説明

貨物受付装置、プログラム及び貨物受付方法

【課題】貨物の受け付け業務の手間を軽減する。
【解決手段】実施形態の貨物受付装置は、貨物の宛先を取得する宛先取得手段と、撮像した画像を取り込む画像取込手段と、取り込まれた画像に含まれる貨物を検出し、その画像に占める検出された貨物の割合をもとに貨物の大きさを認識する貨物認識手段と、取得された宛先及び認識された貨物の大きさをもとに、貨物の宛先及び貨物の大きさに応じた配送料金が設定された設定情報を参照し、貨物の配送料金を算出する配送料金算出手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、貨物受付装置、プログラム及び貨物受付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストア等の店舗では、宅配便などで配送する貨物の受け付け業務をPOS端末で行っている。具体的には、配送する貨物のサイズ(縦・横・高さ)や宛先を店員がPOS端末に入力して、配送の登録処理を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−40463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、配送する貨物のサイズ(縦・横・高さ)を店員が測ってPOS端末に入力する手間があり、不便であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の貨物受付装置は、貨物の宛先を取得する宛先取得手段と、撮像した画像を取り込む画像取込手段と、前記取り込まれた画像に含まれる前記貨物を検出し、当該画像に占める前記検出された貨物の割合をもとに前記貨物の大きさを認識する貨物認識手段と、前記取得された宛先及び前記認識された貨物の大きさをもとに、貨物の宛先及び貨物の大きさに応じた配送料金が設定された設定情報を参照し、前記貨物の配送料金を算出する配送料金算出手段とを備える。
【0006】
本実施形態のプログラムは、貨物受付装置のコンピュータを、貨物の宛先を取得する宛先取得手段と、前記貨物を撮像した画像を取り込む画像取込手段と、前記取り込まれた画像に含まれる前記貨物を検出し、当該画像に占める前記検出された貨物の割合をもとに前記貨物の大きさを認識する貨物認識手段と、前記取得された宛先及び前記認識された貨物の大きさをもとに、貨物の宛先及び貨物の大きさに応じて配送料金が設定された設定情報を参照し、前記貨物の配送料金を算出する配送料金算出手段として機能させる。
【0007】
本実施形態の貨物受付方法は、貨物受付装置における貨物受付方法であって、貨物の宛先を取得する宛先取得工程と、前記貨物を撮像した画像を取り込む画像取込工程と、前記取り込まれた画像に含まれる前記貨物を検出し、当該画像に占める前記検出された貨物の割合をもとに前記貨物の大きさを認識する貨物認識工程と、前記取得された宛先及び前記認識された貨物の大きさをもとに、貨物の宛先及び貨物の大きさに応じて配送料金が設定された設定情報を参照し、前記貨物の配送料金を算出する配送料金算出工程とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態にかかる貨物受付装置の一例であるチェックアウトシステムを示す斜視図。
【図2】POS端末及び商品読取装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【図3】PLUファイルのデータ構成を例示する概念図。
【図4】貨物料金ファイルのデータ構成を例示する概念図。
【図5】CPUで実現される機能構成を示すブロック図。
【図6】チェックアウトシステムの動作の一例を示すフローチャート。
【図7】伝票読取処理の一例を示すフローチャート。
【図8】貨物読取処理の一例を示すフローチャート。
【図9】撮像画像の一例を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
チェックアウトシステムを例に実施形態にかかる貨物読取装置、プログラム及び貨物読取方法を図面を参照して説明する。チェックアウトシステムは、一取引にかかる商品の登録、精算を行うPOS端末と、商品に添付された商品コードなどを読み取る商品読取装置とを有する構成であり、店舗システムの一例である。実施形態は、宅配便などで配送する貨物の受け付け業務を行うコンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店舗に導入されたチェックアウトシステムへの適用例である。
【0010】
図1は、実施形態にかかる貨物読取装置の一例であるチェックアウトシステム1を示す斜視図である。図1に示すように、チェックアウトシステム1は、一取引にかかる商品の登録や精算、宅配便などで配送する貨物の受け付け処理を行うPOS端末11を備える。POS端末11は、チェックアウト台51上のドロワ21上面に載置されている。ドロワ21は、POS端末11によって開放動作の制御を受ける。POS端末11の上面には、オペレータ(店員)によって押下操作されるキーボード22が配置されている。キーボード22を操作するオペレータから見てキーボード22よりも奥側には、オペレータに向けて情報を表示する表示デバイス23が設けられている。表示デバイス23は、その表示面23aに情報を表示する。表示面23aには、タッチパネル26が積層されている。表示デバイス23よりもさらに奥側には、顧客用表示デバイス24が回転自在に立設されている。顧客用表示デバイス24は、その表示面24aに情報を表示する。なお、図1に示す顧客用表示デバイス24は、表示面24aを図1中手前側に向けているが、表示面24aが図1中奥側に向くように顧客用表示デバイス24を回転させることによって、顧客用表示デバイス24は顧客に向けて情報を表示する。
【0011】
POS端末11が載置されているチェックアウト台51とL字を形成するようにして、横長テーブル状のカウンタ台151が配置されている。カウンタ台151の上面には、荷受面152が形成されている。荷受面152には、商品Aを収納する買物カゴ153が載置される。買物カゴ153は、顧客によって持ち込まれる第1の買物カゴ153aと、第1の買物カゴ153aから商品読取装置101を挟んだ位置に位置付けられる第2の買物カゴ153bとに分けて考えることができる。
【0012】
カウンタ台151の荷受面152には、POS端末11とデータ送受信自在に接続された商品読取装置101が設置されている。商品読取装置101は、薄型矩形形状のハウジング102を備える。ハウジング102の正面には読取窓103が配置されている。ハウジング102の上部には、表示・操作部104が取り付けられている。表示・操作部104には、タッチパネル105が表面に積層された表示デバイス106が設けられている。表示デバイス106の右隣にはキーボード107が配設されている。キーボード107の右隣には、図示しないカードリーダのカード読取溝108が設けられている。オペレータから見て表示・操作部104の裏面左奥側には、顧客に向けて設けられる表示装置であり、顧客に対して情報を表示するための顧客用表示デバイス109が設置されている。顧客用表示デバイス109の表示面には、顧客用タッチパネル109aが積層されている。
【0013】
チェックアウトシステム1では、操作部としてのキーボード22、107の操作、例えばテンキー22dやモードキー(図示しない)の操作により、オペレータより操作モードを受け付ける。ここで、操作モードは、チェックアウトシステム1における商品登録、点検、精算等の業務処理ごとの動作モードであり、顧客によって持ち込まれた商品を登録する商品登録モード、売り上げの点検を行う点検モード、売り上げの精算を行う精算モード、宅配便などで配送する貨物の受け付け業務を行う宅配受付モード等がある。例えば、購入する商品Aを入れた第1の買物カゴ153aが顧客によって持ち込まれた場合、オペレータは、キーボード22、107を操作して商品登録の操作モードを選択した後に、商品Aの登録を行う。
【0014】
顧客によって持ち込まれた第1の買物カゴ153aには、一取引にかかる商品Aが収納されている。商品Aは、オペレータの手によって第2の買物カゴ153bへと移動される。この移動過程で、商品Aは商品読取装置101の読取窓103に向けられる。この際、読取窓103の奥側に配置された撮像部164(図2参照)は商品Aを撮像する。商品読取装置101では、撮像部164により撮像された画像に商品Aが含まれることを検出した場合、その撮像された画像をPOS端末11へ出力する。POS端末11では、商品Aの各々について、商品Aの売上登録にかかる情報と、その商品Aの画像とが関連付けられたPLUファイルF1(詳細は後述する)を参照して、出力された画像の少なくとも一部の領域と類似する商品Aの画像を検出する。次いで、POS端末11では、検出された商品Aの画像と関連する売上登録にかかる情報をもとに、商品Aの売上を登録する。
【0015】
また、宅配便などで配送する貨物が顧客によって持ち込まれた場合、オペレータは、キーボード22、107を操作して宅配受付の操作モードを選択した後に、貨物の受け付け処理を行う。顧客によって持ち込まれた貨物や宛先が記載された配送伝票も、上述した商品Aと同様にオペレータの手による移動過程で撮像部164による撮像が行われる。この貨物や配送伝票を撮像した画像をもとに、POS端末11では、貨物の受け付け処理を行う(詳細は後述する)。
【0016】
図2は、POS端末11及び商品読取装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末11は、情報処理を実行する情報処理部としてのマイクロコンピュータ60を備える。マイクロコンピュータ60は、各種演算処理を実行し各部を制御するCPU61(Central Processing Unit)に、ROM62(Read Only Memory)とRAM63(Random Access Memory)とがバス接続されて構成されている。
【0017】
POS端末11のCPU61には、前述したドロワ21、キーボード22、表示デバイス23、タッチパネル26、顧客用表示デバイス24がいずれも各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続されている。これらは、CPU61による制御を受ける。
【0018】
キーボード22は、「1」、「2」、「3」…等の数字や「×」という乗算の演算子が上面に表示されているテンキー22d、仮締めキー22e、及び締めキー22fを含む。キーボード22は、テンキー22d、仮締めキー22e、及び締めキー22fによるオペレータの操作入力をCPU61へ出力する。
【0019】
POS端末11のCPU61には、HDD64(Hard Disk Drive)が接続されている。HDD64には、プログラムや各種ファイルが記憶されている。HDD64に記憶されているプログラムや各種ファイルは、POS端末11の起動時に、その全部又は一部がRAM63にコピーされてCPU61により順次実行される。HDD64に記憶されているプログラムの一例は、貨物の受け付け処理や、商品販売データ処理用のプログラムPRである。HDD64に記憶されているファイルの一例は、ストアコンピュータSCから配信されて予め格納されているPLUファイルF1、貨物料金ファイルF2である。
【0020】
PLUファイルF1は、店舗に陳列して販売する商品Aの各々について、商品Aの売上登録にかかる情報と、その商品Aの画像との関連付けが設定されたファイルである。図3は、PLUファイルF1のデータ構成を例示する概念図である。図3に示すように、PLUファイルF1は、商品Aにユニークに割り当てられた商品IDごとに、その商品Aが属する商品分類、商品名、単価などの商品に関する情報と、その商品を撮像した商品画像とを格納する。
【0021】
商品読取装置101により売上登録を行う商品Aが読み取られた場合、POS端末11は、PLUファイルF1を参照して類似する商品画像を検出することで売上登録を行う商品Aを特定し、その特定された商品Aの商品ID、商品分類、商品名、単価などの売上登録にかかる情報を、売上マスタファイル(図示しない)などに記録して売上登録を行う。売上登録後、POS端末11は、売上登録が行われた商品についての精算処理を行い、その精算処理の内容を印字したレシート用紙をプリンタ66により出力する。
【0022】
設定情報としての貨物料金ファイルF2は、貨物の宛先及び貨物の大きさに応じた配送料金が設定されたデータファイルである。図4は、貨物料金ファイルF2のデータ構成を例示する概念図である。図4に示すように、貨物料金ファイルF2には、貨物の宛先とされる「送先住所」ごとに、「貨物サイズ」(縦×横×高さ)と配送に必要となる「料金」とが設定されている。例えば、貨物の宛先が「○○○○○○」であり、貨物サイズが「AA×BB×CC」である場合には、貨物料金ファイルF2を参照することで、その貨物の配送に必要となる配送料金を「700円」と算出できる。なお、上述した貨物料金ファイルF2のデータ構成は、実施形態の一例であり、貨物の宛先及び貨物のサイズから配送料金が算出可能であればいずれであってもよい。例えば、貨物料金ファイルF2は、住所−距離の関係と、距離−配送料金の関係とが記述されたデータファイルであってもよい。この場合は、貨物の宛先から配送先までの距離を算出した後に、算出した距離から配送料金の算出を行う。
【0023】
図2に戻り、POS端末11のCPU61には、ストアコンピュータSCとデータ通信を実行するための通信インターフェース25が入出力回路(図示せず)を介して接続されている。ストアコンピュータSCは、店舗のバックヤード等に設置されている。ストアコンピュータSCのHDD(図示せず)には、POS端末11に配信されるPLUファイルF1、貨物料金ファイルF2などが格納されている。
【0024】
POS端末11のCPU61には、商品読取装置101との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース65が接続されている。したがって、接続インターフェース65は、商品読取装置101に接続している。また、POS端末11のCPU61には、レシート用紙などに印字を行うプリンタ66が接続されている。POS端末11は、CPU61の制御のもと、一取引の取引内容(精算金額や付与されたポイント)等をレシート用紙に印字する。
【0025】
商品読取装置101も、マイクロコンピュータ160を備える。マイクロコンピュータ160は、CPU161にROM162とRAM163とがバス接続されて構成されている。ROM162には、CPU161によって実行されるプログラムが記憶されている。CPU161には、撮像部164、音声出力部165が各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続されている。撮像部164、音声出力部165は、CPU161によって動作が制御される。表示・操作部104は接続インターフェース176を介してPOS端末11に接続されている。表示・操作部104はPOS端末11のCPU61によって動作が制御される。
【0026】
撮像部164は、CCDイメージセンサやCOMSイメージセンサなどによるデジタルカメラである。撮像部164は、CPU161の制御の下で読取窓103からの撮像を行う。例えば撮像部164では30fpsの動画像の撮像を行う。撮像部164が所定のフレームレートで順次撮像したフレーム画像はRAM163に保存される。音声出力部165は、予め設定された警告音などを発生するための音声回路とスピーカなどである。音声出力部165は、CPU161の制御の下で警告音などの音声による報知を行う。
【0027】
さらに、CPU161には、POS端末11の接続インターフェース65に接続して、POS端末11との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース175が接続されている。CPU161の制御の下、商品読取装置101の撮像部164によって撮像された画像は、接続インターフェース175を介して出力され、接続インターフェース65を介してPOS端末11に入力される。
【0028】
次に、CPU161、61がプログラムを順次実行することで実現される機能部について、図5を参照して説明する。図5は、CPU161、61で実現される機能構成を示すブロック図である。図5に示すように、CPU161は、プログラムを順次実行することにより、撮像画像取込部1611、検出部1612、画像出力部1613としての機能を備える。同様に、CPU61は、伝票読取部611、貨物サイズ認識部612、料金算出部613としての機能を備える。
【0029】
撮像画像取込部1611は、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164に撮像動作を開始させる。撮像画像取込部1611は、撮像動作開始後に撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像を順次取り込む。撮像画像取込部1611によるフレーム画像の取り込みは、RAM163に保存された順に行われる。
【0030】
検出部1612は、撮像画像取込部1611により取り込まれた撮像部164のフレーム画像に含まれる貨物や伝票をパターンマッチング技術などを用いて検出する。具体的には、取り込まれたフレーム画像を2値化した画像から輪郭線などを抽出する。次いで、抽出された輪郭線から梱包された箱などの貨物や、所定形状の伝票を、予め設定されたマッチング用データとの比較で認識することで検出する。なお、フレーム画像において検出された貨物や伝票の領域については、貨物や伝票の輪郭線に沿った座標等の情報として、画像出力部1613より貨物や伝票が検出されたフレーム画像を出力する際に、POS端末11に通知される。また、フレーム画像を出力する際には、貨物の検出又は所定形状の伝票の検出に応じたフラグがPOS端末11に通知される。したがって、POS端末11では、通知されるフラグを参照することで、貨物又は伝票のいずれがフレーム画像から検出されたのかを認識できる。
【0031】
貨物や伝票の検出は、画像における特徴量として色合いや表面の凸凹状況等の表面の状態を読み取ることによって特定の物体の認識する一般物体認識(generic object recognition)の技術を用いてもよい。この一般物体認識については次の文献において各種認識技術が解説されている。
【0032】
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”,情報処理学会論文誌,Vol.48,No.SIG16 [平成22年8月10日検索],インターネット<URL: http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf > また、画像をオブジェクトごとに領域分割することによって一般物体認識を行う技術が、下記の文献において解説されている。 Jamie Shottonら,“Semantic Texton Forests for Image Categorization and Segmentation”,[平成22年8月10日検索],インターネット<URL:http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.145.3036&rep=rep1&type=pdf >
画像出力部1613は、撮像画像取込部1611が取り込んだ撮像部164のフレーム画像を接続インターフェース175を介してPOS端末11へ出力する。画像出力部1613は撮像画像取込部1611が取り込んだフレーム画像を逐次POS端末11へ出力してもよいが、貨物の受け付け処理では、検出部1612により貨物や伝票が検出された場合のフレーム画像を、POS端末11へ出力するものとする。
【0033】
伝票読取部611は、画像出力部1613より出力された、伝票が検出された場合のフレーム画像をもとに、伝票に記載された宛先の読み取りを行う。具体的には、伝票読取部611は、検出部1612より検出されて通知される伝票の輪郭線に沿った座標をもとに、フレーム画像から伝票部分の画像を取得する。次いで、伝票読取部611は、伝票部分の画像から宛先が記載される記載欄に対応した部分の画像に文字認識処理(OCR処理)を施して、貨物の宛先を取得する。なお、伝票読取部611は、伝票に記載されたQRコード(登録商標)などの2次元コードを復号し、その2次元コードに含まれる貨物の宛先を取得してもよい。このように、伝票を撮像して宛先を読み取ることで、オペレータが宛先を手入力する手間を軽減できる。
【0034】
貨物サイズ認識部612は、貨物が検出された場合のフレーム画像をもとに、そのフレーム画像において貨物が占める割合から貨物の大きさを認識する。具体的には、貨物サイズ認識部612は、検出部1612より検出されて通知される貨物の輪郭線に沿った座標をもとに、フレーム画像から貨物部分の画像を取得する。次いで、貨物サイズ認識部612は、貨物部分の画像から貨物における縦、横、高さ方向に該当する輪郭線を抽出する。縦、横、高さ方向に該当する輪郭線それぞれの最大長が、フレーム画像における貨物の縦、横、高さ方向の大きさに相当する。また、顧客により持ち込まれた貨物は荷受面152の上で読取窓103により撮像されることから、撮像される貨物と撮像部164との距離は一定であるものとする。また、撮像部164における焦点距離、画角、ピント位置などのカメラパラメータは、上述した貨物と撮像部164との距離とともに、予めROM62などに設定されているものとする。したがって、貨物サイズ認識部612は、フレーム画像に占める貨物の縦、横、高さ方向の長さと、撮像される貨物から撮像部164まで距離やカメラパラメータとをもとに、貨物の大きさを解析して認識する。
【0035】
貨物サイズ認識部612は、貨物が検出された場合のフレーム画像をもとに、そのフレーム画像において貨物に添付された所定の大きさの配送票を検出し、その配送票に対する貨物の大きさを解析することで、貨物の大きさいを認識してもよい。この配送票は、貨物を配送する配送業者が宛先や送り主などの確認するために貨物に添付されるものであり、予め定められた大きさのものである。したがって、貨物サイズ認識部612は、予め定められた大きさの配送票を基準にすることで、貨物の大きさを解析することができる。このように配送票を基準とすることで、撮像される貨物から撮像部164まで距離を一定にしたり、カメラパラメータを設定するなどの手間をかけることなく、貨物の大きさを容易に解析できる。具体的には、貨物サイズ認識部612は、検出部1612より検出されて通知される貨物の輪郭線に沿った座標をもとに、フレーム画像から貨物部分の画像を取得し、その貨物部分の画像から所定形状の配送票を検出する。この配送票の検出には、上述したパターンマッチングや一般物体認識の技術を用いてよい。次いで、貨物サイズ認識部612は、検出した配送票の大きさと、フレーム画像における貨物の縦、横、高さ方向の大きさとを比較して、貨物の大きさを解析する。
【0036】
料金算出部613は、伝票読取部611により取得した宛先と、貨物サイズ認識部612により認識された貨物の大きさとをもとに、貨物料金ファイルF2を参照して貨物の配送料金を算出する。CPU61では、料金算出部613により算出された配送料金で料金の精算処理を行うことで、顧客より受け付けた貨物を配送するための登録処理を完了する。
【0037】
次に、チェックアウトシステム1の動作について詳細に説明する。図6は、チェックアウトシステム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0038】
図6に示すように、チェックアウトシステム1では、オペレータがキーボード22、107を操作して宅配受付の操作モードを選択するなどして貨物の受け付け処理が開始されると、撮像部164による撮像で伝票を読み取る伝票読取処理が行われる(S1)。
【0039】
図7は、伝票読取処理の一例を示すフローチャートである。図7に示すように、伝票読取処理が開始されると、撮像画像取込部1611は、撮像部164に撮像オン信号を出力して、撮像部164による撮像を開始させる(S11)。次いで、撮像画像取込部1611は、オペレータが伝票を読取窓103にかざして撮像した伝票画像データを撮像部164より取り込む(S12)。次いで、検出部1612は、取り込んだ伝票画像データから伝票の検出を行う(S13)。次いで、画像出力部1613は、検出部1612により伝票が検出されたフレーム画像(伝票画像)をPOS端末11へ出力する(S14)。次いで、CPU161は、伝票読取処理を終了するか否かを判定する(S15)。この判定では、POS端末11へ出力した伝票画像から宛先の読取が完了したことを示す通知をPOS端末11より受け付けた場合に伝票読取処理を終了するものとする。伝票読取処理を終了しない場合(S15のNO)、CPU161はS11へ処理を戻す。伝票読取処理を終了する場合(S15のYES)、撮像画像取込部1611は、撮像部164に撮像オフ信号を出力して(S16)、処理を終了する。
【0040】
図6に戻り、伝票読取部611は、出力された伝票画像から、所定形状の伝票を検出し、その伝票内から所定の位置にある配送先情報欄を検出する(S2)。次いで、伝票読取部611は、S2で検出した配送先情報欄をOCR処理で読み取り、郵便番号もしくは住所より、配送先都道府県名及び市区町村等の宛先にかかる情報を検出して取得する(S3)。次いで、チェックアウトシステム1では、撮像部164による撮像で貨物を読み取る貨物読取処理が行われる(S4)。
【0041】
図8は、貨物読取処理の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、貨物読取処理が開始されると、撮像画像取込部1611は、撮像部164に撮像オン信号を出力して、撮像部164による撮像を開始させる(S41)。次いで、撮像画像取込部1611は、オペレータが貨物を読取窓103にかざして撮像した貨物画像データを撮像部164より取り込む(S42)。次いで、検出部1612は、取り込んだ貨物画像データから貨物及び伝票(配送票)の検出を行う(S43)。次いで、画像出力部1613は、検出部1612により伝票が検出されたフレーム画像(貨物および伝票画像)をPOS端末11へ出力する(S44)。次いで、CPU161は、貨物読取処理を終了するか否かを判定する(S45)。この判定では、POS端末11へ出力した貨物および伝票画像から貨物の認識が完了したことを示す通知をPOS端末11より受け付けた場合に貨物読取処理を終了するものとする。貨物読取処理を終了しない場合(S45のNO)、CPU161はS41へ処理を戻す。伝票読取処理を終了する場合(S45のYES)、撮像画像取込部1611は、撮像部164に撮像オフ信号を出力して(S46)、処理を終了する。
【0042】
図6に戻り、貨物サイズ認識部612は、出力された貨物および伝票画像から、貨物に添付された所定の大きさの伝票(配送票)を検出し、その伝票の大きさと貨物の大きさとの対比により貨物の大きさを解析して認識する(S5)。このように、撮像部164により撮像した画像で貨物の大きさを認識することで、店員が貨物のサイズ(縦・横・高さ)を測ってPOS端末に入力する手間をなくし、貨物の受け付け業務を容易にすることができる。
【0043】
図9は、撮像画像Gの一例を示す概念図である。具体的には、図9は、貨物および伝票画像に相当する撮像画像Gの一例を示す図である。S5では、撮像画像Gにおける貨物Bの大きさ(X1、Y1、Z1)と、配送伝票Cの大きさ(L1、L2)とを対比し、配送伝票Cの実物の大きさが予め定められたものであることから、貨物Bの実物の大きさを解析する。
【0044】
次いで、料金算出部613は、S3により取得した宛先と、S5により認識された貨物の大きさとをもとに、貨物料金ファイルF2を参照して貨物の配送料金を算出する(S6)。次いで、CPU61は、S6により算出された配送料金で料金の精算を行う(S7)。次いで、CPU61は、キーボード22、107等による業務の終了操作の有無に応じて、宅配受付の業務を終了するか否かを判定する(S8)。業務を終了しない場合(S8:NO)は、S1へ処理を戻して、処理を継続させる。業務を終了する場合(S8:YES)は処理を終了する。
【0045】
なお、実施形態のPOS端末11、商品読取装置101で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。実施形態のPOS端末11、商品読取装置101で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0046】
さらに、実施形態のPOS端末11、商品読取装置101で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態のPOS端末11、商品読取装置101で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0047】
実施形態のPOS端末11、商品読取装置101で実行されるプログラムは、上述した各部(撮像画像取込部1611、検出部1612、画像出力部1613、伝票読取部611、貨物サイズ認識部612、料金算出部613)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0048】
1…チェックアウトシステム、11…POS端末、21…ドロワ、22…キーボード、23…表示デバイス、23a…表示面、24…顧客用表示デバイス、24a…表示面、25…通信インターフェース、26…タッチパネル、51…チェックアウト台、60…マイクロコンピュータ、61…CPU、62…ROM、63…RAM、64…HDD、65…接続インターフェース、66…プリンタ、101…商品読取装置、102…ハウジング、103…読取窓、104…表示・操作部、105…タッチパネル、106…表示デバイス、107…キーボード、109…顧客用表示デバイス、109a…顧客用タッチパネル、151…カウンタ台、152…荷受面、160…マイクロコンピュータ、161…CPU、162…ROM、163…RAM、164…撮像部、1611…撮像画像取込部、1612…検出部、1613…画像出力部、611…伝票読取部、612…貨物サイズ認識部、613…料金算出部、A…商品、B…貨物、C…配送伝票、F1…PLUファイル、F2…貨物料金ファイル、G…撮像画像、PR…プログラム、SC…ストアコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物の宛先を取得する宛先取得手段と、
撮像した画像を取り込む画像取込手段と、
前記取り込まれた画像に含まれる前記貨物を検出し、当該画像に占める前記検出された貨物の割合をもとに前記貨物の大きさを認識する貨物認識手段と、
前記取得された宛先及び前記認識された貨物の大きさをもとに、貨物の宛先及び貨物の大きさに応じた配送料金が設定された設定情報を参照し、前記貨物の配送料金を算出する配送料金算出手段と、
を備える貨物受付装置。
【請求項2】
前記貨物認識手段は、前記貨物に添付された所定の大きさの配送票を検出し、当該配送票に対して前記貨物が前記取り込まれた画像に占める割合をもとに、前記貨物の大きさを認識する、
請求項1に記載の貨物受付装置。
【請求項3】
前記取り込まれた画像に含まれる伝票を検出し、当該伝票に記載された宛先を読み取る読取手段を更に備え、
前記宛先取得手段は、前記読み取られた宛先を前記貨物の宛先とする、
請求項1又は2に記載の貨物受付装置。
【請求項4】
前記読取手段は、前記検出された伝票の所定の記載欄に記載された前記宛先を文字認識で読み取る、
請求項3に記載の貨物受付装置。
【請求項5】
貨物受付装置のコンピュータを、
貨物の宛先を取得する宛先取得手段と、
前記貨物を撮像した画像を取り込む画像取込手段と、
前記取り込まれた画像に含まれる前記貨物を検出し、当該画像に占める前記検出された貨物の割合をもとに前記貨物の大きさを認識する貨物認識手段と、
前記取得された宛先及び前記認識された貨物の大きさをもとに、貨物の宛先及び貨物の大きさに応じて配送料金が設定された設定情報を参照し、前記貨物の配送料金を算出する配送料金算出手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項6】
貨物受付装置における貨物受付方法であって、
貨物の宛先を取得する宛先取得工程と、
前記貨物を撮像した画像を取り込む画像取込工程と、
前記取り込まれた画像に含まれる前記貨物を検出し、当該画像に占める前記検出された貨物の割合をもとに前記貨物の大きさを認識する貨物認識工程と、
前記取得された宛先及び前記認識された貨物の大きさをもとに、貨物の宛先及び貨物の大きさに応じて配送料金が設定された設定情報を参照し、前記貨物の配送料金を算出する配送料金算出工程と、
を含む貨物受付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−25428(P2013−25428A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157391(P2011−157391)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】