説明

請求精算照合補正システム

【課題】勘定系システムにおいて、請求書に基づかない精算報告する場合に精算入力する情報が不足していても、自動的に不足した情報を補い請求精算照合における照合性を向上させることができる請求精算照合補正システムを提供する。
【解決手段】精算入力画面において精算報告データの入力を受け付ける手段と、前記入力された精算報告データにおいて不足する情報を検出し、自動設定データベースにおいて当該不足する情報を検索する手段と、前記入力された精算報告データと、前記自動設定データベースから取得した情報とに基づいて、精算データを生成する手段と、前記生成された精算データと請求書とを照合する手段と、当月請求データ及び請求データに基づいて、前記自動設定データベースを更新する手段とを備えたことを特徴とする請求精算照合補正システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、勘定系システムにおいて、請求書に記載された請求データと精算データとの照合を行う方式に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な勘定系システムでは、請求書を毎月作成し、その作成された請求書に基づいて顧客等から現金(精算データ)を徴収し、請求書のデータと現金(精算データ)とについて、請求金額及び精算金額が一致するかどうかの照合を行うことにより、会計上の残高の管理を行っている。以下、例として、保険会社で用いられている勘定系システムについて説明する。
【0003】
毎月、保険会社から代理店宛に請求書が発行される。代理店は、保険契約者から保険料を徴収する一方で、保険会社からの請求書に記載されている保険料(その月に精算すべき全ての保険料)を、金融機関を通じて保険会社に納める。しかしながら、請求対象の全契約者について保険料全額を徴収できる場合は少なく、契約者単位で精算・未精算の報告をする必要がある場合が多い。また、保険契約内容の変更に伴う追徴保険料や返還保険料は、即時に保険会社において精算する必要があるため、代理店は、毎月の請求書の発行を待たずして契約者単位で精算報告をする必要がしばしば生じる。
【0004】
図8は、損害保険会社における勘定系システムの内部構成の一例を示すブロック図である。この勘定系システムは、契約者からの保険申込書81や保険契約の変更に伴う異動原票82を契約データベース85に登録する契約登録部84、その契約データベース85から請求書815に記載する当月請求データ87を作成する請求作成部86、代理店からの精算報告により精算情報の入力や訂正を行う精算入力画面88、その精算入力画面88に入力された情報を処理し精算データ810を作成する精算作成部89、当月請求データ87及び前月の請求の基となった請求データ813と、精算データ810とを照合して、精算済データ812と照合不能である当月分の請求データ813とを生成する請求精算照合部811、請求データ813に基づき請求書815を作成する請求書作成部814を含んでいる。
【0005】
このような構成の損害保険システムに対して、契約者からの保険申込書81や保険契約の変更に伴う異動原票82が日々発生するため、契約登録部84によりこれらの情報を契約データベース85に随時登録するとともに、請求作成部86により当月請求データ87を随時作成することが必要となる。また、保険申込書81や保険契約の変更に伴う異動原票82が発生した際に、それに伴う保険料が徴収済みとなっている場合には、請求書815が発行される前に、精算入力画面88において徴収及び返還した保険料に関する情報の入力が行われて、精算作成部89により精算データ810が作成されることとなる。このように保険料等の精算入力は日々発生するが、本システムでは、請求精算照合部811により当月請求データ87と精算データ810とを照合する処理が月一度実施されて、照合不能な当月請求データ813が請求書に記載されることとなる。
【0006】
尚、上記した保険会社の勘定系システムについては、特許文献1などにも記載されている。
【特許文献1】特開2004−355313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、保険契約においては請求書が発行される前に契約者から保険料を徴収したり返還したりする場合が多く発生する。例えば、保険契約の新規申込みに伴う分割払いの初回保険料の徴収(口座振替を除く)や、保険の契約内容を変更した場合、例えば自動車保険で車両の入替えを行い保険料が変更となった場合の保険契約の変更前後の保険料の差額を徴収または返還した場合などがある。このような場合は、契約者の名前と徴収または返還した保険料の金額しか明確になっておらず精算報告のための精算入力画面に入力する情報が不足する。情報が不足したまま勘定系システムにおいて精算データを作成して、請求精算照合処理部により請求データとの照合を行った場合、精算済みとならず保険料を徴収または返還しているのにも関わらず請求書が作成されてしまい会計残高管理が複雑になってしまう。
【0008】
ここで、保険料等を徴収又は返還した時点の請求書の情報をリアルタイムで参照できれば、精算データと照合する請求データの内容を確認することが可能となり、精算入力する精算データの精度も向上するため、請求精算照合において上記のような問題が解消される。しかしながら、大量の請求データをリアルタイムで照会する仕組みを確立するためには、大規模なシステムを構築しなければならず、現実的な解決策とは考えられない。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、勘定系システムにおいて、請求書に基づかない精算報告をする場合に精算入力する情報が不足していても、自動的に不足した情報を補い請求精算照合における照合性を向上させることができる請求精算照合補正システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決すべく、本発明は、請求書に基づいて精算報告を行い請求書と精算報告データを照合する請求精算照合補正システムであって、精算入力画面において精算報告データの入力を受け付ける手段と、前記入力された精算報告データにおいて不足する情報を検出し、自動設定データベースにおいて当該不足する情報を検索する手段と、前記入力された精算報告データと、前記自動設定データベースから取得した情報とに基づいて、精算データを生成する手段と、前記生成された精算データと請求書とを照合する手段と、当月請求データ及び請求データに基づいて、前記自動設定データベースを更新する手段とを備えたことを特徴とする請求精算照合補正システムを提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
以上、説明したように、本発明の請求精算照合補正システムによれば、勘定系システムにおいて、請求書に基づかない精算報告する場合に精算入力する情報が不足していても、自動的に不足した情報を補うことができるので、請求精算照合部の照合率を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の請求精算照合補正システムを実施するための最良の形態を詳細に説明する。図1〜図7は、本発明の実施の形態を例示する図であり、これらの図において、同一の符号を付した部分は同一物を表わし、基本的な構成及び動作は同様であるものとする。
【0013】
請求精算照合補正システムの構成
図1は、本発明の一例実施形態に係る請求精算照合補正システムの内部構成を概略的に示すシステム構成図である。図1において、本実施形態の請求精算照合補正システム3は、保険契約申込書1や異動原票2の情報を契約データベース5に登録する契約登録部4と、契約データベース5に登録された情報から当月請求データ7を作成する請求作成部6とを含んでいる。また、精算入力画面8から精算情報を入力し精算データ10を作成する精算作成部9を含んでいる。本システム3では、これらの作成された当月請求データ7と前月の請求データ13と精算データ10とを請求精算照合部11により照合し、照合できたデータは精算済データ12が作成され、照合できなかったデータは請求データ13が作成される。この作成された請求データ13は毎月の当月請求データ7と前月分の請求データ13が、精算データ10と照合しなかった場合に作成されるため累積されている状態となっている。請求書作成部14により、請求データ13から請求書15が作成される。
【0014】
以上の構成要素は、一般的な損害保険システムにおけるものと同様である。本発明の請求精算照合補正システムは、さらに、自動設定情報作成部16により、当月請求データ7と請求データ13とから自動設定データベース17を作成し、この自動設定データベース17を精算作成部9から参照することにより、精算データ生成時に不足している情報を補う仕組みを有していることを特徴とするものである。自動設定データベース17は、自動設定情報作成部16により更新されて、日々発生する当月請求データ7を反映した最新の状態に保たれることになる。また、自動設定データベース17は、請求書15を作成したタイミング(月に一度)で再構築される。
【0015】
自動設定情報作成部16が処理する当月請求データ7と請求データ13は、図2に示すように、営業店201、代理店202、保険種目203、証券番号204、払込方法205、払込年度206、払込回目207、異動日208、請求年月209、保険料210、代理店手数料211、正味保険料212から構成され、これらの項目が請求書15に表示されることとなる。これらは、一般的な保険会社の請求データの主要な構成要素であり、営業店201、代理店202、保険種目203、証券番号204、払込年度206、払込回目207、異動日208、正味保険料212などが請求精算照合部11における当月請求データ7や請求データ13と精算データ10の照合に用いられる要素である。
【0016】
ここで、日々、発生する当月請求データ7は、請求データ13よりも新しい情報であるため、請求年月209については、最新のデータを用いて判別することが可能である。例えば、請求書15に表示した年月が「2005年10月」ならば、当月請求データ7は「2005年11月」となる。すなわち、情報が不足する精算データ10を補うための情報は、請求書15に表示されるのを待っている当月請求データ7を優先する。当月請求データ7で補うことが不可能な場合には請求データ13を次の候補として使用する。
【0017】
なお、精算データ10に不足する要素が生じるのは、請求書15に基づかない精算報告を精算入力画面8に対して入力する場合である。一般的に使用する領収証を例に説明すると、契約者の名前と金額のみが明確であり、保険種目203と証券番号204は契約者の名前から容易に特定できるが、その他の請求精算照合部11の照合に必要な営業店201、代理店202、払込年度206、払込回目207、異動日208が不明な場合などに該当する。本システムでは、当月請求データ7と請求データ13より主要な構成要素213を自動設定情報作成部16により自動設定DB17に格納し、その情報を精算作成部9で参照することにより、精算データ10に不足する情報を補う仕組みとなっている。
【0018】
図3は自動設定データベース17に格納される情報を示した図である。図3に示すように、図2の当月請求データ7や請求データ13を構成する情報を格納する。自動設定データベース17は証券番号31、異動日32、正味保険料34、請求年月35と自動設定要素36で構成され、証券番号、異動日、正味保険料、請求年月の昇順にデータが登録される。証券番号31と異動日32と正味保険料34で構成される自動設定検索キー33は、精算データ10の持つ証券番号、異動日、正味保険料の情報と一致するか比較するためのキー情報である。
【0019】
ここで、例えば精算入力画面8から、精算データ10を構成するデータの一部である証券番号と異動日と正味保険料を入力したとすると、それらの情報をキー情報として精算作成部9により自動設定データベース17の自動設定検索キー33と一致するデータを検索し、一致したデータから自動設定要素36を精算データ10に設定する。
【0020】
なお、自動設定検索キー33のうち証券番号31と正味保険料34は必須の検索キー情報でありこれらの情報は精算入力画面8から必ず入力する必要がある。異動日については精算データ10に自動設定する際の補助キーとして用いるため任意検索キーとして位置づける。これは、異動日が明確な場合は精算入力画面8に入力すれば精算作成部9において自動設定データベース17を検索する情報として使用するが、異動日が不明確な場合は精算入力画面8に入力せずに、変わりにその精算データが月払い(例えば分割払い)または年払いの通常の払込保険料なのか、保険契約の異動に伴う追徴・返還保険料(異動保険料とも呼ぶ)であるのか区別するための情報を入力する。その情報を元に自動設定データベース17に登録のある情報の中から、月払い(例えば分割払い)または年払いの通常の払込保険料の精算報告の場合は、異動日32のデータがnull値を対象として情報を検索し、保険契約の異動に伴う追徴・返還保険料(異動保険料とも呼ぶ)の場合は、異動日32のデータに日付の記録があるデータを対象として情報を検索する。このため異動日32は自動設定検索キーと使用され、精算データ10への自動設定要素としても使用される。
【0021】
また、自動設定データベース17のデータの登録順序について、請求年月の昇順に登録する理由であるが、自動設定検索キー33によりデータベースを検索した場合において複数情報が得られる場合がある。例えば月払い(例えば分割払い)または年払いの通常の払込保険料の精算報告の場合において、自動設定データベース17に払込回目1回目の情報と払込回目2回目の情報が存在したケースでは1回目から請求精算照合を行う必要があるためである。すなわち自動設定データベース17を検索して得られた情報のうち、最初に検索された情報を優先的に使用する必要があることによる。
【0022】
図4は、精算入力画面8の画面レイアウトの一例を示す図である。精算報告画面401は営業店402、代理店403、保険種目404、証券番号405、異動日406、年度回目407、保険料408、代理店手数料409、正味保険料410、異動区分411により構成されている。
【0023】
この精算入力画面8は、一般的に請求書に表示されている情報をそのまま入力する構造となっており、従来のシステムでは全て入力必須の情報であったが、本システムでは、証券番号405、保険料408、代理店手数料409、正味保険料410のみ必須入力としている。なお、異動区分411は精算報告する保険料が保険契約の異動に伴う追徴や返還保険料の場合に異動保険料を示す決められたコード値を入力する。必須項目以外は報告する情報が不足している場合や不明な場合はデータ属性に合わせた初期値(例えばブランクのままや、数値の場合はゼロ)を入力する。
【0024】
精算報告画面401により精算報告を行うと精算作成部9の入力情報として処理され、各データ項目のチェックが行われる。入力必須である証券番号405や保険料408、代理店手数料409、正味保険料410は所定の入力桁数のチェックや入力された金額の範囲チェック等が行われるが、任意入力の情報は入力の有無を判定し、一つでも入力がない場合は自動設定データベース17を検索して必要な情報を取得し精算データ10に設定する。なお、自動設定データベース17を検索しても一致する情報が検索できず情報が取得できない場合は、自動設定不能と判定し精算報告画面401に自動設定できない旨のエラーメッセージを出力して任意入力部分の入力を促す。また、自動設定データベース17を検索した結果、一致する情報が見つかった場合でも取得した情報により精算報告画面401に一旦表示させて入力者にチェックさせ訂正させることも可能であることはもちろんである。
【0025】
図5は、本発明の他の実施形態に係る請求精算照合補正システムの構成を示す図である。図5において、請求精算照合補正システム502は、精算報告に伴う精算情報を入力する精算入力画面501、この精算入力画面501の精算情報を入力し処理する精算作成処理部503、画面の精算報告情報に対してチェックを行う精算入力画面表示処理部504、精算報告情報のチェック後に自動設定情報データベース510を検索して自動設定情報を取得する自動設定データベース検索部505、精算報告情報と自動設定情報を基に請求精算照合部11が処理できる精算データ509を作成する精算データ作成処理部506、自動設定データベース510を作成する自動設定情報作成処理部507、データベースの登録を処理するデータベース更新部508、その自動設定情報を作成する基となる当月請求データ511と請求データ512から構成されている。
【0026】
なお、精算入力画面表示処理部504は、精算入力画面501からの精算報告データのうち入力必須となる、証券番号405、保険料408、代理店手数料409、正味保険料410について入力されているかチェックを行い、その他の任意入力情報については入力があれば、その属性に合わせたチェックのみを行う。その後、任意入力情報の属性に合わせた初期値の場合は自動設定データベース検索部505により自動設定データベース510を検索して自動設定情報を取得する。精算データ作成処理部506は精算入力画面表示処理部504からの精算報告情報と自動設定データベース510からの自動設定情報を基に精算データ509を作成する。
【0027】
請求精算照合補正システムの動作
以下、以上のように構成された請求精算照合補正システムの動作について説明する。図6は、図5に示す自動設定情報作成処理部507による処理の流れを示すフローチャートである。
【0028】
図6において、自動設定情報作成処理は、まず、請求書を出力する時期であるか判定を行う(ステップ61)。請求書出力時期である場合は、図5に示す請求データ512により自動設定情報データベースを編集する(ステップ62)。次に自動設定データベース510を新たに再構築する(ステップ63)。これは、図1に示すように請求書15が出力されるタイミングは月に一度、請求精算照合部11により当月請求データ7と前月分の請求データ13と精算データ10を照合した結果、作成される請求データ13により自動設定データベース17を新たに作成する。すなわち、当月請求データ7は精算データ10と照合した結果、精算済データ12とならないで残る請求データ13を使用し、当月請求データ7により重複して自動設定データベース17を作成することを防止する。
【0029】
次に、請求出力時期でない場合は、図5に示す日々作成される当月請求データ511により自動設定情報データベースを編集する(ステップ64)。これは、請求書を出力した時点で請求書に記載されている情報は既に自動設定データベース510に登録済みであるため、次の月一度の請求精算照合が行われるまでの累積される当月請求データ511のみを自動設定データベース510に登録する。この日々発生する当月請求データ511を自動設定データベース510に追加登録する(ステップ65)。すなわち、自動設定データベース510は請求書出力時期に新たに作成され、請求書が出力されてから次の請求書が出力されるまでに発生する当月請求データ511を日々追加登録する。なお、本発明の一実施例では当月請求データ511の自動設定データベース510への追加登録するタイミングは毎日であるが、追加登録するタイミングが短ければ短い程、自動設定データベース検索処理部505で自動設定データベース510を検索し一致する情報を取得する確立が高くなることは言うまでもない。
【0030】
図7は、精算作成処理部503における処理の流れを示すフローチャートである。精算報告により精算入力画面501に精算情報を入力すると精算入力表示処理部504が画面の情報を取得し、画面入力情報のチェックが行われる。精算報告画面の入力情報により自動設定データベース検索部505が自動設定データベース510より自動設定すべき情報を取得し、その情報と予め精算入力画面501に入力された情報により精算データ作成処理部506が精算データ509を作成する。
【0031】
図7において、まず、精算入力画面501より精算報告データを取得し(ステップ701)、精算報告における必須となる情報である証券番号405、保険料408、代理店手数料409、正味保険料410が入力されているかチェックを行う(ステップ702)。必須となる情報が入力されていない場合は精算データ509を作成することができなくなるため精算入力画面501にエラーメッセージを表示させ再入力を促す(ステップ705)。精算報告に必須である情報の入力がある場合は、次に精算入力画面501の任意である情報が入力されているかチェックを行う(ステップ703)。全ての任意である情報が入力されている場合は、自動設定データベース検索処理部505の処理は不要で自動設定データベースからの自動設定情報の取得も不要であるため、精算データ作成処理部506により精算報告画面401の各情報から精算データ509の編集及び出力を行う(ステップ704)。
【0032】
精算報告において任意に入力すべき各情報の一つでも入力がない場合は、異動日406の入力があるか判定し(ステップ706)、入力がある場合は、自動設定検索処理部505により、証券番号405、異動日406、保険料408を検索キーとして自動設定データベース510を検索する(ステップ707)。ここで、代理店手数料409と正味保険料を410を検索キーとして用いない理由は、精算報告において保険料408のみ契約者から徴収し、その保険料の中から代理店に対する代理店手数料を支払っていない場合があり、その場合は自動設定データベース510と相違が発生し検索エラーとなる可能性があるからである。自動設定データベース510から情報が検索できたか判定を行い(ステップ708)、取得できた場合は精算データ509の編集及び出力を行う(ステップ709)。情報が取得できない場合は精算入力画面501にエラーメッセージを表示させ再入力を促す(ステップ710)。
【0033】
一方、異動日406の入力がない場合は異動区分411の入力があるか判定する(ステップ711)。これは契約者から徴収・返還した保険料408が保険契約の異動に伴う保険料の追徴・返還保険料の場合で、かつ、異動日406が不明の場合に、自動設定データベース510から取得する情報について異動日32の設定があるデータだけを対象として検索したいからである。異動区分411の入力がある場合は、自動設定検索処理部505により、証券番号405、保険料408で自動設定データベース510を検索し(ステップ712)情報を取得できたか判定する(ステップ713)。情報が取得できた場合は精算データ509の編集及び出力を行う(ステップ714)。このとき、異動日32を精算データ509に設定する。情報が取得できない場合は精算入力画面501にエラーメッセージを表示させ再入力を促す(ステップ715)。
【0034】
次に、異動区分411に入力がない場合は、動設定検索処理部505により、証券番号405、異動日406、保険料408を検索キーとして自動設定データベース510を検索する(ステップ716)。このとき異動日406はnull値(初期値)で検索する。これは一般的な分割払いの保険料の精算報告であるためである。自動設定データベース510から情報が検索できたか判定を行い(ステップ717)、取得できた場合は精算データ509の編集及び出力を行う(ステップ718)。情報が取得できない場合は精算入力画面501にエラーメッセージを表示させ再入力を促す(ステップ719)。
【0035】
ここで、上記の全ての自動設定データベース検索処理部505で自動設定データベース510を検索したとき、複数のデータが取得できる場合があり、そのときは最初に取得できた自動設定情報を用いる。これは、自動設定データベース510が精算報告の優先度の高い順序で登録されているからである。つまり、請求年月35の昇順にデータが並んでいるため、請求年月35の値が古い年月ほど精算報告を急ぐ必要があるからである。
【0036】
以上説明した本実施形態の請求精算照合補正システムによれば、次のような効果を得ることができる。
(1)請求書に記載のない保険料を精算報告する場合において、精算入力画面に最低限の情報である証券番号と保険料を入力するだけで、その他の精算報告に必要な情報は自動的に設定されて精算データが作成されることにより請求精算照合における請求情報との照合を精度良く行うことが可能となっている。
(2)日々の当月請求データを用いて精算データを補正するため、保険契約の内容を変更し保険料が変更となった場合でも、その情報を随時自動設定データベースに登録すため利用者は保険契約の変更の内容を知らなくとも精算報告が可能となっている。
(3)精算報告は最低限の情報の入力だけで済むようになるため利用者のヒューマンエラーに伴う精算誤入力が減り請求精算照合における照合エラーを極力排除できる。
(4)精算入力画面に最低限の情報である証券番号と保険料を入力するだけで、その他の精算報告に必要な情報は、請求年月の古いものから優先的に自動設定されることにより、利用者が意識することなく照合の優先度の高いものから行われる。つまり、過去の請求書に記載された請求情報に照合するべく精算データの自動設定を行うため会計上の残高管理の負担を軽減することができる。
(5)上記実施例においては全てホストシステム内の処理で完結しているが、クライアントサーバーシステムまたは、インターネットを用いたシステムにおいて、自動設定データベースをクライアント側に置き、同じ仕組みで精算データの自動設定を行うことも可能である。
【0037】
以上、本発明の請求精算照合補正システムについて、具体的な実施の形態を示して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上記各実施形態又は他の実施形態にかかる発明の構成及び機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の請求精算照合補正システムは、図1等に示すように、コンピュータのCPU、メモリ、補助記憶装置、ディスプレイ、入力デバイス等を含むハードウェア資源上に構築されたOS、アプリケーション、データベース、ネットワークシステム等によって実現されるものであり、勘定系システムにおける請求精算照合という情報処理が上記のハードウェア資源を用いて具体的に実現されるものであるから、自然法則を利用した技術的思想に該当するものであり、保険システムなどを構築するコンピュータ産業において利用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一例実施形態に係る請求精算照合補正システムの内部構成を概略的に示すシステム構成図である。
【図2】図1に示す自動設定情報作成部によって処理される当月請求データ及び請求データの内容を示す図である。
【図3】図1に示す自動設定データベースに格納されるデータの内容を示す図である。
【図4】図1に示す精算入力画面の画面レイアウトの一例を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る請求精算照合補正システムの構成を示す図である。
【図6】図5に示す自動設定情報作成処理部による処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図5に示す精算作成処理部における処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】損害保険会社における勘定系システムの内部構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0040】
3…請求精算照合補正システム、8…精算入力画面、10…精算データ、11…請求精算照合部、13…請求データ、17…自動設定データベース、503…精算作成処理部、83…請求精算照合システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
請求書に基づいて精算報告を行い請求書と精算報告データを照合する請求精算照合補正システムであって、
精算入力画面において精算報告データの入力を受け付ける手段と、
前記入力された精算報告データにおいて不足する情報を検出し、自動設定データベースにおいて当該不足する情報を検索する手段と、
前記入力された精算報告データと、前記自動設定データベースから取得した情報とに基づいて、精算データを生成する手段と、
前記生成された精算データと請求書とを照合する手段と、
当月請求データ及び請求データに基づいて、前記自動設定データベースを更新する手段とを備えたことを特徴とする請求精算照合補正システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−233727(P2007−233727A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−55111(P2006−55111)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)