説明

車両の燃料タンク装置

【課題】 作業者が地面に立って車両に燃料を容易に給油することができる車両の燃料タンク装置を提供する。
【解決手段】 車両の燃料タンク装置において、主燃料タンク31と、副燃料タンク32と、前記副燃料タンクの燃料を前記主燃料タンクに送るポンプ35とを備え、前記副燃料タンクの給油口34を作業者が地面に立って給油できる高さに設け、前記副燃料タンクの給油口より上方に、前記ポンプからの燃料出口38Dを前記主燃料タンクに設けた車両の燃料タンク装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の燃料タンク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の燃料タンク装置においては、図4に示すように、燃料タンク111が車両100のエンジンルーム110に設けられている。燃料タンク111の上部には燃料を給油するための給油口112が設けられている。燃料を給油する場合には、車両100の後輪120に作業者が乗って給油口112のキャップをはずして燃料を給油する。
【0003】
また、車両の燃料タンク装置には、特許文献1に記載されているような、主燃料タンクと補助燃料タンクを備え、補助燃料タンクから主燃料タンクに送油するポンプを設けたものがある。
【0004】
【特許文献1】実開昭57−141119号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図4に示す従来の車両の燃料タンク装置では、車両100の後輪120に作業者が乗って給油しなければならず、地面(グランドライン(G.L.)上)に作業者が立って燃料タンク111に給油することは困難である。また、特許文献1に記載されているような、車両の燃料タンク装置は主燃料タンクと補助燃料タンクは同じ高さにあるため図4に示す従来の車両にこの技術を応用しても、地面(グランドライン(G.L.)上)に作業者が立って燃料タンク111に給油することは困難であることに変わりはない。
【0006】
本発明は上記の問題点に着目してなされたもので、作業者が地面に立って車両に燃料を容易に給油することができる車両の燃料タンク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、車両の燃料タンク装置において、主燃料タンクと、副燃料タンクと、前記副燃料タンクの燃料を前記主燃料タンクに送るポンプとを備え、前記副燃料タンクの給油口を作業者が地面に立って給油できる高さに設け、前記副燃料タンクの給油口より上方に、前記ポンプからの燃料出口を前記主燃料タンクに設けた構成としている。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記主燃料タンクに、前記ポンプを停止するための燃料停止センサを設けた構成としている。
【0009】
第3の発明は、第2の発明において、前記副燃料タンクに、前記ポンプを始動するための燃料送給センサを設けた構成としている。
【発明の効果】
【0010】
第1の発明によれば、作業者が地面に立って車両に燃料を容易に給油することができる。
【0011】
また、第2の発明によれば、副燃料タンクから主燃料タンクへの燃料の給油を自動的に停止することができる。
【0012】
また、第3の発明によれば、サブタンクからメインタンクへの燃料の給油を自動的に開始することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る車両の燃料タンク装置の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に、本発明に関わる車両の燃料タンク装置を搭載した車両の側面図を示し、図2に本発明に関わる車両の燃料タンク装置のシステム構成図を示す。
【0014】
図1に示すように、作業用の車両であるモータグレーダ10は、前部フレーム11の前端部にドローバ12を揺動自在に設けている。ドローバ12は、回転自在に取付けられたサークル13に、ブレード14を横方向に滑動自在に支持して作業機15を構成している。ドローバ12は、リフトシリンダ16a,16bの同期した伸縮によって上下に昇降し、リフトシリンダ16a,16bの異なった伸縮によって上下方向に傾動し、またブレードシフトシリンダ17の伸縮によって車体進行方向に対して左右に揺動する。モータグレーダ10は、前部フレーム11の前部に前部車輪21を備え、後部のエンジンルーム18の下部に後部前車輪22、後部後車輪23を備えている。
【0015】
主燃料タンク31は、エンジンルーム18の上部に設けられている。副燃料タンク32は、エンジンルーム18の後下部に設けられている。主燃料タンク31の給油口33はエンジンルーム18の上方に突き出している。副燃料タンク32の給油口34はエンジンルーム18の側方に突き出している。副燃料タンク32の給油口34は、地面に作業者が立って給油できるような高さ、例えば地面であるグランドラインGLからの高さHを1〜1.5mとしてある。
【0016】
副燃料タンク32から主燃料タンク31へ燃料を送るポンプ35は、副燃料タンク32の上方に設けられている。ポンプ35の吸込み口は、吸込み配管36により副燃料タンク32と接続している。ポンプ35の吐出口は、吐出配管37により主燃料タンク31の上部と接続している。燃料出口となる吐出配管37の配管出口38Dは、副燃料タンク32の給油口34よりも高い位置で主燃料タンク31と接続しており、地面に作業者が立って給油できない主燃料タンク31へ燃料を送ることができる。なお、ポンプ35の吐出口は、吐出配管37により主燃料タンク31の上部と接続している例に限ることなく、主燃料タンク31の側面や、底部と接続していても良い。その場合には、吐出配管37に燃料の逆流を防止する逆止弁を設けても良い。
【0017】
主燃料タンク31は、オーバーフローした燃料を副燃料タンク32に戻すためのリターン配管38により、副燃料タンク32の上部と接続している。ポンプ35を制御するためのリレーボックス41は、エンジンルーム18の内部に設けられている。スイッチボックス42は、エンジンルーム18の側面に設けられている。
【0018】
図2に示すように、主燃料タンク31は、燃料の最大レベルである最大ラインMを検出するMAXレベルセンサ51と、燃料のフルレベルであるフルラインFを検出するフルレベルセンサ52を備えている。MAXレベルセンサ51は、所定寸法、例えば燃料15リットル相当の寸法だけ、フルレベルセンサ52より上方に設置してある。このように、MAXレベルセンサ51と、フルレベルセンサ52を高さに差を設けて配置すれば、給油中の主燃料タンク31の燃料レベルの変動があっても、後述するMAXレベルセンサ51と、フルレベルセンサ52センサよりの信号に基づくポンプ35の作動と停止が頻繁に切換わることなく安定してポンプ35が作動できる。
【0019】
副燃料タンク32は、ポンプ35を駆動させるための燃料レベルであるスタートラインSTを検出するスタートセンサ53と、ポンプ35を停止させるための燃料レベルであるストップラインSPを検出するストップセンサ54を備えている。スタートセンサ53は、所定寸法、例えば燃料20リットル相当の寸法だけ、ストップセンサ54より上方に設置してある。このように、スタートセンサ53と、ストップセンサ54を高さに差を設けて配置すれば、前記と同様、給油中の副燃料タンク32の燃料レベルの変動があっても、後述するスタートセンサ53と、ストップセンサ54よりの信号に基づくポンプ35の作動と停止が頻繁に切換わることなく安定してポンプ35が作動できる。また、スタートセンサ53と、ストップセンサ54を高さの差に応じて、ポンプ35の作動と停止の間欠動作の時間間隔を設定することができる。
【0020】
MAXレベルセンサ51、フルレベルセンサ52、スタートセンサ53、ストップセンサ54は、例えばフロート式のレベルセンサである。これらのセンサは、燃料が所定のレベルに達すると、MAXレベルセンサ51は内蔵接点が開いてOFFとなり、フルレベルセンサ52、スタートセンサ53、ストップセンサ54は、それぞれ内蔵接点が閉じてONとなる。これらのセンサは、フロート式に限ることなく、同様の機能を持つものであれば良い。
【0021】
リレーボックス41は、フルレベルリレー43と、自動起動リレー44と、自己保持リレー45と、ポンプ停止リレー46と、セーフティリレー47と、メインリレー48とを備えている。
【0022】
スイッチボックス42は、メインスイッチ55と、作動ランプ56Bと、フルレベルランプ56Mとを備えている。メインスイッチ55は4位置に切換え可能なスイッチであり、OFF位置Kでは端子55Aと他の端子のB端子55B及び端子55Cとは開き、自動位置Jでは端子55Aと端子55Bは閉じ、スタート位置Sでは端子55Aと端子55B及び端子55Cとは閉じ、テスト位置Tでは端子55Aと端子55Cとが閉じる。なお、自動位置Jからスタート位置Sへの切換、OFF位置Kからテスト位置Tへの切換は、それぞれ自動的に自動位置J、OFF位置Kに戻るモーメンタリスイッチ機能を持たせても良い。
【0023】
フルレベルリレー43のコイル43Cの一端は、メインスイッチ55の端子55Bと接続し、フルレベルリレー43の接点43Bも、メインスイッチ55の接点55Bと接続している。コイル43Cの他端は、フルレベルセンサ52の図示しない2つの端子の一方と接続している。フルレベルセンサ52の他方の端子はアースと接続している。燃料のレベルが上昇し、フルレベルであるフルラインFに達してフルレベルセンサ52がONとなり、コイル43Cに電流が流れると、フルレベルリレー43の接点43Aと接点43Bが開く。
【0024】
自動起動リレー44のコイル44Cの一端は、フルレベルリレー43の接点43Aと接続し、自動起動リレー44の接点44Bも、フルレベルリレー43の接点43Aと接続している。コイル44Cの他端は、スタートセンサ53の図示しない2つの端子の一方と接続している。スタートセンサ53の他方の端子はアースと接続している。燃料のレベルが上昇し、スタートラインSTに達してスタートセンサ53がONとなり、コイル44Cに電流が流れると、自動起動リレー44の接点44Aと接点44Bが閉じる。
【0025】
自己保持リレー45のコイル45Cの一端は、MAXレベルセンサ51の図示しない2つの端子の一方と接続し、他端はアースと接続している。MAXレベルセンサ51の他方の端子は、自動起動リレー44の接点44Aと接続している。自己保持リレー45の接点45Bは、セーフティリレー47の接点47B及びメインスイッチ55の接点55Aと接続している。燃料のレベルが上昇し、最大ラインMに達してMAXレベルセンサ51がOFFとなり、コイル45Cの電流が切れると、自己保持リレー45の接点45Aと接点45Bが開く。
【0026】
ポンプ停止リレー46のコイル46Cの一端は、自動起動リレー44の接点44Aと接続し、ポンプ停止リレー46の接点46Bは、自己保持リレー45の接点45Aと接続している。コイル46Cの他端は、ストップセンサ54の図示しない2つの端子の一方と接続している。ストップセンサ54の他方の端子はアースと接続している。ポンプ停止リレー46の接点46Aは、メインリレー48のコイル48Cの一端と接続するとともに、ダイオード58を介して自動起動リレー44の接点44Aと接続し自己保持回路を形成している。またポンプ停止リレー46の接点46Aは、作動ランプ56Bの一端と接続している。作動ランプ56Bの他端はアースと接続している。燃料のレベルが上昇し、ストップラインSPに達してストップセンサ54がONとなり、コイル46Cに電流が流れると、ポンプ停止リレー46の接点46Aと接点46Bが閉じる。
【0027】
セーフティリレー47のコイル47Cの一端は、パーキングブレーキ装置61と接続し、他端はアースと接続している。セーフティリレー47の接点47Aは電源57と接続し、接点47Bは、メインスイッチ55の接点55A及び自己保持リレー45の接点45Bと接続している。モータグレーダ10を走行させるために、パーキングブレーキ装置61を解除すると、パーキング解除信号である電流がセーフティリレー47のコイル47Cに流れ、セーフティリレー47の接点47Aと接点47Bが開く。
【0028】
メインリレー48のコイル48Cの一端は、ポンプ停止リレー46の接点46A及びメインスイッチ55の端子55Cと接続し、コイル48Cの他端はアースと接続している。ポンプ停止リレー46の接点46Aは、ダイオード58を介してフルレベルランプ56Mの一端と接続している。フルレベルランプ56Mの他端は、ダイオード59を介してフルレベルセンサ52の図示しない2つの端子の一方と接続している。ポンプ停止リレー46の接点46Aと接点46Bが閉じてコイル48Cに電流が流れると、メインリレー48の接点48Aと接点48Bが閉じる。この状態で、燃料のレベルが上昇し、フルレベルであるフルラインFに達してフルレベルセンサ52がONとなると、フルレベルランプ56Mに電流が流れて、フルレベルランプ56Mが点灯する。
【0029】
ポンプ35は、モータ35Mと接続し、モータ35Mにより駆動される。モータ35Mの電源端子35MAは、メインリレー48の端子48Bと接続し、接地端子35MBはアースと接続している。メインリレー48の接点48Aと接点48Bが閉じて、電流がモータ35Mに流れるとモータ35Mが回転し、ポンプ35が駆動される。
【0030】
上記構成における作動について説明する。
モータグレーダ10を停止し、駐車させるために、パーキングブレーキ装置61を作動すると、パーキング解除信号が切れてセーフティリレー47のコイル47Cに電流が流れなくなり、セーフティリレー47の接点47Aと接点47Bが閉じて、電源57がメインスイッチ55の接点55Aと接続する。メインスイッチ55を自動位置Jに入れると、接点55Bと接点55Aが閉じる。
【0031】
主燃料タンク31の燃料が、フルレベル未満の場合、フルレベルセンサ52がOFFとなり、接点43Aと接点43Bは閉じる。その状態で、作業者が副燃料タンク32に燃料を給油し、燃料のレベルが上昇し、スタートラインSTに達して、燃料送給センサとしてのスタートセンサ53がONとなり、コイル44Cに電流が流れると、自動起動リレー44の接点44Aと接点44Bが閉じる。この時、燃料のレベルはストップラインSPより上なのでストップセンサ54がONである。そしてコイル46Cに電流が流れ、ポンプ停止リレー46の接点46Aと接点46Bが閉じる。また、この時、主燃料タンク31は最大レベルの最大ラインM未満であり、MAXレベルセンサ51がONで接点45Aと接点45Bは閉じている。
【0032】
そして、メインリレー48のコイル48Cに電流が流れ、接点48Aと接点48Bが閉じ、モータ35Mに電流が流れポンプ35が駆動されて、副燃料タンク32から主燃料タンク31に燃料が送られる。この時ポンプ停止リレー46の接点46Aからダイオード58を通ってコイル46Cを通り、ストップセンサ54を介してアースに電流が流れポンプ停止リレー46は、接点46Aと接点46Bが閉じた状態を自己保持する。ポンプ35が作動している間は、接点46Aから電流が作動ランプ56Bに流れ、作動ランプ56Bが点灯し、作業者はポンプ35が作動しているのを目で確認できる。
【0033】
ポンプ35が作動すると、副燃料タンク32の燃料が減って燃料のレベルが下降する。そして副燃料タンク32の燃料のレベルが、ストップラインSP未満となるとストップセンサ54がOFFとなり、ポンプ停止リレー46の、接点46Aと接点46Bが開きメインリレー48のコイル48Cの電流が切れ、接点48Aと接点48Bが開き、モータ35Mに電流が流れなくなり、ポンプ35は停止する。
【0034】
副燃料タンク32に作業者が燃料の給油を続け、副燃料タンク32の燃料のレベルが上昇し、スタートラインSTに達してスタートセンサ53がONとなると、再びポンプ35は駆動される。副燃料タンク32から主燃料タンク31へ燃料が送り続けられ、主燃料タンク31の燃料のレベルが上昇し、フルレベルであるフルラインFに達してフルレベルセンサ52がONとなると、フルレベルランプ56Mに電流が流れて、フルレベルランプ56Mが点灯し、作業者は主燃料タンク31が満タンであることを目で確認できる。
【0035】
また、主燃料タンク31の燃料のレベルが上昇し、フルレベルであるフルラインFに達してフルレベルセンサ52がONとなり、コイル43Cに電流が流れると、フルレベルリレー43の接点43Aと接点43Bが開いた状態となる。この状態で、ポンプ35の燃料の送油量が、作業者が給油する副燃料タンク32への給油量を上回る場合は、副燃料タンク32の燃料のレベルが下降し、ストップラインSP未満となって、ストップセンサ54がOFFとなると、コイル46Cの電流が切れ、ポンプ停止リレー46の接点46Aと接点46Bが開いてメインリレー48の接点48Aと48bが開き、モータ35Mへの電流が切れ、ポンプ35は停止する。この時、ポンプ停止リレー46の自己保持は解除されるので、再び副燃料タンクに燃料が給油されて燃料のレベルがスタートラインSTに達しないとポンプ35は駆動されない。
【0036】
また、ポンプ35の燃料の送油量と副燃料タンク32への給油量がバランスしてポンプ35からの給油が続いた場合は、主燃料タンク31の燃料のレベルが上昇し、最大ラインMに達して燃料停止センサとしてのMAXレベルセンサ51がOFFとなり、コイル45Cの電流が切れると、自己保持リレー45の接点45Aと接点45Bが開く。その結果、コイル46Cの電流が切れ、ポンプ停止リレー46の接点46Aと接点46Bが開いてメインリレー48の接点48Aと48bが開き、モータ35Mへの電流が切れ、ポンプ35は停止する。副燃料タンク32へ給油を続けると、副燃料タンク32は満タンとなるので作業者は給油を停止する。このように、燃料のレベルが上昇し、最大ラインMに達するとポンプ35は強制的に停止させられるので、主燃料タンク31に燃料を入れすぎることがない。
【0037】
メインスイッチ55を自動位置Jに入れた状態で、モータグレーダ10を走行し燃料を消費すると、主燃料タンク31の燃料のレベルが下降し、フルレベルであるフルラインF未満となるとフルレベルセンサ52がOFFとなる。そして、モータグレーダ10を停止し、パーキングブレーキ装置61を作動して駐車すると、パーキング解除信号が切れてセーフティリレー47のコイル47Cに電流が流れなくなり、セーフティリレー47の接点47Aと接点47Bが閉じて、電源57がメインスイッチ55の接点55Aと接続する。
【0038】
そして、フルレベルセンサ52がOFFなので接点43Aと接点43Bが閉じ、また、スタートセンサ53がONなので、コイル44Cに電流が流れると、自動起動リレー44の接点44Aと接点44Bが閉じる。次にコイル46Cに電流が流れ、ポンプ停止リレー46の接点46Aと接点46Bが閉じて、メインリレー48のコイル48Cに電流が流れ、メインリレー48の接点48Aと48bが閉じ、モータ35Mへ電流が流れ、ポンプ35は駆動し、副燃料タンク32から主燃料タンク31へ燃料が補充される。このように、主燃料タンク31の燃料が足らなくなると、副燃料タンク32から主燃料タンク31へ燃料が自動的に補充される。
【0039】
副燃料タンク32の燃料のレベルが下降し、ストップラインSP未満となりストップセンサ54がOFFとなると、ポンプ35は停止する。また、ストップセンサ54がOFFとなる前に、主燃料タンク31の燃料のレベルが上昇し、最大ラインMに達してMAXレベルセンサ51がOFFとなる場合にも、ポンプ35は停止する。
【0040】
また、ポンプ35が主燃料タンク31へ送油している途中で、モータグレーダ10を走行させるとパーキング解除信号である電流がセーフティリレー47のコイル47Cに流れ、セーフティリレー47の接点47Aと接点47Bが開きポンプ35は停止する。この時、副燃料タンク32の燃料のレベルが下降している場合、次回に副燃料タンク32に燃料を給油してスタートセンサ53がONとなるまで、ポンプ35は駆動されないので主燃料タンク31に燃料を自動補充することはない。従って、車両が走行中にポンプ35が作動することは無く、ポンプ35は駐車中に作動するようになっている。
【0041】
また、メインスイッチ55をテスト位置Tにすると、接点55Aと接点55Cが閉じ、コイル48Cに電流が流れ、接点48Aと接点48bが閉じ、主燃料タンク31及び副燃料タンク32の燃料のレベルに関わらずポンプ35を作動させることができ、ポンプ35が正常に作動するかをチェックできる。
【0042】
また、メインスイッチ55をスタート位置Sにすると、接点55Aと接点55B及び接点55Cが閉じる。そして、接点55Aと接点55Cが閉じるのでダイオード58を介して自己保持回路が形成された状態となり、副燃料タンク32の燃料のレベルがスタートラインSTに達していなくてもポンプ35を作動させることができる。この場合でも、副燃料タンク32の燃料のレベルがストップラインSP未満となるか、主燃料タンク31の燃料のレベルが上昇し、最大ラインMに達すると、コイル45C及びコイル46Cに電流が流れなくなり、その結果コイル48Cに電流が流れなくなり、接点48Aと48Bが開いて、ポンプ35は停止する。
【0043】
また、メインスイッチ55を自動位置Jにすれば、前述したように、ポンプ35は自動的に作動するが、必要に応じて、メインスイッチ55をOFF位置Kにすれば、接点55Aと、接点55B及び接点55Cとが開き、ポンプ35を作動しないようにすることができる。
【0044】
以上説明した、ポンプ制御手段としてのリレーボックス41に代えて、本発明に関わる車両の燃料タンク装置の他の実施例のシステム構成図である図3に示すような、コントローラ41Aをポンプ制御手段として用いても良い。MAXレベルセンサ51、フルレベルセンサ52、スタートセンサ53、ストップセンサ54、スイッチボックス42は、それぞれコントローラ41Aに接続している。図2で説明したものと同一のものには同一の符号を付し説明は省略する。また、図3のシステム構成図に示した車両の燃料タンク装置の作動は、図2で説明したものと同一のため説明は省略する。
【0045】
また、以上の説明では車両としてモータグレーダ10の例を示したが、車両であれば、トラック、ホイールローダ、油圧ショベル、ブルドーザ、フォークリフト、クレーン車などの産業車両及び作業車両のいずれの車両でも本発明に関わる車両の燃料タンク装置を適用して良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に関わる車両の燃料タンク装置を搭載した車両の側面図である。
【図2】本発明に関わる車両の燃料タンク装置のシステム構成図である。
【図3】本発明に関わる車両の燃料タンク装置の他の実施例のシステム構成図である。
【図4】従来の車両の燃料タンク装置を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
10…モータグレーダ、31…主燃料タンク、32…副燃料タンク、33,34…給油口、35…ポンプ、35…吐出配管、38D…配管出口、41…リレーボックス、41A…コントローラ、51…MAXレベルセンサ、52…フルレベルセンサ、53…スタートセンサ、54…ストップセンサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の燃料タンク装置において、主燃料タンクと、副燃料タンクと、前記副燃料タンクの燃料を前記主燃料タンクに送るポンプとを備え、前記副燃料タンクの給油口を作業者が地面に立って給油できる高さに設け、前記副燃料タンクの給油口より上方に、前記ポンプからの燃料出口を前記主燃料タンクに設けたことを特徴とする車両の燃料タンク装置。
【請求項2】
前記主燃料タンクに、前記ポンプを停止するための燃料停止センサを設けたことを特徴とする請求項1記載の車両の燃料タンク装置。
【請求項3】
前記副燃料タンクに、前記ポンプを始動するための燃料送給センサを設けたことを特徴とする請求項2記載の車両の燃料タンク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−7804(P2006−7804A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183533(P2004−183533)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】