説明

貯湯式給湯システム

【課題】使用湯量の実態をユーザーに分かり易く知らせることができる貯湯式給湯システムを提供すること。
【解決手段】本発明の貯湯式給湯システムは、湯を貯える貯湯タンクと、湯の使用量を検出する使用湯量検出手段と、使用湯量検出手段により検出される、時間帯ごとの湯の使用量の実績を記憶する記憶手段と、湯が使用された場合に、その用途を判別する用途判別手段と、記憶手段に記憶された時間帯ごとの湯の使用量の情報と、用途判別手段により判別された用途の情報とを併せてユーザーに提示可能なユーザーインターフェース装置と、を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯式給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
貯湯式給湯システムは、瞬間式給湯システム等と比べて、加熱手段の加熱能力が比較的小さい場合や、加熱手段の起動時における能力の立ち上がりが遅い場合に適用されるシステムである。
【0003】
また、貯湯式給湯システムは、給湯負荷の発生に対して湯切れを生じることのないように、事前に加熱手段により沸き上げられた給湯用の湯を貯湯タンクに貯めておき、当該貯湯タンクから給湯を行うシステムである。
【0004】
また、貯湯式給湯システムは、事前に湯を貯湯タンクに貯めるシステムであるため、ユーザーによる湯の使用に際して湯が不足しないよう、湯の使用が予想される時間より早く湯を貯める必要があるが、湯を貯めるタイミングが早いほど貯湯タンクからの放熱によって省エネルギー性が悪化するシステムである。
【0005】
また、ユーザーの使用湯量を学習する機能を有する貯湯式給湯システムもあるが、バラツキを考慮するために、学習値に対し多めの沸き上げマージンを確保して貯湯を行うため省エネルギー性が悪化する傾向がある。
【0006】
特許文献1には、集合住宅の集中型の予約給湯システムにおいて、情報表示部分と給湯予約時刻を入力する給湯予約装置とを有する情報表示端末を各住戸ごとに設置し、入力された給湯予約時刻に基づいて集中型熱供給設備を制御する技術が開示されている。
【0007】
また、従来の貯湯式給湯システムとしては、例えば、予め記憶されている複数の運転パターンのいずれかを選択的に設定する給湯装置用リモートコントローラを備えるものが知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平1−127817号公報
【特許文献2】特開2009−36489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の貯湯式給湯システムでは、使用湯量などの表示、給湯予定時刻の直接入力、加熱手段の運転パターンの選択などはできたが、ユーザーは限られた運転パターンの中から運転パターンを選択しなければならず、各ユーザーの使用形態に合った最適な運転パターンで加熱手段を運転することは困難であった。
【0010】
また、浴槽追焚運転では、貯湯タンク内の湯を直接出湯するのではなく、貯湯タンクに貯えられた湯と浴槽の湯とを熱交換器に導き、貯湯タンクに貯えられた湯の熱によって浴槽の湯を間接的に加熱する。このため、一般ユーザーにとっては、浴槽追焚運転のために貯湯タンクの使用湯量が何リットル必要であるかという相関が理解しづらく、使用湯量を適切に設定することが困難であった。
【0011】
本発明は、使用湯量の実態をユーザーに分かり易く知らせることができる貯湯式給湯システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る貯湯式給湯システムは、湯を貯える貯湯タンクと、湯の使用量を検出する使用湯量検出手段と、使用湯量検出手段により検出される、時間帯ごとの湯の使用量の実績を記憶する記憶手段と、湯が使用された場合に、その用途を判別する用途判別手段と、記憶手段に記憶された時間帯ごとの湯の使用量の情報と、用途判別手段により判別された用途の情報とを併せてユーザーに提示可能なユーザーインターフェース装置と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、使用湯量の実態をユーザーに分かり易く知らせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の貯湯式給湯システムの実施の形態1を示す構成図である。
【図2】図1に示す貯湯式給湯システムにおける制御部と各機器との接続関係を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。
【図4】貯湯タンク内の一日の残湯量変化を表す図である。
【図5】給湯負荷使用予定量パターンの設定方法を表す図である。
【図6】カレンダー表示画面を示す図である。
【図7】過去の実績に基づく一日の時間帯ごとの湯の使用量の情報を参照する場合の表示画面を示す図ある。
【図8】湯の使用時における表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0016】
実施の形態1.
[機器構成]
図1は、本発明の貯湯式給湯システムの実施の形態1を示す構成図である。図1に示すように、本実施形態の貯湯式給湯システムは、貯湯ユニットAと、加熱手段としての熱源ユニットBと、リモコン(リモートコントローラ)7とを有している。貯湯ユニットAは、貯湯タンク1と、一般給湯側混合弁2aと、風呂給湯側混合弁2bと、減圧弁3と、電磁弁4と、制御部10と、水ポンプ14a,14b,14cと、風呂追焚熱交換器15と、断熱材20と、後述するセンサ類とを有しており、これらの要素が金属製の外装ケース30に収められている。貯湯タンク1は、ステンレスなどの金属製もしくは樹脂などで構成される。貯湯タンク1の外側には、断熱材20が配置されており、高温の湯(以下、高温水とも称する)を長時間保温することができる。風呂追焚熱交換器15の1次側には貯湯タンク1の上部からの往き配管と貯湯タンク1の中間部への戻り配管が接続されており、2次側には浴槽5との往復配管が接続されている。風呂追焚熱交換器15の1次側および2次側流路にはそれぞれポンプ14bおよび14cが接続されている。なお、図1に示す構成例では貯湯タンクの数が1つであるが、2つもしくはこれ以上の貯湯タンクを直列もしくは並列に接続し、貯湯ユニットA内に設置してもよい。
【0017】
熱源ユニットBは、市水温度の水(以下、水もしくは低温水と称する)を目標の貯湯温度まで昇温加熱する熱交換器などの加熱器(図示せず)が内蔵されている加熱手段である。熱源ユニットBは、例えばCOやHFCなどを冷媒としたヒートポンプであり、圧縮機(図示せず)、水と冷媒熱交換する水熱交換器(凝縮器、図示せず)、外気と熱交換する空気熱交換器(蒸発器、図示せず)、膨張弁(図示せず)などから構成されている。ただし、本発明における加熱手段は、ヒートポンプに限定されるものではない。本発明では、加熱手段を電気ヒーターなどに置き換えても良いし、加熱手段を貯湯タンク1に内蔵する構成としてもよい。
【0018】
風呂給湯側混合弁2bから給湯された給湯水は、浴槽5に貯留される。混合栓6は、一般給湯側混合弁2aから給湯された温水と、水源から供給される市水とを混合して給湯する。混合栓6には、シャワー(図示せず)などが接続される場合もある。
【0019】
リモコン7は、本貯湯式給湯システムとユーザーとの間で情報の入出力(給湯温度の設定や浴槽5への給湯の開始又は停止操作などを含む)を行うためのユーザーインターフェース装置である。リモコン7は、浴室用と台所用などの複数個設置してもよい。本実施形態のリモコン7は、タッチパネル(タッチスクリーン)71を有している。タッチパネル71は、表示装置と位置入力装置とを組み合わせた電子機器であり、画面上の表示に指を触れることで情報の入力が可能とされた装置である。リモコン7への入力方法は、タッチパネル71への入力のほか、ボタン操作、数値入力などが可能とされていてもよい。
【0020】
なお、本発明におけるユーザーインターフェース装置とは、電源のON/OFF、運転モードの選択、出湯温度の設定、現在の蓄熱量の表示、といった給湯機に必要なリモートコントロール機能を備えた従来の一般的なリモコンだけでなく、例えば通常のテレビの機能を有するとともに、制御部10と有線または無線のホームネットワークなどで接続されることによって、テレビの画面上や小型端末上に記録情報を表示させたり、現在の制御情報を表示させたりするようなことが可能となるものをも含む概念である。
【0021】
続いて、本貯湯式給湯システムの配管構成について説明する。水源から減圧弁3を経てシステムに流入する市水温度の水は、貯湯タンク1と、混合弁2a,2bと、混合栓6とに、それぞれ供給される。貯湯タンク1の下部には市水の導入管と、貯湯タンク1内の下部の水を熱源ユニットBへ送水するための管とが接続されている。貯湯タンク1の下部から送水された水は、熱源ユニットBで目標温度まで加熱昇温されて、熱源ユニットBから貯湯タンク1の上部へと繋がる配管を経て貯湯タンク1内の上部に戻される。貯湯タンク1と熱源ユニットBとの間の水の循環はポンプ14aにて行われる。なお、ポンプ14aは熱源ユニットB内に内蔵する構成としてもよい。
【0022】
貯湯タンク1の上部には出湯用の配管が接続されており、この配管を通って貯湯タンク1から出た高温水は2つに分岐して一般給湯側混合弁2aと風呂給湯側混合弁2bとに分配される。一方、混合弁2a,2bの水側入口には水源からの水配管がそれぞれ接続されている。混合弁2a,2bは、それぞれ、高温水と低温水とを混合して温度調節することによって温水を生成し、給湯を行う。風呂側は、風呂給湯側混合弁2bと浴槽5とが電磁弁4を経由して配管接続されており、風呂給湯側混合弁2bから給湯された温水が浴槽5に溜まる構成となっている。また、一般給湯側は、一般給湯側混合弁2aから給湯された温水が、混合栓6にて水源からの水と更に混合された上で、給湯される。なお、図1の例では、混合栓6が1つであるが、混合栓6は、例えば台所や洗面所の蛇口、浴室のカラン兼シャワーなどに接続されるものであり、2つ以上の複数でもよく、混合弁の数を増やしてそれぞれの混合栓6に対応する構成としてもよい。また、混合弁2a,2bは、例えばサーボモータ等の駆動源により弁体を駆動する電動弁であり、弁体が動くことにより高温水と水の混合比率を調整して給湯温度を制御できる構造のものである。
【0023】
次に、貯湯ユニットAに設けられたセンサ類と制御部10について説明する。混合弁2a,2bの出口側には給湯流量を検出する流量センサが設けられている。すなわち、一般給湯側混合弁2aの出口側には流量センサ11aが設けられ、風呂給湯側混合弁2bの出口には流量センサ11bが設けられている。また、貯湯タンク1内の水を沸き上げる際に熱源ユニットBと貯湯タンク1との間を循環する水の流量を計測する流量センサ11cと、風呂追焚熱交換器15と貯湯タンク1との間を流れる1次側流路の水流量を計測する流量センサ11dとが設けられている。そして、配管内を流れる湯水の温度を検出する温度センサとして、混合弁水側入口の水温計測用の温度センサ12cと、混合弁高温水側入口の高温水温度計測用と貯湯タンク1最上部の温度計測用とを兼用する温度センサ13aと、一般給湯側混合弁2a出口側の給湯温度計測用の温度センサ12aと、風呂給湯側混合弁2b出口側の給湯温度計測用の温度センサ12bと、熱源ユニットBにて加熱昇温された湯の沸上温度計測用の温度センサ12dと、風呂追焚熱交換器15の1次側から貯湯タンク1へ戻る水温を計測する温度センサ12fと、浴槽5から風呂追焚熱交換器15の2次側に送られる水温を計測する温度センサ12eとが設けられている。また、貯湯タンク1には、温度センサ13aに加えて、貯湯タンク1の高さごとにおける貯湯水温計測用の温度センサ13b〜13gが設けられている。制御部10は、これらの温度センサ13a〜13gの検出温度に基づいて、貯湯タンク1内の貯湯量(残湯量)を検出することが可能である。なお、各温度センサの設置方法としては、配管やタンクの表面にろう付け、溶接、ねじ固定、フォルダ固定するなどの方法や、水温を直接測るように配管やタンクの内部にセンサを内没させる設置方法などでもよい。
【0024】
図2は、制御部10と各機器との接続関係を示す図である。図2に示すように、制御部10は、センサ類、リモコン7、熱源ユニットB、混合弁2a,2b、および電磁弁4の各々に対し、通信ケーブルにより有線接続されており、信号の授受が可能となっている。なお、制御部10と、各機器との通信は、無線経由としてもよい。
【0025】
制御部10は、貯湯ユニットAに内蔵されており、温度、流量などのセンサ類の出力に基づいて計測を行う測定部(図示せず)と、測定結果に基づき演算、比較、判定などの処理を行う演算部(図示せず)と、演算結果に基づき、弁類などを駆動するための駆動部(図示せず)と、熱源ユニットBへの運転情報などを送受信する送受信部(図示せず)とを含んで構成されている。また、演算部によって得られた結果や予め定められた関数などを計算する近似式やテーブルなどを記憶する記憶部(図示せず)も内蔵しており、必要に応じてこれらの記憶内容を参照、書き換えることが可能である。上記測定、演算、駆動などの処理はマイコンにより処理され、記憶部は半導体メモリーなどによって構成される。また、制御部10には、マイコンによる処理結果をLEDやモニターなどにより表示したり、警告音などを出力したり、電話回線、LAN回線、無線などの通信手段(図示せず)により遠隔地へ情報を出力する出力部(図示せず)や、リモコンや基板上のスイッチ類からの操作入力、もしくは電話回線、LAN回線、無線などの通信手段(図示せず)からの通信データ情報を入力する入力部(図示せず)がある。なお、上記構成例では、制御部10を貯湯ユニットAに内蔵する構成としたが、貯湯ユニットAにメイン制御部を、熱源ユニットB側に制御部の機能の一部を持つサブ制御部を設けて、メインとサブ間ではデータ通信を行うことにより連携処理を行う構成や、リモコン7にそれらの機能を持たせる構成、これらの外部に制御部を別置する形態などとしてもよい。
【0026】
本実施形態における制御部10は、更に、残湯量検出手段101と、給湯負荷算出手段102と、運転計画作成手段103と、運転制御手段104と、用途判別手段105とを含んで構成されている。
【0027】
残湯量検出手段101は、温度センサ13a〜13gで検出される水位と温度情報とに基づいて、貯湯タンク1内の残湯量(例えば、貯湯タンク1内に保有する42℃換算の湯量など)を算出する。なお、残湯量は湯の温度と湯量とから算出することができる。また、残湯量としては、リモコン7から指定される給湯設定温度に基づいて、貯湯タンク1内に存在する、給湯に利用可能な残湯量を算出するようにしてもよい。
【0028】
給湯負荷算出手段102は、タイマーと、温度センサおよび流量センサの出力とに基づいて、負荷側への給湯の有無を検知するとともに、単位時間(例えば1秒)当たりに負荷側に供給された熱量の実績とその積算値とを算出する。すなわち、給湯負荷算出手段102は、温度センサ12aおよび流量センサ11aの出力に基づいて一般給湯側混合弁2aから出湯した熱量を算出することができ、温度センサ12bおよび流量センサ11bの出力に基づいて風呂給湯側混合弁2bから出湯した熱量を算出することができ、温度センサ13a,12fおよび流量センサ11dの出力に基づいて浴槽追焚運転により消費された熱量を算出することができる。
【0029】
本実施形態では、上述した残湯量検出手段101または給湯負荷算出手段102が、湯の使用量を検出する使用湯量検出手段に相当している。
【0030】
前述した制御部10の記憶部(記憶手段)は、残湯量検出手段101および給湯負荷算出手段102の算出結果といった貯湯タンク1の残湯量に関する情報や負荷側へ貯湯タンク1から供給した湯量やその熱量に関する情報を記憶(記録)する。
【0031】
運転計画作成手段103は、使用予定量パターン(詳細後述)に基づいて熱源ユニットBの運転計画(詳細後述)を算出し、この運転計画に基づいて熱源ユニットBの起動時刻等を決定する。運転制御手段104および用途判別手段105については後述する。
【0032】
[貯湯動作説明]
貯湯タンク1の下部に接続された配管から取り出された低温水は、熱源ユニットBに送られ、沸き上げられて高温水となり、配管を経て貯湯タンク1へ戻り、上部から貯湯タンク1内に流入する。このように、熱源ユニットBと貯湯タンク1との間では循環回路が形成されて、貯湯タンク1内の低温水は順次高温に沸き上げられて貯湯タンク1に貯湯される。この貯湯運転(沸き上げ運転)は、基本的には電力料金が安価な夜間に行われるが、昼間に貯湯熱量が不足する場合には、昼間にも運転を行うことで(追加沸き上げ)、湯切れを防ぐことが可能となる。また、昼間の運転率を予め設定する場合もある。
【0033】
[給湯動作説明]
(一般給湯側への給湯動作)
一般給湯側への給湯温度は、予めリモコン7にて設定することが可能である。混合栓6を開くと、制御部10は、一般給湯側の温度センサ12aでの検出温度が、設定されている給湯温度となるように、一般給湯側混合弁2aを制御して、貯湯タンク1上部から給湯した高温水と、水源からの水とを混合する。
【0034】
(風呂給湯側への給湯動作)
浴槽5への給湯温度は、予めリモコン7にて設定することが可能である。湯張りを行うためには、まずリモコン7で、湯張りスイッチを押す。これにより湯張りの指令が出力され、制御部10が、風呂側の温度センサ12bでの検出温度が設定された浴槽湯温となるように風呂給湯側混合弁2bを制御するとともに、電磁弁4を開いて浴槽5への湯張りを開始する。浴槽5への湯張り開始後、浴槽側の流量センサ11bにより、積算流量をカウントし、リモコン7で予め設定された浴槽湯量に到達するまで、湯張りを継続する。積算流量が、設定された浴槽湯量に到達すると、電磁弁4を閉じて湯張りを完了する。
【0035】
(浴槽水の追焚動作)
リモコン7からの指令により、浴槽5内の湯水(以下、「浴槽水」と称する)が冷めたときにこれを加熱するための追焚運転が実行される。浴槽追焚運転が開始されると、風呂追焚熱交換器15の1次側および2次側流路に接続されているポンプ14bおよび14cが駆動する。これにより、貯湯タンク1からの高温水と浴槽5の湯水とを熱交換することが可能となり、浴槽水を加熱することができる。このとき、貯湯タンク1側には浴槽水と熱交換した後の中温水(40〜60℃程度)が貯湯タンク1の上下方向中間部もしくは下部の配管接続部より戻される。貯湯タンク1内では、配管接続部の貯湯タンク1内の湯水と風呂追焚熱交換器15からの戻り湯水との混合が行われ、両者の温度差異により貯湯タンク1内の温度分布が複雑に変化する。なお、本発明において「追焚」とは、浴槽水の温度を上昇させることのみならず、浴槽水を保温することをも含む概念である。
【0036】
[使用予定量設定モード]
以上、本発明の実施の形態1における貯湯式給湯システムの構成を説明した。次に、本実施の形態1における貯湯式給湯システムの動作について図3のフローチャートと図4の一日の残湯量変化を表す図を用いて説明する。まず全体の動作工程について説明した後に、各工程について詳細に説明する。
【0037】
図3では、ユーザーが運転モードとして「使用予定量設定モード」を選択した場合(S1)の動作を説明している。運転モードはリモコン7から選択可能である。なお、この他の運転モードとしては、例えば、使用湯量の学習を自動で行い、使用湯量に合わせて自動的に貯湯タンク1の沸き上げ運転を行う「おまかせモード」や、「おまかせモード」より湯の使用量が多めの場合に選択する「多めモード」などがある。これらは従来技術であり、詳細な説明を省略する。
【0038】
使用予定量パターンとは、一日の時間帯ごとの湯の使用量の予定を表すものである。後述するように、ユーザーは、リモコン7を操作することにより、使用予定量パターンを設定することができる。本実施形態では、使用予定量パターンとして、浴槽追焚運転以外の通常の給湯(以下、「通常給湯」と称する)による湯の使用量の予定を表す給湯負荷使用予定量パターンと、浴槽追焚運転による湯の使用量の予定を表す浴槽追焚負荷使用予定量パターンとを別個に設定可能になっている。
【0039】
S2では、給湯負荷使用予定量パターンを設定する。設定方法としては、過去の使用湯量の実績を参照し、必要に応じてこれを修整した後に確定する方法などがある(詳細後述)。続いて、S3では、浴槽追焚負荷使用予定量パターンを設定する(詳細後述)。S4では、設定した給湯負荷使用予定量パターンと浴槽追焚負荷使用予定量パターンとを合成し、合計給湯負荷使用予定量パターンを作成する。最後にS5で、合計給湯負荷使用予定量パターンに基づいて、夜間沸き上げ運転開始時刻Tsnと、昼間沸き上げ運転開始時刻Tsdとを算出する(詳細後述)。
【0040】
図4は、貯湯タンク1内の一日の残湯量変化を表す図であり、横軸が時刻、縦軸が残湯量である。残湯量は午前7時までの深夜時間帯に熱量Q1の沸き上げを行うことにより上昇し、昼間の湯の使用により徐々に低下する。夜間と昼間の運転率を設定した場合、昼間に熱量Q2の追加沸き上げを行う(昼間の運転率=Q2÷(Q1+Q2))。図4の例では昼間にQ2の追加沸き上げを行うことで、一日の合計給湯負荷Q0を賄っている(Q2がない場合は破線となり、湯切れとなる)。一日の給湯が終了する23時直前の残湯量は、Qz(余剰残湯量)である。Qz>0であれば湯切れはない。
【0041】
続いて、ユーザーが使用予定量パターンを設定する方法と、設定された使用予定量パターンに基づき熱源ユニットBの運転計画を作成する方法について説明する。
【0042】
[給湯負荷使用予定量パターン設定方法]
図5は、給湯負荷使用予定量パターンの設定方法を表す図であり、リモコン7のタッチパネル71に表示される設定画面の例である。図6は、リモコン7のタッチパネル71に表示されるカレンダー表示画面の例である。図5に示す画面では、一日(24時間)を1時間ごとに区切った時間帯を横軸にとり、縦軸に使用予定量(例えば42℃換算のリットル数)をとり、各時間帯ごとの使用予定量を棒グラフで表すことにより、給湯負荷使用予定量パターンが表現されている。図5に示すように、ユーザーは、画面に指を触れ、棒グラフを横に移動することによって湯の使用予定時間帯を変更したり、棒グラフの長さを変えることによって使用予定量を変更したりすることができる。その後、図示しない確定ボタンに触れることにより、給湯負荷使用予定量パターンを設定することができる。このようにして、ユーザーは、感覚的な操作が可能であり、容易且つ迅速に給湯負荷使用予定量パターンを修整、設定することができる。なお、図5に示す例では、1時間ごとに時間帯を区切っているが、本発明では、時間帯の刻みの幅は1時間に限定されるものではなく、例えば30分、10分などとしてもよい。また、時間帯の刻みの幅をユーザーが切り替えられるようにしてもよい。これらの点は、後述する図7、図8に示す例についても同様である。
【0043】
本実施形態では、例えば曜日によって湯の使用量が異なる場合などに対応するために、複数の使用予定量パターンを設定可能となっている。すなわち、平日パターンと休日パターンとが設定可能であり、それぞれについて平日パターン1,2,3,・・・、休日パターン1,2,3,・・・のように複数のパターンを設定することが可能である。図5に示す例は、平日パターン1を設定する場合を示している。ユーザーは、図5に示す画面中のボタンに触れて、平日パターンと休日パターンとの切り替えおよび番号の選択を行うことにより、平日パターン1以外の使用予定量パターンを同様にして設定することができる。複数の使用予定量パターンを設定した場合、ユーザーは、それら複数の使用予定量パターンのうちから日ごとに1つの使用予定量パターンを選択して割り当てることにより、スケジュールを立てることが可能とされている。図6に示すカレンダー表示画面をタッチパネル71に表示することにより、そのスケジュールを参照、設定することができる。
【0044】
図6に示すカレンダー表示画面では、色付きのセルが既に経過した日、もしくは当日を表し、白色のセルが今後の予定を表している。各日のセルには、その日に割り当てられた使用予定量パターンの名称(平日1,平日2,休日1,休日2など)が表示されている。更に、過去のセルには使用湯量の実績値(例えば42℃換算のリットル数)が更に表示され、当日のセルには現在までの使用湯量が表示されている。特定の日のセルをタッチすることで、その日に割り当てられた使用予定量パターンを表示したり、その日の使用湯量の実績値の詳細(図8、詳細後述)を表示したり(過去のセルの場合)、割り当てる使用予定量パターンを変更したり(明日以降のセルの場合)するなど、詳細な設定や情報を見ることができる。本実施形態では、このようなスケジュールを予め設定することができるので、使用湯量が日によって変化する場合であっても、使用予定量パターンをその都度変更する煩わしさがなく、日ごとの使用湯量に応じた適切な使用予定量パターンに従って熱源ユニットBの運転を制御することができる。
【0045】
図5に示す例は、給湯負荷使用予定量パターンの設定画面を表しているが、同様にして浴槽追焚負荷使用予定量パターンの設定画面を表示することができる。給湯負荷使用予定量パターンの設定画面と浴槽追焚負荷使用予定量パターンの設定画面との表示の切り替えは、図5に示す画面中のボタンに触れることによって行うことができる。浴槽追焚負荷使用予定量パターンについても、平日パターン1,2,3,・・・、休日パターン1,2,3,・・・のように複数のパターンを設定することが可能である。図6のカレンダー表示画面についても、給湯負荷使用予定量パターン用と、浴槽追焚負荷使用予定量パターン用との2種類があり、図5の設定画面において何れを表示するかを選択することができる。このように、給湯負荷使用予定量パターンと浴槽追焚負荷使用予定量パターンとを別々に設定することにより、ユーザーは湯の使用予定が立て易くなり、より適切な使用予定量を設定することができる。
【0046】
時間帯ごとの実際の湯の使用量は、残湯量検出手段101または給湯負荷算出手段102の算出値から求めることができる。通常給湯による湯の使用量は、一般給湯側混合弁2aもしくは風呂給湯側混合弁2bから出湯したときの残湯量変化量または給湯負荷算出手段102の熱量積分値として求めることができる。浴槽追焚運転による湯の使用量は、浴槽追焚運転の前後の残湯量変化量または給湯負荷算出手段102の熱量積分値として求めることができる。このようにして、通常給湯による湯の使用量と、浴槽追焚運転による湯の使用量とが時間帯ごとにそれぞれ検出され、別々に制御部10の記憶部に実績として記録される。この実績は、過去所定期間の分(例えば1ヶ月分)が記録される。
【0047】
使用予定量パターンを設定する場合には、新規に使用予定量パターンを作成することもできるが、上述したようにして制御部10の記憶部に記録されている過去の実績に基づく一日の時間帯ごとの湯の使用量の情報をタッチパネル71に表示(提示)し、その表示された情報をそのまま使用予定量パターンとして設定するか、または、その表示された情報をベースにユーザーが必要に応じて修整を加えたものを使用予定量パターンとして設定することもできる。
【0048】
このように、過去の実績に基づく一日の時間帯ごとの湯の使用量の情報を参照することで、使用実態に近い使用予定量パターンを容易に設定することが可能となる。また、ユーザーが過去の使用実態をベースに修整を加えることで、実績に基づき理想とする使用予定量パターンをイメージして設定することができる。
【0049】
図7は、過去の実績に基づく一日の時間帯ごとの湯の使用量の情報を参照する場合に使用するタッチパネル71の表示画面の例である。図7の画面は、図5の設定画面における「ベースパターン」のボタンに触れることで現れる。図7の画面では、過去数日間の実績に基づく一日の時間帯ごとの湯の使用量の情報を参照することが可能であり、参照する日数が設定可能であり、その期間の平均や最大を見ることができる。
【0050】
図7の画面では、18〜19時の使用湯量の棒グラフの近傍に浴槽のマークが表示されており、この時間帯に使用された湯の用途が浴槽湯張りであることを表している。また、19〜20時および22〜23時の使用湯量の棒グラフの近傍にそれぞれシャワーのマークが表示されており、これらの時間帯に使用された湯の用途がシャワーであることを表している。この浴槽のマークやシャワーのマークは、制御部10の用途判別手段105が自動的に判別した結果に基づいて表示される。浴槽湯張りの場合には、風呂給湯側混合弁2bから、例えば200リットル程度の大量の連続出湯が行われるという特徴がある。このため、用途判別手段105は、流量センサ11bで検出される出湯流量の傾向に基づいて、用途が浴槽湯張りであると判別することができる。また、シャワーの場合には、短時間に断続的に50リットル程度以上の湯が一般給湯側混合弁2aから出湯されるという特徴がある。このため、流量センサ11aで検出される出湯流量の傾向に基づいて、用途がシャワーであると判別することができる。
【0051】
このように、本実施形態では、浴槽湯張りやシャワーのような使用湯量の大きい所定の用途を用途判別手段105が自動的に判別し、過去の実績に基づく一日の時間帯ごとの湯の使用量の情報をユーザーに提示する際に、用途判別手段105により判別された用途の情報を上記マークのような視覚的に分かり易い表示によって併せて提示することができる。このため、ユーザーは、使用湯量の大きい主な用途を把握し、これらの使用湯量の実態を知ることで、生活パターンの認識、シャワーなど湯の使い過ぎの認識をすることができる。これにより、使用湯量を節約する意識をユーザーに喚起することができる。
【0052】
なお、用途判別手段105により判別された用途の情報は、後述する図8の画面においても表示するようにしてもよい。また、用途判別手段105により判別された用途の情報と、その使用湯量の実績とに基づいて、浴槽湯張りやシャワーの1回当りの平均使用量を算出し、タッチパネル71に数値もしくはグラフで表示可能としたり、更には一般的な平均使用量と比較して表示可能としてもよい。また、図6のようなカレンダー表示を行い、複数の特定日を選定し、それら特定日の平均や最大を出力することや、特定の日を除いた平均や最大を出力することを可能としてもよい。
【0053】
また、本実施形態において、浴槽追焚負荷使用予定量パターンを設定する場合には、湯の使用量をリットル数で指定するのではなく、追焚の使用時間もしくは使用時間帯(保温時間帯)を指定するようにしてもよい。浴槽5の容積の情報は、ユーザーによりリモコン7に予め入力されている。また、制御部10は、温度センサ12eの検出温度の実績に基づいて、浴槽水の温度低下率を学習し、記憶することができる。制御部10は、追焚の使用時間もしくは使用時間帯と、学習により取得した浴槽水の温度低下率と、浴槽5の容積情報とに基づいて、追焚に必要な熱量を算出することができる。すなわち、制御部10は、ユーザーが入力した追焚の使用時間もしくは使用時間帯の情報から、追焚の使用予定量を算出することができる。このように、追焚の使用時間もしくは使用時間帯によって浴槽追焚負荷使用予定量パターンを設定することができるため、ユーザーにとっては直感的に分かり易く設定することが可能となり、適切な設定を容易に行うことができる。
【0054】
[運転計画作成方法]
運転計画作成手段103は、翌日の給湯負荷使用予定量パターンおよび浴槽追焚負荷使用予定量パターンに基づき、次のようにして、熱源ユニットBの運転計画を作成する。まず、給湯負荷使用予定量パターンと浴槽追焚負荷使用予定量パターンとを各時間帯ごとに足し合わせることによって合成し、各時間帯ごとに必要となる給湯負荷の予定を表す合計給湯負荷使用予定量パターンを生成する。そして、この合計給湯負荷使用予定量パターンを積分することにより、一日の合計給湯負荷予定量[kWh]を算出する。続いて、この合計給湯負荷予定量[kWh]を熱源ユニットBの加熱能力[kW]で除算することにより、貯湯タンク1の沸き上げに必要な時間Y[h]を算出する。昼夜の運転率が設定されている場合(例えば、昼間:夜間=20:80)には、沸き上げに必要な時間Yに夜間運転率を乗じた数値が夜間時間帯沸き上げに必要な運転時間Yn[h]となる。夜間時間帯の終了時刻が午前7時の場合には、午前7時からYn時間を引いた時刻が、夜間沸き上げ運転開始時刻Tsnとなる(図4参照)。昼間沸き上げ運転開始時刻Tsdは、合計給湯負荷使用予定量パターンを一日の終了時刻(図4では23時)から遡って積分した値が昼間の追加沸き上げ熱量Q2より大きくなる時刻を求め、この時刻を昼間沸き上げ運転開始時刻Tsdとして設定する。このようにして昼間沸き上げ運転開始時刻Tsdを設定することにより、昼間の追加沸き上げにより沸き上げた湯を貯湯タンク1に保温する時間をなるべく短くすることができ、放熱ロスを低減することができる。
【0055】
なお、湯切れをより確実に防止するために、ユーザーが一日の給湯終了後に残る余剰残湯量Qzをリモコン7から設定できるようにしてもよい。この場合には、運転計画作成手段103は、合計給湯負荷使用予定量パターンを積分した値に、ユーザーにより設定された余剰残湯量Qzを加算した値を一日の合計給湯負荷予定量[kWh]として、上記の運転計画を作成する。
【0056】
運転制御手段104は、運転計画作成手段103により作成された運転計画に基づいて、熱源ユニットBの一日の運転を制御する。すなわち、夜間沸き上げ運転開始時刻Tsnに熱源ユニットBの駆動を開始し、午前7時に熱源ユニットBの駆動を停止し、昼間沸き上げ運転開始時刻Tsdに熱源ユニットBの駆動を開始し、昼間の追加沸き上げ熱量Q2を沸き上げた後、熱源ユニットBの駆動を停止する。
【0057】
図8は、湯の使用時におけるタッチパネル71の表示画面の例である。図8に示す画面においては、当日の使用予定量パターンに基づく時間帯ごとの湯の使用予定量と、残湯量検出手段101または給湯負荷算出手段102により検出された実績値(実際の使用湯量)とが、棒グラフにより、同時に表示されている。更に、画面の右端には、合計の使用予定量および実績値も表示されている。このような表示を行うことにより、ユーザーにとっては、各時間帯ごとの使用予定量と実績値との比較が一目で理解できる。これにより、ユーザーに対し、お湯を使いすぎないように注意して計画的にお湯を使用することを促すことができる。
【0058】
また、ユーザーがこの画面を見て、使用予定量に対し修正が必要な事態になったと判断した場合には、図5の画面を表示して、使用予定量パターンの再設定を行うことができる。これにより、熱源ユニットBの運転計画が修正され、昼間沸き上げ運転開始時刻Tsdが再計算される。その結果、昼間の追加沸き上げの開始が早められ、湯切れを回避することができる。
【0059】
また、ユーザーの実際の使用湯量のペースが使用予定量のペースより高い場合であっても、ユーザーが気付かないことも考えられる。そのような場合であっても湯切れを確実に防止するために、湯切れのおそれがあるか否かを自動的に予測し、湯切れのおそれがあると予測された場合には、熱源ユニットBの運転時間を追加するようにしてもよい。例えば、運転制御手段104は、実際の使用湯量のペースが使用予定量のペースより10%以上高い場合には、湯切れのおそれがあると予測し、使用予定量パターンを自動的に修正(不足分を増量)したり、あるいは運転計画の修正(昼間沸き上げ運転開始時刻Tsdを再計算)を行うことで、昼間の追加沸き上げ熱量Q2を増加させるように制御する。これにより、ユーザーの不注意による湯切れを確実に防止することができる。
【0060】
また、ユーザーの実際の使用湯量のペースが使用予定量のペースより大幅に(例えば20%以上)高い場合には、タッチパネル71の画面を点滅させる、警告音を出すなどの方法により、湯を使い過ぎであることの注意をユーザーに喚起してもよい。
【0061】
また、制御部10は、本貯湯式給湯システムの実働効率を算出することができる。算出された実働効率は図8の画面中に表示される。ユーザーは、この実働効率を見ることにより、現在のお湯の使い方の善し悪しや、環境への影響を常に意識することができる。期間当たり(例えば1日)の実働効率は、次式により求めることができる。
実働効率=給湯熱量÷合計電気入力量
ここで、給湯熱量は、給湯端末へ繋がる流量センサ11a,11bにて検出される流量、温度センサ12a,12bにて検出される給湯温度、市水温度、および給湯に要した時間から求められ、次式により与えられる。
給湯熱量=水密度×水比熱×水流量×温度差(給湯温度−市水温度)×給湯時間
また、合計電気入力量は、圧縮機、ファン、ポンプ、基板などの合計入力であり、実働効率を算出する対象期間の総合計である。合計電気入力量は、熱源ユニットB、貯湯ユニットAの各ワットメータ(図示せず)の積算値などから求めてもよいし、電流センサ(図示せず)の出力から推定してもよい。また、圧縮機、ポンプなどの運転特性から電気入力を推定し、積分してもよい。なお、給湯熱量は、貯湯タンク1の蓄熱量変化から算出する(給湯開始前の蓄熱量と終了後の蓄熱量との差が給湯熱量となる)など、他の手法を用いて求めてもよい。
【0062】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザーが使用予定量パターンを設定し、その使用予定量パターンに基づいて作成された運転計画に従って加熱手段(熱源ユニットB)の一日の運転を制御することができる。このため、ユーザーの使用形態に合った最適な加熱手段の運転が可能となるので、省エネルギー運転、省コスト運転を行うことができる。また、ユーザーは、当日の使用予定量と実績値とを比較して実態を知ることにより、努力(節約)の効果を目に見える形で実感することができる。このため、ユーザーは、お湯の使いすぎを抑制し、環境意識を高めることができる。また、湯切れ防止のため余剰残湯量を多めに設定せざるを得ない試験結果のカタログ数値よりも高い省エネルギー性能を、努力次第で発揮させることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 貯湯タンク、2a 一般給湯側混合弁、2b 風呂給湯側混合弁、3 減圧弁、4 電磁弁、5 浴槽、6 混合栓、7 リモコン、71 タッチパネル、10 制御部、11a,11b,11c,11d 流量センサ、12a,12b,12c,12d,12e,12f,13a、13b,13c,13d,13e,13g 温度センサ、14a,14b,14c ポンプ、15 風呂追焚熱交換器、A 貯湯ユニット、B 熱源ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯を貯える貯湯タンクと、
湯の使用量を検出する使用湯量検出手段と、
前記使用湯量検出手段により検出される、時間帯ごとの湯の使用量の実績を記憶する記憶手段と、
湯が使用された場合に、その用途を判別する用途判別手段と、
前記記憶手段に記憶された時間帯ごとの湯の使用量の情報と、前記用途判別手段により判別された用途の情報とを併せてユーザーに提示可能なユーザーインターフェース装置と、
を備える貯湯式給湯システム。
【請求項2】
出湯流量を検出する流量センサを備え、
前記用途判別手段は、前記流量センサにより検出される情報に基づいて、前記用途を判別する請求項1に記載の貯湯式給湯システム。
【請求項3】
前記ユーザーインターフェース装置は、前記用途判別手段により判別された用途の情報をマークとして表示する請求項1または2に記載の貯湯式給湯システム。
【請求項4】
前記ユーザーインターフェース装置は、前記記憶手段に記憶された時間帯ごとの湯の使用量の情報をグラフとして表示し、該グラフと併せて前記マークを表示する請求項3に記載の貯湯式給湯システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−50304(P2013−50304A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−271346(P2012−271346)
【出願日】平成24年12月12日(2012.12.12)
【分割の表示】特願2010−245485(P2010−245485)の分割
【原出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)