説明

識別、確認又はトレーサビリテイコード化マーキングの製造、制御及び使用システム

本発明は、特殊な特性、特に磁気特性をもち、支持体上に配置又は支持体内に挿入される糸又は繊維を用いて予定の線、位置又は領域に従って、コード化マーキングの製造及び使用システムにある。コマンド(5)を受ける第1のデータベース(2)は、暗号化でコードを形成し、記憶し、伝送するのに用いられる。この第1のデータベース(2)は、製造した量又は長さに関して、少なくとも一つの糸又は繊維製造機械(7)を制御する。第1のデータベース(2)に接続された別のデータベース(3)は、各製造に関するデータを受け、また第1のデータベース(2)で伝送されたコードに従って糸又は繊維を支持体上に配置又は支持体内に挿入し、配置又は挿入した糸又は繊維の特に量を制御する少なくとも一つの機械(9)を制御し、さらに別のデータベース(3)は、コードを確認しかつアクティビィティレポートを戻すように設計される複数の読取装置(10)に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、コード化マーキングによる種々雑多な品物、製品又は物体の識別、確認又はトレーサビリティの分野に関する。特に、本発明は、磁気的にコード化したラベルとして設計され、適切な検出器を用いてのみ“読取る”ことができ、裸眼では見ることができずしかも触れても感知できない保護マーキングに関する。さらに、特に本発明は、特殊な磁気特性をもち、支持体上に配置又は支持体内に挿入される糸又は繊維を用いた識別、確認又はトレーサビリテイコード化マーキングを含み、本発明は特に、コード化マスキングの製造、制御及び使用を目的としている。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、予定のテンプレートに従って一定の間隔で分離された予定の平行位置に関連した支持体上又は支持体内に、超軟らかい強磁性特性をもつ一本以上の糸を有する磁性マーキングシステムが開示されており、これらの平行糸は、糸の有無の組合せによって適当な読取装置を用いて検出できる2進コードを形成するように上記各位置に有ったり無かったりしている。
【0003】
支持体は、この場合、超軟らかい強磁性特性をもつ複数の糸をそれらの予定の位置に固定する接着材のシートで形成でき、接着性の支持シートは、これらの糸を覆うシリコンで処理した紙型の保護シートでカバーされ得る。特許文献1にはまた、適切に構成した磁マーキングの方法及び機械が記載されている。
【0004】
また特許文献1に記載の発明で提供される変形例では、強磁性特性をもつ糸は成形又は形成材料内に埋め込まれ、或いはこれらの糸は織物支持体内に含まれるが、エンコーディングの原理は同じである。
【0005】
その他の同様なマーキングシステムは特殊な磁性特性をもつ領域を使用でき、これらはまたコードを形成する(特許文献2参照)。
【0006】
特に、特許文献2は、市場の品物又は製品に付けるマーキングに関し、これらのマーキングは、従来の“バーコード”の仕方で、上記品物又は製品を、それらの製造業者又は供給業者と共に識別するのに要求される。これらのコードを割り当てる及び製造する問題、すなわちコード化マーキングの製造の問題は、以下に示す要求事項が考慮されることになる場合には、決して単純ではない。
・コードの機密性及び保護
・システムマネージャー、マーキング構成要素の製造業者、“コンバーター(織物加工業者)”と呼ばれるマーキング自体の製作者、品物又は製品にマーキングを付ける最終利用者を含む当事者の多様性
・コードを定義し、割り当て、すなわち同じコードを二つ作らないように期限切れの品物又は製品のコードを削除するのに特別な要求事項
・マーキング生産プロセス、特に強磁性特性をもつ糸又は繊維の配置用機械が各適用コードに従って正しくそれらの支持体に糸を位置決めするようにそれら機械の制御の所望の自動化
【0007】
従って、供給及びそれを越えてすべての要求又はそり他のパラメーターを考慮して上記のコード化したマーキングの製造を制御する本質的な状態を包囲して顧客のオーダーからこの形式のエンコードしたマーキングに対して実際の“管理”要求が存在する。
【0008】
特許文献2は、複数のコードを製品(もしもの場合には確認をチェックされることになる文書)上で読取れるコードと比較できるようにそれらのコードを記憶する明白な要求を単に再び主張しているだけである。
【0009】
先行技術のその他の文献にも単に極めて部分的な解決法が開示されているか、或いはそれらの応用が極めて制限されている。
【0010】
特許文献3には、スキー窃盗防止識別方法について開示されており、人が要求された時にのみすなわち紛失又は盗難の場合に情報が入れられるデータベースを提供する。データベースの更新は自動ではない。
【0011】
特許文献4には、同一中央記憶装置にすべて接続される複数の読取装置によって、多数の地点で及び製造又は使用の種々の段階で“読取り”できる光学的にコード化した織物ラベルについて開示されている。これらの読取装置はそれら自体メモリーを備えてなく、従って情報を収容してなく、すべての処理は単一中央データベースにおいてなされる。さらに、特許文献4は、各オーダー(品物の数など)の特殊な特徴の認定による、コードの発生及び割当について開示していない。
【0012】
【特許文献1】フランス国特許出願第02,04607号、出願日2002年4月12日、出願公開第2838543号
【特許文献2】フランス国特許第2765014号
【特許文献3】フランス国特許第2778987号
【特許文献4】欧州特許EP0919650A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記の問題を解決するために、本発明の主目的は、特殊な特性、特に磁気特性をもち、支持体上に配置又は支持体内に挿入される糸又は繊維を用いて予定の線、位置又は領域に従って、識別、確認又はトレーサビリテイコード化マーキングの製造、制御及び使用の制御システムを提供することにあり、本システムは、
コマンドを受けることによってトリガーされる暗号化でコードを形成し、記憶し、伝送し、また特に製造した量又は長さに関して、上記糸又は繊維を製造する少なくとも一つの機械を制御する第1のデータベースと;
第1のデータベースに接続され、糸又は繊維を支持体上に配置又は支持体内に挿入し特に配置又は挿入した糸又は繊維を制御する少なくとも一つの機械を制御する専用データベースと;
を有する。
【0014】
従って、本発明は、コードの形成、各オーダーに関する糸又は繊維の製造、及び各オーダーに対応するコードに従う “ラベル”にこれらの糸又は繊維の結合を処理又は制御する完全なシステムを提供する。このシステムは、特に、製造品物の明確なバッチに関する各オーダーについて、対応したラベルを製作するのに正確に必要な糸又は繊維の量の生産及び供給を制御する。本システムはまた、これらレベルの生産、すなわち以下に特定するように糸又は繊維の配置又は挿入の“実時間”における直接制御を処理する。本発明の別の基本的特徴によれば、本システムは主として、マーキング糸又は繊維の空間的配置から結果として生じる2進コードを直接表さない暗号化した形態のコードを使用する。
【0015】
本システムの一つの実施形態によれば、マーキングのコードは第1のデータベースによってランダムに発生される。
【0016】
好ましくは、二つのデータベースは、保護リンクによって相互に接続される。
【0017】
コードは、第1のデータベースから専用データベースへ連続して又は周期的に伝送される。
【0018】
有利には、専用データベースは、利用者に関連した複数の読取装置に接続され、各読取装置は、対応した利用者に特定したコードのみを受け、そして上記専用データベースにアクティビィティレポートを戻すように設計されている。
【0019】
本発明の目的であるシステムはまた、製造した糸又は繊維に伴うように設計され、糸又は繊維の配置又は挿入機械に対して特に暗号化形態でのコードによって割り当てコーディングに対応した糸又は繊維の配置を画定する配置又は挿入順序形態を伝送するように設計される。この機械は、形成した2進コードに従って配置又は挿入を行うように、順序形態の暗号化したコードを復号する。
【0020】
以下、添付の概略図面を参照しての説明から本発明はより良く理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本システムは、特に、それぞれ2、3で示す二つのデータベースの組合せによって特徴付けられ、これら二つのデータベース2、3は保護リンク4によって相互に接続される。
【0022】
第1のデータベース2は、システムマネージャーによってのみアクセスでき、システムマネージャーは符号5で示す顧客からのオーダーを第1のデータベースに入れる。データベース2は、暗号化モジュール6に関連して、ランダムに発生したコードを形成し、記憶し、伝送するこのデータベースはまた、糸又は繊維の製造機械7に接続され、コード化したマーキング構成要素は、機械7で製造した糸又は繊維の量又は長さを制御する。
【0023】
データベース2は、保護リンク4を介して連続して又は周期的に例えば一日一回他のデータベース3にコードを伝送する。この他のデータベース3は、符号8で示す任意の顧客にアクセスできる。
【0024】
専用データベース3は、支持体内に又は支持体上に糸又は繊維を配置又は挿入する機械9、従って関連する形式のマーキングを製造する機械に接続される。特に、データベース3は、機械9によって配置又は挿入された糸又は繊維の量をモニタする。
【0025】
このデータベース3はまた、種々の利用者に関連した読取装置10に接続されている。各読取装置10は相応した利用者に特定のコードのみを受ける。
【0026】
実際に、システムの動作は次の次とおりである。
顧客は、一定の数の指示、すなわち顧客名、マーキングすべき製品又は品物の名称、製品又は品物(従って要求されたマーキング)の量、マーキングを構成する又は受ける“ラベル”自体のフォーマット、製品又は品物のバッチの識別、製造日などを含むオーダー5を送る。オーダー5が許されると、オーダー5はデータベース2に入れられ、確認される。
【0027】
データベース2は、“視覚的に”認められ得るように、マーキング糸の実際の配置に対応する2進コードである、オーダー5に割り当てたコードを自動的に形成する。この2進コードは、多少ランダムに発生され、すなわち、 完全に任意ではなく、ある一定のパラメーター、特に“ラベル”のフォーマットに関連する。当然、このコード発生プロセス中に、既に前に形成した又は割り当てたコードは除外される。
【0028】
暗号化モジュール6を用いて、データベース2は、前に形成した2進コードから、暗号化コードを形成し、この暗号化コードはデータベース2によって記憶され、伝送される。各2進コードは、相応した単一暗号化コードをもち、また逆に、符号化コードは、マーキングの糸の配置に“視覚的に”相応しないコードである。
【0029】
この段階において、正式に形成した2進コードがシステム内に留まっていることを確認することは重要であり、すなわち、この2進コードは表示されてはならず、いかなる者にも知られていない理論である。
【0030】
従ってこのオーダー5の特性に従う関連したオーダー5に割り当てられたコード及び相応したコード(多少の数の糸をもつ)を含むデータベース2は、必要な糸の長さ、又は関連したオーダーのマーキングのすべてを製作するのに必要な繊維の等価量を計算する。この計算した長さ又は量は糸のリールの全体数(各リールは前もって既知の予定の長さの糸に対応している)の形態で表すことができる。
【0031】
この情報から、データベース2は機械7で糸又は繊維の製造を開始し、こうして機械7は要求された長さ又は量を製造する。逆に、機械7は、要求され量において(特に多数のリールとして表される)、糸又は繊維が製造された事実においてデータベース2に報告する。
【0032】
同時に、データベース2は、保護リンク4を介して他のデータベース3に、糸又は繊維が目下製造されていることに従う情報、従って糸が全て製造され出荷される時別の情報を伝送する。
【0033】
これらの糸又は繊維はそれら自体、一度製造されると、“コンバーター(織物加工業者)”、すなわち支持体内に又は支持体上に糸又は繊維を配置又は挿入する機械9を備えた店舗又は作業場に送られる。正式に出荷された糸又は繊維は、システムで発行され、関連したオーダーに割り当てられたコードを形成するように糸又は繊維を配置又は挿入しなければならない処置の仕方を定義する配置又は挿入順序形態を構成する供給通知事項が添付される。この順序形態は、前もって形成した暗号化形態の相応したコードを含んでいる。
【0034】
この配置又は挿入機械9は、この順序形態に含まれたコード定義によって糸又は繊維の配置又は挿入を実施するために、供給通知事項における情報を“読取る”ことができるインターフェースを備えている。特に、このインターフェースは順序形態に含まれたコードを復号し、糸の処置の仕方に直接相応する2進コードを復元する。この機械9は例えば、テープ形態の接着性支持体上に多数の平行糸を同時に配置することによって連続して動作し、糸の横方向位置決めは、マーキングに適用したコードに対応させて行われる。そして結果としての連続したテープは幾つかの部分に切断され、結合した糸をもつ個々の“ラベル”が得られる。
【0035】
配置又は挿入機械9は、データベース3に、暗号化形態のコードの定義及び配置動作中に検出した全ての動作エラーを記載できるアクティビティレポートの形態の製造長さ又は量を戻す。データベース3が顧客8によって紹介され得る同じ程度に、顧客8は何時でも自分のオーダーの進行をチャックできる。
【0036】
一度製造されると、コード化“ラベル”はそれら自体、受取人に出荷され、受取人はそれらのラベルを関連した製品又は品物に配置又は固定する。
【0037】
専用データベース3を簡単に調べることにより、顧客8は、変更、例えば期限切れの製品に相応した特定のコードの“操作不可”を遠隔的に要求できる。
【0038】
さらに、一つ以上の顧客8と関連した読取装置10は、データベース3から暗号化形態で受けた各顧客に特定のコードが通知され、各読取装置10は番号で識別される。各読取装置10に含まれたコードは定期的に更新される。逆に、各読取装置10はデータベース3に、例えば一日一回、マーキングした製品又は品物のトレーサビリティを保証するアクティビティ報告を戻す。各読取装置10内部において、“読取”コードと記憶コードとの比較は暗号化形態において行われることが認められ、マーキングにおいて検出された2進コードはまず、第1のデータベース2で用いられたものと同一の暗号化モジュールを用いて、暗号化コードに変換される。
【0039】
システムの種々の要素間のリンクはインターネットネットワークによって行うことができ、二つのデータベース2、3の間の特定のリンク4は、この場合、保証インターネットリンクである。
【0040】
このようにして、糸又は繊維、すなわち製造した磁気マーキングの構成要素の使用は、全体としてシステムで制御され、特に、過剰の又は不正な使用を防止するために、コードに割り当てられた糸又は繊維の過剰な長さ又は量を避ける。
【0041】
本システムはまた、容易に適応できしかも拡張可能であり、各バッチ又はシリーズの製品又は品物に異なるコード、すなわち糸又は繊維の番号及び(又は)明確な位置決めに対応したコードを割り当てることができる。さらに、付加的なコードの割り当てをもくろんで、総体トレースアビリティについてバッチ又はシリーズ内の各製品又は品物を個々に識別できるようにすることができる。
【0042】
・ 糸又は繊維の性質、或いはそれらの特性の詳細;
・ 糸又は繊維製造機械の数及び特徴、並びに本システムで制御される糸又は繊維配置又は挿入機械の数及び特徴;
・ 本システムの要素間で交換される情報の詳細;
・ 本システムの要素間のリンクの性質
に関係なしに、特許請求の範囲に記載したように、本発明の精神から逸脱しない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の目的であるマーキングの製造、制御及び使用用のシステムをブロック線図形態で示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
特殊な特性、特に磁気特性をもち、支持体上に配置又は支持体内に挿入される糸又は繊維を用いて予定の線、位置又は領域に従って、識別、確認又はトレーサビリテイコード化マーキングの製造、制御及び使用システムにおいて、
コマンド(5)を受けることによってトリガーされる暗号化(6における)でコードを形成し、記憶し、伝送し、また特に製造した量又は長さに関して、上記糸又は繊維を製造する少なくとも一つの機械(7)を制御する第1のデータベース(2)と;
第1のデータベース(2)に接続され、糸又は繊維を支持体上に配置又は支持体内に挿入し特に配置又は挿入した糸又は繊維を制御する少なくとも一つの機械(9)を制御する専用データベース(3)を有する
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
コードが第1のデータベース(2)によってランダムに発生されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
二つのデータベース(2、3)が保護リンク(4)によって相互に接続されることを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
コードが、第1のデータベース(2)から専用データベース(3)へ連続して伝送されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
コードが、第1のデータベース(2)から専用データベース(3)へ周期的に伝送されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
専用データベース(3)が、利用者に関連した複数の読取装置(10)に接続され、各読取装置(10)が、対応した利用者に特定したコードのみを受け、そして上記専用データベース(3)にアクティビィティレポートを戻すように設計されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
製造した糸又は繊維に伴うように設計され、特に暗号化形態でのコードによって割り当てコーディングに対応した糸又は繊維の配置を画定する配置又は挿入順序形態を伝送することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のシステム。


【公表番号】特表2006−509309(P2006−509309A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564260(P2004−564260)
【出願日】平成15年10月20日(2003.10.20)
【国際出願番号】PCT/FR2003/003099
【国際公開番号】WO2004/061754
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(504380312)
【Fターム(参考)】