説明

超音波プローブの保護カバー

【課題】 使用されている圧電材料(PZT)は厚みが薄いこともあって非常にもろく、この超音波プローブを落下させたり、強打した場合は、破損することがあるという問題がある。
【解決手段】 超音波プローブ1は把持部1aと先端の膨大部1bが形成され、膨大部1bに圧電材料(PZT)が装着され、この圧電材料(PZT)の上に音響レンズ2が被せられ、保護カバー3は、超音波プローブ1の音響レンズ2の円弧部2a及び側部2bに嵌め込まれる円弧部3a及び側部3bが形成され、円弧部3aに圧電材料(PZT)から照射された超音波を通過する開放部3cが形成され、この開放部3cの周囲の厚さは音響レンズ2より0.5mmから1mm突出するように構成され、又、側部3bから短冊状の挟持部3dが突出し、この短冊状の挟持部3dは超音波プローブ1の端部の膨大部1aを両側部から挟持して、保護カバー3を超音波プローブ1の音響レンズ2の上に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物の診断に使用する超音波診断装置の超音波プローブに使用する樹脂で作られた超音波プローブの保護カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図3に示すように、超音波診断装置の超音波プローブ1は把持部1aと、把持部1aの先端部に圧電材料(PZT)を装着する膨大部1bと、圧電材料(PZT)に被覆する円弧状の音響レンズ2が装着されているが、この音響レンズ2内に装着された圧電材料(PZT)は厚みが薄いこともあって非常にもろく、この超音波プローブ1を落下させたり、強打した場合は、破損することがあり、特に動物用に使用される超音波プローブは手荒く扱われることがあり、さらに、羊などの体表は非常に固く普通に使用していても音響レンズ2が摩耗してしまい、すぐに使用不可能な状態になるという問題がある。
【0003】
しかしながら、このよう構成された超音波プローブの破損を防ぐ手段は、全く使用されておらず、この超音波プローブの保護手段がの望まれている。
【特許文献1】特開2005−218641
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の超音波プローブでは、使用されている圧電材料(PZT)は厚みが薄いこともあって非常にもろく、この超音波プローブを落下させたり、強打した場合は、破損することがあるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、把持部と、該把持部の端部に形成され、複数の超音波振動子が絶縁体を介して密着して装着される膨大部と、該超音波振動子の超音波照射面に整合層を介して被覆される音響レンズとからなる超音波プローブにおいて、樹脂で構成され、前記音響レンズの先端部分の円弧部を被覆する円弧部及び側面部と、該円弧部の前記音響レンズの先端部分に形成された開放部と、前記側面部から突出し、前記膨大部を両側面から挟持する短冊状の挟持部とからなるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、音響レンズの先端の円弧部を被覆する樹脂で構成された円弧部と側面部を設け、この円弧部に超音波照射面が開放された開放部を設け、側面部から突出する短冊状の挟持部で超音波プローブの膨大部を挟持するように構成された保護カバーで先端を被覆されているので、超音波プローブを落下したり、強打した場合でも、保護カバーは超音波プローブの先端に密着しているために、衝撃を和らげ、圧電材料を破損せず、音響レンズを摩耗しないという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、音響レンズの先端部分を被覆し、超音波照射面が開放された開放部を持つ円弧部及び側面部と、側面部からから突出し、超音波プローブの膨大部を挟持する挟持部とからなり、超音波プローブに密着して固定することができた。
【実施例】
【0008】
図1は本発明の実施例の保護カバーを装着した超音波プローブの斜視図、図2は本発明の実施例の保護カバーの斜視図で、超音波プローブ1は把持部1aと先端の膨大部1bが形成され、膨大部1bに圧電材料(PZT)が装着され、この圧電材料(PZT)の上に音響レンズ2が被せられ、樹脂で構成された保護カバー3は、超音波プローブ1の音響レンズ2の円弧部2a及び側部2bに嵌め込まれる円弧部3a及び側部3bが形成され、円弧部3aに圧電材料(PZT)から照射された超音波を通過する開放部3cが形成され、この開放部3cの周囲の厚さは音響レンズ2より0.5mmから1mm突出するように構成され、又、側部3bから短冊状の挟持部3dが突出し、この短冊状の挟持部3dは超音波プローブ1の端部の膨大部1aを両側部から挟持して、保護カバー3を超音波プローブ1の音響レンズ2の上に固定する。
【0009】
このように構成した本実施例の超音波プローブの保護カバーでは、音響レンズ2の円弧部2a及び側部2bに嵌め込まれる円弧部3a及び側部3bを設けたので、音響レンズに対して互いに密着して装着され、さらに、側部3bから短冊状の突出部3dで超音波プローブ1の膨大部1aを挟持するので、円弧部3a及び側部3bはゴムカバーの円弧部2a及び側部2bから外れることがなく、さらに、円弧部3aに設けられた開放部3dの周囲の厚さは0.5mm〜1mmに構成されているので、超音波プローブ1の音響レンズ2を強く押し付けることにより僅かに痛みを伴うが、動物の診断では特に問題はない。
【産業上の利用可能性】
【0010】
なお、上記実施例では、保護カバーは合成樹脂以外に、金属性、特にアルミニュームで構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例の保護カバーを装着した超音波プローブの斜視図である。
【図2】本発明の実施例の保護カバーの斜視図である。
【図3】従来の超音波プローブの斜視図である。
【符号の説明】
【0012】
1 超音波プローブ
1a 把持部
1b 膨大部
2 音響レンズ
2a 円弧部
2b 側部
3 保護カバー
3a 円弧部
3b 側部
3c 開放部
3d 挟持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部と、該把持部の端部に形成され、複数の超音波振動子が絶縁体を介して密着して装着される膨大部と、該超音波振動子の超音波照射面に被覆される音響レンズとからなる超音波プローブにおいて、樹脂で構成され、前記音響レンズの先端部分の円弧部を被覆する円弧部及び側面部と、該円弧部の前記音響レンズの先端部分に形成された開放部と、前記側面部から突出し、前記膨大部を両側面から挟持する短冊状の挟持部とからなることを特徴とする超音波プローブ保護カバー。
【請求項2】
前記開放部の周囲は0.5〜1mmの厚さで音響レンズより突出していることを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ保護カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−34212(P2009−34212A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−199580(P2007−199580)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(000243364)本多電子株式会社 (255)
【Fターム(参考)】