説明

負荷系統の電気的諸量監視システムおよび電気的諸量監視システムに使用される電子式指示計器

【課題】負荷系統の電気的諸量監視システムおよびその電子式指示計器において、計測要素の選択を容易に木目細かく行えるようにする
【解決手段】電力使用者の監視装置からの電子式指示計器に対する電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルにおける所定のニーズグループの指定通知を通信部を介して受信した電子指示計器が、電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルにおける指定されたニーズグループを読み取り、ニーズグループ化データテーブルにおける指定されたニーズグループに対応する複数の計測要素の計測値データを前記計測部から読み出し、当該読み出した計測値データを通信部を介して電力使用者の前記監視装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力系統における負荷系統の電気的諸量監視システムおよび電気的諸量監視システムに使用される電子式指示計器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力系統における電流、電圧、電力、ほかの計測要素(電気的諸量)の計測値を計測データとして計測器から監視装置に送信し、監視装置で各種監視が行われる。(特許文献1を参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−214746号公報(図1及びその説明)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力系統における工場、ビル等の受電点より下流側の受配電系統、フィーダ系統、負荷系統には、相線方式に応じた各相電流・各相電圧、電力、無効電力、皮相電力、等の現在値、最大値、最小値、や力率、各相の基本波,第3次,第5次,・・・第13次高調波、等、300数十種類の計測される計測要素(電気的諸量)があり、工場、ビル、ほかの電力使用者は、電子式指示計器を使用して、工場、ビル等の受配電系統、フィーダ系統、負荷系統の負荷単位で、300数十種類の計測要素の中から自己の監視に必要な計測要素を選択して監視装置に読み込んで、所望の監視を行っているが、300数十種類の計測要素の中から必要な計測要素を選択する作業は煩雑である。従って、例えば効率的な電力使用を目的とした監視を行うために計測要素を選択した場合、例えば、近年要求されている夏季、冬季の省電力を目的とした監視に適した計測要素の再選択を容易に木目細かく行えるようにすることが、効果的な省電力の上で必要である。
【0005】
この発明は、前述のような実情に鑑みてなされたもので、負荷系統の電気的諸量監視システムおよびその電子式指示計器において、計測要素の選択を容易に木目細かく行えるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る負荷系統の電気的諸量監視システムは、電力系統における負荷系統の電気的諸量を電力使用者が監視装置で監視する監視システムにおいて、前記負荷系統の所定の負荷単位で設置され、当該単位負荷の電気的諸量である計測要素を計測し計測した計測値データを保存する計測部と、複数の監視ニーズに対応して複数のニーズグループにグループ分けし前記各ニーズグループと前記各ニーズグループに対応する複数の前記計測要素の種別とを対応付ける電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルと、電力使用者の監視装置との通信を行う通信部とを有し、所定の計測要素の計測値を表示する電子式指示計器を備え、前記電力使用者の前記監視装置からの前記電子式指示計器に対する前記電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルにおける所定のニーズグループの指定通知を前記通信部を介して受信した前記電子指示計器が、前記電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルにおける前記指定されたニーズグループを読み取り、前記ニーズグループ化データテーブルにおける前記指定されたニーズグループに対応する複数の前記計測要素の計測値データを前記計測部から読み出し、当該読み出した計測値データを前記通信部を介して前記電力使用者の前記監視装置に送信するものである。
【0007】
また、この発明に係る電子式指示計器は、電力系統における負荷系統の電気的諸量を電力使用者が監視装置で監視する監視システムに使用される電子式指示計器おいて、電気的諸量である計測要素を計測し計測した計測値データを保存する計測部と、複数の監視ニーズに対応して複数のニーズグループにグループ分けし前記各ニーズグループと前記各ニーズグループに対応する複数の前記計測要素の種別とを対応付ける電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルと、電力使用者の監視装置との通信を行う通信部とを有し、所定の計測要素の計測値を表示する表示部とを備えた電子式指示計器であって、前記電力使用者の前記監視装置からの前記電子式指示計器に対する前記電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルにおける所定のニーズグループの指定通知を前記通信部を介して受信し、前記監視対象計測要素グループ化テーブルにおける前記指定されたニーズグループを読み取り、この読み取ったニーズグループに対応する複数の前記計測要素の計測値データを前記計測部から読み出し、当該読み出した計測値データを前記通信部を介して前記電力使用者の前記監視装置に送信するものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明は、電力系統における負荷系統の電気的諸量を電力使用者が監視装置で監視する監視システムにおいて、前記負荷系統の所定の負荷単位で設置され、当該単位負荷の電気的諸量である計測要素を計測し計測した計測値データを保存する計測部と、複数の監視ニーズに対応して複数のニーズグループにグループ分けし前記各ニーズグループと前記各ニーズグループに対応する複数の前記計測要素の種別とを対応付ける電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルと、電力使用者の監視装置との通信を行う通信部とを有し、所定の計測要素の計測値を表示する電子式指示計器を備え、前記電力使用者の前記監視装置からの前記電子式指示計器に対する前記電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルにおける所定のニーズグループの指定通知を前記通信部を介して受信した前記電子指示計器が、前記電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルにおける前記指定されたニーズグループを読み取り、前記ニーズグループ化データテーブルにおける前記指定されたニーズグループに対応する複数の前記計測要素の計測値データを前記計測部から読み出し、当該読み出した計測値データを前記通信部を介して前記電力使用者の前記監視装置に送信するので、計測要素の選択を容易に木目細かく行える効果がある。
【0009】
また、この発明は、電力系統における負荷系統の電気的諸量を電力使用者が監視装置で監視する監視システムに使用される電子式指示計器おいて、電気的諸量である計測要素を計測し計測した計測値データを保存する計測部と、複数の監視ニーズに対応して複数のニーズグループにグループ分けし前記各ニーズグループと前記各ニーズグループに対応する複数の前記計測要素の種別とを対応付ける電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルと、電力使用者の監視装置との通信を行う通信部とを有し、所定の計測要素の計測値を表示する表示部とを備えた電子式指示計器であって、前記電力使用者の前記監視装置からの前記電子式指示計器に対する前記電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルにおける所定のニーズグループの指定通知を前記通信部を介して受信し、前記監視対象計測要素グループ化テーブルにおける前記指定されたニーズグループを読み取り、この読み取ったニーズグループに対応する複数の前記計測要素の計測値データを前記計測部から読み出し、当該読み出した計測値データを前記通信部を介して前記電力使用者の前記監視装置に送信するので、計測要素の選択を容易に木目細かく行える効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、三相3線式の負荷系統を有し監視装置と通信可能な電子式指示計器を設置した電力系統の一例を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す図で、三相4線式の負荷系統を有し監視装置と通信可能な電子式指示計器を設置した電力系統の一例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示す図で、電子式指示計器の内部構成の一例をブロック図で示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1を示す図で、図3における電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルの一例を示す図である。
【図5A】この発明の実施の形態1を示す図で、図3における電力使用者監視ニーズ非対応の計測要素同種グループ化テーブル(1/n)の一例を示す図である。
【図5B】この発明の実施の形態1を示す図で、図3における電力使用者監視ニーズ非対応の計測要素同種グループ化テーブル(m/n)の一例を示す図である。
【図5C】この発明の実施の形態1を示す図で、図3における電力使用者監視ニーズ非対応の計測要素同種グループ化テーブル(m’/n)の一例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1を示す図で、電力使用者監視装置と電子式指示計器との通信、計測データ送受の一例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1を示す図で、電子式指示計器の動作フローの一例をフローチャートで示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
工場、ビル、ほかの電力使用者の受電点より下流側の受配電系統、フィーダ系統、負荷系統には、相線方式に応じた各相電流・各相電圧、電力、無効電力、皮相電力、等の現在値、最大値、最小値、や力率、各相の基本波,第3次,第5次,・・・第13次高調波、等、300数十種類の計測される計測要素(電気的諸量)があり、工場、ビル、ほかの電力使用者は、電子式指示計器を使用して、工場、ビル等の受配電系統、フィーダ系統、負荷系統の負荷単位で、300数十種類の計測要素の中から自己の監視に必要な計測要素を選択して監視装置に読み込んで、所望の監視を行っており、当該監視を行うために、三相3線式の負荷系統を有し監視装置と通信可能な電子式指示計器を設置した電力系統を例示する図1のように、受配電系統の22kV/6.6kV受電トランスT1の1次側に変流器CT11及び
計器用変圧器VT11の各出力を入力する電子式指示計器M11が設置され、この電子式指示計
器M11によって例えば計測要素A1(R相電流),A2(S相電流),A3(T相電流),V12(RS
相線間電圧),V23(ST相線間電圧),V31(TR相線間電圧),W(電力),Wh(電力量)
,cosΦ(力率),var(無効電力),varh(無効電力量)が計測され、保存され、表示される。
【0012】
同様に、22kV/6.6kV受電トランスT1の2次側とフィーダ系統の6.6kV/200Vフィーダト
ランスT2の1次側との間に変流器CT12及び計器用変圧器VT12の各出力を入力する電子式
指示計器M12が設置され、この電子式指示計器M12によって、例えば計測要素A1(R相電流
),A2(S相電流),A3(T相電流),V12(RS相線間電圧),V23(ST相線間電圧),V31
(TR相線間電圧),W(電力),Wh(電力量)が計測され、保存され、表示される。
【0013】
同様に、6.6kV/200VフィーダトランスT2の2次側と負荷系統の間に変流器CT2及び計器用変圧器VT2の各出力を入力する電子式指示計器M2が設置され、この電子式指示計器M2に
よって、例えば計測要素A1(R相電流),A2(S相電流),A3(T相電流),V12(RS相線間電圧),V23(ST相線間電圧),V31(TR相線間電圧), Wh(電力量)が計測され、保存
され、表示される。
【0014】
同様に、負荷系統において、例えば空調(空気調和機)41、照明42、モータ(誘導性負荷)43、工作機器4nの各負荷に対して、計器用変圧器VT(図示省略)の出力及び対応する変流器CT31,CT32,CT33,CT3nの出力を入力する電子式指示計器M31,M32,M33,M3nが設
置され、電子式指示計器M31,32によって、例えば計測要素W(電力)が、電子式指示計器M33によって例えば計測要素DA1(R相電流デマンド),V12(RS相線間電圧),Wh(電力量)が、電子式指示計器M3nによって、計測要素A1(R相電流),V12(RS相線間電圧),Wh(電力量)が、それぞれ計測され、保存され、表示される。
【0015】
3相4線式の負荷系統を有し監視装置と通信可能な電子式指示計器を設置した電力系統を例示する図2において、図1と同じ点については説明を省略し、図1と異なる点を説明する。
【0016】
フィーダ系統の電子式指示計器M2によって、例えば計測要素A1(R相電流),A2(S相電流),A3(T相電流),V12(RS相線間電圧),V23(ST相線間電圧),V31(TR相線間電圧),V1N(R相相電圧),V2N(S相相電圧),V3N(T相相電圧),Wh(電力量)が計測され、保存され、表示される。
【0017】
負荷系統の電子式指示計器M33によって、例えば計測要素DA1(R相電流デマンド),V1N(R相相電圧),Wh(電力量)が、電子式指示計器M3nによって、計測要素A1(R相電流)
,V1N(R相相電圧),Wh(電力量)が、それぞれ計測され、保存され、表示される。
【0018】
電子式指示計器M11,M12,M2,M31,M32,M33,M3nは、何れも図3に例示の電子式指示計器Mの内部構成及び機能を有し、各々電力使用者の監視装置PUMと、通信、計測データの送受信を行う。
【0019】
ここで、電子式指示計器M(即ちM11,M12,M2,M31,M32,M33,M3n)は、図3に例示
のように、メモリM101Mを有する計測部M101、CPU・指示計器機能実行プログラムを有する制御部M102、電力使用者監視装置PUMとの交信を行う通信部M103、電気的諸量の各種計測
値の中から任意に選択された計測値をデジタル表示する周知の表示部M104、後述の電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルM105、及び後述の電力使用者監視ニーズ非対応の計測要素同種グループ化テーブルM106を内蔵している。
【0020】
電子式指示計器M(即ちM11,M12,M2,M31,M32,M33,M3n)では、変流器CTおよび計
器用変圧器VTの出力を計測部M101が入力し、入力した電流(計測要素)、電圧(計測要素)を計測部M101でA/D変換し、変換後のデジタル量に基づいてその他の各種の計測要素(電力、電力量、無効電力、デマンド(平均値)、最大値、最小値、力率、高調波、高調波含有率、ほか)を制御部M102が演算し、演算して得られた計測要素を含む全計測データが計測部M101内のメモリM101Mに保存され、この保存された計測データの中から電子式指示計器設置場所で必要とする任意に選択された計測要素の計測値が表示部M104で表示され、電力使用者(負荷運転状態監視者、負荷保守者、など)による使用電力状況監視用の電力使用者監視装置PUMからの計測データ要求通知に基づいて、電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルM105または電力使用者監視ニーズ非対応の計測要素同種グループ化テーブルM106を使って、計測部M101のメモリM101M内の計測データの中から要求通知のあったグループまたは計測要素に対応する計測データを通信部M103から電力使用者監視装置PUMへ送信し、電力使用者監視装置PUMでは送信された計測データを表示する。
【0021】
電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルM105の具体的な事例は、図4に例示してある。この図4において、相線方式が三相3線式である電力使用者監視ニーズ対応の第1監視対象計測要素グループP1に、例えば各種電力使用者によって省電力のための監視上最も一般的に共通に使用される計測要素である例えばA1(R相電流の
現在値)の識別記号0121、A2(S相電流の現在値)の識別記号0141、A3(T相電流の現在値)の識別記号0161、V12(RS間電圧の現在値)の識別記号0521、V23(ST相間電
圧の現在値)の識別記号0541、V31(TR相間電圧の現在値)の識別記号0561、W(総合電力の現在値)の識別記号0701、Wh(電力量(積算値))の識別記号8001が、電子
式指示計器の製造者・販売者によって予め書込みされている。
【0022】
電力使用者監視ニーズ対応の第2監視対象計測要素グループP2には、例えば相線方式が三相3線式である各種電力使用者によって負荷の効率的な運転のための監視上最も一般的に共通に使用される複数の計測要素の識別記号が図4に図示のように、同様に予め書込みされている。
【0023】
電力使用者監視ニーズ対応の第n監視対象計測要素グループPnには、例えば相線方式が3相3線式である各種電力使用者によって同様に監視上最も一般的に共通に使用される複数の計測要素の識別記号が図4に図示のように、同様に予め書込みされている。
【0024】
なお、電力使用者監視ニーズ対応の第1監視対象計測要素グループP1、電力使用者監視ニーズ対応の第2監視対象計測要素グループP2、・・・電力使用者監視ニーズ対応の第n監視対象計測要素グループPnにおいて、予備1〜予備8は、電子式指示計器の製造者・販売者及び電力使用者が必要に応じて追加書込みできるように未書込みとしてある空の領域である。また、予め書き込んである領域も識別記号の変更(即ち監視対象の計測要素の変更)もできる。なお、図示していないが、識別記号を全く書き込んでいない予備の監視対象計測要素グループの領域も設けて、電力使用者が必要に応じて任意に識別記号、ほかの記号を書き込んで利用できるようにすれば、更に至便となる。
【0025】
このように、図4に例示の電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルは、各種の電力使用者の監視ニーズに対応する複数の計測要素をグルーピングして当該複数の計測要素の識別記号を、電子式指示計器の製造者・販売者及び電力使用者が予め書込みして事前に準備したテーブルであり、また、電子式指示計器の製造者・販売者及び電力使用者が必要に応じて識別記号の追加書込みや変更ができるテーブルである。
【0026】
電力使用者監視ニーズ非対応の計測要素同種グループ化テーブルM106の具体的な事例は、図5A、図5Bに例示してある。これら図5A、図5Bは、一つのテーブルを一つの図面に表記できないために、2つの図5A、図5Bに分けて表記したものであり、これら図から分かるように、図5A、図5Bは、図4に例示の電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルとは異なって、同種の計測要素をグルーピングしてテーブル化したものであり、経験豊富な洗練された監視者や、特殊負荷を有する非一般的な独特な監視を必要とする電力使用者の場合は、通常の一般的な監視に対応した計測要素の識別記号を予め書き込んだ事前準備の監視対象計測要素グループを使用せずに、必要な計測要素を自らグルーピングして対応識別記号を書き込む場合もあることから、このような場合にも電子式指示計器を使用できるように設けられたテーブルである。
【0027】
これら図5A、図5B、図5Cに例示してあるように、この電力使用者監視ニーズ非対応の計測要素同種グループ化テーブルM106は、一つの計測要素の識別記号を二種類の識別記号「計測要素第1同種グループ識別記号」「計測要素第2同種グループ識別記号」で構成してあり、「計測要素第1同種グループ識別記号」は電流・電圧のような例えば電気的変動量の種別を識別する識別記号、「計測要素第2同種グループ識別記号」は相別のような例えば電気的固定量の種別識別する識別記号として予め登録してある。また、この電力使用者監視ニーズ非対応の計測要素同種グループ化テーブルM106には、図示のように、例えば計測要素名(例えば平均電流)、計測要素単位(例えばA(アンペア))、計測要素計測値第1種別(例えば現在値)、計測要素計測値第2種別(例えば高調波電圧の基本波、次数)が予め登録してある。
なお、この電力使用者監視ニーズ非対応の計測要素同種グループ化テーブルM106におけ
る二種類の識別記号からなる計測要素の識別記号は、監視対象計測要素グループ化テーブルM105における計測要素の識別記号と共通の識別記号(例えばR相電流の現在値の識別記
号は何れのテーブルにおいても共通の「0121」)としてある。従って、いずれのテーブルを使用しても同一の識別記号を使って同一の計測要素を選定できるので、これら2つのテーブルを設けても、300数十種類もの多数の計測要素の識別記号が更に倍増近くに大幅に増加するようなことは無くなる。
【0028】
次に、図6を使って、電力使用者監視装置PUMと電子式指示計器M(M11,M12,M2,M31
,M32,M33,M3n)との通信、計測データ送受の一例を説明する。
【0029】
電力使用者監視装置(PUM)の、例えば負荷系統の電子式指示計器(M31)対応領域の「出力情報書込領域」に(電力使用者監視ニーズグループ指定情報)を書き込むと(第1の動作)、対応する電子式指示計器(M31)がその「出力情報格納領域」に(電力使用者ニーズグループ指定情報)を書き込む(第2の動作)。
次いで、対応する電子式指示計器(M31)が「入力情報書込領域」に(応答情報)を書き
込むと(第3の動作)、電力使用者監視装置(PUM)の、電子式指示計器(M31)対応領域の
「入力情報格納領域」に(応答情報)を書き込む(第4の動作)。
【0030】
次いで、対応する電子式指示計器(M31)では、電力使用者監視装置(PUM)から指定通知の「電力使用者監視ニーズグループ情報」(例えばP1)に対応する各計測要素(例えばグループP1のグループ内計測要素の識別記号0121,0141,0161,052
1,0541,0561,0701,8001)の各計測値(計測データ)を、計測部M101
のメモリM101Mから読み出して入力データ格納領域に格納し(第5の動作)、この格納された計測データが、電子式指示計器(M31)から、電力使用者監視装置(PUM)に送信され、電力使用者監視装置(PUM)の入力データ格納領域に格納される(第6の動作)。
【0031】
電力使用者監視装置PUMと電子式指示計器M11,M12,M2,M32,M33,M3nとの通信、計測データ送受も、前述の電力使用者監視装置PUMと電子式指示計器Mとの通信、計測データ送受と同様に行われる。
【0032】
次いで、電子式指示計器M(M11,M12,M2,M31,M32,M33,M3n)の動作について、図
7によって詳述する。
【0033】
電子式指示計器M(M11,M12,M2,M31,M32,M33,M3n)は電力使用者監視装置PUMからの電力使用者監視ニーズ対応グループの指定通知を通信部M103を通して受信する(ステップST1)と、自己の電子式指示計器宛の指定通知であるかどうかを判定する(ステップST2)。
ステップST2での判定結果が、自己の電子式指示計器宛の指定通知である場合(YESの
場合)は、通信回線を接続(ON)とし(ステップST3)、電力使用者監視装置PUMへ応答
信号を送信する(ステップST4)。
【0034】
次に、電力使用者監視装置PUMから指定通知があった電力使用者監視ニーズ対応グルー
プの識別記号(例えばP1)を判別する(ステップST5)。
判別した(指定された)電力使用者監視ニーズ対応グループの識別記号(例えばP1)により、電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルM105から、指定された電力使用者監視ニーズ対応グループ(例えばP1)における登録済みの計測要素(例えば各相電流・各相電圧・電力)の識別記号0121,0141,0161,0521,0541,0561,0701,8001に対応する計測値データを、計測部M101のメモリM101Mから読み出す(ステップST6)。
【0035】
また、電子式指示計器M(M11,M12,M2,M31,M32,M33,M3n)では、指定された電力
使用者監視ニーズ対応グループ(例えばP1)の最後の計測要素(例えばWh(電力量)である識別記号8001)まで読み出して送信したどうかを判定する(ステップST7)。
ステップST7での判定の結果、最後の計測要素まで読み出してない場合(NOの場合)は、ステップST6に戻り、最後の計測要素を読み出すまで、ステップST6、ステップST7の動作が繰り返し実行される。
【0036】
ステップST7での判定の結果、最後の計測要素まで読み出している場合(YESの場合)
は、計測部M101のメモリM101Mから読み出した全計測値データを、電力使用者監視ニーズ
対応グループの指定通知があった電力使用者監視装置PUMへ送信する(ステップST8)。
電力使用者監視装置PUMへ送信された全計測値データは、図6における電力使用者監視
装置PUMの入力データ格納領域に格納され、この入力データ格納領域に格納された計測値
データを元に、電力使用者監視装置PUMでは、例えば省電力管理に対応した各計測要素(
電気的諸量)の計測値が、電力使用者監視装置PUMの表示画面に表示される。
電力使用者が、電力使用者監視装置PUMで例えば負荷の効率的な運転の管理をしたい場
合は、図6における出力情報書込領域に例えば監視対象計測要素グループとしてP2を書き込めば、一般的な通常の効率的な運転の管理に対応した各計測要素(電気的諸量)の計測値が、電力使用者監視装置PUMの表示画面に表示される。
【0037】
従って、電力使用者は、例えば省電力運転の管理をしたい場合、省電力運転の監視に必要な電子式指示計器はどの指示計器であるか検討するだけでなく300数十種類もの多数の計測要素のうちのどの計測要素を設定し、しかもそれらの計測要素の電子式指示計器内の識別記号は何であるか調べる等の煩雑な設定作業は不要となり、本実施の形態によれば単に省電力運転監視に適した監視対象計測要素グループの識別記号P1を設定する作業だけで済み、省電力運転の監視を躊躇うことなく、外気温に応じた木目細かな省電力運転の監視が確実に行われるようになる。負荷の効率的な運転の監視についても同様に木目細かな効率的運転の監視が確実に行われるようになる。
【0038】
また、電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルM105に、前述のグループ内予備1〜の領域や、識別記号を全く書き込んでいない予備の監視対象計測要素グループの領域も設ければ、さらに利便性が付加され、木目細かな監視が促進されることが期待される。
【0039】
前述のように、実施の形態1は、電力系統における負荷系統の電気的諸量を電力使用者が監視装置で監視する監視システムにおいて、前記負荷系統の所定の負荷単位で設置され、当該単位負荷の電気的諸量である計測要素を計測し計測した計測値データを保存する計測部と、複数の監視ニーズに対応して複数のニーズグループにグループ分けし前記各ニーズグループと前記各ニーズグループに対応する複数の前記計測要素の種別とを対応付ける電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルと、電力使用者の監視装置との通信を行う通信部とを有し、所定の計測要素の計測値を表示する電子式指示計器を備え、前記電力使用者の前記監視装置からの前記電子式指示計器に対する前記電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルにおける所定のニーズグループの指定通知を前記通信部を介して受信した前記電子指示計器が、前記電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルにおける前記指定されたニーズグループを読み取り、前記ニーズグループ化データテーブルにおける前記指定されたニーズグループに対応する複数の前記計測要素の計測値データを前記計測部から読み出し、当該読み出した計測値データを前記通信部を介して前記電力使用者の前記監視装置に送信する負荷系統の電気的諸量監視システムであり、前記監視対象計測要素グループ化テーブルは、少なくとも第1のニーズグループ、第2のニーズグループ、および第3のニーズグループの3つのニーズグループに対応し、前記第1のニーズグループは、各相電流の現在値、各線間電圧の現在値、総合電力の現在値、及び電力量であり、前記第2のニーズグループは、各相電流デマンドの現在値、総合電力デマンドの現在値、総合力率の現在値、周波数の現在値、総合無効電力の現在値、及び総合無効電力量であり、前記第3のニーズグループは、N相電流の現在値、N相電流デマンドの現在値、RN間電圧の現在値、SN間電圧の現在値、TN間電圧の現在値、RN間電圧の最大値、SN間電圧の最大値、及びTN間電圧の最大値である。
【0040】
また、前述のように、実施の形態1は、電力系統における負荷系統の電気的諸量を電力使用者が監視装置で監視する監視システムに使用される電子式指示計器おいて、電気的諸量である計測要素を計測し計測した計測値データを保存する計測部と、複数の監視ニーズに対応して複数のニーズグループにグループ分けし前記各ニーズグループと前記各ニーズグループに対応する複数の前記計測要素の種別とを対応付ける電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルと、電力使用者の監視装置との通信を行う通信部とを有し、所定の計測要素の計測値を表示する表示部とを備えた電子式指示計器であって、前記電力使用者の前記監視装置からの前記電子式指示計器に対する前記電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルにおける所定のニーズグループの指定通知を前記通信部を介して受信し、前記監視対象計測要素グループ化テーブルにおける前記指定されたニーズグループを読み取り、この読み取ったニーズグループに対応する複数の前記計測要素の計測値データを前記計測部から読み出し、当該読み出した計測値データを前記通信部を介して前記電力使用者の前記監視装置に送信する電子式指示計器であり、前記監視対象計測要素グループ化テーブルは、少なくとも第1のニーズグループ、第2のニーズグループ、および第3のニーズグループの3つのニーズグループに対応し、前記第1のニーズグループは、各相電流の現在値、各線間電圧の現在値、総合電力の現在値、及び電力量であり、前記第2のニーズグループは、各相電流デマンドの現在値、総合電力デマンドの現在値、総合力率の現在値、周波数の現在値、総合無効電力の現在値、及び総合無効電力量であり、前記第3のニーズグループは、N相電流の現在値、N相電流デマンドの現在値、RN間電圧の現在値、SN間電圧の現在値、TN間電圧の現在値、RN間電圧の最大値、SN間電圧の最大値、及びTN間電圧の最大値である。
【0041】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、一部変形、省略することができる。
なお、各図中、同一符合は同一部分を示す。
【符号の説明】
【0042】
PUM 監視装置、
M 電子式指示計器、
M101 計測部、
M103 通信部、
M104 表示部、
M105 電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統における負荷系統の電気的諸量を電力使用者が監視装置で監視する監視システムにおいて、
前記負荷系統の所定の負荷単位で設置され、当該単位負荷の電気的諸量である計測要素を計測し計測した計測値データを保存する計測部と、複数の監視ニーズに対応して複数のニーズグループにグループ分けし前記各ニーズグループと前記各ニーズグループに対応する複数の前記計測要素の種別とを対応付ける電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルと、電力使用者の監視装置との通信を行う通信部とを有し、所定の計測要素の計測値を表示する電子式指示計器を備え、
前記電力使用者の前記監視装置からの前記電子式指示計器に対する前記電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルにおける所定のニーズグループの指定通知を前記通信部を介して受信した前記電子指示計器が、前記電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルにおける前記指定されたニーズグループを読み取り、前記ニーズグループ化データテーブルにおける前記指定されたニーズグループに対応する複数の前記計測要素の計測値データを前記計測部から読み出し、当該読み出した計測値データを前記通信部を介して前記電力使用者の前記監視装置に送信することを特徴とする負荷系統の電気的諸量監視システム。
【請求項2】
電力系統における電気的諸量を電力使用者が監視装置で監視する監視システムに使用される電子式指示計器おいて、
電気的諸量である計測要素を計測し計測した計測値データを保存する計測部と、複数の監視ニーズに対応して複数のニーズグループにグループ分けし前記各ニーズグループと前記各ニーズグループに対応する複数の前記計測要素の種別とを対応付ける電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルと、電力使用者の監視装置との通信を行う通信部とを有し、所定の計測要素の計測値を表示する表示部とを備えた電子式指示計器であって、
前記電力使用者の前記監視装置からの前記電子式指示計器に対する前記電力使用者監視ニーズ対応の監視対象計測要素グループ化テーブルにおける所定のニーズグループの指定通知を前記通信部を介して受信し、前記監視対象計測要素グループ化テーブルにおける前記指定されたニーズグループを読み取り、この読み取ったニーズグループに対応する複数の前記計測要素の計測値データを前記計測部から読み出し、当該読み出した計測値データを前記通信部を介して前記電力使用者の前記監視装置に送信する電子式指示計器。
【請求項3】
前記監視対象計測要素グループ化テーブルは、少なくとも第1のニーズグループ、第2のニーズグループ、および第3のニーズグループの3つのニーズグループに対応し、
前記第1のニーズグループは、各相電流の現在値、各線間電圧の現在値、総合電力の現在値、及び電力量であり、
前記第2のニーズグループは、各相電流デマンドの現在値、総合電力デマンドの現在値、総合力率の現在値、周波数の現在値、総合無効電力の現在値、及び総合無効電力量であり、
前記第3のニーズグループは、N相電流の現在値、N相電流デマンドの現在値、RN間電圧の現在値、SN間電圧の現在値、TN間電圧の現在値、RN間電圧の最大値、SN間電圧の最大値、及びTN間電圧の最大値である
ことを特徴とする請求項1に記載の負荷系統の電気的諸量監視システム。
【請求項4】
前記監視対象計測要素グループ化テーブルは、少なくとも第1のニーズグループ、第2のニーズグループ、および第3のニーズグループの3つのニーズグループに対応し、
前記第1のニーズグループは、各相電流の現在値、各線間電圧の現在値、総合電力の現在値、及び電力量であり、
前記第2のニーズグループは、各相電流デマンドの現在値、総合電力デマンドの現在値、総合力率の現在値、周波数の現在値、総合無効電力の現在値、及び総合無効電力量であり、
前記第3のニーズグループは、N相電流の現在値、N相電流デマンドの現在値、RN間電圧の現在値、SN間電圧の現在値、TN間電圧の現在値、RN間電圧の最大値、SN間電圧の最大値、及びTN間電圧の最大値である
ことを特徴とする請求項2に記載の電子式指示計器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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