説明

足の下敷き

【課題】足指の間に起伏片に挿入した状態で足を下敷きごと靴下内に差し入れれば、下敷きはよれることなく靴下内に誘導される。その結果、剛性を考慮することなく、下敷きを可及的に薄く構成できるので靴下内で異物感がなく下敷きを使用することができる。
【解決手段】足裏を覆うシート状の下敷き1を、抗菌作用および/または薬効を有する成分を含む素材により構成し、この下敷きの先端に起立時に各足指F1の間に挿入されるべき複数個の起伏片10を下敷きと同素材で構成して設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は抗菌作用や薬効を有する足裏の敷物に関する。
【背景技術】
【0002】
真菌の一種である白癬菌が原因でおこる水虫の予防、悪化や、その他の感染症、あるいは異臭を防ぐために、靴内の足裏の敷物に着目し、これを抗菌作用や薬効を有する素材により構成することが広く行われている。
【0003】
そして、この主の敷物として靴の中敷きを利用し、それを抗菌作用や薬効を有する素材により構成することが提案されていた。
【特許文献1】特開2004−267707公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、靴の内部に敷いて使用に供する中敷きの場合、靴ごとに中敷きを用意しなくてはならない不便さがある。また、抗菌作用や薬効を発揮できるのは靴を履いている時だけで、靴を脱いで室内にいる場合には作用しない問題があった。さらに、抗菌作用や薬効が効果的に作用するためにには靴下を脱いで裸足で中敷きに接しなくてはならないが、体裁などを考慮した場合、それは難しかった。また、菌の活動が活発になるのは靴下などで足が蒸れたときだが、前記したように靴下を履いた状態で室内にいる時は靴の中敷きは使用していないので対処のしようがなかった。
【0005】
前記の問題を解決するためには、中敷きを靴下内の足裏箇所に挿入する下敷きとして使用すればよい。しかしながら、厚くても支障がない中敷きと異なり、この場合は靴下内で嵩張らないためにするために中敷きを薄手に構成しなくてはならず、そのようにすると剛性が不足し、足と共に下敷きを靴下内に挿入しようとしても途中で下敷きがよれてうまく挿入できない問題が生じた。
【0006】
また、菌は通気性が悪い足指同士の隙間を好んで増殖する傾向があるが、前記の中敷きはもっぱら足裏のみに作用し、もっとも重要な足指同士の隙間には作用しない問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は以上の従来技術の問題点に鑑みて創作されたものであり、足裏を覆うシート状の下敷きを、抗菌作用および/または薬効を有する成分を含む素材により構成し、この下敷きの先端に起立時に各足指の間に挿入されるべき複数個の起伏片を下敷きと同素材で構成して設けたことを特徴とする。
【0008】
また、前記の下敷きにおいて、下敷きと同素材のシート状の細片の一側を下敷きの表面に固着することにより、固着していない余白部分の任意箇所を下敷きに対し直角に折り曲げ可能とすることにより起伏片とした下敷きも第2発明として開示する。
【0009】
また、前記の下敷きにおいて、起伏片の余白部分に折り曲げのためのガイドとなる折れ目を間隔をおいて複数本設けた下敷きも第3発明として開示する。
【発明の効果】
【0010】
以上の構成からなるこの発明の下敷きによれば、下敷きの先端に起立時に足指の間に挿入されるべき起伏片が設けられているので、足指の間に挿入されたこれらの起伏片が足に対する下敷きの係止作用を果たす。よって、足指の間に起伏片に挿入した状態で足を下敷きごと靴下内に差し入れれば下敷きはよれることなく靴下内に誘導される。その結果、剛性を考慮することなく、下敷きを可及的に薄く構成できるので靴下内で異物感がなく下敷きを使用することが可能となる。
【0011】
また、起伏片は抗菌作用および/または薬効を有する成分を含む下敷きと同素材で構成されているので、菌が増殖しやすい足指同士の隙間に抗菌や薬効が効果的に作用することが期待でき、しかもそれは靴下を履いている限り持続する。
【0012】
また、起伏片を畳んで下敷きを流通に供することにより、薄くコンパクトな包装で展示、販売に供することが可能となる。
【0013】
一方、第2発明においては、下敷きと同素材のシート状の細片の一側を下敷きの表面に固着することにより、固着していない余白部分の任意箇所を下敷きに対し直角に折り曲げ可能とすることにより起伏片としているので、個人差がある足指間のピッチに合致するように余白部分を折り曲げることにより、1種類の下敷きで多様な需要者の足に適合させることが可能となる。
【0014】
さらに、第3発明においては、起伏片の余白部分に折り曲げのためのガイドとなる折れ目を間隔をおいて複数本設けているので、個人差がある足指間のピッチに合致するように余白部分を折り曲げることが容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の具体的な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図2〜図4はこの発明の下敷きの全体を示す図である。図中符号1は下敷きであり、シート状の素材を足裏Fを覆う形状に切り取ることにより構成される。
【0016】
前記の素材は抗菌作用を有する成分、または薬効を有する成分、またはこれらの双方を有する成分を含むものでなければならない。ここでは、真菌を想定し、それに対する抗菌活性成分として含む素材として植物性炭素繊維を採用し、これを木酢液および/または竹酢液を含浸させ乾燥したものを使用しているが、これに限られないことは勿論である。また、薬効を有する成分としては水虫薬などが想定できる。
【0017】
前記の下敷き1の先端には、起立時に足裏Fの各足指F1の間F2に挿入されるべき複数個の起伏片10が設けられる(図1参照)。この実施例においては、下敷き1と同素材のシート状の細片の一側を下敷きの表面に固着することにより、固着箇所11に対し固着していない余白部分12の任意箇所を下敷きに対し直角に折り曲げ可能とすることにより起伏片10としている。
【0018】
前記の起伏片10は図4に示すように下敷き1に折り畳まれた状態のものを、図5に示すように、固着箇所11に対し固着していない余白部分12の任意箇所を下敷きに対し直角に折り曲げることにより足指間に挿入される起立部13を形成する。
【0019】
前記の起立部13は余白部分12に対する折曲箇所(14A、14B、14C)を任意に設定することにより、所望のピッチをもって立設することが可能となり、個人差がある足指間のピッチに合致させることができる(図6の(A)、(B)参照)。また、起立部13を含む余白部分12は可撓性を有するシート状の素材により構成される共に、下敷き1とは固着されていないので図6の(C)に示すように足指間の隙間に沿うように湾曲する作用も期待できる。
【0020】
なお、図7に示すように、起伏片10の余白部分11に折り曲げのためのガイドとなる折れ目15A、15B、15Cを間隔をおいて複数本設ければ、足指間のピッチに合致するように余白部分を折り曲げて起立部13を形成することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の下敷きの使用状態を示す平面図。
【図2】この発明の下敷きの起伏片を畳んだ状態の平面図。
【図3】同上、起伏片を折り曲げた状態の平面図。
【図4】この発明の下敷きの起伏片を畳んだ状態の要部の斜視図。
【図5】同上、起伏片を折り曲げた状態の要部の斜視図。
【図6】起伏片の折り曲げ方を示す斜視図。
【図7】起伏片を裏面から観察した斜視図。
【符号の説明】
【0022】
F 足
F1 足指
1 下敷き
10 起立片
13 起立部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌作用および/または薬効を有する成分を含む素材により構成された足裏を覆うシート状の下敷きにして、上記下敷きの先端には起立時に各足指の間に挿入されるべき複数個の起伏片を下敷きと同素材で構成して設けたことを特徴とする足の下敷き。
【請求項2】
下敷きと同素材のシート状の細片の一側を下敷きの表面に固着することにより、固着していない余白部分の任意箇所を下敷きに対し直角に折り曲げ可能とすることにより起伏片とした請求項1記載の足の下敷き。
【請求項3】
起伏片の余白部分に折り曲げのためのガイドとなる折れ目を間隔をおいて複数本設けた請求項2記載の足の下敷き。
【請求項4】
植物性炭素繊維を真菌に対する抗菌活性成分として含む素材により、下敷きおよび起伏片を構成した請求項1から3のいずれかに記載の足の下敷き。
【請求項5】
植物性炭素繊維は、木酢液および/または竹酢液を含浸させ乾燥したものである請求項1から4のいずれかに記載の足の下敷き。
【請求項6】
薬効を有する成分は水虫薬である、請求項1から5のいずれかに記載の足の下敷き。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−4955(P2010−4955A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165010(P2008−165010)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(506023932)セラスメディコ株式会社 (7)
【Fターム(参考)】