説明

超音波モータ駆動回路及び超音波モータの駆動信号生成方法

【課題】安価な超音波モータ駆動回路を提供することである。
【解決手段】第1のD/Aコンバータ18は、デジタルデータDATA−Aをアナログ信号DAC−Aに変換して非反転増幅器20及び反転増幅器21に出力する。第1のアナログマルチプレクサ16は、矩形波Aの立ち上がりのタイミングで、第1のD/Aコンバータの出力信号と同相の信号を選択して出力し、矩形波Aの立ち下がりのタイミングで、第1のD/Aコンバータの出力信号の逆相の信号を選択して出力する。これにより、第1のD/Aコンバータ18の出力信号の正負の振幅値を持った交流信号が出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用機器、測定器、電子機器等に用いられる超音波モータの駆動回路及びその駆動信号生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用機器、一般の電子機器等の駆動機構として超音波モータが利用されている。また、高精度の位置測定システムと併用することで、従来の送りネジ等を使用した位置決め装置よりはるかに高い位置決め精度を実現することができる。
【0003】
超音波モータを駆動する信号として一定の位相差(一般的には±90°)を持った2相の進行波が用いられる。超音波モータを効率良く安定に制御するためにはこの進行波の形状や周波数、振幅、位相差などを適切に制御する必要がある。
【0004】
特許文献1には、振動波モータの圧電素子に印加する交流電圧と、振動体の振動状態を検知する検知信号との位相差が共振に近い所定の位相差に達したとき、圧電素子に印加する電圧を低電圧から高電圧に切り換えることが記載されている。
【0005】
特許文献2には、超音波モータの停止時に、A相駆動信号とB相駆動信号の位相差が90°から0°まで漸次的に変化するように制御することで、超音波モータの停止時の騒音を軽減することが記載されている。
【0006】
特許文献3には、超音波モータの駆動開始時に、段階的に交流電圧を上昇させ、電圧レベルが所定の電圧に達した後に、駆動周波数を段階的に下降させることで、始動時の振動を小さくすることが記載されている。
【0007】
特許文献4には、超音波モータに印加する正弦波電圧を微分回路で微分して90°の位相差を持つ正弦波を生成することが記載されている。
特許文献5には、矩形波を正弦波に変換するローパスフィルタを有する駆動装置について記載されている。
【0008】
超音波モータを効率よく安定に駆動するためには正弦波の信号を供給し、その正弦波の信号の周波数、振幅、位相差を所定の範囲内で任意に変化させることが望ましい。
しかしながら、従来は、超音波モータを駆動する駆動信号の振幅値として離散的な値しか設定できなかったり、周波数は可変することができるが駆動信号の波形が矩形波であったり、理想的な駆動信号を得ることが難しかった。
【0009】
D/Aコンバータで正弦波を発生させることも考えられるが、一般的な超音波モータの駆動信号の周波数は数10kHzから100kHz以上であり、仮に100kHz程度の信号を100Hzのステップで変調すると、D/Aコンバータには100Mサンプリング毎秒以上の性能が必要となる。動作速度の速いD/Aコンバータは一般にコストが高くなる。また、100Mサンプリング毎秒以上の速さでD/Aコンバータにデジタルデータを供給できる演算システムやインターフェースもコスト増の要因となる。
【特許文献1】特開2002−305884号公報
【特許文献2】特開2002−199749号公報
【特許文献3】特開平11−196585号公報
【特許文献4】特開平9−70187号公報
【特許文献5】特開2000−70851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、安価な超音波モータ駆動回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の超音波モータ駆動回路は、周期的に変化し所望の位相差を有する第1及び第2の信号を生成する信号生成回路と、D/Aコンバータと、超音波モータを駆動する駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを前記D/Aコンバータに出力するD/Aコンバータ制御回路と、前記第1の信号の極性に応じて前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択して出力する第1の選択回路と、前記第2の信号の極性に応じて前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択して出力する第2の選択回路と、前記第1及び第2の選択回路の出力信号から得られる第1及び第2の駆動信号を超音波モータに供給する出力回路とを備える。
【0012】
本発明に係る他の超音波モータ駆動回路は、周期的に変化し所望の位相差を有する第1及び第2の信号を生成する信号生成回路と、第1のD/Aコンバータと、第2のD/Aコンバータと、超音波モータを駆動する第1及び第2の駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを、前記第1及び第2のD/Aコンバータに出力するD/Aコンバータ制御回路と、前記第1の信号の極性に応じて前記第1のD/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択して出力する第1の選択回路と、前記第2の信号の極性に応じて前記第2のD/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択して出力する第2の選択回路と、前記第1及び第2の選択回路の出力信号から得られる第1及び第2の駆動信号を超音波モータに供給する出力回路とを備える。
【0013】
本発明に係る他の超音波モータ駆動回路は、周期的に変化する信号を生成する信号生成回路と、1または2個のD/Aコンバータと、超音波モータを駆動する駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを前記D/Aコンバータに出力するD/Aコンバータ制御回路と、前記信号生成回路から出力される前記信号の立ち上がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択し、前記信号の次の立ち上がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の他方を選択して出力する第1の選択回路と、前記信号生成回路から出力される前記信号の立ち下がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択し、前記信号の次の立ち下がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の他方を選択して出力する第2の選択回路と、前記第1及び第2の選択回路の出力信号から得られる第1及び第2の駆動信号を超音波モータに供給する出力回路を備える。
【0014】
本発明に係る他の超音波モータ駆動回路は、周期的に変化し、所望の位相差を有する第1及び第2の信号を生成する信号生成回路と、1または2個のD/Aコンバータと、超音波モータを駆動する駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを前記D/Aコンバータに出力するD/Aコンバータ制御回路と、前記第1の信号の立ち上がりまたは立ち下がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択し、前記第1の信号の次の立ち上がりまたは立ち下がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の他方を選択して出力する第1の選択回路と、前記第2の信号の立ち上がりまたは立ち下がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択し、前記第2の信号の次の立ち上がりまたは立ち下がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の他方を選択して出力する第2の選択回路と、前記第1及び第2の選択回路の出力信号から得られる第1及び第2の駆動信号を超音波モータに供給する出力回路を備える。
【0015】
上記の発明の超音波モータ駆動回路において、前記第1及び第2の選択回路は、前記D/Aコンバータまたは前記第1及び第2のD/Aコンバータの出力信号の同相の信号を出力する非反転増幅器と、逆相の信号を出力する反転増幅器を有する。
【0016】
上記の発明において、前記第1及び第2の選択回路は、前記第1及び第2の信号の極性に応じて前記D/Aコンバータまたは前記第1及び第2のD/Aコンバータの出力信号の同相または逆相の信号を排他的に選択するスイッチを有する。
【0017】
上記の発明の超音波モータ駆動回路において、前記出力回路は、前記第1及び第2の選択回路の出力信号をそれぞれ擬似的な正弦波に変換する第1及び第2のローパスフィルタを有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、動作速度の比較的遅いD/Aコンバータを用いて安価な超音波モータ駆動回路を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、超音波モータ12を含む第1の実施の形態の超音波モータ駆動回路11のブロック図である。
超音波モータ12は、屈曲振動と縦振動を発生させる複数の振動子からなる弾性体と、その弾性体に接触させた移動体とからなる。
【0020】
制御部(CPU)13は、発振周波数と位相差を指示する信号またはデータを矩形波発生回路14に出力すると共に、超音波モータ12を駆動する駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータをD/Aコンバータ制御回路15に出力する。制御部13は、矩形波発生回路14に出力するデータを変更することで矩形波A、Bの周波数、位相差を制御することができる。
【0021】
矩形波発生回路14は、制御部13からの指示に従って所望の周波数の所望の位相差を持った2種類の矩形波A、Bを生成して第1及び第2のアナログマルチプレクサ16、17の制御端子に出力する。
【0022】
D/Aコンバータ制御回路15は、制御部13から出力されるデジタルデータをラッチして第1及び第2のD/Aコンバータ18及び19に出力する。
第1のD/Aコンバータ18は、デジタルデータDATA−Aをアナログ信号DAC−Aに変換して非反転増幅器20及び反転増幅器21に出力する。
【0023】
非反転増幅器20は、アナログ信号DAC−Aを増幅して第1のアナログマルチプレクサ16の一方の入力端子16aに出力する。反転増幅器21は、アナログ信号DAC−Aを反転増幅して第1のアナログマルチプレクサ16の他方の入力端子16bに出力する。
【0024】
第2のD/Aコンバータ19は、デジタルデータDATA−Bをアナログ信号DAC−Bに変換して非反転増幅器22及び反転増幅器23に出力する。
非反転増幅器22は、アナログ信号DAC−Bを増幅して第2のアナログマルチプレクサ17の入力端子17aに出力する。非反転増幅器23は、アナログ信号DAC−Bを反転増幅して第2のアナログマルチプレクサ17の入力端子17bに出力する。
【0025】
第1のアナログマルチプレクサ16は、矩形波Aがハイレベルとなったとき、つまり矩形波Aの立ち上がりに同期したタイミングで、入力端子16aの信号を選択して出力端子16cからローパスフィルタ24に出力する。また、矩形波Aがローレベルとなったとき、つまり矩形波Aの立ち下がりに同期したタイミングで、入力端子16bの信号を選択して出力端子16cからローパスフィルタ24に出力する。上記の非反転増幅器20、反転増幅器21及び第1のアナログマルチプレクサ16は、第1の選択回路に対応する。
【0026】
この結果、第1のアナログマルチプレクサ16からは、矩形波Aの1周期の前半の期間、正のアナログ信号DAC−Aが出力され、1周期の後半の期間、負のアナログ信号−DCA−Aが出力される。
【0027】
第2のアナログマルチプレクサ17は、矩形波Bがハイレベルとなったとき、つまり矩形波Bの立ち上がりに同期したタイミングで、入力端子17aの信号を選択して出力端子17cからローパスフィルタ25に出力する。また、矩形波Bがローレベルとなったとき、つまり矩形波Bの立ち下がりに同期したタイミングで、入力端子17bの信号を選択して出力端子17cからローパスフィルタ25に出力する。上記の非反転増幅器22、反転増幅器23及び第2のアナログマルチプレクサ17は、第2の選択回路に対応する。
【0028】
この結果、第2のアナログマルチプレクサ17からは、矩形波Bの1周期の前半の期間、正のアナログ信号DAC−Bが出力され、1周期の後半の期間、負のアナログ信号−DAC−Bが出力される。
【0029】
ローパスフィルタ24は、第1のアナログマルチプレクサ16の矩形波の交流信号MPX−Aを平滑して擬似的な正弦波の信号に変換して増幅器26に出力する。増幅器26は、増幅した正弦波の信号を第1の駆動信号OUT−Aとして超音波モータ12に出力する。
【0030】
同様に、ローパスフィルタ25は、第2のアナログマルチプレクサ17の矩形波の交流信号MPX−Bを平滑して擬似的な正弦波の信号に変換して増幅器27に出力する。増幅器27は、正弦波の信号を増幅して第2の駆動信号OUT−Bとして超音波モータ12に出力する。
【0031】
振動検出器28は、超音波モータ12の弾性体の振動を検出し、検出結果の信号を位相差測定器29に出力する。位相差測定器29は、振動検出器28で検出される超音波モータ12の振動を示す信号と矩形波Bとの位相差を測定し、測定結果を制御部13に出力する。制御部13は、この位相差の測定結果に基づいて矩形波A、Bの周波数、位相差を変化させ、あるいはデジタルデータの値を変化させる。これにより、駆動信号の周波数、位相差、または振幅を制御する。
【0032】
また、超音波モータ12の弾性体と接触する移動体の位置を検出する位置検出器(図示せず)を設け、位置検出器の検出情報を制御部13に出力するようにしても良い。そして、制御部13が、位置検出器により検出される移動体の位置と目的とする位置との差を算出し、その差が小さくなるように矩形波A、Bの周波数、位相差、あるいはD/Aコンバータ制御回路15に出力するデジタルデータを制御しても良い。
【0033】
次に、上記の超音波モータ駆動回路11の動作を、図2のタイミングチャートを参照して説明する。
制御部13から矩形波発生回路14に対して矩形波の周波数と位相差が指示され、矩形波発生回路14から、例えば、周波数が100kHzで、90°の位相差を持った矩形波A、Bが出力される。矩形波A、Bは、振幅が周期的にゼロレベルから正のある値に変化する信号である。この振幅がゼロレベルから正のある値、あるいは正のある値からゼロレベルに変化するタイミングを矩形波A、Bの極性が変化するタイミングと呼ぶ。
【0034】
また、制御部13からD/Aコンバータ制御回路15に対して駆動信号の振幅を決めるデジタルデータa1、b1、a2、b2、a3、b3・・が順に出力される。
D/Aコンバータ制御回路15は、制御部13から出力されたデジタルデータ「a1」をラッチし、ラッチしたデータ「a1」をデジタルデータDAT−Aとして、矩形波Aの立ち上がりに同期したタイミングで第1のD/Aコンバータ18に出力する。また、D/Aコンバータ制御回路15は、制御部13から出力されたデジタルデータ「b1」をラッチし、ラッチしたデータ「b1」をデジタルデータDAT−Bとして、矩形波Bの立ち上がりに同期したタイミングで第2のD/Aコンバータ19に出力する。
【0035】
D/Aコンバータ制御回路15は、同様に、制御部13から出力されるデジタルデータ「a2」、「b2」・・をラッチし、それらのデータを順に第1のD/Aコンバータ18と第2のD/Aコンバータ19に出力する。なお、第1及び第2のD/Aコンバータ18及び19にデータを出力するタイミングは、矩形波A、Bの立ち上がりに同期したタイミングに限らず、任意のタイミングに出力しても良い。
【0036】
第1及び第2のD/Aコンバータ18及び19は、入力するデジタルデータのD/A変換を行い、変換後のアナログ信号DAC−A、DAC−Bを、それぞれ非反転増幅器20及び反転増幅器21と、非反転増幅器22及び反転増幅器23に出力する。
【0037】
非反転増幅器20からは、アナログ信号DAC−Aと同相の信号が出力され、反転増幅器21からは、アナログ信号DAC−Aの逆相の信号−DAC−Aが出力される。
第1のアナログマルチプレクサ16は、矩形波Aの立ち上がりタイミングで、非反転増幅器20から出力される正の信号DAC−Aを選択して出力し、矩形波Bの立ち上がりのタイミングで、反転増幅器21から出力される負の信号−DAC−Aを選択して出力する。
【0038】
従って、第1のアナログマルチプレクサ16の出力信号MPX−Aは、図2に示すように、矩形波Aの立ち上がりのタイミングで振幅が正の値(例えば、+a1、+a2・・)となり、矩形波Aの立ち下がりのタイミングで振幅が負の値(例えば、−a1、a2・・)となる矩形波の交流信号となる。すなわち、第1のアナログマルチプレクサ16は、矩形波Aの極性に応じて振幅が正の信号と負の信号を出力する。
【0039】
同様に、第2のマルチプレクサ17は、矩形波Bの立ち上がりのタイミングで、非反転増幅器22から出力される正の信号DAC−Bを選択して出力し、矩形波Bの立ち下がりのタイミングで、反転増幅器23から出力される負の信号−DAC−Bを選択して出力する。
【0040】
従って、第2のアナログマルチプレクサ17の出力信号MPX−Bは、図2に示すように、矩形波Bの立ち上がりのタイミングで振幅が正の値(例えば、+b1、+b2・・)となり、矩形波Bの立ち下がりのタイミングで振幅が負の値(例えば、−b1、−b2・・)となる矩形波の交流信号となる。すなわち、第2のアナログマルチプレクサ17は、矩形波Bの極性に応じて振幅が正の信号と負の信号を出力する。
【0041】
上記の矩形波の交流信号MPX−Aは、第1のローパスフィルタ24により平滑されて、図2に示すような擬似的な正弦波の第1の駆動信号OUT−Aに変換される。また、矩形波の交流信号MPX−Bは、第2のローパスフィルタ25により平滑されて擬似的な正弦波の第2の駆動信号OUT−Bに変換される。これら第1及び第2の駆動信号OUT−A、OUT−Bにより超音波モータ12が駆動される。
【0042】
次に、図3は、第1及び第2のアナログマルチプレクサ16、17の一例を示す図である。図3には、非反転増幅器20と反転増幅器21とローパスフィルタ24を含めて示してある。
【0043】
アナログマルチプレクサ16は、2個のアナログスイッチ31、32と、インバータ33とからなる。
非反転増幅器20の出力信号は、第1のアナログスイッチ31に入力し、反転増幅器21の出力信号は、第2のアナログスイッチ32に入力する。第1のアナログスイッチ31の制御端子には、矩形波Aが与えられ、第2のアナログスイッチ32の制御端子には、矩形波Aをインバータ33で反転した信号が与えられている。
【0044】
従って、矩形波Aがハイレベルのときは、第1のアナログスイッチ31に入力する正の信号DAC−Aが選択されてローパスフィルタ24に出力され、矩形波Aがローレベルのときには、第2のアナログスイッチ32に入力する負の信号−DAC−Aが選択されてローパスフィルタ24に出力される。上記の第1及び第2のアナログスイッチ31及び32が、矩形波A(または矩形波B)の極性により排他的にオン、オフする2個のスイッチに対応する。
【0045】
次に、図4は、ローパスフィルタ24、25の一例を示す図である。この第1の実施の形態では、演算増幅器を用いたアクティブフィルタの中で構成が簡素な正帰還型フィルタであるサレン・キー回路を用いている。アクティブフィルタを用いることで、出力信号の線形性を確保し、安定した超音波モータ12の制御を可能としている。なお、アクティブフィルタに限らず、抵抗とキャパシタからなるパッシブフィルタを用いても良い。
【0046】
図4において、入力信号は、直列に接続された抵抗R1、R2を介して、演算増幅器41の非反転入力端子に入力する。非反転入力端子にはキャパシタC1の一端が接続され、そのキャパシタC1の他端は接地されている。演算増幅器41の出力は反転入力端子に帰還され、その反転入力端子に帰還される信号は、キャパシタC2と抵抗R2を介して非反転入力端子にも帰還されている。
【0047】
キャパシタC2とキャパシタC1の容量比は2:1に設定されており、抵抗R1、R2の抵抗値をR、キャパシタC1の容量値をCとすると、図4のローパスフィルタのカットオフ周波数fcは、fc=1/(2・21/2・πRC)で表せる。カットオフ周波数fcは、超音波モータ12の共振周波数の1.18倍以上、1.4倍以下に設定するのが好ましい。
【0048】
上述した第1の実施の形態によれば、矩形波A、Bの極性が変化するタイミング、つまり矩形波A、Bの立ち上がりと立ち下がりに同期したタイミングで振幅値が変化する矩形波の交流信号MPX−A、MPX−Bを生成することができる。そして、矩形波の交流信号MPX−A、MPX−Bをローパスフィルタ24及び25で平滑することで擬似的な正弦波の信号に変換し、それら擬似的な正弦波の信号を駆動信号OUT−A、OUT−Bとして超音波モータ12に供給することができる。
【0049】
この駆動信号OUT−A、OUT−Bは、D/Aコンバータ制御回路15に供給するデジタルデータの値、矩形波発生回路14で生成する矩形波A、Bの周波数または位相差を変化させることで周波数、振幅または位相差を任意に制御することができるので、超音波モータ12の駆動条件を任意に変化させることができる。例えば、超音波モータ12の起動時に、第1及び第2の駆動信号の振幅を徐々に大きくすることで起動時の超音波モータ12の騒音を低減できる。
【0050】
また、第1及び第2のD/Aコンバータ18及び19は、矩形波A、Bの周波数(例えば、数100kHz程度)で動作できる程度の動作速度を有すれば良いので、高速(例えば、100×100kHz以上)で動作するD/Aコンバータを使用する必要が無い。これにより、安価なD/Aコンバータを用いて超音波モータ駆動回路11を構成することができる。
【0051】
また、D/Aコンバータ18及び19の出力信号と同相の信号と逆相の信号を、それぞれ第1及び第2のアナログマルチプレクサ16及び17が、矩形波A、Bの立ち上がりまたは立ち下がりのタイミングで、選択して出力することで、矩形波の交流信号を得ることができる。
【0052】
さらに、その矩形波の交流信号をローパスフィルタ24、25で平滑して擬似的な正弦波の駆動信号を生成し、正弦波の駆動信号で超音波モータ12を駆動することで、超音波モータ12をより安定に、かつ効率的に制御することができる。これにより、超音波モータ12の騒音を抑制できる。
【0053】
また、超音波モータ12の実際の振動を振動検出器28で検出し、検出した振動と矩形波の信号Aまたは矩形波の信号Bとの位相差を計測し、例えば、位相差が所望の値となるように駆動信号の周波数、位相差を制御することで超音波モータ12をより安定に制御することができる。
【0054】
また、超音波モータ12の弾性体に接触させた移動体の位置を検出する位置検出器を設け、その位置検出器により検出された移動体の位置と目的とする位置との差を計算し、その差が小さくなるように駆動信号の周波数、位相差または振幅を制御することで、移動体の位置、あるいは速度を適正に制御することができる。
【0055】
次に、本発明の第2の実施の形態について図5を参照して説明する。第1の実施の形態は、第1及び第2の駆動信号の振幅を独立に変化させることができるように2個のD/Aコンバータを用いているが、駆動信号の振幅が同じ値で良い場合には、D/Aコンバータを1個にすることができる。
【0056】
第2の実施の形態の超音波モータ駆動回路51は、基本的には、図1の回路と同じである。異なる点は、1個のD/Aコンバータ18を使用し、非反転増幅器20の出力信号を、第1のアナログマルチプレクサ16の入力端子16aと第2のアナログマルチプレクサ17の入力端子17aに出力し、反転増幅器21の出力信号を、第1のアナログマルチプレクサ16の入力端子16bと第2のアナログマルチプレクサ17の入力端子17bに出力している点である。
【0057】
従って、第2のアナログマルチプレクサ17は、矩形波Aの立ち上がりのタイミングで、非反転増幅器20から出力される正の信号DAC−Aを選択してローパスフィルタ25に出力する。また、第2のアナログマルチプレクサ17は、矩形波Bの立ち下がりのタイミングで、反転増幅器21から出力される負の信号−DAC−Aを選択してローパスフィルタ25に出力する。
【0058】
この第2の実施の形態においては、図2に示す信号MPX−Aが、矩形波Aに同期したタイミングで第1のアナログマルチプレクサ16から出力され、矩形波Bに同期したタイミングで第2のアナログマルチプレクサ17から出力され、それらの信号がローパスフィルタ24及び25で平滑され、同じ振幅値で所定の位相差を有する第1及び第2の駆動信号として超音波モータ12に出力される。
【0059】
上述した第2の実施の形態によれば、D/Aコンバータ18と非反転増幅器20と反転増幅器21が1個で良いので、第1の実施の形態に比べて超音波モータ駆動回路51の構成が簡素になる。
【0060】
次に、本発明の第3の実施の形態について図6を参照して説明する。第3の実施の形態の超音波モータ駆動回路の構成は、基本的には図1の回路と同じである。異なる点は、矩形波発生回路14から1種類の矩形波Cを、第1のアナログマルチプレクサ16と第2のアナログマルチプレクサ17に供給し、第1のアナログマルチプレクサ16が、矩形波Cの立ち上がりと次の立ち上がりに同期したタイミングで、第1のD/Aコンバータ18の出力信号の同相の信号とその反転信号を排他的に選択し、第2のアナログマルチプレクサ17が、矩形波Cの立ち下がりと次の立ち下がりに同期したタイミングで、第2のD/Aコンバータ19の出力信号の同相とその反転信号を排他的に選択する点である。
【0061】
以下、この第3の実施の形態の回路動作を、図6のタイミングチャートを参照して説明する。なお、図2と同じ回路動作の説明は省略する。
制御部13から矩形波発生回路14に対して生成する矩形波の周波数が指示されると、矩形波発生回路14から所望の周波数の矩形波Cが出力される。この矩形波Cの周波数は、図2の矩形波A、Bの2倍の周波数(例えば、200KHz)に設定されている。また、制御部13からD/Aコンバータ制御回路15に対して駆動信号の振幅を決めるデジタルデータa1、b1、a2、b2、a3、b3・・・が順に出力される。
【0062】
第1のアナログマルチプレクサ16は、矩形波Cのある立ち上がりに同期したタイミングで、非反転増幅器20から出力される正の信号DAC−Aを選択して出力し、矩形波Cの次の立ち上がりに同期したタイミングで、反転増幅器21から出力される負の信号−DAC−Aを選択して出力する。
【0063】
従って、第1のアナログマルチプレクサ16の出力信号MPX−Aは、図6に示すように、矩形波Cの1つおきの立ち上がりのタイミングで振幅が正の値(例えば、+a1、+a2・・)となり、矩形波Cの次の1つおきの立ち上がりのタイミングで振幅が負の値(例えば、−a1、−a2・・)となる矩形波の交流信号となる。
【0064】
同様に、第2のアナログマルチプレクサ17は、矩形波Cの立ち下がりのタイミングで、非反転増幅器22から出力される正の信号DAC−Bを選択して出力し、矩形波Cの次の立ち下がりのタイミングで、反転増幅器23から出力される負の信号−DAC−Bを選択して出力する。
【0065】
従って、第2のアナログマルチプレクサ17の出力信号MPX−Bは、図6に示すように、矩形波Cの立ち下がりのタイミングで振幅が正の値(例えば、+b1、+b2・・)となり、矩形波Cの次の立ち下がりのタイミングで振幅が負の値(例えば、−b1、−b2・・)となる矩形波の交流信号となる。
【0066】
この第3の実施の形態においても、D/Aコンバータは、2個であっても、1個であっても良い。
上述した第3の実施の形態によれば、第1及び第2のD/Aコンバータ18及び19は、矩形波Cの周波数で動作できる程度の動作速度を有すれば良いので、高速(例えば、100×100kHz以上)で動作するD/Aコンバータを使用する必要が無い。これにより、安価なD/Aコンバータを用いて超音波モータ駆動回路11を構成することができる。
【0067】
また、矩形波Cの立ち上がりと立ち下がりに同期したタイミングで振幅値が変化する矩形波の交流信号MPX−A、MPX−Bを生成し、その矩形波の交流信号MPX−A、MPX−Bを擬似的な正弦波の信号に変換し、それら擬似的な正弦波の信号を駆動信号OUT−A、OUT−Bとして超音波モータ12に供給することができる。
【0068】
駆動信号OUT−A、OUT−Bは、D/Aコンバータ制御回路15に供給する、駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータの値、矩形波発生回路14で生成する、駆動信号の周波数と位相差を決める矩形波Cの周波数とデューティ比を変化させることで、駆動信号の振幅、周波数、または位相差を任意に制御することができる。例えば、超音波モータ12の起動時に、第1及び第2の駆動信号の振幅を徐々に大きくすることで起動時の超音波モータ12の騒音を低減できる。
【0069】
さらに、矩形波発生回路14は、1種類の矩形波Cを生成すれば良いので、矩形波発生回路14の構成が簡素になる。
なお、上記の第3の実施の形態では、1種類の矩形波Cの立ち上がりと立ち下がりのタイミングで、第1のアナログマルチプレクサ16と第2のアナログマルチプレクサ17が選択動作を行っているが、第1の実施の形態と同様に2週類の矩形波A、Bにより第1及び第2のアナログマルチプレクサ16及び17が選択動作を行うようにしても良い。矩形波Cの逆相信号C’を生成して、それらの信号を矩形波A、Bとして用いても良い。あるいは、独立に2種類の矩形波A、Bを生成しても良い。
【0070】
例えば、第1のアナログマルチプレクサ16が、矩形波Aの立ち上がり(または立ち下がり)のタイミングで、非反転増幅器20の正の出力信号を選択し、矩形波Aの次の立ち上がり(または立ち下がり)のタイミングで、反転増幅器21の負の出力信号を選択して出力する。また、第2のアナログマルチプレクサ17が、矩形波Bの立ち上がり(または立ち下がり)のタイミングで、非反転増幅器22の正の出力信号を選択し、矩形波Bの次の立ち上がり(または立ち下がり)のタイミングで、反転増幅器23の負の出力信号を選択して出力する。
【0071】
この場合、矩形波は2種類となるが、その他は第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
本発明は上述した実施の形態に限らず、例えば、以下のように構成しても良い。
(1)矩形波Aと矩形波Bの位相差は90°に限らず、90°未満、あるいは90°より大きくても良い。矩形波以外の信号を用いても良い。
(2)実施の形態は、ローパスフィルタ24、25により矩形波の交流信号MPX−A、MPX−Bを擬似的な正弦波に変換しているが、矩形波の交流信号MPX−A、MPX−Bを駆動信号として用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】第1の実施の形態の超音波モータ駆動回路の回路図である。
【図2】超音波モータ駆動回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】アナログマルチプレクサの一例を示す図である。
【図4】ローパスフィルタの一例を示す図である。
【図5】第2の実施の形態の超音波モータ駆動回路の回路図である。
【図6】第3の実施の形態の超音波モータ駆動回路の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0073】
11、51 超音波モータ駆動回路
12 超音波モータ
13 制御部
14 矩形波発生回路
15 D/A制御部
16 第1のアナログマルチプレクサ
17 第2のアナログマルチプレクサ
18 第1のD/Aコンバータ
19 第2のD/Aコンバータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
周期的に変化し所望の位相差を有する第1及び第2の信号を生成する信号生成回路と、
D/Aコンバータと、
超音波モータを駆動する駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを前記D/Aコンバータに出力するD/Aコンバータ制御回路と、
前記第1の信号の極性に応じて前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択して出力する第1の選択回路と、
前記第2の信号の極性に応じて前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択して出力する第2の選択回路と、
前記第1及び第2の選択回路の出力信号から得られる第1及び第2の駆動信号を超音波モータに供給する出力回路を備える超音波モータ駆動回路。
【請求項2】
周期的に変化し所望の位相差を有する第1及び第2の信号を生成する信号生成回路と、
第1のD/Aコンバータと、
第2のD/Aコンバータと、
超音波モータを駆動する第1及び第2の駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを、前記第1及び第2のD/Aコンバータに出力するD/Aコンバータ制御回路と、
前記第1の信号の極性に応じて前記第1のD/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択して出力する第1の選択回路と、
前記第2の信号の極性に応じて前記第2のD/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択して出力する第2の選択回路と、
前記第1及び第2の選択回路の出力信号から得られる第1及び第2の駆動信号を超音波モータに供給する出力回路を備える超音波モータ駆動回路。
【請求項3】
周期的に変化する信号を生成する信号生成回路と、
1または2個のD/Aコンバータと、
超音波モータを駆動する駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを前記D/Aコンバータに出力するD/Aコンバータ制御回路と、
前記信号生成回路から出力される前記信号の立ち上がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択し、前記信号の次の立ち上がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の他方を選択して出力する第1の選択回路と、
前記信号生成回路から出力される前記信号の立ち下がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択し、前記信号の次の立ち下がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の他方を選択して出力する第2の選択回路と、
前記第1及び第2の選択回路の出力信号から得られる第1及び第2の駆動信号を超音波モータに供給する出力回路を備える超音波モータ駆動回路。
【請求項4】
周期的に変化し、所望の位相差を有する第1及び第2の信号を生成する信号生成回路と、
1または2個のD/Aコンバータと、
超音波モータを駆動する駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを前記D/Aコンバータに出力するD/Aコンバータ制御回路と、
前記第1の信号の立ち上がりまたは立ち下がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択し、前記第1の信号の次の立ち上がりまたは立ち下がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の他方を選択して出力する第1の選択回路と、
前記第2の信号の立ち上がりまたは立ち下がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択し、前記第2の信号の次の立ち上がりまたは立ち下がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の他方を選択して出力する第2の選択回路と、
前記第1及び第2の選択回路の出力信号から得られる第1及び第2の駆動信号を超音波モータに供給する出力回路を備える超音波モータ駆動回路。
【請求項5】
前記D/Aコンバータは、第1及び第2のD/Aコンバータからなり、
前記第1の選択回路は、前記第1のD/Aコンバータの出力信号の同相と逆相の信号の一方を選択して出力し、
前記第2の選択回路は、前記第2のD/Aコンバータの出力信号の同相と逆の信号の一方を選択して出力する請求項3または4記載の超音波モータ駆動回路。
【請求項6】
前記第1及び第2の選択回路は、それぞれ前記D/Aコンバータまたは前記第1及び第2のD/Aコンバータの前記出力信号の同相の信号を出力する非反転増幅器と、逆相の信号を出力する反転増幅器を有する請求項1から4の何れか1項に記載の超音波モータ駆動回路。
【請求項7】
前記第1及び第2の選択回路は、それぞれ前記第1及び第2の信号の極性に応じて、前記D/Aコンバータまたは前記第1及び第2のD/Aコンバータの前記出力信号の同相または逆相の信号を排他的に選択するスイッチを有する請求項1から4の何れか1項に記載の超音波モータ駆動回路。
【請求項8】
前記出力回路は、前記第1及び第2の選択回路の出力信号をそれぞれ擬似的な正弦波に変換する第1及び第2のローパスフィルタを有する請求項1から4の何れか1項に記載の超音波モータ駆動回路。
【請求項9】
前記第1及び第2のローパスフィルタのカットオフ周波数を、前記超音波モータの弾性体の共振周波数の1.18倍以上、1.4倍以下に設定した請求項8記載の超音波モータ駆動回路。
【請求項10】
前記超音波モータの弾性体の振動を検出する振動検出器と、前記振動検出器で検出される信号と前記第1または第2の信号との位相差を検出する位相差検出器と、前記位相差検出器で検出される位相差に基づいて前記第1及び第2の信号の周波数、位相差または前記D/Aコンバータ制御回路に出力する前記デジタルデータの値を制御する制御部とを備える請求項1から4の何れか1項に記載の超音波モータ駆動回路。
【請求項11】
前記超音波モータの弾性体と接触する移動体の位置を検出する位置検出器と、前記位置検出器により検出される位置情報と目的とする位置とに基づいて前記第1及び第2の信号の周波数、位相差または前記D/Aコンバータに出力する前記デジタルデータを変化させて前記移動体の位置または速度を制御する制御部とを備える請求項1から4の何れか1項に記載の超音波モータ駆動回路。
【請求項12】
周期的に変化し所望の位相差を有する第1及び第2の信号を生成し、
超音波モータを駆動する駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータをD/Aコンバータに出力し、
前記第1の信号の極性に応じて前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択して出力し、
前記第2の信号の極性に応じて前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択して出力する超音波モータの駆動信号生成方法。
【請求項13】
周期的に変化し所望の位相差を有する第1及び第2の信号を生成し、
超音波モータを駆動する第1及び第2の駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを、第1及び第2のD/Aコンバータにそれぞれ出力して第1及び第2のアナログ信号に変換させ、
前記第1の信号の極性に応じて前記第1のD/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択して出力し、
前記第2の信号の極性に応じて前記第2のD/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択して出力する超音波モータの駆動信号生成方法。
【請求項14】
周期的に変化する信号を生成し、
超音波モータを駆動する駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータをD/Aコンバータに出力し、
周期的に変化する前記信号の立ち上がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択し、前記信号の次の立ち上がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の他方を選択して第1の選択回路から出力し、
周期的に変化する前記信号の立ち下がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の一方を選択し、前記信号の次の立ち下がりに同期したタイミングで、前記D/Aコンバータの出力信号の同相の信号と逆相の信号の他方を選択して第2の選択回路から出力し、
前記第1及び第2の選択回路の出力信号から得られる第1及び第2の駆動信号を超音波モータに供給する超音波モータの駆動信号生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−22108(P2009−22108A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−182771(P2007−182771)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】