説明

超音波プローブ装置

【課題】 ゼリー剤の被検体への塗布と超音波プローブへの塗布と診断作業を交互に行うために、作業が煩わしいという問題があった。
【解決手段】 超音波プローブ1が挿入される挿入孔2の両側部に設けられた容器3、4は超音波プローブ1側の側壁3a、4aが低く、外壁3b、4bが高く形成され、これらの容器3、4にそれぞれゼリー剤5が挿入され、又、このゼリー剤5と接触するようにローラ6、7が装着され、これらのローラ6、7の表面には、ゼリー剤5が浸透して、超音波プローブ1に塗布され易いように、ローラ6、7の表面にスポンジ材が装着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波プローブの先端と被検体に簡単にゼリー剤を塗布することができる超音波プローブ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波診断装置により被検体を診断する場合、超音波振動子を内蔵した超音波プローブを被検体に接触させ、超音波プローブで送受信した超音波により被検体を診断するが、超音波の伝達を良くするために、超音波プローブの接触部及び被検体にゼリー剤を塗布するようにしている。
【0003】
しかしながら、従来のこのような超音波診断装置では、多数箇所の診断をする場合、ゼリー剤の被検体への塗布と超音波プローブへの塗布と診断作業を交互に行う必要があり、その手間のために、作業時間が長くなり、作業が煩わしいという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、従来の超音波診断装置では、ゼリー剤の被検体への塗布と超音波プローブへの塗布と診断作業を交互に行うために、作業が煩わしいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、超音波プローブは被検体に接触させて超音波を送受信し、ゼリー剤を入れる容器は超音波プローブが挿入される挿入孔が形成され、挿入孔の両側に前記超音波プローブ側の側壁が低く形成され、超音波プローブの先端近傍に一部が接触するように容器に装着され、ローラは容器の底部に溜まっているゼリー剤と接触するように構成され、超音波プローブを挿入孔で上下して、ローラを超音波プローブで接触回転することにより、ゼリー剤を容器と超音波プローブの間から超音波プローブの先端及び被検体に塗布するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の超音波プローブ装置では、超音波プローブを上下することにより、超音波プローブの側部に形成された容器に装着されているローラが回転し、このローラに付着したゼリー剤が容器と超音波プローブの間に流入して、ゼリー剤が超音波プローブの先端及び被検体に取付部されるという利点がある。
【実施例】
【0007】
図1は本発明の実施例の超音波プローブ装置の正面図、図2は図1の超音波プローブ装置の側面断面図で、超音波プローブ1が挿入される挿入孔2の両側部に設けられた容器3、4は超音波プローブ1側の側壁3a、4aが低く、外壁3b、4bが高く形成され、これらの容器3、4にそれぞれゼリー剤5が挿入され、又、このゼリー剤5と接触するようにローラ6、7が装着され、又、これらのローラ6、7はそれぞれ回転軸6a、7aで回転するように構成され、さらに、これらのローラ6、7の表面には、ゼリー剤5が浸透して、超音波プローブ1に塗布され易いように、ローラ6、7の表面にスポンジ材が装着されている。
【0008】
このように構成された本実施例の超音波プローブ装置では、図3に示すように、被検体8の上に容器3、4が接触するように載置され、超音波プローブ1を挿入孔2の中で上下すると、超音波プローブ1の上下による摩擦によりローラ6、7が回転軸6a、6bで回転し、ローラ6、7の表面のスポンジに浸透して塗布されているゼリー剤5がローラ6、7と超音波プローブ1の間を通って被検体8の表面に落下するので、超音波プローブ装置を図の左右に移動する事により、被検体8の表面及び超音波プローブ1の接触面1aに適当な量だけ行き渡って塗布される。
【0009】
本実施例は、このように、被検体8の表面や超音波プローブ1の接触面1aに手で塗布することなく、簡単に超音波プローブ1の接触面1aや被検体8の表面に塗布されるので、作業能率が非常に向上するという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0010】
なお、上記実施例では、ローラ6、7の表面にスポンジ材を装着しているが、スポンジ材の代わりに、不織布や布材又はブラシ状の部材を装着しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例の超音波プローブ装置の正面図出ある。
【図2】図1の超音波プローブ装置の側面一部断面図である。
【図3】図2の超音波プローブ装置の動作を示した図であるる
【符号の説明】
【0012】
1 超音波プローブ
2 挿入孔
3、4 容器
5 ゼリー剤
6、7 ローラ
8 被検体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に接触させて超音波を送受信する超音波プローブと、該超音波プローブが挿入される挿入孔が形成され、該挿入孔の両側に前記超音波プローブ側の側壁が低く形成されたゼリー剤を入れる容器と、前記超音波プローブの先端近傍に一部が接触するように容器に装着され、該容器の底部に溜まっている前記ゼリー剤と接触するローラとからなり、前記超音波プローブを前記挿入孔で上下して、前記ローラを前記超音波プローブで接触回転することにより、前記ゼリー剤を前記容器と前記超音波プローブの間から前記超音波プローブの先端及び前記被検体に塗布することを特徴とする超音波プローブ装置。
【請求項2】
前記ローラの表面にスポンジを装着することを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ装置。
【請求項3】
前記ローラの表面に不織布を装着することを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ装置。
【請求項4】
前記ローラの表面に布材を装着することを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ装置。
【請求項5】
前記ローラの表面にブラシ状の部材を装着することを特徴とする請求項1記載の超音波プローブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−175081(P2007−175081A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−373549(P2005−373549)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000243364)本多電子株式会社 (255)
【Fターム(参考)】