説明

貼付剤用剥離シート(ライナー)

【課題】貼付剤を貼り易くし、特に身体の後面(背側面)に対しても、粘着面同士が貼り付いたりすることなく自力で貼ることを可能とするような、貼付時の操作性を向上させる貼付剤用剥離シート(ライナー)を提供する。
【解決手段】折り返し、二重構造としたライナーを用いる。二重になったライナーとライナーとの接触面は接着させておくが、必要に応じて容易に剥がすこともできるようにしておく。剥がして伸展させたライナーの先端を持って操作することにより、これまで手の届きにくかった身体面への貼付をも可能とする。この二重構造のライナーは、膏体面の一部又は全部のいずれを覆うようにも使用できる(残る一部に従来の一重のライナーを用いても良い。)。その使用の一例として、二重構造のライナー二枚のそれぞれの折り返し部が支持体(不織布、基布)の長軸中央で接するように配した形態などがある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は貼付剤を貼りやすくするための発明である。
【背景技術】
【0002】
従来の貼付剤においては、その貼付時の操作性を改善させる工夫は少々散見されるものの(例えば、特許文献1、2参照)、基本的にライナーが支持体(不織布、基布)の膏体面を一重に被覆しているという構造は、何ら変わるところはない。
【特許文献1】特開2002−306530号
【特許文献2】特開2001−258926号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の貼付剤は、貼る際に膏体面に触れずにその緊張を保つことが難しく、膏体面同士が貼りついたり、しわになったりして、貼りにくいことが多かった。特に、身体の後面(背側面)に対しては、自分できれいに貼付することはなかなか出来なかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
イ ライナーを折り返し、二重構造とする。
ロ 二重になったライナーとライナーとの接触面は接着させているものの、必要に応じて容易に剥がすこともできるようにしておく。
ハ 膏体を被覆している(膏体面に直接触れている)側のライナーと、折り返され外側に(膏体のない側に)あるライナーとは材質、硬度、厚み等が異なってもかまわない。
上記イ、ロ、ハの特徴を有するライナーが、貼付剤の膏体面の一部又は全部を覆っているようにする。
【発明の効果】
【0005】
二重になっているライナーを剥離して伸展することにより、ライナー先端から膏体面に至る距離が長くとれるため、背部などこれまで手の届きにくかった部位へも粘着面同士が貼り付いたりすることなく、自力で貼ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
上記ライナーは貼付剤の膏体面の一部あるいは全部に対して使用されてかまわないが、その特長を生かせる最良の形態の一例として、上記ライナー二枚が、支持体(不織布、基布)の長軸中央で、折り返し部を接するようにして支持体全面を覆っているものを挙げることができる。
【実施例1】
【0007】
図1,2に一例を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】貼付剤の長辺に平行な断面図
【図2】貼付剤の平面図
【符号の説明】
【0009】
1 ライナーの折り返し部(膏体面の長軸中央)
2 支持体(不織布、基布)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イ 折り返して二重構造となっていることを特徴とするライナー(貼付剤用剥離シート)。
ロ 二重になったライナーとライナーとの接触面は接着させているものの、必要に応じて容易に剥がすこともできるようにしてある。
ハ 膏体を被覆している(膏体面に直接触れている)側のライナーと、折り返して外側に(膏体のない側に)あるライナーとは材質、硬度、厚み等が異なってもかまわない。
ニ 上記イ、ロ、ハの特徴を有するライナーは、貼付剤の膏体面の一部又は全部のいずれを覆ってもかまわない。すなわち、膏体面の一部には従来の一重構造のライナーを使用しても良い。一例としては、上記イ、ロ、ハの特徴を有するライナー二枚が、支持体(不織布、基布)の長軸中央で折り返し部を接するようにして膏体面全面を覆っている形態、などがある。
以上の如く構成された、貼付剤を貼る際、必要に応じて二重面を剥離して伸張した先端を持って貼ることのできるライナー。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−131583(P2009−131583A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−341611(P2007−341611)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(504197684)
【Fターム(参考)】