説明

超音波診断装置のリース運用システム及び方法

【課題】超音波診断装置の使用者が過多な初期費用を負担することなく、提供者がリース業務を効率的に行うことができるリース運用システム及び方法を提供する。
【解決手段】リース運用システムは超音波診断装置と使用量情報を管理する管理装置とがネットワークを介して接続されたシステム、超音波診断装置は超音波診断装置の使用量情報を収集する使用情報収集モジュールと、使用量情報が予め支払われたリース使用料に応じて予め設定された許容使用量を超過するか否かを判断し、それが許容使用量情報を超過すると判断された場合は、超音波診断装置の作動を停止させると同時に、超音波診断装置の表示部に決済要請画面を表示するように制御するリース管理モジュールとを含んで構成される。管理装置は、ネットワークによりリース管理モジュールと通信し、遠隔で超音波診断装置に対するリース業務を管理するリースサーバーを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置のリース運用システム及びその方法に関するものであり、より具体的には、リースにより超音波診断装置を使用者(ユーザー)に提供することにより、使用者が過多な初期費用を負担することなく超音波診断装置を使用することができるようにすると同時に、超音波診断装置の提供者が超音波診断装置のリース業務を効率的に行うことができるようにする超音波診断装置のリース運用システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、無侵襲及び非破壊特性を有しているため、人体等の対象体内部の情報を得るために、医療技術分野で広く用いられている。超音波診断装置は、人体を直接切開して観察する外科手術の必要がなく、人体内部組織の映像をリアルタイムに、かつ、高解像度で医師に提供することができるため、医療分野で非常に重要である。
【0003】
しかし、前記のように医療技術分野で広く使用されている超音波診断装置は、それ自体が高価であるため、使用者は、装置を購入するために大きな費用を必要とする。このため、比較的小規模な医院や病院においては、装備購入にかかる費用が嵩み、金銭的に大きな負担になるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−259747号公報
【特許文献2】特開2007−299408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって、本発明が解決しようとする技術的課題は、使用者が過多な初期費用を負担することなく超音波診断装置を使用することができるようにすると同時に、超音波診断装置の提供者が超音波診断装置のリース業務を効率的に行うことができるようにする超音波診断装置のリース運用システム及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一様態によると、本発明は、超音波診断装置と、該超音波診断装置の使用量情報を管理する管理装置とがネットワークを介して接続された超音波診断装置のリース運用システムであって、前記超音波診断装置は、前記超音波診断装置の前記使用量情報を収集する使用情報収集モジュールと、前記使用情報収集モジュールから提供される前記使用量情報が、予め支払われたリース使用料に応じて予め設定された許容使用量を超過するか否かを判断し、それが許容使用量情報を超過すると判断された場合は、前記超音波診断装置の作動を停止させると同時に、前記超音波診断装置の表示部に決済要請画面を表示するように制御するリース管理モジュールとを含み、及び前記管理装置は、前記ネットワークにより前記リース管理モジュールと通信し、遠隔で前記超音波診断装置に対するリース業務を管理するリースサーバー、を含んで構成される超音波診断装置のリース運用システムを提供する。
【0007】
本発明においては、前記管理装置は、前記リースサーバーと通信し、決済処理を行う決済部をさらに含み、前記リース管理モジュールは、前記決済要請画面により使用者から入力される決済に必要な情報に応じて前記リースサーバーに決済要請を行い、前記リースサーバーは、前記決済部に前記決済要請に対する決済処理を要求し、前記決済部は前記決済要請に対する決済処理及びチャージ業務を行う。
【0008】
本発明の他の様態によると、本発明は、前記超音波診断装置のリース運用システムを用いる前記超音波診断装置のリース運用方法であって、前記超音波診断装置の作動中、前記超音波診断装置の前記使用情報収集モジュールが前記超音波診断装置の前記使用量情報を収集する工程、前記収集された使用量情報が、予め支払われたリース使用料に応じて予め設定された許容使用量を超過するか否かを前記超音波診断装置の前記リース管理モジュールが判断する工程、及び前記判断の結果、前記収集された使用量情報が前記予め設定された許容使用量を超過すると判断された場合は、前記超音波診断装置の作動を停止させ、前記超音波診断装置の前記表示部に前記決済要請画面を表示する工程を含んで構成される超音波診断装置のリース運用方法を提供する。
【0009】
本発明において、前記決済要請画面により使用者から決済に必要な情報が入力される工程、前記使用者から入力された前記情報に応じて、前記リース管理モジュールが前記ネットワークにより前記リースサーバーに決済要請をする工程、前記リースサーバーが前記決済部に前記決済要請に対する決済処理を要求する工程、及び前記決済部が前記決済要請に対する前記決済処理及びチャージ業務を行う工程をさらに含むことが好ましい。
【0010】
本発明において、前記決済部が前記決済処理結果を前記リースサーバーに提供する工程、前記リースサーバーが前記決済処理結果に関する情報を前記リース管理モジュールに提供する工程、及び前記リース管理モジュールが前記決済処理結果に関する前記情報に応答して前記超音波診断装置を作動可能モードに更新する工程、をさらに含むことが好ましい。
【0011】
本発明において、前記使用量情報は、前記超音波診断装置の使用時間、使用回数のいずれかを含むことが好ましい。
【0012】
本発明において、前記超音波診断装置の使用時間、使用回数は、前記超音波診断装置の本体、プローブ、周辺機器を含むオプション機器の使用時間、使用回数のいずれかを含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、リースにより超音波診断装置を使用者に提供することにより、使用者が過多な初期費用を負担することなく超音波診断装置を使用することができると同時に、超音波診断装置の提供者は超音波診断装置のリース業務を効率的に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による一実施例にかかる超音波診断装置のリース運用システムの構成を図示したものである。
【図2】本実施例にかかる超音波診断装置のリース運用方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施例により本発明をより詳しく説明する。これらの実施例は、単に本発明を例示するためのものであり、本発明の権利保護範囲がこれらの実施例によって制限されるものではない。
【0016】
図1は、本発明による一実施例にかかる超音波診断装置のリース運用システムの構成を図示したものであり、図2は、本実施例にかかる超音波診断装置のリース運用方法を説明するためのフローチャートである。以下、これらを参照して本発明を説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施例にかかる超音波診断装置のリース運用システムは、超音波診断装置100と、ネットワーク300を介して前記超音波診断装置100と接続され、前記超音波診断装置の使用量情報を管理する管理装置200とを備える。
【0018】
超音波診断装置100は、前記超音波診断装置100の使用量情報を収集する使用情報収集モジュール120と、前記使用情報収集モジュール120から提供される使用量情報が、予め支払われたリース使用料に応じて予め設定された許容使用量を超過するか否かを判断して、それを超過すると判断された場合は、超音波診断装置100の作動を停止させると同時に、超音波診断装置100の表示部(未図示)に決済要請画面を表示するように制御するリース管理モジュール110とを含んでいる。また、超音波診断装置100は、対象体に超音波信号を送信し、対象体で反射する超音波エコー信号を受信して前記対象体の超音波データを取得するプローブと、該プローブに接続され、前記超音波データに基づいて超音波映像を形成する映像形成部を含む本体と、該超音波映像を表示する表示部とを備える(図示しない)。
【0019】
管理装置200は、ネットワーク300により前記リース管理モジュール110と通信し、遠隔で前記超音波診断装置100に対するリース業務を管理するリースサーバー210と、前記リースサーバー210と通信し、決済処理を行う決済部220と、を含んで構成される。
【0020】
このように構成された本実施例の作用を、図1及び図2を参照して具体的に説明する。
【0021】
先ず、使用者は、超音波診断装置100上に初期設定された許容使用量、または予め支払われたリース使用料に応じて予め設定された使用量(許容使用量)の範囲内で超音波診断装置100を作動させて使用する(S101)。
【0022】
ここで、前記許容使用量は、後述する使用情報収集モジュール120が収集する使用量情報と同様に、超音波診断装置100の使用時間や使用回数が含まれる。
【0023】
なお、この許容使用量は、予めリース管理モジュール110に保存されていてもよく、または、リースサーバー210に保存され、超音波診断装置100が使用されるたびにリースサーバー210からリース管理モジュール110に提供されるように設定されていてもよい。
【0024】
超音波診断装置100の作動中、使用情報収集モジュール120は、超音波診断装置100の使用量情報を収集し(S102)、この使用量情報をリース管理モジュール110に提供する。
【0025】
ここで、使用情報収集モジュール120が収集する超音波診断装置100の使用量情報には、超音波診断装置100の使用時間、使用回数の少なくとも一つ以上が含まれる。そして、このとき前記超音波診断装置100の使用時間、使用回数は、超音波診断装置100の本体に対する使用時間や使用回数でも、超音波診断装置100のプローブに対する使用時間や使用回数でも、それ以外の周辺機器を含むオプション等に対する使用時間や使用回数でもよい。また、本体、プローブ、それ以外の周辺機器を含むオプション機器等に対する使用時間や使用回数の組合せであってもよい。
【0026】
次に、リース管理モジュール110は、使用情報収集モジュール120から提供された前記使用量情報が、超音波診断装置100に初期設定された許容使用量または予め支払われたリース使用料に応じて予め設定された許容使用量を超過するか否かを判断する(S103)。すなわち、使用情報収集モジュール120から提供された超音波診断装置100の使用時間や使用回数が、前記許容使用量を超過するか否か判断される。
【0027】
ここで、判断の結果、前記使用量情報が予め設定された許容使用量を超過しないと判断された場合は、段階(S101)に移り、超音波診断装置100の使用を続けられるように制御する。一方、前記判断の結果、提供された前記使用量情報が、前記予め設定された許容使用量を超過すると判断された場合、リース管理モジュール110は超音波診断装置100が作動を停止するように制御する(S104)。それと同時に、超音波診断装置100の表示部(未図示)に決済要請画面を表示するように制御する(S105)。これにより、使用者は、決済要請画面に必要な情報を入力しないと、超音波診断装置100を使用できなくなる。
【0028】
次いで、前記決済要請画面により使用者から決済に必要な情報が入力されると、リース管理モジュール110は使用者から入力された前記情報に応じて、ネットワーク300を通じてリースサーバー210に決済要請をする(S106)。すると、リースサーバー210は、リース管理モジュール110から提供された前記決済要請を処理して決済処理を決済部220に要求する(S107)。
【0029】
次に、決済部220は、前記決済要請に対する決済処理及びチャージ業務を行う(S108)。つまり、超音波診断装置100の決済要請画面により使用者が入力した決済金額を始めとする各種の決済に必要な諸般情報に応じて決済部220は決済を行い、これに相応する金額をチャージし(S108)、その結果である決済処理結果をリースサーバー210に提供する。
【0030】
その後、リースサーバー210は、決済及びチャージされた金額に関する情報を含む前記決済処理結果に関する情報をネットワーク300を介してリース管理モジュール110に提供する。リース管理モジュール110は、これに応答して超音波診断装置100の許容使用量(使用可能時間、回数等)を再度更新して、超音波診断装置100が作動可能状態(作動可能モードに更新)になるようにする。これにより、使用者は、前記の更新された条件に応じて超音波診断装置100を再度作動させることができる(S109)。
【0031】
このように、本実施例によると、使用者は超音波診断装置のリース運用システムにより過多な初期費用を負担することなく超音波診断装置を簡便に利用することができ、リース運用者は、電子決済、チャージ及びこれによる作動条件の自動更新により遠隔地にある複数の超音波診断装置に対するリース業務を効率的に行うことができる。
【符号の説明】
【0032】
100:超音波診断装置
110:リース管理モジュール
120:使用情報収集モジュール
200:管理装置
210:リースサーバー
220:決済部
300:ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波診断装置と、該超音波診断装置の使用量情報を管理する管理装置とがネットワークを介して接続された超音波診断装置のリース運用システムであって、
前記超音波診断装置は、
前記超音波診断装置の前記使用量情報を収集する使用情報収集モジュールと;
前記使用情報収集モジュールから提供される前記使用量情報が、予め支払われたリース使用料に応じて予め設定された許容使用量を超過するか否かを判断し、前記使用量情報が前記許容使用量を超過すると判断された場合は、前記超音波診断装置の作動を停止させると同時に、前記超音波診断装置の表示部に決済要請画面を表示するように制御するリース管理モジュールとを含み;及び
前記管理装置は、前記ネットワークにより前記リース管理モジュールと通信し、遠隔で前記超音波診断装置に対するリース業務を管理するリースサーバーを含んで構成される超音波診断装置のリース運用システム。
【請求項2】
前記管理装置は、前記リースサーバーと通信し、決済処理を行う決済部をさらに含み、
前記リース管理モジュールは、前記決済要請画面により使用者から入力される決済に必要な情報に応じて前記リースサーバーに決済要請を行い、
前記リースサーバーは、前記決済部に前記決済要請に対する決済処理を要求し、
前記決済部は前記決済要請に対する前記決済処理及びチャージ業務を行う、請求項1に記載の超音波診断装置のリース運用システム。
【請求項3】
前記使用量情報は、前記超音波診断装置の使用時間、使用回数のいずれかを含む、請求項1または2に記載の超音波診断装置のリース運用システム。
【請求項4】
前記超音波診断装置は、超音波信号を対象体に送信し、前記対象体で反射する超音波エコー信号を受信し、超音波データを取得するプローブと、該プローブに接続される本体とを含み、
前記超音波診断装置の使用時間、使用回数は、前記超音波診断装置の前記本体、前記プローブ、周辺機器を含むオプション機器の使用時間、使用回数のいずれかを含む、請求項3に記載の超音波診断装置のリース運用システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の超音波診断装置のリース運用システムを用いる前記超音波診断装置のリース運用方法において、
前記超音波診断装置の作動中、前記超音波診断装置の前記使用情報収集モジュールが前記超音波診断装置の前記使用量情報を収集する工程;
前記収集された使用量情報が、予め支払われたリース使用料に応じて予め設定された許容使用量を超過するか否かを前記超音波診断装置の前記リース管理モジュールが判断する工程;及び
前記判断の結果、前記収集された使用量情報が前記予め設定された許容使用量を超過すると判断された場合は、前記超音波診断装置の作動を停止させ、前記超音波診断装置の前記表示部に前記決済要請画面を表示する工程を含んで構成される超音波診断装置のリース運用方法。
【請求項6】
前記決済要請画面に使用者から決済に必要な情報が入力される工程;
前記使用者から入力された前記情報に応じて、前記リース管理モジュールが前記ネットワークにより前記リースサーバーに決済要請をする工程;
前記リースサーバーが前記決済部に前記決済要請に対する決済処理を要求する工程;及び
前記決済部が前記決済要請に対する前記決済処理及びチャージ業務を行う工程をさらに含む、請求項5に記載の超音波診断装置のリース運用方法。
【請求項7】
前記決済部が前記決済処理結果を前記リースサーバーに提供する工程;
前記リースサーバーが前記決済処理結果に関する情報を前記リース管理モジュールに提供する工程;及び
前記リース管理モジュールが前記決済処理結果に関する前記情報に応答して前記超音波診断装置を作動可能モードに更新する工程をさらに含む、請求項6に記載の超音波診断装置のリース運用方法。
【請求項8】
前記使用量情報は、前記超音波診断装置の使用時間、使用回数のいずれかを含む、請求項5〜7のいずれかに記載の超音波診断装置のリース運用方法。
【請求項9】
前記超音波診断装置の前記使用時間、前記使用回数は、前記超音波診断装置の本体、プローブ、周辺機器を含むオプション機器の使用時間、使用回数のいずれかを含む、請求項8に記載の超音波診断装置のリース運用方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−113698(P2012−113698A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236305(P2011−236305)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(597096909)三星メディソン株式会社 (269)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG MEDISON CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】114 Yangdukwon−ri,Nam−myun,Hongchun−gun,Kangwon−do 250−870,Republic of Korea