説明

超電導コイル

【課題】冷却による超電導特性の劣化を抑制することが可能な超電導コイルを提供する。
【解決手段】巻枠10と、巻枠10の外周に、少なくとも一部において多層構造をなすように螺旋状に巻かれ、基板、基板上の酸化物超伝導体からなる超電導層、超電導層上の銀からなる第1安定化層、及び第1安定化層上の銅からなる第2安定化層を有する超電導線材20と、超電導線材20を被覆する絶縁層24と、巻枠10と絶縁層24との間、及び多層構造部分において互いに対向する絶縁層24の間を接着する接着層22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化物系高温超電導体を用いた超電導コイルに関する。
【背景技術】
【0002】
超電導コイルでは、使用時の冷却による超電導線材の機械的動きを抑制し、コイルの強度を保つため、コイルの固定が行なわれる。通常、超電導線材を巻枠に巻いた超電導コイルにエポキシ樹脂等の含浸材を含浸させ、加熱硬化により巻枠と超電導線材とを一体化して固定させる。
【0003】
超電導線材では、基板上に成膜した酸化物系高温超電導体からなる超電導層を保護するために銀安定化層が表面に設けられる。このような超電導線材を加熱硬化したエポキシ樹脂で固定して冷却すると、硬化したエポキシ樹脂と超電導線材との熱膨張率の違いにより超電導線材の一部が剥離して超電導特性が劣化することが報告されている(非特許文献1参照)。
【0004】
コイルの固定について、テープ状の超電導線材にプリプレグテープを挟み込み、プリプレグテープを加熱硬化させて固定した超電導コイルが提案されている(特許文献1参照)。更に、プリプレグテープを超電導線材の間に挟みこみ、巻枠とは接着させないようにプリプレグテープを硬化させて超電導線材だけを一体化した超電導コイルが提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4187293号公報
【特許文献2】特開2008−140905号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】富田他、“鉄道応用に向けた高温超電導線材の特性”、鉄道総研報告書、2009年12月、第23巻,第6号,pp.47−52
【発明の概要】
【0007】
しかしながら、プリプレグテープを用いる場合でも、超電導線材はプリプレグテープに含浸されたエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で固定される。そのため、超電導コイルを冷却すると、硬化した熱硬化性樹脂と超電導線材の熱膨張率の違いによる超電導線材の層間剥離が発生しやすく、超電導特性の劣化を抑制することは困難である。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、冷却による超電導線材の層間剥離を防止し、超電導特性の劣化を抑制することが可能な超電導コイルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、巻枠と、巻枠の外周に巻かれ、基板、基板上の酸化物超伝導体からなる超電導層、超電導層上の銀からなる第1安定化層、及び第1安定化層上の銅からなる第2安定化層を含む超電導線材と、超電導線材の外表面に巻かれた絶縁層と、超電導線材に沿って巻枠の外周に巻かれ、巻枠と絶縁層との間、及び重なり合う絶縁層の間を熱硬化した樹脂で固着する接着層とを備える超電導コイルが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、冷却による超電導線材の層間剥離を防止し、超電導特性の劣化を抑制することが可能な超電導コイルを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る超電導コイルの一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示した超電導コイルのA−A断面を示す概略図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る超電導コイルの超電導線材の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る超電導コイルの超電導特性を示す表である。
【図5】本発明の実施の形態に係る超電導コイルの超電導線材の絶縁層の一例を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る超電導コイルの他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面を参照して、本発明の形態について説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号が付してある。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0013】
又、以下に示す本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0014】
本発明の実施の形態に係る超電導コイルは、図1及び図2に示すように、巻枠10及び巻線部12を備える。巻枠10は、円環形状を有する。巻線部12は、巻枠10の外周に配置される。なお、巻枠10の形状は円環に限定されず、例えばレーストラック形状、楕円形状、矩形状等であってもよい。
【0015】
巻枠10として、ガラス繊維強化プラスティック(GFRP)、カーボン繊維強化プラスティック(CFRP)、窒化アルミニウム(AlN)、及びステンレス鋼、アルミニウム、銅、真鍮等の金属材料が使用可能である。
【0016】
巻線部12は、図2に示すように、少なくとも一部において接着層22、超電導線材20、接着層22、超電導線材20、・・・と多層構造をなすように螺旋状に巻かれる。巻線部12は、巻枠10に接する接着層22により巻枠10に固着される。
【0017】
超電導線材20は、図3に示すように、テープ状の基板40上に中間層42、超電導層44、第1安定化層46、及び第2安定化層48を含む。例えば、超電導層44として、希土類系酸化物等の酸化物系高温超伝導体が使用可能である。希土類系酸化物等として、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、サマリウム(Sm)等の希土類元素(RE)、バリウム(Ba)、及び銅(Cu)を1:2:3の元素比で含む希土類酸化物(REBa2Cu3x、以下においてRE123系酸化物超電導体と記す。)等が用いられる。
【0018】
基板40として、ニッケル(Ni)合金テープ等が用いられる。中間層42として、ガドリニウムジルコニウム酸化物(Gd2Zr27)、酸化セリウム(CeO2)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等の酸化物、又はこれらの酸化物の多層膜が用いられる。第1安定化層46として、銀(Ag)等の金属が用いられる。第2安定化層48として、銅(Cu)が用いられる。
【0019】
超電導線材20は、巻きつけ時に加えられる張力や、超電導コイル使用時の熱収縮等により発生する応力の影響を受ける。超電導線材の機械的特性が不十分であれば、超電導特性の劣化を招きやすく、超電導線材の層間剥離が発生する場合もある。そのため、超電導層44には、機械的強度が必要となる。RE123系酸化物超伝導体は、従来よく用いられるビスマス(Bi)系酸化物超伝導体に比べて高い機械的強度を有する。したがって、超電導層44としては、RE123系酸化物超伝導体を用いることが望ましい。
【0020】
また、従来の超電導線材では、単一のAg安定化層が用いられている。Ag安定化層上にCu安定化層を複合化した超電導線材は、単一のAg安定化層を有する超電導線材よりも機械的強度が増加する。したがって、超電導特性の劣化を防止するため、図3に示したように、Agからなる第1安定化層46上にCuからなる第2安定化層48を複合化した超電導線材20を用いることが望ましい。
【0021】
冷却による超電導線材20の機械的動きを抑制するため、巻線部12を巻枠10に固着するだけでなく、巻線部12で巻かれた超電導線材20も固着することが望ましい。超電導線材20を固着するため、巻線部12においては、図2に示したように、超電導線材20に沿って接着層22が巻かれる。巻枠10と超電導線材20の間の接着層22を巻枠10と超電導線材20に接着させて、巻枠10に巻線部12を固着する。また、巻線部12の多層構造部分において互いに対向する超電導線材20の間の接着層22を超電導線材20にそれぞれ接着させて巻線部12を固着する。このようにして、超電導線材20と巻枠10が固着されて一体化される。
【0022】
接着層22として、ガラス繊維等の支持体にエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた半硬化のプリプレグテープが用いられる。
【0023】
例えば、図3に示した超電導線材20は、以下のようにして作製される。厚さが約100μmのNi合金テープからなる基板40に、中間層42が成膜される。中間層42は、例えば、イオンビームアシスト蒸着(IBAD)等により成膜された厚さが約1μmのGd2Zr27膜、及びパルスレーザ蒸着(PLD)、有機酸塩塗布熱分解法(MOD)等により成膜されたCeO2膜を含む。中間層42上に、PLDや化学気相蒸着(CVD)等により厚さが約1μm〜約2.5μmのGdBa2Cu3x(Gd123)膜からなる超電導層44を成膜する。超電導層44上に、スパッタリング等により厚さが約5μm〜約20μmのAg膜からなる第1安定化層46が成膜される。更に、第1安定化層46上に、厚さが約40μm〜約100μmのCuテープを半田付けして第2安定化層48を形成する。なお、第2安定化層48をCuメッキにより形成してもよい。
【0024】
作製した超電導線材20が、GFRPからなる巻枠10に巻かれる。例えば、厚さが約0.21mm、幅が約5mmの超電導線材20を、エポキシ樹脂を含浸させたプリプレグテープに重ね合わせて外径が約70mmの巻枠10に螺旋状に巻きつける。巻きつけ後に約100℃〜約150℃でプリプレグテープのエポキシ樹脂を硬化させ、接着層22を形成する。接着層22により、巻枠10と超電導線材20が固着され、螺旋状に巻かれた超電導線材20の間を固着する。このようにして、巻枠10及び巻線部12が一体化された超電導コイルが作製される。
【0025】
作製した超電導コイルについて、液体窒素中で臨界電流Ic2を測定し、巻きつけ前の超電導線材20の臨界電流Ic1との比Ic2/Ic1から超電導特性の劣化の有無を判定した。なお、超電導線材20の巻きつけにより発生する経験磁場による臨界電流の低下は無視している。図4の表には、超電導コイルの超電導特性の劣化を評価した結果が示されている。ここで、試料Aは比較例として、従来のエポキシ樹脂含浸により超電導線材20の固着を行っている。試料B及び試料Cでは、それぞれ厚さが約0.1mm及び約0.25mmのプリプレグテープが用いられている。なお、超電導線材20の第2安定化層48の厚さは、約100μmである。
【0026】
図4の表に示すように、エポキシ樹脂含浸により超電導線材20が固着された試料Aでは、臨界電流比が0.9より小さくなる。一方、接着層22にプリプレグテープを用いた試料B及び試料Cでは、臨界電流比が0.95以上である。このように、プリプレグテープを用いて超電導コイルを一体化することにより、超電導線材20の超電導特性の劣化を抑制することができる。しかしながら、試料B及び試料Cは、超電導特性が若干劣化していることが確認された。
【0027】
そこで、実施の形態に係る超電導コイルでは、図5に示すように、図3に示した超電導線材20を非粘着性の絶縁層24で被覆する。図6に示すように、絶縁層24により被覆された超電導線材20が、巻枠10に少なくとも一部が多層構造をなすように螺旋状に巻かれる。したがって、巻線部12の多層構造部分においては、互いに対向する絶縁層24の間を接着層22が接着する。
【0028】
巻枠10に接する接着層22により巻枠10と絶縁層24とを接着させて、巻線部12を巻枠10に固着する。巻線部12の多層構造部分においては、互いに対向する絶縁層24の間の接着層22を絶縁層24にそれぞれ接着させて、巻線部12を固着する。このように、図6に示した超電導コイルでは、超電導線材20は、接着層22と絶縁層24を接着させることにより固定される。超電導線材20は、接着層22に固着された絶縁層24により物理的に支持される。したがって、超電導線材20と接着層22との熱膨張率の差により超電導線材20に生じる歪を抑制することができる。絶縁層24として、ポリイミドテープ、フッ素樹脂からなるテープ等の絶縁テープが用いられる。また、超電導線材20を被覆するエナメル被覆膜を絶縁層24としてもよい。
【0029】
図6に示した超電導コイルについて、液体窒素中で臨界電流Ic2を測定し、巻きつけ前の超電導線材20の臨界電流Ic1との比Ic2/Ic1から超電導特性の劣化の有無を判定した。図4の表には、超電導コイルの超電導特性の劣化を評価した結果が示されている。
【0030】
ここで、絶縁層24として、2枚重ねて巻いたポリイミドテープを用いている。試料D及び試料Eでは、接着層22として、厚さが約0.1mmのプリプレグテープが用いられる。試料F及び試料Gでは、接着層22として、厚さが約0.25mmのプリプレグテープが用いられる。また、試料E及び試料Gでは、2枚のプリプレグテープをそれぞれポリイミドテープが巻かれた超電導線材20の長手方向で上下に重ねて巻いている。超電導線材20は、試料A、試料B及び試料Cと同様である。
【0031】
図4の表に示すように、試料D、試料E、試料F及び試料Gではいずれも臨界電流比が0.97よりも大きく、超電導特性の劣化はないことが確認できる。このように、外表面を覆うように絶縁層24を巻いた超電導線材20を用いることにより、冷却による超電導特性の劣化を抑制することができる。
【0032】
実施の形態に係る超電導コイルでは、接着層22により巻枠10及び巻線部12が固着され、超電導線材20は外表面に巻かれた絶縁層24で物理的に支持されているだけである。超電導線材20は固着されていないため、超電導コイルを冷却した際に超電導線材20と接着層22との熱膨張率の差により発生する超電導線材20の歪を低減することができる。
【0033】
上述のように、絶縁層24を用いると、超電導線材20の歪が低減される。したがって、絶縁層24を用いる場合は、超電導線材20の機械的強度は相対的に小さくてもよい。例えば、図3に示した第1安定化層46、または第2安定化層48のいずれか一方の単一の安定化層を有する超電導線材を用いてもよい。
【0034】
なお、上記説明においては、絶縁層24として、2枚重ねて巻いたポリイミドテープを用いているが、枚数は限定されない。例えば、1枚のポリイミドテープを巻いた場合でも超電導特性の劣化が防止できることを確認している。3枚以上のポリイミドテープを重ねて巻いても同様の効果を得ている。
【0035】
また、接着層22として、1枚または2枚のプリプレグテープを用いているが、プリプレグテープの枚数は限定されない。3枚以上のプリプレグテープを重ねて用いても同様の効果が得られる。
【0036】
また、超電導線材20と巻枠10との線膨張係数の差は小さい方が望ましい。超電導線材20と巻枠10との線膨張係数の差が大きいと、熱膨張率の差による応力が増大して超電導特性が劣化しやすくなる。
【0037】
例えば、RE123系酸化物超伝導体を超電導層44として用いた超電導線材20の線膨張係数は、約11×10-6-1である。GFRPを用いた巻枠10の線膨張係数は、約30×10-6〜約60×10-6-1である。このように、超電導線材20の線膨張係数が巻枠10よりも大きい場合、線膨張係数の差を緩和するように、線膨張係数が巻枠10よりも小さく、超電導線材20よりも大きな接着層22を用いることが望ましい。
【0038】
例えば、接着層22として、線膨張係数が約20×10-6〜約60×10-6-1であるガラス繊維等にエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグテープが使用可能である。また、ガラス繊維は交互に織り込まれているものであっても、一方向のものでも良い。また、繊維の材質はアラシド繊維、ポリエステル繊維などであっても同様の効果が得られる。
【0039】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者にはさまざまな代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係わる発明特定事項によってのみ定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、超電導マグネット、超電導電動機、発電機等に利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
10…巻枠
12…巻線部
20…超電導線材
22…接着層
24…絶縁層
40…基板
42…中間層
44…超電導層
46…第1安定化層
48…第2安定化層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻枠と、
前記巻枠の外周に、少なくとも一部において多層構造をなすように螺旋状に巻かれ、基板、前記基板上の酸化物超伝導体からなる超電導層、前記超電導層上の銀からなる第1安定化層、及び前記第1安定化層上の銅からなる第2安定化層を有する超電導線材と、
前記超電導線材を被覆する絶縁層と、
前記巻枠と前記絶縁層との間、及び前記多層構造部分において互いに対向する前記絶縁層の間を接着する接着層
とを備えることを特徴とする超電導コイル。
【請求項2】
前記絶縁層が、ポリイミドテープであることを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル。
【請求項3】
前記絶縁層が、エナメル被覆膜であることを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル。
【請求項4】
前記接着層が、ガラス繊維の支持体に半硬化樹脂を付加したプリプレグテープであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の超電導コイル。
【請求項5】
前記酸化物超電導体が、希土類元素、バリウム及び銅を1:2:3の元素比で含む希土類酸化物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の超電導コイル。
【請求項6】
前記第2安定化層が、前記第1安定化層に半田付けされた銅テープであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の超電導コイル。
【請求項7】
前記接着層の線膨張係数が、前記巻枠より小さく、前記前記超電導線材より大きいことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の超電導コイル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−108918(P2011−108918A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263786(P2009−263786)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)