調査票検査システム、調査票検査方法及び調査票検査プログラム
【課題】調査票に記録された項目値を効率的に検査するための調査票検査システム、調査票検査方法及び調査票検査プログラムを提供する。
【解決手段】調査票検査装置20の制御部21は、調査票検査処理を実行する。ここでは、制御部21は、四則演算チェック処理及び増減率チェック処理を行なう。四則演算チェック処理においては、チェック式毎の計算処理を実行する。チェック条件のチェック式においてエラーが生じた場合、制御部21は、エラーカウント処理を実行する。更に、増減率チェック処理においては、過去の調査票に記録された項目値を取得し、増減率を算出する。算出した増減率が増減率許容範囲を超えている場合、制御部21は、調査票の項目に対して増減率エラーフラグを記録する。そして、調査票表示処理において、各チェック処理結果の表示処理を実行する。このチェック処理結果を参照しながら、調査票の各項目を修正する。
【解決手段】調査票検査装置20の制御部21は、調査票検査処理を実行する。ここでは、制御部21は、四則演算チェック処理及び増減率チェック処理を行なう。四則演算チェック処理においては、チェック式毎の計算処理を実行する。チェック条件のチェック式においてエラーが生じた場合、制御部21は、エラーカウント処理を実行する。更に、増減率チェック処理においては、過去の調査票に記録された項目値を取得し、増減率を算出する。算出した増減率が増減率許容範囲を超えている場合、制御部21は、調査票の項目に対して増減率エラーフラグを記録する。そして、調査票表示処理において、各チェック処理結果の表示処理を実行する。このチェック処理結果を参照しながら、調査票の各項目を修正する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調査票に記録されている項目値の整合性の確認を支援するための調査票検査システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
各種機関から調査票を収集し、この調査票に基づいて統計を算出することがある。例えば、国民健康保険事業においても、全国の保険者の国保事業運営実績を把握し、制度の改善、予算の編成、国庫補助金の交付など、制度の健全な運営のため広く活用するための基礎資料を得ることを目的として年報が作成されている。ここでは、全保険者(市区町村及び国民健康保険組合)を調査の対象とする。
【0003】
このような健康診査に関するデータ、介護保険に関するデータ及び国民健康保険に関するデータを総合的に解析するための地域別健康解析方法が検討されている(例えば、特許文献1を参照。)。この文献に記載された技術では、健康診査に基づく第1のデータ、介護保険に基づく第2のデータ、及び国民健康保険に基づく第3のデータをコンピュータに入力する。第1〜第3のデータから個人毎に、健康診査、介護保険、及び国民健康保険のデータを各個人の住所を特定して集計する第4のデータを作成する。第2工程で作成された第4のデータに基づいて、各個人の住所から地域毎の健康診査、介護保険、及び国民健康保険の傾向及び度合いのいずれか一方又は双方からなる指標を算出して第5のデータを作成する。
【0004】
しかしながら、計算間違い等の人為的なミスが生じる場合がある。そこで、元の値の入力ミス、その後の計算間違いを抑制するための技術が検討されている(例えば、特許文献2を参照。)。この文献に記載された技術では、キーボードを使用しないユーザーインターフェースにより、キー入力による打ち間違いをなくし、また入力範囲を限定する。また、算出された値を再度適正かどうかコンピュータ内部でチェックし、適正でない場合は警告を発してユーザにフィードバックする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−59107号公報(第1頁、図1)
【特許文献2】特開2002−169891号公報(第1頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、各種機関において調査票の各項目に値(項目値)を記録する場合、計算間違いや誤記してしまう場合がある。例えば、項目値の桁数を間違えたり、計算対象の項目を間違えたりすることがある。また、計算そのものを間違える場合もある。
【0007】
このような項目値が記録された調査票を各種機関から取得し、各項目値を人手により検査する場合、手間や時間が掛かる。特に、検査対象の項目数が多い場合には、大きな負荷となる。
【0008】
また、調査票において複数の項目に対する項目値を変数とするチェック式を用いて検査を行なう場合もある。ここで、このチェック式についてエラーを検出した場合、変数として用いたいずれかの値が間違っている可能性がある。しかしながら、複数の項目の項目値を変数として用いている場合、どの項目の項目値が間違っているかを判定することは困難
である。
【0009】
また、定期的に調査を行なっている場合には、過去の調査履歴に基づいて各項目の項目値について適否を判定することができることがある。すなわち、過去の項目値から予測される範囲から逸脱している項目値については、間違っている可能性がある。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、調査票に記録されている項目値を効率的に検査するための調査票検査システム、調査票検査方法及び調査票検査プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の項目についての項目値が記録された調査票を格納した調査票記憶手段と、前記項目についてのチェック条件を記録したチェック条件記憶手段と、項目毎にチェック条件を用いての確認結果を記録する確認結果記憶手段と、調査票に含まれる項目値を検査する制御手段を備えた調査票検査システムであって、前記制御手段が、検査対象の調査票を前記調査票記憶手段から取得する手段と、前記チェック条件記憶手段から、前記調査票の各項目に適用するチェック条件を取得し、前記チェック条件毎に、チェック条件の充足を判定する調査票検査処理を実行する手段と、前記チェック条件を充足しない場合には、この項目に対してエラー情報を前記確認結果記憶手段に記録する手段と、すべてのチェック条件についての判定を終了した場合に、項目毎に記録されたエラー情報についてのエラー数を算出し、前記調査票についてエラー数の分布を出力する手段とを備えていることを要旨とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の調査票検査システムにおいて、前記チェック条件記憶手段には、チェック条件として、調査票の各項目に記録された項目値を変数とする複数の条件式が格納されており、前記制御手段が、前記条件式毎に、各項目に記録された項目値を変数として代入し、前記条件式の充足を判定し、前記条件式を充足しない場合には、前記確認結果記憶手段に、この条件式を構成する変数の項目に対してエラー情報を記録することを要旨とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記チェック条件記憶手段には、チェック条件として、調査票の項目毎に増減率の許容範囲が格納されており、過去の調査票を記録した調査票履歴情報記憶手段を更に備え、前記制御手段が、前記調査票履歴情報記憶手段に記録された調査票を用いて、各項目の増減率を算出し、前記チェック条件記憶手段に記録された許容範囲と、検査対象の調査票に含まれる各項目の増減率とを比較し、前記増減率が許容範囲を超えている場合には、前記確認結果記憶手段に、この項目に対してエラー情報を記録することを要旨とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の調査票検査システムにおいて、前記制御手段が、各項目に記録された値の修正値を取得した場合、前記修正値を修正情報記憶手段に記録し、前記修正値を用いて、前記調査票検査処理を実行し、前記修正値に関連付けてエラー数の分布を記録し、修正前後におけるエラー数の分布を比較できるように表示することを要旨とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の調査票検査システムにおいて、前記調査票においてエラー数に応じて修正候補を出力することを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、複数の項目についての項目値が記録された調査票を格納した調査票記憶手段と、前記項目についてのチェック条件を記録したチェック条件記憶手段と、項目毎にチェック条件を用いての確認結果を記録する確認結果記憶手段と、調査票に含まれる項目値を検査する制御手段を備えた調査票検査システムを用いて、調査票を検査す
るための方法であって、前記制御手段が、検査対象の調査票を前記調査票記憶手段から取得する段階と、前記チェック条件記憶手段から、前記調査票の各項目に適用するチェック条件を取得し、前記チェック条件毎に、チェック条件の充足を判定する調査票検査処理を実行する段階と、前記チェック条件を充足しない場合には、この項目に対してエラー情報を前記確認結果記憶手段に記録する段階と、すべてのチェック条件についての判定を終了した場合に、項目毎に記録されたエラー情報についてのエラー数を算出し、前記調査票についてエラー数の分布を出力する段階とを実行することを要旨とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、複数の項目についての項目値が記録された調査票を格納した調査票記憶手段と、前記項目についてのチェック条件を記録したチェック条件記憶手段と、項目毎にチェック条件を用いての確認結果を記録する確認結果記憶手段と、調査票に含まれる項目値を検査する制御手段を備えた調査票検査システムを用いて、調査票を検査するためのプログラムであって、前記制御手段を、検査対象の調査票を前記調査票記憶手段から取得する手段、前記チェック条件記憶手段から、前記調査票の各項目に適用するチェック条件を取得し、前記チェック条件毎に、チェック条件の充足を判定する調査票検査処理を実行する手段、前記チェック条件を充足しない場合には、この項目に対してエラー情報を前記確認結果記憶手段に記録する手段、すべてのチェック条件についての判定を終了した場合に、項目毎に記録されたエラー情報についてのエラー数を算出し、前記調査票についてエラー数の分布を出力する手段として機能させることを要旨とする。
【0017】
(作用)
請求項1、6、7に記載の発明によれば、制御手段が、検査対象の調査票を調査票記憶手段から取得する。そして、チェック条件記憶手段から、調査票の各項目に適用するチェック条件を取得し、チェック条件毎に、チェック条件の充足を判定する調査票検査処理を実行する。次に、チェック条件を充足しない場合には、この項目に対してエラー情報を確認結果記憶手段に記録する。そして、すべてのチェック条件についての判定を終了した場合に、項目毎に記録されたエラー情報についてのエラー数を算出し、調査票についてエラー数の分布を出力する。これにより、エラー数に応じて、調査票において優先的に修正する項目を特定することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、制御手段は、条件式毎に、各項目に記録された項目値を変数として代入し、条件式の充足を判定し、条件式を充足しない場合には、前記確認結果記憶手段に、この条件式を構成する変数の項目に対してエラー情報を記録する。これにより、複数の項目の項目値を変数とする条件式を用いて、間違っている可能性がある項目を特定することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、制御手段は、調査票履歴情報記憶手段に記録された調査票を用いて、各項目の増減率を算出する。そして、チェック条件記憶手段に記録された許容範囲と、検査対象の調査票に含まれる各項目の増減率とを比較し、増減率が許容範囲を超えている場合には、前記確認結果記憶手段に、この項目に対してエラー情報を記録する。これにより、過去の調査票を利用して、検査対象の調査票に含まれる項目値の適否を判定することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、制御手段が、各項目に記録された値の修正値を取得した場合、修正値を修正情報記憶手段に記録し、修正値を用いて、調査票検査処理を実行する。そして、修正値に関連付けてエラー数の分布を記録し、修正前後におけるエラー数の分布を比較できるように表示する。これにより、エラー数の増減から修正の適否を判断することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、調査票においてエラー数に応じて修正候補を出力する
。これにより、効率的に調査票の修正を行なうことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、調査票に記録されている項目値を効率的に検査するための調査票検査システム、調査票検査方法及び調査票検査プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態のシステム概略図。
【図2】各データ記憶部に記憶されたデータの説明図であって、(a)は調査票データ記憶部、(b)は検査結果データ記憶部、(c)は修正履歴データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図3】各データ記憶部に記憶されたデータの説明図であって、(a)はチェック条件データ記憶部、(b)は項目名変換ファイル記憶部に記録されたデータの説明図。
【図4】出力フレームデータ記憶部に記憶されたデータの説明図。
【図5】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図6】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図7】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図8】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図9】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図10】本発明の実施形態の四則演算チェック処理の説明図であって、(a)はグループ分け、(b)は項目の抽出、(c)はアドレスの取得についての説明図。
【図11】本発明の実施形態の四則演算チェック処理の説明図であって、(a)はデータ値の取得、(b)はチェック式毎の計算についての説明図。
【図12】他の実施形態における修正候補の順位の設定処理の説明図であって、(a)は各関係式の成立関係、(b)は修正候補となる項目の特定についての説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図11に従って説明する。本実施形態では、定期的に調査機関から提出された調査票に記録されている項目値を検査する場合に用いる調査票検査システム、調査票検査方法及び調査票検査プログラムとして説明する。ここでは、複数の項目を含む調査票において、各項目に対して記録されている項目値のチェック処理を行なう。
【0025】
本実施形態では、図1に示すように、調査票検査システムとして調査票検査装置20を用いる。この調査票検査装置20は、調査票の各項目の項目値を検査するデータ処理を行なうコンピュータシステムである。この調査票検査装置20は、入力部11、出力部12、データ読込装置30に接続される。
【0026】
入力部11は、利用者が入力した各種情報を取得するデバイスであり、キーボードやポインティングデバイスなどにより構成される。
出力部12は、調査票検査装置20において実行されたチェック結果を出力するデバイスであり、ディスプレイにより構成される。
【0027】
データ読込装置30は、記録媒体に格納された調査票ファイルを読み込むデバイスである。
調査票検査装置20は、制御部21、調査票データ記憶部22、検査結果データ記憶部23、修正履歴データ記憶部24、チェック条件データ記憶部25、項目名変換ファイル記憶部26、出力フレームデータ記憶部27を備える。
【0028】
調査票検査装置20の制御部21は、調査票の各項目の項目値を検査するための各種デ
ータ処理等を行なう制御手段として機能する。この制御部21は、図示しないCPU、RAM、ROM等を有し、後述する処理(データ読込段階、チェック管理段階、四則演算確認段階、増減率確認段階、表示管理段階の各処理等)を行なう。そのための調査票検査プログラムを実行することにより、制御部21は、図1に示すようにデータ読込手段211、検査管理手段212、四則演算確認手段213、増減率確認手段214、表示管理手段215、調査票修正手段216等として機能する。
【0029】
データ読込手段211は、検査対象の調査票やチェック条件を取得する処理を実行する。
検査管理手段212は、調査票に含まれる各項目についての検査処理(四則演算チェック処理や増減率チェック処理)を制御する処理を実行する。
【0030】
四則演算確認手段213は、調査票に含まれる各項目の項目値について、後述するチェック式により四則演算を行なった結果の整合性を確認する処理を実行する。
増減率確認手段214は、調査票に含まれる各項目の項目値について、過去の項目値に対する増減率を用いて整合性を確認する処理を実行する。
【0031】
表示管理手段215は、調査票について、検査処理の結果を出力部12に表示する処理を実行する。この表示管理手段215は、エラーが生じた項目コードに対応するエリアの背景色を、エラーカウント値に応じて決定するための配色テーブルを備えている。
調査票修正手段216は、入力部11において行なわれた調査票の修正入力を受け付ける処理を実行する。
【0032】
調査票データ記憶部22は調査票記憶手段として機能し、図2(a)に示すように、検査処理に用いる調査票ファイル220を記憶する。この調査票ファイル220は、データ読込装置30に挿入された記録媒体から調査票を取得した場合に登録される。この調査票ファイル220は、調査票コード、調査年月、調査票内容に関するデータを含んで構成される。
【0033】
調査票コードデータ領域には、各調査票の種別を特定するための識別子に関するデータが記録される。この調査票コードを用いることにより、一つの調査票に対して関連する他の調査票を特定することができる。
【0034】
調査年月データ領域には、この調査票の調査時期を特定するための年月に関するデータが記録される。この調査年月を用いることにより、検査対象の調査票及び過去の調査票を特定することができる。これにより、調査票データ記憶部22は調査票履歴情報記憶手段として機能する。
【0035】
調査票内容データ領域には、調査票に含まれる各項目及び項目値に関するデータが記録される。この調査票には、図11(a)に示すように、値保持配列が記録されている。この値保持配列には、順番にアドレスが付与されており、各アドレスに項目が対応付けられている。そして、値保持配列には、各項目に対応する項目値(本実施形態では数値)が記録されている。
【0036】
検査結果データ記憶部23は確認結果記憶手段として機能し、図2(b)に示すように、調査票についての検査結果データ230を記憶する。この検査結果データ230は、演算検査結果レコード231及び項目別評価レコード232を含んで構成される。演算検査結果レコード231は、後述する四則演算チェック処理を行なった場合に登録される。一方、項目別評価レコード232は、四則演算チェック処理や増減率チェック処理検査処理を行なった場合に登録される。
【0037】
演算検査結果レコード231は、調査票コード、チェック式コード、判定結果に関するデータを含んで構成される。
調査票コードデータ領域には、検査対象の調査票の種別を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0038】
チェック式コードデータ領域には、四則演算確認処理において、各項目の項目値を検査するために用いられる演算式を特定するための識別子に関するデータが記録される。
判定結果データ領域には、検査に用いられたチェック式の成立又は不成立のいずれかの結果を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0039】
項目別評価レコード232は、調査票コード、項目コード、エラーカウント、増減率エラーに関するデータを含んで構成される。
調査票コードデータ領域には、検査対象の調査票の種別を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0040】
項目コードデータ領域には、調査票に含まれる各項目を特定するための識別子に関するデータが記録される。
エラーカウントデータ領域には、四則演算チェック処理において、この項目についてエラーが発生した回数に関するデータが記録される。
増減率エラーデータ領域には、この項目における増減率についてのエラーの有無を判定するためのフラグが記録される。
【0041】
修正履歴データ記憶部24は修正情報記憶手段として機能し、図2(c)に示すように、チェック結果に基づいて修正が行なわれた調査票についての修正履歴レコード240を記憶する。この修正履歴レコード240は、調査票検査処理が行なわれた場合に登録される。この修正履歴レコード240は、バージョンコード、先行バージョンコード、修正内容、エラーカウント総数、増減率エラー総数に関するデータを含んで構成される。
【0042】
バージョンコードデータ領域には、この調査票のバージョンを特定するための識別子に関するデータが記録される。
先行バージョンコードデータ領域には、修正前の調査票のバージョンを特定するための識別子に関するデータが記録される。なお、修正前のバージョンの調査票ファイル(オリジナルファイル)の場合には、先行バージョンコードデータ領域は空欄である。
【0043】
修正内容データ領域には、修正された調査票の内容に関するデータが記録されている。本実施形態では、修正された調査票、項目を特定するための情報(調査票コード、項目コード)に対して、修正された項目値に関するデータが記録される。なお、オリジナルファイルの場合には、修正内容データ領域は空欄である。従って、先行バージョンコードデータ領域が空欄のオリジナルファイルをベースとして、先行バージョンコードにより修正履歴を特定することができる。そして、この修正履歴に従って、各項目値を順次、変更することにより、各バージョンの項目値を取得することができる。
エラーカウント総数、増減率エラー総数の各データ領域には、調査票検査処理により算出されたエラーカウント総数、増減率エラー総数に関するデータが記録される。
【0044】
チェック条件データ記憶部25はチェック条件記憶手段として機能し、図3(a)に示すように、調査票に含まれる各項目をチェックする場合に用いる条件についてのチェック条件データ250を記憶する。このチェック条件データ250は、調査票において検査する内容を決定した場合に登録される。チェック条件データ250は、演算チェック条件レコード251及び増減率チェック条件レコード252を含んで構成される。
【0045】
演算チェック条件レコード251は、チェック式コード、チェック式に関するデータを含んで構成される。
チェック式コードデータ領域には、四則演算確認処理において、各項目の項目値を検査するために用いられる演算式を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0046】
チェック式データ領域には、四則演算確認処理において、各項目の項目値を検査するために用いられる演算式に関するデータが記録される。このチェック式は、各項目を特定する項目コード(例えば、A10、B20、C30)の項目値を変数として、等式記号や不等式記号等の関係演算子により結合されている。
【0047】
増減率チェック条件レコード252は、項目コード、増減率許容範囲に関するデータを含んで構成される。
項目コードデータ領域には、調査票に含まれる各項目を特定するための識別子に関するデータが記録される。
増減率許容範囲データ領域には、各項目の項目値において許容される増減率の範囲に関するデータが記録される。
【0048】
項目名変換ファイル記憶部26は、図3(b)に示すように、調査票に含まれる各項目の項目値を特定する場合に用いる項目名変換ファイル260を記憶する。項目名変換ファイル260は、調査票のフォーマットを決めた場合に登録される。この項目名変換ファイル260は、項目コードに対して、調査票コード、アドレスに関するデータを含んで構成される。
【0049】
項目コードデータ領域には、調査票に含まれる各項目を特定するための識別子に関するデータが記録される。
調査票コードデータ領域には、各調査票の種別を特定するための識別子に関するデータが記録される。
アドレスデータ領域には、調査票の値保持配列において、各項目の項目値が記録されたアドレスに関するデータが記録される。
【0050】
出力フレームデータ記憶部27には、図4に示すように、調査票の内容や検査結果を出力する出力画面に用いる各種フレームが記録されている。本実施形態では、調査票一覧フレーム、調査票項目フレーム、項目値フレーム、エラーカウントフレーム、増減率エラーフレームが記録されている。
【0051】
調査票一覧フレームは、各調査票の取込状況や検査状況を表示するための出力画面に用いるフレームである。この調査票一覧フレームには、調査票の調査票コードに対して、取込状況(ファイルの有無)や検査状況(エラーの有無)を示す記号が表示される。
【0052】
調査票項目フレームは、調査票に含まれる各項目を表示させるためのレイアウトが設定されたフレームである。この調査票項目フレームには、複数のエリアが設けられており、各エリアに調査票に含まれる各項目コードが割り当てられている。
【0053】
項目値フレームは、調査票項目フレームにおいて各項目コードが割り当てられるエリアのレイアウトに対応しており、各項目コードの項目値を出力するためのフレームである。
エラーカウントフレームは、調査票項目フレームにおいて各項目コードが割り当てられるエリアのレイアウトに対応しており、四則演算確認処理において検知したエラーカウントをセットすることにより、エラーカウントの分布を出力するためのフレームである。また、エラーカウントフレームの各エリアは選択可能になっており、各エリアが選択された
場合、表示管理手段215は、このエリアに対応する項目コードを取得する。
【0054】
増減率エラーフレームは、調査票項目フレームにおいて各項目コードが割り当てられるエリアのレイアウトに対応しており、増減率確認処理において検知した増減率エラーをセットすることにより、増減率エラーの分布を出力するためのフレームである。また、増減率エラーフレームの各エリアも選択可能になっており、各エリアが選択された場合、表示管理手段215は、このエリアに対応する項目コードを取得する。
【0055】
次に、本実施形態の調査票の各項目についての項目値を検査する場合の処理について説明する。ここでは、全体の処理の概要(図5)、調査票検査処理(図6)、四則演算チェック処理(図7)、増減率チェック処理(図8)、調査票表示処理(図9)の順番に説明する。
【0056】
(全体の処理の概要)
まず、図5を用いて、全体の処理の概要を説明する。
調査票検査装置20の制御部21は、調査票データ読込処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、調査票検査装置20の調査票検査プログラムを起動する。この場合、制御部21のデータ読込手段211は、出力部12にメニュー画面を出力する。このメニュー画面には、「調査票取込」、「修正」、「終了」の各処理を選択するためのアイコンが表示される。ここで、新たにデータ読込を行なう場合、調査票ファイルを格納した記録媒体をデータ読込装置30に挿入する。そして、メニュー画面において「調査票取込」アイコンを選択する。この場合、データ読込手段211は、データ読込装置30に挿入された記録媒体から調査票ファイルを読み取り、調査票ファイル220を、調査票データ記憶部22に記録する。
【0057】
そして、データ読込手段211は、出力部12に検査対象の調査表指定画面を出力する。この調査表指定画面には、検査対象の調査票の調査年月(検査対象年月)を指定するための設定欄及び実行アイコンが設けられている。この設定欄に所望の検査対象年月を入力し、実行アイコンが選択された場合、データ読込手段211は、調査票データ記憶部22から検査対象の調査票ファイル220を取り込む。そして、データ読込手段211は、バージョンコードを付与した修正履歴レコード240を生成し、修正履歴データ記憶部24に格納する。この場合、修正履歴レコード240の先行バージョンコードは空欄にしておく。
【0058】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、チェック条件の読込処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21のデータ読込手段211は、チェック条件データ記憶部25から、調査票についてのチェック条件データ250を取得する。
【0059】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、調査票検査処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21の検査管理手段212が、検査対象年月の調査票ファイル220について、取得したチェック条件データ250を用いて、後述する調査票検査処理を実行する。
【0060】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、調査票表示処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、後述するように、出力部12において、出力フレームデータ記憶部27に記録された各種フレームを用いて、調査票検査処理の結果を表示する。
【0061】
そして、調査票検査装置20の制御部21は、調査票の修正の判定処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、制御部21の調査票修正手段216は、メニュー画面に
おける「修正」アイコンの選択の有無により判定する。
【0062】
メニュー画面において「修正」アイコンが選択され、調査票の修正を行なう場合(ステップS1−5において「YES」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、修正値の取得処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、制御部21の調査票修正手段216は、入力部11を用いて入力された調査票の修正値を取得する。そして、調査票修正手段216は、この修正についてバージョンコードを付与した新たな修正履歴レコード240を生成し、修正履歴データ記憶部24に格納する。この場合、修正前の修正履歴レコード240のバージョンコードを先行バージョンコードとして記録する。そして、調査票修正手段216は、一連の修正を完了するまで、修正内容を修正履歴レコード240に記録する。
【0063】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、調査票検査処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部21の検査管理手段212は、修正された値を用いて、再度、後述する調査票検査処理を実行する。
【0064】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、調査票表示処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、後述するように、修正された調査票についての調査票検査処理の結果を出力部12に表示する。
【0065】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、調査票の更新要否についての判定処理を実行する(ステップS1−9)。具体的には、制御部21の検査管理手段212は、出力部12に、変更された調査票の更新要否を確認するための確認画面を出力する。
【0066】
調査票の更新が選択された場合(ステップS1−9において「YES」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、調査票の更新処理を実行する(ステップS1−10)。具体的には、制御部21の検査管理手段212は、調査票データ記憶部22に記録された調査票ファイル220を、修正履歴レコード240に基づいて修正する。なお、調査票の更新が選択されなかった場合(ステップS1−9において「NO」の場合)には、調査票の更新処理(ステップS1−10)をスキップする。
【0067】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、終了かどうかについての判定処理を実行する(ステップS1−11)。具体的には、制御部21の検査管理手段212は、メニュー画面における「終了」アイコンの選択の有無により判定する。
【0068】
メニュー画面において「終了」アイコンが選択された場合(ステップS1−11において「YES」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、調査票検査プログラムを終了する。なお、「終了」アイコンが選択されなかった場合(ステップS1−11において「NO」の場合)、調査票の修正の判定処理(ステップS1−5)以降の処理を繰り返す。
【0069】
(調査票検査処理)
次に、図6を用いて、調査票検査処理を説明する。
この調査票検査処理においては、チェック条件データ記憶部25に記録されたチェック条件毎に、調査票検査装置20の制御部21は、四則演算チェック処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21の検査管理手段212が、四則演算確認手段213を用いて、後述する四則演算チェック処理を実行する。
【0070】
次に、チェック条件データ記憶部25に記録されたチェック条件毎に、調査票検査装置20の制御部21は、増減率チェック処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には
、制御部21の検査管理手段212が、増減率確認手段214を用いて、後述する増減率確認処理を実行する。
【0071】
(四則演算チェック処理)
次に、図7を用いて、四則演算チェック処理を説明する。
ここでは、調査票検査装置20の制御部21は、チェック条件のチェック式を関係演算子毎にグループ分け処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部21の四則演算確認手段213は、チェック条件データ記憶部25に記録されているチェック式を取得する。ここでは、図10(a)に示すチェック式(「A10≦B20+C30≦500」)を取得した場合を想定する。
【0072】
そして、四則演算確認手段213は、チェック式に含まれる関係演算子毎にグループ分けを行なう。ここでは、図10(a)に示すように、関係演算子によってチェック式を区切ることにより、グループ1〜3に分けたテーブルをメモリに仮記憶する。
【0073】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、各グループから項目の抽出処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部21の四則演算確認手段213は、メモリに仮記憶されたテーブルから項目を抽出する。ここでは、図10(b)に示すように、各グループにおいて下線を付した「A10」、「B20」、「C30」が抽出される。
【0074】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、各項目について値保持配列のアドレスの取得処理を実行する(ステップS3−3)。具体的には、制御部21の四則演算確認手段213は、項目名変換ファイル記憶部26に記録された項目名変換ファイル260を用いて、グループ毎に各チェック式に含まれる項目の項目コードに関連付けられた調査票コード及びアドレスを取得する。本実施形態では、図10(c)に示すように、項目名変換ファイル260には、項目コード「A10」については、調査票コード「1」のアドレス「10」に記録されている。更に、項目コード「B20」については調査票コード「2」のアドレス「20」、項目コード「C30」については調査票コード「3」のアドレス「30」に記録されている。
【0075】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、値保持配列からデータ値の取得処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、制御部21の四則演算確認手段213は、調査票コードにより指定された調査票ファイルにアクセスする。そして、四則演算確認手段213は、この調査票に含まれる値保持配列から、項目名変換ファイルにおいて指定されたアドレスに記録された値を取得する。本実施形態においては、図11(a)に示すように、項目コード「A10」については項目値「17」を取得する。同様にして、項目コード「B20」については項目値「125」、項目コード「C30」については項目値「750」を取得する。
【0076】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、チェック式毎の計算処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、制御部21の四則演算確認手段213は、値保持配列から取得した項目値を各グループの演算式に代入する。そして、四則演算確認手段213は、グループ毎に指定された演算式の値を算出する。本実施形態では、図11(b)に示すように、グループ(1、3)内には演算式が含まれておらず、計算は行なわれない。一方、グループ2には、項目コード「B20」及び「C30」を用いた演算が記録されている。ここでは、二つの項目コードの項目値を加算することにより、「875」を算出する。
【0077】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、チェック条件のチェック式においてエラーが生じたかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−6)。具体的には、制御部21の四則演算確認手段213は、グループ毎に算出された値が、グループ間を結合
する関係演算子を満たしているかどうかについて判定する。本実施形態では、グループ1及びグループ2の関係演算子、グループ2及びグループ3の関係演算子の成立について判定を行なう。
【0078】
関係演算子が成立せず、チェック条件のチェック式においてエラーが生じた場合(ステップS3−6において「YES」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、エラーカウント処理を実行する(ステップS3−7)。具体的には、制御部21の四則演算確認手段213は、エラーが生じたチェック式のチェック式コードが記録された演算検査結果レコード231の判定結果データ領域にエラーフラグを記録する。
【0079】
次に、四則演算確認手段213は、このチェック式に含まれるすべての項目コードが記録された項目別評価レコード232のエラーカウントデータ領域に記録された値に「1」を加算する。
【0080】
更に、四則演算確認手段213は、修正履歴データ記憶部24の修正履歴レコード240に、エラーカウント総数を記録する。
一方、関係演算子が成立し、チェック条件のチェック式においてエラーが生じなかった場合(ステップS3−6において「NO」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、エラーカウント処理をスキップする。
【0081】
(増減率チェック処理)
次に、図8を用いて、増減率チェック処理を説明する。
調査票検査装置20の制御部21は、過去の調査票に記録された項目値の取得処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、制御部21の増減率確認手段214は、調査票データ記憶部22から、検査対象の調査票コードが記録された調査票ファイル220であって、検査対象年月の調査年月に対して前回の調査年月が記録されたファイルを抽出する。そして、増減率確認手段214は、過去の調査票ファイル220から、検査対象の調査票に含まれる項目についての項目値を取得する。この場合にも、項目名変換ファイル260を用いてアドレスを特定し、値保持配列から各項目の項目値を取得する。
【0082】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、増減率の算出処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、制御部21の増減率確認手段214は、検査対象の調査票に含まれる項目毎に、過去の調査票の値保持配列に記録された項目値に対して、検査対象の調査票の値保持配列に記録された項目値の増減率を算出する。
【0083】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、項目の増減率許容範囲の取得処理を実行する(ステップS4−3)。具体的には、制御部21の増減率確認手段214は、チェック条件データ記憶部25から、検査対象の調査票に含まれる各項目についての増減率許容範囲を取得する。
【0084】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、増減率が許容範囲内かどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、制御部21の増減率確認手段214は、検査対象の調査票を用いて算出した増減率と、増減率許容範囲とを比較する。
【0085】
算出した増減率が増減率許容範囲を超えている場合(ステップS4−4において「NO」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、調査票の項目に対して増減率エラーフラグの記録処理を実行する(ステップS4−5)。具体的には、制御部21の増減率確認手段214は、検査結果データ記憶部23において、項目別評価レコード232の増減率エラーデータ領域にエラーフラグを記録する。
更に、増減率確認手段214は、修正履歴データ記憶部24の修正履歴レコード240
に、増減率エラー総数を記録する。
【0086】
(調査票表示処理)
次に、図9を用いて、調査票表示処理を説明する。
【0087】
ここでは、調査票検査装置20の制御部21は、調査票一覧フレームの出力処理を実行する(ステップS5−1)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、出力フレームデータ記憶部27から調査票一覧フレームを取得する。そして、表示管理手段215は、取得した調査票一覧フレームの調査票コードに対して、検査対象年月の調査票ファイル220の有無を示す記号を設定する。更に、表示管理手段215は、検査結果データ記憶部23から演算検査結果レコード231及び項目別評価レコード232を取得し、調査票一覧フレームにおいてエラーが含まれる調査票コードについて、エラーがあることを示す記号を設定する。そして、表示管理手段215は、生成した調査票一覧フレームを出力部12に表示する。調査票一覧フレームに表示された調査票コードには、各調査票を特定するための選択ボタンが設けられている。
【0088】
調査票を出力するための選択ボタンが選択された場合、調査票検査装置20の制御部21は、調査票項目フレームのセット処理を実行する(ステップS5−2)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、選択ボタンにより特定された調査票の調査票コードを取得し、調査票データ記憶部22から、この調査票コード及び調査対象年月が設定された調査票ファイル220を取得する。更に、表示管理手段215は、出力フレームデータ記憶部27から調査票項目フレームを取得する。そして、表示管理手段215は、調査票ファイル220に含まれる項目コードを、調査票項目フレームの各エリアに割り付ける。次に、表示管理手段215は、項目名変換ファイル260から各項目のアドレスを取得し、値保持配列から各項目値を抽出する。そして、表示管理手段215は、取得した項目値を調査票項目フレームの各項目コードに対応する項目値フレームの各エリアにセットする。
【0089】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、この調査票においてエラーがあるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−3)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、特定された調査票コードが記録された項目別評価レコード232を用いてエラーの有無を確認する。
【0090】
この調査票においてエラーがない場合(ステップS5−3において「NO」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、調査票の表示処理を実行する(ステップS5−4)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、報告書表示エリアを含む表示画面を生成し、出力部12に表示する。この報告書表示エリアには、調査票項目フレームに対応させた項目値フレームを設定する。
【0091】
一方、この調査票においてエラーがある場合(ステップS5−3において「YES」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、エラーカウントフレームのセット処理を実行する(ステップS5−5)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、出力フレームデータ記憶部27から、エラーカウントフレームを取得する。更に、表示管理手段215は、検査結果データ記憶部23から、項目コード毎にエラーカウントを取得する。そして、表示管理手段215は、エラーカウントフレームにおいて、調査票項目フレームの各項目コードに対応するエリアにエラーカウントをセットする。
【0092】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、エラーカウントに応じて表示色の決定処理を実行する(ステップS5−6)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、エラーカウントフレームの各エリアにおいて、エラーカウントが大きい順番に、配色テーブ
ルにおいて定められた表示色の割当を行なう。
【0093】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、増減率エラーフレームのセット処理を実行する(ステップS5−7)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、出力フレームデータ記憶部27から、増減率エラーフレームを取得する。更に、表示管理手段215は、検査結果データ記憶部23を用いて、項目コード毎に増減率エラーフラグの記録の有無を確認する。次に、表示管理手段215は、増減率エラーフレームにおいて、調査票項目フレームの各項目コードに対応するエリアに増減率エラーの有無をセットする。そして、表示管理手段215は、増減率エラーがあるエリアと増減率エラーがないエリアとに対して異なる表示色の割当を行なう。
【0094】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、調査票の表示処理を実行する(ステップS5−8)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、報告書表示エリアに調査票項目フレームに対応させた項目値フレームを設定した表示画面を生成する。更に、表示管理手段215は、この表示画面にエラーリスト表示エリアを含める。このエラーリスト表示エリアには、エラーカウント表示と増減率エラー表示とを切り替えるための選択アイコンを含める。
【0095】
ここで、エラーカウント表示アイコンが選択された場合、調査票検査装置20の制御部21は、四則演算チェック処理結果の表示処理を実行する(ステップS5−9)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、表示画面に含まれる調査票項目フレームの各エリアの背景色として、エラーカウントフレームの各エリアの表示色を設定する。更に、エラーカウントフレームにおいてエラーが記録されたエリアが選択された場合、表示管理手段215は、調査票項目フレームから、このエリアの項目コードを取得する。そして、表示管理手段215は、この項目コードが含まれるチェック式をチェック条件データ記憶部25から取得する。更に、表示管理手段215は、この項目コードについてのエラーカウントを検査結果データ記憶部23から取得する。次に、表示管理手段215は、エラーリスト表示エリアに、エラーが記録された項目コード、この項目コードに対して演算検査結果レコード231に記録されたチェック式、項目別評価レコード232に記録されたエラーカウントを表示する。
【0096】
一方、増減率エラー表示アイコンが選択された場合、調査票検査装置20の制御部21は、増減率チェック処理結果の表示処理を実行する(ステップS5−10)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、表示画面に含まれる調査票項目フレームの各エリアの背景色として、増減率エラーフレームの各エリアの表示色を設定する。更に、増減率エラーフレームにおいてエラーが記録されたエリアが選択された場合、表示管理手段215は、調査票項目フレームから、このエリアの項目コードを取得する。そして、表示管理手段215は、この項目コードについての増減率許容範囲をチェック条件データ記憶部25から取得する。次に、表示管理手段215は、エラーリスト表示エリアに、エラーが記録された項目コード、この項目コードについての増減率と増減率許容範囲を表示する。
【0097】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、修正前後のエラー比較表示処理を実行する(ステップS5−11)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、修正履歴データ記憶部24に修正履歴レコード240が記録されているかどうかを確認する。修正履歴レコード240が記録されている場合には、修正履歴レコード240に記録された先行バージョンコードを取得する。そして、表示管理手段215は、修正履歴データ記憶部24から、先行バージョンコードが記録された調査票のエラーカウント及び増減率エラー数を取得する。そして、表示管理手段215は、修正前後のエラー状況(エラーカウント及び増減率エラー数)を表示したエラー比較画面を出力部12に表示する。なお、修正履歴レコード240が記録されていない場合には、エラー比較表示処理(ステップS5−11
)は行なわない。
【0098】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、表示変更の希望の有無についての判定処理を実行する(ステップS5−12)。具体的には、他の調査票の検査を希望する場合には、調査票一覧フレームにおいて、所望の調査票の選択ボタンを選択する。調査票の選択ボタンが選択されることにより、表示変更の希望があると判定された場合(ステップS5−12において「YES」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、調査票一覧フレームにおいて選択された調査票について、ステップS5−2以降の処理を繰り返す。一方、表示変更が希望されなかった場合(ステップS5−12において「NO」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、調査票表示処理を終了する。
【0099】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1) 上記実施形態では、調査票検査装置20の制御部21は、四則演算チェック処理を実行する(ステップS2−1)。これにより、調査票において設定された各項目の項目値についての不整合(例えば、計算間違いや、同じ項目についての齟齬)を特定することができる。
【0100】
更に、四則演算チェック処理において、調査票検査装置20の制御部21は、エラーカウント処理を実行する(ステップS3−7)。チェック条件において、一つのチェック式に複数の項目コードが関わっている場合、どの項目の項目値が間違っているかを判定することは困難である。そこで、調査票に含まれる各項目が複数のチェック条件に関わっている場合、項目コード毎に算出されたエラーカウントにより、間違っている可能性が高い項目を特定することができる。
【0101】
(2) 上記実施形態では、調査票検査装置20の制御部21は、増減率チェック処理を実行する(ステップS2−2)。これにより、過去の調査票の項目値を利用して、検査対象の調査票に含まれる異常値を特定することができる。そして、この異常値により間違いがある可能性がある項目を特定することができる。
【0102】
(3) 上記実施形態では、調査票検査装置20の制御部21は、エラーカウントフレームのセット処理を実行する(ステップS5−5)。そして、調査票検査装置20の制御部21は、エラーカウントに応じて表示色の決定処理を実行する(ステップS5−6)。エラーカウント表示アイコンが選択された場合、調査票検査装置20の制御部21は、四則演算チェック処理結果の表示処理を実行する(ステップS5−9)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、表示画面に含まれる調査票項目フレームの各エリアの背景色として、エラーカウントフレームの各エリアの表示色を設定する。これにより、エラーカウントの分布を把握し、エラーが多く発生している項目を効率的に特定することができる。そして、この項目の項目値を優先的に変更することにより、効率的に調査票を修正することができる。
【0103】
一方、増減率エラー表示アイコンが選択された場合、調査票検査装置20の制御部21は、増減率チェック処理結果の表示処理を実行する(ステップS5−10)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、表示画面に含まれる調査票項目フレームの各エリアの背景色として、増減率エラーフレームの各エリアの表示色を設定する。これにより、増減率エラーの分布を把握し、異常値が設定されている項目を効率的に特定し、修正することができる。
【0104】
(4) 上記実施形態では、修正履歴データ記憶部24は、チェック結果に基づいて修正が行なわれた調査票についての修正履歴レコード240を記憶する。この修正履歴レコード240は、バージョンコード、先行バージョンコード、修正内容、エラーカウント総
数、増減率エラー総数に関するデータを含んで構成される。そして、調査票検査装置20の制御部21は、修正前後のエラー比較表示処理を実行する(ステップS5−11)。これにより、エラーが少ない修正を特定することができる。また、修正により返ってエラーが多くなった場合には、先行バージョンコードにおける修正内容を用いて、調査票を元の状態に戻して、改めて修正を行なうことができる。
【0105】
なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
・ 上記実施形態では、調査票検査装置20の制御部21は、エラーカウントに応じて表示色の決定処理を実行する(ステップS5−6)。エラー状態の表示方法はこれに限定されるものではない。例えば、エラーの発生割合に基づいて、優先的に修正する項目を特定できるようにしてもよい。具体的には、図12(a)に示すように、複数のチェック式を用いる。ここでは、チェック式(A,D,E)は不成立となり、チェック式(B,C)は成立している場合を想定する。各チェック式は、項目コード(1)〜(7)を変数としている。
【0106】
そこで、調査票検査装置20の制御部21は、各項目について、チェック式が成立している数と不成立の数とを計数する。本実施形態では、各項目の成立数及び不成立数は、図12(b)に示すようになる。そして、調査票検査装置20の制御部21は、成立数を合計数により除算することにより、成立割合を算出する。そして、調査票検査装置20の制御部21は、この成立割合が低い項目から順番に修正候補の順位を決定する。この成立割合により、間違っている可能性が高い項目の項目値を特定し、この項目を優先的に修正することができる。
【0107】
・ 上記実施形態では、調査票検査装置20の制御部21は、エラーカウントに応じて表示色の決定処理を実行する(ステップS5−6)。これに代えて、調査票検査装置20の制御部21が、シミュレーションにより修正値を算出するようにしてもよい。この場合、間違っている可能性が高い項目を特定し、この項目の項目値について、所定の値を順次、加算又は減算する。そして、エラーカウント総数や増減率エラー総数が最も少なくなる項目値を検索する。これにより、効率的に修正内容を特定することができる。
【0108】
・ 上記実施形態では、調査票検査装置20の制御部21は、四則演算チェック処理結果の表示処理(ステップS5−9)、増減率チェック処理結果の表示処理(ステップS5−10)を実行する。各チェック処理結果の表示方法はこれに限定されるものではなく、両者を同一画面上に表示するようにしてもよい。
【0109】
・ 上記実施形態では、調査票検査装置20は、調査票データ記憶部22、検査結果データ記憶部23、修正履歴データ記憶部24、チェック条件データ記憶部25、項目名変換ファイル記憶部26、出力フレームデータ記憶部27を備える。ハードウェア構成は、これに限定されるものではなく、すべてのデータ記憶部を調査票検査装置20内に設ける必要はない。例えば、ネットワークを介して、他のシステムから調査票検査処理に必要なデータを取得するようにしてもよい。
【0110】
・ 上記実施形態では、修正履歴データ記憶部24は、チェック結果に基づいて修正が行なわれた調査票についての修正履歴レコード240を記憶する。この修正履歴レコード240の修正内容データ領域には、修正された調査票の内容に関するデータが記録されている。これに代えて、修正が行なわれた場合には、バージョンコード毎に、修正された値保持配列を記録するようにしてもよい。この場合には、先行バージョンコードを用いることなく、このバージョンにおけるすべての項目値を取得することができる。
【0111】
・ 上記実施形態では、修正履歴データ記憶部24に、エラーカウント総数や増減率エ
ラー総数を記録する。これに代えて、各調査票を表示する場合には、毎回、調査票検査処理を実行して、エラー総数を算出するようにしてもよい。
【0112】
・ 上記実施形態では、チェック条件データ記憶部25は、調査票に含まれる各項目をチェックする場合に用いる条件についてのチェック条件データ250を記憶する。チェック条件データ250の中で、増減率チェック条件レコード252は、項目コード、増減率許容範囲に関するデータを含んで構成される。この増減率許容範囲データ領域には、各項目の項目値において許容される増減率の範囲に関するデータが記録される。ここで、増減率許容範囲を、調査票履歴情報記憶手段に記録されている過去の項目値に基づいて算出するようにしてもよい。具体的には、増減率チェック処理を実行する場合、増減率確認手段214は、検査対象の項目毎に、予め定められた基準期間の項目値を調査票履歴情報記憶手段から取得する。そして、増減率確認手段214は、この項目値について回帰分析を行ない、変化傾向及び変動範囲を算出する。次に、増減率確認手段214は、この変化傾向及び変動範囲を用いて、今回の項目値の予測範囲を算出する。そして、増減率確認手段214は、この予測範囲を増減率許容範囲として用いて増減率チェック処理を行なう。これにより、実績値から予測される項目値の範囲から逸脱した項目を検知することができる。
【符号の説明】
【0113】
11…入力部、12…出力部、20…調査票検査装置、21…制御部、211…データ読込手段、212…検査管理手段、213…四則演算確認手段、214…増減率確認手段、215…表示管理手段、216…調査票修正手段、22…調査票データ記憶部、23…検査結果データ記憶部、24…修正履歴データ記憶部、25…チェック条件データ記憶部、26…項目名変換ファイル記憶部、27…出力フレームデータ記憶部、30…データ読込装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、調査票に記録されている項目値の整合性の確認を支援するための調査票検査システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
各種機関から調査票を収集し、この調査票に基づいて統計を算出することがある。例えば、国民健康保険事業においても、全国の保険者の国保事業運営実績を把握し、制度の改善、予算の編成、国庫補助金の交付など、制度の健全な運営のため広く活用するための基礎資料を得ることを目的として年報が作成されている。ここでは、全保険者(市区町村及び国民健康保険組合)を調査の対象とする。
【0003】
このような健康診査に関するデータ、介護保険に関するデータ及び国民健康保険に関するデータを総合的に解析するための地域別健康解析方法が検討されている(例えば、特許文献1を参照。)。この文献に記載された技術では、健康診査に基づく第1のデータ、介護保険に基づく第2のデータ、及び国民健康保険に基づく第3のデータをコンピュータに入力する。第1〜第3のデータから個人毎に、健康診査、介護保険、及び国民健康保険のデータを各個人の住所を特定して集計する第4のデータを作成する。第2工程で作成された第4のデータに基づいて、各個人の住所から地域毎の健康診査、介護保険、及び国民健康保険の傾向及び度合いのいずれか一方又は双方からなる指標を算出して第5のデータを作成する。
【0004】
しかしながら、計算間違い等の人為的なミスが生じる場合がある。そこで、元の値の入力ミス、その後の計算間違いを抑制するための技術が検討されている(例えば、特許文献2を参照。)。この文献に記載された技術では、キーボードを使用しないユーザーインターフェースにより、キー入力による打ち間違いをなくし、また入力範囲を限定する。また、算出された値を再度適正かどうかコンピュータ内部でチェックし、適正でない場合は警告を発してユーザにフィードバックする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−59107号公報(第1頁、図1)
【特許文献2】特開2002−169891号公報(第1頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、各種機関において調査票の各項目に値(項目値)を記録する場合、計算間違いや誤記してしまう場合がある。例えば、項目値の桁数を間違えたり、計算対象の項目を間違えたりすることがある。また、計算そのものを間違える場合もある。
【0007】
このような項目値が記録された調査票を各種機関から取得し、各項目値を人手により検査する場合、手間や時間が掛かる。特に、検査対象の項目数が多い場合には、大きな負荷となる。
【0008】
また、調査票において複数の項目に対する項目値を変数とするチェック式を用いて検査を行なう場合もある。ここで、このチェック式についてエラーを検出した場合、変数として用いたいずれかの値が間違っている可能性がある。しかしながら、複数の項目の項目値を変数として用いている場合、どの項目の項目値が間違っているかを判定することは困難
である。
【0009】
また、定期的に調査を行なっている場合には、過去の調査履歴に基づいて各項目の項目値について適否を判定することができることがある。すなわち、過去の項目値から予測される範囲から逸脱している項目値については、間違っている可能性がある。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、調査票に記録されている項目値を効率的に検査するための調査票検査システム、調査票検査方法及び調査票検査プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の項目についての項目値が記録された調査票を格納した調査票記憶手段と、前記項目についてのチェック条件を記録したチェック条件記憶手段と、項目毎にチェック条件を用いての確認結果を記録する確認結果記憶手段と、調査票に含まれる項目値を検査する制御手段を備えた調査票検査システムであって、前記制御手段が、検査対象の調査票を前記調査票記憶手段から取得する手段と、前記チェック条件記憶手段から、前記調査票の各項目に適用するチェック条件を取得し、前記チェック条件毎に、チェック条件の充足を判定する調査票検査処理を実行する手段と、前記チェック条件を充足しない場合には、この項目に対してエラー情報を前記確認結果記憶手段に記録する手段と、すべてのチェック条件についての判定を終了した場合に、項目毎に記録されたエラー情報についてのエラー数を算出し、前記調査票についてエラー数の分布を出力する手段とを備えていることを要旨とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の調査票検査システムにおいて、前記チェック条件記憶手段には、チェック条件として、調査票の各項目に記録された項目値を変数とする複数の条件式が格納されており、前記制御手段が、前記条件式毎に、各項目に記録された項目値を変数として代入し、前記条件式の充足を判定し、前記条件式を充足しない場合には、前記確認結果記憶手段に、この条件式を構成する変数の項目に対してエラー情報を記録することを要旨とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記チェック条件記憶手段には、チェック条件として、調査票の項目毎に増減率の許容範囲が格納されており、過去の調査票を記録した調査票履歴情報記憶手段を更に備え、前記制御手段が、前記調査票履歴情報記憶手段に記録された調査票を用いて、各項目の増減率を算出し、前記チェック条件記憶手段に記録された許容範囲と、検査対象の調査票に含まれる各項目の増減率とを比較し、前記増減率が許容範囲を超えている場合には、前記確認結果記憶手段に、この項目に対してエラー情報を記録することを要旨とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の調査票検査システムにおいて、前記制御手段が、各項目に記録された値の修正値を取得した場合、前記修正値を修正情報記憶手段に記録し、前記修正値を用いて、前記調査票検査処理を実行し、前記修正値に関連付けてエラー数の分布を記録し、修正前後におけるエラー数の分布を比較できるように表示することを要旨とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の調査票検査システムにおいて、前記調査票においてエラー数に応じて修正候補を出力することを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、複数の項目についての項目値が記録された調査票を格納した調査票記憶手段と、前記項目についてのチェック条件を記録したチェック条件記憶手段と、項目毎にチェック条件を用いての確認結果を記録する確認結果記憶手段と、調査票に含まれる項目値を検査する制御手段を備えた調査票検査システムを用いて、調査票を検査す
るための方法であって、前記制御手段が、検査対象の調査票を前記調査票記憶手段から取得する段階と、前記チェック条件記憶手段から、前記調査票の各項目に適用するチェック条件を取得し、前記チェック条件毎に、チェック条件の充足を判定する調査票検査処理を実行する段階と、前記チェック条件を充足しない場合には、この項目に対してエラー情報を前記確認結果記憶手段に記録する段階と、すべてのチェック条件についての判定を終了した場合に、項目毎に記録されたエラー情報についてのエラー数を算出し、前記調査票についてエラー数の分布を出力する段階とを実行することを要旨とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、複数の項目についての項目値が記録された調査票を格納した調査票記憶手段と、前記項目についてのチェック条件を記録したチェック条件記憶手段と、項目毎にチェック条件を用いての確認結果を記録する確認結果記憶手段と、調査票に含まれる項目値を検査する制御手段を備えた調査票検査システムを用いて、調査票を検査するためのプログラムであって、前記制御手段を、検査対象の調査票を前記調査票記憶手段から取得する手段、前記チェック条件記憶手段から、前記調査票の各項目に適用するチェック条件を取得し、前記チェック条件毎に、チェック条件の充足を判定する調査票検査処理を実行する手段、前記チェック条件を充足しない場合には、この項目に対してエラー情報を前記確認結果記憶手段に記録する手段、すべてのチェック条件についての判定を終了した場合に、項目毎に記録されたエラー情報についてのエラー数を算出し、前記調査票についてエラー数の分布を出力する手段として機能させることを要旨とする。
【0017】
(作用)
請求項1、6、7に記載の発明によれば、制御手段が、検査対象の調査票を調査票記憶手段から取得する。そして、チェック条件記憶手段から、調査票の各項目に適用するチェック条件を取得し、チェック条件毎に、チェック条件の充足を判定する調査票検査処理を実行する。次に、チェック条件を充足しない場合には、この項目に対してエラー情報を確認結果記憶手段に記録する。そして、すべてのチェック条件についての判定を終了した場合に、項目毎に記録されたエラー情報についてのエラー数を算出し、調査票についてエラー数の分布を出力する。これにより、エラー数に応じて、調査票において優先的に修正する項目を特定することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、制御手段は、条件式毎に、各項目に記録された項目値を変数として代入し、条件式の充足を判定し、条件式を充足しない場合には、前記確認結果記憶手段に、この条件式を構成する変数の項目に対してエラー情報を記録する。これにより、複数の項目の項目値を変数とする条件式を用いて、間違っている可能性がある項目を特定することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、制御手段は、調査票履歴情報記憶手段に記録された調査票を用いて、各項目の増減率を算出する。そして、チェック条件記憶手段に記録された許容範囲と、検査対象の調査票に含まれる各項目の増減率とを比較し、増減率が許容範囲を超えている場合には、前記確認結果記憶手段に、この項目に対してエラー情報を記録する。これにより、過去の調査票を利用して、検査対象の調査票に含まれる項目値の適否を判定することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、制御手段が、各項目に記録された値の修正値を取得した場合、修正値を修正情報記憶手段に記録し、修正値を用いて、調査票検査処理を実行する。そして、修正値に関連付けてエラー数の分布を記録し、修正前後におけるエラー数の分布を比較できるように表示する。これにより、エラー数の増減から修正の適否を判断することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、調査票においてエラー数に応じて修正候補を出力する
。これにより、効率的に調査票の修正を行なうことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、調査票に記録されている項目値を効率的に検査するための調査票検査システム、調査票検査方法及び調査票検査プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態のシステム概略図。
【図2】各データ記憶部に記憶されたデータの説明図であって、(a)は調査票データ記憶部、(b)は検査結果データ記憶部、(c)は修正履歴データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図3】各データ記憶部に記憶されたデータの説明図であって、(a)はチェック条件データ記憶部、(b)は項目名変換ファイル記憶部に記録されたデータの説明図。
【図4】出力フレームデータ記憶部に記憶されたデータの説明図。
【図5】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図6】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図7】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図8】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図9】本発明の実施形態の処理手順の説明図。
【図10】本発明の実施形態の四則演算チェック処理の説明図であって、(a)はグループ分け、(b)は項目の抽出、(c)はアドレスの取得についての説明図。
【図11】本発明の実施形態の四則演算チェック処理の説明図であって、(a)はデータ値の取得、(b)はチェック式毎の計算についての説明図。
【図12】他の実施形態における修正候補の順位の設定処理の説明図であって、(a)は各関係式の成立関係、(b)は修正候補となる項目の特定についての説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図11に従って説明する。本実施形態では、定期的に調査機関から提出された調査票に記録されている項目値を検査する場合に用いる調査票検査システム、調査票検査方法及び調査票検査プログラムとして説明する。ここでは、複数の項目を含む調査票において、各項目に対して記録されている項目値のチェック処理を行なう。
【0025】
本実施形態では、図1に示すように、調査票検査システムとして調査票検査装置20を用いる。この調査票検査装置20は、調査票の各項目の項目値を検査するデータ処理を行なうコンピュータシステムである。この調査票検査装置20は、入力部11、出力部12、データ読込装置30に接続される。
【0026】
入力部11は、利用者が入力した各種情報を取得するデバイスであり、キーボードやポインティングデバイスなどにより構成される。
出力部12は、調査票検査装置20において実行されたチェック結果を出力するデバイスであり、ディスプレイにより構成される。
【0027】
データ読込装置30は、記録媒体に格納された調査票ファイルを読み込むデバイスである。
調査票検査装置20は、制御部21、調査票データ記憶部22、検査結果データ記憶部23、修正履歴データ記憶部24、チェック条件データ記憶部25、項目名変換ファイル記憶部26、出力フレームデータ記憶部27を備える。
【0028】
調査票検査装置20の制御部21は、調査票の各項目の項目値を検査するための各種デ
ータ処理等を行なう制御手段として機能する。この制御部21は、図示しないCPU、RAM、ROM等を有し、後述する処理(データ読込段階、チェック管理段階、四則演算確認段階、増減率確認段階、表示管理段階の各処理等)を行なう。そのための調査票検査プログラムを実行することにより、制御部21は、図1に示すようにデータ読込手段211、検査管理手段212、四則演算確認手段213、増減率確認手段214、表示管理手段215、調査票修正手段216等として機能する。
【0029】
データ読込手段211は、検査対象の調査票やチェック条件を取得する処理を実行する。
検査管理手段212は、調査票に含まれる各項目についての検査処理(四則演算チェック処理や増減率チェック処理)を制御する処理を実行する。
【0030】
四則演算確認手段213は、調査票に含まれる各項目の項目値について、後述するチェック式により四則演算を行なった結果の整合性を確認する処理を実行する。
増減率確認手段214は、調査票に含まれる各項目の項目値について、過去の項目値に対する増減率を用いて整合性を確認する処理を実行する。
【0031】
表示管理手段215は、調査票について、検査処理の結果を出力部12に表示する処理を実行する。この表示管理手段215は、エラーが生じた項目コードに対応するエリアの背景色を、エラーカウント値に応じて決定するための配色テーブルを備えている。
調査票修正手段216は、入力部11において行なわれた調査票の修正入力を受け付ける処理を実行する。
【0032】
調査票データ記憶部22は調査票記憶手段として機能し、図2(a)に示すように、検査処理に用いる調査票ファイル220を記憶する。この調査票ファイル220は、データ読込装置30に挿入された記録媒体から調査票を取得した場合に登録される。この調査票ファイル220は、調査票コード、調査年月、調査票内容に関するデータを含んで構成される。
【0033】
調査票コードデータ領域には、各調査票の種別を特定するための識別子に関するデータが記録される。この調査票コードを用いることにより、一つの調査票に対して関連する他の調査票を特定することができる。
【0034】
調査年月データ領域には、この調査票の調査時期を特定するための年月に関するデータが記録される。この調査年月を用いることにより、検査対象の調査票及び過去の調査票を特定することができる。これにより、調査票データ記憶部22は調査票履歴情報記憶手段として機能する。
【0035】
調査票内容データ領域には、調査票に含まれる各項目及び項目値に関するデータが記録される。この調査票には、図11(a)に示すように、値保持配列が記録されている。この値保持配列には、順番にアドレスが付与されており、各アドレスに項目が対応付けられている。そして、値保持配列には、各項目に対応する項目値(本実施形態では数値)が記録されている。
【0036】
検査結果データ記憶部23は確認結果記憶手段として機能し、図2(b)に示すように、調査票についての検査結果データ230を記憶する。この検査結果データ230は、演算検査結果レコード231及び項目別評価レコード232を含んで構成される。演算検査結果レコード231は、後述する四則演算チェック処理を行なった場合に登録される。一方、項目別評価レコード232は、四則演算チェック処理や増減率チェック処理検査処理を行なった場合に登録される。
【0037】
演算検査結果レコード231は、調査票コード、チェック式コード、判定結果に関するデータを含んで構成される。
調査票コードデータ領域には、検査対象の調査票の種別を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0038】
チェック式コードデータ領域には、四則演算確認処理において、各項目の項目値を検査するために用いられる演算式を特定するための識別子に関するデータが記録される。
判定結果データ領域には、検査に用いられたチェック式の成立又は不成立のいずれかの結果を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0039】
項目別評価レコード232は、調査票コード、項目コード、エラーカウント、増減率エラーに関するデータを含んで構成される。
調査票コードデータ領域には、検査対象の調査票の種別を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0040】
項目コードデータ領域には、調査票に含まれる各項目を特定するための識別子に関するデータが記録される。
エラーカウントデータ領域には、四則演算チェック処理において、この項目についてエラーが発生した回数に関するデータが記録される。
増減率エラーデータ領域には、この項目における増減率についてのエラーの有無を判定するためのフラグが記録される。
【0041】
修正履歴データ記憶部24は修正情報記憶手段として機能し、図2(c)に示すように、チェック結果に基づいて修正が行なわれた調査票についての修正履歴レコード240を記憶する。この修正履歴レコード240は、調査票検査処理が行なわれた場合に登録される。この修正履歴レコード240は、バージョンコード、先行バージョンコード、修正内容、エラーカウント総数、増減率エラー総数に関するデータを含んで構成される。
【0042】
バージョンコードデータ領域には、この調査票のバージョンを特定するための識別子に関するデータが記録される。
先行バージョンコードデータ領域には、修正前の調査票のバージョンを特定するための識別子に関するデータが記録される。なお、修正前のバージョンの調査票ファイル(オリジナルファイル)の場合には、先行バージョンコードデータ領域は空欄である。
【0043】
修正内容データ領域には、修正された調査票の内容に関するデータが記録されている。本実施形態では、修正された調査票、項目を特定するための情報(調査票コード、項目コード)に対して、修正された項目値に関するデータが記録される。なお、オリジナルファイルの場合には、修正内容データ領域は空欄である。従って、先行バージョンコードデータ領域が空欄のオリジナルファイルをベースとして、先行バージョンコードにより修正履歴を特定することができる。そして、この修正履歴に従って、各項目値を順次、変更することにより、各バージョンの項目値を取得することができる。
エラーカウント総数、増減率エラー総数の各データ領域には、調査票検査処理により算出されたエラーカウント総数、増減率エラー総数に関するデータが記録される。
【0044】
チェック条件データ記憶部25はチェック条件記憶手段として機能し、図3(a)に示すように、調査票に含まれる各項目をチェックする場合に用いる条件についてのチェック条件データ250を記憶する。このチェック条件データ250は、調査票において検査する内容を決定した場合に登録される。チェック条件データ250は、演算チェック条件レコード251及び増減率チェック条件レコード252を含んで構成される。
【0045】
演算チェック条件レコード251は、チェック式コード、チェック式に関するデータを含んで構成される。
チェック式コードデータ領域には、四則演算確認処理において、各項目の項目値を検査するために用いられる演算式を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0046】
チェック式データ領域には、四則演算確認処理において、各項目の項目値を検査するために用いられる演算式に関するデータが記録される。このチェック式は、各項目を特定する項目コード(例えば、A10、B20、C30)の項目値を変数として、等式記号や不等式記号等の関係演算子により結合されている。
【0047】
増減率チェック条件レコード252は、項目コード、増減率許容範囲に関するデータを含んで構成される。
項目コードデータ領域には、調査票に含まれる各項目を特定するための識別子に関するデータが記録される。
増減率許容範囲データ領域には、各項目の項目値において許容される増減率の範囲に関するデータが記録される。
【0048】
項目名変換ファイル記憶部26は、図3(b)に示すように、調査票に含まれる各項目の項目値を特定する場合に用いる項目名変換ファイル260を記憶する。項目名変換ファイル260は、調査票のフォーマットを決めた場合に登録される。この項目名変換ファイル260は、項目コードに対して、調査票コード、アドレスに関するデータを含んで構成される。
【0049】
項目コードデータ領域には、調査票に含まれる各項目を特定するための識別子に関するデータが記録される。
調査票コードデータ領域には、各調査票の種別を特定するための識別子に関するデータが記録される。
アドレスデータ領域には、調査票の値保持配列において、各項目の項目値が記録されたアドレスに関するデータが記録される。
【0050】
出力フレームデータ記憶部27には、図4に示すように、調査票の内容や検査結果を出力する出力画面に用いる各種フレームが記録されている。本実施形態では、調査票一覧フレーム、調査票項目フレーム、項目値フレーム、エラーカウントフレーム、増減率エラーフレームが記録されている。
【0051】
調査票一覧フレームは、各調査票の取込状況や検査状況を表示するための出力画面に用いるフレームである。この調査票一覧フレームには、調査票の調査票コードに対して、取込状況(ファイルの有無)や検査状況(エラーの有無)を示す記号が表示される。
【0052】
調査票項目フレームは、調査票に含まれる各項目を表示させるためのレイアウトが設定されたフレームである。この調査票項目フレームには、複数のエリアが設けられており、各エリアに調査票に含まれる各項目コードが割り当てられている。
【0053】
項目値フレームは、調査票項目フレームにおいて各項目コードが割り当てられるエリアのレイアウトに対応しており、各項目コードの項目値を出力するためのフレームである。
エラーカウントフレームは、調査票項目フレームにおいて各項目コードが割り当てられるエリアのレイアウトに対応しており、四則演算確認処理において検知したエラーカウントをセットすることにより、エラーカウントの分布を出力するためのフレームである。また、エラーカウントフレームの各エリアは選択可能になっており、各エリアが選択された
場合、表示管理手段215は、このエリアに対応する項目コードを取得する。
【0054】
増減率エラーフレームは、調査票項目フレームにおいて各項目コードが割り当てられるエリアのレイアウトに対応しており、増減率確認処理において検知した増減率エラーをセットすることにより、増減率エラーの分布を出力するためのフレームである。また、増減率エラーフレームの各エリアも選択可能になっており、各エリアが選択された場合、表示管理手段215は、このエリアに対応する項目コードを取得する。
【0055】
次に、本実施形態の調査票の各項目についての項目値を検査する場合の処理について説明する。ここでは、全体の処理の概要(図5)、調査票検査処理(図6)、四則演算チェック処理(図7)、増減率チェック処理(図8)、調査票表示処理(図9)の順番に説明する。
【0056】
(全体の処理の概要)
まず、図5を用いて、全体の処理の概要を説明する。
調査票検査装置20の制御部21は、調査票データ読込処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、調査票検査装置20の調査票検査プログラムを起動する。この場合、制御部21のデータ読込手段211は、出力部12にメニュー画面を出力する。このメニュー画面には、「調査票取込」、「修正」、「終了」の各処理を選択するためのアイコンが表示される。ここで、新たにデータ読込を行なう場合、調査票ファイルを格納した記録媒体をデータ読込装置30に挿入する。そして、メニュー画面において「調査票取込」アイコンを選択する。この場合、データ読込手段211は、データ読込装置30に挿入された記録媒体から調査票ファイルを読み取り、調査票ファイル220を、調査票データ記憶部22に記録する。
【0057】
そして、データ読込手段211は、出力部12に検査対象の調査表指定画面を出力する。この調査表指定画面には、検査対象の調査票の調査年月(検査対象年月)を指定するための設定欄及び実行アイコンが設けられている。この設定欄に所望の検査対象年月を入力し、実行アイコンが選択された場合、データ読込手段211は、調査票データ記憶部22から検査対象の調査票ファイル220を取り込む。そして、データ読込手段211は、バージョンコードを付与した修正履歴レコード240を生成し、修正履歴データ記憶部24に格納する。この場合、修正履歴レコード240の先行バージョンコードは空欄にしておく。
【0058】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、チェック条件の読込処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21のデータ読込手段211は、チェック条件データ記憶部25から、調査票についてのチェック条件データ250を取得する。
【0059】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、調査票検査処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21の検査管理手段212が、検査対象年月の調査票ファイル220について、取得したチェック条件データ250を用いて、後述する調査票検査処理を実行する。
【0060】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、調査票表示処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、後述するように、出力部12において、出力フレームデータ記憶部27に記録された各種フレームを用いて、調査票検査処理の結果を表示する。
【0061】
そして、調査票検査装置20の制御部21は、調査票の修正の判定処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、制御部21の調査票修正手段216は、メニュー画面に
おける「修正」アイコンの選択の有無により判定する。
【0062】
メニュー画面において「修正」アイコンが選択され、調査票の修正を行なう場合(ステップS1−5において「YES」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、修正値の取得処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、制御部21の調査票修正手段216は、入力部11を用いて入力された調査票の修正値を取得する。そして、調査票修正手段216は、この修正についてバージョンコードを付与した新たな修正履歴レコード240を生成し、修正履歴データ記憶部24に格納する。この場合、修正前の修正履歴レコード240のバージョンコードを先行バージョンコードとして記録する。そして、調査票修正手段216は、一連の修正を完了するまで、修正内容を修正履歴レコード240に記録する。
【0063】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、調査票検査処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部21の検査管理手段212は、修正された値を用いて、再度、後述する調査票検査処理を実行する。
【0064】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、調査票表示処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、後述するように、修正された調査票についての調査票検査処理の結果を出力部12に表示する。
【0065】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、調査票の更新要否についての判定処理を実行する(ステップS1−9)。具体的には、制御部21の検査管理手段212は、出力部12に、変更された調査票の更新要否を確認するための確認画面を出力する。
【0066】
調査票の更新が選択された場合(ステップS1−9において「YES」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、調査票の更新処理を実行する(ステップS1−10)。具体的には、制御部21の検査管理手段212は、調査票データ記憶部22に記録された調査票ファイル220を、修正履歴レコード240に基づいて修正する。なお、調査票の更新が選択されなかった場合(ステップS1−9において「NO」の場合)には、調査票の更新処理(ステップS1−10)をスキップする。
【0067】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、終了かどうかについての判定処理を実行する(ステップS1−11)。具体的には、制御部21の検査管理手段212は、メニュー画面における「終了」アイコンの選択の有無により判定する。
【0068】
メニュー画面において「終了」アイコンが選択された場合(ステップS1−11において「YES」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、調査票検査プログラムを終了する。なお、「終了」アイコンが選択されなかった場合(ステップS1−11において「NO」の場合)、調査票の修正の判定処理(ステップS1−5)以降の処理を繰り返す。
【0069】
(調査票検査処理)
次に、図6を用いて、調査票検査処理を説明する。
この調査票検査処理においては、チェック条件データ記憶部25に記録されたチェック条件毎に、調査票検査装置20の制御部21は、四則演算チェック処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21の検査管理手段212が、四則演算確認手段213を用いて、後述する四則演算チェック処理を実行する。
【0070】
次に、チェック条件データ記憶部25に記録されたチェック条件毎に、調査票検査装置20の制御部21は、増減率チェック処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には
、制御部21の検査管理手段212が、増減率確認手段214を用いて、後述する増減率確認処理を実行する。
【0071】
(四則演算チェック処理)
次に、図7を用いて、四則演算チェック処理を説明する。
ここでは、調査票検査装置20の制御部21は、チェック条件のチェック式を関係演算子毎にグループ分け処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部21の四則演算確認手段213は、チェック条件データ記憶部25に記録されているチェック式を取得する。ここでは、図10(a)に示すチェック式(「A10≦B20+C30≦500」)を取得した場合を想定する。
【0072】
そして、四則演算確認手段213は、チェック式に含まれる関係演算子毎にグループ分けを行なう。ここでは、図10(a)に示すように、関係演算子によってチェック式を区切ることにより、グループ1〜3に分けたテーブルをメモリに仮記憶する。
【0073】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、各グループから項目の抽出処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部21の四則演算確認手段213は、メモリに仮記憶されたテーブルから項目を抽出する。ここでは、図10(b)に示すように、各グループにおいて下線を付した「A10」、「B20」、「C30」が抽出される。
【0074】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、各項目について値保持配列のアドレスの取得処理を実行する(ステップS3−3)。具体的には、制御部21の四則演算確認手段213は、項目名変換ファイル記憶部26に記録された項目名変換ファイル260を用いて、グループ毎に各チェック式に含まれる項目の項目コードに関連付けられた調査票コード及びアドレスを取得する。本実施形態では、図10(c)に示すように、項目名変換ファイル260には、項目コード「A10」については、調査票コード「1」のアドレス「10」に記録されている。更に、項目コード「B20」については調査票コード「2」のアドレス「20」、項目コード「C30」については調査票コード「3」のアドレス「30」に記録されている。
【0075】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、値保持配列からデータ値の取得処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、制御部21の四則演算確認手段213は、調査票コードにより指定された調査票ファイルにアクセスする。そして、四則演算確認手段213は、この調査票に含まれる値保持配列から、項目名変換ファイルにおいて指定されたアドレスに記録された値を取得する。本実施形態においては、図11(a)に示すように、項目コード「A10」については項目値「17」を取得する。同様にして、項目コード「B20」については項目値「125」、項目コード「C30」については項目値「750」を取得する。
【0076】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、チェック式毎の計算処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、制御部21の四則演算確認手段213は、値保持配列から取得した項目値を各グループの演算式に代入する。そして、四則演算確認手段213は、グループ毎に指定された演算式の値を算出する。本実施形態では、図11(b)に示すように、グループ(1、3)内には演算式が含まれておらず、計算は行なわれない。一方、グループ2には、項目コード「B20」及び「C30」を用いた演算が記録されている。ここでは、二つの項目コードの項目値を加算することにより、「875」を算出する。
【0077】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、チェック条件のチェック式においてエラーが生じたかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−6)。具体的には、制御部21の四則演算確認手段213は、グループ毎に算出された値が、グループ間を結合
する関係演算子を満たしているかどうかについて判定する。本実施形態では、グループ1及びグループ2の関係演算子、グループ2及びグループ3の関係演算子の成立について判定を行なう。
【0078】
関係演算子が成立せず、チェック条件のチェック式においてエラーが生じた場合(ステップS3−6において「YES」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、エラーカウント処理を実行する(ステップS3−7)。具体的には、制御部21の四則演算確認手段213は、エラーが生じたチェック式のチェック式コードが記録された演算検査結果レコード231の判定結果データ領域にエラーフラグを記録する。
【0079】
次に、四則演算確認手段213は、このチェック式に含まれるすべての項目コードが記録された項目別評価レコード232のエラーカウントデータ領域に記録された値に「1」を加算する。
【0080】
更に、四則演算確認手段213は、修正履歴データ記憶部24の修正履歴レコード240に、エラーカウント総数を記録する。
一方、関係演算子が成立し、チェック条件のチェック式においてエラーが生じなかった場合(ステップS3−6において「NO」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、エラーカウント処理をスキップする。
【0081】
(増減率チェック処理)
次に、図8を用いて、増減率チェック処理を説明する。
調査票検査装置20の制御部21は、過去の調査票に記録された項目値の取得処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、制御部21の増減率確認手段214は、調査票データ記憶部22から、検査対象の調査票コードが記録された調査票ファイル220であって、検査対象年月の調査年月に対して前回の調査年月が記録されたファイルを抽出する。そして、増減率確認手段214は、過去の調査票ファイル220から、検査対象の調査票に含まれる項目についての項目値を取得する。この場合にも、項目名変換ファイル260を用いてアドレスを特定し、値保持配列から各項目の項目値を取得する。
【0082】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、増減率の算出処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、制御部21の増減率確認手段214は、検査対象の調査票に含まれる項目毎に、過去の調査票の値保持配列に記録された項目値に対して、検査対象の調査票の値保持配列に記録された項目値の増減率を算出する。
【0083】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、項目の増減率許容範囲の取得処理を実行する(ステップS4−3)。具体的には、制御部21の増減率確認手段214は、チェック条件データ記憶部25から、検査対象の調査票に含まれる各項目についての増減率許容範囲を取得する。
【0084】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、増減率が許容範囲内かどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、制御部21の増減率確認手段214は、検査対象の調査票を用いて算出した増減率と、増減率許容範囲とを比較する。
【0085】
算出した増減率が増減率許容範囲を超えている場合(ステップS4−4において「NO」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、調査票の項目に対して増減率エラーフラグの記録処理を実行する(ステップS4−5)。具体的には、制御部21の増減率確認手段214は、検査結果データ記憶部23において、項目別評価レコード232の増減率エラーデータ領域にエラーフラグを記録する。
更に、増減率確認手段214は、修正履歴データ記憶部24の修正履歴レコード240
に、増減率エラー総数を記録する。
【0086】
(調査票表示処理)
次に、図9を用いて、調査票表示処理を説明する。
【0087】
ここでは、調査票検査装置20の制御部21は、調査票一覧フレームの出力処理を実行する(ステップS5−1)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、出力フレームデータ記憶部27から調査票一覧フレームを取得する。そして、表示管理手段215は、取得した調査票一覧フレームの調査票コードに対して、検査対象年月の調査票ファイル220の有無を示す記号を設定する。更に、表示管理手段215は、検査結果データ記憶部23から演算検査結果レコード231及び項目別評価レコード232を取得し、調査票一覧フレームにおいてエラーが含まれる調査票コードについて、エラーがあることを示す記号を設定する。そして、表示管理手段215は、生成した調査票一覧フレームを出力部12に表示する。調査票一覧フレームに表示された調査票コードには、各調査票を特定するための選択ボタンが設けられている。
【0088】
調査票を出力するための選択ボタンが選択された場合、調査票検査装置20の制御部21は、調査票項目フレームのセット処理を実行する(ステップS5−2)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、選択ボタンにより特定された調査票の調査票コードを取得し、調査票データ記憶部22から、この調査票コード及び調査対象年月が設定された調査票ファイル220を取得する。更に、表示管理手段215は、出力フレームデータ記憶部27から調査票項目フレームを取得する。そして、表示管理手段215は、調査票ファイル220に含まれる項目コードを、調査票項目フレームの各エリアに割り付ける。次に、表示管理手段215は、項目名変換ファイル260から各項目のアドレスを取得し、値保持配列から各項目値を抽出する。そして、表示管理手段215は、取得した項目値を調査票項目フレームの各項目コードに対応する項目値フレームの各エリアにセットする。
【0089】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、この調査票においてエラーがあるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−3)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、特定された調査票コードが記録された項目別評価レコード232を用いてエラーの有無を確認する。
【0090】
この調査票においてエラーがない場合(ステップS5−3において「NO」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、調査票の表示処理を実行する(ステップS5−4)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、報告書表示エリアを含む表示画面を生成し、出力部12に表示する。この報告書表示エリアには、調査票項目フレームに対応させた項目値フレームを設定する。
【0091】
一方、この調査票においてエラーがある場合(ステップS5−3において「YES」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、エラーカウントフレームのセット処理を実行する(ステップS5−5)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、出力フレームデータ記憶部27から、エラーカウントフレームを取得する。更に、表示管理手段215は、検査結果データ記憶部23から、項目コード毎にエラーカウントを取得する。そして、表示管理手段215は、エラーカウントフレームにおいて、調査票項目フレームの各項目コードに対応するエリアにエラーカウントをセットする。
【0092】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、エラーカウントに応じて表示色の決定処理を実行する(ステップS5−6)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、エラーカウントフレームの各エリアにおいて、エラーカウントが大きい順番に、配色テーブ
ルにおいて定められた表示色の割当を行なう。
【0093】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、増減率エラーフレームのセット処理を実行する(ステップS5−7)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、出力フレームデータ記憶部27から、増減率エラーフレームを取得する。更に、表示管理手段215は、検査結果データ記憶部23を用いて、項目コード毎に増減率エラーフラグの記録の有無を確認する。次に、表示管理手段215は、増減率エラーフレームにおいて、調査票項目フレームの各項目コードに対応するエリアに増減率エラーの有無をセットする。そして、表示管理手段215は、増減率エラーがあるエリアと増減率エラーがないエリアとに対して異なる表示色の割当を行なう。
【0094】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、調査票の表示処理を実行する(ステップS5−8)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、報告書表示エリアに調査票項目フレームに対応させた項目値フレームを設定した表示画面を生成する。更に、表示管理手段215は、この表示画面にエラーリスト表示エリアを含める。このエラーリスト表示エリアには、エラーカウント表示と増減率エラー表示とを切り替えるための選択アイコンを含める。
【0095】
ここで、エラーカウント表示アイコンが選択された場合、調査票検査装置20の制御部21は、四則演算チェック処理結果の表示処理を実行する(ステップS5−9)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、表示画面に含まれる調査票項目フレームの各エリアの背景色として、エラーカウントフレームの各エリアの表示色を設定する。更に、エラーカウントフレームにおいてエラーが記録されたエリアが選択された場合、表示管理手段215は、調査票項目フレームから、このエリアの項目コードを取得する。そして、表示管理手段215は、この項目コードが含まれるチェック式をチェック条件データ記憶部25から取得する。更に、表示管理手段215は、この項目コードについてのエラーカウントを検査結果データ記憶部23から取得する。次に、表示管理手段215は、エラーリスト表示エリアに、エラーが記録された項目コード、この項目コードに対して演算検査結果レコード231に記録されたチェック式、項目別評価レコード232に記録されたエラーカウントを表示する。
【0096】
一方、増減率エラー表示アイコンが選択された場合、調査票検査装置20の制御部21は、増減率チェック処理結果の表示処理を実行する(ステップS5−10)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、表示画面に含まれる調査票項目フレームの各エリアの背景色として、増減率エラーフレームの各エリアの表示色を設定する。更に、増減率エラーフレームにおいてエラーが記録されたエリアが選択された場合、表示管理手段215は、調査票項目フレームから、このエリアの項目コードを取得する。そして、表示管理手段215は、この項目コードについての増減率許容範囲をチェック条件データ記憶部25から取得する。次に、表示管理手段215は、エラーリスト表示エリアに、エラーが記録された項目コード、この項目コードについての増減率と増減率許容範囲を表示する。
【0097】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、修正前後のエラー比較表示処理を実行する(ステップS5−11)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、修正履歴データ記憶部24に修正履歴レコード240が記録されているかどうかを確認する。修正履歴レコード240が記録されている場合には、修正履歴レコード240に記録された先行バージョンコードを取得する。そして、表示管理手段215は、修正履歴データ記憶部24から、先行バージョンコードが記録された調査票のエラーカウント及び増減率エラー数を取得する。そして、表示管理手段215は、修正前後のエラー状況(エラーカウント及び増減率エラー数)を表示したエラー比較画面を出力部12に表示する。なお、修正履歴レコード240が記録されていない場合には、エラー比較表示処理(ステップS5−11
)は行なわない。
【0098】
次に、調査票検査装置20の制御部21は、表示変更の希望の有無についての判定処理を実行する(ステップS5−12)。具体的には、他の調査票の検査を希望する場合には、調査票一覧フレームにおいて、所望の調査票の選択ボタンを選択する。調査票の選択ボタンが選択されることにより、表示変更の希望があると判定された場合(ステップS5−12において「YES」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、調査票一覧フレームにおいて選択された調査票について、ステップS5−2以降の処理を繰り返す。一方、表示変更が希望されなかった場合(ステップS5−12において「NO」の場合)、調査票検査装置20の制御部21は、調査票表示処理を終了する。
【0099】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1) 上記実施形態では、調査票検査装置20の制御部21は、四則演算チェック処理を実行する(ステップS2−1)。これにより、調査票において設定された各項目の項目値についての不整合(例えば、計算間違いや、同じ項目についての齟齬)を特定することができる。
【0100】
更に、四則演算チェック処理において、調査票検査装置20の制御部21は、エラーカウント処理を実行する(ステップS3−7)。チェック条件において、一つのチェック式に複数の項目コードが関わっている場合、どの項目の項目値が間違っているかを判定することは困難である。そこで、調査票に含まれる各項目が複数のチェック条件に関わっている場合、項目コード毎に算出されたエラーカウントにより、間違っている可能性が高い項目を特定することができる。
【0101】
(2) 上記実施形態では、調査票検査装置20の制御部21は、増減率チェック処理を実行する(ステップS2−2)。これにより、過去の調査票の項目値を利用して、検査対象の調査票に含まれる異常値を特定することができる。そして、この異常値により間違いがある可能性がある項目を特定することができる。
【0102】
(3) 上記実施形態では、調査票検査装置20の制御部21は、エラーカウントフレームのセット処理を実行する(ステップS5−5)。そして、調査票検査装置20の制御部21は、エラーカウントに応じて表示色の決定処理を実行する(ステップS5−6)。エラーカウント表示アイコンが選択された場合、調査票検査装置20の制御部21は、四則演算チェック処理結果の表示処理を実行する(ステップS5−9)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、表示画面に含まれる調査票項目フレームの各エリアの背景色として、エラーカウントフレームの各エリアの表示色を設定する。これにより、エラーカウントの分布を把握し、エラーが多く発生している項目を効率的に特定することができる。そして、この項目の項目値を優先的に変更することにより、効率的に調査票を修正することができる。
【0103】
一方、増減率エラー表示アイコンが選択された場合、調査票検査装置20の制御部21は、増減率チェック処理結果の表示処理を実行する(ステップS5−10)。具体的には、制御部21の表示管理手段215は、表示画面に含まれる調査票項目フレームの各エリアの背景色として、増減率エラーフレームの各エリアの表示色を設定する。これにより、増減率エラーの分布を把握し、異常値が設定されている項目を効率的に特定し、修正することができる。
【0104】
(4) 上記実施形態では、修正履歴データ記憶部24は、チェック結果に基づいて修正が行なわれた調査票についての修正履歴レコード240を記憶する。この修正履歴レコード240は、バージョンコード、先行バージョンコード、修正内容、エラーカウント総
数、増減率エラー総数に関するデータを含んで構成される。そして、調査票検査装置20の制御部21は、修正前後のエラー比較表示処理を実行する(ステップS5−11)。これにより、エラーが少ない修正を特定することができる。また、修正により返ってエラーが多くなった場合には、先行バージョンコードにおける修正内容を用いて、調査票を元の状態に戻して、改めて修正を行なうことができる。
【0105】
なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
・ 上記実施形態では、調査票検査装置20の制御部21は、エラーカウントに応じて表示色の決定処理を実行する(ステップS5−6)。エラー状態の表示方法はこれに限定されるものではない。例えば、エラーの発生割合に基づいて、優先的に修正する項目を特定できるようにしてもよい。具体的には、図12(a)に示すように、複数のチェック式を用いる。ここでは、チェック式(A,D,E)は不成立となり、チェック式(B,C)は成立している場合を想定する。各チェック式は、項目コード(1)〜(7)を変数としている。
【0106】
そこで、調査票検査装置20の制御部21は、各項目について、チェック式が成立している数と不成立の数とを計数する。本実施形態では、各項目の成立数及び不成立数は、図12(b)に示すようになる。そして、調査票検査装置20の制御部21は、成立数を合計数により除算することにより、成立割合を算出する。そして、調査票検査装置20の制御部21は、この成立割合が低い項目から順番に修正候補の順位を決定する。この成立割合により、間違っている可能性が高い項目の項目値を特定し、この項目を優先的に修正することができる。
【0107】
・ 上記実施形態では、調査票検査装置20の制御部21は、エラーカウントに応じて表示色の決定処理を実行する(ステップS5−6)。これに代えて、調査票検査装置20の制御部21が、シミュレーションにより修正値を算出するようにしてもよい。この場合、間違っている可能性が高い項目を特定し、この項目の項目値について、所定の値を順次、加算又は減算する。そして、エラーカウント総数や増減率エラー総数が最も少なくなる項目値を検索する。これにより、効率的に修正内容を特定することができる。
【0108】
・ 上記実施形態では、調査票検査装置20の制御部21は、四則演算チェック処理結果の表示処理(ステップS5−9)、増減率チェック処理結果の表示処理(ステップS5−10)を実行する。各チェック処理結果の表示方法はこれに限定されるものではなく、両者を同一画面上に表示するようにしてもよい。
【0109】
・ 上記実施形態では、調査票検査装置20は、調査票データ記憶部22、検査結果データ記憶部23、修正履歴データ記憶部24、チェック条件データ記憶部25、項目名変換ファイル記憶部26、出力フレームデータ記憶部27を備える。ハードウェア構成は、これに限定されるものではなく、すべてのデータ記憶部を調査票検査装置20内に設ける必要はない。例えば、ネットワークを介して、他のシステムから調査票検査処理に必要なデータを取得するようにしてもよい。
【0110】
・ 上記実施形態では、修正履歴データ記憶部24は、チェック結果に基づいて修正が行なわれた調査票についての修正履歴レコード240を記憶する。この修正履歴レコード240の修正内容データ領域には、修正された調査票の内容に関するデータが記録されている。これに代えて、修正が行なわれた場合には、バージョンコード毎に、修正された値保持配列を記録するようにしてもよい。この場合には、先行バージョンコードを用いることなく、このバージョンにおけるすべての項目値を取得することができる。
【0111】
・ 上記実施形態では、修正履歴データ記憶部24に、エラーカウント総数や増減率エ
ラー総数を記録する。これに代えて、各調査票を表示する場合には、毎回、調査票検査処理を実行して、エラー総数を算出するようにしてもよい。
【0112】
・ 上記実施形態では、チェック条件データ記憶部25は、調査票に含まれる各項目をチェックする場合に用いる条件についてのチェック条件データ250を記憶する。チェック条件データ250の中で、増減率チェック条件レコード252は、項目コード、増減率許容範囲に関するデータを含んで構成される。この増減率許容範囲データ領域には、各項目の項目値において許容される増減率の範囲に関するデータが記録される。ここで、増減率許容範囲を、調査票履歴情報記憶手段に記録されている過去の項目値に基づいて算出するようにしてもよい。具体的には、増減率チェック処理を実行する場合、増減率確認手段214は、検査対象の項目毎に、予め定められた基準期間の項目値を調査票履歴情報記憶手段から取得する。そして、増減率確認手段214は、この項目値について回帰分析を行ない、変化傾向及び変動範囲を算出する。次に、増減率確認手段214は、この変化傾向及び変動範囲を用いて、今回の項目値の予測範囲を算出する。そして、増減率確認手段214は、この予測範囲を増減率許容範囲として用いて増減率チェック処理を行なう。これにより、実績値から予測される項目値の範囲から逸脱した項目を検知することができる。
【符号の説明】
【0113】
11…入力部、12…出力部、20…調査票検査装置、21…制御部、211…データ読込手段、212…検査管理手段、213…四則演算確認手段、214…増減率確認手段、215…表示管理手段、216…調査票修正手段、22…調査票データ記憶部、23…検査結果データ記憶部、24…修正履歴データ記憶部、25…チェック条件データ記憶部、26…項目名変換ファイル記憶部、27…出力フレームデータ記憶部、30…データ読込装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の項目についての項目値が記録された調査票を格納した調査票記憶手段と、
前記項目についてのチェック条件を記録したチェック条件記憶手段と、
項目毎にチェック条件を用いての確認結果を記録する確認結果記憶手段と、
調査票に含まれる項目値を検査する制御手段を備えた調査票検査システムであって、
前記制御手段が、
検査対象の調査票を前記調査票記憶手段から取得する手段と、
前記チェック条件記憶手段から、前記調査票の各項目に適用するチェック条件を取得し、
前記チェック条件毎に、チェック条件の充足を判定する調査票検査処理を実行する手段と、
前記チェック条件を充足しない場合には、この項目に対してエラー情報を前記確認結果記憶手段に記録する手段と、
すべてのチェック条件についての判定を終了した場合に、項目毎に記録されたエラー情報についてのエラー数を算出し、前記調査票についてエラー数の分布を出力する手段と
を備えていることを特徴とする調査票検査システム。
【請求項2】
前記チェック条件記憶手段には、チェック条件として、調査票の各項目に記録された項目値を変数とする複数の条件式が格納されており、
前記制御手段が、
前記条件式毎に、各項目に記録された項目値を変数として代入し、前記条件式の充足を判定し、
前記条件式を充足しない場合には、前記確認結果記憶手段に、この条件式を構成する変数の項目に対してエラー情報を記録することを特徴とする請求項1に記載の調査票検査システム。
【請求項3】
前記チェック条件記憶手段には、チェック条件として、調査票の項目毎に増減率の許容範囲が格納されており、
過去の調査票を記録した調査票履歴情報記憶手段を更に備え、
前記制御手段が、
前記調査票履歴情報記憶手段に記録された調査票を用いて、各項目の増減率を算出し、
前記チェック条件記憶手段に記録された許容範囲と、検査対象の調査票に含まれる各項目の増減率とを比較し、
前記増減率が許容範囲を超えている場合には、前記確認結果記憶手段に、この項目に対してエラー情報を記録することを特徴とする請求項1又は2に記載の調査票検査システム。
【請求項4】
前記制御手段が、
各項目に記録された値の修正値を取得した場合、前記修正値を修正情報記憶手段に記録し、
前記修正値を用いて、前記調査票検査処理を実行し、
前記修正値に関連付けてエラー数の分布を記録し、
修正前後におけるエラー数の分布を比較できるように表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の調査票検査システム。
【請求項5】
前記調査票においてエラー数に応じて修正候補を出力することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の調査票検査システム。
【請求項6】
複数の項目についての項目値が記録された調査票を格納した調査票記憶手段と、
前記項目についてのチェック条件を記録したチェック条件記憶手段と、
項目毎にチェック条件を用いての確認結果を記録する確認結果記憶手段と、
調査票に含まれる項目値を検査する制御手段を備えた調査票検査システムを用いて、調査票を検査するための方法であって、
前記制御手段が、
検査対象の調査票を前記調査票記憶手段から取得する段階と、
前記チェック条件記憶手段から、前記調査票の各項目に適用するチェック条件を取得し、
前記チェック条件毎に、チェック条件の充足を判定する調査票検査処理を実行する段階と、
前記チェック条件を充足しない場合には、この項目に対してエラー情報を前記確認結果記憶手段に記録する段階と、
すべてのチェック条件についての判定を終了した場合に、項目毎に記録されたエラー情報についてのエラー数を算出し、前記調査票についてエラー数の分布を出力する段階と
を実行することを特徴とする調査票検査方法。
【請求項7】
複数の項目についての項目値が記録された調査票を格納した調査票記憶手段と、
前記項目についてのチェック条件を記録したチェック条件記憶手段と、
項目毎にチェック条件を用いての確認結果を記録する確認結果記憶手段と、
調査票に含まれる項目値を検査する制御手段を備えた調査票検査システムを用いて、調査票を検査するためのプログラムであって、
前記制御手段を、
検査対象の調査票を前記調査票記憶手段から取得する手段、
前記チェック条件記憶手段から、前記調査票の各項目に適用するチェック条件を取得し、
前記チェック条件毎に、チェック条件の充足を判定する調査票検査処理を実行する手段、
前記チェック条件を充足しない場合には、この項目に対してエラー情報を前記確認結果記憶手段に記録する手段、
すべてのチェック条件についての判定を終了した場合に、項目毎に記録されたエラー情報についてのエラー数を算出し、前記調査票についてエラー数の分布を出力する手段
として機能させることを特徴とする調査票検査プログラム。
【請求項1】
複数の項目についての項目値が記録された調査票を格納した調査票記憶手段と、
前記項目についてのチェック条件を記録したチェック条件記憶手段と、
項目毎にチェック条件を用いての確認結果を記録する確認結果記憶手段と、
調査票に含まれる項目値を検査する制御手段を備えた調査票検査システムであって、
前記制御手段が、
検査対象の調査票を前記調査票記憶手段から取得する手段と、
前記チェック条件記憶手段から、前記調査票の各項目に適用するチェック条件を取得し、
前記チェック条件毎に、チェック条件の充足を判定する調査票検査処理を実行する手段と、
前記チェック条件を充足しない場合には、この項目に対してエラー情報を前記確認結果記憶手段に記録する手段と、
すべてのチェック条件についての判定を終了した場合に、項目毎に記録されたエラー情報についてのエラー数を算出し、前記調査票についてエラー数の分布を出力する手段と
を備えていることを特徴とする調査票検査システム。
【請求項2】
前記チェック条件記憶手段には、チェック条件として、調査票の各項目に記録された項目値を変数とする複数の条件式が格納されており、
前記制御手段が、
前記条件式毎に、各項目に記録された項目値を変数として代入し、前記条件式の充足を判定し、
前記条件式を充足しない場合には、前記確認結果記憶手段に、この条件式を構成する変数の項目に対してエラー情報を記録することを特徴とする請求項1に記載の調査票検査システム。
【請求項3】
前記チェック条件記憶手段には、チェック条件として、調査票の項目毎に増減率の許容範囲が格納されており、
過去の調査票を記録した調査票履歴情報記憶手段を更に備え、
前記制御手段が、
前記調査票履歴情報記憶手段に記録された調査票を用いて、各項目の増減率を算出し、
前記チェック条件記憶手段に記録された許容範囲と、検査対象の調査票に含まれる各項目の増減率とを比較し、
前記増減率が許容範囲を超えている場合には、前記確認結果記憶手段に、この項目に対してエラー情報を記録することを特徴とする請求項1又は2に記載の調査票検査システム。
【請求項4】
前記制御手段が、
各項目に記録された値の修正値を取得した場合、前記修正値を修正情報記憶手段に記録し、
前記修正値を用いて、前記調査票検査処理を実行し、
前記修正値に関連付けてエラー数の分布を記録し、
修正前後におけるエラー数の分布を比較できるように表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の調査票検査システム。
【請求項5】
前記調査票においてエラー数に応じて修正候補を出力することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の調査票検査システム。
【請求項6】
複数の項目についての項目値が記録された調査票を格納した調査票記憶手段と、
前記項目についてのチェック条件を記録したチェック条件記憶手段と、
項目毎にチェック条件を用いての確認結果を記録する確認結果記憶手段と、
調査票に含まれる項目値を検査する制御手段を備えた調査票検査システムを用いて、調査票を検査するための方法であって、
前記制御手段が、
検査対象の調査票を前記調査票記憶手段から取得する段階と、
前記チェック条件記憶手段から、前記調査票の各項目に適用するチェック条件を取得し、
前記チェック条件毎に、チェック条件の充足を判定する調査票検査処理を実行する段階と、
前記チェック条件を充足しない場合には、この項目に対してエラー情報を前記確認結果記憶手段に記録する段階と、
すべてのチェック条件についての判定を終了した場合に、項目毎に記録されたエラー情報についてのエラー数を算出し、前記調査票についてエラー数の分布を出力する段階と
を実行することを特徴とする調査票検査方法。
【請求項7】
複数の項目についての項目値が記録された調査票を格納した調査票記憶手段と、
前記項目についてのチェック条件を記録したチェック条件記憶手段と、
項目毎にチェック条件を用いての確認結果を記録する確認結果記憶手段と、
調査票に含まれる項目値を検査する制御手段を備えた調査票検査システムを用いて、調査票を検査するためのプログラムであって、
前記制御手段を、
検査対象の調査票を前記調査票記憶手段から取得する手段、
前記チェック条件記憶手段から、前記調査票の各項目に適用するチェック条件を取得し、
前記チェック条件毎に、チェック条件の充足を判定する調査票検査処理を実行する手段、
前記チェック条件を充足しない場合には、この項目に対してエラー情報を前記確認結果記憶手段に記録する手段、
すべてのチェック条件についての判定を終了した場合に、項目毎に記録されたエラー情報についてのエラー数を算出し、前記調査票についてエラー数の分布を出力する手段
として機能させることを特徴とする調査票検査プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−81612(P2011−81612A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−233609(P2009−233609)
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)
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