説明

足指血行促進用具

【課題】足指の血行促進効果が極めて高く、また足指が痛くなることがないとともに、装着感に優れた足指血行促進用具を提供する。
【解決手段】筒状の3つのリング部14、16、18が並列配置された弾性体からなる装着体12を具備するとともに、上記各リング部の周壁部内には、それぞれ磁石20がN極とS極とが対向した状態で配設された足指血行促進用具10とする。そして、上記3つのリング部に第2〜第4足指を挿入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の足指に装着して足指の血行を促進させる用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人の足指間に対して指圧的な刺激を加えることができる用具として、特許文献1のものが提案されている。特許文献1の足指間刺激用具は、足指の第1指と第2指との間、第2指と第3指との間、第3指と第4指との間及び第4指と第5指との間に挟み込む4個の刺激柱状体と、該4個の刺激柱状体の基端部をそれぞれ取り付けることによって該4個の刺激柱状体間に所定の相互間隔を保って一体化するベースプレートとを備え、前記ベースプレートを足の甲側又は足の裏側に当てて前記4個の刺激柱状体を足指の第1指と第2指と第3指と第4指と第5指との間に挟み込んで靴等の履き物と共に又は単独で着用可能としてなる足指間刺激用具である(請求項1参照)。
【0003】
特許文献1の足指間刺激用具では、各刺激柱状体を、多量の遠赤外線発散能を有するセラミックス微粉末をマグネットを中子とする断面楕円形の鼓形に成形することにより、セラミックスとマグネットとの組合わせによって、冷え性の解消や血行の促進、血液の浄化に寄与することができる(段落0029、図6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−8627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来、足指の血行促進効果がより高い足指血行促進用具が要望されていた。また、特許文献1の足指間刺激用具は、人の足指間に対して指圧的な刺激を加える目的で、刺激柱状体を硬質材料であるラミックスで形成しているため、刺激柱状体の刺激によって足指が痛くなる可能性があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、足指の血行促進効果が極めて高く、また足指が痛くなることがないとともに、装着感に優れた足指血行促進用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記目的を達成するため、下記第1〜第3発明の足指血行促進用具を提供する。
【0008】
(第1発明)
足指に装着して足指の血行を促進する用具であって、
筒状の3つ、4つ又は5つのリング部が並列配置された弾性体からなる装着体を具備するとともに、
前記各リング部の周壁部内には、それぞれ磁石がN極とS極とが対向した状態で配設されており、
前記各リング部に足指をそれぞれ挿入することを特徴とすることを特徴とする足指血行促進用具。
【0009】
(第2発明)
足指に装着して足指の血行を促進する用具であって、
筒状の3つ、4つ又は5つのリング部が並列配置された弾性体からなる装着体を具備するとともに、
前記装着体にはゲルマニウム粉末及びラジウム鉱石粉末の一方又は両方が混練されており、
前記各リング部に足指をそれぞれ挿入することを特徴とすることを特徴とする足指血行促進用具。
【0010】
(第3発明)
足指に装着して足指の血行を促進する用具であって、
筒状の3つ、4つ又は5つのリング部が並列配置された弾性体からなる装着体を具備するとともに、
前記各リング部の周壁部内には、それぞれ磁石がN極とS極とが対向した状態で配設され、前記装着体にはゲルマニウム粉末及びラジウム鉱石粉末の一方又は両方が混練されており、
前記各リング部に足指をそれぞれ挿入することを特徴とすることを特徴とする足指血行促進用具。
【0011】
本発明において、前記装着体は、3つのリング部が並列配置され、前記3つのリング部に第2〜第4足指を挿入するものであり、平面視において、第2足指を挿入するリング部の後端両側部を結んだ線と水平線とのなす角度が+3.0〜+9.0°、特に+5.0〜+7.0°、第3足指を挿入するリング部の後端両側部を結んだ線と水平線とのなす角度が−6.5〜−12.5°、特に−8.5〜−10.5°、第4足指を挿入するリング部の後端両側部を結んだ線と水平線とのなす角度が−35.0〜−41.0°、特に−37.0〜−39.0°であることが好ましい。このようにすると、装着体がほとんどの人の足にフィットするという顕著な作用効果を得ることができる。
【0012】
本発明において、磁石の種類に限定はなく、ネオジウム磁石、フェライト磁石、サマリウム磁石、コバルト磁石、アルニコ磁石等から適宜選択することができる。
【0013】
本発明において、ゲルマニウム粉末の種類に限定はなく、水素化ゲルマニウム、一酸化ゲルマニウム、二酸化ゲルマニウム、ジゲルマン、トリゲルマン等から適宜選択することができる。
【0014】
本発明において、ラジウム鉱石粉末の種類に限定はなく、ラジウム224鉱石粉末、ラジウム226鉱石粉末等から適宜選択することができる。
【0015】
本発明において、装着体を形成する弾性体の種類に限定はなく、各種の弾性を有するプラスチック類、ゴム類等から適宜選択することができるが、装着感が良い点で、シリコーン樹脂が特に好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の足指血行促進用具は、下記に示す効果を奏する。
(ア)第1発明の足指血行促進用具は、磁石の作用により足指の血行を促進させて、足指の冷えを解消することができる。
(イ)第2発明の足指血行促進用具は、ゲルマニウム及び/又はラジウムの作用により足指の血行を促進させて、足指の冷えを解消することができる。
(ウ)第3発明の足指血行促進用具は、磁石並びにゲルマニウム及び/又はラジウムの相乗作用により足指の血行を促進させて、足指の冷えを解消することができる。
(エ)第1〜3発明の足指血行促進用具は、装着体が弾性体で形成されているため、リング部に足指を挿入しても、足指が痛くなることがないとともに、装着感に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る足指血行促進用具の一実施形態を示す斜め前方から見た斜視図である。
【図2】図1の足指血行促進用具の平面図である。
【図3】図1の足指血行促進用具の正面図である。
【図4】(a)は図1の足指血行促進用具を足指に装着した状態を示す模式的説明図、(b)、(c)は図1の足指血行促進用具における磁石の配置を示す模式的説明図である。
【図5】足指間に配置された磁石の作用を示す概念図である。
【0018】
以下、本発明の実施形態につき図面を参照して詳しく説明する。図1〜図3は、本発明(第1発明)に係る足指血行促進用具の一実施形態を示すもので、図1は斜め前方から見た斜視図、図2は平面図、図3は正面図である。また、図4(a)は本例の足指血行促進用具を足指に装着した状態を示す模式的説明図、図4(b)、(c)は本例の足指血行促進用具磁石の配置を示す模式的説明図である。
【0019】
本例の足指血行促進用具10において、12は弾性を有するシリコーン樹脂により一体成形された装着体を示す。装着体12は、筒状の3つリング部14、16、18が一体に並列配置されたものである。
【0020】
各リング部14、16、18の周壁部内には、それぞれ磁石が配設されている。この場合、図4(b)に示すように、磁石20は、N極とS極とが対向した直列状態で各リング部14、16、18の周壁部内に左右に配置されている。ただし、磁石20は、図4(c)に示すように、各リング部14、16、18の周壁部内に上下に配置してもよい。さらには、磁石は、各リング部14、16、18の周壁部内に左右上下に配置してもよい。なお、磁石20は、例えば、インサート成形によりシリコーン樹脂内に配設したり、装着体12に磁石配設孔を形成し、この磁石配設孔内に磁石を配設したりすることができる。
【0021】
また、本実施形態では、装着体12において、第2足指を挿入するリング部14の後端両側部を結んだ線と水平線とのなす角度aが+3.0〜+9.0°(より具体的には+5.9°)、第3足指を挿入するリング部16の後端両側部を結んだ線と水平線とのなす角度bが−6.5〜−12.5°(より具体的には−9.5°)、第4足指を挿入するリング部の後端両側部を結んだ線と水平線とのなす角度cが−35.0〜−41.0°(より具体的には−38.1°)である
【0022】
本例の足指血行促進用具10は、図4(a)に示すように、装着体12のリング部14に第2足指22、リング部16に第3足指24、リング部18に第4足指26を挿入することにより、足指に装着するものである。
【0023】
この場合、本例では、装着体12において、第2足指を挿入するリング部14の後端両側部を結んだ線と水平線とのなす角度aが+3.0〜+9.0°、第3足指を挿入するリング部16の後端両側部を結んだ線と水平線とのなす角度bが−6.5〜−12.5°、第4足指を挿入するリング部の後端両側部を結んだ線と水平線とのなす角度cが−35.0〜−41.0°であるため、装着体12がほとんどの人の足にフィットするという顕著な作用効果を得ることができる。
【0024】
本実施形態の足指血行促進用具は、下記の作用効果を奏する。
(A)磁石の作用により足指の血行を促進させて、足指の冷えを解消することができる。この場合、本例の足指血行促進用具は、各リング部内に磁石をN極とS極とが対向した状態で直列配置している。そのため、装着体を足指に装着したときに、図5に示すように、第2足指、第3足指及び第4足指が磁石のN極とS極との間に挟まれるので、磁石間に発生する磁束密度が大きくなり、優れた足指の血行促進効果を得ることができる。すなわち、磁石を直列配置すると、並列配置した場合に比べ、磁石間に発生する磁束密度が増加し、足指の血行促進効果が増大する。
(B)装着体が弾性体で形成されているため、リング部に足指を挿入しても、足指が痛くなることがないとともに、装着感に優れている。
(C)5本の足指が装着体の外に出る構造であるため、装着体が足指に良好にフィットし、装着感に優れている。
(D)前記角度aを+3.0〜+9.0°、角度bを−6.5〜−12.5°、角度cを−35.0〜−41.0°としたので、装着体がほとんどの人の足にフィットする。
【0025】
第2、3発明の足指血行促進用具の実施形態については、外観は前記実施形態と同じであるので、図示を省略するが、第2発明の足指血行促進用具の実施形態は、前記実施形態において磁石を省略し、装着体を形成するシリコーン樹脂にゲルマニウム粉末及びラジウム鉱石粉末の一方又は両方を練り込んだものであり、第3発明の足指血行促進用具の実施形態は、前記実施形態において、装着体を形成するシリコーン樹脂にゲルマニウム粉末及びラジウム鉱石粉末の一方又は両方を練り込んだものである。
【0026】
また、前記実施形態では3つのリング部を並列配置したが、4つ又は5つのリング部を並列配置してもよい。また、装着体は、足の大きさに合わせて種々のサイズのものを作製することができる。
【符号の説明】
【0027】
10 足指血行促進用具
12 装着体
14 リング部
16 リング部
18 リング部
20 磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足指に装着して足指の血行を促進する用具であって、
筒状の3つ、4つ又は5つのリング部が並列配置された弾性体からなる装着体を具備するとともに、
前記各リング部の周壁部内には、それぞれ磁石がN極とS極とが対向した状態で配設されており、
前記各リング部に足指をそれぞれ挿入することを特徴とすることを特徴とする足指血行促進用具。
【請求項2】
足指に装着して足指の血行を促進する用具であって、
筒状の3つ、4つ又は5つのリング部が並列配置された弾性体からなる装着体を具備するとともに、
前記装着体にはゲルマニウム粉末及びラジウム鉱石粉末の一方又は両方が混練されており、
前記各リング部に足指をそれぞれ挿入することを特徴とすることを特徴とする足指血行促進用具。
【請求項3】
足指に装着して足指の血行を促進する用具であって、
筒状の3つ、4つ又は5つのリング部が並列配置された弾性体からなる装着体を具備するとともに、
前記各リング部の周壁部内には、それぞれ磁石がN極とS極とが対向した状態で配設され、前記装着体にはゲルマニウム粉末及びラジウム鉱石粉末の一方又は両方が混練されており、
前記各リング部に足指をそれぞれ挿入することを特徴とすることを特徴とする足指血行促進用具。
【請求項4】
前記装着体は、3つのリング部が並列配置され、前記3つのリング部に第2〜第4足指を挿入するものであり、平面視において、第2足指を挿入するリング部の後端両側部を結んだ線と水平線とのなす角度が+3.0〜+9.0°、第3足指を挿入するリング部の後端両側部を結んだ線と水平線とのなす角度が−6.5〜−12.5°、第4足指を挿入するリング部の後端両側部を結んだ線と水平線とのなす角度が−35.0〜−41.0°であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の足指血行促進用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−120745(P2012−120745A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274685(P2010−274685)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(506266481)株式会社アドフィールド (4)
【Fターム(参考)】