説明

超音波発生装置及びそれを備えた美容装置

【課題】複数の超音波振動子のそれぞれの負荷を検知することを課題とする。
【解決手段】第1ヘッドブロック2aに含まれるプローブヘッドを介して超音波振動子で発生した超音波振動、もしくは第2ヘッドブロックに含まれるプローブヘッドを介して超音波振動子で発生した超音波振動を負荷に伝達し、第1ヘッドブロック2aに含まれるプローブヘッドが負荷状態であるか、もしくは無負荷状態であるかを検知する第1検知回路14aと、第2ヘッドブロック2bに含まれるプローブヘッドが負荷状態であるか、もしくは無負荷状態であるかを検知する第2検知回路14bとを備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の超音波振動子を備えた超音波発生装置、及びこの複数の超音波発生装置で発生された超音波振動を皮膚に与えることで美容効果が得られる超音波発生装置を備えた美容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術としては、例えば以下に示す文献に記載されたものが知られている(特許文献1参照)。この文献1には、第1のパッドの内部に配設され第1の周波数の超音波振動を発振する第1の超音波発振子と、第2のパッドの内部に配設され第2の周波数の超音波振動を発振する第2の超音波振動子と、第1の超音波振動子または第2の超音波振動子を選択的に動作せしめる切替手段とを備え、1つの出力トランスと1つの制御回路で2つの超音波振動子を選択的に駆動制御することで、単一の装置により、異なる周波数の超音波を利用してのマッサージが可能となる技術が記載されている。
【特許文献1】特開2001−252323
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
複数の超音波振動子を備えた従来の美容装置においては、複数の超音波振動子に対する負荷は、各超音波振動子で発生した超音波振動が与えられる皮膚となるが、負荷(皮膚)がそれぞれの超音波振動子に対応して設けられたそれぞれのパッドに適切な状態で接触しているか否かを検知する手段を備えていなかった。
【0004】
このため、美容装置の使用者は、複数のパッドの内いずれか1つのパッドが皮膚に密着されて美容効果を奏するに適した状態でパッドが皮膚に当接されているか否かを判断することができなかった。このため、パッドが適切に皮膚に密着していない状態では、皮膚に与える美容効果が低減し、また、このような状態で例えば装置をフルパワーで動作させて強い超音波振動を発生させた場合には、パッドでの発熱量が増大し、皮膚に悪影響を及ぼすおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の超音波振動子のそれぞれの負荷を検知することが可能な超音波発生装置を提供することにある。
【0006】
また、他の目的は、複数の超音波振動子を備えた装置と皮膚との接触状態を検知して、検知結果に基づいて装置を適切に使用して美容効果をもたらすことができる超音波発生装置を備えた美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る超音波発生装置は、プローブヘッドを介して超音波振動子で発生した超音波振動を負荷に伝達し、前記超音波振動子とプローブヘッドとの対を複数備えた超音波発生装置において、前記それぞれのプローブヘッドが負荷状態であるか、もしくは無負荷状態であるかを検知する検知手段を備えたことを第1の特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る超音波発生装置は、第1の特徴の超音波発生装置において、前記検知手段は、前記複数のプローブヘッドのそれぞれに対して個別に設けられていることを第2の特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る超音波発生装置は、第1の特徴の超音波発生装置において、前記検知手段は、前記複数のプローブヘッドに対して共通化されていることを第3の特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る超音波発生装置を備えた美容装置は、第1〜第3の特徴の超音波発生装置のいずれか1つの超音波発生装置を備え、前記プローブヘッドを介して前記超音波振動子で発生した超音波振動を肌に付与して美容効果を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る第1の特徴の超音波発生装置では、超音波発生装置に含まれる複数の超音波振動子のそれぞれの振動子の負荷を検知することが可能となる。
【0012】
本発明に係る第2の特徴の超音波発生装置では、負荷の検知精度が向上し、誤検知を抑制することができる。
【0013】
本発明に係る第3の特徴の超音波発生装置では、構成の簡素化ならびに小型化を図ることができる。
【0014】
本発明に係る超音波発生装置を備えた美容装置では、複数の超音波振動子を備えた装置と皮膚との接触状態を検知して、検知結果に基づいて装置を適切に使用して美容効果をもたらすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の実施例を説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は本発明の実施例1に係る超音波発生装置の構成を示す図である。図1に示す実施例1の超音波発生装置は、超音波制御ブロック1と、超音波振動子を含む第1ヘッドブロック2a、第2ヘッドブロック2bを備えて構成されている。
【0017】
第1ヘッドブロック2aは、例えば圧電素子で構成された超音波振動子(図示せず)と、この超音波振動子と接合され、超音波振動子で発生した超音波振動が与えられる、例えば液体、ゲル状物質、生体の皮膚等の負荷に接触して超音波振動を負荷に伝達するプローブヘッド(図示せず)を備えて構成されている。
【0018】
同様に、第2ヘッドブロック2bは、例えば圧電素子で構成された超音波振動子(図示せず)と、この超音波振動子と接合され、超音波振動子で発生した超音波振動が与えられる、例えば液体、ゲル状物質、生体の皮膚等の負荷に接触して超音波振動を負荷に伝達するプローブヘッド(図示せず)を備えて構成されている。
【0019】
超音波振動子を構成する圧電素子は、例えば図2に示すようなインピーダンス周波数特性を有し、共振周波数(fr)と反共振周波数(fa)との間の周波数の交流信号が供給されることで電気的エネルギーを機械的エネルギーに変えて超音波振動を得る。
【0020】
また、超音波振動子は、特に発振する周波数帯域において無負荷時と負荷時とで、図2に示すようにインピーダンス周波数特性が異なる。すなわち、図2において、無負荷時と負荷時とでインピーダンスが同じとなる周波数(fm)と共振周波数(fr)との間の周波数領域においては、無負荷時のインピーダンスは負荷時のインピーダンスよりも小さくなる。一方、無負荷時と負荷時とでインピーダンスが同じとなる周波数(fm)と反共振周波数(fa)との間の周波数領域においては、無負荷時のインピーダンスは負荷時のインピーダンスよりも大きくなる。なお、検知しようとする無負荷状態ならびに負荷状態は、負荷に応じてその状態が異なる場合には、それぞれの状態に応じて予め実験等でインピーダンス周波数特性を求めるようにする。
【0021】
第1ヘッドブロック2aに含まれる超音波振動子と第2ヘッドブロックに含まれる超音波振動子は、径等の形状が同一または異なっていてもよく、また駆動周波数も同一または異なっていてもよく、装置の使用用途に応じて設計事項として適宜設定される。
【0022】
なお、ヘッドブロック、すなわち超音波振動子は2つに限ることはなく、3以上の複数であってかまわない。
【0023】
図1に戻って、超音波制御ブロック1は、第1ヘッドブロック2aと第2ヘッドブロック2bとを駆動制御する手段として機能し、第1駆動回路11a、第2駆動回路11b、発振回路12,出力調整回路13,第1検知回路14a、第2検知回路14b、CPU15を備えて構成されている。
【0024】
第1駆動回路11aは、第1ヘッドブロック2aの超音波振動子に対して予め設定された駆動周波数で発振回路12から与えられる交流信号を、出力調整回路13から指示された振幅に増幅し、増幅された駆動信号を第1ヘッドブロック2aの超音波振動子に供給して超音波振動子を駆動する。同様に、第2駆動回路11bは、第2ヘッドブロック2bの超音波振動子に対して予め設定された駆動周波数で発振回路12から与えられる交流信号を、出力調整回路13から指示された振幅に増幅し、増幅された駆動信号を第2ヘッドブロック2bの超音波振動子に供給して超音波振動子を駆動する。
【0025】
発振回路12は、それぞれの超音波振動子に対応した駆動周波数の交流信号を生成し、生成した交流信号をそれぞれ対応した第1駆動回路11a、第2駆動回路11bに与える。
【0026】
出力調整回路13は、各超音波振動子に対応して各超音波振動子に与えられる駆動信号の振幅を第1駆動回路11aならびに第2駆動回路11bに指示し、負荷に付与される超音波振動の強さを設定可能な範囲内でそれぞれの超音波振動子に対して個別かつ任意に設定する。出力調整回路13は、例えば外部から与えられる指示に基づいて振幅を指示する。
【0027】
第1検知回路14aは、第1ヘッドブロック2aのプローブヘッドが、負荷に応じて予め設定された正常な状態(負荷状態)で負荷に接触しているか、もしくは正常でない状態(無負荷状態)で負荷に接触しているかを検出する。負荷が例えば皮膚であって、皮膚に超音波振動を与えることで美容効果を奏する場合には、皮膚に密着されて美容効果を奏するに適した状態でプローブヘッドが皮膚に当接されているか否かを判断する。
【0028】
同様に、第2検知回路14bは、第2ヘッドブロック2bのプローブヘッドが、負荷に応じて予め設定された正常な状態(負荷状態)で負荷に接触しているか、もしくは正常でない状態(無負荷状態)で負荷に接触あるいは非接触しているかを検出する。負荷が例えば皮膚であって、皮膚に超音波振動を与えることで美容効果を奏する場合には、皮膚に密着されて美容効果を奏するに適した状態でプローブヘッドが皮膚に当接されているか否かを判断する。
【0029】
この判断は、以下に説明する手法に基づいて行われる。
【0030】
超音波振動子は、先の図2に示すようなインピーダンス周波数特性を有しているので、このインピーダンス周波数特性を利用する。例えば第1ヘッドブロック2aの超音波振動子の径が第2ヘッドブロック2bの径よりも大きく、それぞれのインピーダンス周波数特性が、例えば図3(第1ヘッドブロック2aの超音波振動子が第1振動子、第2ヘッドブロック2bの超音波振動子が第2振動子)に示すような特性を有している場合に、無負荷時のインピーダンスは負荷時のインピーダンスよりも大きくなるような駆動周波数(fd)で各超音波振動子を駆動する。
【0031】
このような場合に、図3に示すように無負荷状態から負荷状態になると、各超音波振動子のインピーダンスは低下するので、超音波振動子に流れる電流と周波数との関係は、図4に示すようになり、インピーダンスが低下することで、超音波振動子に流れる電流は増加する。一方、負荷状態から無負荷状態になると、各超音波振動子のインピーダンスは、上昇するので、超音波振動子に流れる電流は低下する。
【0032】
この無負荷時と負荷時との電流の違いに基づいて、図4に示すように、無負荷時の電流と負荷時の電流のと間にそれぞれの超音波振動子に対応したしきい値を設定し(第1振動子のしきい値th1、第2振動子のしきい値th2)、超音波振動子に供給される駆動電流を検出し、検出された駆動電流が設定されたしきい値を上回っている場合は、負荷状態であると判断する一方、しきい値を下回っている場合には無負荷状態であると判断する。
【0033】
したがって、第1検知回路14aは、第1駆動回路11aから第1ヘッドブロック2aの超音波振動子に供給される駆動電流を検出し、検出した駆動電流と上記したようにして予め設定されたしきい値(しきい値th1)とを比較し、比較結果において、駆動電流がしきい値th1を上回っている場合は、第1ヘッドブロック2aのプローブヘッドが負荷に正常に接触して負荷状態であると判断する一方、駆動電流がしきい値th1を下回っている場合には、第1ヘッドブロック2aのプローブヘッドが負荷に正常に接触していない無負荷状態であると判断する。
【0034】
同様に、第2検知回路14bは、第2駆動回路11bから第2ヘッドブロック2bの超音波振動子に供給される駆動電流を検出し、検出した駆動電流と上記したようにして予め設定されたしきい値(しきい値th2)とを比較し、比較結果において、駆動電流がしきい値th2を上回っている場合は、第2ヘッドブロック2bのプローブヘッドが負荷に正常に接触して負荷状態であると判断する一方、駆動電流がしきい値th2を下回っている場合には、第2ヘッドブロック2bのプローブヘッドが負荷に正常に接触していない無負荷状態であると判断する。
【0035】
CPU15は、超音波制御ブロック1の動作を制御する制御中枢として機能し、プログラムに基づいて各種動作処理を制御するコンピュータに必要な、演算処理装置、記憶装置、入出力装置等の資源を備えた例えばマイクロコンピュータ等の機能を備えている。CPU15は、予め内部に保有する制御ロジック(プログラム)に基づいて、発振回路12、出力調整回路13を含む超音波制御ブロック1の制御を要する構成要素に指令を送り、以下に説明する負荷の検知動作を含む超音波振動子の駆動制御に必要なすべての動作を統括管理して制御する。
【0036】
CPU15は、第1検知回路14a、第2検知回路14bの検知結果を受けて、各超音波振動子に対応したプローブヘッドが無負荷状態にあると判断された場合には、超音波振動子に供給される駆動電流を低下もしくは停止し、無負荷状態であることを例えば音声やLEDの光等の報知手段により外部に報知するようにしてもよい。
【0037】
このような構成において、外部から与えられる駆動指示に基づいて、第1ヘッドブロック2aの超音波振動子または第2ヘッドブロック2bの超音波振動子が選択的に駆動される。例えば第1ヘッドブロック2aの超音波振動子の駆動が指令されると、第1ヘッドブロック2aの超音波振動子に対応して予め設定された駆動周波数の交流信号が発振回路12で生成され、生成された交流信号は第1駆動回路11aに与えられる。また、外部から与えられる第1ヘッドブロック2aの超音波振動子の振動の強さ、すなわち超音波振動子に供給される駆動信号の電圧振幅(発振回路12から出力される交流信号の増幅率)が出力調整回路13から第1駆動回路11aに与えられる。
【0038】
これにより、発振回路12から与えられた駆動周波数の交流信号は、第1駆動回路11aで出力調整回路13から与えられた増幅率で増幅されて駆動信号が生成され、生成された駆動信号が第1ヘッドブロック2aの超音波振動子に供給されて、第1ヘッドブロック2aの超音波振動子が駆動される。
【0039】
このような駆動状態において、第1駆動回路11aから第1ヘッドブロック2aの超音波振動子に供給される駆動信号の電流は第1検知回路14aでモニタされ、このモニタされた駆動電流が先に説明したしきい値th1を越えている場合は、第1ヘッドブロック2aのプローブヘッドが負荷に対して正常に接触して負荷状態であると判断する一方、越えていない場合には、第1ヘッドブロック2aのプローブヘッドが負荷に正常に接触していない無負荷状態であると判断する。
【0040】
第2駆動回路11bにより第2ヘッドブロックの超音波振動子が駆動される場合も、第2検知回路14bで上述したと同様にして負荷状態もしくは無負荷状態が判断される。
【0041】
このように、上記実施例1においては、複数の超音波振動子を備えた超音波発生装置において、複数のそれぞれの超音波振動子に対して負荷状態であるか、無負荷状態であるかを判別することが可能となる。また、それぞれの超音波振動子に対応して検知回路を設けたので、それぞれの超音波振動子のインピーダンス周波数特性や温度特性等の振動特性に対応させて検知回路毎に個別かつ独立して先に説明したしきい値を設定することが可能となる。これにより、検知精度が向上して誤検知を防止することができる。
【実施例2】
【0042】
図5は本発明の実施例2に係る超音波発生装置の構成を示す図である。図5に示す実施例2の特徴とするところは、先の実施例1の装置に比べて、図1の第1検知回路14aと第2検知回路14bとを検知回路51に共通化し、図1に示すCPU15の機能に加えて検知回路51にしきい値情報を与える機能を追加したCPU52を設けて、超音波制御ブロック5を構成したことにあり、他は先の実施例1と同様である。
【0043】
検知回路51は、先に説明した第1検知回路14aと第2検知回路14bの機能を備え、CPU52から与えられる第1ヘッドブロック2aの超音波振動子に対応したしきい値th1と第2ヘッドブロック2bの超音波振動子に対応したしきい値th2とを受けて、これらのしきい値th1、th2に基づいて、先に説明したと同様にして負荷の状態を判断する。
【0044】
このように、この実施例2においては、検知回路を共通化することで先の実施例1に比べて構成の簡略化ならびに小型化を図ることができる。
【実施例3】
【0045】
図6は本発明の実施例3に係る超音波発生装置を備えた美容装置の正面図、図7は分解斜視図であり、両図に示すこの実施例3の美容装置は、先の実施例1もしくは実施例2の超音波発生装置を備えている。
【0046】
図6ならびに図7において、この美容装置は、利用者が手で掴む部分となる本体部61と、本体部61の先端(図6中で上端)に位置するヘッド基台部62と、ヘッド基台部62から左右に分岐するようにして突出する第1ヘッドブロック64(図1または図5の第1ヘッドブロック2aに相当)及び第2ヘッドブロック66(図1または図5の第2ヘッドブロック2bに相当)とをそれぞれ備えている。これら第1,第2各ヘッドブロック64,66は複数のヘッドブロックを構成しており、本体部61の上端のヘッド基台部62から、やや斜め上方に指向しており、これにより本美容装置は全体としてY字形状となるよう形成していることになる。
【0047】
本体部61には、第1,第2ヘッドブロック64,66を選択的に切り替えて動作させるスイッチ67が設けられ、本体部61のハウジング内には、先の実施例1または実施例2の超音波発生装置の超音波制御ブロック1が収納されている。
【0048】
第1ヘッドブロック64は、後述するがその先端に設けてある第1プローブヘッドと、その周囲を覆うようにして設けてあるアタッチメントとにより、人の鼻部に直接接触させて超音波振動を与え、美肌効果を得る。一方、第2ヘッドブロック66は、その先端に設けてある第2プローブヘッドにより、人の顔部における頬や額などの主要となる部位に接触させて超音波振動を与え、美肌効果を得る。
【0049】
ヘッド基台部62は、三叉形状で中空のヘッド基台71を備えている。ヘッド基台71は、ヘッドリング63を介装して第1ヘッドブロック64に連結され、ヘッドリング65を介装して第2ヘッドブロック66に連結され、アクセントリング74を介装して本体部61のハウジングに連結されている。ヘッド基台71には、その両側部を一対のヘッドケース72a,72bが挟み込むようにして装着されている。第1ヘッドブロック64ならびに第2ヘッドブロック66には、不使用時に装着するキャップ73が設けられている。
【0050】
図8は第1ヘッドブロック64の分解斜視図である。
【0051】
図8において、この第1ヘッドブロック64は、前述したように第1プローブヘッド806を備えており、第1プローブヘッド806の表面が生体の皮膚に接触させる接触面となり、接触面と反対側の背面に第1超音波振動子807を取り付けている。この第1超音波振動子807は、超音波制御ブロック1から駆動電圧が印加されることで超音波振動し、これに伴い第1プローブヘッド806も超音波振動する。
【0052】
第1プローブヘッド806は、第1超音波振動子807を取り付けた側の外周縁に、接触面と反対側に突出する筒部を備え、この筒部を覆うように、ほぼ円筒形状のプローブカバー804を設けている。このプローブカバー804は、先端にて内側に突出する屈曲部を第1プローブヘッド806の外周面に接触させ、屈曲部と第1プローブヘッド806との間の空隙にシール部材としてのOリング805を介装している。
【0053】
プローブカバー804のさらに外側には、これもほぼ円筒形状となるプローブスプリングカバー801をプローブカバー804に対して移動可能に設けている。プローブスプリングカバー801は、先端側のプローブカバー804の外周面に摺接する摺動部を備えるとともに、その下端に摺動部よりも大径のカバー部を備えており、このカバー部の内側にOリング803を介装してプローブヘッドスプリング802を収容している。
【0054】
このようなプローブヘッドスプリング802は、プローブスプリングカバー801を図8中で上方に向けて押し付けている。この際、プローブスプリングカバー801におけるカバー部の下端は、ヘッドリング63内に挿入され、外側に突出する係止部がヘッドリング63内に係合して上方への抜け止めがなされる。
【0055】
プローブスプリングカバー801のさらに外側の先端側(第1プローブヘッド806側)には、アタッチメント800を取り付けている。このアタッチメント800は、先端側の開口が後端側の開口よりも小さく、かつ、先端側の外周縁の一部に切欠を形成している。
【0056】
第1超音波振動子807の下部にはプローブ基台810を配置している。プローブ基台810は、下部が開放したカップ形状を呈し、上部外周の段部に第1超音波振動子807の下端を載せ、プローブカバー804とで第1超音波振動子807を挟み込むようにして支持している。プローブ基台810の下端部は外方に突出するフランジを有し、このフランジの下部からねじ811を挿入してプローブカバー804とプローブ基台810とを締結固定する。
【0057】
プローブ基台810には、第1超音波振動子807の背面に接触する陽極となる接続金具808と、第1プローブヘッド806のフランジの背面に接触する陰極となる接続金具809がそれぞれ装着されている。また、各接続金具808,809はリード線を介して超音波制御ブロック1に接続されている。
【0058】
次に、第1ヘッドブロック64を使用して鼻部のケアを行う動作について説明する。
【0059】
本体部61を手に持って、スイッチ67を操作することで第1超音波振動子807に駆動電圧を印加して駆動し、第1プローブヘッド806が超音波振動する。この状態で第1ヘッドブロック64を鼻の上部(眉間の直下)に接近させ押し付ける。この際アタッチメント800の切欠が下部となっており、この状態で一定以上の押し付け荷重をアタッチメント800を介して付与すると、アタッチメント800がプローブヘッドスプリング802の弾性力に抗しながら後退する。この押し付け初期では、アタッチメント800の切欠と反対側に縁部が主に肌(鼻)に接触している。アタッチメント800の後退により、アタッチメント800に加えて第1プローブヘッド806の接触面が肌(鼻)に接触する。
【0060】
アタッチメント800及び超音波振動が付与されている第1プローブヘッド806が上記したように肌に接触した状態にあるとき、第1プローブヘッド806の超音波振動により肌の角栓や毛穴の汚れ成分が軟化し、これらを肌表面に押し出すことができる。
【0061】
この状態で、本装置を鼻の先端側に徐々にスライド移動させることで、上記押し出されて軟化した角栓や毛穴の汚れ成分をアタッチメント800の内周縁によってはぎ取るようにして付着させつつ除去する。この際、アタッチメント800には進行方向前方側に切欠があり、これに対向する側の鼻に接触する内周縁をR形状としているので、肌への傷つきを軽減した状態で鼻のケアを行うことができ、同時に超音波振動により除去後の毛穴の引き締め効果も得られる。
【0062】
図9は第2ヘッドブロック66の分解斜視図である。
【0063】
図9において、この第2ヘッドブロック66は、前述したように第2プローブヘッド902を備えており、第2プローブヘッド902の表面が人の肌に接触させる接触面となり、接触面と反対側の背面に第2超音波振動子903を取り付けている。この第2超音波振動子903は、上記超音波制御ブロック1から駆動電圧が印加されることで超音波振動し、これに伴い第2プローブヘッド902も超音波振動する。
【0064】
第2プローブヘッド902は、第2超音波振動子903を取り付けた側の外周縁に、外側に向けて突出するフランジを形成し、このフランジを覆うように、ほぼ円筒形状のヘッドカバー900を設けている。ヘッドカバー900は、先端にて内側に突出する屈曲部を第2プローブヘッド902の外周面に接触させ、屈曲部とフランジとの間の空隙にシール部材としてのOリング901を介装している。
【0065】
ヘッドカバー900は、上部が開口したヘッドベース906の上端が挿入された状態で係止されて固定され、これら相互間にはシール材としてのOリング905を介装している。ヘッドベース906の内側には金具取付用リブを形成し、この金具取付用リブに陽極の接続金具904aを取り付けるとともに、陰極の接続金具904bをヘッドベース906の外周側の端部に取り付ける。接続金具904aは、第2超音波振動子903の背面に弾性的に圧接して接触し、接続金具904bは、第2超音波振動子903の外側に位置する第2プローブヘッド902の背面に弾性的に圧接して接触する。また、各接続金具904a,904bはリード線を介して超音波制御ブロック1に接続されている。
【0066】
ヘッドベース906は、スプリングベース909の中心に設けてある貫通孔に移動可能に挿入し、弾性体としてのゴムカバー910を押さえ板913を介してねじ914により固定する。なお、スプリングベース909の外周面には、シール材としてのOリング912を、ヘッド基台71のヘッド連結部との間をシールするよう設けている。
【0067】
ゴムカバー910の外周側には屈曲した環状の弾性変形部を設け、弾性変形部のさらに外側を、環状のゴムカバー固定板911とスプリングベース909とで挟持した状態とし、この状態でねじ914により固定する。スプリングベース909の内周側の上部には、ヘッドベース906のボス部が挿入される筒状のスプリングカバー908を設け、スプリングカバー908とボス部との間に弾性手段としてのヘッドスプリング907を介装する。このヘッドスプリング907は、スプリングベース909に対しヘッドベース906を図9中で上方に向けて押し付けている。
【0068】
以上の構成から、第2ヘッドブロック66は、第2プローブヘッド902の接触面に対し、ヘッドスプリング907によって直角方向に移動可能かつ、この直角方向の接触面の中心部における中心軸に対して、ゴムカバー910によって揺動可能である。
【0069】
次に、第2ヘッドブロック66を使用して顔部のケアを行う動作について説明する。
【0070】
前述したように第1ヘッドブロック64側が作動している状態で、スイッチ67をさらに操作することで、第2プローブヘッド902が超音波振動する。この状態で第2プローブヘッド902を顔部例えば頬に接近させ押し付ける。これにより、毛穴に張りを与えて振動により血行を促進させ、コラーゲンの生成を促進し、肌に張りが出ることで、毛穴を目立たなくなるようにし、美容効果をもたらす。
【0071】
また、複数のヘッドブロック、すなわち第1ヘッドブロック64ならびに第2ヘッドブロック66のそれぞれに対して負荷を検知する機能を備えたことで、各プローブヘッドが、その負荷となる肌に密着して当接されている状態(負荷状態)にあるか、肌に密着されていない状態(無負荷状態)にあるかを検知することが可能となる。これにより、検知結果を使用者に報知することで、仕様で定められた適切な使用状態で美容装置を使用することが可能となり、確実に美容効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施例1に係る超音波発生装置の構成を示す図である。
【図2】超音波振動子の負荷時と無負荷時の基本的なインピーダンス周波数特性を示す図である。
【図3】複数の超音波振動子の負荷時と無負荷時のインピーダンス周波数特性を示す図である。
【図4】複数の超音波振動子の負荷時と無負荷時の駆動電流周波数特性を示す図である。
【図5】本発明の実施例2に係る超音波発生装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の超音波発生装置を備えた美容装置の構成を示す正面図である。
【図7】本発明の超音波発生装置を備えた美容装置の構成を示す分解斜視図である。
【図8】第1ヘッドブロックの構成を示す分解斜視図である。
【図9】第2ヘッドブロックの構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0073】
1,5…超音波制御ブロック
2a、64…第1ヘッドブロック
2b,66…第2ヘッドブロック
11a…第1駆動回路
11b…第2駆動回路
12…発振回路
13…出力調整回路
14a…第1検知回路
14b…第2検知回路
15…CPU
51…検知回路
52…CPU
61…本体部
62…ヘッド基台部
63…ヘッドリング
65…ヘッドリング
67…スイッチ
71…ヘッド基台
72a,72b…ヘッドケース
73…キャップ
74…アクセントリング
800…アタッチメント
801…プローブスプリングカバー
802…プローブヘッドスプリング
804…プローブカバー
805,803、901,905,912…Oリング
806…第1プローブヘッド
807…第1超音波振動子
808,809,904a,904b…接続金具
810…プローブ基台
811,914…ねじ
900…ヘッドカバー
902…第2プローブヘッド
903…第2超音波振動子
905…Oリング
906…ヘッドベース
907…ヘッドスプリング
908…スプリングカバー
909…スプリングベース
910…ゴムカバー
911…ゴムカバー固定板
913…押さえ板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブヘッドを介して超音波振動子で発生した超音波振動を負荷に伝達し、前記超音波振動子とプローブヘッドとの対を複数備えた超音波発生装置において、
前記それぞれのプローブヘッドが負荷状態であるか、もしくは無負荷状態であるかを検知する検知手段を備えた
ことを特徴とする超音波発生装置。
【請求項2】
前記検知手段は、前記複数のプローブヘッドのそれぞれに対して個別に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波発生装置。
【請求項3】
前記検知手段は、前記複数のプローブヘッドに対して共通化されている
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波発生装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波発生装置を備え、
前記プローブヘッドを介して前記超音波振動子で発生した超音波振動を肌に付与して美容効果を有する
ことを特徴とする超音波発生装置を備えた美容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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