貸金庫ボックスの宅配サービス方法及び宅配管理システム
【課題】利用者が、金融機関等の貸金庫設置場所にまで行かなくとも、貸金庫ボックスを利用できるようにすること。
【解決手段】貸金庫内の貸金庫ボックスを、利用者に宅配するための貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、(a)利用者による貸金庫ボックスの宅配リクエストが通信網を介して宅配管理サーバに入力されるステップと、(b)前記宅配管理サーバが、前記宅配リクエストに応じて、宅配スケジュール記憶部に記憶された宅配スケジュール情報に基づいて、宅配日時を決定するステップと、(c)前記宅配管理サーバが、通信網を介して、前記決定された宅配日時を利用者に通知するステップと、(d)前記宅配管理サーバが、通信網を介して、前記決定された宅配日時を宅配者に通知するステップとを備える。
【解決手段】貸金庫内の貸金庫ボックスを、利用者に宅配するための貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、(a)利用者による貸金庫ボックスの宅配リクエストが通信網を介して宅配管理サーバに入力されるステップと、(b)前記宅配管理サーバが、前記宅配リクエストに応じて、宅配スケジュール記憶部に記憶された宅配スケジュール情報に基づいて、宅配日時を決定するステップと、(c)前記宅配管理サーバが、通信網を介して、前記決定された宅配日時を利用者に通知するステップと、(d)前記宅配管理サーバが、通信網を介して、前記決定された宅配日時を宅配者に通知するステップとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、貸金庫に格納された貸金庫ボックスを利用するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の貸金庫設備として、例えば、特許文献1に開示のものがある。このような貸金庫設備は、一般的には、銀行等の金融機関に設置される。このため、貸金庫利用者は、自ら金融機関に出かけて、当該貸金庫内の貸金庫ボックスを利用していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−269698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、貸金庫利用者は、強盗等の犯罪に巻き込まれる可能性を避けるため、「貸金庫の利用者であると知られたくない」,「貸金庫を利用している様子を見られたくない」と望んでいる。
【0005】
しかしながら、従来の貸金庫は、金融機関に設置されているため、上記要望に応えることは難しかった。
【0006】
そこで、本発明は、利用者が、金融機関等の貸金庫設置場所にまで行かなくとも、貸金庫ボックスを利用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、第1の態様は、貸金庫内の貸金庫ボックスを、利用者に宅配するための貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、(a)利用者による貸金庫ボックスの宅配リクエストが通信網を介して宅配管理サーバに入力されるステップと、(b)前記宅配管理サーバが、前記宅配リクエストに応じて、宅配スケジュール記憶部に記憶された宅配スケジュール情報に基づいて、宅配日時を決定するステップと、(c)前記宅配管理サーバが、通信網を介して、前記決定された宅配日時を利用者に通知するステップと、(d)前記宅配管理サーバが、通信網を介して、前記決定された宅配日時を宅配者に通知するステップとを備える。
【0008】
第2の態様は、第1の態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、前記ステップ(a)では、宅配希望日時を含む宅配リクエストが入力され、前記ステップ(b)では、前記宅配管理サーバが、前記宅配スケジュール情報に基づいて、前記宅配希望日時に宅配可能か否かを判断し、宅配可能である場合に、前記宅配希望日時を宅配日時として決定する。
【0009】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、前記ステップ(b)において、前記宅配リクエストに宅配日時が含まれていない場合或は前記宅配希望日時に宅配不能である場合、前記宅配スケジュールに基づいて宅配候補日時を決定し、その宅配候補日時に対する利用者の指定に基づいて宅配日時を決定する。
【0010】
第4の態様は、第1〜第3のいずれか1つの態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、前記貸金庫は、格納棚内に格納された貸金庫ボックスを、利用ブースに対して自動的に出し入れする自動貸金庫である。
【0011】
第5の態様は、第4の態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、前記自動貸金庫は、前記利用ブースとして、前記貸金庫ボックスを取出せない状態で前記貸金庫ボックスを開いて前記貸金庫ボックスを利用可能な第1利用ブースと、前記貸金庫ボックスを取出せる第2利用ブースとを含む。
【0012】
第6の態様は、第4又は第5の態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、前記自動貸金庫は、前記貸金庫ボックスとして異なる大きさのものが用いられ、大きい方の貸金庫ボックスは前記利用ブースから取出せず、小さい方の貸金庫ボックスが前記利用ブースから取出される。
【0013】
第7の態様は、第4〜第6のいずれか1つの態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、(e)前記自動貸金庫が、前記宅配リクエストに応じた貸金庫ボックスのみを、外部に取出し可能にするステップをさらに備える。
【0014】
第8の態様は、第1〜第7のいずれか1つの態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、前記貸金庫ボックスとして、認証情報が入力される入力部と、前記認証情報に基づいてロックアンロック制御を行うロック制御部とを備えるものを用いる。
【0015】
第9の態様は、第8の態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、前記貸金庫ボックスの前記ロック制御部は、アンロック履歴を記憶部に記憶する。
【0016】
第10の態様は、第1〜第9のいずれか1つの態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、前記貸金庫ボックスとして、前記貸金庫から取出された前記貸金庫ボックスの位置情報を取得可能な位置取得部と、前記位置取得部からの位置情報を、通信網を介して前記利用者及び宅配管理サーバの少なくとも1つに通知する通信部とを備えるものを用いる。
【0017】
第11の態様は、第1〜第10のいずれか1つの態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、前記貸金庫ボックスとして、前記貸金庫から取出された前記貸金庫ボックスの動きを検知可能な動き検知部と、前記動き検知部からの検知情報を、通信網を介して前記利用者及び宅配管理サーバの少なくとも1つに通知する通信部とを備えるものを用いる。
【0018】
第12の態様は、貸金庫内の貸金庫ボックスを、利用者に宅配するための宅配管理システムであって、宅配者の宅配スケジュールが記憶された宅配スケジュール記憶部と、通信網を介して入力される、利用者による貸金庫ボックスの宅配リクエストに応じて、前記宅配スケジュール記憶部に記憶された宅配スケジュール情報に基づいて、宅配日時を決定し、決定された宅配日時を、通信網を介して利用者及び宅配者に通知する宅配日時管理部とを備える。
【発明の効果】
【0019】
第1の態様によると、利用者による宅配リクエストが通信網を介して宅配管理サーバに入力されると、宅配日時が決定される。そして、その決定された宅配日時が、通信網を介して、利用者及び宅配者に通知される。そして、当該宅配日時に宅配者が貸金庫ボックスを利用者に宅配できる。このため、利用者は、金融機関等の貸金庫設置場所にまで行かなくとも、貸金庫ボックスを利用できる。
【0020】
第2の態様によると、宅配希望日時に応じる形式で、宅配日時を決定できる。
【0021】
第3の態様によると、宅配候補日時を利用者に提示する形式で、宅配日時を決定することができる。
【0022】
第4の態様によると、所望の貸金庫ボックスを、宅配者に容易に提供できる。
【0023】
第5の態様によると、第1利用ブースでは、貸金庫ボックスを取出せないため、一般的な態様での貸金庫の利用に適する。一方、第2利用ブースでは、貸金庫ボックスを取出せるため、宅配用の利用に適する。
【0024】
第6の態様によると、利用ブースを、ブース内利用用と貸金庫ボックス取出し用とに容易に共用できる。
【0025】
第7の態様によると、前記宅配リクエストに応じた貸金庫ボックスのみを、外部に取出せるようになるため、セキュリティ性に優れる。
【0026】
第8の態様によると、前記貸金庫ボックスとして、認証情報が入力される入力部と、前記認証情報に基づいてロックアンロック制御を行うロック制御部とを備えるものを用いるため、認証情報を入力可能な者のみが貸金庫ボックスをアンロック状態にして利用できるようにすることができる。
【0027】
第9の態様によると、ロック制御部は、アンロック履歴を記憶部に記憶するため、貸金庫ボックスの利用履歴を残すことができる。
【0028】
第10の態様によると、利用者又は宅配管理サーバにおいて、貸金庫ボックスの位置を知ることができる。
【0029】
第11の態様によると、利用者又は宅配管理サーバにおいて、貸金庫ボックスの動きを知ることができる。
【0030】
第12の態様によると、利用者による貸金庫ボックスの宅配リクエストが通信網を介して入力されると、宅配日時が決定される。そして、その決定された宅配日時が、通信網を介して、利用者及び宅配者に通知される。そして、当該宅配日時に宅配者が貸金庫ボックスを利用者に宅配できる。このため、利用者は、金融機関等の貸金庫設置場所にまで行かなくとも、貸金庫ボックスを利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】貸金庫ボックスの宅配サービス方法の流れを示す説明図である。
【図2】宅配管理サーバのハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図3】金庫管理データの一例を示す図である。
【図4】宅配スケジュールの一例を示す図である。
【図5】宅配管理サーバによる処理手順を含む宅配サービス処理手順を示す図である。
【図6】自動貸金庫を示す概略斜視図である。
【図7】自動貸金庫を示す概略平面図である。
【図8】来店利用者用のブース台と貸金庫ボックスとの関係を示す概略説明図である。
【図9】外部取出し用のブース台と貸金庫ボックスとの関係を示す概略説明図である。
【図10】自動貸金庫の動作制御を司る自動貸金庫制御ユニットのハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図11】外部出庫データの一例を示す図である。
【図12】貸金庫ボックスの外観構成を示す概略斜視図である。
【図13】ロック制御部のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図14】利用履歴データの一例を示す図である。
【図15】貸金庫ボックスの動作を示すフローチャートである。
【図16】自動貸金庫制御ユニットの処理をフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、実施形態に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法及び宅配管理システムについて説明する。
【0033】
<全体構成>
図1は貸金庫ボックスの宅配サービス方法の流れを示す説明図である。この宅配サービス方法では、サービスの提供を行う者として、貸金庫設備提供者及び貸金庫ボックス200の宅配者が登場し、サービスの提供を行う者として、貸金庫を借りている利用者が登場する。この宅配サービス方法は、貸金庫設備提供者で保管されている貸金庫ボックス200を、宅配者が貸金庫の利用者に宅配する際に、その宅配日時を調整管理するために用いられる。なお、日時は、特定の日及び時間であってもよいし、或は、ある程度の時間的幅のある特定の日の時間帯であってもよい。
【0034】
貸金庫設備提供者としては、銀行等の金融機関が想定されており、自己が管理する建物20内のスペースに、貸金庫22が設置されている。貸金庫22は、貸金庫ボックス200を自動で出し入れする自動貸金庫であっても、人が貸金庫ボックス200を手動で出し入れする形式の貸金庫であってもよい。貸金庫22が自動貸金庫である例については後述する。この貸金庫設備提供者は、貸金庫ボックス200の宅配日時等を管理する宅配管理サーバ50を提供している。この宅配管理サーバ50については、後で詳述する。
【0035】
宅配者は、貸金庫ボックス200を貸金庫22から取出し、かつ、取出した貸金庫ボックス200を利用者に宅配する者である。かかる宅配サービスを提供管理する主体を宅配業者といい、実際に貸金庫ボックス200を宅配する者を作業員といい、両者を含めて宅配者という。宅配者は、宅配作業車30を有しており、作業員が当該宅配作業車30に乗って貸金庫22に赴いて貸金庫ボックス200を取出す。また、作業員は宅配作業車30に乗って宅配先に赴いて貸金庫ボックス200を宅配する。貴重な貸金庫ボックス200を安全に取扱うため、宅配作業員は特別に防犯訓練等された者であることが好ましく、また、宅配作業車30も防犯用に特装された車であることが好ましい。
【0036】
また、上記宅配作業員は、割当てられた区間を巡回して、上記宅配作業等を実施している。宅配者側には、各宅配作業員の予定巡回エリア及び時間を管理するための宅配スケジュール宅配管理サーバ32が設置されている。宅配スケジュール宅配管理サーバ32は、宅配スケジュールを入力するためのパソコン等の端末装置34と宅配スケジュールを記憶するための記憶装置36とを有している。そして、宅配作業員自体又は宅配作業員の管理者が、端末装置34を通じて各作業員の宅配スケジュールを入力することで、記憶装置36において宅配スケジュールが生成更新される。
【0037】
利用者としては一般個人等が想定されており、上記貸金庫設備提供者との間で貸金庫ボックス200の利用に関する契約を行っている。利用者は、携帯電話装置或はパーソナルコンピュータ等の利用者側端末装置40を有している。そして、当該利用者側端末装置40を通じて諸指示を入力できるようになっている。
【0038】
また、上記宅配管理サーバ50と宅配スケジュール宅配管理サーバ32とは通信網29を介して相互通信可能に接続されており、宅配管理サーバ50と利用者側端末装置40とは通信網29を介して相互通信可能に接続されている。通信網29は、有線式であっても無線式であってもよいし、また、インターネット等の公衆通信網であっても専用回線による通信網であってもよい。ここでは、宅配管理サーバ50と宅配スケジュール宅配管理サーバ32と利用者側端末装置40とがインターネットによる通信網29を介して相互通信可能に接続された例を想定して説明する。
【0039】
この宅配サービス方法では、まず、利用者が、利用者側端末装置40及び通信網29を通じて、宅配リクエストを宅配管理サーバ50に送信する。すると、通信網29を介して宅配リクエストが入力された宅配管理サーバ50は、当該宅配リクエストに応じて、宅配スケジュール宅配管理サーバ32より提供される宅配スケジュールに基づいて宅配日時を決定する。宅配日時の決定は、利用者の希望と宅配スケジュールとに基づいて決定される。より具体的な決定方法については後で説明する。そして、宅配管理サーバ50は、通信網29及び利用者側端末装置40を通じて、決定された宅配日時を利用者に通知する。この際の通知は、電子メールにて行ってもよいし、或は、電子メールに記載されたリンク先のホームページを通じて通知する方式であってもよい。また、宅配管理サーバ50は、通信網29及び宅配スケジュール宅配管理サーバ32等を通じて、決定された宅配日時を宅配者に通知する。宅配者への通知は、宅配管理サーバ50等を通じて宅配業者に対して行ってもよいし、或は、特定の宅配作業員に対して当該宅配作業員が所持する携帯電話等の端末装置に対するものであってもよいし、さらには、両者に対して行ってもよい。通知方式は、電子メールを介して行うものであってもよいし、所定のサーバに記憶された宅配リストを更新することで通知する方式であってもよい。
【0040】
<宅配管理サーバ>
上記宅配管理サーバ50についてより具体的に説明する。図2は宅配管理サーバ50のハードウエア構成例を示すブロック図である。同図に示すように、宅配管理サーバ50は、CPU52、ROM53、RAM54、外部記憶装置55等がバスライン51を介して相互接続されたコンピュータによって構成されている。ROM53は本コンピュータを起動させるための基本プログラム等を格納しており、RAM54はCPU52が所定の手順に従った処理を行う際の作業領域として供される。外部記憶装置55は、フラッシュメモリ或はハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成されている。
【0041】
外部記憶装置55には、OS(オペレーションシステム)、宅配管理プログラム、金庫管理データ、宅配スケジュール等が格納されている。宅配管理プログラムは、宅配日時管理部としての処理を行うための手順を定めたものであり、この宅配管理プログラムに記述された手順に従って、主制御部としてのCPU52が演算処理を行うことにより、宅配の管理処理がなされる。
【0042】
図3は金庫管理データの一例を示す図である。金庫管理データは、金庫の識別情報(金庫ID等)と、認証情報(パスワード等)と、利用者情報等を対応付けたテーブルである。この金庫管理データは、利用者が貸金庫の利用契約を行う際等に、利用者自身によって、或は、金融機関等の担当者等によって逐次生成更新される。この金庫管理データを参照することによって、各貸金庫ボックス200に対する認証、配達先の特定等がなされる。もっとも、金庫管理データが1つのデータとして管理されていることは必須ではない。
【0043】
図4は宅配スケジュールの一例を示す図である。この宅配管理スケジュールは、宅配スケジュール宅配管理サーバ32より提供されるデータであり、各月日別に、宅配作業員毎の予定巡回エリア及び当該巡回エリアの巡回予定時間(時間帯)を記憶したテーブルである。この宅配スケジュールは、好ましくは、宅配スケジュール宅配管理サーバ32の記憶装置36の宅配スケジュールに対してリアルタイムで同期されている。つまり、ここでは、宅配管理サーバ50の外部記憶装置55が、宅配スケジュールが記憶された宅配スケジュール記憶部として機能する。もっとも、宅配管理サーバ50が宅配スケジュール宅配管理サーバ32の記憶装置36を直接的に参照してもよい。この場合、当該記憶装置36が、宅配スケジュールが記憶された宅配スケジュール記憶部として機能する。このように宅配スケジュールを参照することで、ある宅配先に対して宅配可能な日時を決定することができ、また。当該宅配作業を行う作業員を特定することができる。
【0044】
図2に戻って、この宅配管理サーバ50は、通信インターフェース56を介して通信網29に接続されており、これにより、宅配スケジュール宅配管理サーバ32及び利用者側端末装置40と相互通信可能に接続されている。
【0045】
図5は、宅配管理サーバ50による処理手順を含む、本宅配サービス処理手順を示す図である。
【0046】
ステップS1に示すように、利用者が、利用者側端末装置40を介して宅配リクエストを送信する。すると、ステップS2において、宅配管理サーバ50において宅配リクエストが受信される。この際の宅配リクエストの送信及び受信は、例えば、利用者側端末装置40を通じて所定のホームページにアクセスし、当該ホームページを通じて識別番号(金庫ID等)、認証情報(パスワード等)、さらには、任意に宅配希望日時を入力することにより行うことができる。
【0047】
宅配リクエストの要求を受けて、宅配管理サーバ50は、認証処理を行う。認証処理は、例えば、入力された識別情報及び認証情報と、金庫管理データと照合することにより行うことができる。認証結果が不合格であると処理を終了し、認証結果が合格であると、ステップS15に進む。
【0048】
ステップS15では、宅配管理サーバ50は、宅配希望日時の入力があるか否かを判定する。宅配希望日時の入力がある場合、ステップS16に進み、宅配希望日時の入力がない場合、ステップS17に進む。
【0049】
ステップS16では、宅配管理サーバ50は、宅配希望日時の入力がある場合、上記識別情報に基づいて金庫管理データを参照して宅配先を特定すると共に、宅配希望日時及び特定された宅配先に基づいて宅配スケジュールを参照して、希望された宅配希望日時に宅配可能か否かを判定する。例えば、宅配スケジュールを参照して、特定された宅配先を含む予定巡回エリアに対して、いずれかの宅配作業員が希望日時に巡回予定であれば、宅配可能であり、そうでなければ宅配不可能であると判定する。判定結果が、宅配可能であればステップS19に進み、宅配不可能であればステップS17に進む。
【0050】
宅配希望日時の入力がない場合、或は、宅配希望日時の入力があってもその日時に宅配不可能である場合には、ステップS17に進む。ステップS17では、宅配管理サーバ50は、特定された宅配先に基づいて、宅配スケジュールを参照して、宅配候補日時を決定し、ステップS18に進む。例えば、宅配スケジュールを参照して、宅配リクエストがあった当日から所定の日間等において、特定された宅配先を含む予定巡回エリアを巡回する予定日時(時間帯)を1つ又は複数特定し、これを宅配候補日時として決定する。
【0051】
ステップS18では、宅配管理サーバ50は、決定された1つ又は複数の宅配候補日時を利用者側端末装置40に向けて送信する。これにより、ステップS2において、利用者側端末装置40において決定された1つ又は複数の宅配候補日時が受信され、当該宅配候補日時が利用者に提示される。宅配候補日時の提示は、電子メールにて行われてもよいし、或は、電子メールでリンクされたホームページにアクセスすることで提示される方式であってもよい。そして、利用者は、提示された宅配候補日時のなかから指定日時を決定する。すると、ステップS3において、利用者側端末装置40から決定された宅配候補日時が送信される。これにより、ステップS18において、宅配管理サーバ50において、指示された宅配候補日時が受信される。この際の宅配候補日時の指示は、例えば、電子メール等で指示されたホームページにアクセスして、当該ホームページを通じて指定すること等により行うことができる。
【0052】
この後、ステップS19において、宅配管理サーバ50は、入力された宅配希望日時或は宅配候補日時中の指定日時を、宅配日時として決定し、次ステップS20に進む。
【0053】
ステップS20では、宅配管理サーバ50は、宅配日時及び宅配先(位置)を、通信網29及び利用者側端末装置40を通じて利用者に通知すると共に、同宅配日時、宅配対象となる貸金庫ボックス200の特定情報及び宅配先(位置)を、通信網29及び宅配スケジュール宅配管理サーバ32或は宅配作業員が所持する端末装置等を通じて、宅配者に通知する。利用者に対する通知、宅配者に対する通知はいずれが先であっても構わない。
【0054】
この後、宅配作業者は、貸金庫22に行って、当該貸金庫22で利用者の貸金庫ボックス200を取出す。この際、宅配作業者に対して、貸金庫22を利用するための認証用のカード等が付与されており、宅配作業者が当該認証用のカードによって認証を行うことで、貸金庫22から貸金庫ボックス200を取出せるようにしておくことが好ましい。
【0055】
そして、取出した貸金庫ボックス200を指定された宅配日時に所定の宅配先に届ける。そして、宅配先の利用者は、貸金庫ボックス200を受けて追って自宅で貸金庫ボックス200を解錠して利用する。
【0056】
貸金庫ボックス200の回収時間の予約は、例えば、上記宅配時間の決定と同様の手順にて行われてもよいし、或は、貸金庫ボックス200を届ける際等に予約されてもよい。その後、上記とは逆に、宅配作業員が予約時間に宅配先に回収に行き、その後、貸金庫22に行って貸金庫ボックス200を返却すればよい。
【0057】
以上のように構成された貸金庫ボックスの宅配サービス方法及び宅配管理システムによると、利用者による宅配リクエストが通信網29を介して宅配管理サーバ50に入力されると、宅配管理サーバ50において宅配スケジュール等を参照して宅配日時が決定される。そして、当該決定された宅配日時が通信網29を介して利用者及び宅配者に通知される。そして、当該宅配日時に宅配者が貸金庫ボックス200を利用者に宅配できる。
【0058】
特に、宅配リクエストに宅配希望日時が含まれている場合には、宅配スケジュールを参照して、当該宅配希望日時に宅配可能か否かを判定し、宅配可能と判定された場合には、当該宅配希望日時を宅配日時として決定するため、利用者の希望に応じて宅配日時を決定することができる。
【0059】
しかも、当初に指定された宅配希望日時に宅配できない場合には、宅配スケジュールに基づいて宅配候補日を少なくとも1つ決定し、当該宅配日時を利用者に提示し、その提示に対する利用者からの指定に基づいて宅配日時を決定するため、利用者の都合を参酌して宅配日時を決定することができる。
【0060】
<貸金庫の例>
上記貸金庫ボックスの宅配サービス方法及び宅配管理システムに適した自動貸金庫の一例について説明する。図6は自動貸金庫100を示す概略斜視図であり、図7は自動貸金庫100を示す概略平面図である。
【0061】
この自動貸金庫100は、内部に格納された貸金庫ボックス200を、利用ブース128A、128Bに対して自動的に出し入れする装置として構成されている。すなわち、自動貸金庫100は、一対の格納棚112と、利用ブース128A、128Bと、搬送機構部130とを備えている。そして、この自動貸金庫100では、上記一対の格納棚112に格納された貸金庫ボックス200が、搬送機構部130を介して利用ブース128A又は利用ブース128Bに搬送される。そして、利用者が利用ブース128Aにおいて貸金庫ボックス200に対する物品等の出し入れを行う。また、宅配作業員が利用ブース128Bにおいて、貸金庫ボックス200の取出し、返却を行う。また、貸金庫ボックス200の離礁終了後或は返却後には、利用ブース128A、128Bの貸金庫ボックス200が、搬送機構部130を介して一対の格納棚112のいずれかの位置に格納される。
【0062】
格納棚112は、貸金庫ボックス200を複数格納可能に構成されている。ここでは、格納棚112は、複数の棚板が多段に並ぶ棚状に形成され、貸金庫ボックス200が縦横に並ぶようにして格納されるようになっている。また、ここでは、一対の格納棚112が間隔を有して対抗配置されており、この一対の格納棚112間に搬送機構部130が配設されている。
【0063】
この一対の格納棚112は、立入りを管理された管理エリア、より具体的には、周囲が金庫壁によって取囲まれ、かつ、厳重な鍵付扉によって管理された金庫室118内に設置されている。
【0064】
また、金庫室118に隣設して利用ブース128A、128Bが設けられている。利用ブース128Aは、本自動貸金庫100に赴いて利用する一般客用の第1利用ブースであり、利用ブース128Bは、宅配作業員が貸金庫ボックス200を取出し及び返却するための第2利用ブースである。
【0065】
利用ブース128Aは、金庫室118の一方の側壁外方に設けられている。この利用ブース128Aも、通常、立入りを管理された管理エリアであり、より具体的には、周囲がブース壁によって囲まれると共に施錠可能な扉129Aを通じて入退室可能なエリアである。この利用ブース128Aと金庫室118との間も、仕切壁119によって仕切られている。この利用ブース128A内にブース台120Aが設けられている。
【0066】
利用ブース128Bは、金庫室118の他の側壁外方に設けられている。この利用ブース128Bも、通常、立入りを管理された管理エリアであり、より具体的には、周囲がブース壁によって囲まれると共に施錠可能な扉129Bを通じて入退室可能なエリアである。この利用ブース128Bと金庫室118との間も、仕切壁119によって仕切られている。この利用ブース128B内にブース台120Bが設けられている。
【0067】
図8はブース台120Aと貸金庫ボックス200との関係を示す概略説明図であり、図9はブース台120Bと貸金庫ボックス200との関係を示す概略説明図である。図7〜図9に示すように、ブース台120A、120Bは、上部に天板122A、122Bを有する筺状に形成されている。天板122A、122Bには、略方形状の天板開口123A、123Bが形成されている。
【0068】
天板開口123Aは、貸金庫ボックス200の平面視形状よりも小さく、かつ、当該貸金庫ボックス200の扉を開いて利用できる程度の大きさに形成されている。そして、ブース台120A内部の貸金庫ボックス200が天板開口123Aの直下に配設されることで、利用ブース128A内の利用者は、天板開口123Aを通じて貸金庫ボックス200の扉を開いて利用できるようになっている。また、この際、貸金庫ボックス200をブース台120Aより取出して持出せないようになっている。
【0069】
また、天板開口123Bは、貸金庫ボックス200の平面視形状よりも大きく形成されている。そして、ブース台120B内部の貸金庫ボックス200が天板開口123Bより突出して配設されることで、利用ブース128B内の宅配作業者は、貸金庫ボックス200を取出して持出せるようになっている。
【0070】
なお、ブース台120A、120Bの内部空間は、上記仕切壁119を貫通して金庫室118内に連通しており、金庫室118内の貸金庫ボックス200はその連通部分を経由してブース台120A、120B内に搬送される。
【0071】
なお、図9の一点鎖線に示すように、貸金庫ボックス200、200Cとして大小異なる大きさのものを用いてもよい。この場合、大きい方の貸金庫ボックス200は天板開口123Aよりも大きいので、当該天板開口123Aを通って取出せない。従って、利用ブース128A内の利用者は、天板開口123Aを通じて貸金庫ボックス200の扉を開いて利用できるようになっている。一方、小さい方の貸金庫ボックス200Cは天板開口123Aよりも小さいので、天板開口123Aを通って取出せる。このため、貸金庫ボックス200Cが天板開口123Aより突出して配設されることで、宅配作業者は、貸金庫ボックス200Cを取出して持出せるようになっている。この場合、一つの利用ブース128を、ブース内利用用と取出し用とに容易に共用できる。
【0072】
その他、利用ブース内での利用用と宅配用とで、形状が異なる2種類の貸金庫ボックスをも用いるようにしてもよい。この場合、利用ブース内での利用用の貸金庫ボックスについては、天板開口から取出せない形状とし、宅配用の貸金庫ボックスについては天板開口から取出せる形状にするとよい。
【0073】
搬送機構部130は、ブース側搬送機構部132と、棚側搬送機構部140と、移載ユニット160とを備えている。
【0074】
移載ユニット160は、一対の格納棚112の双方に対して貸金庫ボックス200を移載可能に構成されている。そして、移載ユニット160が各格納棚112のいずれかの格納箇所と対向する位置に配設された状態で、当該対向する格納箇所に格納された貸金庫ボックス200を自己に取込むように移載して載置状に支持し、或は、自己に載置状に支持した貸金庫ボックス200を対向する格納箇所に送込むように移載して格納する。
【0075】
この移載ユニット160が貸金庫ボックス200を移載する構成としては、爪状部分を格納棚112に対して進退移動させて当該爪状部分を貸金庫ボックス200に係合させるようにして引込み或は押出す構成、或は、フォーク状部分を格納棚112に対して進退移動させて当該フォーク状部分で貸金庫ボックス200を持上げるようにして移載する構成等、周知構成を含む種々構成を採用することができる。
【0076】
棚側搬送機構部140は、上記移載ユニット160を、一対の格納棚112の任意の格納箇所に対向させる位置と、ブース側搬送機構部132に対向させる位置との間で移動させるように構成されている。
【0077】
より具体的には、棚側搬送機構部140は、走行機構部142と、昇降機構部150とを備えている。
【0078】
走行機構部142は、一対の格納棚112間の隙間の延在方向に沿って、当該一対の格納棚112の各格納箇所に対向する位置とブース側搬送機構部132に対向する位置との間で往復移動可能に構成されている。このような走行機構部142としては、モータ等の回転駆動によって車輪を回転させることで走行する機構等、周知構造を含む種々の移動機構を採用することができる。
【0079】
昇降機構部150は、移載ユニット160を、格納棚112の最下段の格納箇所と最上段の格納箇所との間で昇降移動させ、当該移載ユニット160を、各段の格納箇所及びブース側搬送機構部132に対向する各位置に昇降移動させるように構成されている。このような昇降機構部150としては、例えば、移載ユニット160を一対の支柱152によって昇降移動可能に支持し、一方の支柱152の上下端部に設けられた一対の歯車に環状ベルト(環状チェーン等)を巻掛け、移載ユニット160を一対の歯車体間で環状ベルトに連結し、一方の歯車体をモータ等の駆動部で回転させることで、環状ベルトを回転させて、移載ユニット160を昇降移動させる構成を採用することができる。昇降機構部150としては、上記の他、リニアモータを用いた構成であってもよいし、つり合いおもりを用いたトラクション式の機構において滑車部分をモータで駆動して移載ユニット160を昇降させる構成であってもよい。
【0080】
ブース側搬送機構部132は、上記棚側搬送機構部140との間で貸金庫ボックス200を移載可能に構成されると共に、貸金庫ボックス200をブース台120A、120Bに対して搬出入可能に構成されている。より具体的には、ブース側搬送機構部132は、ブース側水平移動部と、ブース側昇降移動部とを有しており、各ブース台120A、120Bに対応して設けられている。そして、金庫室118内側で上記移載ユニット160より貸金庫ボックス200を受取り、受取った貸金庫ボックス200をブース側水平移動部の駆動によってブース台120A、120B内に移動させまたはその逆に移動させる。また、ブース台120A、120B内に位置する貸金庫ボックス200を、ブース側昇降移動部の駆動によって昇降駆動させることによって、当該貸金庫ボックス200を天板開口123A、123Bの直下位置又はそこから突出させた位置に上昇させ、又はその逆に下降移動させるように構成されている。このようなブース側水平移動部としては、複数のローラが所定方向に沿って適宜間隔をあけて略並列姿勢で回転可能に支持されると共に、当該ローラがモータ等の駆動により搬送方向に沿って回転駆動されるようにしたコンベア等、周知の水平移動機構を含む種々構成を採用することができる。また、ブース側昇降移動部としては、上記昇降機構部と同様に、モータと環状ベルト等を利用した構成、リニアモータを用いた構成等、周知技術を含む種々の昇降機構を採用することができる。
【0081】
ここで、自動貸金庫100における貸金庫ボックス200の出し入れ動作について説明しておく。
【0082】
すなわち、一対の格納棚112に貸金庫ボックス200が格納されている。なお、貸金庫ボックス200を格納棚112に格納するに際して、各格納棚112における各位置と貸金庫ボックス200の特定情報とを対応付けた在庫管理データが作成される(図10参照)。
【0083】
この状態で、利用ブース128A、128Bに設置された入力部を通じて貸金庫ボックス200の特定情報等が入力されると、前記在庫管理データを参照して特定された貸金庫ボックス200の格納位置が特定され、棚側搬送機構部140の駆動により移載ユニット160が当該特定された格納位置に移動する。この状態で、移載ユニット160は特定された格納位置から貸金庫ボックス200を取込むようにして移載動作を行う(図7の矢符P1参照)。
【0084】
上記動作が終了すると、棚側搬送機構部140の駆動により、移載ユニット160が呼出し元のいずれかのブース側搬送機構部132と対向する位置に移動する(図7の矢符P2参照)。この状態で、移載ユニット160は、自己に載置された貸金庫ボックス200をブース側搬送機構部132に送込むようにして移載動作を行う(図7の矢符P4参照)。
【0085】
上記移載動作が完了すると、ブース側搬送機構部132は、貸金庫ボックス200をブース台120A、120Bに移動させた後、上昇移動させる(図7の矢符P5参照)。これにより、ブース台120Aでは、貸金庫ボックス200が天板開口123Aの直下に配設され、利用者は貸金庫ボックス200を開いて利用できるようになる。ブース台120Bでは、貸金庫ボックス200が天板開口123Bより突出して配設され、宅配作業員は貸金庫ボックス200を取出せるようになる。
【0086】
貸金庫ボックス200を格納棚112に格納する場合には、上記とは逆の動作が行われる。
【0087】
図10は本自動貸金庫100の動作制御を司る自動貸金庫制御ユニット180のハードウエア構成例を示すブロック図である。この自動貸金庫制御ユニット180は、CPU182、ROM183、RAM184、外部記憶装置185等がバスライン181を介して相互接続されたコンピュータによって構成されている。ROM183は本コンピュータを起動させるための基本プログラム等を格納しており、RAM184はCPU182が所定の手順に従った処理を行う際の作業領域として供される。外部記憶装置185は、フラッシュメモリ或はハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成されている。
【0088】
外部記憶装置185には、OS(オペレーションシステム)、入出庫制御プログラム、在庫管理データ、外部出庫データ、利用履歴蓄積データ等が格納されている。入出庫制御プログラムは、上記したように貸金庫ボックス200の出し入れ処理を行うための手順を定めたものであり、この入出庫制御プログラムに記述された手順に従って、主制御部としてのCPU182が演算処理を行うことにより、貸金庫ボックス200の出し入れ処理がなされる。
【0089】
在庫管理データは、上記したように、各格納棚112における各位置と貸金庫ボックス200の特定情報とを対応付けたテーブルである。
【0090】
図11は外部出庫データの一例を示す図である。外部出庫データは、貸金庫ボックス200の特定情報と取出し許否に関する情報(ここでは予定取出し日時を想定している)とを対応付けたテーブルである。この外部出庫データは、宅配管理サーバ50より通信網29等を介して通知される、特定の貸金庫ボックス200の宅配日時に基づいて生成更新される。予定取出し日時は、例えば、当該貸金庫ボックス200の当該宅配日時よりも前の時間帯(例えば、宅配日の午前中等)として設定するとよい。
【0091】
利用履歴蓄積データは、各貸金庫ボックス200の利用履歴データ(後述する図13参照)を蓄積したデータである。このデータの生成更新手順については後述する。
【0092】
図10に戻って、この自動貸金庫制御ユニット180は、通信インターフェース186を介して通信網29に接続されており、これにより、宅配スケジュール宅配管理サーバ32と相互通信可能に接続されている。また。自動貸金庫制御ユニット180は、入出力インターフェース187を介して、搬送機構部130、取出しブース用認証装置190、リーダー192、その他キーボード或はスイッチ等の入力装置(図示省略)等にも通信可能に接続されている。
【0093】
取出しブース用認証装置190は、利用ブース128Bにおいて、宅配作業員の認証を受付ける装置である。取出しブース用認証装置190は、宅配作業員に貸与されたカードを読込む装置であってもよいし、宅配作業員からのパスワードを受付ける入力装置であってもよいし、その他指紋認証、静脈認証等の生体認証を行う装置であってもよい。
【0094】
リーダー192は、貸金庫ボックス200の利用履歴を読込む装置である。リーダー192としては、赤外線通信、無線通信等を利用した近接無線通信装置を用いることができる。このリーダー192は、天板開口123B等、利用ブース128Bにおいて返却された貸金庫ボックス200が通過する経路の近傍に設置されている(図7,図8参照)。
【0095】
ここで、貸金庫ボックス200の一例について説明しておく。
【0096】
図12は貸金庫ボックス200の外観構成を示す概略斜視図である。貸金庫ボックス200は、金属等によって平たい箱状に形成されている。貸金庫ボックス200の天井板には、開口202が形成され、当該開口202を開閉可能に覆う蓋204が、ヒンジ等を介して取付けられている。また、貸金庫ボックス200には、蓋204をロック及びアンロックするロック機構部210と、当該ロック機構部210を制御するロック制御部220と、入力部としてのリードライド装置214とが組込まれている。
【0097】
ロック機構部210は、電磁アクチュエータ等の駆動によって、蓋204に係脱可能に係止することによって当該蓋204をロック状態に維持し、或は、蓋204を開放可能なアンロック状態に動作できるようになっている。
【0098】
リードライド装置214は、利用者の認証情報を入力可能に構成されている。ここでは、リードライド装置214は、上記リーダー192とも通信可能な近接無線通信装置として構成されている。もっとも、入力部は、リーダー192と通信を行う装置とは別の認証装置として構成されていてもよい。或は、別途準備された認証装置がインターフェースとしての入力部に接続される構成であってもよい。
【0099】
また、ロック制御部220は、前記入力部を通じて入力される認証情報に基づいてロック機構部210をロックアンロック制御するようになっている。
【0100】
図13は、ロック制御部220のハードウエア構成例を示すブロック図である。このロック制御部220は、CPU222、フラッシュメモリ223、RAM224等がバスライン221を介して相互接続されたマイコンによって構成されている。RAM284はCPU182が所定の手順に従った処理を行う際の作業領域として供される。フラッシュメモリ223には、データを書換え可能に記憶可能な不揮発性メモリであり、ロック制御プログラム、認証情報、利用履歴データ等を記憶している。
【0101】
認証情報は、本貸金庫ボックス200を利用可能な権限に関する認証情報であり、本貸金庫ボックス200の管理者によって予め設定されている。
【0102】
なお、図13に示すように、ロック制御部220は、動き検知センサ231と、GPS受信部232と、通信インターフェース233とを備えている。動き検知センサ231は、自動貸金庫100から取出された貸金庫ボックス200の動きを検知可能に構成されている。動き検知センサ231としては、振動センサ、加速度センサ等を用いることができる。GPS受信部232は、自動貸金庫100から取出された貸金庫ボックス200の位置情報を取得する位置取得部として用いられるものであり、即ち、GPSアンテナを介してGPS衛星からの信号を受信して所定の演算処理を行うことにより、現在位置を取得できるようになっている。また、ロック制御部220は、通信インターフェース233から通信網を介して宅配スケジュール宅配管理サーバ32及び利用者側端末装置40と相互通信可能に接続されている。そして、動き検知センサ231の検知結果及びGPS受信部232により取得された位置情報が、通信網を介して宅配スケジュール宅配管理サーバ32及び利用者側端末装置40に送信されるようになっている。これらの情報は、宅配スケジュール宅配管理サーバ32及び利用者側端末装置40を通じた要求(特にユーザの要求)により送信されるようになっていてもよいし、或は、所定距離或は所定エリアへの移動又は保管時における貸金庫ボックス200の動き検知により自動的に宅配スケジュール宅配管理サーバ32及び利用者側端末装置40に送信されるようになっていてもよい。また、送信形式は、電子メール形式であってもよいし、その他のデータ形式であってもよい。
【0103】
これにより、ユーザ等において、貸金庫ボックス200の現在位置、意図しない(取出し要求していない)位置変化、動き等を知ることができるので、セキュリティ性が高まる。
【0104】
なお、以下では、認証及びロック、アンロック、履歴取得動作を中心に説明する。
【0105】
利用履歴データは、図14に示すように、本貸金庫ボックス200の利用履歴に関するデータであり、上記ロック制御部220の処理動作に基づいて、ロック制御部220のアンロック日時及びロック日時が逐次書込まれたデータとして生成更新されている。
【0106】
また、本ロック制御部220は、入出力インターフェース228を通じてロック機構部210、リードライト装置230、動き検知センサ231及びGPS受信部232にも接続されている。また、ロック制御部220は、通信インターフェース233を介して通信網に接続されている。
【0107】
図15は本貸金庫ボックス200の動作を示すフローチャートである。
【0108】
すなわち、ロック制御部220は、ステップS31において認証合格か否かを判定する。つまり、上記リードライド装置214を通じて認証情報が入力されると、フラッシュメモリ223内に記憶された認証情報と照合して認証の合否を判定する。そして、認証が合格するまで本処理を繰返し、判定結果が合格であれば、次のステップS2に進む。
【0109】
次ステップS32では、現在の日時をアンロックする日時として利用履歴に書込み、次ステップS33に進む。
【0110】
ステップS33では、ロック制御部220は、ロック機構部210をアンロック駆動する。これにより、利用者は蓋204を開いて利用できるようになる。
【0111】
次ステップS34では、蓋204が閉じられたか否かを判定する。この判定は、別途設けられたマイクロスイッチ、光センサ等の出力に基づいて行うことができる。そして、蓋204が閉じられたと判定されるまで本判定を繰返し、蓋204が閉じられたと判定されると、ステップS35に進む。
【0112】
ステップS35では、現在の日時をロックする日時として利用履歴に書込み、次ステップS36に進む。
【0113】
ステップS36では、ロック制御部220は、ロック機構部210をロック駆動する。これにより、蓋204を開けないようになる。
【0114】
このようにして、貸金庫ボックス200のロックアンロック制御がなされ、また、ロック及びアンロック履歴が記憶部に記憶されることになる。
【0115】
上記を前提として、図16を参照して、自動貸金庫制御ユニット180の処理を説明する。
【0116】
まず、貸金庫ボックス200に対する操作要求があると、ステップS41において、内部利用用の利用ブース128Aからの指示であるか、外部取出し用の利用ブース128Bからの指示であるかが判定される。内部利用用の利用ブース128Aからの指示であると判定された場合、ステップS42に進み、上記したように、所定の貸金庫ボックス200の出し入れ処理を行って、処理を終了する。一方、外部取出し用の利用ブース128Bからの指示であると判定された場合、ステップS43に進む。
【0117】
ステップS43では、認証処理が実行される。認証処理は、取出しブース用認証装置190を通じて、宅配作業員からの認証情報を受付け、当該受付けられた認証情報を予め管理権限者等によって設定された認証情報と照合等することによって行われる。認証結果が合格であれば、ステップS44に進む。
【0118】
ステップS44では、自動貸金庫制御ユニット180に対する指示に基づいて貸金庫ボックス200の取出し要求であるか、返却要求であるかが判定される。取出し要求である場合には、ステップS45に進み、返却要求である場合にはステップS48に進む。
【0119】
ステップS45では、宅配作業員からの貸金庫ボックス200の特定情報を受付け、その後、ステップS46に進む。
【0120】
ステップS46では、特定された貸金庫ボックス200が取出し可能なものであるか否かを判定する。ここでの判定は、外部出庫テーブルを参照して、特定された貸金庫ボックス200が宅配のリクエストがされたものであるか、つまり、当該貸金庫ボックス200が該当日時に取出し予定として挙げられているか否かを判定する。そして、取出可と判定されるまで、本処理を繰返し、取出可と判定されると、次ステップS47に進む。つまり、宅配リクエストに応じた貸金庫ボックス200のみを外部に取出し可能にする。
【0121】
ステップS47では、上記の出し入れ処理と同様にして、内部の貸金庫ボックス200を外部取出し用の利用ブース128Bに搬送する。これにより、宅配作業員は当該貸金庫ボックス200を取出して持運ぶことができる。なお、取出し用の貸金庫ボックス200を利用ブースに搬送したとき(又は貸金庫ボックス200の取出しが確認されたとき)に、自動貸金庫制御ユニット180は、通信インターフェース186から通信網を通じて、貸金庫ボックス200が取出された旨を利用者等に通知するようにしてもよい。通知は、電子メール等によって行うことができる。
【0122】
一方、ステップS44において返却であると判定された場合、ステップS48に進む。ステップS48では、上記出し入れ処理と同様にして、貸金庫ボックス200の入庫処理を開始する。
【0123】
そして、入庫処理開始後の次ステップS49において、貸金庫ボックス200がリーダー192側方を通過するタイミングで、貸金庫ボックス200のロック制御部220からリードライド装置214及びリーダー192を通じて、利用履歴を読取り、利用履歴蓄積データを更新する。
【0124】
この後、ステップS50において、貸金庫ボックス200の格納棚112への格納が終了すると、処理を終了する。
【0125】
このように構成された自動貸金庫100を採用することで、リクエストされた貸金庫ボックス200を宅配作業員に容易に、しかも、安全に提供できる。
【0126】
また、来店による利用者に対しては、利用ブース128Aにて利用できるようにすることで、貸金庫ボックス200を取出せないようにすることができ、また、宅配作業員に対して利用ブース128Bにて利用できるようにすることで、貸金庫ボックス200を取出せるようにすることができる。
【0127】
また、宅配のリクエストに応じた貸金庫ボックス200のみを外部に取出せるようにすることができるため、よりセキュリティに優れる。
【0128】
また、貸金庫ボックス200として認証機能を備えたものを用いることで、当該認証が可能なもののみが貸金庫ボックス200をアンロック状態にして利用できるようにすることができる。
【0129】
さらに、貸金庫ボックス200のアンロック履歴を記憶することで、当該貸金庫ボックス200の利用履歴を残して把握することができる。
【0130】
{変形例}
なお、上記実施形態では、自動貸金庫100の設置箇所と宅配者とが別である例で説明したが、自動貸金庫は宅配者の管理下に設定されていてもよい。
【0131】
また、宅配管理サーバ50は、金融機関等の管理下に設定されていることは必須ではなく、宅配者の管理下に設定されていてもよい。
【符号の説明】
【0132】
29 通信網
32 宅配スケジュール宅配管理サーバ
40 利用者側端末装置
50 宅配管理サーバ
55 外部記憶装置
100 自動貸金庫
112 格納棚
120A、120B ブース台
123A、123B 天板開口
128A、128B 利用ブース
130 搬送機構部
180 自動貸金庫制御ユニット
190 ブース用認証装置
192 リーダー
200 貸金庫ボックス
204 蓋
210 ロック機構部
214 リードライド装置
220 ロック制御部
223 フラッシュメモリ
【技術分野】
【0001】
この発明は、貸金庫に格納された貸金庫ボックスを利用するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の貸金庫設備として、例えば、特許文献1に開示のものがある。このような貸金庫設備は、一般的には、銀行等の金融機関に設置される。このため、貸金庫利用者は、自ら金融機関に出かけて、当該貸金庫内の貸金庫ボックスを利用していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−269698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、貸金庫利用者は、強盗等の犯罪に巻き込まれる可能性を避けるため、「貸金庫の利用者であると知られたくない」,「貸金庫を利用している様子を見られたくない」と望んでいる。
【0005】
しかしながら、従来の貸金庫は、金融機関に設置されているため、上記要望に応えることは難しかった。
【0006】
そこで、本発明は、利用者が、金融機関等の貸金庫設置場所にまで行かなくとも、貸金庫ボックスを利用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、第1の態様は、貸金庫内の貸金庫ボックスを、利用者に宅配するための貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、(a)利用者による貸金庫ボックスの宅配リクエストが通信網を介して宅配管理サーバに入力されるステップと、(b)前記宅配管理サーバが、前記宅配リクエストに応じて、宅配スケジュール記憶部に記憶された宅配スケジュール情報に基づいて、宅配日時を決定するステップと、(c)前記宅配管理サーバが、通信網を介して、前記決定された宅配日時を利用者に通知するステップと、(d)前記宅配管理サーバが、通信網を介して、前記決定された宅配日時を宅配者に通知するステップとを備える。
【0008】
第2の態様は、第1の態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、前記ステップ(a)では、宅配希望日時を含む宅配リクエストが入力され、前記ステップ(b)では、前記宅配管理サーバが、前記宅配スケジュール情報に基づいて、前記宅配希望日時に宅配可能か否かを判断し、宅配可能である場合に、前記宅配希望日時を宅配日時として決定する。
【0009】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、前記ステップ(b)において、前記宅配リクエストに宅配日時が含まれていない場合或は前記宅配希望日時に宅配不能である場合、前記宅配スケジュールに基づいて宅配候補日時を決定し、その宅配候補日時に対する利用者の指定に基づいて宅配日時を決定する。
【0010】
第4の態様は、第1〜第3のいずれか1つの態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、前記貸金庫は、格納棚内に格納された貸金庫ボックスを、利用ブースに対して自動的に出し入れする自動貸金庫である。
【0011】
第5の態様は、第4の態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、前記自動貸金庫は、前記利用ブースとして、前記貸金庫ボックスを取出せない状態で前記貸金庫ボックスを開いて前記貸金庫ボックスを利用可能な第1利用ブースと、前記貸金庫ボックスを取出せる第2利用ブースとを含む。
【0012】
第6の態様は、第4又は第5の態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、前記自動貸金庫は、前記貸金庫ボックスとして異なる大きさのものが用いられ、大きい方の貸金庫ボックスは前記利用ブースから取出せず、小さい方の貸金庫ボックスが前記利用ブースから取出される。
【0013】
第7の態様は、第4〜第6のいずれか1つの態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、(e)前記自動貸金庫が、前記宅配リクエストに応じた貸金庫ボックスのみを、外部に取出し可能にするステップをさらに備える。
【0014】
第8の態様は、第1〜第7のいずれか1つの態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、前記貸金庫ボックスとして、認証情報が入力される入力部と、前記認証情報に基づいてロックアンロック制御を行うロック制御部とを備えるものを用いる。
【0015】
第9の態様は、第8の態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、前記貸金庫ボックスの前記ロック制御部は、アンロック履歴を記憶部に記憶する。
【0016】
第10の態様は、第1〜第9のいずれか1つの態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、前記貸金庫ボックスとして、前記貸金庫から取出された前記貸金庫ボックスの位置情報を取得可能な位置取得部と、前記位置取得部からの位置情報を、通信網を介して前記利用者及び宅配管理サーバの少なくとも1つに通知する通信部とを備えるものを用いる。
【0017】
第11の態様は、第1〜第10のいずれか1つの態様に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、前記貸金庫ボックスとして、前記貸金庫から取出された前記貸金庫ボックスの動きを検知可能な動き検知部と、前記動き検知部からの検知情報を、通信網を介して前記利用者及び宅配管理サーバの少なくとも1つに通知する通信部とを備えるものを用いる。
【0018】
第12の態様は、貸金庫内の貸金庫ボックスを、利用者に宅配するための宅配管理システムであって、宅配者の宅配スケジュールが記憶された宅配スケジュール記憶部と、通信網を介して入力される、利用者による貸金庫ボックスの宅配リクエストに応じて、前記宅配スケジュール記憶部に記憶された宅配スケジュール情報に基づいて、宅配日時を決定し、決定された宅配日時を、通信網を介して利用者及び宅配者に通知する宅配日時管理部とを備える。
【発明の効果】
【0019】
第1の態様によると、利用者による宅配リクエストが通信網を介して宅配管理サーバに入力されると、宅配日時が決定される。そして、その決定された宅配日時が、通信網を介して、利用者及び宅配者に通知される。そして、当該宅配日時に宅配者が貸金庫ボックスを利用者に宅配できる。このため、利用者は、金融機関等の貸金庫設置場所にまで行かなくとも、貸金庫ボックスを利用できる。
【0020】
第2の態様によると、宅配希望日時に応じる形式で、宅配日時を決定できる。
【0021】
第3の態様によると、宅配候補日時を利用者に提示する形式で、宅配日時を決定することができる。
【0022】
第4の態様によると、所望の貸金庫ボックスを、宅配者に容易に提供できる。
【0023】
第5の態様によると、第1利用ブースでは、貸金庫ボックスを取出せないため、一般的な態様での貸金庫の利用に適する。一方、第2利用ブースでは、貸金庫ボックスを取出せるため、宅配用の利用に適する。
【0024】
第6の態様によると、利用ブースを、ブース内利用用と貸金庫ボックス取出し用とに容易に共用できる。
【0025】
第7の態様によると、前記宅配リクエストに応じた貸金庫ボックスのみを、外部に取出せるようになるため、セキュリティ性に優れる。
【0026】
第8の態様によると、前記貸金庫ボックスとして、認証情報が入力される入力部と、前記認証情報に基づいてロックアンロック制御を行うロック制御部とを備えるものを用いるため、認証情報を入力可能な者のみが貸金庫ボックスをアンロック状態にして利用できるようにすることができる。
【0027】
第9の態様によると、ロック制御部は、アンロック履歴を記憶部に記憶するため、貸金庫ボックスの利用履歴を残すことができる。
【0028】
第10の態様によると、利用者又は宅配管理サーバにおいて、貸金庫ボックスの位置を知ることができる。
【0029】
第11の態様によると、利用者又は宅配管理サーバにおいて、貸金庫ボックスの動きを知ることができる。
【0030】
第12の態様によると、利用者による貸金庫ボックスの宅配リクエストが通信網を介して入力されると、宅配日時が決定される。そして、その決定された宅配日時が、通信網を介して、利用者及び宅配者に通知される。そして、当該宅配日時に宅配者が貸金庫ボックスを利用者に宅配できる。このため、利用者は、金融機関等の貸金庫設置場所にまで行かなくとも、貸金庫ボックスを利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】貸金庫ボックスの宅配サービス方法の流れを示す説明図である。
【図2】宅配管理サーバのハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図3】金庫管理データの一例を示す図である。
【図4】宅配スケジュールの一例を示す図である。
【図5】宅配管理サーバによる処理手順を含む宅配サービス処理手順を示す図である。
【図6】自動貸金庫を示す概略斜視図である。
【図7】自動貸金庫を示す概略平面図である。
【図8】来店利用者用のブース台と貸金庫ボックスとの関係を示す概略説明図である。
【図9】外部取出し用のブース台と貸金庫ボックスとの関係を示す概略説明図である。
【図10】自動貸金庫の動作制御を司る自動貸金庫制御ユニットのハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図11】外部出庫データの一例を示す図である。
【図12】貸金庫ボックスの外観構成を示す概略斜視図である。
【図13】ロック制御部のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図14】利用履歴データの一例を示す図である。
【図15】貸金庫ボックスの動作を示すフローチャートである。
【図16】自動貸金庫制御ユニットの処理をフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、実施形態に係る貸金庫ボックスの宅配サービス方法及び宅配管理システムについて説明する。
【0033】
<全体構成>
図1は貸金庫ボックスの宅配サービス方法の流れを示す説明図である。この宅配サービス方法では、サービスの提供を行う者として、貸金庫設備提供者及び貸金庫ボックス200の宅配者が登場し、サービスの提供を行う者として、貸金庫を借りている利用者が登場する。この宅配サービス方法は、貸金庫設備提供者で保管されている貸金庫ボックス200を、宅配者が貸金庫の利用者に宅配する際に、その宅配日時を調整管理するために用いられる。なお、日時は、特定の日及び時間であってもよいし、或は、ある程度の時間的幅のある特定の日の時間帯であってもよい。
【0034】
貸金庫設備提供者としては、銀行等の金融機関が想定されており、自己が管理する建物20内のスペースに、貸金庫22が設置されている。貸金庫22は、貸金庫ボックス200を自動で出し入れする自動貸金庫であっても、人が貸金庫ボックス200を手動で出し入れする形式の貸金庫であってもよい。貸金庫22が自動貸金庫である例については後述する。この貸金庫設備提供者は、貸金庫ボックス200の宅配日時等を管理する宅配管理サーバ50を提供している。この宅配管理サーバ50については、後で詳述する。
【0035】
宅配者は、貸金庫ボックス200を貸金庫22から取出し、かつ、取出した貸金庫ボックス200を利用者に宅配する者である。かかる宅配サービスを提供管理する主体を宅配業者といい、実際に貸金庫ボックス200を宅配する者を作業員といい、両者を含めて宅配者という。宅配者は、宅配作業車30を有しており、作業員が当該宅配作業車30に乗って貸金庫22に赴いて貸金庫ボックス200を取出す。また、作業員は宅配作業車30に乗って宅配先に赴いて貸金庫ボックス200を宅配する。貴重な貸金庫ボックス200を安全に取扱うため、宅配作業員は特別に防犯訓練等された者であることが好ましく、また、宅配作業車30も防犯用に特装された車であることが好ましい。
【0036】
また、上記宅配作業員は、割当てられた区間を巡回して、上記宅配作業等を実施している。宅配者側には、各宅配作業員の予定巡回エリア及び時間を管理するための宅配スケジュール宅配管理サーバ32が設置されている。宅配スケジュール宅配管理サーバ32は、宅配スケジュールを入力するためのパソコン等の端末装置34と宅配スケジュールを記憶するための記憶装置36とを有している。そして、宅配作業員自体又は宅配作業員の管理者が、端末装置34を通じて各作業員の宅配スケジュールを入力することで、記憶装置36において宅配スケジュールが生成更新される。
【0037】
利用者としては一般個人等が想定されており、上記貸金庫設備提供者との間で貸金庫ボックス200の利用に関する契約を行っている。利用者は、携帯電話装置或はパーソナルコンピュータ等の利用者側端末装置40を有している。そして、当該利用者側端末装置40を通じて諸指示を入力できるようになっている。
【0038】
また、上記宅配管理サーバ50と宅配スケジュール宅配管理サーバ32とは通信網29を介して相互通信可能に接続されており、宅配管理サーバ50と利用者側端末装置40とは通信網29を介して相互通信可能に接続されている。通信網29は、有線式であっても無線式であってもよいし、また、インターネット等の公衆通信網であっても専用回線による通信網であってもよい。ここでは、宅配管理サーバ50と宅配スケジュール宅配管理サーバ32と利用者側端末装置40とがインターネットによる通信網29を介して相互通信可能に接続された例を想定して説明する。
【0039】
この宅配サービス方法では、まず、利用者が、利用者側端末装置40及び通信網29を通じて、宅配リクエストを宅配管理サーバ50に送信する。すると、通信網29を介して宅配リクエストが入力された宅配管理サーバ50は、当該宅配リクエストに応じて、宅配スケジュール宅配管理サーバ32より提供される宅配スケジュールに基づいて宅配日時を決定する。宅配日時の決定は、利用者の希望と宅配スケジュールとに基づいて決定される。より具体的な決定方法については後で説明する。そして、宅配管理サーバ50は、通信網29及び利用者側端末装置40を通じて、決定された宅配日時を利用者に通知する。この際の通知は、電子メールにて行ってもよいし、或は、電子メールに記載されたリンク先のホームページを通じて通知する方式であってもよい。また、宅配管理サーバ50は、通信網29及び宅配スケジュール宅配管理サーバ32等を通じて、決定された宅配日時を宅配者に通知する。宅配者への通知は、宅配管理サーバ50等を通じて宅配業者に対して行ってもよいし、或は、特定の宅配作業員に対して当該宅配作業員が所持する携帯電話等の端末装置に対するものであってもよいし、さらには、両者に対して行ってもよい。通知方式は、電子メールを介して行うものであってもよいし、所定のサーバに記憶された宅配リストを更新することで通知する方式であってもよい。
【0040】
<宅配管理サーバ>
上記宅配管理サーバ50についてより具体的に説明する。図2は宅配管理サーバ50のハードウエア構成例を示すブロック図である。同図に示すように、宅配管理サーバ50は、CPU52、ROM53、RAM54、外部記憶装置55等がバスライン51を介して相互接続されたコンピュータによって構成されている。ROM53は本コンピュータを起動させるための基本プログラム等を格納しており、RAM54はCPU52が所定の手順に従った処理を行う際の作業領域として供される。外部記憶装置55は、フラッシュメモリ或はハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成されている。
【0041】
外部記憶装置55には、OS(オペレーションシステム)、宅配管理プログラム、金庫管理データ、宅配スケジュール等が格納されている。宅配管理プログラムは、宅配日時管理部としての処理を行うための手順を定めたものであり、この宅配管理プログラムに記述された手順に従って、主制御部としてのCPU52が演算処理を行うことにより、宅配の管理処理がなされる。
【0042】
図3は金庫管理データの一例を示す図である。金庫管理データは、金庫の識別情報(金庫ID等)と、認証情報(パスワード等)と、利用者情報等を対応付けたテーブルである。この金庫管理データは、利用者が貸金庫の利用契約を行う際等に、利用者自身によって、或は、金融機関等の担当者等によって逐次生成更新される。この金庫管理データを参照することによって、各貸金庫ボックス200に対する認証、配達先の特定等がなされる。もっとも、金庫管理データが1つのデータとして管理されていることは必須ではない。
【0043】
図4は宅配スケジュールの一例を示す図である。この宅配管理スケジュールは、宅配スケジュール宅配管理サーバ32より提供されるデータであり、各月日別に、宅配作業員毎の予定巡回エリア及び当該巡回エリアの巡回予定時間(時間帯)を記憶したテーブルである。この宅配スケジュールは、好ましくは、宅配スケジュール宅配管理サーバ32の記憶装置36の宅配スケジュールに対してリアルタイムで同期されている。つまり、ここでは、宅配管理サーバ50の外部記憶装置55が、宅配スケジュールが記憶された宅配スケジュール記憶部として機能する。もっとも、宅配管理サーバ50が宅配スケジュール宅配管理サーバ32の記憶装置36を直接的に参照してもよい。この場合、当該記憶装置36が、宅配スケジュールが記憶された宅配スケジュール記憶部として機能する。このように宅配スケジュールを参照することで、ある宅配先に対して宅配可能な日時を決定することができ、また。当該宅配作業を行う作業員を特定することができる。
【0044】
図2に戻って、この宅配管理サーバ50は、通信インターフェース56を介して通信網29に接続されており、これにより、宅配スケジュール宅配管理サーバ32及び利用者側端末装置40と相互通信可能に接続されている。
【0045】
図5は、宅配管理サーバ50による処理手順を含む、本宅配サービス処理手順を示す図である。
【0046】
ステップS1に示すように、利用者が、利用者側端末装置40を介して宅配リクエストを送信する。すると、ステップS2において、宅配管理サーバ50において宅配リクエストが受信される。この際の宅配リクエストの送信及び受信は、例えば、利用者側端末装置40を通じて所定のホームページにアクセスし、当該ホームページを通じて識別番号(金庫ID等)、認証情報(パスワード等)、さらには、任意に宅配希望日時を入力することにより行うことができる。
【0047】
宅配リクエストの要求を受けて、宅配管理サーバ50は、認証処理を行う。認証処理は、例えば、入力された識別情報及び認証情報と、金庫管理データと照合することにより行うことができる。認証結果が不合格であると処理を終了し、認証結果が合格であると、ステップS15に進む。
【0048】
ステップS15では、宅配管理サーバ50は、宅配希望日時の入力があるか否かを判定する。宅配希望日時の入力がある場合、ステップS16に進み、宅配希望日時の入力がない場合、ステップS17に進む。
【0049】
ステップS16では、宅配管理サーバ50は、宅配希望日時の入力がある場合、上記識別情報に基づいて金庫管理データを参照して宅配先を特定すると共に、宅配希望日時及び特定された宅配先に基づいて宅配スケジュールを参照して、希望された宅配希望日時に宅配可能か否かを判定する。例えば、宅配スケジュールを参照して、特定された宅配先を含む予定巡回エリアに対して、いずれかの宅配作業員が希望日時に巡回予定であれば、宅配可能であり、そうでなければ宅配不可能であると判定する。判定結果が、宅配可能であればステップS19に進み、宅配不可能であればステップS17に進む。
【0050】
宅配希望日時の入力がない場合、或は、宅配希望日時の入力があってもその日時に宅配不可能である場合には、ステップS17に進む。ステップS17では、宅配管理サーバ50は、特定された宅配先に基づいて、宅配スケジュールを参照して、宅配候補日時を決定し、ステップS18に進む。例えば、宅配スケジュールを参照して、宅配リクエストがあった当日から所定の日間等において、特定された宅配先を含む予定巡回エリアを巡回する予定日時(時間帯)を1つ又は複数特定し、これを宅配候補日時として決定する。
【0051】
ステップS18では、宅配管理サーバ50は、決定された1つ又は複数の宅配候補日時を利用者側端末装置40に向けて送信する。これにより、ステップS2において、利用者側端末装置40において決定された1つ又は複数の宅配候補日時が受信され、当該宅配候補日時が利用者に提示される。宅配候補日時の提示は、電子メールにて行われてもよいし、或は、電子メールでリンクされたホームページにアクセスすることで提示される方式であってもよい。そして、利用者は、提示された宅配候補日時のなかから指定日時を決定する。すると、ステップS3において、利用者側端末装置40から決定された宅配候補日時が送信される。これにより、ステップS18において、宅配管理サーバ50において、指示された宅配候補日時が受信される。この際の宅配候補日時の指示は、例えば、電子メール等で指示されたホームページにアクセスして、当該ホームページを通じて指定すること等により行うことができる。
【0052】
この後、ステップS19において、宅配管理サーバ50は、入力された宅配希望日時或は宅配候補日時中の指定日時を、宅配日時として決定し、次ステップS20に進む。
【0053】
ステップS20では、宅配管理サーバ50は、宅配日時及び宅配先(位置)を、通信網29及び利用者側端末装置40を通じて利用者に通知すると共に、同宅配日時、宅配対象となる貸金庫ボックス200の特定情報及び宅配先(位置)を、通信網29及び宅配スケジュール宅配管理サーバ32或は宅配作業員が所持する端末装置等を通じて、宅配者に通知する。利用者に対する通知、宅配者に対する通知はいずれが先であっても構わない。
【0054】
この後、宅配作業者は、貸金庫22に行って、当該貸金庫22で利用者の貸金庫ボックス200を取出す。この際、宅配作業者に対して、貸金庫22を利用するための認証用のカード等が付与されており、宅配作業者が当該認証用のカードによって認証を行うことで、貸金庫22から貸金庫ボックス200を取出せるようにしておくことが好ましい。
【0055】
そして、取出した貸金庫ボックス200を指定された宅配日時に所定の宅配先に届ける。そして、宅配先の利用者は、貸金庫ボックス200を受けて追って自宅で貸金庫ボックス200を解錠して利用する。
【0056】
貸金庫ボックス200の回収時間の予約は、例えば、上記宅配時間の決定と同様の手順にて行われてもよいし、或は、貸金庫ボックス200を届ける際等に予約されてもよい。その後、上記とは逆に、宅配作業員が予約時間に宅配先に回収に行き、その後、貸金庫22に行って貸金庫ボックス200を返却すればよい。
【0057】
以上のように構成された貸金庫ボックスの宅配サービス方法及び宅配管理システムによると、利用者による宅配リクエストが通信網29を介して宅配管理サーバ50に入力されると、宅配管理サーバ50において宅配スケジュール等を参照して宅配日時が決定される。そして、当該決定された宅配日時が通信網29を介して利用者及び宅配者に通知される。そして、当該宅配日時に宅配者が貸金庫ボックス200を利用者に宅配できる。
【0058】
特に、宅配リクエストに宅配希望日時が含まれている場合には、宅配スケジュールを参照して、当該宅配希望日時に宅配可能か否かを判定し、宅配可能と判定された場合には、当該宅配希望日時を宅配日時として決定するため、利用者の希望に応じて宅配日時を決定することができる。
【0059】
しかも、当初に指定された宅配希望日時に宅配できない場合には、宅配スケジュールに基づいて宅配候補日を少なくとも1つ決定し、当該宅配日時を利用者に提示し、その提示に対する利用者からの指定に基づいて宅配日時を決定するため、利用者の都合を参酌して宅配日時を決定することができる。
【0060】
<貸金庫の例>
上記貸金庫ボックスの宅配サービス方法及び宅配管理システムに適した自動貸金庫の一例について説明する。図6は自動貸金庫100を示す概略斜視図であり、図7は自動貸金庫100を示す概略平面図である。
【0061】
この自動貸金庫100は、内部に格納された貸金庫ボックス200を、利用ブース128A、128Bに対して自動的に出し入れする装置として構成されている。すなわち、自動貸金庫100は、一対の格納棚112と、利用ブース128A、128Bと、搬送機構部130とを備えている。そして、この自動貸金庫100では、上記一対の格納棚112に格納された貸金庫ボックス200が、搬送機構部130を介して利用ブース128A又は利用ブース128Bに搬送される。そして、利用者が利用ブース128Aにおいて貸金庫ボックス200に対する物品等の出し入れを行う。また、宅配作業員が利用ブース128Bにおいて、貸金庫ボックス200の取出し、返却を行う。また、貸金庫ボックス200の離礁終了後或は返却後には、利用ブース128A、128Bの貸金庫ボックス200が、搬送機構部130を介して一対の格納棚112のいずれかの位置に格納される。
【0062】
格納棚112は、貸金庫ボックス200を複数格納可能に構成されている。ここでは、格納棚112は、複数の棚板が多段に並ぶ棚状に形成され、貸金庫ボックス200が縦横に並ぶようにして格納されるようになっている。また、ここでは、一対の格納棚112が間隔を有して対抗配置されており、この一対の格納棚112間に搬送機構部130が配設されている。
【0063】
この一対の格納棚112は、立入りを管理された管理エリア、より具体的には、周囲が金庫壁によって取囲まれ、かつ、厳重な鍵付扉によって管理された金庫室118内に設置されている。
【0064】
また、金庫室118に隣設して利用ブース128A、128Bが設けられている。利用ブース128Aは、本自動貸金庫100に赴いて利用する一般客用の第1利用ブースであり、利用ブース128Bは、宅配作業員が貸金庫ボックス200を取出し及び返却するための第2利用ブースである。
【0065】
利用ブース128Aは、金庫室118の一方の側壁外方に設けられている。この利用ブース128Aも、通常、立入りを管理された管理エリアであり、より具体的には、周囲がブース壁によって囲まれると共に施錠可能な扉129Aを通じて入退室可能なエリアである。この利用ブース128Aと金庫室118との間も、仕切壁119によって仕切られている。この利用ブース128A内にブース台120Aが設けられている。
【0066】
利用ブース128Bは、金庫室118の他の側壁外方に設けられている。この利用ブース128Bも、通常、立入りを管理された管理エリアであり、より具体的には、周囲がブース壁によって囲まれると共に施錠可能な扉129Bを通じて入退室可能なエリアである。この利用ブース128Bと金庫室118との間も、仕切壁119によって仕切られている。この利用ブース128B内にブース台120Bが設けられている。
【0067】
図8はブース台120Aと貸金庫ボックス200との関係を示す概略説明図であり、図9はブース台120Bと貸金庫ボックス200との関係を示す概略説明図である。図7〜図9に示すように、ブース台120A、120Bは、上部に天板122A、122Bを有する筺状に形成されている。天板122A、122Bには、略方形状の天板開口123A、123Bが形成されている。
【0068】
天板開口123Aは、貸金庫ボックス200の平面視形状よりも小さく、かつ、当該貸金庫ボックス200の扉を開いて利用できる程度の大きさに形成されている。そして、ブース台120A内部の貸金庫ボックス200が天板開口123Aの直下に配設されることで、利用ブース128A内の利用者は、天板開口123Aを通じて貸金庫ボックス200の扉を開いて利用できるようになっている。また、この際、貸金庫ボックス200をブース台120Aより取出して持出せないようになっている。
【0069】
また、天板開口123Bは、貸金庫ボックス200の平面視形状よりも大きく形成されている。そして、ブース台120B内部の貸金庫ボックス200が天板開口123Bより突出して配設されることで、利用ブース128B内の宅配作業者は、貸金庫ボックス200を取出して持出せるようになっている。
【0070】
なお、ブース台120A、120Bの内部空間は、上記仕切壁119を貫通して金庫室118内に連通しており、金庫室118内の貸金庫ボックス200はその連通部分を経由してブース台120A、120B内に搬送される。
【0071】
なお、図9の一点鎖線に示すように、貸金庫ボックス200、200Cとして大小異なる大きさのものを用いてもよい。この場合、大きい方の貸金庫ボックス200は天板開口123Aよりも大きいので、当該天板開口123Aを通って取出せない。従って、利用ブース128A内の利用者は、天板開口123Aを通じて貸金庫ボックス200の扉を開いて利用できるようになっている。一方、小さい方の貸金庫ボックス200Cは天板開口123Aよりも小さいので、天板開口123Aを通って取出せる。このため、貸金庫ボックス200Cが天板開口123Aより突出して配設されることで、宅配作業者は、貸金庫ボックス200Cを取出して持出せるようになっている。この場合、一つの利用ブース128を、ブース内利用用と取出し用とに容易に共用できる。
【0072】
その他、利用ブース内での利用用と宅配用とで、形状が異なる2種類の貸金庫ボックスをも用いるようにしてもよい。この場合、利用ブース内での利用用の貸金庫ボックスについては、天板開口から取出せない形状とし、宅配用の貸金庫ボックスについては天板開口から取出せる形状にするとよい。
【0073】
搬送機構部130は、ブース側搬送機構部132と、棚側搬送機構部140と、移載ユニット160とを備えている。
【0074】
移載ユニット160は、一対の格納棚112の双方に対して貸金庫ボックス200を移載可能に構成されている。そして、移載ユニット160が各格納棚112のいずれかの格納箇所と対向する位置に配設された状態で、当該対向する格納箇所に格納された貸金庫ボックス200を自己に取込むように移載して載置状に支持し、或は、自己に載置状に支持した貸金庫ボックス200を対向する格納箇所に送込むように移載して格納する。
【0075】
この移載ユニット160が貸金庫ボックス200を移載する構成としては、爪状部分を格納棚112に対して進退移動させて当該爪状部分を貸金庫ボックス200に係合させるようにして引込み或は押出す構成、或は、フォーク状部分を格納棚112に対して進退移動させて当該フォーク状部分で貸金庫ボックス200を持上げるようにして移載する構成等、周知構成を含む種々構成を採用することができる。
【0076】
棚側搬送機構部140は、上記移載ユニット160を、一対の格納棚112の任意の格納箇所に対向させる位置と、ブース側搬送機構部132に対向させる位置との間で移動させるように構成されている。
【0077】
より具体的には、棚側搬送機構部140は、走行機構部142と、昇降機構部150とを備えている。
【0078】
走行機構部142は、一対の格納棚112間の隙間の延在方向に沿って、当該一対の格納棚112の各格納箇所に対向する位置とブース側搬送機構部132に対向する位置との間で往復移動可能に構成されている。このような走行機構部142としては、モータ等の回転駆動によって車輪を回転させることで走行する機構等、周知構造を含む種々の移動機構を採用することができる。
【0079】
昇降機構部150は、移載ユニット160を、格納棚112の最下段の格納箇所と最上段の格納箇所との間で昇降移動させ、当該移載ユニット160を、各段の格納箇所及びブース側搬送機構部132に対向する各位置に昇降移動させるように構成されている。このような昇降機構部150としては、例えば、移載ユニット160を一対の支柱152によって昇降移動可能に支持し、一方の支柱152の上下端部に設けられた一対の歯車に環状ベルト(環状チェーン等)を巻掛け、移載ユニット160を一対の歯車体間で環状ベルトに連結し、一方の歯車体をモータ等の駆動部で回転させることで、環状ベルトを回転させて、移載ユニット160を昇降移動させる構成を採用することができる。昇降機構部150としては、上記の他、リニアモータを用いた構成であってもよいし、つり合いおもりを用いたトラクション式の機構において滑車部分をモータで駆動して移載ユニット160を昇降させる構成であってもよい。
【0080】
ブース側搬送機構部132は、上記棚側搬送機構部140との間で貸金庫ボックス200を移載可能に構成されると共に、貸金庫ボックス200をブース台120A、120Bに対して搬出入可能に構成されている。より具体的には、ブース側搬送機構部132は、ブース側水平移動部と、ブース側昇降移動部とを有しており、各ブース台120A、120Bに対応して設けられている。そして、金庫室118内側で上記移載ユニット160より貸金庫ボックス200を受取り、受取った貸金庫ボックス200をブース側水平移動部の駆動によってブース台120A、120B内に移動させまたはその逆に移動させる。また、ブース台120A、120B内に位置する貸金庫ボックス200を、ブース側昇降移動部の駆動によって昇降駆動させることによって、当該貸金庫ボックス200を天板開口123A、123Bの直下位置又はそこから突出させた位置に上昇させ、又はその逆に下降移動させるように構成されている。このようなブース側水平移動部としては、複数のローラが所定方向に沿って適宜間隔をあけて略並列姿勢で回転可能に支持されると共に、当該ローラがモータ等の駆動により搬送方向に沿って回転駆動されるようにしたコンベア等、周知の水平移動機構を含む種々構成を採用することができる。また、ブース側昇降移動部としては、上記昇降機構部と同様に、モータと環状ベルト等を利用した構成、リニアモータを用いた構成等、周知技術を含む種々の昇降機構を採用することができる。
【0081】
ここで、自動貸金庫100における貸金庫ボックス200の出し入れ動作について説明しておく。
【0082】
すなわち、一対の格納棚112に貸金庫ボックス200が格納されている。なお、貸金庫ボックス200を格納棚112に格納するに際して、各格納棚112における各位置と貸金庫ボックス200の特定情報とを対応付けた在庫管理データが作成される(図10参照)。
【0083】
この状態で、利用ブース128A、128Bに設置された入力部を通じて貸金庫ボックス200の特定情報等が入力されると、前記在庫管理データを参照して特定された貸金庫ボックス200の格納位置が特定され、棚側搬送機構部140の駆動により移載ユニット160が当該特定された格納位置に移動する。この状態で、移載ユニット160は特定された格納位置から貸金庫ボックス200を取込むようにして移載動作を行う(図7の矢符P1参照)。
【0084】
上記動作が終了すると、棚側搬送機構部140の駆動により、移載ユニット160が呼出し元のいずれかのブース側搬送機構部132と対向する位置に移動する(図7の矢符P2参照)。この状態で、移載ユニット160は、自己に載置された貸金庫ボックス200をブース側搬送機構部132に送込むようにして移載動作を行う(図7の矢符P4参照)。
【0085】
上記移載動作が完了すると、ブース側搬送機構部132は、貸金庫ボックス200をブース台120A、120Bに移動させた後、上昇移動させる(図7の矢符P5参照)。これにより、ブース台120Aでは、貸金庫ボックス200が天板開口123Aの直下に配設され、利用者は貸金庫ボックス200を開いて利用できるようになる。ブース台120Bでは、貸金庫ボックス200が天板開口123Bより突出して配設され、宅配作業員は貸金庫ボックス200を取出せるようになる。
【0086】
貸金庫ボックス200を格納棚112に格納する場合には、上記とは逆の動作が行われる。
【0087】
図10は本自動貸金庫100の動作制御を司る自動貸金庫制御ユニット180のハードウエア構成例を示すブロック図である。この自動貸金庫制御ユニット180は、CPU182、ROM183、RAM184、外部記憶装置185等がバスライン181を介して相互接続されたコンピュータによって構成されている。ROM183は本コンピュータを起動させるための基本プログラム等を格納しており、RAM184はCPU182が所定の手順に従った処理を行う際の作業領域として供される。外部記憶装置185は、フラッシュメモリ或はハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成されている。
【0088】
外部記憶装置185には、OS(オペレーションシステム)、入出庫制御プログラム、在庫管理データ、外部出庫データ、利用履歴蓄積データ等が格納されている。入出庫制御プログラムは、上記したように貸金庫ボックス200の出し入れ処理を行うための手順を定めたものであり、この入出庫制御プログラムに記述された手順に従って、主制御部としてのCPU182が演算処理を行うことにより、貸金庫ボックス200の出し入れ処理がなされる。
【0089】
在庫管理データは、上記したように、各格納棚112における各位置と貸金庫ボックス200の特定情報とを対応付けたテーブルである。
【0090】
図11は外部出庫データの一例を示す図である。外部出庫データは、貸金庫ボックス200の特定情報と取出し許否に関する情報(ここでは予定取出し日時を想定している)とを対応付けたテーブルである。この外部出庫データは、宅配管理サーバ50より通信網29等を介して通知される、特定の貸金庫ボックス200の宅配日時に基づいて生成更新される。予定取出し日時は、例えば、当該貸金庫ボックス200の当該宅配日時よりも前の時間帯(例えば、宅配日の午前中等)として設定するとよい。
【0091】
利用履歴蓄積データは、各貸金庫ボックス200の利用履歴データ(後述する図13参照)を蓄積したデータである。このデータの生成更新手順については後述する。
【0092】
図10に戻って、この自動貸金庫制御ユニット180は、通信インターフェース186を介して通信網29に接続されており、これにより、宅配スケジュール宅配管理サーバ32と相互通信可能に接続されている。また。自動貸金庫制御ユニット180は、入出力インターフェース187を介して、搬送機構部130、取出しブース用認証装置190、リーダー192、その他キーボード或はスイッチ等の入力装置(図示省略)等にも通信可能に接続されている。
【0093】
取出しブース用認証装置190は、利用ブース128Bにおいて、宅配作業員の認証を受付ける装置である。取出しブース用認証装置190は、宅配作業員に貸与されたカードを読込む装置であってもよいし、宅配作業員からのパスワードを受付ける入力装置であってもよいし、その他指紋認証、静脈認証等の生体認証を行う装置であってもよい。
【0094】
リーダー192は、貸金庫ボックス200の利用履歴を読込む装置である。リーダー192としては、赤外線通信、無線通信等を利用した近接無線通信装置を用いることができる。このリーダー192は、天板開口123B等、利用ブース128Bにおいて返却された貸金庫ボックス200が通過する経路の近傍に設置されている(図7,図8参照)。
【0095】
ここで、貸金庫ボックス200の一例について説明しておく。
【0096】
図12は貸金庫ボックス200の外観構成を示す概略斜視図である。貸金庫ボックス200は、金属等によって平たい箱状に形成されている。貸金庫ボックス200の天井板には、開口202が形成され、当該開口202を開閉可能に覆う蓋204が、ヒンジ等を介して取付けられている。また、貸金庫ボックス200には、蓋204をロック及びアンロックするロック機構部210と、当該ロック機構部210を制御するロック制御部220と、入力部としてのリードライド装置214とが組込まれている。
【0097】
ロック機構部210は、電磁アクチュエータ等の駆動によって、蓋204に係脱可能に係止することによって当該蓋204をロック状態に維持し、或は、蓋204を開放可能なアンロック状態に動作できるようになっている。
【0098】
リードライド装置214は、利用者の認証情報を入力可能に構成されている。ここでは、リードライド装置214は、上記リーダー192とも通信可能な近接無線通信装置として構成されている。もっとも、入力部は、リーダー192と通信を行う装置とは別の認証装置として構成されていてもよい。或は、別途準備された認証装置がインターフェースとしての入力部に接続される構成であってもよい。
【0099】
また、ロック制御部220は、前記入力部を通じて入力される認証情報に基づいてロック機構部210をロックアンロック制御するようになっている。
【0100】
図13は、ロック制御部220のハードウエア構成例を示すブロック図である。このロック制御部220は、CPU222、フラッシュメモリ223、RAM224等がバスライン221を介して相互接続されたマイコンによって構成されている。RAM284はCPU182が所定の手順に従った処理を行う際の作業領域として供される。フラッシュメモリ223には、データを書換え可能に記憶可能な不揮発性メモリであり、ロック制御プログラム、認証情報、利用履歴データ等を記憶している。
【0101】
認証情報は、本貸金庫ボックス200を利用可能な権限に関する認証情報であり、本貸金庫ボックス200の管理者によって予め設定されている。
【0102】
なお、図13に示すように、ロック制御部220は、動き検知センサ231と、GPS受信部232と、通信インターフェース233とを備えている。動き検知センサ231は、自動貸金庫100から取出された貸金庫ボックス200の動きを検知可能に構成されている。動き検知センサ231としては、振動センサ、加速度センサ等を用いることができる。GPS受信部232は、自動貸金庫100から取出された貸金庫ボックス200の位置情報を取得する位置取得部として用いられるものであり、即ち、GPSアンテナを介してGPS衛星からの信号を受信して所定の演算処理を行うことにより、現在位置を取得できるようになっている。また、ロック制御部220は、通信インターフェース233から通信網を介して宅配スケジュール宅配管理サーバ32及び利用者側端末装置40と相互通信可能に接続されている。そして、動き検知センサ231の検知結果及びGPS受信部232により取得された位置情報が、通信網を介して宅配スケジュール宅配管理サーバ32及び利用者側端末装置40に送信されるようになっている。これらの情報は、宅配スケジュール宅配管理サーバ32及び利用者側端末装置40を通じた要求(特にユーザの要求)により送信されるようになっていてもよいし、或は、所定距離或は所定エリアへの移動又は保管時における貸金庫ボックス200の動き検知により自動的に宅配スケジュール宅配管理サーバ32及び利用者側端末装置40に送信されるようになっていてもよい。また、送信形式は、電子メール形式であってもよいし、その他のデータ形式であってもよい。
【0103】
これにより、ユーザ等において、貸金庫ボックス200の現在位置、意図しない(取出し要求していない)位置変化、動き等を知ることができるので、セキュリティ性が高まる。
【0104】
なお、以下では、認証及びロック、アンロック、履歴取得動作を中心に説明する。
【0105】
利用履歴データは、図14に示すように、本貸金庫ボックス200の利用履歴に関するデータであり、上記ロック制御部220の処理動作に基づいて、ロック制御部220のアンロック日時及びロック日時が逐次書込まれたデータとして生成更新されている。
【0106】
また、本ロック制御部220は、入出力インターフェース228を通じてロック機構部210、リードライト装置230、動き検知センサ231及びGPS受信部232にも接続されている。また、ロック制御部220は、通信インターフェース233を介して通信網に接続されている。
【0107】
図15は本貸金庫ボックス200の動作を示すフローチャートである。
【0108】
すなわち、ロック制御部220は、ステップS31において認証合格か否かを判定する。つまり、上記リードライド装置214を通じて認証情報が入力されると、フラッシュメモリ223内に記憶された認証情報と照合して認証の合否を判定する。そして、認証が合格するまで本処理を繰返し、判定結果が合格であれば、次のステップS2に進む。
【0109】
次ステップS32では、現在の日時をアンロックする日時として利用履歴に書込み、次ステップS33に進む。
【0110】
ステップS33では、ロック制御部220は、ロック機構部210をアンロック駆動する。これにより、利用者は蓋204を開いて利用できるようになる。
【0111】
次ステップS34では、蓋204が閉じられたか否かを判定する。この判定は、別途設けられたマイクロスイッチ、光センサ等の出力に基づいて行うことができる。そして、蓋204が閉じられたと判定されるまで本判定を繰返し、蓋204が閉じられたと判定されると、ステップS35に進む。
【0112】
ステップS35では、現在の日時をロックする日時として利用履歴に書込み、次ステップS36に進む。
【0113】
ステップS36では、ロック制御部220は、ロック機構部210をロック駆動する。これにより、蓋204を開けないようになる。
【0114】
このようにして、貸金庫ボックス200のロックアンロック制御がなされ、また、ロック及びアンロック履歴が記憶部に記憶されることになる。
【0115】
上記を前提として、図16を参照して、自動貸金庫制御ユニット180の処理を説明する。
【0116】
まず、貸金庫ボックス200に対する操作要求があると、ステップS41において、内部利用用の利用ブース128Aからの指示であるか、外部取出し用の利用ブース128Bからの指示であるかが判定される。内部利用用の利用ブース128Aからの指示であると判定された場合、ステップS42に進み、上記したように、所定の貸金庫ボックス200の出し入れ処理を行って、処理を終了する。一方、外部取出し用の利用ブース128Bからの指示であると判定された場合、ステップS43に進む。
【0117】
ステップS43では、認証処理が実行される。認証処理は、取出しブース用認証装置190を通じて、宅配作業員からの認証情報を受付け、当該受付けられた認証情報を予め管理権限者等によって設定された認証情報と照合等することによって行われる。認証結果が合格であれば、ステップS44に進む。
【0118】
ステップS44では、自動貸金庫制御ユニット180に対する指示に基づいて貸金庫ボックス200の取出し要求であるか、返却要求であるかが判定される。取出し要求である場合には、ステップS45に進み、返却要求である場合にはステップS48に進む。
【0119】
ステップS45では、宅配作業員からの貸金庫ボックス200の特定情報を受付け、その後、ステップS46に進む。
【0120】
ステップS46では、特定された貸金庫ボックス200が取出し可能なものであるか否かを判定する。ここでの判定は、外部出庫テーブルを参照して、特定された貸金庫ボックス200が宅配のリクエストがされたものであるか、つまり、当該貸金庫ボックス200が該当日時に取出し予定として挙げられているか否かを判定する。そして、取出可と判定されるまで、本処理を繰返し、取出可と判定されると、次ステップS47に進む。つまり、宅配リクエストに応じた貸金庫ボックス200のみを外部に取出し可能にする。
【0121】
ステップS47では、上記の出し入れ処理と同様にして、内部の貸金庫ボックス200を外部取出し用の利用ブース128Bに搬送する。これにより、宅配作業員は当該貸金庫ボックス200を取出して持運ぶことができる。なお、取出し用の貸金庫ボックス200を利用ブースに搬送したとき(又は貸金庫ボックス200の取出しが確認されたとき)に、自動貸金庫制御ユニット180は、通信インターフェース186から通信網を通じて、貸金庫ボックス200が取出された旨を利用者等に通知するようにしてもよい。通知は、電子メール等によって行うことができる。
【0122】
一方、ステップS44において返却であると判定された場合、ステップS48に進む。ステップS48では、上記出し入れ処理と同様にして、貸金庫ボックス200の入庫処理を開始する。
【0123】
そして、入庫処理開始後の次ステップS49において、貸金庫ボックス200がリーダー192側方を通過するタイミングで、貸金庫ボックス200のロック制御部220からリードライド装置214及びリーダー192を通じて、利用履歴を読取り、利用履歴蓄積データを更新する。
【0124】
この後、ステップS50において、貸金庫ボックス200の格納棚112への格納が終了すると、処理を終了する。
【0125】
このように構成された自動貸金庫100を採用することで、リクエストされた貸金庫ボックス200を宅配作業員に容易に、しかも、安全に提供できる。
【0126】
また、来店による利用者に対しては、利用ブース128Aにて利用できるようにすることで、貸金庫ボックス200を取出せないようにすることができ、また、宅配作業員に対して利用ブース128Bにて利用できるようにすることで、貸金庫ボックス200を取出せるようにすることができる。
【0127】
また、宅配のリクエストに応じた貸金庫ボックス200のみを外部に取出せるようにすることができるため、よりセキュリティに優れる。
【0128】
また、貸金庫ボックス200として認証機能を備えたものを用いることで、当該認証が可能なもののみが貸金庫ボックス200をアンロック状態にして利用できるようにすることができる。
【0129】
さらに、貸金庫ボックス200のアンロック履歴を記憶することで、当該貸金庫ボックス200の利用履歴を残して把握することができる。
【0130】
{変形例}
なお、上記実施形態では、自動貸金庫100の設置箇所と宅配者とが別である例で説明したが、自動貸金庫は宅配者の管理下に設定されていてもよい。
【0131】
また、宅配管理サーバ50は、金融機関等の管理下に設定されていることは必須ではなく、宅配者の管理下に設定されていてもよい。
【符号の説明】
【0132】
29 通信網
32 宅配スケジュール宅配管理サーバ
40 利用者側端末装置
50 宅配管理サーバ
55 外部記憶装置
100 自動貸金庫
112 格納棚
120A、120B ブース台
123A、123B 天板開口
128A、128B 利用ブース
130 搬送機構部
180 自動貸金庫制御ユニット
190 ブース用認証装置
192 リーダー
200 貸金庫ボックス
204 蓋
210 ロック機構部
214 リードライド装置
220 ロック制御部
223 フラッシュメモリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貸金庫内の貸金庫ボックスを、利用者に宅配するための貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
(a)利用者による貸金庫ボックスの宅配リクエストが通信網を介して宅配管理サーバに入力されるステップと、
(b)前記宅配管理サーバが、前記宅配リクエストに応じて、宅配スケジュール記憶部に記憶された宅配スケジュール情報に基づいて、宅配日時を決定するステップと、
(c)前記宅配管理サーバが、通信網を介して、前記決定された宅配日時を利用者に通知するステップと、
(d)前記宅配管理サーバが、通信網を介して、前記決定された宅配日時を宅配者に通知するステップと、
を備える貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項2】
請求項1記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
前記ステップ(a)では、宅配希望日時を含む宅配リクエストが入力され、
前記ステップ(b)では、前記宅配管理サーバが、前記宅配スケジュール情報に基づいて、前記宅配希望日時に宅配可能か否かを判断し、宅配可能である場合に、前記宅配希望日時を宅配日時として決定する、
貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
前記ステップ(b)において、前記宅配リクエストに宅配日時が含まれていない場合或は前記宅配希望日時に宅配不能である場合、前記宅配スケジュールに基づいて宅配候補日時を決定し、その宅配候補日時に対する利用者の指定に基づいて宅配日時を決定する、
貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
前記貸金庫は、格納棚内に格納された貸金庫ボックスを、利用ブースに対して自動的に出し入れする自動貸金庫である、貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項5】
請求項4記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
前記自動貸金庫は、前記利用ブースとして、
前記貸金庫ボックスを取出せない状態で前記貸金庫ボックスを開いて前記貸金庫ボックスを利用可能な第1利用ブースと、
前記貸金庫ボックスを取出せる第2利用ブースと、
を含む、貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
前記自動貸金庫は、前記貸金庫ボックスとして異なる大きさのものが用いられ、大きい方の貸金庫ボックスは前記利用ブースから取出せず、小さい方の貸金庫ボックスが前記利用ブースから取出される、貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項7】
請求項4〜請求項6のいずれか1つに記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
(e)前記自動貸金庫が、前記宅配リクエストに応じた貸金庫ボックスのみを、外部に取出し可能にするステップ、
をさらに備える貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
前記貸金庫ボックスとして、認証情報が入力される入力部と、前記認証情報に基づいてロックアンロック制御を行うロック制御部とを備えるものを用いる、貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項9】
請求項8記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
前記貸金庫ボックスの前記ロック制御部は、アンロック履歴を記憶部に記憶する、貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか1つの記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
前記貸金庫ボックスとして、前記貸金庫から取出された前記貸金庫ボックスの位置情報を取得可能な位置取得部と、前記位置取得部からの位置情報を、通信網を介して前記利用者及び宅配管理サーバの少なくとも1つに通知する通信部とを備えるものを用いる、貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項11】
請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
前記貸金庫ボックスとして、前記貸金庫から取出された前記貸金庫ボックスの動きを検知可能な動き検知部と、前記動き検知部からの検知情報を、通信網を介して前記利用者及び宅配管理サーバの少なくとも1つに通知する通信部とを備えるものを用いる、貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項12】
貸金庫内の貸金庫ボックスを、利用者に宅配するための宅配管理システムであって、
宅配者の宅配スケジュールが記憶された宅配スケジュール記憶部と、
通信網を介して入力される、利用者による貸金庫ボックスの宅配リクエストに応じて、前記宅配スケジュール記憶部に記憶された宅配スケジュール情報に基づいて、宅配日時を決定し、決定された宅配日時を、通信網を介して利用者及び宅配者に通知する宅配日時管理部と、
を備える宅配管理システム。
【請求項1】
貸金庫内の貸金庫ボックスを、利用者に宅配するための貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
(a)利用者による貸金庫ボックスの宅配リクエストが通信網を介して宅配管理サーバに入力されるステップと、
(b)前記宅配管理サーバが、前記宅配リクエストに応じて、宅配スケジュール記憶部に記憶された宅配スケジュール情報に基づいて、宅配日時を決定するステップと、
(c)前記宅配管理サーバが、通信網を介して、前記決定された宅配日時を利用者に通知するステップと、
(d)前記宅配管理サーバが、通信網を介して、前記決定された宅配日時を宅配者に通知するステップと、
を備える貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項2】
請求項1記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
前記ステップ(a)では、宅配希望日時を含む宅配リクエストが入力され、
前記ステップ(b)では、前記宅配管理サーバが、前記宅配スケジュール情報に基づいて、前記宅配希望日時に宅配可能か否かを判断し、宅配可能である場合に、前記宅配希望日時を宅配日時として決定する、
貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
前記ステップ(b)において、前記宅配リクエストに宅配日時が含まれていない場合或は前記宅配希望日時に宅配不能である場合、前記宅配スケジュールに基づいて宅配候補日時を決定し、その宅配候補日時に対する利用者の指定に基づいて宅配日時を決定する、
貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
前記貸金庫は、格納棚内に格納された貸金庫ボックスを、利用ブースに対して自動的に出し入れする自動貸金庫である、貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項5】
請求項4記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
前記自動貸金庫は、前記利用ブースとして、
前記貸金庫ボックスを取出せない状態で前記貸金庫ボックスを開いて前記貸金庫ボックスを利用可能な第1利用ブースと、
前記貸金庫ボックスを取出せる第2利用ブースと、
を含む、貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
前記自動貸金庫は、前記貸金庫ボックスとして異なる大きさのものが用いられ、大きい方の貸金庫ボックスは前記利用ブースから取出せず、小さい方の貸金庫ボックスが前記利用ブースから取出される、貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項7】
請求項4〜請求項6のいずれか1つに記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
(e)前記自動貸金庫が、前記宅配リクエストに応じた貸金庫ボックスのみを、外部に取出し可能にするステップ、
をさらに備える貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
前記貸金庫ボックスとして、認証情報が入力される入力部と、前記認証情報に基づいてロックアンロック制御を行うロック制御部とを備えるものを用いる、貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項9】
請求項8記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
前記貸金庫ボックスの前記ロック制御部は、アンロック履歴を記憶部に記憶する、貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか1つの記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
前記貸金庫ボックスとして、前記貸金庫から取出された前記貸金庫ボックスの位置情報を取得可能な位置取得部と、前記位置取得部からの位置情報を、通信網を介して前記利用者及び宅配管理サーバの少なくとも1つに通知する通信部とを備えるものを用いる、貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項11】
請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の貸金庫ボックスの宅配サービス方法であって、
前記貸金庫ボックスとして、前記貸金庫から取出された前記貸金庫ボックスの動きを検知可能な動き検知部と、前記動き検知部からの検知情報を、通信網を介して前記利用者及び宅配管理サーバの少なくとも1つに通知する通信部とを備えるものを用いる、貸金庫ボックスの宅配サービス方法。
【請求項12】
貸金庫内の貸金庫ボックスを、利用者に宅配するための宅配管理システムであって、
宅配者の宅配スケジュールが記憶された宅配スケジュール記憶部と、
通信網を介して入力される、利用者による貸金庫ボックスの宅配リクエストに応じて、前記宅配スケジュール記憶部に記憶された宅配スケジュール情報に基づいて、宅配日時を決定し、決定された宅配日時を、通信網を介して利用者及び宅配者に通知する宅配日時管理部と、
を備える宅配管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−229072(P2012−229072A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97154(P2011−97154)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
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