説明

販促用表示具

【課題】構造が単純で簡単に組立てることができ、しかも商品の特徴等を記載できるスペースを十分に確保できる販促用表示具を提供する。
【解決手段】POP(販売用表示具)22は板状部材を折り曲げることによって成形される。板状部材の縁部に到達しないように、第1および第2の端部を有する切込み部を形成する。第1および第2の端部の間において、切込み部から垂直に延びる第1の折り目56に沿って第1の支持部に谷折りを施して、基板23と背面支持板24を設ける。第1および第2の端部において切込み部から垂直に延びる第2の折り目57に沿って第2の支持部に谷折りを施すことにより、前板部25と上板部26を設ける。前板部25と上板部26により、商品の一部が挿通するための開口27が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばデジタルカメラ等の商品を店頭において陳列するときに用いられる販促ツールであるPOP(point-of-purchase)すなわち販促用表示具に関する。
【背景技術】
【0002】
POPは、その商品のメーカ、性能、価格等を表示するために販売店において商品に並べて置かれ、あるいは商品の表面に貼付される。POPの素材は例えばコートボール紙等の板紙あるいはシールである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
POPが商品とともにショーケース上に置かれる組立て式のものである場合、販売店において組立て作業が必要であり煩雑であるという問題がある。また商品に貼付されるPOPの場合には、その貼付位置に応じてシールの大きさに制約が生じ、商品の特徴等を十分に表示できないかもしれないという問題がある。
【0004】
本発明は、構造が単純で簡単に組立てることができ、しかも商品の特徴等を記載できるスペースを十分に確保できる販促用表示具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る販促用表示具は、板状部材を折り曲げることによって成形され、商品とともに店頭に陳列されるものであって、板状部材の縁部に到達しないように切り込まれ、第1および第2の端部を有する切込み部と、切込み部によって分断される第1および第2の支持部とを備え、第1および第2の端部の間において、切込み部から垂直に延びる第1の折り目に沿って第1の支持部に谷折りを施すとともに、第1および第2の端部において切込み部から垂直に延びる第2の折り目に沿って第2の支持部に谷折りを施すことにより、商品の一部が挿通するための開口が成形されることを特徴としている。
【0006】
好ましくは、第1の支持部に施される谷折りによって、水平面に載置される基板と、この基板から垂直に立ち上がる背面支持板とが成形される。さらに好ましくは、第1および第2の端部の間において、切込み部から垂直に延びる第3の折り目に沿って第2の支持部に山折りが施される。
【0007】
切込み部に垂直な方向に沿う第2の支持部の幅は第1の支持部の幅よりも小さいことが好ましい。開口は例えば略矩形である。
【0008】
第1の支持部に、第1の折り目に両端が位置する半円状の切込み部が形成されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、構造が単純で簡単に組立てることができ、しかも商品の特徴等を記載できるスペースを十分に確保できる販促用表示具が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態であるパッケージを上方から見た斜視図である。
【0011】
パッケージ10は例えば、商品であるカメラおよびそのアクセサリを収容するために使用される。パッケージ10は直方体状であり、被収納品(すなわちカメラとアクセサリ)を収納するための本体部11と、本体部11の開口部を覆うための一対のフラップ12、13と、開口部を完全に閉塞するための外蓋14と、底板15を有する。外蓋14の先端部16は本体部11側に折り曲げられている。本体部11の正面側の上部には、先端部16の折り曲げ部分に形成されたスリット(図示せず)に挿入される突片17が形成されている。
【0012】
一方のフラップ12には、付属片20がミシン目21によって切断可能な状態で連設されている。付属片20は、店頭においてパッケージ10とともに用いられる、販促ツール(販促用表示具)として利用される店頭用POPである。すなわち付属片10は、販売店においてフラップ12から切断され、組立てられてPOPとして、商品とともに店頭に陳列される。
【0013】
図2は付属片20から成形されたPOP22を示している。POP22は板状部材である付属片20を折り曲げることによって成形され、ショーケース等の上面すなわち水平面に載置される基板23と、基板23から垂直に立ち上がる背面支持板24とを有する。基板23からは前板部25が立ち上がり、前板部25の上端と背面支持板24は上板部26により連結される。前板部25と上板部26により、商品(例えばカメラ)30が挿入可能な開口27が形成される。商品30は基板23に載置され、その端部が開口27に挿入された状態で店頭に展示される。基板23、背面支持板24、前板部25、上板部26には、商品30の性能等の情報が印刷される。
【0014】
パッケージ10は、1枚の可撓性板から抜き型等を用いて所定の形状に打ち抜かれた型紙等を折り曲げることによって箱状に組立てられる。可撓性板としては、コートボール、ダンボール等の紙が通常用いられるが、合成樹脂等の薄板であってもよい。
【0015】
図3はパッケージ10が切り取られる可撓性板40を示している。1枚の可撓性板40には、2つのパッケージ10が平面状に展開した状態で、切取り可能に形成されている。可撓性板40においてパッケージ10は、帯状に展開された本体部11に、フラップ12、13と外蓋14と底板15と突片17を連設して構成される。外蓋14の先端部16には、突片17が挿入されるスリット18が形成されている。
【0016】
可撓性板40において各パッケージ10は、可撓性板40の中心に関して点対称に形成されている。すなわち、2つの帯状の本体部11は平行に配置され、底板15は外側に位置し、フラップ12、13と外蓋14と突片17は内側に位置している。付属片20はフラップ12の先端、すなわち他方のパッケージ10に対向する側に設けられ、ミシン目21は本体部11に平行である。2つの付属片20は可撓性板40の略中央に形成される。
【0017】
図4は付属片20を拡大して示す平面図である。付属片20は矩形の板状部材であり、長辺の一方がミシン目21によってフラップ12に接続される。長辺の他方側には、直線状の切込み部51が設けられる。切込み部51は付属片20の縁部、すなわち一対の短辺に到達しないように切り込まれて、第1および第2の端部52、53を有する。切込み部51によって付属片20は、第1および第2の支持部54、55に分断される。第2の支持部55はミシン目21とは反対側に設けられ、切込み部51に垂直な方向に沿う第2の支持部55の幅は第1の支持部54の幅よりも小さい。
【0018】
第1の支持部54には、第1および第2の端部52、53の間において、切込み部51から垂直に延びる第1の折り目56が形成される。また第1の支持部54には、第1の折り目56に両端が位置する半円状の切込み部59が形成される。第2の支持部55には、第1および第2の端部52、53において切込み部51から垂直に延びる第2の折り目57が形成される。また第2の支持部55には、第1および第2の端部52、53の間において切込み部15から垂直に延びる第3の折り目58が形成される。
【0019】
図4および図5を参照してPOP22の組立て方法を説明する。図1を参照して上述したようにPOP22は、販売店において、パッケージ10の外蓋14を開放して付属片20をフラップ12から分離し、折り曲げることによって成形される。この折り曲げ作業では、第1の支持部54において、切込み部59によって囲まれる半円状板部60を押圧して第1の折り目56に谷折りを施すことにより、基板23と背面支持板24が成形される。これと同時に、第2の支持部55において第2の折り目57に谷折りを施すとともに第3の折り目58に山折りを施すことにより、前板部25と上板部26が成形される。
【0020】
前板部25と上板部26により区画される開口27は略矩形である。開口27には基板23の上に載置された商品の一部が挿入され、商品の一部は前板部25と上板部26によって隠されるので、前板部25と上板部26に、隠された部分の写真を印刷してもよい。
【0021】
以上のように本実施形態では、1枚の可撓性板40にパッケージ10と付属片20がともに形成されている。したがってパッケージ10のみを可撓性板40に形成する場合と比較し、廃棄する部分が減少して可撓性板40の利用効率が向上し、パッケージ10とPOP22の製造コストを削減することができる。
【0022】
また本実施形態では、パッケージ10を構成しない付属片20が切断可能な状態でフラップ12に連設されている。したがって、商品のメーカにおいてPOPを個々のパッケージ10内へ収納する作業が不要となり、POPの収納およびチェック等の管理が不要となる。
【0023】
付属片20は、半円状板部60を押しつつ、折り目56、57、58に沿って谷折りまたは山折りを施すだけで、POP22として成形される。このようにPOP22は、構造が単純であり、簡単かつ安価に製作することができ、また背面支持板24を必要に応じた大きさに成形できるので、商品の性能等の情報を記載できるスペースが十分に確保される。
【0024】
また、POP22に商品を載置した状態において、半円状板部60は背面支持板24よりも後ろ側に突出するので、POP33が安定した状態に保持される。またミシン目21は商品によって隠れるのでミシン目21が目立つことはない。なお背面支持板24の商品によって隠される部分にPOP22の組立て方を図示しておくと、誰でも容易にPOP22を組立てることができる。
【0025】
POP22はパッケージ10と一緒に用いられるので、これらの表面に印刷される、商品の性能等の情報は通常同じ言語で記載されることが好ましい。本実施形態では1枚の可撓性板40にパッケージ10と付属片20を同時に印刷するように構成されているので、パッケージ10と付属片20への印刷工程が同時に行われることとなり、言語を合わせることが簡単になる。
【0026】
図6は第2の実施形態における、パッケージ10が切り取られる可撓性板40を示す平面図である。この実施形態では、1枚の可撓性板40から1つのパッケージ10が切り取られることが第1の実施形態と異なり、その他の構成と効果は同様である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態であるパッケージを上方から見た斜視図である。
【図2】付属片から成形されたPOPを示す斜視図である。
【図3】パッケージが切り取られる可撓性板を示す平面図である。
【図4】付属片を示す平面図である。
【図5】POPを示す斜視図である。
【図6】第2の実施形態における、パッケージが切り取られる可撓性板を示す平面図である。
【符号の説明】
【0028】
10 パッケージ
20 付属片
40 可撓性板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状部材を折り曲げることによって成形され、商品とともに店頭に陳列される販促用表示具であって、
前記板状部材の縁部に到達しないように切り込まれ、第1および第2の端部を有する切込み部と、
前記切込み部によって分断される第1および第2の支持部とを備え、
前記第1および第2の端部の間において、前記切込み部から垂直に延びる第1の折り目に沿って前記第1の支持部に谷折りを施すとともに、前記第1および第2の端部において前記切込み部から垂直に延びる第2の折り目に沿って前記第2の支持部に谷折りを施すことにより、前記商品の一部が挿通するための開口が成形される販促用表示具。
【請求項2】
第1の支持部に施される谷折りによって、水平面に載置される基板と、この基板から垂直に立ち上がる背面支持板とが成形されることを特徴とする請求項1に記載の販促用表示具。
【請求項3】
前記第1および第2の端部の間において、前記切込み部から垂直に延びる第3の折り目に沿って前記第2の支持部に山折りが施されることを特徴とする請求項1または2に記載の販促用表示具。
【請求項4】
前記切込み部に垂直な方向に沿う前記第2の支持部の幅が前記第1の支持部の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の販促用表示具。
【請求項5】
前記開口が略矩形であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の販促用表示具。
【請求項6】
前記第1の支持部に、前記第1の折り目に両端が位置する半円状の切込み部が形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の販促用表示具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−9168(P2008−9168A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−180106(P2006−180106)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】