説明

超電導マグネットのコイル電圧検出回路

【課題】計測器を破損させることなく個々のコイルの電圧を検出することができるようにする。
【解決手段】直列に接続された2つの抵抗器31,32からなる1番目の抵抗器列41を、1番目の点Aと2番目の点Bとの間において1番目のコイル4に対して並列に接続するとともに、直列に接続された2つの抵抗器33,34からなる2番目の抵抗器列42を、1番目の点Aと3番目の点Dとの間において1番目のコイル4および2番目のコイル3に対して並列に接続する。計測器26は、1番目の抵抗器列41の2つの抵抗器31,32の間の中間点Cの電圧と、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eの電圧とを用いて、2番目のコイル3の電圧を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導マグネットのコイルの電圧を検出する超電導マグネットのコイル電圧検出回路に関する。
【背景技術】
【0002】
高分解能NMRやMRIに使用される超電導マグネットにおいては、超電導コイルにクエンチ(超電導状態から常電導状態への転移)が発生した場合に、超電導コイルを破損から保護する必要がある。
【0003】
特許文献1には、酸化物超電導線超電導コイルと金属超電導線超電導コイルとを組み合わせた高磁場超電導磁石装置において、金属超電導線超電導コイルにクエンチが発生したのと同時に、酸化物超電導線コイルの外側に設けたヒータを発熱させることにより、酸化物超電導線コイル全体を強制的にクエンチさせて、酸化物超電導線コイルへの負荷を防止することにより、酸化物超電導線コイルを保護する超電導磁石装置のクエンチ保護方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−102808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1にも開示されているように、クエンチ発生時に特定のコイルに電力の流入が集中するのを防止するために、複数のコイル毎に抵抗やダイオード等の保護手段を並列に繋いで、保護回路を構成することが行われている。
【0006】
今、図2に示すように、励磁電源25に8つのコイル1〜8が直列に接続されており、4つのコイル1〜4にそれぞれ並列に繋がれた保護ダイオード21,22により4つのコイル1〜4を保護する保護回路が形成されているとともに、4つのコイル5〜8にそれぞれ並列に繋がれた保護ダイオード23,24により4つのコイル5〜8を保護する保護回路が形成されている場合を考える。このような構成においてクエンチ電圧を検出する場合には、V1とV2から4つのコイル1〜4の電圧を検出し、V2とV3から4つのコイル5〜6の電圧を検出するのが一般的である。ここで、V1は保護ダイオード21とコイル1との接点の電圧であり、V2は保護ダイオード22とコイル4との接点の電圧であり、V3は保護ダイオード23とコイル8との接点の電圧である。
【0007】
しかしながら、V1とV2とからクエンチ電圧を検出した場合には、4つのコイル1〜4のうち、どのコイルに起因したクエンチなのか区別することができない。超電導マグネットの開発時においては、どのコイルに起因したクエンチなのかが判明すると、その対策を打ちやすい。よって、どのコイルに起因したクエンチなのかを判明させることは非常に意味がある。
【0008】
そこで、コイル3の電圧を計測するために、B点とD点の電圧を検出することを考える。仮にコイル4がクエンチしているとすると、B点では約1000Vの電圧が発生している。どこを基準にするかにもよるが、V1またはV3の接点がアースに接続されている場合が多く、そうすると、おおむね1000Vが計測器に入力されることになり、計測器が破損する場合がある。さらに、1000Vの電圧が途中の配線を破損させるリスクもある。
【0009】
本発明の目的は、計測器を破損させることなく個々のコイルの電圧を検出することが可能な超電導マグネットのコイル電圧検出回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明における超電導マグネットのコイル電圧検出回路は、電源に複数のコイルを直列に接続するとともに、前記複数のコイルに対して保護手段を並列に接続した電気回路を備えた超電導マグネットのコイル電圧検出回路であって、前記複数のコイルのうち、前記保護手段に最も近いコイルを1番目のコイルとして以降のコイルを順番にn番目のコイル(n=2,3,4,・・・)とし、前記1番目のコイルと前記保護手段とを接続する配線上の任意の点を1番目の点とし、前記n番目のコイルと(n−1)番目のコイルとを接続する配線上の任意の点をn番目の点としたときに、前記1番目の点と前記n番目の点との間において少なくとも前記1番目のコイルに対して並列に接続された、直列に接続された2つの抵抗器からなる(n−1)番目の抵抗器列と、前記1番目の点と(n+1)番目の点との間において前記1番目のコイルから前記n番目のコイルに対して並列に接続された、直列に接続された2つの抵抗器からなるn番目の抵抗器列と、前記(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点と前記1番目の点との間の電圧と、前記n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点と前記1番目の点との間の電圧とを用いて、前記n番目のコイルの電圧を検出する計測器と、を有することを特徴とする。
【0011】
上記の構成によれば、(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の抵抗値をそれぞれa,bとすると、(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧は、1番目の点に対して、n番目の点の電圧のa/(a+b)に圧縮される。同様に、n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の抵抗値をそれぞれc,dとすると、n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧は、1番目の点に対して、(n+1)番目の点の電圧のc/(c+d)に圧縮される。よって、(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点と1番目の点との間の電圧、および、n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点と1番目の点との間の電圧を、計測器を破損させることなく計測することができる。そして、2つの電圧を用いることで、n番目のコイルの電圧を検出することができる。これにより、計測器を破損させることなく個々のコイルの電圧を検出することができる。
【0012】
また、本発明における超電導マグネットのコイル電圧検出回路においては、前記n番目の点の電圧を入力電圧とし、前記(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧を出力電圧とする分圧回路の分圧比率と、前記(n+1)番目の点の電圧を入力電圧とし、前記n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧を出力電圧とする分圧回路の分圧比率とが同じであり、前記計測器は、前記(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点と前記1番目の点との間の電圧と、前記n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点と前記1番目の点との間の電圧との差から、前記n番目のコイルの電圧を検出してよい。
【0013】
上記の構成によれば、2つの分圧回路の分圧比率を同じにすると、(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧が、1番目の点に対して、n番目の点の電圧のe/(e+f)に圧縮される場合には、n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧は、1番目の点に対して、(n+1)番目の点の電圧のe/(e+f)に圧縮される。これにより、(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点と1番目の点との間の電圧と、n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点と1番目の点との間の電圧との差から、n番目のコイルの電圧を検出することができる。
【0014】
また、本発明における超電導マグネットのコイル電圧検出回路は、電源に複数のコイルを直列に接続するとともに、前記複数のコイルに対して保護手段を並列に接続した電気回路を備えた超電導マグネットのコイル電圧検出回路であって、前記複数のコイルのうち、前記保護手段に最も近いコイルを1番目のコイルとして以降のコイルを順番にn番目のコイル(n=2,3,4,・・・)とし、前記1番目のコイルと前記保護手段とを接続する配線上の任意の点を1番目の点とし、前記n番目のコイルと(n−1)番目のコイルとを接続する配線上の任意の点をn番目の点としたときに、前記1番目の点と前記n番目の点との間において少なくとも前記1番目のコイルに対して並列に接続された、直列に接続された2つの抵抗器からなる(n−1)番目の抵抗器列と、前記1番目の点と(n+1)番目の点との間において前記1番目のコイルから前記n番目のコイルに対して並列に接続された、直列に接続された2つの抵抗器からなるn番目の抵抗器列と、前記(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧と、前記n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧とを用いて、前記n番目のコイルの電圧を検出する計測器と、を有することを特徴とする。
【0015】
上記の構成によれば、(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の抵抗値をそれぞれa,bとすると、(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧は、1番目の点に対して、n番目の点の電圧のa/(a+b)に圧縮される。同様に、n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の抵抗値をそれぞれc,dとすると、n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧は、1番目の点に対して、(n+1)番目の点の電圧のc/(c+d)に圧縮される。よって、(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧と、n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧とを、計測器を破損させることなく計測することができる。そして、2つの電圧を用いることで、n番目のコイルの電圧を検出することができる。これにより、計測器を破損させることなく個々のコイルの電圧を検出することができる。
【0016】
また、本発明における超電導マグネットのコイル電圧検出回路においては、前記n番目の点の電圧を入力電圧とし、前記(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧を出力電圧とする分圧回路の分圧比率と、前記(n+1)番目の点の電圧を入力電圧とし、前記n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧を出力電圧とする分圧回路の分圧比率とが同じであり、前記計測器は、前記(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点と、前記n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点との間の電圧を前記n番目のコイルの電圧として検出してよい。
【0017】
上記の構成によれば、2つの分圧回路の分圧比率を同じにすると、(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧が、1番目の点に対して、n番目の点の電圧のe/(e+f)に圧縮される場合には、n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧は、1番目の点に対して、(n+1)番目の点の電圧のe/(e+f)に圧縮される。これにより、(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点と、n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点との間の電圧をn番目のコイルの電圧として検出することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の超電導マグネットのコイル電圧検出回路によると、(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点と1番目の点との間の電圧、および、n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点と1番目の点との間の電圧、又は、(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧、および、n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧を、計測器を破損させることなく計測することができる。そして、2つの電圧を用いることで、n番目のコイルの電圧を検出することができる。これにより、計測器を破損させることなく個々のコイルの電圧を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】超電導マグネットを示す模式断面図である。
【図2】電気回路を示す図である。
【図3】図2の要部Yの拡大図である。
【図4】図2の要部Yの拡大図である。
【図5】図2の要部Yの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
(超電導マグネットの構成)
本実施形態による超電導マグネットのコイル電圧検出回路は、超電導マグネット10に用いられる。超電導マグネット10は、図1に示すように、筒状のメインコイル11と、メインコイル11の径方向外側に配置された筒状のシールドコイル12と、電気回路13(図2参照)とからなる。メインコイル11とシールドコイル12とは、一点鎖線Xを中心として同心に配置されている。
【0022】
メインコイル11は、一番内側に配置された筒状の巻枠体18に巻回された2つのコイル3,4と、巻枠体18の外側に配置された筒状の巻枠体17に巻回された2つのコイル5,6と、巻枠体17の外側に配置された筒状の巻枠体16に巻回された2つのコイル7,8と、を有している。コイル3とコイル4とは、巻枠体18の内側からこの順番で巻枠体18に巻回されている。コイル5とコイル6とは、巻枠体17の内側からこの順番で巻枠体17に巻回されている。コイル7とコイル8とは、上下に分離されて巻枠体16に巻回されている。
【0023】
巻枠体16,17,18は、アルミニウム材またはステンレス材などの非磁性材料からなる。巻枠体18に巻回された2つのコイル3,4、及び、巻枠体17に巻回された2つのコイル5,6は、いずれも超電導線材がソレノイド状に巻かれてなるものであり、この超電導線材は、ニオブ・チタン(NbTi)合金系の極細多芯線を銅母材に埋め込んだものである。巻枠体16に上下に分離されて巻回された2つのコイル7,8は、磁場を補正するためのものである。コイル7とコイル8とは、軸方向Zにおいて、メインコイル11の中心に対して対称となるように配置されている。
【0024】
シールドコイル12は、筒状の巻枠体19に上下に分離されて巻回された2つのコイル1,2を有している。シールドコイル12は、メインコイル11の発生させる磁場方向に対して逆方向の磁場を発生させるコイルであり、マグネットの外側への漏れ磁場を少なくするためのものである。巻枠体19は、アルミニウム材またはステンレス材などの非磁性材料からなる。コイル1とコイル2とは、軸方向Zにおいて、シールドコイル12の中心に対して対称となるように配置されている。
【0025】
図2に示すように、電気回路13は、メインコイル11およびシールドコイル12に電流を流すとともに、これらコイル11・12をクエンチなどから保護するための回路(保護回路)である。電気回路13においては、8つのコイル1〜8が直列に接続されている。また、4つのコイル1〜4の両端には、保護ダイオード21および保護ダイオード22がそれぞれ並列に接続されている。保護ダイオード21と保護ダイオード22とは向きが逆にされている。また、4つのコイル5〜8の両端には、保護ダイオード23および保護ダイオード24がそれぞれ並列に接続されている。保護ダイオード23と保護ダイオード24とは向きが逆にされている。そして、直列に接続された8つのコイル1〜8の両端には励磁電源25が接続され閉回路が形成されている。4つのコイル1〜4と保護ダイオード21および保護ダイオード22とは、保護回路を構成している。同様に、4つのコイル5〜8と保護ダイオード23および保護ダイオード24とは、保護回路を構成している。なお、保護ダイオード21〜24の代わりに保護抵抗を用いてもよい。
【0026】
ここで、仮に一番内側のコイル3にクエンチが発生したとすると、図1に示すように、クエンチによる温度上昇はコイル4、コイル5、コイル6の順番で温度的(熱的)に伝播していき、コイル4〜6は順次クエンチしていく。さらに、クエンチによる温度上昇は2つのコイル7,8へ伝播する。また、シールドコイル12である2つのコイル1,2には、熱的な伝播よりもむしろ電磁誘導によってクエンチが伝播する。
【0027】
ここで、メインコイル11とシールドコイル12とはできるだけ同時にクエンチさせる方がよい。それは、メインコイル11の磁場をシールドコイル12でキャンセルして周辺に磁場がもれなくしているためである。クエンチ発生時にメインコイル11とシールドコイル12との関係がくずれると、まわりの電子機器をくるわせたり、鉄製のものを引きよせたりする問題が発生する。
【0028】
そこで、図2に示すように、シールドコイル12の2つのコイル1,2と、メインコイル11の2つのコイル3,4とを同じ保護回路に配置している。これにより、シールドコイル12の2つのコイル1,2と、メインコイル11の2つのコイル3,4とは、おおむね同時にクエンチする。
【0029】
また、図1に示すように、メインコイル11のコイル7とコイル8、および、シールドコイル12のコイル1とコイル2とは軸方向に分割されている。よって、コイル7とコイル8のどちらか一方のみ、コイル1とコイル2のどちらか一方のみがクエンチすると、巻枠体16,19に大きな軸方向の力が発生する。巻枠体間は固定部材によって固定されているが、固定部材の強度には限界があり、どちらか一方のみのクエンチは強度上の問題があり、マグネットの破損につながる。
【0030】
そこで、図2に示すように、コイル1とコイル2とを同じ保護回路に配置するとともに、コイル7とコイル8とを同じ保護回路に配置している。これにより、コイル1とコイル2とは、おおむね同時にクエンチする。また、コイル7とコイル8とは、おおむね同時にクエンチする。
【0031】
励磁され定常状態となった超電導マグネット10においては、その電気回路13内を流れる電流は、励磁電源25から8つのコイル1〜8へ流れ励磁電源25へと戻る。この定常状態において、例えばコイル3にクエンチが発生した場合、コイル3を流れる電流が急激に減少するとともに、発生したクエンチは他のコイルに伝播していく。一方、励磁電源25から4つのコイル1〜4へ流れていた電流は、代わりに保護ダイオード21を通り、4つのコイル5〜8へ流れ励磁電源25へと戻る。同様に、例えばコイル6にクエンチが発生した場合、コイル6を流れる電流が急激に減少するとともに、発生したクエンチは他のコイルに伝播していく。一方、励磁電源25から4つのコイル5〜8へ流れていた電流は、代わりに保護ダイオード23を通って励磁電源25へと戻る。なお、クエンチに伴い通常V1に対してV3に大きなマイナスの電圧が発生する(図2参照)。この時には、電流は保護ダイオード24と保護ダイオード22とを経由して流れ、超電導マグネット10とともに励磁電源25を保護する。
【0032】
(超電導マグネットのコイル電圧検出回路)
次に、超電導マグネットのコイル電圧検出回路(コイル電圧検出回路)100について説明する。
【0033】
図2のような電気回路13において、クエンチ電圧を検出する場合には、V1とV2から4つのコイル1〜4の電圧を検出し、V2とV3から4つのコイル5〜6の電圧を検出するのが一般的である。ここで、V1は保護ダイオード21とコイル1との接点の電圧であり、V2は保護ダイオード22とコイル4との接点の電圧であり、V3は保護ダイオード23とコイル8との接点の電圧である。しかしながら、V1とV2とからクエンチ電圧を検出した場合には、4つのコイル1〜4のうち、どのコイルに起因したクエンチなのか区別することができない。
【0034】
そこで、図2の要部Yの拡大図である図3に示すように、4つのコイル1〜4のうち、保護ダイオード22に接続されたコイル4を1番目のコイルとして以降のコイルをn番目のコイル(n=2,3,4,・・・)とする。即ち、コイル3を2番目のコイルとし、コイル2を3番目のコイルとし、コイル1を4番目のコイルとする。また、1番目のコイル4と保護ダイオード22とを接続する配線上の任意の点を1番目の点Aとし、n番目のコイルと(n−1)番目のコイルとを接続する配線上の任意の点をn番目の点とする。即ち、2番目のコイル3と1番目のコイル4とを接続する配線上の任意の点を2番目の点Bとし、3番目のコイル2と2番目のコイル3とを接続する配線上の任意の点を3番目の点Dとし、4番目のコイル1と3番目のコイル2とを接続する配線上の任意の点を4番目の点Fとする。
【0035】
コイル電圧検出回路100は、直列に接続された2つの抵抗器31,32からなる1番目の抵抗器列41を有している。1番目の抵抗器列41は、1番目の点Aと2番目の点Bとの間において1番目のコイル4に対して並列に接続されている。抵抗器31の抵抗値は25Ωであり、抵抗器32の抵抗値は5kΩである。すると、2番目の点Bの電圧を入力電圧とし、1番目の抵抗器列41の2つの抵抗器31,32の間の中間点Cの電圧を出力電圧とする分圧回路が構成される。そのため、1番目の抵抗器列41の2つの抵抗器31,32の間の中間点Cの電圧は、1番目の点Aに対して、2番目の点Bの電圧の25/(5000+25)、つまり、約1/200に圧縮される。よって、仮に2番目の点Bの電圧が1000Vであっても、中間点Cの電圧は5Vになる。
【0036】
また、コイル電圧検出回路100は、直列に接続された2つの抵抗器33,34からなる2番目の抵抗器列42を有している。2番目の抵抗器列42は、1番目の点Aと3番目の点Dとの間において1番目のコイル4および2番目のコイル3に対して並列に接続されている。抵抗器33の抵抗値は50Ωであり、抵抗器34の抵抗値は10kΩである。すると、3番目の点Dの電圧を入力電圧とし、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eの電圧を出力電圧とする分圧回路が構成される。そのため、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eの電圧は、1番目の点Aに対して、3番目の点Eの電圧の50/(10000+50)、つまり、約1/200に圧縮される。
【0037】
なお、抵抗器31および抵抗器32は、それぞれ直列に接続された複数の抵抗器から構成されていてもよい。同様に、抵抗器33および抵抗器34は、それぞれ直列に接続された複数の抵抗器から構成されていてもよい。
【0038】
また、コイル電圧検出回路100は、計測器26を有している。計測器26には、1番目の抵抗器列41の中間点Cと、2番目の抵抗器列42の中間点Eとが接続されている。ここで、1番目の抵抗器列41の中間点Cにおける分圧比率と、2番目の抵抗器列42の中間点Eにおける分圧比率とは、同じである(約1/200)。そのため、計測器26は、中間点Cと中間点Eとの間の電圧を2番目のコイル3の電圧として検出する。
【0039】
なお、計測器26は、1番目の点Aと、1番目の抵抗器列41の中間点Cとの間の電圧を1番目のコイル4の電圧として検出する。
【0040】
また、図2の要部Yの拡大図である図4に示すように、コイル電圧検出回路100は、直列に接続された2つの抵抗器35,36からなる3番目の抵抗器列43を有している。3番目の抵抗器列43は、1番目の点Aと4番目の点Fとの間において1番目のコイル4、2番目のコイル3、および、3番目のコイル2に対して並列に接続されている。抵抗器35の抵抗値は100Ωであり、抵抗器36の抵抗値は20kΩである。すると、4番目の点Fの電圧を入力電圧とし、3番目の抵抗器列43の2つの抵抗器35,36の間の中間点Gの電圧を出力電圧とする分圧回路が構成される。そのため、3番目の抵抗器列43の2つの抵抗器35,36の間の中間点Gの電圧は、1番目の点Aに対して、4番目の点Fの電圧の100/(20000+100)、つまり、約1/200に圧縮される。
【0041】
なお、抵抗器35および抵抗器36は、それぞれ直列に接続された複数の抵抗器から構成されていてもよい。
【0042】
計測器26には、2番目の抵抗器列42の中間点Eと、3番目の抵抗器列43の中間点Gとが接続されている。ここで、2番目の抵抗器列42の中間点Eにおける分圧比率と、3番目の抵抗器列43の中間点Gにおける分圧比率とは、同じである(約1/200)。そのため、計測器26は、中間点Eと中間点Gとの間の電圧を3番目のコイル2の電圧として検出する。
【0043】
このように、1番目の抵抗器列41の2つの抵抗器31,32の抵抗値をそれぞれ25Ω、5kΩとすると、1番目の抵抗器列41の2つの抵抗器31,32の間の中間点Cの電圧は、1番目の点Aに対して、2番目の点Bの電圧の約1/200に圧縮される。同様に、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の抵抗値をそれぞれ50Ω、10kΩとすると、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eの電圧は、1番目の点Aに対して、3番目の点Dの電圧の約1/200に圧縮される。よって、1番目の抵抗器列41の2つの抵抗器31,32の間の中間点Cの電圧と、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eの電圧とを、計測器26を破損させることなく計測することができる。そして、2つの電圧を用いることで、2番目のコイル3の電圧を検出することができる。
【0044】
同じように、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の抵抗値をそれぞれ50Ω、10kΩとすると、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eの電圧は、1番目の点Aに対して、3番目の点Dの電圧の約1/200に圧縮される。同様に、3番目の抵抗器列43の2つの抵抗器35,36の抵抗値をそれぞれ100Ω、20kΩとすると、3番目の抵抗器列43の2つの抵抗器35,36の間の中間点Gの電圧は、1番目の点Aに対して、4番目の点Fの電圧の約1/200に圧縮される。よって、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eの電圧と、3番目の抵抗器列43の2つの抵抗器35,36の間の中間点Gの電圧とを、計測器26を破損させることなく計測することができる。そして、2つの電圧を用いることで、3番目のコイル2の電圧を検出することができる。
【0045】
これにより、計測器26を破損させることなく個々のコイルの電圧を検出することができる。
【0046】
また、1番目の抵抗器列41による分圧回路と、2番目の抵抗器列42による分圧回路とで分圧比率を同じにすると、1番目の抵抗器列41の2つの抵抗器31,32の間の中間点Cの電圧が、1番目の点Aに対して、2番目の点Bの電圧の約1/200に圧縮される場合には、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eの電圧は、1番目の点Aに対して、3番目の点Dの電圧の約1/200に圧縮される。これにより、1番目の抵抗器列41の2つの抵抗器31,32の間の中間点Cと、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eとの間の電圧を2番目のコイル3の電圧として検出することができる。
【0047】
同じように、2番目の抵抗器列42による分圧回路と、3番目の抵抗器列43による分圧回路とで分圧比率を同じにすると、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eの電圧が、1番目の点Aに対して、3番目の点Dの電圧の約1/200に圧縮される場合には、3番目の抵抗器列43の2つの抵抗器35,36の間の中間点Gの電圧は、1番目の点Aに対して、4番目の点Fの電圧の約1/200に圧縮される。これにより、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eと、3番目の抵抗器列43の2つの抵抗器35,36の間の中間点Gとの間の電圧を3番目のコイル2の電圧として検出することができる。
【0048】
なお、2番目の抵抗器列42の中間点Eにおける分圧比率と、3番目の抵抗器列43の中間点Gにおける分圧比率とを同じにしているが、使用する抵抗器の抵抗値によっては、分圧比率を同じにできない場合もある。そのような場合、図2の要部Yの拡大図である図5に示すように、オペアンプ(差動アンプ)51を備えた検出調整器50を、電気回路13と計測器26との間に設ける。中間点Gの電圧は、抵抗器52と抵抗器53とで分圧されて、オペアンプ51の+入力端子に入力される。中間点Eの電圧は、抵抗器54と抵抗器55とで分圧されて、オペアンプ51の−入力端子に入力される。ここで、中間点Gの電圧を分圧する分圧比率と、中間点Eの電圧を分圧する分圧比率とを調整すれば、+入力端子に入力される電圧の分圧比率と−入力端子に入力される電圧の分圧比率とをそろえることができる。+入力端子に入力された電圧と−入力端子に入力された電圧との差は増幅されて計測器26に入力され、3番目のコイル2の電圧として検出される。なお、オペアンプ51として絶縁アンプを用いると、ノイズの影響を受け難くなるので、測定精度を向上させることができる。
【0049】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る超電導マグネットのコイル電圧検出回路によると、分圧回路を構成することにより、1番目の抵抗器列41の2つの抵抗器31,32の間の中間点Cの電圧と、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eの電圧とを、計測器26を破損させることなく計測することができる。そして、2つの電圧を用いることで、2番目のコイル3の電圧を検出することができる。同じように、分圧回路を構成することにより、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eの電圧と、3番目の抵抗器列43の2つの抵抗器35,36の間の中間点Gの電圧とを、計測器26を破損させることなく計測することができる。そして、2つの電圧を用いることで、3番目のコイル2の電圧を検出することができる。これにより、計測器26を破損させることなく個々のコイルの電圧を検出することができる。
【0050】
また、1番目の抵抗器列41による分圧回路と、2番目の抵抗器列42による分圧回路とで分圧比率を同じにすると、1番目の抵抗器列41の2つの抵抗器31,32の間の中間点Cと、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eとの間の電圧を2番目のコイル3の電圧として検出することができる。同じように、2番目の抵抗器列42による分圧回路と、3番目の抵抗器列43による分圧回路とで分圧比率を同じにすると、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eと、3番目の抵抗器列43の2つの抵抗器35,36の間の中間点Gとの間の電圧を3番目のコイル2の電圧として検出することができる。
【0051】
(変形例)
なお、図3において、中間点Cと中間点Eとの間の電圧を2番目のコイル3の電圧として検出したが、以下のようにして2番目のコイル3の電圧を検出してもよい。即ち、1番目の抵抗器列41の2つの抵抗器31,32の間の中間点Cと1番目の点Aとの間の電圧を検出する。また、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eと1番目の点Aとの間の電圧を検出する。そして、計測器26は、2つの電圧の差から、2番目のコイル3の電圧を検出する。同様にして、3番目のコイル2の電圧を検出する。
【0052】
このように、分圧回路を構成することにより、1番目の抵抗器列41の2つの抵抗器31,32の間の中間点Cと1番目の点Aとの間の電圧、および、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eと1番目の点Aとの間の電圧を、計測器26を破損させることなく計測することができる。そして、2つの電圧を用いることで、2番目のコイル3の電圧を検出することができる。同じようにして、分圧回路を構成することにより、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eと1番目の点Aとの間の電圧、および、3番目の抵抗器列43の2つの抵抗器35,36の間の中間点Gと1番目の点Aとの間の電圧を、計測器26を破損させることなく計測することができる。そして、2つの電圧を用いることで、3番目のコイル2の電圧を検出することができる。これにより、計測器26を破損させることなく個々のコイルの電圧を検出することができる。
【0053】
また、1番目の抵抗器列41による分圧回路と、2番目の抵抗器列42による分圧回路とで分圧比率を同じにすると、1番目の抵抗器列41の2つの抵抗器31,32の間の中間点Cと1番目の点Aとの間の電圧と、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eと1番目の点Aとの間の電圧との差から、2番目のコイル3の電圧を検出することができる。同じように、2番目の抵抗器列42による分圧回路と、3番目の抵抗器列43による分圧回路とで分圧比率を同じにすると、2番目の抵抗器列42の2つの抵抗器33,34の間の中間点Eと1番目の点Aとの間の電圧と、3番目の抵抗器列43の2つの抵抗器35,36の間の中間点Gと1番目の点Aとの間の電圧との差から、3番目のコイル2の電圧を検出することができる。
【0054】
(本実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0055】
例えば、1つの保護回路で保護されたコイルの数を4つとしたが、5つ以上であってもよい。
【0056】
また、図3に示したように、1つの保護回路で保護されたコイルの数が4つである場合、保護ダイオード22と4番目のコイル1との接点と、4番目の点Fとの間に分圧回路を設けて、4番目のコイル1の電圧を検出してもよい。即ち、直列に接続された2つの抵抗器からなる抵抗器列を、保護ダイオード22と4番目のコイル1との接点と、4番目の点Fとの間において4番目のコイル1に対して並列に接続し、保護ダイオード22と4番目のコイル1との接点と、抵抗器列の中間点との間の電圧を4番目のコイル1の電圧として検出してもよい。同様に、保護ダイオード22と4番目のコイル1との接点と、3番目の点Dとの間に分圧回路を設けて、3番目のコイル2の電圧を検出してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1〜8 コイル
10 超電導マグネット
11 メインコイル
12 シールドコイル
13 電気回路
16,17,18,19 巻枠体
21〜24 保護ダイオード
25 励磁電源
26 計測器
31〜36 抵抗器
41〜43 抵抗器列
50 検出調整器
51 オペアンプ
52〜55 抵抗器
100 コイル電圧検出回路
A 第1の点
B 第2の点
C,E,G 中間点
D 第3の点
F 第4の点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源に複数のコイルを直列に接続するとともに、前記複数のコイルに対して保護手段を並列に接続した電気回路を備えた超電導マグネットのコイル電圧検出回路であって、
前記複数のコイルのうち、前記保護手段に最も近いコイルを1番目のコイルとして以降のコイルを順番にn番目のコイル(n=2,3,4,・・・)とし、前記1番目のコイルと前記保護手段とを接続する配線上の任意の点を1番目の点とし、前記n番目のコイルと(n−1)番目のコイルとを接続する配線上の任意の点をn番目の点としたときに、
前記1番目の点と前記n番目の点との間において少なくとも前記1番目のコイルに対して並列に接続された、直列に接続された2つの抵抗器からなる(n−1)番目の抵抗器列と、
前記1番目の点と(n+1)番目の点との間において前記1番目のコイルから前記n番目のコイルに対して並列に接続された、直列に接続された2つの抵抗器からなるn番目の抵抗器列と、
前記(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点と前記1番目の点との間の電圧と、前記n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点と前記1番目の点との間の電圧とを用いて、前記n番目のコイルの電圧を検出する計測器と、
を有することを特徴とする超電導マグネットのコイル電圧検出回路。
【請求項2】
前記n番目の点の電圧を入力電圧とし、前記(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧を出力電圧とする分圧回路の分圧比率と、前記(n+1)番目の点の電圧を入力電圧とし、前記n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧を出力電圧とする分圧回路の分圧比率とが同じであり、
前記計測器は、前記(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点と前記1番目の点との間の電圧と、前記n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点と前記1番目の点との間の電圧との差から、前記n番目のコイルの電圧を検出することを特徴とする請求項1に記載の超電導マグネットのコイル電圧検出回路。
【請求項3】
電源に複数のコイルを直列に接続するとともに、前記複数のコイルに対して保護手段を並列に接続した電気回路を備えた超電導マグネットのコイル電圧検出回路であって、
前記複数のコイルのうち、前記保護手段に最も近いコイルを1番目のコイルとして以降のコイルを順番にn番目のコイル(n=2,3,4,・・・)とし、前記1番目のコイルと前記保護手段とを接続する配線上の任意の点を1番目の点とし、前記n番目のコイルと(n−1)番目のコイルとを接続する配線上の任意の点をn番目の点としたときに、
前記1番目の点と前記n番目の点との間において少なくとも前記1番目のコイルに対して並列に接続された、直列に接続された2つの抵抗器からなる(n−1)番目の抵抗器列と、
前記1番目の点と(n+1)番目の点との間において前記1番目のコイルから前記n番目のコイルに対して並列に接続された、直列に接続された2つの抵抗器からなるn番目の抵抗器列と、
前記(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧と、前記n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧とを用いて、前記n番目のコイルの電圧を検出する計測器と、
を有することを特徴とする超電導マグネットのコイル電圧検出回路。
【請求項4】
前記n番目の点の電圧を入力電圧とし、前記(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧を出力電圧とする分圧回路の分圧比率と、前記(n+1)番目の点の電圧を入力電圧とし、前記n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点の電圧を出力電圧とする分圧回路の分圧比率とが同じであり、
前記計測器は、前記(n−1)番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点と、前記n番目の抵抗器列の2つの抵抗器の間の中間点との間の電圧を前記n番目のコイルの電圧として検出することを特徴とする請求項3に記載の超電導マグネットのコイル電圧検出回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−182249(P2012−182249A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43123(P2011−43123)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(502147465)ジャパンスーパーコンダクタテクノロジー株式会社 (56)