説明

足の健康器具

【課題】使用者が意識しなくても足の運動を容易に長時間でも行うことができ、足の血行が促進されて、運動不足やむくみ等も容易に解消することができる足の健康器具を提供する。
【解決手段】床に設置される基台部1と、前記基台部1の端部に設けられた軸部2と、 前記軸部2に一端が枢着され、上面に足を載置可能な足載せ部31が設けられた支持部3と、前記支持部3の下面に接触されると共に、前記軸部2を支点にして、前記支持部3を上下に振幅するように形成された回転ローラー4と、から構成されてなり、前記回転ローラー4の回転に応じて、前記支持部3が連続して上下方向に振幅されるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が意識しなくても容易に足の運動を行うことができる足の健康器具に関する。
【背景技術】
【0002】
立ち仕事やデスクワークなど、同じ体勢で長時間の作業を行っていると、足の血行が悪くなるために、むくみを生じることが知られている。
【0003】
このようなむくみは、体質に影響されることもあるが、その原因の多くは、足の運動不足によるものと言われている。
【0004】
特に、自動車や電車等で移動することの多い現代人にとっては、歩行する機会が減少しており、足の運動をすることは難しい環境下である。
【0005】
そのため、ジョギングやウォーキング、水泳、山歩き等のようなスポーツを通じて、足の運動を行うことや、或いは、スポーツ施設での機械的トレーニングによって、上記スポーツに代えることも行われているが、これらの運動を日々行うことは、極めて困難である。
【0006】
また、高齢者などには、歩行自体を行うことが困難な場合も多く、ウォーキング等のようなスポーツも困難が場合もある。
【0007】
このような足の運動不足や血行を促進するために様々な健康器具が開発されている。
【0008】
例えば、従来の足の健康器具としては、半円状の青竹が知られており、この青竹を床に設置して、その円弧側の外面を足裏で踏むことで、足の運動を行いながら血行を促進するものである。
【0009】
また、傾斜された踏み板の上に爪先を上位にして足を載せることで、足のストレッチ、ツボ刺激、指先運動を行って、足の血行を促進するための足の健康器具も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
更には、マッサージ器に代表されるように、足の外部から押圧を与えたり、熱を与えることにより、足の血行を促進する機械も数多く市販されている。
【0011】
このような従来の足の健康器具は、2つに大別することができる。
【0012】
一つは、使用者自らが足の健康器具を使って、足の運動を行うものであり、例えば、前記青竹や特許文献1に記載された足の健康器具などが相当する。
【0013】
他の一つは、使用者が意識しなくても、機械自体が足に負荷を与えるものであり、例えば、前記マッサージ器などが相当する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2006−305249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、前者の足の健康器具(青竹等)では、使用者が意識的に自らの足の運動を行わなければならず、疲労を伴うために、長時間の運動を続けることは困難である。
【0016】
しかも、前者の健康器具を使用するには、使用者が一々立ち上がって使用しなければならないので、当該健康器具の使用を習慣化させて長期間使用することは難しいという問題もある。
【0017】
一方、後者の健康器具(マッサージ器)では、使用者が意識しなくても、機械的な動作によって、足に刺激が与えられるため、長時間使用することは可能である。
【0018】
ここで、「使用者が意識しない」とは、使用者が自らの足を動かそうとしなくても機械的な動作によって、勝手に足が動かされるという意味である。
【0019】
しかし、後者の健康器具は、足の表面側から空気圧による加圧、減圧を繰り返して、当該足の筋肉に緊張と緩和を繰り返し付与し、足のリラックス効果を促進するものである。
【0020】
ここで、足の運動とは、足の筋肉を収縮させる動作を意味している。
【0021】
すなわち、この種のマッサージ器は、使用者の足の表面に圧力を付与したり又は熱を付与するものであって、足の運動を行うものではない。
【0022】
従って、後者のマッサージ器は、本発明の意図する足の健康器具とは、目的や作用効果が異なるものである。
【0023】
而して、従来の足の健康器具では、使用者が意識的に足の運動をするものであるために、長時間の使用が困難であるうえ、使用に際して面倒であるために、長期間の使用が困難であるという問題があった。
【0024】
本発明は、かかる課題を解決することを目的とし、使用者が意識しなくても足の運動を行うことができ、しかも、例えば椅子に座ったままでも簡単に使用することができる足の健康器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記課題を解決するために、本発明の足の健康器具は、床に設置される基台部と、前記基台部の端部に設けられた軸部と、前記軸部に一端が枢着され、上面に足を載置可能な足載せ部が設けられた支持部と、前記支持部の下面に接触されると共に、前記軸部を支点にして、前記支持部を上下に振幅するように形成された回転ローラーと、から構成されてなり、前記回転ローラーの回転に応じて、前記支持部が連続して上下方向に振幅されるようにしている。
【0026】
本発明は、人間の癖の一種である、いわゆる「貧乏揺すり」の動作を、機械的な動作によって行うようにしたものである。
【0027】
すなわち、本発明は、使用者が、足の運動を意識しなくても、前記支持部の足載せ部に足を載せるだけで、当該支持部の振幅運動に伴って、足の運動を行うことができるものである。
【0028】
そのため、本発明の健康器具によれば、使用者は、勝手に足の運動が行われるので、疲労を伴うことが少なく、足の運動を長時間に亘って行うことができる。
【0029】
その結果、使用者は、足の運動によって血行が促進され、運動不足やむくみ等を解消することができる。
【0030】
しかも、使用者は、足の運動を行うために一々立って行う必要がなく、例えば、椅子に座ったままの状態でも使用できるので、使用に際して煩わしさもなく、長期間に亘って足の運動を続けることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る足の健康器具によれば、使用者が意識しなくても足の運動を容易に長時間でも行うことができ、足の血行が促進されて、運動不足やむくみ等も容易に解消することができる。
【0032】
また、例えば、椅子に座ったままでも簡単に足の運動ができるので、使用に際して煩わしさもなく、長期間に亘って足の運動を続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態を模式的に表した足の健康器具Aの全体図である。
【図2】図1の他の実施形態を模式的に表した足の健康器具Aの全体図である。
【図3】(a)〜(d)は、回転ローラーの他の実施形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の一実施形態を図面に基いて説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態を模式的に表した足の健康器具Aの全体図である。
【0036】
本実施形態の足の健康器具Aは、床に設置される基台部1と、この基台部1の端部に設けられた軸部2と、この軸部2に一端が枢着され、上面に足を載置可能な足載せ部31が設けられた支持部3と、この支持部3の下面に接触され、回転方向の外周面に凸部41と凹部42が交互に形成された回転ローラー4と、から構成されている。以下、各部材について説明する。
【0037】
基台部1は、床などに安定して設置されるように底面が平坦に形成されている。
【0038】
本実施形態の基台部1は、板状に形成されたものを示しているが、これは例示に過ぎず、要は、床などに安定して設置可能な形状であれば構わない。
【0039】
基台部1の一端には、軸部2が設けられており、この軸部2に支持部3の一端が枢着されている。
【0040】
この軸部2は、本実施形態に限定されず、当該軸部2を中心にして支持部3が回転されるように取り付ける構造のものであれば構わない。
【0041】
支持部3は、板状に形成され、その上面に足を載置可能な足載せ部31が設けられている。
【0042】
また、足載せ部31は、図例のような平坦面でも構わないが、例えば、足形のような凹みを形成しても構わない。
【0043】
更に、足載せ部31には、足裏のツボに対応する位置に、前記ツボを押圧するような突起(不図示)を複数突設しても良く、このような突起を突設すれば、足裏のツボを刺激しながら同時に足の運動もできるためより効果的である。
【0044】
また、足載せ部31の一端には、足Fの踵F1又は爪先F2の位置を規制する規制部5を設けている。
【0045】
図1に示す規制部5は、足載せ部31の軸部2側の端部に、当該足載せ部31と直交する方向に板状体が突設され、この規制部5に足Fの踵F1を接合するだけで、足載せ部31に載せられる足Fの踵F1位置を特定するようにしている。
【0046】
この規制部5は、足Fの踵F1に接合されるので、当該踵F1の怪我を防止するために、例えば、ゴムや軟質樹脂のような柔軟な素材で形成するのが望ましい。
【0047】
また、規制部5によって特定された足Fの踵F1位置は、支持部3の振幅によって軸部2側にズレて移動することも防止している。
【0048】
只、支持部3の振幅によって踵F1位置が爪先F2側に移動されることに対しては規制されていないため、例えば、足Fの甲にベルト(不図示)等を巻廻することも考えられるが、図示の通り、支持部3は、踵F1位置よりも爪先F2位置が上位となるように傾斜されているので、前記ベルト等を設けなくても踵F1位置が爪先F2側に移動することを防止できる。
【0049】
回転ローラー4は、軸部2と同方向に回転軸Oを備えた柱状に形成され、外周面が支持部3の下面に接触されるように、回転軸Oを中心にして回転可能にされている。
【0050】
また、回転ローラー4の外周面には、回転方向に凸部42と凹部41が交互に形成されている。
【0051】
そのため、駆動源(不図示)に連結された回転軸Oによって、回転ローラー4が回転されると、支持部3の下面は、凸部41と凹部42とが交互に接触され、詳しくは、支持部3は、回転軸O中心から凸部41までの距離t1と、回転軸O中心から凹部42までの距離t2との差である段差距離tを、上下方向(図中矢印に示す方向)に振幅するのである。
【0052】
このように形成された本実施形態の足の健康器具Aは、以下の要領で使用する。
【0053】
先ず、使用者は、椅子などに腰掛けたうえで、当該使用者の足が対応する位置に、本実施形態の基台部1を設置する。
【0054】
次に、使用者は、足の踵F1を規制部5に接合するようにして、足Fを足載せ部31に載置する。
【0055】
そして、回転ローラー4の駆動源(不図示)を駆動して、回転ローラー4を回転させると、当該回転ローラー4の回転に伴って、外周面の凸部41及び凹部42の段差距離t分だけ支持部3が上下方向(図中矢印に示す方向)に連続して振幅される。
【0056】
そのため、足載せ部31に載置された使用者の足Fは、前記支持部3の振幅に伴って、踵F1を中心にして爪先F2が上下方向に繰り返し動かされる、いわゆる「貧乏ゆすり」と同様の動きを行うのである。
【0057】
このように、本実施形態の足の健康器具Aによれば、使用者が意識しなくても足Fの爪先F1が上下方向に動かされて足Fの運動を行うことができるので、足Fの血行が促進されて、運動不足やむくみ等も容易に解消することができる。
【0058】
また、椅子に座ったままの姿勢でも簡単に足Fの運動ができるので、使用に際して煩わしさもなく、長期間に亘って足Fの運動を続けることができる。
【0059】
図2は、図1の他の実施形態を模式的に表した足の健康器具Aの全体図である。
【0060】
ここで、図1と共通する部位には、同一の番号を付して、重複する説明については省略し、以下では、本実施形態の特徴についてのみ説明する。
【0061】
本実施形態で示した足の健康器具Aは、図1のものと同一のものであるが、足Fの載せ方が異なる点で相違するものである。
【0062】
すなわち、図1においては、使用者は、足の踵F1を規制部5に接合する場合を説明したが、本実施形態では、足の爪先F2を規制部5に接合するようにして、足Fを足載せ部31に載置する。
【0063】
そして、前記同様、回転ローラー4の駆動源(不図示)を駆動して、回転ローラー4を回転させると、当該回転ローラー4の回転に伴って、外周面の凸部41及び凹部42の段差距離t分だけ支持部3が上下方向(図中矢印に示す方向)に連続して振幅される。
【0064】
そのため、足載せ部31に載置された使用者の足Fは、前記支持部3の振幅に伴って、爪先F2を中心にして踵F1が上下方向に繰り返し動かされる、いわゆる「貧乏ゆすり」と同様の動きが行われるのである。
【0065】
このように使用者は、足Fの踵F2を上下方向に運動させることで、前記同様の効果を得ることができる。
【0066】
図3(a)〜(d)は、回転ローラー4の他の実施形態を示す正面図である。
【0067】
ここで、図1、図2と共通する部位には、同一の番号を付して、重複する説明については省略し、以下では、本実施形態の特徴についてのみ説明する。
【0068】
前記の通り、支持部3が振幅する距離は、回転ローラー4の凸部41と凹部42との段差距離tによって特定される。
【0069】
そのため、前記振幅の距離は、回転ローラー4の凸部41と凹部42との段差距離tを変えれば、容易に変更することができる。
【0070】
例えば、図3(a)は、回転ローラー4の正面形状(断面形状)が、正三角形に形成されたものを示し、図3(b)は、回転ローラー4の正面形状(断面形状)が、正方形に形成されたものを示し、図3(c)は、回転ローラー4の正面形状(断面形状)が、正八角形に形成されたものを示している。
【0071】
これら図3(a)〜(c)に示すような回転ローラー4を取替え可能にしておけば、支持部3の振幅する段差距離t(t2−t1)を容易に調節することができ、当該段差距離t(t2−t1)が変更されることによって、足Fに負荷される足の運動量を容易に変更することもできる。
【0072】
なお、回転ローラー4は、図3(d)に示すように、円柱状に形成した回転ローラー4の回転軸Oを、当該回転ローラー4の中心と異なる位置に設けた、いわゆる偏心ローラーであっても前記同様の効果が得られることは勿論である。
【符号の説明】
【0073】
A 足の健康器具
1 基台部
2 軸部
3 支持部
31 足載せ部
4 回転ローラー
5 規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床に設置される基台部と、
前記基台部の端部に設けられた軸部と、
前記軸部に一端が枢着され、上面に足を載置可能な足載せ部が設けられた支持部と、
前記支持部の下面に接触されると共に、前記軸部を支点にして、前記支持部を上下に振幅するように形成された回転ローラーと、から構成されてなり、
前記回転ローラーの回転に応じて、前記支持部が連続して上下方向に振幅されるようにしたことを特徴とする足の健康器具。
【請求項2】
足載せ部の一端には、踵又は爪先の位置を規制する規制部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の足の健康器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−194051(P2011−194051A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64593(P2010−64593)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(310007265)株式会社MKR−J (4)