説明

貯水リザーバ

本発明は、水性媒体が充填され、かつ多孔質自由流動性粒子から成る貯蔵タンクに関し、粒子は疎水性ポリマーから形成され、前記粒子の充填物は、一般式(I)の特定媒介添加剤少なくとも1つを含有する。また、プラスチックから揮発性成分を除去するための連行剤供与体、中間プラスチック生成物及び/又はプラスチック製品に助剤を一様にドーピングするための連行剤供与体、及び土壌改良剤、例えば害虫処理剤供与体又は肥料供与体、としてのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性液が充填され、多孔質の自由流動性粒子から構成されるリザーバに関し、この粒子は、好ましくは疎水性ポリマーから形成されており、充填物は、下記一般式(I)の相溶化剤(compatibilizer additive)少なくとも1つを含む。かつ本発明は、充填リザーバ(charged reservoir)を使用して、プラスチックから揮発性成分、特に臭気を発する助剤、を除去するために、又はプラスチック助剤(plastics auxiliaries)の均一な添加のために、連行剤を供与することに関し、又は貯水リザーバとして、又は土壌改良剤としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、水性液(aqueous fluids)、特に水、は、ポリマーを加工する場合に、特に残存モノマー量を削減するために、連行剤として使用することができる。この方法により、臭気を放ち得る揮発性有機物質の放出を削減させることもできる。これは、再生(recycled)ポリマーを加工する際に、必要なことである。
【0003】
処理すべきポリマーへ水を導入する際、最大の効率を得るため、ポリマーの熱塑性加工(thermoplastic processing)の間に、ポリマー融液に、水を充填した多孔質粒子を混和することができる。水は、押し出し加工の間に排除され、揮発性物質のための連行剤として作用する。これら揮発性物質は、水蒸気と共に除去される。
【0004】
その際、使用される多孔質粒子は、好ましくは、疎水性ポリマー、例えばポリエチレン又はポリプロピレンから製造される。これらの特徴は、特に、高い化学安定性及び高い機械的安定性と熱安定性である。そのため、これらのポリマーは、更なる用途のために、水性液を充填し、更に加工されうる多孔質粒子の製造にも好適である。
【0005】
WO2005/003215は、少なくともある程度まで孔が解放されている多孔質粒子を開示し、それぞれが水性液を充填したリザーバに該当する。しかしながら、このタイプの粒子又はリザーバの欠点は、水の充填前に、粒子が相対的に大量の界面活性剤を備えねばならないことである。これが、水性液を使用して、50%より高い充填レベルに達する唯一の方法である。しかしながら、比較的大量の界面活性剤の粒子への充填は、これらの界面活性剤が充填物の望ましい用途に少なからぬ影響を及ぼし得るので問題がある。特に、連行剤を供与するために充填リザーバを使用する場合、界面活性剤が分解生成物を形成し、これは、連行剤、即ち水、を消費するだけでなく、自体臭気発生物質でもあり得る可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのため、本発明の課題は、高レベルの水性液が充填されたリザーバを提供し、このリザーバの総充填物が支障なく、即ち実質的に完全に、所望の用途に利用できることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、水性液が充填され、かつ多孔質の自由流動性粒子から構成される本発明のリザーバにより解決され、但し、リザーバの粒子は、好ましくは疎水性ポリマーから形成され、かつ粒子の平均サイズは、好ましくは50〜5000μmであり、粒子は、好ましくは、少なくとも部分的に開孔構造を有し、かつ粒子の平均孔径は、好ましくは1μm〜200μmであり、かつリザーバの水性充填物は、一般式(I):
【化1】

[式中、
は、炭素原子1〜6個を有するアルキル部分であり、
A及びBは、同じか又は異なるものであり、炭素原子1〜6個を有するアルキル部分又は式:−Z−R−Rの基であり、式中、
Zは、式:−C2r−O−の部分であり、但し、rは、1〜10の整数、好ましくは1〜4の整数、特に好ましくは3であり、
は、式:−(CHO−)(CO−)の部分であり、但し、mは、0又は1〜4の整数であり、nは、1〜12の整数であり、それぞれn回及びm回繰り返される単位の配列は、ブロックタイプ又はランダムであってよく、
は、OH基又は炭素原子1〜6個を有するアルキル部分、好ましくはメチル部分であり、
xは、0又は1〜3の整数であり、
yは、0又は1〜3の整数である]の相溶化剤少なくとも1つを含み、前記相溶化剤は、常に、式:−Z−R−Rの基を少なくとも1つ有さねばならない。
【発明を実施するための形態】
【0008】
使用される相溶化剤は、式:−(CHO−)(CO−)の部分の平均分子量が、好ましくは100〜5000、より好ましくは150〜1000、特に好ましくは200〜600である、一般式(I)の化合物を含む。
【0009】
が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びn−プロピルからなる群から選択される部分であり、n、m、x、y、r、A、B、Z、R及びRが前記のものを表す式Iの化合物を相溶化剤として使用するのは同様に好ましい。
【0010】
他の好ましい相溶化剤は、
Aが、メチル部分又は式:−Z−R−Rの基であり、
Bが、メチル部分であり、
が、式:−(CHO−)、又は、−(CHO−)(CO−)の部分であり、但し、mが、1又は2であり、nが、5、6、7、8、又は9であり、
x、y、r、Z及びRが前記のものを表す式Iの化合物である。
【0011】
好ましい用途のために列記された全ての相溶化剤は、それぞれ式:−Z−R−Rの基少なくとも1つを含まねばならない。
【0012】
上に列記した相溶化剤の製造は、当業者には公知である。該当する開示として、US−A−3299112又はUS−A−4933002が参照される。
【0013】
充填リザーバの製造のために、本発明で使用され、かつ少なくとも部分的に開孔(open pore)構造を有する多孔質で、好ましくは疎水性の粒子は、スポンジ様、セル状微細構造を有するか、さもなければ網状微細構造を有する。孔は、少なくとも部分的に開孔であり、粒子の構造の少なくとも一部の領域では、粒子中に存在する孔とチャネルとは相互に連絡する。
【0014】
本発明で使用される粒子は、好ましくは、疎水性ポリマー、例えば熱可塑性プラスチック及び/又はエラストマー、から構成される。特に好ましくは、本発明で使用される粒子は、ポリオレフィン、特にポリエチレン又はポリプロピレン、フルオロポリマー、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニルクロリド、ポリウレタン、ポリメタクリレート及びポリアミドからなる群から選択されるポリマー又はポリマー混合物から構成される。
【0015】
本発明で使用される粒子は、HDPE(高密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、UHMW PE(超高分子量ポリエチレン)、mPE(メタロセンPE)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリイソブテン、PB(ポリブチレン)、PMP(ポリメチルペンテン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(パーフルオロエチレン−プロピレンコポリマー)、CTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、ECTFE(エチレン−クロロ−トリフルオロエチレンコポリマー)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー)、テトラフルオロエチレン−プロピレンコポリマー、ポリビニリデンフルオリド、ポリビニルクロリド、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンのコポリマー、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルのコポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレンのコポリマー、PC(ポリカーボネート)、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)及び例えばPA6などのPA(ポリアミド)からなる群から選択される、少なくとも1つのポリマー又はコポリマーから構成されるのが特に好ましい。
【0016】
本発明で使用される粒子の多孔度は、好ましくは少なくとも30容積%、更に好ましくは少なくとも50容積%、特に好ましくは少なくとも60容積%である。本発明で使用される粒子の多孔度は、特に好ましくは、50〜80容積%である。多孔度(容積による)は、当業者に公知の方法により測定される。一例として、本発明で使用される粒子の多孔度は、非湿潤液として水を使用する比重瓶試験法(pycnometrictest method)により又は好適な圧入法、例えば水銀圧入、により決定することができる。
【0017】
本発明で使用される粒子の平均サイズは、好ましくは10〜10000μmであり、更に好ましくは200〜7000μmであり、更になお好ましくは500〜5000μmであり、最も好ましくは1000〜4000μmであり、特に1500〜3000μmである。平均粒子サイズは、代表的標本量を用い、かつ測微レンズステム(micrometer lens system)又は好ましくは好適な画像評価法を用いて微視的に決定するのが好ましい。このタイプの測定方法は、当業者に公知である。
【0018】
本発明の好ましい1実施形態では、本発明で使用される粒子の平均孔径は、好ましくは、0.5〜500μmであり、更に好ましくは1〜400μmであり、更になお好ましくは、1〜300μmであり、最も好ましくは1〜200μmであり、特に1〜100μmであり、この平均孔径は、非常によく知られている測定方法により決定することができる。一例として、平均孔径は、標本の破砕表面イメージの電子顕微鏡写真をデジタルスキャンして決定される。これらは、好適な画像解析ソフトウェアを用いて評価される。その場合、約50〜100の孔の孔径が、電子顕微鏡写真のスキャンからμmで測定される。関連する平均孔径は、各値の平均として計算される。
【0019】
上に列記された本発明で使用される粒子は市販されている。
【0020】
水性液、特に水は、リザーバに、充填リザーバの総重量に基づいて、少なくとも30重量%まで確実に充填されるためには、一般式Iの相溶化剤をほんの少量含まねばならないことが、意想外にも判明した。
【0021】
水性液を使用して、充填リザーバの総重量に基づいて、好ましくは≧30重量%の水充填レベルを達成するためには、式Iの相溶化剤少なくとも1つが、それぞれ水性液の総重量に基づき、好ましくはたかだか4重量%、更に好ましくはたかだか3重量%、更になお好ましくはたかだか1重量%、最も好ましくはたかだか0.5重量%、特にたかだか0.1重量%の量で、充填のために供給された水性液中に懸濁され又は溶解されて存在すれば充分である。
【0022】
本発明で使用される粒子への水性液、特に水の達成可能な充填レベルは、それぞれ、充填リザーバの総重量に基づいて、好ましくは、少なくとも30重量%まで、更に好ましくは少なくとも50重量%まで、特に好ましくは少なくとも60重量%までである。
【0023】
このような充填のためには、式Iの相溶化剤少なくとも1つが、それぞれ、充填リザーバの総重量に基づき、0.01〜5重量%、更に好ましくは0.03〜3重量%、更になお好ましくは0.05〜2重量%、最も好ましくは0.05〜1重量%の量で、リザーバの充填物中に存在するのが特に有利である。
【0024】
本発明で使用される粒子への水性液の充填は、本発明においては、好ましくは少なくとも10分、更に好ましくは少なくとも30分、更になお好ましくは少なくとも60分、最も好ましくは少なくとも70分、特に少なくとも90分の期間、場合により、振盪及び/又は撹拌して、粒子を式Iの相溶化剤と接触させることにより行われる。
【0025】
湿潤過程を促進するために、超音波を使用する及び/又は真空にすることも可能である。本発明で使用される粒子を、この段階までに式Iの相溶化剤を含ませた水性液に接触させることは、特に好ましい。その場合、相溶化剤は、水性液中に分散された形、好ましくは、溶解又は懸濁された形で存在する。
【0026】
特に好ましくは、本発明で使用される粒子の湿潤と充填は好ましくは真空下に1段階で行なわれる。そのため、複雑な湿潤手順に必要な時間が少なくてすみ、そのため時間が節約され、経費が節約される。
【0027】
充填に使用される水性液は好ましくは水である。
【0028】
本発明は、前記充填リザーバの貯水リザーバとしての使用も提供する。
【0029】
本発明はまた、例えば揮発性有機化合物及び/又は臭気発生物質のような揮発性成分をプラスチックから除去する連行剤を供与するために、特に、例えば再生物のようなプラスチックから望ましくない揮発性で場合により臭気を発生する化合物を除去する連行剤を供与するために前記充填リザーバを使用することに関し、そうして、再生物から製造されたプラスチック製品からの前記汚染物質の発生を減じる。又は、本発明は、プラスチック中間体及び/又はプラスチック製品に助剤を均一にドーピングする連行剤を供与するために充填リザーバを使用することにも関する。
【0030】
プラスチック内への助剤のこのような添加のために、充填水性液は、本発明で使用される相溶化剤の他に、防曇剤、抗酸化剤、難燃剤、滑剤、光安定剤、熱安定剤及び他の安定剤、UVフィルター、離型剤、帯電防止剤、発泡剤、耐衝撃改良剤、染料、充填剤、蛍光漂白剤及びレオロジー添加剤からなる群から選択される助剤を含んでもよい。
【0031】
また、本発明は、土壌改良、灌漑、肥沃化及び/又は植物保護のために、水性液が充填されたリザーバを使用することに関しており、その充填物は、用途に応じ、肥料、植物保護剤又は殺虫剤及び/又は成長促進剤を含む。
【0032】
更に、本発明は、本発明のリザーバ、好ましくは水が充填されたリザーバを加湿及び/又は空調のために使用することに関する。
【0033】
水性液、好ましくは水が充填された本発明のリザーバの全ての意図された用途のために、充填リザーバの保管の間の微生物によるコロニー形成を阻止する殺生物剤を充填物が含むと有利である。
【0034】
本発明は、更に、加工の際、再生プラスチックから製造される品目からの揮発性有機化合物及び/又は臭気発生物質の放出を阻止する又は減じるために連行剤供与体として本発明の充填リザーバを用いる再生プラスチックの処理プロセスを提供する。
【0035】
以下の実施例を用いて、本発明を更に説明するが、これは本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0036】
相溶化剤
以下の表1に列記した一般式(I)の化合物を相溶化剤として使用した。
【表1】

【0037】
例1
タンブラーミキサーを使用して、平均サイズ3mm×3mm、多孔度70容積%、及び平均孔径20〜80μmの多孔質ポリプロピレン(PP)粒子700gに、CA1(表1)の0.08重量%濃度の水溶液1300g(=相溶化剤0.1重量%(未充填粒子の総重量に基づく)=相溶化剤0.06重量%(充填リザーバの総重量に基づく))を充填した。充填時間は90分であり、充填リザーバの総重量に基づき65重量%の水が吸収された。
【0038】
例2〜7
例1に従って(0.08重量%濃度の水溶液)、表2に列記した他の多孔質粒子に充填した。その際、水充填(重量%で記載)は、それぞれ本発明の充填リザーバの総重量に基づく。
【表2】

【0039】
多孔質粒子について充填レベル及び充填時間の決定:
充填レベル及び特有の充填時間の決定は、調査すべき材料の多孔度(容積による)が公知であることを前提とする。調査すべき材料約10g〜30gを計量して500mlガラスフラスコにいれる。粒子に添加すべき水の量、即ち添加すべき水の容積は、粒子の多孔度又は計量してフラスコに入れた量の粒子の孔容積からそれぞれ決定される。この場合、粒子の孔容積は、計量してフラスコに入れられた量、ポリマーの密度ρ及び多孔度εから決定することができる。第一ステップでは、粒子による水の完全な吸収が期待できるほどの量の水を材料に計量導入する。この目的のために、添加された水の容積は粒子について決定された孔容積の約60%に相当する。
【0040】
水の添加後に、粒子を含有するガラスフラスコは、好適な混合装置、例えば25℃に制御された水浴を使用する回転蒸発器に接続する。次いで、粒子の外部が乾燥し良好な流動性を有するまで混合を継続する。ストップウォッチを使用して混合プロセスの開始から水の吸収が完了するまでの充填時間を測定する。
【0041】
次いで、ガラスフラスコを混合装置から取り外し、孔容積の5%に相当する量の水を更に添加する。次いで混合を繰り返し、再びストップウォッチを使用して、粒子によるこの量の水の完全な吸収のために必要な時間を同様に測定する。
【0042】
粒子が水で飽和されるまでこの手順を繰り返し、その際、孔容積の5%に相当する水の量が材料に毎回計量導入される。この場合、飽和とは、3時間の総充填時間後ですら、まだ少量の水がガラスフラスコの壁に観察できる及び/又は粒子の粘結が多少観察できる状態と定義される。この場合、特徴的充填時間と考えられる時間は、水の量が完全に粒子により吸収される期間のそれぞれに対して、ストップウォッチにより測定された充填時間の合計である。次いで、飽和粒子は再び計量し、最初の重量を差し引くことにより粒子により吸収された水の総量が決定される。粒子の充填レベルは、不飽和粒子の重量に対する粒子により吸収される水の総量の割合から重量%で得られる。
【0043】
例8−PP再生物の官能検査
連行剤を供与するために、相溶化剤としてCA1を含む水性充填物を備えた、例1のようにして製造されたリザーバを、総重量に対して、それぞれ、0.5重量%、1重量%、1.5重量%、2重量%、2.5重量%又は3重量%で用い、押出器中200℃で、ポリプロピレン再生物から揮発成分を除去して、ペレットに加工した。揮発成分を除去した各ペレットの標本を、VDA 270“Bestimmung des Geruchsverhaltens von Werkstoffen der Kraftfahrzeuginnenausstattung”[車両の内装材料の臭気特性の決定]により、保管後にその臭気特性についてテストした。VDA 270試験法は、臭気を査定する検査職員を使用することにより、温度及び湿度の特定の条件下での保管後にプラスチックからの臭気放出を測定する確立した方法である。その際、評価尺度は1から6までである。
【0044】
テストのために、連行剤で処理されていない標本0及び連行剤で処理された標本1〜6を、VDA270の変法3により準備し、テストリザーバとしての無臭シール及びカバー付ガラスリザーバ中に2時間±10分の期間、温度80±2℃で保管した。VDA 270変法3の保管期間に従うために、材料を入れたテストリザーバを連続して炉中に保管した。
【0045】
臭気テストのために、各標本は、保管後、3人の検査職員によりチェックされた。下記表3は、テスト結果を示す。
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性液が充填され、多孔質の自由流動性粒子から構成されるリザーバであり、前記粒子は好ましくは疎水性ポリマーから形成されているリザーバであって、前記水性充填物は、一般式(I):
【化1】

[式中、
は、炭素原子1〜6個を有するアルキル部分であり、
A及びBは、同じか又は異なるものであり、炭素原子1〜6個を有するアルキル部分又は式:−Z−R−Rの基であり、式中、
Zは、式:−C2r−O−の部分であり、但し、rは、1〜10の整数、好ましくは1〜4の整数、特に好ましくは3であり、
は、式:−(CHO−)(CO−)の部分であり、但し、mは、0又は1〜4の整数であり、nは、1〜12の整数であり、それぞれn回及びm回繰り返される単位の配列は、ブロックタイプ又はランダムであってよく、
は、OH基又は炭素原子1〜6個を有するアルキル部分であり、
xは、0又は1〜3の整数であり、
yは、0又は1〜3の整数である]の相溶化剤少なくとも1つを含み、但し、前記相溶化剤は、常に、式:−Z−R−Rの基を少なくとも1つ有することを特徴とするリザーバ。
【請求項2】
が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びn−プロピルからなる群から選択される部分であり、n、m、x、y、r、A、B、Z、R及びRが、請求項1に記載のものを表すことを特徴とする請求項1に記載の充填リザーバ。
【請求項3】
Aが、メチル部分又は式:−Z−R−Rの基であり、
Bが、メチル部分であり、
が、式:−(CHO−)又は−(CHO−)(CO−)の部分であり、
mが、1又は2であり、
nが、5、6、7、8、又は9であり、
x、y、r、Z及びRが、請求項1に記載のものを表すことを特徴とする請求項1又は2に記載の充填リザーバ。
【請求項4】
前記粒子が、ポリオレフィン、好ましくはポリエチレン又はポリプロピレン、ポリカーボネート、フルオロポリマー、ポリスチレン、ポリエステル又はポリアミドから構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の充填リザーバ。
【請求項5】
前記粒子の多孔度が、少なくとも30容積%、好ましくは50〜80容積%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の充填リザーバ。
【請求項6】
前記粒子の平均サイズが、10〜10000μmであり、前記粒子の平均孔径が、0.5〜500μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の充填リザーバ。
【請求項7】
前記相溶化剤の存在量が、充填リザーバの総重量に基づいて0.01〜5重量%であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の充填リザーバ。
【請求項8】
前記リザーバへの水性液、好ましくは水の充填量が、充填リザーバの総重量に基づいて少なくとも30重量%、更に好ましくは少なくとも50重量%、特に好ましくは少なくとも60重量%であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の充填リザーバ。
【請求項9】
前記水性液が、水であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の充填リザーバ。
【請求項10】
前記水性充填物が、前記水性液の総重量に基づいて、相溶化剤少なくとも1つをたかだか4重量%含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の充填リザーバ。
【請求項11】
前記水性液充填物が、前記水性液の総重量に基づいて、相溶化剤少なくとも1つを0.1重量%含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の充填リザーバ。
【請求項12】
前記水性液充填物が、相溶化剤少なくとも1つの他に、少なくとも1つの植物保護剤、殺虫剤又は肥料、及び/又は、その他の成長促進剤を含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の充填リザーバ。
【請求項13】
前記水性液が、相溶化剤の他に、少なくとも1つのプラスチック助剤を含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の充填リザーバ。
【請求項14】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の充填リザーバの貯水リザーバとしての使用。
【請求項15】
プラスチックから揮発性成分の除去のために、プラスチック、特に再生物質、から揮発性有機化合物及び/又は臭気発生物質の除去のために、プラスチック助剤の均一な添加のために、連行剤を供与することへの、請求項11又は13に記載の充填リザーバの使用。
【請求項16】
土壌改良、灌漑、肥沃化及び/又は植物保護のための請求項11又は12に記載の充填リザーバの使用。
【請求項17】
加湿及び/又は空調への請求項14に記載の充填リザーバの使用。
【請求項18】
請求項1乃至11及び14のいずれか1項に記載の充填リザーバを、製造工程の間に添加することにより、プラスチック再生物質から製造されるプラスチック品目からの揮発性有機化合物及び/又は臭気発生物質の放出を、減じる又は阻止する方法。

【公表番号】特表2011−501695(P2011−501695A)
【公表日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529284(P2010−529284)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【国際出願番号】PCT/EP2008/008713
【国際公開番号】WO2009/049867
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(596089399)ビック−ケミー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (21)
【Fターム(参考)】