説明

足指保護具

【課題】足指を上方ないし前方からの比較的大きな衝撃又は力から保護する足指保護具を提供する。
【解決手段】足指の下方に位置する基部3と足指の前方に位置する前方保護部5とにより支持枠1を形成し、該支持枠1の内側には5本の足指を上方から各別に覆う5個の足指ガード7a、7b、7c、7d、7eを連設してなる足指保護体7を配設したことを特徴とする足指保護具。足指保護体7は、該足指保護体7の左右各端9、11をそれぞれ前記支持枠1の左右各端13、15に固定することにより、該支持枠1の内側に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足指保護具に関するものであり、特に足指(足の指)を上方ないし前方からの衝撃又は力から保護する足指保護具に係るものである。本発明による足指保護具は、例えば、骨折した足指をギブスにより一定期間固定した後、該ギブスを除去したときに足指を保護するために使用される。
【背景技術】
【0002】
特表2003−500107号公報は、足指保護具として、粘弾性裏張り付きスリーブ(以下「従来の足指保護具」という。)を開示している。
【特許文献1】特表2003−500107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の足指保護具は、スリーブを一本の足指に嵌めてこれを保護するものである。したがって、従来の足指保護具は、当該一本の足指を上方からの小さな衝撃又は力から保護するに過ぎないものであり、比較的大きな衝撃又は力或いは前方からの衝撃又は力から足指を保護することができないものである。例えば、骨折した足指をギブスにより一定期間固定した後、該ギブスを除去したときには、上記従来の足指保護具を着用している場合でも、特に電車、バス等の乗物内においては足指を他人に踏まれるのではないかと不安に感じ、或いは足指に前方から何らかの衝撃又は力を受けるのではないかと心配するものである。
【0004】
本発明は、上記従来の足指保護具における上記問題を解決し、足指を上方ないし前方からの比較的大きな衝撃又は力から保護する足指保護具を提供しようとしてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、下記の足指保護具を提供する。
【0006】
(1)足指の下方に位置する基部と足指の前方に位置する前方保護部とにより支持枠を形成し、該支持枠の内側には5本の足指を上方から各別に覆う5個の足指ガードを連設してなる足指保護体を配設したことを特徴とする足指保護具(請求項1)。
【0007】
(2)前記足指保護体は、該足指保護体の左右各端をそれぞれ前記支持枠の左右各端に固定することにより、該支持枠の内側に取り付ける(請求項2)。
【0008】
(3)前記各足指ガードは略逆U字状をなす(請求項3)。
【0009】
(4)前記各足指ガードは弾性体により形成する(請求項4)。
【発明の効果】
【0010】
[請求項1の発明]
足指保護体は、5本の足指を上方から各別に覆う5個の足指ガードを連設してなるものであるため、上方から衝撃又は力を受けたときには、該衝撃又は力は足指ガードを連設してなる足指保護体全体に分散する。すなわち、上方からの衝撃又は力は、各足指ガードにより単独で支えられるのではなく、5個の足指ガード全体で支えられるのである。したがって、足指は、上方からの比較的大きな衝撃又は力から有効に保護される。
【0011】
前方保護部は、比較的大きな前方からの衝撃又は力から足指を保護する。
【0012】
足指保護体の各足指ガードは、各足指の根元を固定するものではないため、足指保護具を着用したときでも、支障なく歩行することができる。
【0013】
足指保護具は、靴下を履いた状態でも着用することができる。また、足指保護具を着用した状態で靴、サンダル等の履物を履くこともできる。
【0014】
足指保護具は、外反母趾等の足指の変形の矯正にも役立つ。
【0015】
[請求項2の発明]
足指保護体は、該足指保護体の左右各端をそれぞれ前記支持枠の左右各端に固定することにより、支持枠の内側に取り付けられており、基板には固定されていないため、着用時の歩行が容易である。
【0016】
[請求項3の発明]
各足指ガードは略逆U字状をなしているため、足指に好ましくフィットする。
【0017】
[請求項4の発明]
各足指ガードは、弾性体により形成されているため、足指を締め付ける。したがって、足指保護具が着用時に足指から外れるおそれがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
符号1に示すものは支持枠である。
【0019】
支持枠1は、足指の下方に位置する左右方向の基部3と足指の前方に位置する前方保護部5とよりなるものである。
【0020】
基部3は板状をなす。前方保護部5は足指の前方に位置するに適した湾曲体である。支持枠1は、基部3と前方保護部5とにより一体的に形成してもよいが、基部3の左右各端に前方保護部5の対応端を固定してなるものであっても差し支えない。
【0021】
支持枠1の内側には5本の足指を上方から各別に覆う5個の足指ガード7a、7b、7c、7d、7eを連設してなる足指保護体7を配設する。
【0022】
足指ガード7aは足の母指を覆うカバーである。足指ガード7bは足の第2指を覆うカバーである。足指ガード7cは足の第3指を覆うカバーである。足指ガード7dは足の第4指を覆うカバーである。足指ガード7eは足の小指を覆うカバーである。
【0023】
足指保護体7は、該足指保護体7の左右各端9、11をそれぞれ前記支持枠1の左右各端13、15に固定することにより、該支持枠1の内側に取り付ける。
【0024】
各足指ガード7a、7b、7c、7d、7eは、好ましくは略逆U字状をなす。
【0025】
支持枠1と足指保護体7は、衝撃又は力に十分に耐え得るものでなければならない。
【0026】
各足指ガード7a、7b、7c、7d、7eは、好ましくは、ゴム等の弾性体により形成する。
【0027】
なお、足指保護具は、耐水性と保温性とを備えた材料により形成することが望ましい。
【0028】
図5に示す事例においては、足指保護具には該足指保護具が見えないようにその上面を覆う薄い皮膜状の被覆体17が取り付けられている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明による足指保護具の一例を示す平面図である。
【図2】同上足指保護具を示す背面図である。
【図3】同上足指保護具を示す底面図である。
【図4】同上足指保護具の使用状態を示す平面図である。
【図5】被覆体を備えた足指保護具の使用状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 支持枠
3 基部
5 前方保護部
7 足指保護体
7a 足指ガード
7b 足指ガード
7c 足指ガード
7d 足指ガード
7e 足指ガード
9 端
11 端
13 端
15 端
17 被覆体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足指の下方に位置する基部と足指の前方に位置する前方保護部とにより支持枠を形成し、該支持枠の内側には5本の足指を上方から各別に覆う5個の足指ガードを連設してなる足指保護体を配設したことを特徴とする足指保護具。
【請求項2】
前記足指保護体は、該足指保護体の左右各端をそれぞれ前記支持枠の左右各端に固定することにより、該支持枠の内側に取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の足指保護具。
【請求項3】
前記各足指ガードは略逆U字状をなすことを特徴とする請求項1又は2に記載の足指保護具。
【請求項4】
前記各足指ガードは弾性体により形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の足指保護具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−4974(P2010−4974A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165299(P2008−165299)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(508191341)
【Fターム(参考)】