説明

超伝導電力貯蔵装置用コイルボビン

本発明は超伝導電力貯蔵装置にトロイダル(toroidal)状に超伝導コイルを巻線するために複数で備えられる超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンに関する。
本発明の超伝導電力貯蔵装置にトロイダル状に超伝導コイルを巻線するために複数で備えられる超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンは、円形板形状に互いに対向して形成される一対のコイルボビンフレームと、コイルボビンフレームのそれぞれに巻線されてパンケーキ状を成す超伝導コイルと、コイルボビンフレームの対向面の反対面のそれぞれに形成され、コイルボビンフレームを支持する第1支持板と、コイルボビンフレームの対向面のそれぞれに形成され、コイルボビンフレームを支持する第2支持板と、第2支持板の間に、トロイダルの中心に向けて板の厚さが次第に減る円形板形状に形成される中央フレームとを含む。
本発明の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンは超伝導コイルで発生する垂直磁場の強度を減らすことができる効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超伝導電力貯蔵装置にトロイダル(toroidal)状に超伝導コイルを巻線するために、複数で備えられる超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高度化かつ情報化の社会に発展するにつれて、情報通信器機、電算器機、オンラインサービス器機、自動生産ライン及び精密制御器機が拡充され、このような敏感で重要な負荷に高品質の磁気エネルギーを供給する目的で超伝導電力貯蔵装置(SMES:superconducting magnetic energy storage)に対して研究及び開発が活発に進んでいる。超伝導電力貯蔵装置は、磁気エネルギー品質を制御するための小規模の超伝導電力貯蔵装置から負荷平準化を目的とする大容量超伝導電力貯蔵装置に至るまで多様である。最近には、敏感な負荷の磁気エネルギー品質を制御する目的で数MJ級の小規模超伝導電力貯蔵装置が商用化して産業体及び軍用に適用されてその効果を立証している。
【0003】
超伝導電力貯蔵装置の要部は、超伝導コイルでなる超伝導磁石と、超伝導磁石を収容する低温保持装置(cryostat)と、超伝導磁石の二つの端子を低温保持装置の外部に引き出す電流リード(current lead)と、電力系統から電力を変換させて供給する電力変換器とからなる。
【0004】
従来には、主に薄い帯状の超伝導コイル線材を巻線してパンケーキ状に超伝導コイルを形成した後、一対を一緒に使うことでダブルパンケーキ状を成す。その後、ダブルパンケーキ状の超伝導コイルを積層して超伝導磁石を作る。超伝導コイルは、パンケーキ状の表面、つまり広い面に垂直な垂直磁場の強度によって臨界電流特性が非常に違う。垂直磁場の強度が高いほど臨界電流が低くなり、究極には超伝導磁石の運転電流を低める問題点がある。
【0005】
超伝導磁石にエネルギーを貯蔵する場合には、前記の問題点を改善するために、超伝導コイルを積層する方式ではなく、トロイダル状に配置することで、超伝導コイルの垂直磁場の強度を減らす方法を使っている。
【0006】
しかし、従来には、一対のパンケーキ超伝導コイルが互いに平行に付いているダブルパンケーキ状を成すため、超伝導コイルをトロイダル状に配置すれば、トロイダルの最外側円周面から外れる導体の領域が大きくなる。すなわち、トロイダルの曲面を離脱する部分での垂直磁場が増加する問題点がある。
【0007】
特に、一般的に多く使う4mm幅以上の超伝導コイル線材の場合、その幅が増加するほどトロイダルの最外側円周面から離脱する導体の領域が増加するため、垂直磁場強度の減少効果が著しく落ちる問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記の問題を解決するためになされたもので、超伝導コイルで発生する垂直磁場の強度を減らすことができる超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンを提供することにその目的がある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は前述した課題に制限されなく、ここで言及しない本発明が解決しようとするさらに他の課題は下記の本発明が属する技術分野で通常の知識を持った者に明らかに理解可能であろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の超伝導電力貯蔵装置にトロイダル状に超伝導コイルを巻線するために複数で備えられる超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンは、円形板形状に互いに対向して形成される一対のコイルボビンフレームと、コイルボビンフレームのそれぞれに巻線されてパンケーキ状を成す超伝導コイルと、コイルボビンフレームの対向面の反対面のそれぞれに形成され、コイルボビンフレームを支持する第1支持板と、コイルボビンフレームの対向面のそれぞれに形成され、コイルボビンフレームを支持する第2支持板と、第2支持板の間に、トロイダルの中心に向けて板の厚さが次第に減る円形板形状に形成される中央フレームとを含む。
本発明のコイルボビンフレームは円形板形状の一部が開放構造を成すことを特徴とする。
【0011】
本発明のコイルボビンフレームは、GFRP材、陽極酸化処理したアルミニウム材またはGFRPと陽極酸化処理したアルミニウムが接着してなる複合材の中でいずれか1種の素材でなることを特徴とする。
本発明の第1支持板は間隙を持つ二枚の板でなるか、あるいは直線孔及び曲線孔を含む板でなることを特徴とする。
本発明の第2支持板は超伝導コイルを引き込むかあるいは引き出す長孔が形成されることを特徴とする。
本発明の第1支持板、第2支持板及び中央フレームはGFRP材または陽極酸化処理したアルミニウム材でなることを特徴とする。
【0012】
本発明の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンは、第1支持板と第2支持板の超伝導コイル接触面に形成される絶縁テープまたは絶縁紙をさらに含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンは、第1支持板と第2支持板の間の上部及び下部のそれぞれに形成され、超伝導コイルを伝導冷却する金属伝導バーをさらに含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の金属伝導バーは、一端が超伝導コイルの外周面と対向して湾曲し、他端が第1支持板と第2支持板の間から外部に突出して平面を成し、突出部の幅が間部の幅より広いように段差を成すことを特徴とする。
本発明の第1支持板及び第2支持板は、金属伝導バーと締結するために、上下方向に伸びることを特徴とする。
本発明の金属伝導バーは、第1支持板及び第2支持板と締結するネジ孔が上下方向に長孔形を成すことを特徴とする。
本発明の金属伝導バーは陽極酸化処理したアルミニウム材でなることを特徴とする。
本発明の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンは、中央フレームの上側と下側に設けられる楔部をさらに含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンは、第1支持板の外側面に形成され、超伝導コイルを外部に案内して支持するジョイントサポーターをさらに含むことを特徴とする。
本発明のジョイントサポーターは第1支持板と締結するネジ孔が長孔形を成すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
前記課題の解決手段によって、本発明の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンは、超伝導コイルで発生する垂直磁場の強度を減らすことができる効果がある。
また、本発明は、超伝導電力貯蔵装置の運転時に発生する渦電流を減らすことができる効果がある。
また、本発明は、超伝導コイルの冷却効率を向上させることができる効果がある。
【0017】
以上のような本発明の解決しようとする課題、課題の解決手段、発明の効果を含んだ具体的な事項は次に記載する実施例及び図面に含まれている。本発明の利点及び特徴、並びにそれを達成する方法は添付図面に基づいて詳細に後述する実施例を参照すれば明らかになるであろう。明細書の全般にわたって同一参照符号は同一の構成要素を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明の一実施例による超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンの分解斜視図である。
【図2】図2は本発明の一実施例による超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンの結合斜視図である。
【図3】図3は本発明の一実施例による金属伝導バーを含む超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンの分解斜視図である。
【図4】図4は本発明の一実施例による金属伝導バーを含む超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンの結合斜視図である。
【図5】図5は図4の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンをA、B、C、D、Eの各方向に見た形状を示す図である。
【図6】図6は本発明の一実施例によるジョイントサポーターを説明するための図である。
【図7】図7は本発明の一実施例による二つの超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンを結合したサンプル写真である。
【図8】図8は本発明の一実施例によるトロイダル状を成す複数の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンを示す図である。
【図9】図9は本発明の他の実施例による第1支持板の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面に基づいて本発明をより詳細に説明する。
【0020】
図1及び図2は本発明の一実施例による超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンを説明するための図である。具体的に、図1は本発明の一実施例による超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンの分解斜視図、図2は本発明の一実施例による超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンの結合斜視図である。
【0021】
図1及び図2に示すように、本発明の一実施例による超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンは、コイルボビンフレーム110、超伝導コイル120、第1支持板130、第2支持板140及び中央フレーム150を含む。
【0022】
コイルボビンフレーム110は、超伝導コイル120を巻線するために円形板形状を成し、一対が互いに対向して形成される。コイルボビンフレーム110は円形板形状の一部が開放構造111を成すことで、超伝導電力貯蔵装置の充放電の際に渦電流を減らすことができる。これは、変圧器で渦電流損失を減らすために鉄心に空隙(gap)を形成した構造と同様な原理である。
【0023】
また、コイルボビンフレーム110は、GFRP(glass fiber reinforced plastic;ガラス纎維強化プラスチック)材、陽極酸化(anodizing)処理したアルミニウム材、またはGFRPと陽極酸化処理したアルミニウムが接着してなる複合材の中でいずれか1種の素材で形成することが好ましい。GFRP材と陽極酸化処理したアルミニウム材はいずれも絶縁材であり、これは超伝導コイル120からコイルボビンフレーム110を絶縁するためのものである。
【0024】
ここで、GFRP材はプラスチック材であるので、超伝導電力貯蔵装置の充放電の際に渦電流損失を減らすことができる効果がある。一方、陽極酸化処理したアルミニウム材は熱伝導度に優れた金属材で、超伝導コイル120の伝導冷却効率を向上させることができる。GFRPと陽極酸化処理したアルミニウムが接着してなる複合材は前記二つの特徴を共に持つことができ、その構造は、円形板形状において、内部の円形板をGFRP材で形成し、外部の円形板を陽極酸化処理したアルミニウム材で形成した後、二つの円形板を互いに接着して構成することができる。
【0025】
超伝導コイル120はコイルボビンフレーム110のそれぞれに巻線されてパンケーキ状を成す。超伝導コイル120はおよそ4mmの幅を持つ薄い帯状の超伝導コイル線材を巻線して形成し、その素材は用途によって高温超伝導コイルまたは低温超伝導コイルのいずれかを使っても構わない。パンケーキ状の超伝導コイル120もコイルボビンフレーム110に形成されて一対を成す。
【0026】
第1支持板130はコイルボビンフレーム110の対向面の反対面のそれぞれに形成され、コイルボビンフレーム110を支持する。すなわち、一つのコイルボビンを基準とするとき、コイルボビンの最外側面を形成する。第1支持板130は間隙131を持つ二枚の板でなるようにするか、直線孔132及び曲線孔133を形成する。すなわち、前記第1支持板130は間隙131を有する二枚の板に分離されて形成されるか、他の実施例として一体的に形成され、内部に直線孔132及び曲線孔133を含む板状をなす。前記間隙131または直線孔132及び曲線孔133は前記コイルボビンフレーム110の開放構造111と同様に、超伝導電力貯蔵装置の充放電の際に渦電流を減らすためのものである。第1支持板130は必要によってGFRP材または陽極酸化処理したアルミニウム材のいずれか1種の素材で形成する。GFRP材を選択する場合、第1支持板130は間隙131が0(ゼロ)である一体型とする。
【0027】
第2支持板140はコイルボビンフレーム110の対向面のそれぞれに形成され、コイルボビンフレーム110を支持する。第2支持板140はコイルボビンフレーム110の対向面の間に形成されることにより、一対の超伝導コイル120に対してスペーサ(spacer)の機能をする。
【0028】
また、第2支持板140には、超伝導コイル120を引き込むか引き出す長孔141が形成されている。長孔141を通じて超伝導線をコイルボビンフレーム110に引き込んで超伝導コイル120を巻線し、長孔141を通じてコイルボビンフレーム110から超伝導線を引き出して対向する反対側コイルボビンフレーム110に形成される超伝導コイル120と連結する。第2支持板140の長孔141も、コイルボビンフレーム110の開放構造111と同様に、超伝導電力貯蔵装置の充放電の際に渦電流を減らす機能を持つ。また、図1及び図3で長孔141の形状を異にするように、長孔141の形状は引き込み及び引き出しの便利性、渦電流低減などを考慮して変更可能である。第2支持板140は必要によってGFRP材または陽極酸化処理したアルミニウム材のいずれか1種の素材で形成する。
【0029】
中央フレーム150は第2支持板140の間に、トロイダル状の中心に向けて板の厚さが次第に減る円形板形状に形成される。中央フレーム150の形状によって、本発明の一実施例によるコイルボビンは、従来のように二つのパンケーキ状超伝導コイルが平行に付いているダブルパンケーキ状を成すものではなく、まるでシングルパンケーキ状の超伝導コイルがトロイダル状を持つ構造に、二つのシングルパンケーキ状超伝導コイルが互いに一定の角をなしてトロイダルの中心に向けて次第に近くなるように連結されているダブルパンケーキ状を成す。この場合、トロイダル構造において、最外側円周面から外れる導体の領域を減らすことができるので、巻線された超伝導コイル面はトロイダルの曲面にもっと近くなるようになるので、超伝導コイルで発生する垂直磁場の強度を減らすことができる。中央フレーム150も必要によってGFRP材または陽極酸化処理したアルミニウム材のいずれか1種の素材で形成することが好ましい。
【0030】
一方、本発明の一実施例による超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンは、第1支持板130と第2支持板140の超伝導コイル接触面に絶縁テープ(図示せず)または絶縁紙(図7の写真に一部図示)をさらに形成することで、超伝導コイル120から第1支持板130及び第2支持板140の絶縁度をもっと高めることができる。
【0031】
図3〜図5は本発明の一実施例による金属伝導バーを含む超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンを説明するための図である。具体的に、図3は本発明の一実施例による金属伝導バーを含む超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンの分解斜視図、図4は本発明の一実施例による金属伝導バーを含む超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンの結合斜視図、図5は図4の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンをA、B、C、D、Eの各方向に見た形状を示す図である。
【0032】
図3〜図5に示すように、本発明の一実施例による超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンは、第1支持板130と第2支持板140の間の上部及び下部のそれぞれに形成され、超伝導コイル120を伝導冷却する金属伝導バー160をさらに含む。
【0033】
金属伝導バー160は一端161が超伝導コイル120の外周面と対向して湾曲することにより、超伝導コイル120の伝導冷却効率を向上させ、他端162が第1支持板130と第2支持板140の間から外部に突出して平面を成すもので、コイルボビンの支持部の機能をすることができ、突出部の幅(a)が間部の幅(b)より広いように段差を成すことにより、突出部分の体積を増加させて伝導冷却効率を向上させるとともに、第1支持板130及び第2支持板140との締結強度を高めることができる。
【0034】
また、金属伝導バー160と効率よく締結するために、第1支持板130及び第2支持板140は上下方向に伸びる。すなわち、第1支持板130及び第2支持板140は円形板形状に上下方向に羽板をさらに持つ形状を成す。
金属伝導バー160は超伝導コイル120から絶縁可能であり、熱伝導度の高い金属である陽極酸化処理したアルミニウム材で形成することが好ましい。
【0035】
一方、図3〜図5には示されていないが、金属伝導バー160は、第1支持板130及び第2支持板140と締結するネジ孔を上下方向に伸びる長孔形に形成することで、底面からコイルボビンのそれぞれの設置高さを互いに合わせることができる。これにより、トロイダル構造から外れる導体の領域を減らすことができるので、巻線された超伝導コイルの面はトロイダルの曲面にもっと近くなるので、超伝導コイルで発生する垂直磁場の強度を一層減らすことができる。
【0036】
また、本発明の一実施例による超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンは、中央フレーム150の上側と下側に楔部170をさらに形成することで、二つのシングルパンケーキ状の超伝導コイルが互いにトロイダルの中心に向けて次第に近くなるように中央フレーム150の上方と下方で安定に支持することができる。楔部170もGFRP材または陽極酸化処理したアルミニウム材のいずれか1種の素材で形成する。
図6は本発明の一実施例によるジョイントサポーターを説明するための図である。
【0037】
図6に示すように、本発明の一実施例による超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンは、第1支持板130の外側面に形成され、超伝導コイル120を外部に案内して支持するジョイントサポーター180をさらに含む。これは二つのコイルボビンの間に超伝導コイル120を連結するためのものである。ジョイントサポーター180は超伝導コイル120を支持するために絶縁材であるGFRP材または陽極酸化処理したアルミニウム材で形成する。
【0038】
また、ジョイントサポーター180は第1支持板130と締結するネジ孔181を位置調節可能に長孔形に形成することで、コイルボビン間のジョイントサポーター180の位置を合わせることができる。加えて、図6には長孔形ネジ孔181を一つだけ形成して示しているが、必要によって二つ以上のネジ孔を形成しても構わない。また、図6にはジョイントサポーター180が比較的第1支持板130の上部に位置しているが、必要によって下部または中間に位置するように形成しても構わない。
【0039】
図7及び図8は本発明の一実施例による複数の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンを示す図である。具体的に、図7は本発明の一実施例による二つの超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンを結合したサンプル写真、図8は本発明の一実施例によるトロイダル形態を成す複数の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンを示す図である。
【0040】
図7及び図8に示すように、本発明の一実施例による超伝導電力貯蔵装置用コイルボビン100は、図1〜図6に基づいて前述した構造を持ち、複数が互いに連結されてトロイダル状を成し、超伝導電力貯蔵装置800(全体超伝導電力貯蔵装置においてコイルボビンが設置される一部のみを図示する)内に配置される。これにより、本発明の一実施例による超伝導電力貯蔵装置用コイルボビン100は、超伝導コイルで発生する垂直磁場の強度を減らすことができ、超伝導コイルの冷却効率を向上させることができ、超伝導電力貯蔵装置の運転時に発生する渦電流を減らすことができる。
【0041】
このように、前述した本発明の技術的構成は本発明が属する技術分野の当業者が本発明のその技術的思想及び必須の特徴を変更しなくても他の具体的な形態に実施することができることが理解可能であろう。
【0042】
したがって、以上に説明した実施例はすべての面で例示的なもので限定的なものではないと理解すべきであり、本発明の範囲は前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって決まり、特許請求の範囲の意味及び範囲かつその等価の概念から導出されるすべての変更または変形の形態が本発明の範囲に含まれるものとして解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0043】
100:コイルボビン
110:コイルボビンフレーム
111:開放構造
120:超伝導コイル
130:第1支持板
131:間隙
132:直線孔
133:曲線孔
140:第2支持板
141:長孔
150:中央フレーム
160:金属伝導バー
161:金属伝導バーの一端
162:金属伝導バーの他端
170:楔部
180:ジョイントサポーター
181:長孔形ネジ孔
800:超伝導電力貯蔵装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超伝導電力貯蔵装置にトロイダル(toroidal)状に超伝導コイルを巻線するために複数で備えられる超伝導電力貯蔵装置用コイルボビンにおいて、
円形板形状のもので、互いに対向して形成される一対のコイルボビンフレーム;
前記コイルボビンフレームのそれぞれに巻線されてパンケーキ状を成す超伝導コイル;
前記コイルボビンフレームの対向面の反対面のそれぞれに形成され、前記コイルボビンフレームを支持する第1支持板;
前記コイルボビンフレームの対向面のそれぞれに形成され、前記コイルボビンフレームを支持する第2支持板;及び
前記第2支持板の間に、前記トロイダルの中心に向けて板の厚さが次第に減る円形板形状に形成される中央フレーム;
を含むことを特徴とする、超伝導電力貯蔵装置用コイルボビン。
【請求項2】
前記コイルボビンフレームは円形板形状の一部が開放構造を成すことを特徴とする、請求項1に記載の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビン。
【請求項3】
前記コイルボビンフレームは、GFRP材、陽極酸化処理したアルミニウム材またはGFRPと陽極酸化処理したアルミニウムが接着してなる複合材の中でいずれか1種の素材でなることを特徴とする、請求項1に記載の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビン。
【請求項4】
前記第1支持板は間隙を持つ二枚の板でなるか、あるいは直線孔及び曲線孔を含む板でなることを特徴とする、請求項1に記載の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビン。
【請求項5】
前記第2支持板は、前記超伝導コイルを引き込むかあるいは引き出す長孔が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビン。
【請求項6】
前記第1支持板、前記第2支持板及び前記中央フレームは、GFRP材または陽極酸化処理したアルミニウム材でなることを特徴とする、請求項1に記載の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビン。
【請求項7】
前記第1支持板と前記第2支持板の超伝導コイル接触面に形成される絶縁テープまたは絶縁紙をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビン。
【請求項8】
前記第1支持板と前記第2支持板の間の上部及び下部のそれぞれに形成され、前記超伝導コイルを伝導冷却する金属伝導バーをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビン。
【請求項9】
前記金属伝導バーは、一端が前記超伝導コイルの外周面と対向して湾曲し、他端が前記第1支持板と前記第2支持板の間から外部に突出して平面を成し、突出部の幅が間部の幅より広いように段差を成すことを特徴とする、請求項8に記載の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビン。
【請求項10】
前記第1支持板及び前記第2支持板は、前記金属伝導バーと締結するために、上下方向に伸びることを特徴とする、請求項8または9に記載の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビン。
【請求項11】
前記金属伝導バーは、前記第1支持板及び前記第2支持板と締結するネジ孔が上下方向に長孔形を成すことを特徴とする、請求項8または9に記載の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビン。
【請求項12】
前記金属伝導バーは陽極酸化処理したアルミニウム材でなることを特徴とする、請求項8または9に記載の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビン。
【請求項13】
前記中央フレームの上側と下側に設けられる楔部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビン。
【請求項14】
前記第1支持板の外側面に形成され、前記超伝導コイルを外部に案内して支持するジョイントサポーターをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビン。
【請求項15】
前記ジョイントサポーターは、前記第1支持板と締結するネジ孔が長孔形を成すことを特徴とする、請求項14に記載の超伝導電力貯蔵装置用コイルボビン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−524395(P2012−524395A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505840(P2012−505840)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【国際出願番号】PCT/KR2010/008406
【国際公開番号】WO2011/087209
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(507296791)コリア エレクトロテクノロジー リサーチ インスティテュート (24)