説明

赤外線治療器

【課題】 小型で、入力電力に対する応答が速く、供給電力に対する赤外線の放射効率が高くかつ安全に携帯できる赤外線治療器を提供する。
【解決手段】 赤外線放射率の高い面状パターンヒータ1は封止ハウジング4の内部に電極部5で固定され、該面状パターンヒータ1を中心に赤外線放射面側に赤外線透過率の高い赤外線透過部材2、反対側の面には赤外線反射率の高い赤外線反射部材3が配置され、該面状パターンヒータ1は封止ハウジング部内に密閉される構造になっている。該面状パターンヒータ1の断面を構成する厚みと幅の比が1対20から1対100の間に入る形状になっており、電極部5から遠ざかるに従い幅が広くなる構造となっている。該面状パターンヒータ1を急速温度上昇させ所定の時間間隔で温度制御が可能なヒータ駆動制御回路部7と電力供給する電池部6を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型携帯可能で安全かつ高出力の赤外線治療器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に赤外線治療器は、赤外線ランプや抵抗発熱体を用いて温度を約400℃以上にして数十ワットから数百ワットの赤外線を放射させ患部に照射するものであり据え置き型として一般家庭や病院等で使用されている。また、お灸のように熱伝導と赤外線放射両方でつぼや患部を刺激する方法も肩こりや腰痛に悩む人たちが多く使用している。
【0003】
しかしながら、赤外線ランプや抵抗発熱体を取り付けた赤外線治療器は高出力で照射するため形状が大型で家庭用電源などの大容量の電源が必要であった。しかもやけどをしないように器具から一定距離離れて使用するようになっており、構造上据え置き型が基本で人体の姿勢も固定するものとなっている。一方、お灸はもぐさを燃やしながらその熱を熱伝導と赤外線放射で人体に熱を伝えるため、安全上、肌を露出し姿勢も固定する必要があった。
【0004】
一般に仕事、家事やスポーツ等をしながら赤外線治療器を携帯して使用する用途においては、この欠点は動作性や安全性において大きな障害である。具体的には、家庭用電源のあるところに移動が限定される。バッテリー使用型でも小型のものは小出力で効果が小さく大出力のものはバッテリーや赤外線照射部が大型で重いため使いづらいという問題があった。また、お灸は小型軽量で高温度という特徴があるが、火を使うため火傷や苦痛を伴い傷跡が残る場合もあり安全性や動きながら使う携帯性に問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−327614号公報
【0006】
【特許文献2】特開平10−5356号公報
【0007】
【特許文献3】特開2006−12459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記従来例においては改善策として携帯用の小型の赤外線LEDを用いたもの(特許文献1)が提案されているが、赤外線出力が小さくワットクラスの赤外線出力を出そうとした場合、赤外線LEDの供給電力に対する赤外線の発光効率が低く多数のLED及び電力が必要であり、形状が大きくなったり重くなったりして携帯には適さなくなる。さらに赤外線LEDの発光効率は温度が高くなると低下するため自己発熱を抑える機構が必要で携帯性を阻害する原因となっている。また、ヒータ内蔵のベルトタイプのもの(特許文献2)も提案されているが、発熱体を肌に近づける構造となっており発熱体の温度を上げすぎると空気からの熱伝導で火傷をするため赤外線治療器の温度まで上昇できず赤外線の出力が低くなり効果が小さい。他方、火を使わないお灸も実用に供しているがもぐさの火の温度までは上昇せず出力が弱く、上昇温度や時間を調整する等の効果的な温度制御がしにくいという欠点があった。
【0009】
また、小型高出力のための改善策として短時間で高出力の赤外線を放射する赤外線放射素子(特許文献3)が提案されている。多孔質シリコンの断熱層の上にタングステンなどの高融点の金属薄膜発熱体を形成し、通電で急速に高温まで温度上昇させ赤外線の放射量を増大している。しかしながらこの方法ではミリ秒以下の短時間のパルス照射は可能であるが、人体の部分を暖める熱量を出すためには数秒以上の時間が必要でその熱ストレスや酸化を防ぐためにはかなり複雑な構造になるという欠点があった。
【0010】
本発明で解決しようとする問題点は、赤外線治療器を動きながら使用するときの携帯性において大型で、入力電力に対する応答が遅く、供給電力に対する赤外線の放射効率が悪くかつ安全性が確保できない点である。
【0011】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、小型で携帯性に優れ、入力電力に対する応答が速く、かつ、供給電力に対する赤外線の放射効率の高い安全な赤外線治療器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は、一方に開口部を有する封止ハウジング内部に、赤外線放射率の高い面状パターンヒータを配置し、前記封止ハウジングの開口部を、赤外線領域の透過率が高い赤外線透過部材で閉成して前記面状パターンヒータを密閉し、前記封止ハウジング内の前記面状パターンヒータの裏面に赤外線反射部材を配置したことを特徴とする赤外線治療器である。
【0013】
この発明によれば、一方に開口部を有する封止ハウジング内部に赤外線放射率の高い面状パターンヒータが電極部で固定され、前記封止ハウジングの開口部を、赤外線領域の透過率が高い赤外線透過部材で閉成して前記面状パターンヒータを密閉し、前記封止ハウジング内の前記面状パターンヒータの裏面に赤外線反射部材を配置する構造になっているので小型に構成することが可能であり、かつ、前記面状パターンヒータの温度を高くしても熱せられた空気等の温度は赤外線透過部材にさえぎられて外部に出て行くのは赤外線放射のみになり空気等の熱伝導によるやけどが発生せず安全である。また、前記面状パターンヒータ面の法線方向に赤外線放射の主成分が存在するため効率よく赤外線放射を前記赤外線透過部材を通して人体等に照射出来る。さらに反対側の面から出た赤外線放射も赤外線反射率の高い反射部材によって反射され前記面状パターンヒータに赤外線を吸収させるとともに前記面状パターンヒータ以外の部分は赤外線透過部材を通して人体等に照射出来るため発生した熱量を効率よく赤外線として放射でき供給電力に対する赤外線の放射効率が高くできる。前記面状パターンヒータは薄型であり表面積は大きいが体積が小さいので供給電力に対する応答が速く赤外線放出量の大きい温度領域まで短時間で上昇させることが可能で供給電力に対する赤外線の放射効率を高くできる。
【0014】
請求項2の発明は、人体の赤外線吸収率及び熱伝導率で決まる温度上昇が所定の温度になるように前記面状パターンヒータの温度と表面積で決まる赤外線放射量を通電時間、電流、電圧で制御するヒータ駆動制御回路部を備えたことを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、人体の赤外線吸収率及び熱伝導率で決まる温度上昇から必要赤外線量と時間の関係を求め、前記面状パターンヒータの温度と表面積で決まる赤外線放射量を所定の温度パターンになるように通電時間、電流、電圧で制御することが可能な制御回路部と電力供給する電池部で構成される。この方法で前記面状パターンヒータの温度を高温にし赤外線放射量を大きくしても火傷を起こさず安全で最適な温熱刺激を与えることができる
【0016】
請求項3の発明は、前記面状パターンヒータの断面を構成する厚みと幅の比を1対20から1対100の間に入る形状にしたことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、前記面状パターンヒータの断面を構成する厚みと幅の比を1対20から1対100の間に入る形状にした構造となっている。一般に、ステファンボルツマンの法則から赤外線の放射量は絶対温度の四乗に比例するため、所定の温度にまで上昇させたときが赤外線放射量が一番大きくなる。短時間で温度上昇させることより電極等の発熱部以外の部分への熱伝導による温度低下の影響を小さくすることができ効率的な赤外線放射を実現できる。また、前記面状パターンヒータに所定の電力を供給したときの温度上昇は熱伝導や放射の影響を無視すると前記面状パターンヒータの体積に比例し体積が小さいほど温度上昇が速くなる。人体の赤外線吸収率及び熱伝導率で決まる温度上昇から必要赤外線量及び時間の関係を求め前記面状パターンヒータの赤外線放射面積は決められているので、前記面状パターンヒータの厚みと幅の比を1対20から1対100の間に入る形状にすることにより、携帯用電力で使え赤外線放射量の大きい所定の温度まで上昇させる時間を最適なものにできる。
【0018】
請求項4の発明は、前記面状パターンヒータの形状を、電極部に近い部分から遠い部分にかけて幅が広くなるように形成したことを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、前記面状パターンヒータは電極から遠ざかるに従い幅が広くなる構造となっている。幅の一定の電極付面状パターンヒータの場合、通電すると電極から遠い部分の温度が高くなり電極部分に近づくに従い温度が低くなるという現象が起こる。電極部は発熱がなく熱伝導により前記面状パターンヒータ部分から熱が伝導し温度勾配が発生するためである。前記面状パターンヒータに電流を流した場合、体積に応じて上昇温度が決まる。厚さが一定の面状パターンヒータの場合、幅が狭い部分の断面積は幅が広い部分の断面積より小さくなり同一電力に対する温度上昇は高くなる。一方で電極部分に熱伝導で熱を奪われるため電極部に近い部分の温度上昇は低くなる。発熱していない電極部分に奪われる熱量と前記面状パターンヒータの発熱量をバランスが取れるような形状にすることで前記面状パターンヒータ全面にわたりばらつきの少ない温度分布にすることが可能になり赤外線放射量を安定にすることができる。
【0020】
請求項5の発明は、前記開口部と反対側の封止ハウジングの背面部に、制御回路、電源部の電池を収納する収納部を備えたことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、前記開口部と反対側の封止ハウジングの背面部に制御回路、電池を配置した構造となっており電池や制御回路を赤外線放射部分の外側に配置し一体型にすることにより、配線抵抗による電力の損失を防ぎ、小型で携帯性の優れた赤外線治療器ができる。
【0022】
請求項6の発明は、前記封止ハウジングの開口部を赤外線透過部材で閉成した空洞内を真空に近い状態又は、窒素ガスやその他の不活性ガスを封入したことを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、前記封止ハウジングの開口部を赤外線透過部材で閉成した空洞内を真空に近い状態又は、窒素ガスやその他の不活性ガスを封入した構造となっているので空洞内には空気中の酸素を含まない。たとえばカーボン等は温度が高いほど酸化しやすくなるが酸素を含まない雰囲気にすることで温度上昇時の前記面状パターンヒータの酸化を防止し安定した赤外線放射が得られるため長寿命で品質の安定した赤外線治療器ができる。
【発明の効果】
【0024】
この発明では小型で入力電力に対する応答が速く、供給電力に対する赤外線の放射効率が高くかつ火傷等が起きない安全性を高めるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】 赤外線治療器の実施形態を示した説明図である。(実施例1)
【図2】 赤外線治療器の赤外線放射部の概略説明図である。(実施例2)
【図3】 赤外線放射部の温度に対する放射量を示した説明図である。
【図4】 赤外線の安定放射形状を示した説明図である。(実施例3)
【図5】 赤外線治療器の実施方法を示した説明図である。(実施例4)
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0026】
以下に図面を参照して実施例1を説明する。図1は実施例1の赤外線治療器の説明図であり、この図において、1は面状パターンヒータを示している。この面上パターンヒータ1は遠赤外線放射率の高い材料、例えば、カーボン薄膜自体をヒータとしたり、タングステンの表面にカーボンやセラミックを被覆した薄板状のヒータ等を用いてもよく、そのヒータの種類は特に前記の物に限定されるものではない。また、その形状も特に限定されるものではないが、通常は線状の薄板を種々のパターン形状に形成したものである。
【0027】
前記面状パターンヒータ1は封止ハウジング部4内部に配置されているが、該封止ハウジング部4は、アルミニューム等の金属や難燃性合成樹脂等で製作されており、空洞が穿設され、人体が接する側に開口部が形成されている。前記面状パターンヒータ1は、前記封止ハウジング部4の外周壁に埋め込まれた電極部5と接合する部分以外は空洞内の壁面に接触することなく配置されている。即ち、面状パターンヒータ1は前記封止ハウジング部4以外にも後述する赤外線透過部材2や赤外線反射部材3とも接触せず、熱伝導による温度ロスや赤外線透過部材2の温度上昇による人体への火傷などの傷害を防いでいる。
【0028】
封止ハウジング部の空洞の底壁部に、前記面状パターンヒータ1と所定の間隔を開け、赤外線反射部材3が嵌め込まれている。この赤外線反射部材3は面状パターンヒータ1が放射する赤外線を開口部側に反射するものであり、材料は赤外線を反射するアルミニューム等からできている。この赤外線反射部材3は平板状でもよいが、球面状にして開口部側に焦点を絞って反射するようにしてもよい。
【0029】
前記封止ハウジング部4の開口部は、赤外線透過部材2で閉成されており、前記封止ハウジング部4の空洞内の面状パターンヒータ1が密封されている。空洞内は真空に近い状態が最適であるが、ヒータの酸化を防ぎ良好な断熱部材であり赤外線透過率の高い窒素ガスや不活性ガスを封入してもよい。この赤外線透過部材は波長9マイクロメータまでの赤外線を透過させるフッ化カルシュームがコスト的に最適である。また、この赤外線透過部材2にシリコンやゲルマニウム等を用いてもよい。
【0030】
前記封止ハウジングの外周縁部に埋め込まれ、面状パターンヒータ1に電圧を印加する電極部6には、電線8が接続している。この電線8はさらに電源部6の電力を面状パターンヒータに、制御しながら通電するヒータ駆動制御回路部7と接続している。このヒータ駆動制御回路部7は主として、温度上昇が所定の温度になるように前記面状パターンヒータ1の温度と表面積で決まる赤外線放射量を通電時間、電流、電圧で制御する。なお、電源部6の電源には、携行に適するように電池を用いる。
【実施例2】
【0031】
図2は赤外線治療器の主要部の平面図と断面図を示している。この実施例2は面状パターンヒータ1を収めた封止ハウジング部4は、厚手の円板に、円形の凹部が形成され、凹部の底部に赤外線反射部材3が設けられ、凹部の開口には赤外線透過部材2がハウジング部4の開口部と面一に設けられている。この実施例2の赤外線治療器は直径が焼く2センチメートル程度の円形をしておりツボを刺激するために用いるものであるが、形を大きくすることによって温熱治療に使用することができる。
【0032】
面状パターンヒータ1は前記赤外線透過部材2と赤外線反射部材3との間に非接触で配置されている。この面状パターンヒータ1は平面視において、内部をC形の溝をくり抜いた太いC形の迷路状の薄板で、切欠きが有り、それぞれの切り欠かれた端部に電極8が接続している。赤外線放射は表面積に比例するが、表面からだけではなく裏面からも放射される。即ち、面状パターンヒータ1の裏面から出た赤外線を赤外線反射部材3で反射させ約半分を溝を通して照射することにより、単純な矩形の平板なヒータと同程度の赤外線放射量を照射することができる。平板状の矩形の面状パターンヒータを溝を切りながら折れ曲がった線状に形成するとヒータの体積が約半分になるため、温度上昇時間が単純に半減でき、同一電力に対する赤外線変換効率が向上し、赤外線照射のために電流を通電する通電パターンに変化を持たせることができる。また、ヒータ体積が約半分になるため、温度上昇速度が速くなるので、小電力で短時間にヒータ1を高温度にすることができる。ステファンボルツマンの法則から赤外線放射量は絶対温度の四乗に比例し、図3に示すように体温に対する赤外線放射輝度は1平方センチメートル当たり42℃のヒータが0.004ワットであるのに対して236℃のヒータは0.107ワットになる。さらに、736℃になると5.78ワットと236℃の50倍以上になり、温度上昇の赤外線放射量への効果は非常に大きい。さらに、赤外線放射のピーク波長は温度が高いほど低波長にずれるので、赤外線透過部材2の赤外線透過効率上昇する。
【0033】
人体の赤外線吸収率及び熱伝導率で決まる温度上昇が所定の温度になるように前記面状パターンヒータ1の温度と表面積で決まる赤外線放射量をヒータ駆動制御回路部7で通電時間、電流、電圧を制御することも赤外線が多く放射できる本方式で初めて可能になる。
【実施例3】
【0034】
図4は実施例3の面状パターンヒータの平面図である。この実施例3では面状パターンヒータ1の形状を電極8に近い部分から遠い部分にかけて幅が広くなるように馬蹄形にした一例を図示している。馬蹄形にして中央先端部の幅を最大にすることにより先端部から電極近傍までばらつきの少ない温度にできる。
【0035】
実施例2や実施例3の面状パターンヒータ1の形状では、電圧3〜5V、電流1〜2Aの携帯に適する条件である場合、面状パターンヒータ1の断面を構成する厚みと幅の比を1対20から1対100の間の形状にすることで所定の温度上昇とヒータの機械的な形態の保持が可能で、1対20の値以上であると体積が大きくなり温度上昇が緩慢で実用に耐えず、1対100の値以下だとヒータが薄くなり過ぎて機械的なヒータの形態の保持ができなくなる。
【実施例4】
【0036】
図5は実施例4の赤外線治療器の主要部の断面図である。この実施例5ではヒータ駆動制御回路部7、電源部6(電池)を封止ハウジング部4内に一体的に収納する例を示している。即ち、前記実施例2の封止ハウジング部4の背面部に前記ヒータ駆動制御回路部7、電源部6を格納する収納部を設けている。このように、一体型にすることにより、携帯性に優れ、しかも配線8を収納部の内部に短距離で配置できることから電気抵抗ロスが少なくなり電池の寿命を延ばすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
小型で携帯性に優れ、入力電力に対する応答が速くかつ供給電力に対する赤外線の放射効率の高い安全な治療器が実現できるため、脳血管障害の麻痺患者等のリハビリ用刺激機器として機能回復用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0038】
1 面状パターンヒータ
2 赤外線透過部材
3 赤外線反射部材
4 封止ハウジング部
5 電極部
6 電源部
7 ヒータ駆動制御回路部
8 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方に開口部を有する封止ハウジング内部に、赤外線放射率の高い面状パターンヒータを配置し、前記封止ハウジングの開口部を、赤外線領域の透過率が高い赤外線透過部材で閉成して前記面状パターンヒータを密閉し、前記封止ハウジング内の前記面状パターンヒータの裏面に赤外線反射部材を配置したことを特徴とする赤外線治療器。
【請求項2】
人体の赤外線吸収率及び熱伝導率で決まる温度上昇が所定の温度になるように前記面状パターンヒータの温度と表面積で決まる赤外線放射量を通電時間、電流、電圧で制御するヒータ駆動制御回路部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の赤外線治療器。
【請求項3】
前記面状パターンヒータの断面を構成する厚みと幅の比を1対20から1対100の間に入る形状にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の赤外線治療器。
【請求項4】
面状パターンヒータの形状を、電極部に近い部分から遠い部分にかけて幅が広くなるように形成したことを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の赤外線治療器。
【請求項5】
前記開口部と反対側の封止ハウジングの背面部に、制御回路、電源部の電池を収納する収納部を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の赤外線治療器。
【請求項6】
前記封止ハウジングの開口部を赤外線透過部材で閉成した空洞内を真空に近い状態又は、窒素ガスやその他の不活性ガスを封入したことを特徴とする請求項1又は2に記載の赤外線治療器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−110653(P2012−110653A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275092(P2010−275092)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(510325167)
【Fターム(参考)】