説明

赤熱コークス受骸搬送装置

【課題】搬送バケットの形状や大きさに対する制約が少なく、効率的な赤熱コークスの搬送ができる赤熱コークス受骸搬送装置を得る。
【解決手段】本発明に係る赤熱コークス受骸搬送装置1は、コークス炉3に沿って設けられた消火車軌条5を走行する台車7に搭載される搬送バケット9と、搬送バケット9を吊り上げる巻上塔11と、消火車軌条5を挟むように消火車軌条5の両側上方に設けられたコークガイド車走行軌条15を走行するコークガイド車13とを備え、コークス炉3から押し出される赤熱コークスを受骸してコークス乾式消火設備側に搬送する赤熱コークス受骸搬送装置1であって、コークガイド車走行軌条15の一部を構成するレール57を有し、レール57をコークガイド車走行軌条15に連続する位置と、連続する位置から対向するコークガイド車走行軌条15から離れる方向に退避させる水平移動式レール退避・復元装置17を備えてなるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コークス乾式消火設備(CDQ設備と言う場合あり)における赤熱コークス搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コークス炉の炭化室で石炭を乾留して生成される赤熱コークスは、コークス炉の窯口から押し出されて、コークス炉に沿って設けられた消火車軌条を走行する台車上に搭載された搬送バケットに受骸される。赤熱コークスを受骸した搬送バケットを搭載した台車は巻上塔まで移動して、巻上塔で搬送バケットが吊り上げられる。吊り上げられた搬送バケットは、コークス冷却塔の上方に移動して、搬送バケット内の赤熱コークスがコークス冷却塔に装入される。コークス冷却塔に装入された赤熱コークスは、不活性ガスによって冷却され、その顕熱が蒸気として回収される(特許文献1参照)。
【0003】
コークス炉から押し出される赤熱コークスは、コークガイド車を介して搬送バケットに受骸される。コークガイド車は、コークス炉から押し出される赤熱コークスを搬送バケットに導くガイド機能、及び赤熱コークスが受骸される際に発生する粉塵やガスを集塵する集塵機能を有している。
このような機能を有するコークガイド車は、コークス炉における窯出しされる炉前に移動する必要があるため、消火車軌条の上方でかつコークス炉に沿ってコークガイド車走行軌条が設けられている。
また、集塵機能を有する集塵フードは、搬送バケットを覆うように配置される必要がある。そのため、コークガイド車走行軌条は、搬送バケットの走行する消火車軌条を跨ぐように消火車軌条の両側に設けられている。コークガイド車走行軌条のうち、コークス炉側に設けられた軌条をコークス炉側軌条といい、コークス炉と反対側に設けられたものを反コークス炉側軌条という。
【0004】
上記のようなコークス乾式消火設備における赤熱コークスの搬送方法を概説する。
コークス炉から押し出される赤熱コークスは、コークガイド車にガイドされて搬送バケットに受骸される。搬送バケットに赤熱コークスが受骸されると、赤熱コークスを受骸した搬送バケットを搭載した台車は巻上塔まで移動して、巻上塔で搬送バケットが吊り上げられる。
【0005】
搬送バケットを巻上塔で吊り上げる方式として、直取方式とトラバーサ方式の2つの方式がある。
直取方式とは、コークス炉前などに巻上塔を設置して、コークス炉前の搬送バケットを、コークス炉に沿って設けられた消火車軌条から直接鉛直方向に吊り上げる方式である。
また、トラバーサ方式とは、巻上塔をコークス炉から少し離れた場所に設置し、搬送バケットを搭載した台車を巻上塔まで移動させるのに、コークス炉に沿って設けられた消火車軌条からさらに水平方向の移動を伴う方式である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−193567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
直取方式とトラバーサ方式には、それぞれメリットとデメリットがある。
<直取方式のメリット>
直取方式の場合、コークス炉に沿って設けられた消火車軌条の位置から搬送バケットを直接吊り上げるので、搬送バケットの搬送のサイクルタイムを短くできる。
<直取方式のデメリット>
搬送バケットを搭載した台車が走行する消火車軌条を跨ぐように設けられている反コークス炉側軌条を避けるように吊り上げる必要がある。
つまり、搬送バケットは、吊り上げる際に反コークス炉側軌条に干渉しないような大きさ、形状にする必要がある。そのため、容量を多くして干渉しない搬送バケットの形状としては、矩形状にならざるを得なかった。
しかしながら、搬送バケットを矩形状にすると、赤熱コークスを受骸した後搬送バケット自体を旋回させることができず、それ故に受骸した赤熱コークスの粒度分布が平均化されず、粒度分布に偏りが生じたままで堆積する。このように搬送バケット内で赤熱コークスの粒度分布に偏りが生じると、そのままコークス冷却塔内へ投入されることになり、コークス冷却塔内の粒度分布も不均一になり、不活性ガスによる冷却性能を阻害する要因になる。
【0008】
<トラバーサ方式のメリット>
トラバーサ方式の場合には、コークス炉に沿って設けられた消火車軌条の位置から、一旦、搬送バケットを移動させるので、搬送バケットを吊り上げるのに際して反コークス炉側軌条との干渉が問題となることはない。そのため、搬送バケットを偏析防止のできる旋回式(丸型)のものにすることができ、コークス冷却塔内の粒度分布を均一化できる。
<トラバーサ方式のデメリット>
しかしながら、トラバーサ方式の場合、設備費が余計にかかり、サイクルタイムが長くなる。
また、トラバーサ方式の場合も搬送バケットを横移動する際には、反コークス炉側軌条の下をくぐるように搬送バケットを通過させる必要があるため、反コークス炉側軌条の高さが搬送バケットよりも低いような場合には、そもそもトラバーサ方式を採用できない場合もある。
【0009】
上記のように、直取方式を採用した場合には、搬送バケットの形状や大きさが限定され、またトラバーサ方式の場合には、サイクルタイムが長くなるという問題があり、このような問題は、近年のCDQ設備の大型化を計画する際、危惧される重要な課題となっている。
【0010】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、搬送バケットの形状や大きさに対する制約が少なく、効率的な赤熱コークスの搬送ができる赤熱コークス受骸搬送装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明に係る赤熱コークス受骸搬送装置は、コークス炉に沿って設けられた消火車軌条を走行する台車に搭載される搬送バケットと、該搬送バケットを吊り上げる巻上塔と、前記消火車軌条を挟むように前記消火車軌条の両側上方に設けられたコークガイド車走行軌条を走行するコークガイド車とを備え、前記コークス炉から押し出される赤熱コークスを受骸してコークス乾式消火設備側に搬送する赤熱コークス受骸搬送装置であって、
前記コークガイド車走行軌条の一部を構成するレールを有し、該レールを前記コークガイド車走行軌条に連続する位置と、該連続する位置から対向する前記コークガイド車走行軌条から離れる方向に退避させるレール退避・復元装置を備えてなることを特徴とするものである。
【0012】
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記レール退避・復元装置は、前記レールを水平方向に移動させる水平移動式レール退避・復元装置であることを特徴とするものである。
【0013】
(3)また、上記(2)に記載のものにおいて、前記水平移動式レール退避・復元装置は、前記レールを保持して水平方向に移動可能な台車枠と、該台車枠を水平方向に駆動する駆動装置とを備えてなることを特徴とするものである。
【0014】
(4)また、上記(3)に記載のものにおいて、前記水平移動式レール退避・復元装置は、前記台車枠が復元位置にあるときに該台車枠の移動を防止するロック装置を備えてなることを特徴とするものである。
【0015】
(5)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記レール退避・復元装置は、前記レールを該レールに平行な軸を中心として回転させて移動させる回転式レール退避・復元装置であることを特徴とするものである。
【0016】
(6)また、上記(5)に記載のものにおいて、前記回転式レール退避・復元装置は、前記レールを回転させて上方に退避させ、該退避状態において前記レールの下方を前記搬送バケットが通過できる空間を形成できることを特徴とするものである。
【0017】
(7)また、上記(6)に記載のものにおいて、前記回転式レール退避・復元装置は、前記レールを回転させて上方に退避させた状態で、前記レールの下方に配置される防熱板を備えたことを特徴とするものである。
【0018】
(8)また、上記(5)〜(7)のいずれかに記載のものにおいて、前記回転式レール退避・復元装置は、前記レールを該レールに平行な軸を中心として回転可能に保持するレール保持部材と、該レール保持部材を回転駆動する駆動装置とを備え、前記レール保持部材は、前記レールを保持するレール保持アームと、該レール保持アームと前記軸に対して反対側に設けられてカウンタウェイトを保持するカウンタウェイト保持アームと、前記駆動装置によって駆動力を伝達するための駆動アームとを備えてなることを特徴とするものである。
【0019】
(9)また、上記(1)〜(8)のいずれかに記載のものにおいて、前記巻上塔は、該巻上塔を構成する巻上架構を備えてなり、該巻上架構は前記搬送バケットが吊り上げられる際に前記搬送バケットをガイドするガイドレールを有し、該ガイドレールの一部が昇降可能であることを特徴とするものである。
【0020】
(10)また、上記(9)に記載のものにおいて、前記ガイドレールにおける昇降可能な部位に、該部位が下降した際に着地して前記巻上架構の荷重を負担できる脚部を備えたことを特徴とするものである。
【0021】
(11)また、上記(10)に記載のものにおいて、前記脚部と前記巻上架構との間で荷重伝達可能に両者を一体化すると共に該一体化を解除する一体化装置を有し、
該一体化装置は、前記脚部と前記巻上架構を荷重伝達可能に連結する連結ブロックと、該連結ブロックを前記脚部と前記巻上架構を連結状態と連結解除状態になるように駆動する駆動装置とを備えてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明においては、コークガイド車の走行するコークガイド車走行軌条の一部を退避可能にしたことにより、コークガイド車走行軌条が存在するため矩形状の搬送バケットを使用しなければならないような場合にも、旋回式の丸型の搬送バケットを使用して、該搬送バケットを消火車軌条から直に吊上げることが可能になった。
これによって、サイクルタイムを大幅に短くすることができ、また旋回式の丸型の搬送バケットを使用することで、搬送バケット内で赤熱コークスの均一化を図ることができ、乾式冷却塔内での不活性ガスによる冷却性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施の形態に係る赤熱コークス受骸搬送装置の説明図であり、搬送バケットの吊上げ時の状態を示している。
【図2】本発明の一実施の形態に係る赤熱コークス受骸搬送装置の説明図であり、コークガイド車の走行時の状態を示している。
【図3】本発明の一実施の形態に係る赤熱コークス受骸搬送装置の一部を拡大して示す平面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る赤熱コークス受骸搬送装置を構成する一体化装置の平面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る赤熱コークス受骸搬送装置を構成する一体化装置の断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る赤熱コークス受骸搬送装置を構成する水平移動式レール退避・復元装置の説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る赤熱コークス受骸搬送装置を構成する水平移動式レール退避・復元装置の他の態様の説明図である。
【図8】本発明の他の実施の形態に係る赤熱コークス受骸搬送装置の説明図であり、搬送バケットを横方向に移動させている状態を示している。
【図9】本発明の他の実施の形態に係る赤熱コークス受骸搬送装置を構成する回転式レール退避・復元装置の平面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態に係る赤熱コークス受骸搬送装置を構成する回転式レール退避・復元装置の立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[実施の形態1]
本発明の一実施の形態にかかる赤熱コークス受骸搬送装置について、図1〜図5に基づいて説明する。
本実施の形態に係る赤熱コークス受骸搬送装置1は、コークス炉3から押し出される赤熱コークスを受骸してコークス乾式冷却塔53側に搬送する装置である。
赤熱コークス受骸搬送装置1は、コークス炉3に沿って設けられた消火車軌条5を走行する台車7に搭載される搬送バケット9と、該搬送バケット9を吊り上げる巻上塔11と、消火車軌条5の上方を走行するコークガイド車13と、該コークガイド車13が走行するコークガイド車走行軌条15と、コークガイド車走行軌条15の一部を水平方向に移動させて退避・復元させる水平移動式レール退避・復元装置17を備えている。
コークガイド車走行軌条15は、コークス炉3側に設けられたコークス炉側軌条15aと、消火車軌条5を跨いで乾式冷却塔53側に設けられた反コークス炉側軌条15bとで構成される(図3参照)。
本実施の形態において、水平移動式レール退避・復元装置17は、反コークス炉側軌条15b側に設けられている。
以下においては、赤熱コークス受骸搬送装置1を構成する各構成装置を詳細に説明する。
【0025】
まず、各構成装置の配置関係を説明する。
多数の炭化室を有するコークス炉3における炉蓋側に沿って、搬送バケット9が走行する消火車軌条5が設けられている。この消火車軌条5の上方であって、消火車軌条5を挟むようにして、コークス炉3側とその反対側(乾式冷却塔53側)にコークガイド車13の走行するコークガイド車走行軌条15が設けられている。このコークガイド車用軌条のうちのコークス炉3と反対側に設けられたものが反コークス炉側軌条15bである。
巻上塔11は、コークス炉3の一端側に、消火車軌条5側に突出するように設置されている。
【0026】
上記のような配置関係にある各構成装置の詳細を以下説明する。
<巻上塔>
巻上塔11は、巻上塔11の基本構造となる巻上架構19と、巻上架構19に設置されて搬送バケット9をその吊上げ時にガイドするガイドレール21と、ガイドレール21の一部を昇降させるガイドレール駆動装置23と、搬送バケット9を吊り上げる巻上げ機51とを備えている。
ガイドレール21は、搬送バケット9の両側に配置されて、搬送バケット9に設けられたガイドローラ(図示なし)をガイドする。ガイドレール21は、図1に示すように、上部側が外枠の役目をするガイドレール固定部21aで形成され、下部側がガイドレール可動部21bによって形成され、ガイドレール固定部21aにガイドレール可動部21bの一部が挿入されて全長が伸縮できるいわゆるテレスコピック構造になっている。このようなテレスコピック構造にすることで、ガイドレール可動部21bが昇降可能になっている。ガイドレール可動部21bには、下降した際に巻上架構19を支持する4本の脚部27が設けられている(図1〜図3参照)。
【0027】
4本の脚部27は、ガイドレール可動部21bの両側にあってガイドレール可動部21bに固定されている。脚部27がガイドレール可動部21bに固定されることで、ガイドレール可動部21bが昇降する際に共に昇降できるようになっている。各脚部27の下端部には、荷重分散するための末広がりの着地用ブラケット29が設置されている。
4本の脚部27は、下降時には、コークガイド車13の走行するコークス炉3側のコークス炉側軌条15a及び反コークス炉側軌条15b架台の張出ブラケットに着地する。そして、4本の脚部27は、搬送バケット9が吊上げられる際には、巻上架構19の荷重の約50%を負担する。このため、脚部27のない従来例に比較すると、巻上架構19の強度が少なくてすみ、その重量を軽減することができる。
なお、コークス炉側軌条15a及び反コークス炉側軌条15bはコークガイド車13が走行する強度を有しているので、脚部27が着地して巻上架構19の荷重約50%を支持しても強度的には問題ない。
【0028】
脚部27が巻上架構19の荷重を負担するためには、脚部27と巻上架構19間で荷重伝達が可能になるように一体化する必要がある。そのため巻上架構19は、脚部27と巻上架構19を一体化するための一体化装置31を有している。
一体化装置31は、図4、図5に示すように、脚部27の両側面にチャンネル形ブラケット33を、側方に張り出すように、かつ上下に所定の隙間を設けるように設置し、該チャンネル形ブラケット33の隙間に巻上架構19側から連結ブロック35を挿入する構造になっている。連結ブロック35は、巻上架構19に固定された支持台37に形成された貫通孔39に挿入されて、チャンネル形ブラケット33間の隙間に抜き差しができる構造になっている。
【0029】
連結ブロック35は、その先端側が若干だけ先細になるような緩いテーパが設けられ、これに対応するようにチャンネル形ブラケット33間の隙間も連結ブロック35の先端側が配置される側が若干だけ縮幅するように設定されている。つまり、連結ブロック35とチャンネル形ブラケット33の隙間とはコッター方式で連結され、それ故にガタツキなく連結可能になっている。
連結ブロック35をチャンネル形ブラケット33間の隙間に挿入することにより、巻上架構19に作用する荷重は、連結ブロック35、チャンネル形ブラケット33を介して脚部27に伝達される。これによって、巻上架構19に作用する荷重を脚部27で支持できるようになっている。
【0030】
連結ブロック35をチャンネル形ブラケット33間の隙間に抜き差しするために連結ブロック35を駆動する連結駆動装置41の構成は以下の通りである。
連結駆動装置41は、巻上架構19に設置された電動シリンダ43と、該電動シリンダ43のロッド43aの先端に一端がピン結合され、他端が巻上架構19側にピン結合された腕部材45と、該腕部材45の中央部に形成された長穴47に一端が該長穴47内を移動可能に連結され、他端側が連結ブロック35に固定された接続板49とを備えて構成されている。
【0031】
上記のように構成された連結駆動装置41は、電動シリンダ43のロッド43aを伸長することで、図4、5に示すように、連結ブロック35が脚部27側に移動して、チャンネル形ブラケット33間の隙間に挿入され、脚部27と巻上架構19が荷重伝達可能な状態に、一体化される。
また、電動シリンダ43のロッド43aを縮退させることで、連結ブロック35がチャンネル形ブラケット33の隙間から抜け出して、一体化が解除される。一体化が解除されることで、脚部27が固定されているガイドレール21のガイドレール可動部21bが上昇可能になる。
【0032】
上述したように、ガイドレール21のガイドレール可動部21bは昇降可能になっており、図1に示すように下降した状態では、脚部27が着地する。他方、図2に示すように、ガイドレール可動部21bが上昇した状態では、下方にコークガイド車13が走行可能な空間が形成される。
ガイドレール21のガイドレール可動部21bの昇降動作のタイミングは種々の態様が考えられる。例えば、常時、ガイドレール可動部21bを上昇位置にしておき、搬送バケット9の吊上げ時にガイドレール可動部21bを下降させて脚部27と巻上架構19を一体化させるようにしてもよい。あるいは、常時、ガイドレール可動部21bを下降位置にして脚部27と巻上架構19を一体化させておき、コークガイド車13の走行の邪魔になるときのみガイドレール可動部21bと巻上架構19の一体化を解除してガイドレール可動部21bを上昇させるようにしてもよい。
【0033】
搬送バケット吊上げは、巻上げ機51によって巻き上げられるワイヤ(図示無し)と、ワイヤの先端に設けられて搬送バケット9を把持する吊り金物(図示なし)とを備えている。
ワイヤの先端に設けられた吊り金物で搬送バケット9を把持して巻上げ機51を駆動してワイヤを巻き上げることで搬送バケット9を吊り上げることができる。
巻上げ機51は走行機能を有しており、巻上架構19を横行して搬送バケット9を乾式冷却塔53側に搬送することができる(図1参照)。
【0034】
<搬送バケット>
搬送バケット9は、円筒形の本体部9aと、本体部9aの下部に設けられた排出ゲート9bを備えて構成される。搬送バケット9は、台車7上において旋回可能な構造になっている。搬送バケット9を旋回させることによって、受骸した赤熱コークスが搬送バケット9内で均一になるようにすると共に、容積効率を向上させることができる。
【0035】
<水平移動式レール退避・復元装置>
水平移動式レール退避・復元装置17は、図3に示すように、巻上塔11の近傍に設置され、搬送バケット9を吊上げる際に反コークス炉側軌条15bが搬送バケット9に干渉しないようにする装置である。
水平移動式レール退避・復元装置17は、図6に示すように、反コークス炉側軌条15bを支持する反コークス炉側軌条架台55に設けられており、反コークス炉側軌条15bの一部を構成するレール57を退避・復元可能にするものである。
水平移動式レール退避・復元装置17は、コークガイド車13が走行可能なレール57と、該レール57を支持すると共に反コークス炉側軌条架台55上に移動可能に設置される台車枠59と、台車枠59を退避位置と復元位置との間で移動させる台車枠駆動装置61とを備えている。
【0036】
台車枠59は、図6に示されるように、前面枠59aと、背面枠59bと、底面枠59cと、前面枠59aと背面枠59bを斜材で連結する斜連結部材59dとを有し、側面形状が図6に示されるように略三角形で、平面形状が図3に示されるように矩形をしている。
台車枠59は、枠構造にすると共に、斜連結部材59dを構成する複数の棒状の斜連結部材59dを設置することで、軽量化と高い剛性を実現している。
台車枠59における前面枠59aの上端部にレール57が設置されている。
台車枠59の底面枠59cには第1車輪63が設けられ、該第1車輪63は反コークス炉側軌条架台55上を走行する。図6に示す状態は、台車枠59が復元位置に移動した状態を示している。図6に示す両側矢印は台車枠59の移動方向を示しており、図中右方向が復元方向であり、図中左方向が退避方向である。
台車枠59が復元位置にある状態では、背面枠59bの前面側が反コークス炉側軌条架台55に設けられた位置調整ボルト65に当接するようになっている。つまり、台車枠59の復元位置は、位置調整ボルト65によって調整可能になっている。
【0037】
また、台車枠59における背面枠59bの上端部には第2車輪67が設けられており、該第2車輪67は反コークス炉側軌条架台55の天井部55aに当接している。第2車輪67が天井部55aに当接することで、台車枠59の走行を円滑にすると共に台車枠59における背面側が浮上るのを防止している。
また、台車枠59の側部にはサイドローラ69が設けられて、台車枠59の移動を円滑にしている。
【0038】
台車枠駆動装置61は、図6に示されるように、一端が台車枠59に接続されて退避側に延びる第1ワイヤ71と、該第1ワイヤ71の他端側を第1滑車73を介して引っ張ったり緩めたりできる電動シリンダ75と、一端が台車枠59に接続されて復元側に延びる第2ワイヤ77と、第2ワイヤ77を台車枠59に設けられた第2滑車79及び反コークス炉側軌条架台55に設けられた第3滑車81を介して復元方向に引っ張るように第2ワイヤ77の先端に吊り下げられたカウンタウェイト83とを備えている。
電動シリンダ75のロッド75aを縮退させてワイヤを引っ張ることで、台車枠59を図中左側である退避側に移動する。また、電動シリンダ75のロッド75aを伸長させると、カウンタウェイト83の重量により、台車枠59が引っ張られて復元位置に移動する。
【0039】
台車枠59の背面側には、台車枠59を復元位置に固定するためのロック装置84が設けられている。ロック装置84は、開閉レバー85と、開閉レバー85のアームの先端に設けられた押付ローラ87とを有し、押付ローラ87が台車枠59の背面枠59bに当接可能になっている。開閉レバー85のアームの中央部に電動シリンダ89のロッド89aが連結されており、ロッド89aを伸縮させることで、押付ローラ87を台車枠59の背面枠59bに押し付けたり、押付を解除したりできるようになっている。押付ローラ87を台車枠59の背面枠59bに押し付けることにより、背面枠59bが押付ローラ87と位置調整ボルト65に挟持され、これによってレール57にコークガイド車13の車重が作用した際に台車枠59を退避側に押す側方力に対して抵抗できるようにしている。
【0040】
台車枠59が退避位置にあるときに、台車枠59が何らかの原因により復元位置に不用意に移動しないようにするための安全装置91が設けられている。安全装置91は、第1ワイヤ71に設けられたリング部材93と、該リング部材93が所定の位置にあるときに挿入可能な安全棒95と、該安全棒95を抜き差しするための作動レバー96とを備えて構成されている。
リング部材93は、台車枠59が退避位置にあるときに安全棒95を挿入できる所定位置に配置され、この状態で安全棒95をリング部材93に挿入すると、第1ワイヤ71の移動ができない状態となり、その結果、台車枠59の移動が規制される。
【0041】
水平移動式レール退避・復元装置17によって、レール57を退避させるタイミングは種々の態様がある。例えば、常時はレール57を復元位置にしてコークガイド車13が走行可能にしておき、搬送バケット9を吊上げるときのみ退避させるようにしてもよい。あるいは、常時はレール57を退避位置にしておき、コークガイド車13が水平移動式レール退避・復元装置17のレール57を走行するときにレール57を復元位置に移動させ、コークガイド車13の走行を可能にするようにしてもよい。
【0042】
上記のように構成された本実施の形態の赤熱コークス受骸搬送装置1の動作を説明する。
赤熱コークス受骸搬送装置1の動作は、コークス炉3から赤熱コークスを搬送バケット9で受骸する受骸工程、赤熱コークスを受骸した搬送バケット9を巻上塔11の位置まで移動する移動工程、搬送バケット9を吊上げる吊上げ工程に分けることができる。
以下、工程ごとに説明する。
【0043】
<受骸工程>
受骸工程においては、搬送バケット9を載せた台車7をコークスが押し出されるコークス炉3の炉蓋の位置に移動する。このとき、コークガイド車13も搬送バケット9が移動した位置と同じ位置に移動する。
コークス炉3から赤熱コークスを押し出し、コークガイド車13を介して赤熱コークスを搬送バケット9に受骸する。
搬送バケット9は台車7に搭載された旋回機構によって旋回させ、受骸した赤熱コークスを偏析のない均一な状態にする。
【0044】
<移動工程>
赤熱コークスを受骸した搬送バケット9は台車7を走行させることで、巻上塔11の位置まで走行させる。
このとき、反コークス炉側軌条15bの一部を構成する水平移動式レール退避・復元装置17のレール57が復元位置にある場合には、水平移動式レール退避・復元装置17を駆動して、レール57を退避位置に移動させる。レール57を退避位置に移動させることで、搬送バケット9を吊り上げる際にレール57に干渉する危険がなくなる。
なお、常時レール57を退避させている場合には、このタイミングでレール57を退避させる動作は必要ない。
【0045】
<吊上げ工程>
ガイドレール21のガイドレール可動部21bを下降させて、脚部27を着地させる。そして、連結駆動装置41を駆動して、図4、図5に示すように、連結ブロック35をチャンネル形ブラケット33間の隙間に挿入することで、脚部27と巻上架構19を一体化させる。
この状態で、搬送バケット9を、巻上げ機51のワイヤに設けられた吊り金物(図示なし)によって把持する。搬送バケット9を吊り金物で把持した後、巻上機を駆動してワイヤを巻き上げると、搬送バケット9はガイドレール21にガイドされながら上昇する。
このとき、赤熱コークスを受骸している搬送バケット9の重量は大きくなっており、その重量が巻上架構19に作用する。しかし、本実施の形態では、脚部27が巻上架構19と一体化されており、巻上架構19に作用する重量が脚部27によって支持されるので、巻上架構19の負担荷重を軽減できる。
【0046】
吊上げられた搬送バケット9は、図1の二点鎖線で示すように、巻上架構19の上部で巻上げ機51によって水平方向に搬送され、コークス装入装置97によって、搬送バケット9内の赤熱コークスが乾式消火塔に装入される。
【0047】
赤熱コークスを装入して空になった搬送バケット9は再び、巻上げ機51によって消火車軌条5の直上に搬送され、さらに巻上塔11を通って吊り下ろされて台車7に載せられ、押出しされるコークス炉3まで移動して受骸工程を行う。
【0048】
以上のように、本実施の形態によれば、コークガイド車13の走行する反コークス炉側軌条15bの一部を退避可能にしたことにより、反コークス炉側軌条15bが存在するため矩形状の搬送バケット9を使用しなければならないような場合にも、旋回式の丸型の搬送バケット9を使用して、該搬送バケット9を消火車軌条5から直に吊上げることが可能になった。
これによって、サイクルタイムを大幅に短くすることができ、また旋回式の丸型の搬送バケット9を使用することで、搬送バケット9内で赤熱コークスの均一化を図ることができ、乾式冷却塔53内での不活性ガスによる冷却性能を向上させることができる。
【0049】
また、本実施の形態においては、昇降式のガイドレール21に脚部27を設け、該脚部27を巻上架構19と一体化して、該脚部27で搬送バケット吊り上げ時の荷重を含み巻上塔全体荷重の一部を負担できるようにしたので、巻上架構19の荷重負担を軽減でき、その結果、巻上架構19の強度が少なくてすみ、巻上架構19の重量を軽減できる。
【0050】
なお、水平移動式レール退避・復元装置17の態様は図6に示したものに限られず、例えば図7に示したような態様であってもよい。図7において、図6と同一部分には同一の符号を付してある。
図7に示す水平移動式レール退避・復元装置17は、台車枠59の底枠の前部と後部に車輪98を設け、台車枠59の退避・復元を油圧シリンダ99によって行うようにしたものである。
水平移動式レール退避・復元装置17を図7に示す構造にすれば、水平移動式レール退避・復元装置17を構成する部材点数を少なくでき、その構造も簡単になるという効果が得られる。
【0051】
上記の実施の形態1においては、巻上塔11をコークス炉3の一端に設置する場合を示したが、巻上塔11の設置位置はコークス炉3の一端に限定されるものではなく、例えばコークス炉前に設置してもよいし、ガイド車がメンテナンススペースとして常駐するようなことが無ければ石炭塔前に設置してもよい。
【0052】
[実施の形態2]
実施の形態1においては、搬送バケット9を消火車軌条5上から直接吊り上げる直取方式の場合について説明した。
これに対して、本実施の形態は、搬送バケット9を消火車軌条5から一旦横方向に移動させてから吊り上げるトラバーサ方式の場合である。
トラバーサ方式の場合には、巻上塔11が消火車軌条5から離れた位置に設置されるので、搬送バケット9を吊り上げる際にコークガイド車13が走行する反コークス炉側軌条15bと搬送バケット9が干渉することはない。
しかしながら、トラバーサ方式の場合には、搬送バケット9を横方向に移動させる際に反コークス炉側軌条15bの下方を通過させる必要がある。
この点、反コークス炉側軌条15bの位置を搬送バケット9が通過することができる高い位置に設置できる場合には問題がないが、反コークス炉側軌条15bの位置を低い位置にせざるを得ないような場合には、トラバーサ方式を採用することができなくなる。
そこで、本実施の形態においては、反コークス炉側軌条15bの高さが低いような場合であっても、反コークス炉側軌条15bの一部を上方に退避可能にして搬送バケット9の横方向の移動を可能にしたものである。
【0053】
本実施の形態の赤熱コークス受骸搬送装置100を図8〜図10に基づいて説明する。
なお、図8〜図10において、実施の形態1の図1〜図7と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0054】
本実施の形態の赤熱コークス受骸搬送装置100は、コークス炉3に沿って設けられた消火車軌条5を走行する台車7に搭載される搬送バケット9と、搬送バケット9を消火車軌条5に直交する横方向に移動させるトラバース装置101と、トラバース装置101によって横移動された搬送バケット9を吊り上げる巻上塔103と、消火車軌条5の上方を走行するコークガイド車13と、該コークガイド車13が走行するコークガイド車走行軌条15と、コークガイド車走行軌条15の一部を回転させて退避・復元させる回転式レール退避・復元装置104を備えている。
また、コークガイド車走行軌条15は、コークス炉3側に設けられたコークス炉側軌条15aと、消火車軌条5を超えて乾式冷却塔53側に設けられた反コークス炉側軌条15bとを備えている。
【0055】
<巻上塔>
本実施の形態の巻上塔103のガイドレール105は、コークガイド車13との干渉の危険がないので、昇降機能を有していない固定式である。
【0056】
<トラバース装置>
トラバース装置101は、搬送バケット9を消火車軌条5と交差する横方向に移動させるための装置である。このようなトラバース装置101は、消火車軌条5と交差する横方向に延びる走行レール107と、走行レール107を走行するトラバーサ台車108と、トラバーサ台車108を牽引する牽引装置102を備えて構成される。
そして、トラバーサ台車108は搬送バケット9を載せ、搬送バケット9を載せたトラバーサ台車108は消火車軌条5を走行する台車7に搭載される。
【0057】
<回転式レール退避・復元装置>
回転式レール退避・復元装置104は、図8〜図10に示すように、トラバース装置101の近傍に設置され、搬送バケット9を横方向に移動させる際に反コークス炉側軌条15bが搬送バケット9に干渉しないように、反コークス炉側軌条15bの一部を構成するレール109を退避・復元可能する装置である。
回転式レール退避・復元装置104は、図8〜図10に示すように、反コークス炉側軌条15bを支持する反コークス炉側軌条基礎部分に設けられている。
回転式レール退避・復元装置104は、コークガイド車13が走行可能なレール109と、該レール109を旋回可能に保持するレール保持部材111と、該レール保持部材111を退避位置と復元位置との間で旋回駆動させるレール保持部材駆動装置113とを備えている。
【0058】
レール保持部材111は、図10に示すように、レール109と平行な回転軸115に回転可能に取り付けられてなり、該回動軸側から放射状に延出するレール保持アーム117と、回動軸側からレール保持アーム117と反対方向に延出するカウンタウェイト保持アーム119と、駆動アーム121の3本のアームを備えている。
レール保持アーム117は、レール109を保持し、カウンタウェイト保持アーム119はカウンタウェイト122を保持し、駆動アーム121は旋回アームに旋回力を伝達する。
レール保持アーム117におけるレール保持部の近傍には防熱板123が設けられている。
レール保持部材駆動装置113は、電動シリンダ125を備えてなり、電動シリンダ125のロッド125aの先端が駆動アーム121に連結されている。電動シリンダ125のロッド125aを伸縮させることにより、駆動アーム121を介してレール保持部材111を回動させ、これによりレール保持アーム117を旋回させてレール109を退避位置(図10参照)と、復元位置(図9の2点鎖線参照)との間で移動させる。
【0059】
レール109を退避位置にしたときには、図10に示すように、レール109の下方を搬送バケット9が通過できる空間が形成される。そして、このときレール109がレール保持アーム117によって支持され、その下方に防熱板123が配置される。そのため、搬送バケット9がレール109の下方を通過する際に搬送バケット9内の赤熱コークスの輻射熱に直接さらされるのを防止できる。
【0060】
本実施の形態の赤熱コークス受骸搬送装置においては、実施の形態1と同様に、コークガイド車13の走行する反コークス炉側軌条15bの一部を反コークス炉側軌条15bの下方に空間を設けるようにして退避可能にしたことにより、反コークス炉側軌条15bの高さが低い場合であっても搬送バケット9を横方向に移動させることができ、反コークス炉側軌条15bの高さを低くならざるを得ないような場合にも、トラバーサ方式の採用を可能にできる。トラバーサ方式を採用できることで、搬送バケット9の容量や形状が反コークス炉側軌条15bの存在によって制約を受けなくなる。その結果、従来問題となっていた、偏析やサイクルタイムの長期化が解決できる。
【0061】
なお、実施の形態2で示した回転式レール退避・復元装置104は、実施の形態1のような直取方式の場合にも適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 赤熱コークス受骸搬送装置
3 コークス炉
5 消火車軌条
7 台車
9 搬送バケット
9a 本体部
9b 排出ゲート
11 巻上塔
13 コークガイド車
15 コークガイド車走行軌条
15a コークス炉側軌条
15b 反コークス炉側軌条
17 水平移動式レール退避・復元装置
19 巻上架構
21 ガイドレール
21a ガイドレール固定部
21b ガイドレール可動部
23 ガイドレール駆動装置
27 脚部
29 着地用ブラケット
31 一体化装置
33 チャンネル形ブラケット
35 連結ブロック
37 支持台
39 貫通孔
41 連結駆動装置
43 電動シリンダ
43a ロッド
45 腕部材
47 長穴
49 接続板
51 巻上げ機
53 乾式冷却塔
55 反コークス炉側軌条架台
55a 天井部
57 レール
59 台車枠
59a 前面枠
59b 背面枠
59c 底面枠
59d 斜連結部材
61 台車枠駆動装置
63 第1車輪
65 位置調整ボルト
67 第2車輪
69 サイドローラ
71 第1ワイヤ
73 第1滑車
75 電動シリンダ
75a ロッド
77 第2ワイヤ
79 第2滑車
81 第3滑車
83 カウンタウェイト
84 ロック装置
85 開閉レバー
87 押付ローラ
89 電動シリンダ
89a ロッド
91 安全装置
93 リング部材
95 安全棒
96 作動レバー
97 コークス装入装置
98 車輪
99 油圧シリンダ
100 赤熱コークス受骸搬送装置
101 トラバース装置
102 牽引装置
103 巻上塔
104 回転式レール退避・復元装置
105 ガイドレール
107 走行レール
108 トラバーサ台車
109 レール
111 レール保持部材
113 レール保持部材駆動装置
115 回転軸
117 レール保持アーム
119 カウンタウェイト保持アーム
121 駆動アーム
122 カウンタウェイト
123 防熱板
125 電動シリンダ
125a ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コークス炉に沿って設けられた消火車軌条を走行する台車に搭載される搬送バケットと、該搬送バケットを吊り上げる巻上塔と、前記消火車軌条を挟むように前記消火車軌条の両側上方に設けられたコークガイド車走行軌条を走行するコークガイド車とを備え、前記コークス炉から押し出される赤熱コークスを受骸してコークス乾式消火設備側に搬送する赤熱コークス受骸搬送装置であって、
前記コークガイド車走行軌条の一部を構成するレールを有し、該レールを前記コークガイド車走行軌条に連続する位置と、該連続する位置から対向する前記コークガイド車走行軌条から離れる方向に退避させるレール退避・復元装置を備えてなることを特徴とする赤熱コークス受骸搬送装置。
【請求項2】
前記レール退避・復元装置は、前記レールを水平方向に移動させる水平移動式レール退避・復元装置であることを特徴とする請求項1記載の赤熱コークス受骸搬送装置。
【請求項3】
前記水平移動式レール退避・復元装置は、前記レールを保持して水平方向に移動可能な台車枠と、該台車枠を水平方向に駆動する駆動装置とを備えてなることを特徴とする請求項2記載の赤熱コークス受骸搬送装置。
【請求項4】
前記水平移動式レール退避・復元装置は、前記台車枠が復元位置にあるときに該台車枠の移動を防止するロック装置を備えてなることを特徴とする請求項3記載の赤熱コークス受骸搬送装置。
【請求項5】
前記レール退避・復元装置は、前記レールを該レールに平行な軸を中心として回転させて移動させる回転式レール退避・復元装置であることを特徴とする請求項1記載の赤熱コークス受骸搬送装置。
【請求項6】
前記回転式レール退避・復元装置は、前記レールを回転させて上方に退避させ、該退避状態において前記レールの下方を前記搬送バケットが通過できる空間を形成できることを特徴とする請求項5記載の赤熱コークス受骸搬送装置。
【請求項7】
前記回転式レール退避・復元装置は、前記レールを回転させて上方に退避させた状態で、前記レールの下方に配置される防熱板を備えたことを特徴とする請求項6記載の赤熱コークス受骸搬送装置。
【請求項8】
前記回転式レール退避・復元装置は、前記レールを該レールに平行な軸を中心として回転可能に保持するレール保持部材と、該レール保持部材を回転駆動する駆動装置とを備え、前記レール保持部材は、前記レールを保持するレール保持アームと、該レール保持アームと前記軸に対して反対側に設けられてカウンタウェイトを保持するカウンタウェイト保持アームと、前記駆動装置によって駆動力を伝達するための駆動アームとを備えてなることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の赤熱コークス受骸搬送装置。
【請求項9】
前記巻上塔は、該巻上塔を構成する巻上架構を備えてなり、該巻上架構は前記搬送バケットが吊り上げられる際に前記搬送バケットをガイドするガイドレールを有し、該ガイドレールの一部が昇降可能であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の赤熱コークス受骸搬送装置。
【請求項10】
前記ガイドレールにおける昇降可能な部位に、該部位が下降した際に着地して前記巻上架構の荷重を負担できる脚部を備えたことを特徴とする請求項9記載の赤熱コークス受骸搬送装置。
【請求項11】
前記脚部と前記巻上架構との間で荷重伝達可能に両者を一体化すると共に該一体化を解除する一体化装置を有し、
該一体化装置は、前記脚部と前記巻上架構を荷重伝達可能に連結する連結ブロックと、該連結ブロックを前記脚部と前記巻上機構を連結状態と連結解除状態になるように駆動する駆動装置とを備えてなることを特徴とする請求項10記載の赤熱コークス受骸搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−102253(P2012−102253A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252622(P2010−252622)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(501120122)スチールプランテック株式会社 (49)
【Fターム(参考)】