかに記載の調剤の検品システム。
【請求項14】 処方箋受付の順番を特定し、処方箋との照合のための処方箋受付シール及び調剤引換券を発行する処方箋受付機を有すること特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれかに記載の調剤の検品システム。

【図1】
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【図2】
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【図8】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図6】
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