説明

身体の照射のための計画体積の決定

身体内の所定の最小標的体積を粒子ビームで照射するシステムは、身体内の複数の標的点に粒子ビームを連続して向けて該標的点のそれぞれにおいて所定の線量分布を生成するように構成される。このシステムのために、最初に、架空の均質な身体において、身体内の最小標的体積と等価な標的体積を求めることによって計画標的体積が決定される。等価な標的体積は安全域まで拡張されて計画標的体積が決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラスタ走査法、スポット走査法、若しくは連続走査法又は何らかの他の走査法において、少なくとも場合によって動くことがある所定の標的体積に照射するための粒子治療システムの計画体積を決定する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粒子ビーム、特に陽子(proton:水素イオン)、α粒子及び炭素原子核を使用する腫瘍治療が重要度を増しつつある。その意味では、ラスタ走査法は他の方法に勝るいくつかの利点を有する。この方法では、3次元ラスタが腫瘍体積上に配置される。粒子ビームは、互いに垂直な2つの方向(x方向及びy方向)において偏向磁石によって偏向される。粒子エネルギーを能動的に変更することによって、最大量の線量が蓄積するブラッグピークの位置が、身体内の異なる複数の深度(z方向)に設定される。
【0003】
コンピュータ断層撮影デバイス、核スピン断層撮影デバイス及び他の画像形成装置は空間解像度が限られている。身体内の腫瘍の画像形成と、粒子ビームでの照射との間には、腫瘍の位置及びサイズが変化し得る時間間隔が存在する。患者内の腫瘍の位置及びサイズは数日又は数週間にわたって延びる場合がある分画された照射中にも変化する可能性がある。さらに、長期的な照射(複数回の個別の照射を含む照射プログラム、その照射のそれぞれにおいて総線量の或る分画又は割合のみが加えられる)の場合、患者の体位は分画ごとに異なる可能性がある。したがって、腫瘍及びまた患者の双方が全体としてわずかに異なる位置に位置する。腫瘍治療に関連するいくつかの臓器は肺の近傍に位置しており、したがってまた、患者の呼吸の動きと共に移動させられる。
【0004】
これらの理由及び他の理由のために、患者の身体内の腫瘍の位置及びサイズ、又は任意の他の標的領域も、これまで或る程度不正確に又は不確実にしか分からなかった。腫瘍の縁部における過少量投与は、治療の成功を危うくする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、位置が不正確である場合であっても標的領域の完全な照射が達成されるように、ラスタ走査法のための計画体積を決定することである。
【0006】
その課題は、特許請求の範囲第1項に記載の方法及び特許請求の範囲第15項に記載の装置によって解決される。
【0007】
本発明の好ましい展開は、従属請求項において規定される。
【0008】
本発明は、架空の均質な身体において、身体内の最小標的体積と等価な標的体積、たとえば治療が妥当と認められている体積を最初に求めるという着想に基づく。現実の身体は常に非均質である。したがって、粒子ビームと身体との相互作用、特に身体における粒子ビームのエネルギーの損失は、ロケーションによって変わる。粒子ビームが特に急速に又は特に低速にエネルギーを失う極端な例の構造はそれぞれ、骨及び肺又は他の空洞である。架空の均質な身体はたとえば水から成り、この場合架空の均質な身体は水等価物と呼ばれる。
【0009】
さらなるステップにおいて、等価な標的体積を安全域まで拡張する。拡張された等価な標的体積が計画標的体積である。安全域の幅並びに/又は厚さは、最小標的体積の位置が分かる精度、並びに/又は身体の組成が分かる精度、並びに/又は患者の位置が分かる精度、並びに/又は照射前若しくは照射中のあり得る変化が及ぶ範囲、並びに/又はロケーション(ビームの方向に垂直な座標)が分かる精度、並びに/又は粒子ビームのエネルギーが分かる精度、並びに/又はビーム焦点及び/若しくはビーム断面が分かる精度、並びに/又は等価な標的体積への変換が分かるか若しくは実行される精度に適合される。あり得る変化は特に、身体内の最小標的体積の増大若しくは移動、又は最小標的体積を伴う身体の移動である。安全域の幅及び/又は厚さは各空間方向において同じとするこができるか又は各空間方向において異なることができ、たとえば、他の方向よりも主な移動方向において大きい。
【0010】
臨床診療から既知のもののような経験値を安全域の寸法決定に入力することができ、経験値は、たとえば、患者の位置が分かる精度、又は最小標的体積若しくはビーム方向において最小標的体積の正面に位置している患者内の他の領域の一般的な移動を含む。呼吸又は何らかの他の理由に起因する最小標的体積の移動の大きさ又は速度が分かっている場合、それを安全域の寸法決定に入力することができる。最小標的体積の移動の場合、最小標的体積のいくつかの異なる位置も、安全域の寸法決定又は計画標的体積の形成の基礎として使用することができる。これらのいくつかの異なる位置はたとえば、4DCT(時間分解コンピュータ断層撮影法)又は他の時間分解画像形成方法を使用して求めることができる。代替的な一例は、いくつかのCT記録又は時間相関が規定されていない(たとえば、異なる日に成された)他の記録を評価することである。所定の様式で相関されていないこのような記録から、次いで、患者内の最小標的体積のロケーション及び範囲の変動性に関連すると共に、ビーム方向において最小標的体積の正面に位置している、患者内の他の領域(たとえば、臓器)の変動性に関連する統計情報を取得する。最小標的体積の既知の各位置又は少なくとも極限位置のそれぞれに関して、架空の均質な身体内の等価な標的体積が求められる。次いで、計画標的体積を、すべての等価な標的体積を含むように決定する。具体的には、計画標的体積は、すべての等価な標的体積の複数の集合の和集合として決定することができる。2つの等価な標的体積の場合、安全域は計画標的体積と該等価な標的体積のうちの1つとの間の差である。加えて、計画体積は等価な標的体積の複数の集合の和集合の周囲のさらなる安全域まで拡張することができる。
【0011】
すべての3つの空間方向における安全域の範囲は、互いに同一であるか又は異なることができ、すべてのロケーションにおいて同じであるか又はロケーションによって異なることができる。単純な場合では、安全域はロケーションに関係なく、すべての空間方向において同じであるか又は異なる値を有する幅及び/又は厚さを有する。標的体積はたとえば、畳み込みカーネルを使用して等価な標的体積又は等価な標的体積の複数の集合の和集合の畳み込みによって計算される。畳み込みカーネルは安全域の寸法を記述する。
【0012】
本発明を、添付の図面を参照しながら一例として以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】粒子治療システムの概略図である。
【図2】照射される最小標的体積を通る断面の概略図である。
【図3】等価な均質標的体積を通る断面の概略図である。
【図4】側方安全域を有する等価な均質標的体積を通る断面の概略図である。
【図5】安全域を有する等価な均質標的体積を通る断面の概略図である。
【図6】畳み込みカーネルの概略図である。
【図7】第1の状態における、照射される最小標的体積を通る断面の概略図である。
【図8】第2の状態における、照射される最小標的体積を通る断面の概略図である。
【図9】等価な均質標的体積を通る断面の概略図である。
【図10】さらなる等価な均質標的体積を通る断面の概略図である。
【図11】等価な均質標的体積の複数の集合の和集合を通る断面の概略図である。
【図12】第1の状態における、照射される最小標的体積を有する身体を通る断面の概略図である。
【図13】第2の状態における、照射される最小標的体積を有する身体を通る断面の概略図である。
【図14】第1の状態における身体と等価な均質な身体を通る断面の概略図である。
【図15】第2の状態における身体と等価な均質な身体を通る断面の概略図である。
【図16】複合された等価な標的体積を含む等価な均質身体を通る断面の概略図である。
【図17】計画標的体積を通る断面の概略図である。
【図18】粒子治療システムの計画標的体積を決定する装置の概略図である。
【図19】粒子治療システムの計画標的体積を決定する方法の概略的な流れ図である。
【0014】
図1は、粒子治療システム10の構造の概観の概略図である。粒子治療システム10では、特に腫瘍を患っている組織の照射が粒子ビーム20を用いて実行される。使用される粒子は、主として、たとえば、陽子、パイ中間子、ヘリウムイオン、炭素イオン又は他のイオンタイプのようなイオンである。
【0015】
通常、そのような粒子は粒子源11において生成される。図1に示されるように、2つの異なるイオンタイプを生成する2つの粒子源11が設けられる場合には、短い時間間隔内で、それらの2つのイオンタイプを切り替えることが可能である。このために、たとえば、一方においてイオン源11と、他方において前段加速器13との間に配置される切替磁石12が使用される。
【0016】
粒子治療システムにおいて選択的に使用することができる2つの異なるイオンタイプに関して挙げることができる例は、ヘリウムイオン(He又はHe)及び炭素イオンである。これらのイオンは、そのビームの生物学的効果が異なり、異なるタイプの腫瘍に適している。He及び12Cはいずれも、完全にイオン化された状態において、質量数Aと電荷Qとの間のA/Q比が同じである。したがって、それらのイオンは、大きく改変することなく、同じ加速システムにおいて加速することができる。
【0017】
イオン源(複数可)11によって、又はそれらのうちの1つによって生成され、適用できる場合には、切替磁石12を使用して選択されるイオンは、前段加速器13において、第1のエネルギーレベルまで加速される。前段加速器13は、たとえば、線形加速器である(「LINear ACcelerator」にちなんで、LINAC)。その後その粒子は、加速器15、たとえば、シンクロトロン又はサイクロトロン内に供給される。加速器15において、それらの粒子は、照射の目的のために、必要に応じて高いエネルギーまで加速される。粒子が加速器15から出た後に、高エネルギービーム輸送システム17が、粒子ビーム20を1つ又は複数の照射室19まで誘導する。照射室19では、加速された粒子が、照射される身体にあてられる。個々の構成にもよるが、これは一定(固定)方向から実行されるが(いわゆる、「固定ビーム室」において)、又は他方では、軸22を中心にして動くことができる回転式ガントリ21によって、様々な方向から実行される。
【0018】
図1に示される、粒子治療システム10の基本構造は、数多くの粒子治療システムの代表的なものであるが、それとは異なることもできる。以下で説明する例示的な実施形態は、図1によって示される粒子治療システムと共に使用することができ、さらには他の粒子治療システムと共に使用することもできる。
【0019】
図2〜図17は、照射される身体を通る断面又は標的体積を通る断面の概略図を示している。断面は粒子ビームの方向に平行に延在する。それぞれが図面において正方形として示されている、領域又は標的点30の3次元ラスタが、照射される身体及び標的体積の上に配置される。各場合において、1層の領域又は標的点30の3次元ラスタが示されている。図2、図7、図8、図12及び図13の場合、図示されている正方形は標的点ではなく、現実の身体が画像形成方法によって検出されるラスタを表しているに過ぎない。図3〜図5、図9〜図11及び図14〜図17に示されている等価な均質構造の場合、各正方形は標的点である。
【0020】
図2、図7、図8、図12及び図13では、線の間に2つの異なる間隔を有する単純な対角斜線が、2つの異なる密度又は物理特性を有する領域又は標的点を差別化する。斜線の間隔が狭い領域における粒子のエネルギーの損失は、斜線の間隔が広い領域における粒子のエネルギーの損失の2倍である。当然のことながら、エネルギー損失の他の差別化及び大幅に精細な差別化も可能である。或る領域におけるエネルギーの損失は、たとえばハウンズフィールドルックアップテーブル(HLUT)を使用してCT記録の局部密度から求めることができる。各場合において、図示されている身体及び標的体積は左から来る水平粒子ビームによって照射されることになる。
【0021】
図2は、照射前に実行される画像形成に基づいて予測される所望のロケーション又は位置にある、照射される最小標的体積25を示している。図示されている断面において、照射される最小標的体積25は正方形の形状を有する。照射のために供給される粒子ビームとの相互作用に関して、最小標的体積25は非均質である。領域42において、ビームの粒子は所与の経路にわたって、それらが同じ長さの経路にわたって領域41において失うエネルギーの2倍のエネルギーを失う。エネルギーの損失は、通過される材料の密度によるところが非常に大きい。したがって、近似として、領域41を低密度の領域として記述し、領域42を高密度の領域として記述することができる。低密度の領域の例は筋肉、臓器及び大部分が水から成る他の軟組織であり、高密度且つエネルギー損失が高い領域の例は骨である。
【0022】
図3は、照射のために供給される粒子ビームとの相互作用に関して図2によって上記で示されている最小標的体積25と等価である、架空の等価な均質標的体積26を示している。等価であることの説明として、粒子ビームは、左から水平に標的体積に入射し、その過程で、図2及び図3に示されている正方形のラインを通過するものとみなされる。図3の特定のラインにおいて、粒子ビームは、等価な標的体積26の右端に正確に到達するために、最小標的体積25の右端に正確に到達するための、図2の対応するラインにおける初期粒子エネルギーと同じ初期粒子エネルギーを有していなければならない。等価な均質標的体積26はたとえば、水(水等価物)又は何らかの他の材料から均質に成る。この材料は、たとえば、粒子ビームの材料との相互作用が、照射される現実の身体との相互作用と類似であるように選択される。等エネルギー層、すなわち特定の初期粒子エネルギーの粒子が阻止される層は、図3に示されている等価な均質標的体積26においては平坦である。
【0023】
図4は、図3に既に示されている等価な均質標的体積26を、側方安全域51と共に示している。側方安全域51は、等価な均質標的体積26の各等エネルギー層を側方に拡張することによって形成される。この側方安全域51は、照射システムの座標系における最小標的体積の実際の位置又はロケーションと、ビームに対する横断方向における(より正確には等エネルギー層に平行な)予測されるロケーションとの間に不一致がある場合であっても、最小標的体積25が完全に照射されることを確実にする。
【0024】
図5は、図3及び図4に既に示されている等価な均質標的体積26を、図4によって上記で示されている側方安全域及び長手方向安全域52を含む安全域と共に示している。長手方向安全域は、ビーム方向に平行に位置している標的点の各列を延長することによって形成される。長手方向安全域は、ビームに平行な方向において、照射システムの座標系における最小標的体積の実際の位置又はロケーションと、予測されるロケーションとの間に不一致がある場合であっても、最小標的体積が十分な確率をもって完全に照射されることを確実にするという効果を有する。長手方向安全域は、入口チャネル、又はすなわち、ビーム方向において最小標的体積の正面に位置している領域における密度と、そこで予測される密度の間に不一致がある場合であっても、最小標的体積が十分な確率をもって完全に照射されることを確実にするという効果を有する。側方安全域のみに位置している標的点51、長手方向安全域のみに位置している標的点52、並びに側方安全域及びまた長手方向安全域の双方に位置している標的点53が存在する。
【0025】
図5はさらに、拡張された安全域内の標的点58を示している。これは、等エネルギー層に平行な方向及びまた粒子ビームに平行な方向の双方において、照射システムの座標系における最小標的体積の実際の位置又はロケーションと予測されるロケーションとの間の不一致を同時に考慮に入れている。
【0026】
図6は、畳み込みカーネルを使用する等価な標的体積の畳み込みによって安全域を決定するための一連の畳み込みカーネル31、32、33、34を示している。各場合において、中央の斜交平行線の領域は基準点を表す。第1の畳み込みカーネル31は、図4によって上記で示されているような側方安全域のみを生成する。第2の畳み込みカーネル32は長手方向安全域のみを生成する。上記で図3によって示されている等価な標的体積26に適用されると、上記で図5によって示されている標的点52及び標的点53に加えて、図5には示されていない等価な標的体積26の左端における標的点も有する安全域が形成される。第3の畳み込みカーネル33は、側方安全域及び長手方向安全域を生成する。上記で図3によって示されている等価な標的体積26に適用されると、上記で図5によって示されている標的点51、52及び53に加えて、図5には示されていない等価な標的体積26の左端における標的点も有する安全域が形成される。第4の畳み込みカーネル34は、拡張された安全域を生成する。上記で図3によって示されている等価な標的体積26に適用されると、上記で図5によって示されている標的点51、52、53及び58に加えて、図5には示されていない等価な標的体積26の左端における標的点も有する安全域が形成される。
【0027】
図7及び図8は、2つの異なる移動状態における、非均質性(エネルギー損失が低い領域41及びエネルギー損失が高い領域42)を有する、照射される最小標的体積25を示している。これらの2つの移動状態は、たとえば4DCT(時間分解コンピュータ断層撮影法)又は何らかの他の時間分解画像形成方法を使用して、たとえば核スピン共鳴断層撮影法(NMR)、ポジトロン放出断層撮影法(PET)等によって検出することができる。代替的に、複数のCT画像、NMR画像、PET画像、又は時間によって規定されるように相関されておらず、身体の変動性に関連する統計情報を提供する身体の他の画像からあり得る移動状態が求められる。統計的な(たとえば、日毎の)位置変化又はたとえば呼吸によって引き起こされるような振動運動の場合、図7及び図8に示されている移動状態はたとえば、その間に移動が行われる極限状態である。比較的大きい(1つ又は2つのラスタ点を超える)移動の場合、それらに加えてさらなる移動状態を考慮に入れることができる。
【0028】
図9及び図10は、等価な均質標的体積26、27を通る断面の概略図を示している。これらは、上記で図3の文脈において説明した意味において、それぞれ図7及び図8に図示されている移動状態における最小標的体積25と等価である。
【0029】
図11は、図9及び図10に示されている等価な均質標的体積26、27の集合の和集合28を示している。これは、図7及び図8に示されている、移動している最小標的体積25に適切な計画標的体積を表す。計画標的体積と図9に示されている等価な均質標的体積26との間の差は、図10に示されている等価な均質標的体積27に対する安全域を表し、計画標的体積と図10に示されている等価な均質標的体積27との間の差は、図9に示されている等価な均質標的体積26に対する安全域を表す。該集合の和集合28は、上記で図4及び図5によって示されている安全域までさらに拡張することができる。
【0030】
上記で図2〜図11によって示されている例において、非均質性及び内部移動を有する最小標的体積のみが示されている。それらとは対照的に、図12及び図13のそれぞれは、非均質性(エネルギー損失が1倍の領域41、及びエネルギー損失が2倍の領域42)を有する身体23と、一方で身体23の一部しか占めない最小標的体積45とを示している。身体23は、入口チャネル、又はすなわち、ビーム方向において最小標的体積45の正面に位置している領域において非均質性をさらに有する。この非均質性は一例として、粒子ビームがエネルギーの損失を(ほとんど)受けない空洞40として示されている。また、最小標的体積45自体が非均質性を有することができるが、簡潔にするために、図12及び図13には図示されていない。
【0031】
図12及び図13は、再び2つの異なる移動状態における身体23を示している。これらの2つの移動状態において、たとえば、非均質性41、42の双方のロケーション並びにまた最小標的体積のロケーション及び空間形態は異なる。同様に、たとえば、非均質性41、42のロケーションのみ若しくは空間形態のみ又は非均質性(たとえば、密度の差)の範囲又は最小標的体積45のロケーション若しくは空間形態のみが変化することが可能である。
【0032】
図14及び図15は、等価な均質身体24を通る断面の概略図を示している。これらは、上記で図3の文脈において説明した意味において、それぞれ図12に示されている移動状態における身体23及び図13に示されている移動状態における身体23と等価である。等価な均質身体24は、図12及図び13に示されている、対応する移動状態における最小標的体積45と等価である等価な標的体積46を含む。2つの移動状態における等価な標的体積46の形態は、図12及び図13に示されている最小標的体積45の形態とは異なることが分かる。これは、ビーム方向において最小標的体積45の正面に位置している非均質性40、42によって引き起こされる。
【0033】
図16は、図14に示されている等価な均質身体の集合と図15に示されている等価な均質身体の集合との和集合を、同じ図に示されている等価な標的体積46の集合の和集合47を用いて示している。該集合の和集合は、移動している身体内の図12及び図13に示されている最小標的体積に適切な計画標的体積を表す。該集合の和集合47と図14に示されている等価な均質標的体積46との間の差は、図15に示されている等価な均質標的体積46に対する安全域を表しており、該集合の和集合47と図15に示されている等価な均質標的体積46との間の差は、図14に示されている等価な均質標的体積46に対する安全域を表している。
【0034】
図17は単独で、上記集合の和集合47から形成される計画標的体積29のみを示している。身体の周囲の領域は図示されていないか又は破線によって図示されている。該集合の和集合は、上記で図4及び図5を参照して示されている安全域55、58までさらに拡張することができる。標的点55は側方安全域及び/又は長手方向安全域内に位置しており、標的点58は上記で図5によって示されているように拡張された安全域を形成する。そのようにして得られた計画標的体積は、たとえばデータセットの形態で、計画標的体積からすべての標的点のロケーション(ビーム方向に垂直な座標)と、粒子エネルギー、ビーム断面と、粒子数とを含むデータセットを生成するデバイスに転送される。そのデータセットから、同じデバイス又はさらなるデバイスにおいて制御パラメータが求められる。制御パラメータは、上記で図1によって示されている照射システム11の制御デバイスに転送される。
【0035】
最小標的体積及び計画標的体積は、上記で常に3次元ラスタ又はその2次元断面において図2〜図17によって示されている。このラスタは、図2〜図17における例示とは対照的に、3つの空間方向において異なる周期を有する、すなわち非立方体とすることができ、且つ/又は異なる空間方向において若しくは全体として異なる数の格子点を有し、且つ/又は平行な平面内に異なる数のラスタ点を有する。さらに、六角形又は任意の他の所望のラスタも可能である。
【0036】
上述の計画標的体積の決定を、粒子ビームが連続工程又は非連続工程において複数の標的点に連続して向けられる任意の照射に使用することができる。たとえば、記載されている方策を、粒子ビームが所定時間にわたって各標的点に留まり且つ/又は所定数の粒子を堆積させて偏向磁石等が次の標的点に向けてセットされている間はオフになるスポット走査法に使用することができる。記載されている方策をさらに、粒子ビームが所定期間にわたって各標的点に留まり且つ/又は所定数の粒子を堆積させるが、標的点間でオフにならないか、又は常にオフになるとは限らないラスタ走査法に使用することができる。
【0037】
上述の計画標的体積の決定はさらに、連続走査法にも適切である。連続走査法では、標的点は連続した線を形成する、すなわちそれらは連続(又は準連続)集合を形成し、その数は可算無限である。連続走査法では、粒子ビームは、少なくとも等エネルギー層内のライン又は列内で連続的に偏向し、個々のロケーションに或る時間にわたって留まることなく標的点の上を通過する。
【0038】
図18は、身体内の所定の標的体積を粒子ビームで照射するシステムの制御パラメータを決定する装置の概略図を示している。本装置は等価な標的体積を決定するデバイス84と、等価な標的体積を拡張するデバイス86とを備える。デバイス84は、最小標的体積を規定するデータセットを受信する入力82を有する。入力82は、このようなデータセットを形成するデバイス80に接続される。
【0039】
デバイス80はたとえば、断層画像を生成するコンピュータ断層撮影デバイス71若しくは核スピン断層撮影デバイス、又は照射される身体の(2次元)蛍光透視検査のためのX線デバイスに接続される。1つ又は複数の断層画像から、デバイス80は自動的に又は医療技術者との対話において、1つ又は複数の移動状態における最小標的体積又は臨床的標的体積を規定する1つ又は複数のデータセットを生成する。データセット(複数可)はデバイス80によってデバイス84の入力82に転送される。
【0040】
デバイス84は、自身に転送される、1つ又は複数の移動状態における最小標的体積から、たとえば上記で図14及び図15を参照して記載されたような1つ又は複数の等価な標的体積を形成する。等価な標的体積は拡張デバイス86に転送される。
【0041】
拡張デバイス86は、適用可能な場合、たとえば上記で図11及び図16によって示されているような等価な標的体積の複数の集合の和集合を形成する。代替的に又は付加的に、デバイス86は、一例として上記で図4、図5及び図17によって示されているように、該等価な標的体積又は該集合の和集合を拡張する。このように形成された計画標的体積は、上記で図1を参照して記載したような照射システムを制御する制御デバイス88に転送される。
【0042】
制御デバイス88は、システムが計画標的体積内に位置しているすべての標的点に粒子ビームを連続して向け、そこで治療効果のある放射線量を生成するように、該システムを制御する。
【0043】
図18に示されている断層撮影デバイス71並びにデバイス80、84、86及び制御デバイス88の間の接続は、各場合において、電線路又はガラス繊維ケーブルの形態の接続であるが、インターネット若しくは何らかの他のネットワーク又は無線データ接続を介してのデータ接続を含むこともできる。図18における上記の例示とは対照的に、デバイス80、84、86はさらに、単一デバイス内又は単一のシステム内に、たとえば、照射計画システム内に一体化することができる。
【0044】
デバイス84及び86は、図19を参照しながら以下で示されるような方法を制御又は実行するように構成することができる。
【0045】
第1のステップ91において、最小標的体積、たとえば腫瘍の体積又は何らかの他の臨床的標的体積を、たとえば上記で図18によって示されているデバイス80において又は該デバイス80によって事前に指定する。第2のステップ92において、たとえばデバイス84においてたとえば上記で図3、図9、図10、図14及び図15によって示されているように、最小標的体積から等価な標的体積を求める。第3のステップ93において、たとえばデバイス86においてたとえば上記で図4、図5、図11、図16及び図17によって示されているように、等価な標的体積を拡張する。
【0046】
第4のステップ94において、拡張された標的体積を計画標的体積として、第5のステップ95において該拡張された標的体積から照射システムを制御するための制御パラメータを形成するデバイスに転送する。第5のステップ95は、単一のデバイス又は互いに結合される複数のデバイスにおいて実行される複数のサブステップから成ることができる。たとえば、計画標的体積から最初に、すべての標的点のロケーション(ビーム方向に垂直な座標)と、粒子エネルギーと、ビーム断面と、粒子数とを含むデータセットを生成することができる。このデータセットから、次いでさらなるデータセットを形成するパラメータを決定する。
【0047】
制御パラメータは、たとえば上記で図18によって示されているように、制御デバイスに転送される。第6のステップ96において、このデバイスは、一例として上記で図1によって示されているような、計画標的体積を照射するシステムを制御する。
【0048】
標的体積を異なる方向から複数回照射するべきである場合、少なくとも上述のステップ92〜96を各方向に対して繰り返す。標的体積を同じ方向から時間間隔を置いて繰り返し照射すべきである(1つの照射プログラムにおける複数回の照射又は分画)場合、上述のステップ91〜95を一回だけ実行することができる。これらのステップがこのように1回実行されるとき、計画標的体積及び制御パラメータは照射プログラムにおけるすべての照射又は分画に関して決定される。第6のステップ96のみが各照射又は分画に対して繰り返される。代替的に、臨床的標的体積が変化する場合、計画標的体積及び制御パラメータを変更するために、各照射若しくは分画の前に又は各照射若しくは分画において、ステップ91〜96が再び実行される。
【0049】
上述のステップを、複数の別個の方法において且つ異なる複数の時点において実行することができる。たとえば、第1のステップ91、第2のステップ92及び第3のステップ93は、第1の方法において照射直前に、又は数日又は数週間前にさえも実行される。第4のステップ94、第5のステップ95及び第6のステップ96は、1つ又は複数の方法において互いの直後に又は時間的に離間して実行することができる。
【0050】
記載されている例示的な実施形態は、粒子治療との関連で使用するのに適しているだけではない。さらに、それらの実施形態は、包括的には材料を照射するシステムにおいて、特に、加えられるビーム線量が空間的に変化すべきであるときに、また特に、材料が非均質な密度を有すると共にシステムの基準系に対して動くか、又はシステムの基準系に対して動かされるときに、使用することができる。
【符号の説明】
【0051】
10 粒子治療システム
11 粒子源
12 切替磁石
13 予備加速器
15 加速器
17 高エネルギービーム輸送システム
19 照射室
20 粒子ビーム
21 ガントリ
22 ガントリ21の軸
23 身体
24 等価な身体
25 標的体積
26 等価な標的体積
27 さらなる等価な標的体積
28 拡張された等価な標的体積又は複数の集合の和集合
29 計画標的体積
30 標的点
31 側方安全域のための畳み込みカーネル
32 長手方向安全域のための畳み込みカーネル
33 長手方向安全域及び側方安全域のための畳み込みカーネル
34 拡張された安全域のための畳み込みカーネル
40 空洞
41 エネルギー損失が1倍の領域
42 エネルギー損失が2倍の領域
45 最小標的体積
46 等価な標的体積
47 等価な標的体積46の複数の集合の和集合
51 側方安全域内にある標的点
52 長手方向安全域内にある標的点
53 側方安全域及びまた長手方向安全域の双方の中にある標的点
55 側方安全域又は長手方向安全域内にある標的点
58 拡張された安全域内にある標的点
71 断層撮影デバイス
80 データセットを形成するデバイス
82 データセットを受信する入力
84 等価な標的体積を決定するデバイス
86 等価な標的体積を拡張するデバイス
88 制御デバイス
91 第1のステップ
92 第2のステップ
93 第3のステップ
94 第4のステップ
95 第5のステップ
96 第6のステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体(23)内の所定の最小標的体積(45)を粒子ビーム(20)で照射するシステム(10)のための計画標的体積を決定する方法であって、前記システム(10)は、前記身体(23)内の複数の標的点(30)に前記粒子ビーム(20)を連続して向けて該標的点(30)のそれぞれにおいて所定の線量分布を生成するように構成され、該方法は、
架空の均質な身体(24)において、前記身体(23)内の前記最小標的体積(45)と等価な標的体積(26、46)を求めるステップ(92)と、
前記等価な標的体積(26、46)を安全域(51、52、53、55、58)まで拡張するステップ(93)であって、前記計画標的体積(29)を決定する、拡張するステップ(93)と、
含む、方法。
【請求項2】
前記架空の均質な身体(24)は水塊である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記安全域(51、52、53、55、58)の幅は、前記照射システム(10)の座標系における前記最小標的体積(45)の位置の不正確度に適合される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記安全域(51、52、53、55、58)の幅は前記身体(23)の組成の不正確度に適合される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記安全域(51、52、53、55、58)の幅は、前記照射中又は長期間の照射のための照射プログラムにおける複数回の照射の間の前記身体(23)のあり得る変化に適合される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記安全域(51、52、53、55、58)の幅は、前記照射中又は長期間の照射のための照射プログラムにおける複数回の照射の間の前記最小標的体積(45)のあり得る増大に適合される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記安全域(51、52、53、55、58)の幅は、前記照射中又は長期間の照射のための照射プログラムにおける複数回の照射の間の、前記身体(23)の前記最小標的体積(45)又は該最小標的体積(45)の正面に位置している領域のビーム方向におけるあり得る移動に適合される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記安全域(51、52、53、55、58)は各ロケーションにおいて所定の固定幅を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記架空の均質な身体(24)において、さらなる移動状態における前記身体(24)内の前記最小標的体積(45)と等価なさらなる等価な標的体積(46)を求めるステップをさらに含み、
前記拡張するステップ(93)において、前記計画標的体積は、前記等価な標的体積(46)と前記さらなる等価な標的体積(46)とを含むように決定される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記計画標的体積(29)は、前記等価な標的体積(46)と、該等価な標的体積の周囲の安全域(51、52、53、55、58)と、前記さらなる等価な標的体積(46)と、該さらなる等価な標的体積(46)の周囲の安全域とを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記計画標的体積(29)は畳み込みカーネル(31、32、33、34)を使用して前記等価な標的体積(46)の畳み込みによって決定される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
領域(30)の3次元ラスタが前記身体(23)の上に配置され、前記最小標的体積(45)、前記等価な標的体積(46)、前記安全域(51、52、53、55、58)及び前記計画標的体積(29)は各場合において領域又は標的点(30)の集合によって表される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記安全域(51、53、55、58)は、各等エネルギー層内に、或る範囲の1つ又は複数の標的点(30)を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記粒子ビーム(20)の方向に平行な前記安全域(52、53、55、58)は、或る範囲の1つ又は複数の標的点(30)を有する、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
身体(23)内の所定の最小標的体積(45)を粒子ビーム(20)で照射するシステム(10)のための計画標的体積を決定する装置であって、前記システム(10)は、前記身体(23)内の複数の標的点(30)に前記粒子ビーム(20)を連続して向けて該標的点(30)のそれぞれにおいて所定の線量分布を生成するように構成され、該装置は、
前記最小標的体積(45)を規定するデータセットを受信するデバイス(82)と、
前記受信するデバイス(82)に接続される、架空の均質な身体(24)において前記身体(23)内の前記最小標的体積(45)と等価な標的体積(46)を求めるデバイス(84)と、
前記等価な標的体積(46)を安全域(51、52、53、55、58)まで拡張するデバイス(86)であって、前記計画標的体積(29)を決定する、拡張するデバイス(86)と、
を有する、装置。
【請求項16】
前記拡張するデバイス(86)は前記最小標的体積(45)の位置の不正確度を考慮に入れる、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記拡張するデバイス(86)は前記身体(23)の組成の不正確度を考慮に入れる、請求項15又は16に記載の装置。
【請求項18】
前記拡張するデバイス(86)は、前記照射中の前記身体(23)のあり得る変化を考慮に入れる、請求項15〜17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記拡張するデバイス(86)は、前記照射中の前記最小標的体積(45)のあり得る増大を考慮に入れる、請求項15〜18のいずれか一項に記載の装置
【請求項20】
前記拡張するデバイス(86)は、前記照射中又は長期間の照射のための照射プログラムにおける複数回の照射の間の、前記身体(23)の前記最小標的体積(45)のあり得る移動を考慮に入れる、請求項15〜19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記受信するデバイス(82)は前記最小標的体積(45)のさらなる位置を規定するさらなるデータセットを受信するように構成され、
前記求めるデバイス(84)は前記架空の均質な身体(24)内の前記さらなる位置における前記最小標的体積(45)と等価なさらなる等価な標的体積(46)を求めるように構成され
前記拡張するデバイス(86)は、前記計画標的体積(29)を、前記等価な標的体積(46)と前記さらなる等価な標的体積(46)とを含むように決定するように構成される、請求項15〜19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記拡張するデバイス(86)は、畳み込みカーネル(31、32、33、34)を使用して前記等価な標的体積(46)の畳み込みによって前記計画標的体積(29)を決定する決定するように構成される、請求項15〜21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、請求項15〜22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
治療計画装置である、請求項15〜23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
身体(23)内の所定の最小標的体積(45)を粒子ビーム(20)で照射するシステム(10)であって、該システムは、前記身体(23)内の複数の標的点(30)に前記粒子ビーム(20)を連続して向けて該標的点(30)のそれぞれにおいて所定の線量分布を生成し、該システム(10)は、請求項15〜24のいずれか一項に記載の装置を備える、システム。

【図19】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2010−521259(P2010−521259A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553973(P2009−553973)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【国際出願番号】PCT/EP2008/002246
【国際公開番号】WO2008/116596
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(504343177)ゲーエスイー ヘルムホルツツェントルム フュア シュヴェアイオーネンフォルシュング ゲーエムベーハー (8)
【住所又は居所原語表記】Planckstr. 1, D−64291 Darmstadt, Germany
【出願人】(598110068)シーメンス アーゲー (3)
【Fターム(参考)】