説明

起立保持具。

【課題】勃起能力の減退若しくは喪失した陰茎の起立を短時間に促して挿入可能な状態にすると共に、性交感を害することなく長時間起立状態を維持し得るようにする起立保持具を提供する。
【解決手段】それぞれつまみ部1と半環状部2とを備える一対の挟み片3を、前記つまみ部と半環状部との間で、共通の軸4により、開閉自在に閉じ合わせて、前記両半環状部が一緒になって男性器を弾性挟持する環状部を形成し、該環状部で陰茎を挟持し、軽く刺激を与えることにより、異物感で眠っていた性感を呼び起こす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

この発明は、老人等の勃起能力の喪失若しくは衰えた人の男性器(陰茎)を起立(勃起)保持し、自立して性交可能な状態とすることが出来る起立保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会では、精神的なストレスを多く受けることによって、精力の減退を来すことが多く、心身ともに健全であるにもかかわらず勃起能力の不足に悩んでいる人が多い。
【0003】
特に近時平均寿命が延びたが、心身共に健全でありながら高年齢と共に精力の減退により男子の勃起能力を喪失する老人性に起因する例が増加している。
【0004】
そこで勃起能力の回復を図る手段として、バイアグラなどのホルモン剤を使用することが行われている。しかしながら、これを頻繁に服用すると、ホルモンの分泌が益々衰え、益々勃起能力が減退すると言われている。また、器具を使用する方法も知られているが、効果があるとされている器具は、大変大掛かりなものであったので、この器具の使用は敬遠される傾向にある。また、陰茎に剛性の材質を巻きつけて性交可能とするものも知られているが、このものは陰茎が剛性の材質を介して接触するので、性交中の使用感が良くないという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、このような問題点を解消することを目的とするものであり、勃起能力の減退若しくは喪失した陰茎の起立を短時間に促して挿入可能な状態にすると共に、性交感を害することなく長時間起立状態を維持し得るようにする起立保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】

上記目的に沿う本発明のうち請求項1に記載の発明は、それぞれつまみ部と半環状部とを備える一対の挟み片を、前記つまみ部と半環状部との間で、共通の軸により開閉自在に閉じ合わせて、前記両半環状部が一緒になって男性器を弾性挟持する環状部を形成したことを特徴とする。
【0007】
前記環状部の対向した離間部は、閉じた状態で該環状部に連通した隙間が形成するように構成するのが、陰茎の皮膚を挟み難くすることから好ましい(請求項2)。
【0008】
前記環状部の内周面に、バイブレータを保持することによって、陰茎の起立効果を更に増大させることが出来る(請求項3)。
【0009】
上記起立保持具と男性器根部を締め付けるリングとを併用することによって、勃起能力を殆ど喪失した老人に対しても、勃起効果を著しく増大させることが出来ると共に勃起の持続作用を著しく増大させることが出来る(請求項4)。
【0010】
前記リングは、リングの大きさを変化させることができるように構成することにより、男性器根部を容易に所望の締め付け度合いとすることができる(請求項5)。
【発明の効果】
【0011】
以上述べた如く、本発明によれば、簡易な装具により、勃起能力の減退若しくは喪失した老人等の陰茎に即時強力な起立保持力を与え、しかもその起立保持力は、性交中に萎縮することなく、長時間保持し得るという従来のこの種陰茎の起立保持具には全く見られない絶大な効果を奏する。しかして本発明者は75才であり、勃起能力の減退により、10年位前からは、直接陰茎を挿入する性行為はしていなかったが、この起立保持具を使用することによって、頻繁に性行為ができるようになったため、体重が10kg以上増加し、健康な体になるという付随的効果も得ている。
【0012】
本発明の効果の原因は、男性器を弾性挟持する環状部の異物感により、眠っていた性感が呼び起こされることにあると考えられている。
【0013】
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の起立保持具の一実施例を示す平面図であり、つまみ部(ハンドル部)1,1′と半環状部2,2′とを備えた挟み片3,3′が、軸4により開閉(回動)自在に連結されている。挟み片3,3′はバネ15の力により閉じて、勃起時には陰茎を弾性挟持する環状部5を形成するようになっている。
【0015】
環状部5の対向した離間部(図1の環状部の上下)には、同環状部5に連通した隙間6,6′が形成されている。このように隙間6,6′を形成することによって、同環状部5が陰茎の皮膚を挟むのを防止することができる。
【0016】
環状部5の連通した下方の隙間6′には、バイブレータ7が装着されている。バイブレータ7は、ゴム等の素材の袋状体に装着され、同袋状体は隙間6′に取り外し可能に保持されている。このようにバイブレータ7を装着することにより、陰茎の起立効果は更に増大するが、これは必ずしもなくとも差し支えない。また、バイブレータ7は陰茎に当たれば良いので、環状部5外周のどの位置に設けても良い。
【0017】
本発明の効果を更に増大させる為には、締め付け具を使用して、陰茎根部を所望の度合いに締め付けるようにするのが良い。特に勃起能力の喪失した老人には、これは必要である。
【0018】
このような目的に使用する締め付け具としては、男性器根部を所望の度合いに締め付け得るように、リングの大きさを変化させることができるように構成されていれば、どのようなものでも差し支えない。好ましくは、若干変形するゴムのような弾性体で形成するのが良い。
【0019】
図2は、このような目的に使用するゴム製締め付け具の一例を示すものであり、間隔付けて多数のリング状凸部(球状体)8を形成した紐状バンド9の一端に円板状ストッパー10を連設し、同ストッパー10には、透孔16を開閉する離間部11を形成した例を示す。
【0020】
図2の締め付け具を使用するには、図3に示すように、陰茎12の根部13に、バンド9を巻き付け円板状ストッパー10の離間部11を開いて、隣接する球状体8と8の間を透孔16に挿入すれば、離間部11は閉じてバンドは陰茎の根部13に固定される。
【0021】
バンドの締め付けは、軽く締め付ける程度でよく、勃起状態になれば自然に強く締め付けられた状態となる。
【0022】
締め付け具は、紐状若しくは帯状のベルフロファスナーを巻き付けて陰茎の太さに応じた位置で着脱自在に固定してもよい。全体をベルフロファスナーで形成しなくとも、貼着部にベルフロファスナーを設けておけばよい。
【0023】
また、ゴム若しくはプラスチックで単にリング状に形成したものでもよい。このようなリングを市販する場合は、大きさの異なる3種類若しくは4種類を別体として若しくは連設して市販し、使用者に一番合った大きさのものを選択させるようにすればよい。
【0024】
このようにリングを陰茎の根元に装着すると、容易に勃起状態にすることができると共に、勃起状態になると男性器の根元が締め付けられ、静脈が圧迫されて血液の環流が阻止されるため、陰茎を長時間勃起状態に持続させることができる。
【0025】
図1に示す本発明の起立保持具を使用するには、図3に示すように、バンド9を陰茎12の根元13に巻き付けた後、図1に示す起立保持具の環状部5で、亀頭14に隣接若しくは近接した陰茎12を挟んで、挟み片1,1′を握って、回転させる方向に軽く往復運動させると、徐々に陰茎が勃起してくるので、挟み片1,1′を陰茎の長さ方向に往復運動させる。慣れてくると、大体1〜2分で挿入可能な勃起状態とすることができる。
【0026】
環状部5で最初に陰茎を挟んだ状態は、遊嵌状態でよく、勃起してくると、密嵌状態となり、環状部5はバネの力に抗して多少広がるようになる。
【0027】
陰茎の根元にバンド等を装着しないで、図1に示す起立保持具を使用して勃起状態とすることもできるが、勃起能力の極めて減退若しくは喪失した老人等にとっては、陰茎の根元を締め付けて図1に示す起立保持具を使用するのが、本発明の効果を十分発揮させることから好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施例を示す平面図である。
【図2】本発明の締め付けバンドの一実施例を示す平面図である。
【図3】本発明の起立保持具の使用状態を説明する側面図である。
【符号の説明】
【0029】
1, 1´・………つまみ部(ハンドル部)
2, 2´・………半環状部
3,3´・………挟み片
4・………軸
5・………環状部
6,6´・………隙間
7・………バイブレータ
8・………リング状凸部
9・………バンド
10・………ストッパー
11・………離間部
12・………陰茎


【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれつまみ部と半環状部とを備える一対の挟み片を、前記つまみ部と半環状部との間で、共通の軸により開閉自在に閉じ合わせて、前記両半環状部が一緒になって男性器を弾性挟持する環状部を形成したことを特徴とする陰茎の起立保持具。
【請求項2】
前記環状部の対向した離間部は、閉じた状態で該環状部に連通した隙間が形成するように構成されている請求項1記載の起立保持具。
【請求項3】
前記環状部の内周面には、バイブレータが保持されている請求項1又は2記載の起立保持具。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の起立保持具と男性器根部を締め付けるリングとを具備したことを特徴とする起立保持具。
【請求項5】
前記リングは、男性器根部を所望の度合いに締め付け得るように、リングの大きさを変化させることができるように構成されている請求項4記載の起立保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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