質問器装置、通信方法及び通信プログラム
【課題】複数の質問器を同時に稼働させても無線信号の干渉が生じず、優先して使用したい質問器を他の質問器に優先させて無線通信させることができる質問器装置、通信方法及び通信プログラムを提供する。
【解決手段】質問器装置は、送信信号を生成する送信部33と、受信信号を処理する受信部34と、無線信号を送受信するアンテナ11と、送信信号を送信部33からアンテナ11に供給し、受信信号をアンテナ11から受信部34に供給する方向性結合器8と、第1の端子Aが方向性結合器8に接続し、第2の端子Bが接地し、制御信号によってアンテナ11に第1の端子A又は第2の端子Bを接続するスイッチング素子9と、キャリアセンスを行ってキャリアを検出したとき、スイッチング素子9を制御して割込み信号をバックスキャッタし、自己より優先度の低い他の質問器装置に無線信号の送信を停止させる制御部1と、を備える。
【解決手段】質問器装置は、送信信号を生成する送信部33と、受信信号を処理する受信部34と、無線信号を送受信するアンテナ11と、送信信号を送信部33からアンテナ11に供給し、受信信号をアンテナ11から受信部34に供給する方向性結合器8と、第1の端子Aが方向性結合器8に接続し、第2の端子Bが接地し、制御信号によってアンテナ11に第1の端子A又は第2の端子Bを接続するスイッチング素子9と、キャリアセンスを行ってキャリアを検出したとき、スイッチング素子9を制御して割込み信号をバックスキャッタし、自己より優先度の低い他の質問器装置に無線信号の送信を停止させる制御部1と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、質問器装置、通信方法及び通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信可能な情報記憶媒体である無線タグはRFID(Radio Frequency Identification)とも呼ばれ、質問器との間で情報を送受信するシステムが実用化されている。
【0003】
無線タグのなかでもパッシブタグは電池を搭載していない。この無線タグは質問器からの無線信号から電力を生成して質問器と通信を行う。質問器からの無線信号の電力は無線タグに電力を供給する必要があるため大きなものとなる。
【0004】
従って、質問器が複数近接して使用される場合には、無線信号の干渉が生じ、無線タグの読み取り性能が低下することがある。特に、複数の質問器のうち特定の質問器を優先して使用する必要がある場面では、この無線信号の干渉は業務遂行に大きな妨げとなる。
【0005】
この点に関し、いくつかの技術が提案されている。第1の技術として、他の質問器からの無線信号を検出し、無線信号を検出した場合には無線タグとの通信を開始せず、無信号状態の空きチャンネルがある場合にはそのチャンネルを用いて無線タグとの通信を開始するキャリアセンス方式が提案されている。
【0006】
しかし、この方式では先に通信を開始した質問器がしばらくの間チャンネルを独占し、優先して使用したい質問器はこの間待機せざるを得ない。また、複数の質問器が異なるチャンネルを用いて同時に無線信号を送信する場合、無線タグは正常に無線信号を受信できない。
【0007】
第2の技術として、複数の質問器を制御する制御装置を備え、この制御装置が複数の質問器が同時に無線通信しないように時分割管理する技術が提案されている。
【0008】
しかし、この技術においては制御装置が新たに必要となり、システムが複雑となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−242742号公報
【特許文献2】特開2003−283367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、複数の質問器を同時に稼働させても無線信号の干渉が生じず、優先して使用したい質問器を他の質問器に優先させて無線通信させることができる質問器装置、通信方法及び通信プログラムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態は、送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、送信信号を送信部からアンテナに供給し、受信信号を前記アンテナから受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によってアンテナに第1の端子又は前記第2の端子を接続するスイッチング素子と、を備える質問器装置を提供する。
【0012】
また、本発明の一実施形態は、送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、送信信号を送信部からアンテナに供給し、受信信号をアンテナから受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によってアンテナに第1の端子又は第2の端子を接続するスイッチング素子と、を備える質問器装置のスイッチング素子を制御して他の質問器装置からの無線信号をバックスキャッタする通信方法を提供する。
【0013】
また、本発明の一実施形態は、送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、送信信号を送信部からアンテナに供給し、受信信号をアンテナから受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によってアンテナに第1の端子又は第2の端子を接続するスイッチング素子と、を備える質問器装置のスイッチング素子を制御して他の質問器装置からの無線信号をバックスキャッタする通信プログラムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】質問器装置の構成図である。
【図1B】スイッチング素子にFETを用いた質問器装置の構成図である。
【図2】質問器装置の通信動作の例を示す図である。
【図3】スイッチング素子の動作とバックスキャッタ信号との関係を示す図である。
【図4】優先度テーブルの構造を示す図である。
【図5】質問器装置がバックスキャッタによって送信する割込み信号の第1の例を示す図である。
【図6】Preambleの構成の例を示す図である。
【図7】質問器装置がバックスキャッタによって送信する割込み信号の第2の例を示す図である。
【図8】割込み信号によって優先度の高い質問器装置が優先される例を示すタイミングチャートである。
【図9】割込み信号によって優先度の劣る質問器装置が無視される例を示すタイミングチャートである。
【図10】質問器装置の送信判断処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】質問器装置の通信継続判断処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】質問器装置がAM変調信号によって送信する優先信号の第1の例を示す図である。
【図13】質問器装置がバックスキャッタによって送信する停止信号の例を示す図である。
【図14】質問器装置がAM変調信号によって送信する優先信号の第2の例を示す図である。
【図15】優先信号と停止信号とによって優先度の高い質問器装置が優先される例を示すタイミングチャートである。
【図16】優先信号と停止信号とによって優先度の劣る質問器装置が沈黙させられる例を示すタイミングチャートである。
【図17】質問器装置の送信判断処理の動作を示すフローチャートである。
【図18】質問器装置の通信継続判断処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、質問器装置、通信方法及び通信プログラムの一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
本実施形態の質問器装置は、送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、送信信号を送信部からアンテナに供給し、受信信号を前記アンテナから受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によってアンテナに第1の端子又は前記第2の端子を接続するスイッチング素子と、を備える。
【0017】
本実施形態の通信方法は、送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、送信信号を送信部からアンテナに供給し、受信信号をアンテナから受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によってアンテナに第1の端子又は第2の端子を接続するスイッチング素子と、を備える質問器装置のスイッチング素子を制御して他の質問器装置からの無線信号をバックスキャッタする。
【0018】
本実施形態の通信プログラムは、送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、送信信号を送信部からアンテナに供給し、受信信号をアンテナから受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によってアンテナに第1の端子又は第2の端子を接続するスイッチング素子と、を備える質問器装置のスイッチング素子を制御して他の質問器装置からの無線信号をバックスキャッタする。
【0019】
(質問器装置)
図1Aは、本実施形態の質問器装置の構成図である。図1に示すように、質問器装置は、制御信号を生成し、情報を演算処理する制御部1と、送信信号を生成する送信部33と、受信信号を処理する受信部34と、無線信号を送受信するアンテナ11と、送信信号を送信部33からアンテナ11に供給し、受信信号をアンテナ11から受信部34に供給する方向性結合器8と、第1の端子Aが方向性結合器8に接続し、第2の端子Bが接地し、制御部1からの制御信号によってアンテナ11に第1の端子A又は第2の端子Bを接続するスイッチング素子9と、を備える。
【0020】
制御部1は、演算装置であるCPU40と、情報を記憶する記憶装置36と、を備える。記憶装置36は、キャリアセンスの閾値であるキャリアセンスレベル37と、質問器の優先順位を示す優先度を含む優先度テーブル38と、を格納する。制御部1は、インターフェースを介して上位機器であるホストPC39に接続する。
【0021】
送信部33は、送信信号を符号化する符号化部2と、符号化された送信信号を変調する変調部(MOD)4と、変調された送信信号を増幅する増幅器(PA)5と、を備える。
【0022】
制御部1は送信信号を符号化部2に出力する。符号化部2は、例えばPIE(Pulse Interval Encoding)符号によりデジタル符号化する。符号化された送信信号はデジタルアナログコンバータ(DAC)3によってアナログ信号に変換される。
【0023】
制御部1はPLL7を制御してローカル信号を生成させる。変調部4はこのローカル信号を用いて送信信号を変調し、増幅器5に出力する。
【0024】
制御部1は増幅率をデジタルアナログコンバータ(DAC)6に出力する。アナログ信号に変換された増幅率に基づいて増幅器5は送信信号を増幅し、方向性結合器8に出力する。
【0025】
受信部34は、受信信号を増幅してデジタル信号に変化する第1の変換部と、受信信号を第1の変換部の信号に対して90°位相をずらして受信信号を増幅してデジタル信号に変化する第2の変換部と、第1の変換部の出力信号を2乗し、第2の変換部の出力信号を2乗し、これらの2乗された信号を加算する応答信号強度測定部32と、応答信号強度測定部32の出力信号を復調して制御部1に出力する復調部30と、を備える。
【0026】
アンテナ11によって受信された無線信号は、ローパスフィルタ(LPF)10によって高周波成分が除去され、スイッチング素子9の第1の端子Aを介して方向性結合器8に入力する。
【0027】
第1の変換部は、方向性結合器8から入力した受信信号とPLL7のローカル信号とを積算器12により積算し、コンデンサ15によって直流成分を除去し、ローパスフィルタ(LPF)17によって不要な高周波成分を除去して増幅器(PA)19に出力する。第1の変換部はさらに、増幅器19により信号を増幅し、アナログデジタルコンバータ(ADC)21によりデジタル信号に変換し、デジタルフィルタ(FIR)23によって不要成分をフィルタリングする。
【0028】
第2の変換部は、方向性結合器8から入力した受信信号と、位相器(90°)14によって90°位相がずらされたPLL7のローカル信号とを積算器13により積算し、コンデンサ16によって直流成分を除去し、ローパスフィルタ(LPF)18によって不要な高周波成分を除去して増幅器(PA)20に出力する。第2の変換部はさらに、増幅器20により信号を増幅し、アナログデジタルコンバータ(ADC)22によりデジタル信号に変換し、デジタルフィルタ(FIR)24によって不要成分をフィルタリングする。
【0029】
応答信号強度測定部32は、第1の変換部からの出力を第1の2乗部25によって2乗し、第2の変換部からの出力を第2の2乗部26によって2乗し、これらの2乗された信号を加算器27によって加算して復調部30に出力する。
【0030】
復調部30は、無線タグの応答信号の変調方式に応じて加算器27からの出力信号を復調し、制御部1に出力する。
【0031】
なお、応答信号強度測定部32は、加算器27からの出力を制御部1とAGC回路(AGC)28とに出力する。AGC回路28は入力信号の振幅が閾値より低い場合には増幅器20の利得を高くするための信号を出力する。この信号はデジタルアナログコンバータ(DAC)29によってアナログ信号に変換され、増幅器20に出力される。
【0032】
ここで、スイッチング素子9について説明する。スイッチング素子9は、SPDT(Single pole, Dual throw)スイッチなどの高周波スイッチである。SPDTスイッチは公知のものを採用できる。SPDTスイッチの構成や動作に関しては、例えば特開2001−237682に公開されている。スイッチング素子9は制御部1からの信号により第1の端子Aと第2の端子Bとを切り替える。
【0033】
スイッチング素子9は、通常は第1の端子Aに接続しており、アンテナ11はアンテナとして機能し、アンテナ11での反射は少ない。質問器装置から電波を送信する時は、PA5の出力は、方向性結合器8、スイッチング素子9、LPF10を介して、アンテナ11から電波が出力される。受信する時は、アンテナ11によって受信された高周波信号は方向性結合器8、受信部34、制御部1を通って、データを受信することができる。
【0034】
スイッチング素子9が第2の端子Bに接続しているとき、第1の端子Bは接地されているため、アンテナ11はアンテナとして機能せず、高周波信号はアンテナ11で反射される。
【0035】
従って、質問器装置は制御部1がスイッチング素子9を切り替え制御することにより、他の質問器装置からの無変調信号をバックスキャッタして送信することが可能となる。
【0036】
図1Bは、スイッチング素子にFETを用いた質問器装置の構成図である。図1Bに示すように、図1Aのスイッチング素子9としてFET(Field Effect Transistor)9Aを採用することができる。
【0037】
この場合、LPF10と方向性結合器8とを結ぶ線路に抵抗Zを介してFET9Aのドレイン端子を接続し、制御部1からの制御信号をFET9Aのゲート端子に入力し、FET9Aのソース端子は接地される。
【0038】
Nチャネル型FETの場合、制御部1からの信号がLowの場合、FET9Aはオフとなり、ドレインとソース間は開放になり、アンテナ11はアンテナとして機能し、反射が少ない。
【0039】
制御部1からの信号がHighの場合、FET9Aはオンとなり、ドレインとソース間は導通状態になり、アンテナ11は抵抗Zを介して接地されてアンテナとして機能せず、他の質問装置からの無変調信号を反射する。抵抗Zのインピーダンスは、アンテナ11が不整合になる値であればよく、インピーダンスz=0(短絡)でもよい。
【0040】
従って、FET9Aに入力する信号のHighとLowを切り替えることによりバックスキャッタすることが可能となる。
【0041】
図2は、質問器装置の通信動作の例を示す図である。図2に示すように、質問器装置はスイッチング素子9の第1の端子Aを接続して経路Aを形成し、キャリアセンス期間にキャリアセンスを行う。
【0042】
質問器装置はキャリアセンスの結果、他の質問器装置からの無線信号を検知した場合、バックスキャッタ期間に、スイッチング素子9を制御して経路Aとスイッチング素子9が第2の端子Bに接続することによって形成される経路Bとを、送信するデータに従って、スイッチングする。このスイッチングによって、バックスキャッタ信号が他の質問器装置に送信される。
【0043】
質問器装置は、無線タグとの通信期間においてはスイッチング素子9を制御して経路Aを形成し、無線タグと通信を行う。
【0044】
図3は、スイッチング素子9の動作とバックスキャッタ信号との関係を示す図である。図3に示すように、(A)に示すスイッチング素子9が経路Aを形成する場合は無変調信号が反射されず、経路Bを形成する場合は反射される。
【0045】
従って、(B)に示すバックスキャッタ信号は、経路Aの場合“0”と、経路Bの場合“1”となる。
【0046】
図4は、優先度テーブル38の構造を示す図である。図4に示すように、優先度テーブル38は、質問器装置ごとに固有に割り当てられた名称である「リーダ名称」と、優先順位を表す「優先度」と、を格納する。
【0047】
各項目のデータの例は、「リーダ名称」が「リーダ1」、「優先度」が「2」である。
【0048】
(通信方法)
(第1の実施形態)
図5は、質問器装置がバックスキャッタによって送信する割込み信号の第1の例を示す図である。
【0049】
図5に示すように、割込み信号であるInterruptは、Sync、Preamble、Dataを含む。
【0050】
Syncは同期コードである。Preambleはカリブレーション信号と、信号の発信元を識別するための発信元識別子と、を含む。
【0051】
この発信元識別子は、受信したバックスキャッタ信号が無線タグからのものか、あるいは他の質問器装置からのものかの別を示す。例えば、発信元識別子は、質問器装置から信号を発信する場合は「リーダからの発信」を示す「1001」を、無線タグから信号を発信する場合は「無線タグからの発信」を示す「1010」を採用できる。
【0052】
この発信元識別子により、質問器装置は受信した信号が無線タグからの信号である場合には通常の無線通信を行い、他の質問器装置からの信号である場合には割込み信号であると認識することが可能となる。
【0053】
Dataは、発信元の質問器装置を示す「リーダ名称」と、発信元の質問器装置の優先度を示す「優先度」を含む。
【0054】
図6は、Preambleの構成の例を示す図である。図6に示すように、Preambleは、信号の開始を示すdelimiterと、データ長をカリブレーションするdata−0と、質問器装置から無線タグへの無線信号のカリブレーションのためのRTcalと、無線タグから質問器装置への無線信号のカリブレーションのためのTRcalと、発信元識別子と、を含む。
【0055】
図6に示した例においては、発信元識別子は質問器装置から発信された信号であることを示している。
【0056】
図7は、質問器装置がバックスキャッタによって送信する割込み信号の第2の例を示す図である。
【0057】
図7に示すように、割込み信号であるInterruptは、Sync、Preamble、Dataを含む。
【0058】
Syncは同期コードである。Preambleはカリブレーション信号を含む。
【0059】
Dataは、信号の発信元を識別するための発信元識別子と、発信元の質問器装置を示す「リーダ名称」と、発信元の質問器装置の優先度を示す「優先度」を含む。
【0060】
図8は、割込み信号によって優先度の高い質問器装置が優先される例を示すタイミングチャートである。この例においては、質問器装置1より質問器装置2の方が、優先度が勝る場合の動作を示す。
【0061】
図8に示すように、質問器装置1は無変調信号(CW)を発信しているとする。質問器装置2はキャリアセンス(CS)を行うとキャリアを検出するため、無線タグに無線信号を送信できない。干渉が起こるからである。
【0062】
そこで、質問器装置2は割込み信号であるInterruptを、スイッチング素子9を制御することによりバックスキャッタする。
【0063】
質問器装置1はInterruptの中の優先度と、優先度テーブル38に格納されている自己の優先度とを比較し、自己の優先度がInterruptの中の優先度に劣る場合、無線信号の送信を停止する。
【0064】
質問器装置2はInterruptを送信後に再びキャリアセンスを行い、無線信号が停止していると判定した場合、無線タグとの通信を、Queryを送信して開始する。
【0065】
図9は、割込み信号によって優先度の劣る質問器装置が無視される例を示すタイミングチャートである。この例においては、質問器装置2より質問器装置1の方が、優先度が勝る場合の動作を示す。
【0066】
図9に示すように、質問器装置1は無変調信号(CW)を発信しているとする。質問器装置2はキャリアセンス(CS)を行うとキャリアを検出するため、無線タグに無線信号を送信できない。干渉が起こるからである。
【0067】
そこで、質問器装置2は割込み信号であるInterruptを、スイッチング素子9を制御することによりバックスキャッタする。
【0068】
質問器装置1はInterruptの中の優先度と、優先度テーブル38に格納されている自己の優先度とを比較し、自己の優先度がInterruptの中の優先度に勝る場合、割込み信号を無視して無線タグとの通信を継続する。
【0069】
質問器装置2はInterruptを送信後に再びキャリアセンスを行うが、質問器装置1から無線信号が送信されているため、無線信号を送信することができない。
【0070】
図10は、質問器装置の送信判断処理の動作を示すフローチャートである。図10に示すように、動作1001において、質問器装置はキャリアセンスを行う。
【0071】
動作1002において、質問器装置は、キャリアがあるかを判定する。質問器装置はキャリアがあると判定した場合、動作1003に進み、キャリアがないと判定した場合、動作1004に進む。
【0072】
動作1003において、質問器装置は割込み信号をバックスキャッタする。
【0073】
動作1004において、質問器装置は無線タグに無線信号を送信する。
【0074】
図11は、質問器装置の通信継続判断処理の動作を示すフローチャートである。図11に示すように、動作1101において、質問器装置は無変調信号を送信する。
【0075】
動作1102において、質問器装置はバックスキャッタがあるかをリスン、すなわち検知する。
【0076】
動作1103において、質問器装置は割込み信号があるかを判定する。質問器装置は、割込み信号があると判定した場合、動作1104に進み、割込み信号がないと判定した場合、動作1106に進む。
【0077】
動作1104において、質問器装置は受信した割込み信号に含まれている優先度が自己の優先度より高いかを判定する。質問器装置は、受信した割込み信号に含まれている優先度が自己の優先度より高いと判定した場合、動作1105に進み、受信した割込み信号に含まれている優先度が自己の優先度より高くないと判定した場合、動作1106に進む。
【0078】
動作1105において、質問器装置は無線信号の送信を停止する。
【0079】
動作1106において、質問器装置は無線タグとの通信を継続する。
【0080】
以上述べたように、本実施形態の質問器装置は、送信信号を生成する送信部33と、受信信号を処理する受信部34と、無線信号を送受信するアンテナ11と、送信信号を送信部33からアンテナ11に供給し、受信信号をアンテナ11から受信部34に供給する方向性結合器8と、第1の端子Aが方向性結合器8に接続し、第2の端子Bが接地し、制御部1からの制御信号によってアンテナ11に第1の端子A又は第2の端子Bを接続するスイッチング素子9と、キャリアセンスを行ってキャリアを検出したとき、スイッチング素子9を制御して割込み信号をバックスキャッタし、自己より優先度の低い他の質問器装置に無線信号の送信を停止させる制御部1と、を備える。
【0081】
従って、複数の質問器装置を同時に稼働させても無線信号の干渉が生じず、優先して使用したい質問器装置を他の質問器装置に優先させて無線通信させることができる、という効果がある。
【0082】
(第2の実施形態)
図12は、質問器装置がAM変調信号によって送信する優先信号の第1の例を示す図である。
【0083】
図12に示すように、優先信号であるPriorityは、Sync、Preamble、Dataを含む。
【0084】
Syncは同期コードである。Preambleはカリブレーション信号と、信号の発信元を識別するための発信元識別子と、を含む。
【0085】
この発信元識別子は、受信したバックスキャッタ信号が無線タグからのものか、あるいは他の質問器装置からのものかの別を示す。例えば、発信元識別子は、質問器装置から信号を発信する場合は「リーダからの発信」を示す「1001」を、無線タグから信号を発信する場合は「無線タグからの発信」を示す「1010」を採用できる。
【0086】
この発信元識別子により、質問器装置は受信した信号が無線タグからの信号である場合には通常の無線通信を行い、他の質問器装置からの信号である場合には割込み信号であると認識することが可能となる。
【0087】
Preambleの構成は第1の実施形態の第1の例におけるPreambleの構成と同じである。
【0088】
Dataは、発信元の質問器装置を示す「リーダ名称」と、発信元の質問器装置の優先度を示す「優先度」を含む。
【0089】
図13は、質問器装置がバックスキャッタによって送信する停止信号の例を示す図である。
【0090】
図13に示すように、停止信号であるStopのPreambleは、信号の開始を示すdelimiterと、データ長をカリブレーションするdata−0と、質問器装置から無線タグへの無線信号のカリブレーションのためのRTcalと、無線タグから質問器装置への無線信号のカリブレーションのためのTRcalと、Stopコマンドと、を含む。
【0091】
停止信号を受信した質問器装置は無線信号の送信を停止する。従って、複数の質問器装置が稼働しているときに、ある質問器装置が停止信号を発すると、他の質問器装置は全て無線信号の送信を停止する。
【0092】
図14は、質問器装置がAM変調信号によって送信する優先信号の第2の例を示す図である。
【0093】
図14に示すように、割込み信号であるInterruptは、Sync、Preamble、Dataを含む。
【0094】
Syncは同期コードである。Preambleはカリブレーション信号を含む。
【0095】
Dataは、信号の発信元を識別するための発信元識別子と、発信元の質問器装置を示す「リーダ名称」と、発信元の質問器装置の優先度を示す「優先度」を含む。
【0096】
図15は、優先信号と停止信号とによって優先度の高い質問器装置が優先される例を示すタイミングチャートである。この例においては、質問器装置1より質問器装置2の方が、優先度が勝る場合の動作を示す。
【0097】
図15に示すように、質問器装置1はキャリアセンスを行い、キャリアを検知しない場合、無線タグとの通信のために無線信号の送信を開始する。質問器装置1は無線タグとの通信の際に定期的に優先信号を送信する。
【0098】
質問器装置2は、キャリアセンスを行うが、質問器装置1が無線信号を送信しているために無線信号を送信することができない。
【0099】
質問器装置2は、受信した優先信号に含まれる優先度が、自己の優先度より劣るかを判定する。質問器装置2は、受信した優先信号に含まれる優先度が、自己の優先度より劣ると判定した場合、質問器装置1の無変調信号をバックスキャッタして停止信号を送信する。
【0100】
質問器装置1は停止信号を受信すると無線信号の送信を停止する。
【0101】
質問器装置2は、キャリアセンスを行ってキャリアがないことを確認してから無線タグとの通信を、Queryを送信して開始する。
【0102】
図16は、優先信号と停止信号とによって優先度の劣る質問器装置が沈黙させられる例を示すタイミングチャートである。この例においては、質問器装置2より質問器装置1の方が、優先度が勝る場合の動作を示す。
【0103】
図16に示すように、質問器装置1はキャリアセンスを行い、キャリアを検知しない場合、無線タグとの通信のために無線信号の送信を開始する。質問器装置1は無線タグとの通信の際に定期的に優先信号を送信する。
【0104】
質問器装置2は、キャリアセンスを行うが、質問器装置1が無線信号を送信しているために無線信号を送信することができない。
【0105】
質問器装置2は、受信した優先信号に含まれる優先度が、自己の優先度より勝るかを判定する。質問器装置2は、受信した優先信号に含まれる優先度が、自己の優先度より勝ると判定した場合、質問器装置2はそのまま無線信号を出さずに沈黙する。
【0106】
図17は、質問器装置の送信判断処理の動作を示すフローチャートである。図17に示すように、動作1601において、質問器装置はキャリアセンスを行う。
【0107】
動作1602において、質問器装置はキャリアがあるかを判定する。質問器装置はキャリアがあると判定した場合、動作1603に進み、キャリアがないと判定した場合、動作1604に進む。
【0108】
動作1603において、質問器装置は優先度信号をリスンする。
【0109】
動作1604において、質問器装置は無線タグとの通信を開始するために無線信号を送信し、処理を終了する。
【0110】
動作1605において、質問器装置は受信信号に優先信号があるかを判定する。質問器装置は受信信号に優先信号がある場合、動作1606に進み、優先信号がない場合、動作1607に進む。
【0111】
動作1606において、質問器装置は優先信号に含まれる優先度が自己の優先度より高いかを判定する。質問器装置は、優先信号に含まれる優先度が自己の優先度より高いと判定した場合、処理を終了し、高くないと判定した場合、動作1607に進む。
【0112】
動作1607において、質問器装置は停止信号を送信して他の質問器装置の無線信号の送信を停止させ、処理を終了する。
【0113】
図18は、質問器装置の通信継続判断処理の動作を示すフローチャートである。図17に示すように、動作1701において、質問器装置は無変調信号を送信する。
【0114】
動作1702において、質問器装置は優先信号を送信する。
【0115】
動作1703において、質問器装置は停止信号をリスンする。
【0116】
動作1704において、質問器装置は受信信号に停止信号があるかを判定する。質問器装置は、受信信号の中に停止信号がある場合、動作1705に進んで無線信号の送信を停止し、受信信号の中に停止信号がない場合、動作1706に進んで無線タグとの通信を継続する。
【0117】
以上述べたように、本実施形態の質問器装置は、送信信号を生成する送信部33と、受信信号を処理する受信部34と、無線信号を送受信するアンテナ11と、送信信号を送信部33からアンテナ11に供給し、受信信号をアンテナ11から受信部34に供給する方向性結合器8と、第1の端子Aが方向性結合器8に接続し、第2の端子Bが接地し、制御部1からの制御信号によってアンテナ11に第1の端子A又は第2の端子Bを接続するスイッチング素子9と、受信した優先信号の優先度が自己の優先度より劣るとき、スイッチング素子9を制御して停止信号をバックスキャッタし、自己より優先度の低い他の質問器装置に無線信号の送信を停止させる制御部1と、を備える。
【0118】
従って、複数の質問器装置を同時に稼働させても無線信号の干渉が生じず、優先して使用したい質問器装置を他の質問器装置に優先させて無線通信させることができるという効果があるとともに、優先信号をトリガーとして停止信号を送信するため、プロトコルが乱れることがないという効果がある。
【0119】
(通信プログラム)
上記の動作を実行するプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録され、質問器装置はこの記録媒体からプログラムを読み出して実行する。
【0120】
コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、フレキシブル磁気ディスク、ハードディスク、フラッシュメモリ、磁気テープ、ROMなどのメモリ、ASICなどが挙げられるが、これらに限られるわけではない。
【0121】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0122】
1:制御部
8:方向性結合器
9:スイッチング素子
11:アンテナ
33:送信部
34:受信部
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、質問器装置、通信方法及び通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信可能な情報記憶媒体である無線タグはRFID(Radio Frequency Identification)とも呼ばれ、質問器との間で情報を送受信するシステムが実用化されている。
【0003】
無線タグのなかでもパッシブタグは電池を搭載していない。この無線タグは質問器からの無線信号から電力を生成して質問器と通信を行う。質問器からの無線信号の電力は無線タグに電力を供給する必要があるため大きなものとなる。
【0004】
従って、質問器が複数近接して使用される場合には、無線信号の干渉が生じ、無線タグの読み取り性能が低下することがある。特に、複数の質問器のうち特定の質問器を優先して使用する必要がある場面では、この無線信号の干渉は業務遂行に大きな妨げとなる。
【0005】
この点に関し、いくつかの技術が提案されている。第1の技術として、他の質問器からの無線信号を検出し、無線信号を検出した場合には無線タグとの通信を開始せず、無信号状態の空きチャンネルがある場合にはそのチャンネルを用いて無線タグとの通信を開始するキャリアセンス方式が提案されている。
【0006】
しかし、この方式では先に通信を開始した質問器がしばらくの間チャンネルを独占し、優先して使用したい質問器はこの間待機せざるを得ない。また、複数の質問器が異なるチャンネルを用いて同時に無線信号を送信する場合、無線タグは正常に無線信号を受信できない。
【0007】
第2の技術として、複数の質問器を制御する制御装置を備え、この制御装置が複数の質問器が同時に無線通信しないように時分割管理する技術が提案されている。
【0008】
しかし、この技術においては制御装置が新たに必要となり、システムが複雑となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−242742号公報
【特許文献2】特開2003−283367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、複数の質問器を同時に稼働させても無線信号の干渉が生じず、優先して使用したい質問器を他の質問器に優先させて無線通信させることができる質問器装置、通信方法及び通信プログラムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態は、送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、送信信号を送信部からアンテナに供給し、受信信号を前記アンテナから受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によってアンテナに第1の端子又は前記第2の端子を接続するスイッチング素子と、を備える質問器装置を提供する。
【0012】
また、本発明の一実施形態は、送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、送信信号を送信部からアンテナに供給し、受信信号をアンテナから受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によってアンテナに第1の端子又は第2の端子を接続するスイッチング素子と、を備える質問器装置のスイッチング素子を制御して他の質問器装置からの無線信号をバックスキャッタする通信方法を提供する。
【0013】
また、本発明の一実施形態は、送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、送信信号を送信部からアンテナに供給し、受信信号をアンテナから受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によってアンテナに第1の端子又は第2の端子を接続するスイッチング素子と、を備える質問器装置のスイッチング素子を制御して他の質問器装置からの無線信号をバックスキャッタする通信プログラムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】質問器装置の構成図である。
【図1B】スイッチング素子にFETを用いた質問器装置の構成図である。
【図2】質問器装置の通信動作の例を示す図である。
【図3】スイッチング素子の動作とバックスキャッタ信号との関係を示す図である。
【図4】優先度テーブルの構造を示す図である。
【図5】質問器装置がバックスキャッタによって送信する割込み信号の第1の例を示す図である。
【図6】Preambleの構成の例を示す図である。
【図7】質問器装置がバックスキャッタによって送信する割込み信号の第2の例を示す図である。
【図8】割込み信号によって優先度の高い質問器装置が優先される例を示すタイミングチャートである。
【図9】割込み信号によって優先度の劣る質問器装置が無視される例を示すタイミングチャートである。
【図10】質問器装置の送信判断処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】質問器装置の通信継続判断処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】質問器装置がAM変調信号によって送信する優先信号の第1の例を示す図である。
【図13】質問器装置がバックスキャッタによって送信する停止信号の例を示す図である。
【図14】質問器装置がAM変調信号によって送信する優先信号の第2の例を示す図である。
【図15】優先信号と停止信号とによって優先度の高い質問器装置が優先される例を示すタイミングチャートである。
【図16】優先信号と停止信号とによって優先度の劣る質問器装置が沈黙させられる例を示すタイミングチャートである。
【図17】質問器装置の送信判断処理の動作を示すフローチャートである。
【図18】質問器装置の通信継続判断処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、質問器装置、通信方法及び通信プログラムの一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
本実施形態の質問器装置は、送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、送信信号を送信部からアンテナに供給し、受信信号を前記アンテナから受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によってアンテナに第1の端子又は前記第2の端子を接続するスイッチング素子と、を備える。
【0017】
本実施形態の通信方法は、送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、送信信号を送信部からアンテナに供給し、受信信号をアンテナから受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によってアンテナに第1の端子又は第2の端子を接続するスイッチング素子と、を備える質問器装置のスイッチング素子を制御して他の質問器装置からの無線信号をバックスキャッタする。
【0018】
本実施形態の通信プログラムは、送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、送信信号を送信部からアンテナに供給し、受信信号をアンテナから受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によってアンテナに第1の端子又は第2の端子を接続するスイッチング素子と、を備える質問器装置のスイッチング素子を制御して他の質問器装置からの無線信号をバックスキャッタする。
【0019】
(質問器装置)
図1Aは、本実施形態の質問器装置の構成図である。図1に示すように、質問器装置は、制御信号を生成し、情報を演算処理する制御部1と、送信信号を生成する送信部33と、受信信号を処理する受信部34と、無線信号を送受信するアンテナ11と、送信信号を送信部33からアンテナ11に供給し、受信信号をアンテナ11から受信部34に供給する方向性結合器8と、第1の端子Aが方向性結合器8に接続し、第2の端子Bが接地し、制御部1からの制御信号によってアンテナ11に第1の端子A又は第2の端子Bを接続するスイッチング素子9と、を備える。
【0020】
制御部1は、演算装置であるCPU40と、情報を記憶する記憶装置36と、を備える。記憶装置36は、キャリアセンスの閾値であるキャリアセンスレベル37と、質問器の優先順位を示す優先度を含む優先度テーブル38と、を格納する。制御部1は、インターフェースを介して上位機器であるホストPC39に接続する。
【0021】
送信部33は、送信信号を符号化する符号化部2と、符号化された送信信号を変調する変調部(MOD)4と、変調された送信信号を増幅する増幅器(PA)5と、を備える。
【0022】
制御部1は送信信号を符号化部2に出力する。符号化部2は、例えばPIE(Pulse Interval Encoding)符号によりデジタル符号化する。符号化された送信信号はデジタルアナログコンバータ(DAC)3によってアナログ信号に変換される。
【0023】
制御部1はPLL7を制御してローカル信号を生成させる。変調部4はこのローカル信号を用いて送信信号を変調し、増幅器5に出力する。
【0024】
制御部1は増幅率をデジタルアナログコンバータ(DAC)6に出力する。アナログ信号に変換された増幅率に基づいて増幅器5は送信信号を増幅し、方向性結合器8に出力する。
【0025】
受信部34は、受信信号を増幅してデジタル信号に変化する第1の変換部と、受信信号を第1の変換部の信号に対して90°位相をずらして受信信号を増幅してデジタル信号に変化する第2の変換部と、第1の変換部の出力信号を2乗し、第2の変換部の出力信号を2乗し、これらの2乗された信号を加算する応答信号強度測定部32と、応答信号強度測定部32の出力信号を復調して制御部1に出力する復調部30と、を備える。
【0026】
アンテナ11によって受信された無線信号は、ローパスフィルタ(LPF)10によって高周波成分が除去され、スイッチング素子9の第1の端子Aを介して方向性結合器8に入力する。
【0027】
第1の変換部は、方向性結合器8から入力した受信信号とPLL7のローカル信号とを積算器12により積算し、コンデンサ15によって直流成分を除去し、ローパスフィルタ(LPF)17によって不要な高周波成分を除去して増幅器(PA)19に出力する。第1の変換部はさらに、増幅器19により信号を増幅し、アナログデジタルコンバータ(ADC)21によりデジタル信号に変換し、デジタルフィルタ(FIR)23によって不要成分をフィルタリングする。
【0028】
第2の変換部は、方向性結合器8から入力した受信信号と、位相器(90°)14によって90°位相がずらされたPLL7のローカル信号とを積算器13により積算し、コンデンサ16によって直流成分を除去し、ローパスフィルタ(LPF)18によって不要な高周波成分を除去して増幅器(PA)20に出力する。第2の変換部はさらに、増幅器20により信号を増幅し、アナログデジタルコンバータ(ADC)22によりデジタル信号に変換し、デジタルフィルタ(FIR)24によって不要成分をフィルタリングする。
【0029】
応答信号強度測定部32は、第1の変換部からの出力を第1の2乗部25によって2乗し、第2の変換部からの出力を第2の2乗部26によって2乗し、これらの2乗された信号を加算器27によって加算して復調部30に出力する。
【0030】
復調部30は、無線タグの応答信号の変調方式に応じて加算器27からの出力信号を復調し、制御部1に出力する。
【0031】
なお、応答信号強度測定部32は、加算器27からの出力を制御部1とAGC回路(AGC)28とに出力する。AGC回路28は入力信号の振幅が閾値より低い場合には増幅器20の利得を高くするための信号を出力する。この信号はデジタルアナログコンバータ(DAC)29によってアナログ信号に変換され、増幅器20に出力される。
【0032】
ここで、スイッチング素子9について説明する。スイッチング素子9は、SPDT(Single pole, Dual throw)スイッチなどの高周波スイッチである。SPDTスイッチは公知のものを採用できる。SPDTスイッチの構成や動作に関しては、例えば特開2001−237682に公開されている。スイッチング素子9は制御部1からの信号により第1の端子Aと第2の端子Bとを切り替える。
【0033】
スイッチング素子9は、通常は第1の端子Aに接続しており、アンテナ11はアンテナとして機能し、アンテナ11での反射は少ない。質問器装置から電波を送信する時は、PA5の出力は、方向性結合器8、スイッチング素子9、LPF10を介して、アンテナ11から電波が出力される。受信する時は、アンテナ11によって受信された高周波信号は方向性結合器8、受信部34、制御部1を通って、データを受信することができる。
【0034】
スイッチング素子9が第2の端子Bに接続しているとき、第1の端子Bは接地されているため、アンテナ11はアンテナとして機能せず、高周波信号はアンテナ11で反射される。
【0035】
従って、質問器装置は制御部1がスイッチング素子9を切り替え制御することにより、他の質問器装置からの無変調信号をバックスキャッタして送信することが可能となる。
【0036】
図1Bは、スイッチング素子にFETを用いた質問器装置の構成図である。図1Bに示すように、図1Aのスイッチング素子9としてFET(Field Effect Transistor)9Aを採用することができる。
【0037】
この場合、LPF10と方向性結合器8とを結ぶ線路に抵抗Zを介してFET9Aのドレイン端子を接続し、制御部1からの制御信号をFET9Aのゲート端子に入力し、FET9Aのソース端子は接地される。
【0038】
Nチャネル型FETの場合、制御部1からの信号がLowの場合、FET9Aはオフとなり、ドレインとソース間は開放になり、アンテナ11はアンテナとして機能し、反射が少ない。
【0039】
制御部1からの信号がHighの場合、FET9Aはオンとなり、ドレインとソース間は導通状態になり、アンテナ11は抵抗Zを介して接地されてアンテナとして機能せず、他の質問装置からの無変調信号を反射する。抵抗Zのインピーダンスは、アンテナ11が不整合になる値であればよく、インピーダンスz=0(短絡)でもよい。
【0040】
従って、FET9Aに入力する信号のHighとLowを切り替えることによりバックスキャッタすることが可能となる。
【0041】
図2は、質問器装置の通信動作の例を示す図である。図2に示すように、質問器装置はスイッチング素子9の第1の端子Aを接続して経路Aを形成し、キャリアセンス期間にキャリアセンスを行う。
【0042】
質問器装置はキャリアセンスの結果、他の質問器装置からの無線信号を検知した場合、バックスキャッタ期間に、スイッチング素子9を制御して経路Aとスイッチング素子9が第2の端子Bに接続することによって形成される経路Bとを、送信するデータに従って、スイッチングする。このスイッチングによって、バックスキャッタ信号が他の質問器装置に送信される。
【0043】
質問器装置は、無線タグとの通信期間においてはスイッチング素子9を制御して経路Aを形成し、無線タグと通信を行う。
【0044】
図3は、スイッチング素子9の動作とバックスキャッタ信号との関係を示す図である。図3に示すように、(A)に示すスイッチング素子9が経路Aを形成する場合は無変調信号が反射されず、経路Bを形成する場合は反射される。
【0045】
従って、(B)に示すバックスキャッタ信号は、経路Aの場合“0”と、経路Bの場合“1”となる。
【0046】
図4は、優先度テーブル38の構造を示す図である。図4に示すように、優先度テーブル38は、質問器装置ごとに固有に割り当てられた名称である「リーダ名称」と、優先順位を表す「優先度」と、を格納する。
【0047】
各項目のデータの例は、「リーダ名称」が「リーダ1」、「優先度」が「2」である。
【0048】
(通信方法)
(第1の実施形態)
図5は、質問器装置がバックスキャッタによって送信する割込み信号の第1の例を示す図である。
【0049】
図5に示すように、割込み信号であるInterruptは、Sync、Preamble、Dataを含む。
【0050】
Syncは同期コードである。Preambleはカリブレーション信号と、信号の発信元を識別するための発信元識別子と、を含む。
【0051】
この発信元識別子は、受信したバックスキャッタ信号が無線タグからのものか、あるいは他の質問器装置からのものかの別を示す。例えば、発信元識別子は、質問器装置から信号を発信する場合は「リーダからの発信」を示す「1001」を、無線タグから信号を発信する場合は「無線タグからの発信」を示す「1010」を採用できる。
【0052】
この発信元識別子により、質問器装置は受信した信号が無線タグからの信号である場合には通常の無線通信を行い、他の質問器装置からの信号である場合には割込み信号であると認識することが可能となる。
【0053】
Dataは、発信元の質問器装置を示す「リーダ名称」と、発信元の質問器装置の優先度を示す「優先度」を含む。
【0054】
図6は、Preambleの構成の例を示す図である。図6に示すように、Preambleは、信号の開始を示すdelimiterと、データ長をカリブレーションするdata−0と、質問器装置から無線タグへの無線信号のカリブレーションのためのRTcalと、無線タグから質問器装置への無線信号のカリブレーションのためのTRcalと、発信元識別子と、を含む。
【0055】
図6に示した例においては、発信元識別子は質問器装置から発信された信号であることを示している。
【0056】
図7は、質問器装置がバックスキャッタによって送信する割込み信号の第2の例を示す図である。
【0057】
図7に示すように、割込み信号であるInterruptは、Sync、Preamble、Dataを含む。
【0058】
Syncは同期コードである。Preambleはカリブレーション信号を含む。
【0059】
Dataは、信号の発信元を識別するための発信元識別子と、発信元の質問器装置を示す「リーダ名称」と、発信元の質問器装置の優先度を示す「優先度」を含む。
【0060】
図8は、割込み信号によって優先度の高い質問器装置が優先される例を示すタイミングチャートである。この例においては、質問器装置1より質問器装置2の方が、優先度が勝る場合の動作を示す。
【0061】
図8に示すように、質問器装置1は無変調信号(CW)を発信しているとする。質問器装置2はキャリアセンス(CS)を行うとキャリアを検出するため、無線タグに無線信号を送信できない。干渉が起こるからである。
【0062】
そこで、質問器装置2は割込み信号であるInterruptを、スイッチング素子9を制御することによりバックスキャッタする。
【0063】
質問器装置1はInterruptの中の優先度と、優先度テーブル38に格納されている自己の優先度とを比較し、自己の優先度がInterruptの中の優先度に劣る場合、無線信号の送信を停止する。
【0064】
質問器装置2はInterruptを送信後に再びキャリアセンスを行い、無線信号が停止していると判定した場合、無線タグとの通信を、Queryを送信して開始する。
【0065】
図9は、割込み信号によって優先度の劣る質問器装置が無視される例を示すタイミングチャートである。この例においては、質問器装置2より質問器装置1の方が、優先度が勝る場合の動作を示す。
【0066】
図9に示すように、質問器装置1は無変調信号(CW)を発信しているとする。質問器装置2はキャリアセンス(CS)を行うとキャリアを検出するため、無線タグに無線信号を送信できない。干渉が起こるからである。
【0067】
そこで、質問器装置2は割込み信号であるInterruptを、スイッチング素子9を制御することによりバックスキャッタする。
【0068】
質問器装置1はInterruptの中の優先度と、優先度テーブル38に格納されている自己の優先度とを比較し、自己の優先度がInterruptの中の優先度に勝る場合、割込み信号を無視して無線タグとの通信を継続する。
【0069】
質問器装置2はInterruptを送信後に再びキャリアセンスを行うが、質問器装置1から無線信号が送信されているため、無線信号を送信することができない。
【0070】
図10は、質問器装置の送信判断処理の動作を示すフローチャートである。図10に示すように、動作1001において、質問器装置はキャリアセンスを行う。
【0071】
動作1002において、質問器装置は、キャリアがあるかを判定する。質問器装置はキャリアがあると判定した場合、動作1003に進み、キャリアがないと判定した場合、動作1004に進む。
【0072】
動作1003において、質問器装置は割込み信号をバックスキャッタする。
【0073】
動作1004において、質問器装置は無線タグに無線信号を送信する。
【0074】
図11は、質問器装置の通信継続判断処理の動作を示すフローチャートである。図11に示すように、動作1101において、質問器装置は無変調信号を送信する。
【0075】
動作1102において、質問器装置はバックスキャッタがあるかをリスン、すなわち検知する。
【0076】
動作1103において、質問器装置は割込み信号があるかを判定する。質問器装置は、割込み信号があると判定した場合、動作1104に進み、割込み信号がないと判定した場合、動作1106に進む。
【0077】
動作1104において、質問器装置は受信した割込み信号に含まれている優先度が自己の優先度より高いかを判定する。質問器装置は、受信した割込み信号に含まれている優先度が自己の優先度より高いと判定した場合、動作1105に進み、受信した割込み信号に含まれている優先度が自己の優先度より高くないと判定した場合、動作1106に進む。
【0078】
動作1105において、質問器装置は無線信号の送信を停止する。
【0079】
動作1106において、質問器装置は無線タグとの通信を継続する。
【0080】
以上述べたように、本実施形態の質問器装置は、送信信号を生成する送信部33と、受信信号を処理する受信部34と、無線信号を送受信するアンテナ11と、送信信号を送信部33からアンテナ11に供給し、受信信号をアンテナ11から受信部34に供給する方向性結合器8と、第1の端子Aが方向性結合器8に接続し、第2の端子Bが接地し、制御部1からの制御信号によってアンテナ11に第1の端子A又は第2の端子Bを接続するスイッチング素子9と、キャリアセンスを行ってキャリアを検出したとき、スイッチング素子9を制御して割込み信号をバックスキャッタし、自己より優先度の低い他の質問器装置に無線信号の送信を停止させる制御部1と、を備える。
【0081】
従って、複数の質問器装置を同時に稼働させても無線信号の干渉が生じず、優先して使用したい質問器装置を他の質問器装置に優先させて無線通信させることができる、という効果がある。
【0082】
(第2の実施形態)
図12は、質問器装置がAM変調信号によって送信する優先信号の第1の例を示す図である。
【0083】
図12に示すように、優先信号であるPriorityは、Sync、Preamble、Dataを含む。
【0084】
Syncは同期コードである。Preambleはカリブレーション信号と、信号の発信元を識別するための発信元識別子と、を含む。
【0085】
この発信元識別子は、受信したバックスキャッタ信号が無線タグからのものか、あるいは他の質問器装置からのものかの別を示す。例えば、発信元識別子は、質問器装置から信号を発信する場合は「リーダからの発信」を示す「1001」を、無線タグから信号を発信する場合は「無線タグからの発信」を示す「1010」を採用できる。
【0086】
この発信元識別子により、質問器装置は受信した信号が無線タグからの信号である場合には通常の無線通信を行い、他の質問器装置からの信号である場合には割込み信号であると認識することが可能となる。
【0087】
Preambleの構成は第1の実施形態の第1の例におけるPreambleの構成と同じである。
【0088】
Dataは、発信元の質問器装置を示す「リーダ名称」と、発信元の質問器装置の優先度を示す「優先度」を含む。
【0089】
図13は、質問器装置がバックスキャッタによって送信する停止信号の例を示す図である。
【0090】
図13に示すように、停止信号であるStopのPreambleは、信号の開始を示すdelimiterと、データ長をカリブレーションするdata−0と、質問器装置から無線タグへの無線信号のカリブレーションのためのRTcalと、無線タグから質問器装置への無線信号のカリブレーションのためのTRcalと、Stopコマンドと、を含む。
【0091】
停止信号を受信した質問器装置は無線信号の送信を停止する。従って、複数の質問器装置が稼働しているときに、ある質問器装置が停止信号を発すると、他の質問器装置は全て無線信号の送信を停止する。
【0092】
図14は、質問器装置がAM変調信号によって送信する優先信号の第2の例を示す図である。
【0093】
図14に示すように、割込み信号であるInterruptは、Sync、Preamble、Dataを含む。
【0094】
Syncは同期コードである。Preambleはカリブレーション信号を含む。
【0095】
Dataは、信号の発信元を識別するための発信元識別子と、発信元の質問器装置を示す「リーダ名称」と、発信元の質問器装置の優先度を示す「優先度」を含む。
【0096】
図15は、優先信号と停止信号とによって優先度の高い質問器装置が優先される例を示すタイミングチャートである。この例においては、質問器装置1より質問器装置2の方が、優先度が勝る場合の動作を示す。
【0097】
図15に示すように、質問器装置1はキャリアセンスを行い、キャリアを検知しない場合、無線タグとの通信のために無線信号の送信を開始する。質問器装置1は無線タグとの通信の際に定期的に優先信号を送信する。
【0098】
質問器装置2は、キャリアセンスを行うが、質問器装置1が無線信号を送信しているために無線信号を送信することができない。
【0099】
質問器装置2は、受信した優先信号に含まれる優先度が、自己の優先度より劣るかを判定する。質問器装置2は、受信した優先信号に含まれる優先度が、自己の優先度より劣ると判定した場合、質問器装置1の無変調信号をバックスキャッタして停止信号を送信する。
【0100】
質問器装置1は停止信号を受信すると無線信号の送信を停止する。
【0101】
質問器装置2は、キャリアセンスを行ってキャリアがないことを確認してから無線タグとの通信を、Queryを送信して開始する。
【0102】
図16は、優先信号と停止信号とによって優先度の劣る質問器装置が沈黙させられる例を示すタイミングチャートである。この例においては、質問器装置2より質問器装置1の方が、優先度が勝る場合の動作を示す。
【0103】
図16に示すように、質問器装置1はキャリアセンスを行い、キャリアを検知しない場合、無線タグとの通信のために無線信号の送信を開始する。質問器装置1は無線タグとの通信の際に定期的に優先信号を送信する。
【0104】
質問器装置2は、キャリアセンスを行うが、質問器装置1が無線信号を送信しているために無線信号を送信することができない。
【0105】
質問器装置2は、受信した優先信号に含まれる優先度が、自己の優先度より勝るかを判定する。質問器装置2は、受信した優先信号に含まれる優先度が、自己の優先度より勝ると判定した場合、質問器装置2はそのまま無線信号を出さずに沈黙する。
【0106】
図17は、質問器装置の送信判断処理の動作を示すフローチャートである。図17に示すように、動作1601において、質問器装置はキャリアセンスを行う。
【0107】
動作1602において、質問器装置はキャリアがあるかを判定する。質問器装置はキャリアがあると判定した場合、動作1603に進み、キャリアがないと判定した場合、動作1604に進む。
【0108】
動作1603において、質問器装置は優先度信号をリスンする。
【0109】
動作1604において、質問器装置は無線タグとの通信を開始するために無線信号を送信し、処理を終了する。
【0110】
動作1605において、質問器装置は受信信号に優先信号があるかを判定する。質問器装置は受信信号に優先信号がある場合、動作1606に進み、優先信号がない場合、動作1607に進む。
【0111】
動作1606において、質問器装置は優先信号に含まれる優先度が自己の優先度より高いかを判定する。質問器装置は、優先信号に含まれる優先度が自己の優先度より高いと判定した場合、処理を終了し、高くないと判定した場合、動作1607に進む。
【0112】
動作1607において、質問器装置は停止信号を送信して他の質問器装置の無線信号の送信を停止させ、処理を終了する。
【0113】
図18は、質問器装置の通信継続判断処理の動作を示すフローチャートである。図17に示すように、動作1701において、質問器装置は無変調信号を送信する。
【0114】
動作1702において、質問器装置は優先信号を送信する。
【0115】
動作1703において、質問器装置は停止信号をリスンする。
【0116】
動作1704において、質問器装置は受信信号に停止信号があるかを判定する。質問器装置は、受信信号の中に停止信号がある場合、動作1705に進んで無線信号の送信を停止し、受信信号の中に停止信号がない場合、動作1706に進んで無線タグとの通信を継続する。
【0117】
以上述べたように、本実施形態の質問器装置は、送信信号を生成する送信部33と、受信信号を処理する受信部34と、無線信号を送受信するアンテナ11と、送信信号を送信部33からアンテナ11に供給し、受信信号をアンテナ11から受信部34に供給する方向性結合器8と、第1の端子Aが方向性結合器8に接続し、第2の端子Bが接地し、制御部1からの制御信号によってアンテナ11に第1の端子A又は第2の端子Bを接続するスイッチング素子9と、受信した優先信号の優先度が自己の優先度より劣るとき、スイッチング素子9を制御して停止信号をバックスキャッタし、自己より優先度の低い他の質問器装置に無線信号の送信を停止させる制御部1と、を備える。
【0118】
従って、複数の質問器装置を同時に稼働させても無線信号の干渉が生じず、優先して使用したい質問器装置を他の質問器装置に優先させて無線通信させることができるという効果があるとともに、優先信号をトリガーとして停止信号を送信するため、プロトコルが乱れることがないという効果がある。
【0119】
(通信プログラム)
上記の動作を実行するプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録され、質問器装置はこの記録媒体からプログラムを読み出して実行する。
【0120】
コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、フレキシブル磁気ディスク、ハードディスク、フラッシュメモリ、磁気テープ、ROMなどのメモリ、ASICなどが挙げられるが、これらに限られるわけではない。
【0121】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0122】
1:制御部
8:方向性結合器
9:スイッチング素子
11:アンテナ
33:送信部
34:受信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信信号を生成する送信部と、
受信信号を処理する受信部と、
無線信号を送受信するアンテナと、
前記送信信号を前記送信部から前記アンテナに供給し、前記受信信号を前記アンテナから前記受信部に供給する方向性結合器と、
第1の端子が前記方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によって前記アンテナに前記第1の端子又は前記第2の端子を接続するスイッチング素子と、
を備える質問器装置。
【請求項2】
送信信号を生成する送信部と、
受信信号を処理する受信部と、
無線信号を送受信するアンテナと、
前記送信信号を前記送信部から前記アンテナに供給し、前記受信信号を前記アンテナから前記受信部に供給する方向性結合器と、
第1の端子が前記方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によって前記アンテナを接地させるか否かを切り替えるスイッチング素子と、
を備える質問器装置。
【請求項3】
質問器装置ごとの優先度を格納する優先度テーブルを有し、前記スイッチング素子を制御する制御信号を生成する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
キャリアセンスを行ってキャリアを検出したとき、前記スイッチング素子を制御して割込み信号をバックスキャッタし、自己より優先度の低い他の質問器装置に無線信号の送信を停止させる請求項1又は請求項2に記載の質問器装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記割込み信号に信号発信元が前記質問器装置であるか否かを示す発信元識別子を含ませてバックスキャッタする請求項3記載の質問器装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記割込み信号に、前記質問器装置ごとに固有に割り当てられた名称と、前記優先度と、を含ませてバックスキャッタする請求項4記載の質問器装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記発信元識別子を前記割込み信号のPreambleに含ませてバックスキャッタする請求項5記載の質問器装置。
【請求項7】
質問器装置ごとの優先度を格納する優先度テーブルを有し、前記スイッチング素子を制御する制御信号を生成する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
他の前記質問器装置から受信した優先信号の優先度が自己の優先度より劣るとき、前記スイッチング素子を制御して停止信号をバックスキャッタし、自己より優先度の低い他の前記質問器装置に無線信号の送信を停止させる請求項1又は請求項2に記載の質問器装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記優先信号に信号発信元が前記質問器装置であるか否かを示す発信元識別子を含ませて無線送信する請求項7記載の質問器装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記優先信号に、前記質問器装置ごとに固有に割り当てられた名称と、前記優先度と、を含ませて無線送信する請求項8記載の質問器装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記発信元識別子を前記優先信号のPreambleに含ませて無線送信する請求項9記載の質問器装置。
【請求項11】
送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、前記送信信号を前記送信部から前記アンテナに供給し、前記受信信号を前記アンテナから前記受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が前記方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によって前記アンテナに前記第1の端子又は前記第2の端子を接続するスイッチング素子と、を備える質問器装置の前記スイッチング素子を制御して他の前記質問器装置からの無線信号をバックスキャッタする通信方法。
【請求項12】
送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、前記送信信号を前記送信部から前記アンテナに供給し、前記受信信号を前記アンテナから前記受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が前記方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によって前記アンテナを接地させるか否かを切り替えるスイッチング素子と、を備える質問器装置の前記スイッチング素子を制御して他の前記質問器装置からの無線信号をバックスキャッタする通信方法。
【請求項13】
キャリアセンスを行ってキャリアを検出したとき、前記スイッチング素子を制御して割込み信号をバックスキャッタし、自己より優先度の低い他の質問器装置に無線信号の送信を停止させる請求項11又は請求項12に記載の通信方法。
【請求項14】
前記割込み信号に信号発信元が前記質問器装置であるか否かを示す発信元識別子を含ませてバックスキャッタする請求項11又は請求項12に記載の通信方法。
【請求項15】
前記割込み信号に、前記質問器装置ごとに固有に割り当てられた名称と、前記優先度と、を含ませてバックスキャッタする請求項14記載の通信方法。
【請求項16】
前記発信元識別子を前記割込み信号のPreambleに含ませてバックスキャッタする請求項15記載の通信方法。
【請求項17】
他の前記質問器装置から受信した優先信号の優先度が自己の優先度より劣るとき、前記スイッチング素子を制御して停止信号をバックスキャッタし、自己より優先度の低い他の前記質問器装置に無線信号の送信を停止させる請求項11又は請求項12に記載の通信方法。
【請求項18】
前記優先信号に信号発信元が前記質問器装置であるか否かを示す発信元識別子を含ませて無線送信する請求項13記載の通信方法。
【請求項19】
前記優先信号に、前記質問器装置ごとに固有に割り当てられた名称と、前記優先度と、を含ませて無線送信する請求項18記載の通信方法。
【請求項20】
前記発信元識別子を前記優先信号のPreambleに含ませて無線送信する請求項19記載の通信方法。
【請求項21】
送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、前記送信信号を前記送信部から前記アンテナに供給し、前記受信信号を前記アンテナから前記受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が前記方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によって前記アンテナに前記第1の端子又は前記第2の端子を接続するスイッチング素子と、を備える質問器装置の前記スイッチング素子を制御して他の前記質問器装置からの無線信号をバックスキャッタする通信プログラム。
【請求項22】
送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、前記送信信号を前記送信部から前記アンテナに供給し、前記受信信号を前記アンテナから前記受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が前記方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によって前記アンテナを接地させるか否かを切り替えるスイッチング素子と、を備える質問器装置の前記スイッチング素子を制御して他の前記質問器装置からの無線信号をバックスキャッタする通信プログラム。
【請求項23】
キャリアセンスを行ってキャリアを検出したとき、前記スイッチング素子を制御して割込み信号をバックスキャッタし、自己より優先度の低い他の質問器装置に無線信号の送信を停止させる請求項21又は請求項22に記載の通信プログラム。
【請求項24】
前記割込み信号に信号発信元が前記質問器装置であるか否かを示す発信元識別子を含ませてバックスキャッタする請求項23記載の通信プログラム。
【請求項25】
前記割込み信号に、前記質問器装置ごとに固有に割り当てられた名称と、前記優先度と、を含ませてバックスキャッタする請求項24記載の通信プログラム。
【請求項26】
前記発信元識別子を前記割込み信号のPreambleに含ませてバックスキャッタする請求項25記載の通信プログラム。
【請求項27】
他の前記質問器装置から受信した優先信号の優先度が自己の優先度より劣るとき、前記スイッチング素子を制御して停止信号をバックスキャッタし、自己より優先度の低い他の前記質問器装置に無線信号の送信を停止させる請求項26記載の通信プログラム。
【請求項28】
前記優先信号に信号発信元が前記質問器装置であるか否かを示す発信元識別子を含ませて無線送信する請求項27記載の通信プログラム。
【請求項29】
前記優先信号に、前記質問器装置ごとに固有に割り当てられた名称と、前記優先度と、を含ませて無線送信する請求項28記載の通信プログラム。
【請求項30】
前記発信元識別子を前記優先信号のPreambleに含ませて無線送信する請求項29記載の通信プログラム。
【請求項1】
送信信号を生成する送信部と、
受信信号を処理する受信部と、
無線信号を送受信するアンテナと、
前記送信信号を前記送信部から前記アンテナに供給し、前記受信信号を前記アンテナから前記受信部に供給する方向性結合器と、
第1の端子が前記方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によって前記アンテナに前記第1の端子又は前記第2の端子を接続するスイッチング素子と、
を備える質問器装置。
【請求項2】
送信信号を生成する送信部と、
受信信号を処理する受信部と、
無線信号を送受信するアンテナと、
前記送信信号を前記送信部から前記アンテナに供給し、前記受信信号を前記アンテナから前記受信部に供給する方向性結合器と、
第1の端子が前記方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によって前記アンテナを接地させるか否かを切り替えるスイッチング素子と、
を備える質問器装置。
【請求項3】
質問器装置ごとの優先度を格納する優先度テーブルを有し、前記スイッチング素子を制御する制御信号を生成する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
キャリアセンスを行ってキャリアを検出したとき、前記スイッチング素子を制御して割込み信号をバックスキャッタし、自己より優先度の低い他の質問器装置に無線信号の送信を停止させる請求項1又は請求項2に記載の質問器装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記割込み信号に信号発信元が前記質問器装置であるか否かを示す発信元識別子を含ませてバックスキャッタする請求項3記載の質問器装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記割込み信号に、前記質問器装置ごとに固有に割り当てられた名称と、前記優先度と、を含ませてバックスキャッタする請求項4記載の質問器装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記発信元識別子を前記割込み信号のPreambleに含ませてバックスキャッタする請求項5記載の質問器装置。
【請求項7】
質問器装置ごとの優先度を格納する優先度テーブルを有し、前記スイッチング素子を制御する制御信号を生成する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
他の前記質問器装置から受信した優先信号の優先度が自己の優先度より劣るとき、前記スイッチング素子を制御して停止信号をバックスキャッタし、自己より優先度の低い他の前記質問器装置に無線信号の送信を停止させる請求項1又は請求項2に記載の質問器装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記優先信号に信号発信元が前記質問器装置であるか否かを示す発信元識別子を含ませて無線送信する請求項7記載の質問器装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記優先信号に、前記質問器装置ごとに固有に割り当てられた名称と、前記優先度と、を含ませて無線送信する請求項8記載の質問器装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記発信元識別子を前記優先信号のPreambleに含ませて無線送信する請求項9記載の質問器装置。
【請求項11】
送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、前記送信信号を前記送信部から前記アンテナに供給し、前記受信信号を前記アンテナから前記受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が前記方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によって前記アンテナに前記第1の端子又は前記第2の端子を接続するスイッチング素子と、を備える質問器装置の前記スイッチング素子を制御して他の前記質問器装置からの無線信号をバックスキャッタする通信方法。
【請求項12】
送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、前記送信信号を前記送信部から前記アンテナに供給し、前記受信信号を前記アンテナから前記受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が前記方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によって前記アンテナを接地させるか否かを切り替えるスイッチング素子と、を備える質問器装置の前記スイッチング素子を制御して他の前記質問器装置からの無線信号をバックスキャッタする通信方法。
【請求項13】
キャリアセンスを行ってキャリアを検出したとき、前記スイッチング素子を制御して割込み信号をバックスキャッタし、自己より優先度の低い他の質問器装置に無線信号の送信を停止させる請求項11又は請求項12に記載の通信方法。
【請求項14】
前記割込み信号に信号発信元が前記質問器装置であるか否かを示す発信元識別子を含ませてバックスキャッタする請求項11又は請求項12に記載の通信方法。
【請求項15】
前記割込み信号に、前記質問器装置ごとに固有に割り当てられた名称と、前記優先度と、を含ませてバックスキャッタする請求項14記載の通信方法。
【請求項16】
前記発信元識別子を前記割込み信号のPreambleに含ませてバックスキャッタする請求項15記載の通信方法。
【請求項17】
他の前記質問器装置から受信した優先信号の優先度が自己の優先度より劣るとき、前記スイッチング素子を制御して停止信号をバックスキャッタし、自己より優先度の低い他の前記質問器装置に無線信号の送信を停止させる請求項11又は請求項12に記載の通信方法。
【請求項18】
前記優先信号に信号発信元が前記質問器装置であるか否かを示す発信元識別子を含ませて無線送信する請求項13記載の通信方法。
【請求項19】
前記優先信号に、前記質問器装置ごとに固有に割り当てられた名称と、前記優先度と、を含ませて無線送信する請求項18記載の通信方法。
【請求項20】
前記発信元識別子を前記優先信号のPreambleに含ませて無線送信する請求項19記載の通信方法。
【請求項21】
送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、前記送信信号を前記送信部から前記アンテナに供給し、前記受信信号を前記アンテナから前記受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が前記方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によって前記アンテナに前記第1の端子又は前記第2の端子を接続するスイッチング素子と、を備える質問器装置の前記スイッチング素子を制御して他の前記質問器装置からの無線信号をバックスキャッタする通信プログラム。
【請求項22】
送信信号を生成する送信部と、受信信号を処理する受信部と、無線信号を送受信するアンテナと、前記送信信号を前記送信部から前記アンテナに供給し、前記受信信号を前記アンテナから前記受信部に供給する方向性結合器と、第1の端子が前記方向性結合器に接続し、第2の端子が接地し、制御信号によって前記アンテナを接地させるか否かを切り替えるスイッチング素子と、を備える質問器装置の前記スイッチング素子を制御して他の前記質問器装置からの無線信号をバックスキャッタする通信プログラム。
【請求項23】
キャリアセンスを行ってキャリアを検出したとき、前記スイッチング素子を制御して割込み信号をバックスキャッタし、自己より優先度の低い他の質問器装置に無線信号の送信を停止させる請求項21又は請求項22に記載の通信プログラム。
【請求項24】
前記割込み信号に信号発信元が前記質問器装置であるか否かを示す発信元識別子を含ませてバックスキャッタする請求項23記載の通信プログラム。
【請求項25】
前記割込み信号に、前記質問器装置ごとに固有に割り当てられた名称と、前記優先度と、を含ませてバックスキャッタする請求項24記載の通信プログラム。
【請求項26】
前記発信元識別子を前記割込み信号のPreambleに含ませてバックスキャッタする請求項25記載の通信プログラム。
【請求項27】
他の前記質問器装置から受信した優先信号の優先度が自己の優先度より劣るとき、前記スイッチング素子を制御して停止信号をバックスキャッタし、自己より優先度の低い他の前記質問器装置に無線信号の送信を停止させる請求項26記載の通信プログラム。
【請求項28】
前記優先信号に信号発信元が前記質問器装置であるか否かを示す発信元識別子を含ませて無線送信する請求項27記載の通信プログラム。
【請求項29】
前記優先信号に、前記質問器装置ごとに固有に割り当てられた名称と、前記優先度と、を含ませて無線送信する請求項28記載の通信プログラム。
【請求項30】
前記発信元識別子を前記優先信号のPreambleに含ませて無線送信する請求項29記載の通信プログラム。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−31098(P2013−31098A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167127(P2011−167127)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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