説明

譜面台

【目的】 ピアノの鍵盤と楽譜との距離を短くして楽譜を見やすくする譜面台を提供する。
【構成】 ピアノの黒鍵盤上に載置する譜面台10であって、長尺棒状の本体11の下面の幅方向には、ピアノの黒鍵盤に嵌合する凹欠部13を等間隔に凹設している。本体11の上面には長手方向に延設する係合溝15を備え、本体11をピアノの黒鍵盤に凹欠部13を嵌合させて載置し、係合溝15には譜面の下端を挿入して支持する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ピアノの鍵盤上に載置して使用する譜面台に関する。
【0002】
【従来の技術】
ピアノを練習する場合、楽譜はピアノの蓋裏面に取り付けられている譜面台上に載置して使用していた。しかし、体格の小さい年少者がピアノの鍵盤に両手を置いて、鍵盤面よりかなり高い位置にある譜面を見る場合、見上げる状態となり使用しずらいものであった。また、初心者にとっても楽譜と鍵盤との距離が遠いため、不便であった。
そこで、特にグランドピアノにおいては、鍵盤と譜面台との距離を近ずけるため譜面台そのものを簡単な道具を使って釣下げ、演奏者の目線との距離を調節する装置があった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
この従来の装置は構成が複雑で、大がかりなものとなってしまい、手軽に一般の家庭で取付使用できるものではなかった。
そこで、本考案はピアノの鍵盤上に置いて簡単に使用できる譜面台を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案のピアノに載置して使用する譜面台は、黒鍵盤を嵌合させる複数の凹欠部を凹設する底面と、譜面等の紙片を載置する上面を有する構成を基本的に具備する。さらに、上面に譜面等の紙片を挿入支持する溝を長手方向に延設する、あるいは本体の長手方向ほぼ中央部分を切断し、第1の譜面台と第2の譜面台を形成し、連結手段により、第1の譜面台と第2の譜面台を組立自在とする構成を具備する。また、本体を断面を三角形状とした屋根型とし、本体の底面に黒鍵盤を嵌合させる複数の凹欠部を凹設する構成を具備する。
【0005】
【作用】
ピアノの黒鍵盤上に譜面台の凹欠部を嵌合させて載置し、上面に譜面を支持する、あるいは溝に下端を挿入して譜面を支持する。
【0006】
【実施例】
本考案を図面に示す実施例により説明する。
実施例1 図1は譜面台10の斜視図、図2、図3は使用状態の説明図である。
譜面台10は断面をほぼ矩形とする長尺体の木材、プラスチック等の材料で形成される本体11よりなる。本体11の下面には板厚を幅方向に貫通して凹設する凹欠部13を等間隔に設けている。凹欠部13の幅寸法Lはピアノの黒鍵盤の幅寸法より僅かに大きい寸法とし、凹欠部13の高さ寸法Hは黒鍵盤の白鍵盤より突出している高さ寸法より僅かに高い寸法としている。
本体11の上面中央部分には長手方向に延びる係合溝15を凹設する。係合溝15の幅は楽譜等の版紙が挿入できる幅としている。
このように形成する譜面台10の使用法を説明する。
ピアノ50には白鍵盤53と黒鍵盤55を備えているが、譜面台10は黒鍵盤55の上に、凹欠部13を黒鍵盤55に嵌合させて載置する。そして、係合溝15に背面板20の下端を挿入して立てる。背面板20はプラスチック等の板体で構成され、係合溝15に下端を挿入すると、溝に支持されて立つ。
譜面25は背面板20と譜面台10の上面とで支持されてピアノ50の鍵盤上に載置される。
【0007】
このとき、ピアノ50の白鍵盤53の長さP1=7〜8cmとすると、譜面台10をピアノ50の奥面から約2〜3cmの位置に設置することにより、演奏者が鍵盤をタッチする動作に譜面台10および譜面25が干渉する危惧がない。
また、図2に示すように、譜面台10は本体11の長手方向中央部を切断して切断部17を形成し、第1の譜面台11aと第2の譜面台11bとに切り離し可能に形成する。そして、第1の譜面台11aと第2の譜面台11bとの端部に凹凸嵌合による嵌合、または、係止具等による連結手段を設けることにより組立自在の構成とする。この構成により、譜面台は収納、持ち運びが容易であって、かつ必要に応じての組立操作も簡単にでき、便利である。
以上、譜面25は背面板20に支持されて配設される例を述べたが、譜面が厚い紙板の場合には、背面板20を用意する必要がなく、譜面25の下端を直接係合溝15に挿入させて譜面25を譜面台10に配設する。
【0008】
実施例2 この実施例に示す譜面台は、主に2つ折り等に折り畳まれている譜面を用いる場合の譜面台を示す(図4参照)。
譜面台100は細幅の矩形状の底面110を有し、断面形状を三角形状とした屋根型をなしている。プラスチック材、ダンボ−ル等の厚紙で形成されており、底面110には幅方向に貫通する凹欠部130を等間隔に配設している。底面110の大きさはほぼ実施例1に示した譜面台10の下面の大きさと等しく形成する。
このように形成する譜面台100は、底面110の凹欠部130をピアノ50の黒鍵55に嵌合させて配置する。そして、例えば、2つ折りの譜面を使用する場合には折り畳み線を譜面台100の頂部120に合致させて譜面台100に譜面を載置し、折り畳み線を境界にして、振り分け状態とする。
この実施例における譜面台100は側面を三角形状とした安定型としているので、黒鍵盤55上に自立でき、また、演奏者が鍵盤をタッチする動作に譜面台100および譜面が干渉する危惧がない。
【0009】
以上の実施例においては、黒鍵盤55に嵌合する凹欠部を等間隔としているが、黒鍵盤55の配設間隔と同間隔として、3つの凹欠部と2つの凹欠部とを隔離して設けてもよい。
【0010】
【考案の効果】
本考案は以上のように、譜面台をピアノの鍵盤の上に載置することができるので、鍵盤と譜面が近距離となり、初心者にとってはピアノの演奏が容易となる。
また、黒鍵盤に嵌合させてピアノ上に載置するので、鍵盤の上下運動により譜面台が移動することがなく、また、鍵盤の奥側に載置することによって、演奏者の鍵盤へのタッチに譜面台が干渉する危惧がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】譜面台の全体斜視図。
【図2】譜面台の使用状態の斜視図。
【図3】ピアノの鍵盤上に譜面台を載置した状態斜視図。
【図4】譜面台の他の実施例の全体斜視図。
【符号の説明】
10、100 譜面台
11、110 本体
13、130 凹欠部
15 係合溝
25 譜面
50 ピアノ
53 白鍵盤
55 黒鍵盤
140 底面

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 黒鍵盤を嵌合させる複数の凹欠部を凹設する底面と、譜面等の紙片を載置する上面を有するピアノの鍵盤上に載置する台形状の譜面台。
【請求項2】 黒鍵盤を嵌合させる複数の凹欠部を幅方向に凹設する底面と、譜面等の紙片を挿入支持する溝を長手方向に延設した上面を有する台形状の譜面台。
【請求項3】 長手方向ほぼ中央部分を切断し、第1の譜面台と第2の譜面台を形成し、連結手段により、第1の譜面台と第2の譜面台を組立自在としてなる請求項1、または2記載の譜面台。
【請求項4】 断面を三角形状とした屋根型の本体と、本体の底面の幅方向に凹設する黒鍵盤を嵌合させる複数の凹欠部とを備え、本体の底面の凹欠部を黒鍵盤に嵌合させてピアノの鍵盤上に立設させ、譜面等の紙片を支持する譜面台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】第3011239号
【登録日】平成7年(1995)3月8日
【発行日】平成7年(1995)5月23日
【考案の名称】譜面台
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−14219
【出願日】平成6年(1994)11月17日
【出願人】(591039344)有限会社タイヨー・ムジーク・ジャパン (1)