車両エンジンおよびスナップ式のエンジンカバーアセンブリ、およびエンジンに対するカバーアセンブリの組立方法
エンジン、カバーアセンブリ、およびエンジンへカバーアセンブリをスナップ取り付けするための方法は、ねじ部品の使用をせず、カバー、クリップ、およびエラストマー緩衝材を含む。クリップは、カバーをエンジンに固定するためにエンジンのフランジにスナップ係合するように配置される。クリップは、カバーから延びる第1の部分と、エンジンフランジとスナップ係合するための堅い第2の部分とを有する。エラストマー緩衝材は、エンジンのフランジと第2の部分との直接係合を提供するためにクリップの第2の部分から間隔をおいて配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.技術分野
本発明は一般に、車両エンジンに関し、より特定的にはNVHおよびスナップ式の特徴を有する車両エンジンおよびカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術
バルブカバー、オイルパンカバー、およびエンジンカバーのような車両のエンジンカバーは、典型的にはエンジンシリンダヘッドおよび/またはエンジンブロックにボルトで取り付けられる。そのため、各々のボルトは所定のトルク範囲で挿入および締め付けを必要とし、ボルトの取り外しには正確にサイズ決めされた工具を有することが必要とされるので、カバーの組立および分解プロセスは複雑になる。それに加えて、ボルトの挿入/除去工具の作業端を有するボルト先端を接続することは、ボルトの位置に依存するので難しくなる。
【0003】
それに加えて、エンジンのカバーを取り付けるためのボルトの使用は、振動伝達の源を提供し、結果としてノイズとなる。そのため、ノイズ発生の可能性を低減するために、エラストマーのワッシャが含まれる場合がある。しかしながら、ワッシャは一般的に緩め、または変形し、これによりボルトが相対的に緩くなり、これにより漏れ、振動およびノイズをもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
ねじ部品の使用をせずに、内燃機関へのスナップ取り付け(snapping attachment)のためのカバーアセンブリは、カバー、クリップ、および、クリップとカバーとの間に配置されるエラストマー緩衝材を有する。クリップは、カバーから延びる第1の部分と、エンジンとのスナップ係合(snapping engagement)のための堅い第2の部分とを有する。エラストマー緩衝材は、第2の部分とエンジンとの間の直接の係合を提供するため、および、クリップとカバーとの間の振動の伝達を抑制するために、クリップとカバーとの間に配置される。
【0005】
本発明の他の局面にしたがうと、ねじ部品の使用をせずに内燃機関のスナップ取り付けのためのカバーアセンブリは、カバーと、カバーから離れた材料として形成されたクリップとを有する。クリップは、第1の部分と、エンジンとのスナップ係合のための堅い第2の部分とを有する。エラストマー緩衝材は、クリップとカバーとの間の振動の伝達を抑制するために、クリップの第1の部分およびカバーに取り付けられる。
【0006】
本発明の他の局面にしたがうと、ねじ部品の使用をせずに内燃機関のエンジンのフランジへカバーアセンブリを取り付ける方法が提供される。方法は、カバーを提供する工程と、第1の部分および第2の部分を有するクリップを提供する工程と、クリップの第1の部分とカバーとの間であって、クリップの第2の部分から間隔をあけて、エラストマー緩衝材を配置する工程とを含む。緩衝材と係合するようにクリップの第1の部分を押す工程と、フランジとの固定された係合になるようにクリップの第2の部分をはめ込む(snapping)工程とをさらに含む。
【0007】
本発明の他の局面にしたがうと、フランジとの係合にはめ込まれたカバーを有するフランジを有する。クリップは、第1の部分と、フランジとのスナップ係合のための堅い第2の部分とを有する。エラストマー緩衝材は、クリップとカバーとの間の振動の伝達を抑制するために、それらの間に配置される。緩衝材は、第2の部分とフランジとの間の直接の係合を提供するために、クリップの第2の部分から間隔があけられる。
【0008】
図面の簡単な説明
本発明のこれらおよび他の局面にしたがって構築されたスナップ式の内燃機関エンジンカバーの特徴および利点は、以下の現時点での好ましい実施形態およびベストモードの詳細な説明、添付されたクレームおよび添付の図面に関連して考慮されると、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】現時点での好ましい一実施の形態にしたがって構築されたエンジンカバーアセンブリの平面図である。
【図2】内燃機関エンジンのフランジに取り付けられたことを示すカバーアセンブリを有する図1のカバーアセンブリの部分垂直断面図である。
【図3】図1のカバーアセンブリの部分透視断面図である。
【図4】エンジンのフランジから取り外されたことを示すカバーアセンブリを有する図1のカバーアセンブリの部分垂直断面図である。
【図5】内燃機関エンジンのフランジに取り付けられたことを示す現時点での好ましい他の実施の形態にしたがって構築されたカバーアセンブリの部分透視断面図である。
【図6】図5のカバーアセンブリの部分垂直断面図である。
【図7】エンジンのフランジから取り外されたことを示すカバーアセンブリを有する図5のカバーアセンブリの部分垂直断面図である。
【図8】内燃機関エンジンのフランジに取り付けられたことを示すカバーアセンブリを有する現時点での好ましい他の実施の形態にしたがって構築されたカバーアセンブリの部分透視断面図である。
【図9】図8のカバーアセンブリの部分垂直断面である。
【図10】エンジンのフランジから取り外されたことを示すカバーアセンブリを有する図8のカバーアセンブリの部分垂直断面図である。
【図11】内燃機関エンジンのフランジに取り付けられたことを示すカバーアセンブリを有する現時点での好ましい他の実施の形態にしたがって構築されたカバーアセンブリの部分透視断面図である。
【図12】図11のカバーアセンブリの部分垂直断面図である。
【図13】エンジンのフランジに取り外されたことを示すカバーアセンブリを有する図11のカバーアセンブリの部分垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
現時点での好ましい実施形態の詳細な説明
図面をより詳細に参照して、図1は、現時点での好ましい一実施の形態にしたがって構築された内燃機関エンジンのためのカバーアセンブリ10を示し、カバーアセンブリはバルブカバー、油だめカバー、またはリアエンジンカバーとして用いられることが可能である。カバーアセンブリ10は、カバー12と、カバー12とは別の材料片で形成されたクリップ14と、クリップ14およびカバー12の間のノイズ、振動および耳障りな音(NVH)を抑制するためにクリップ14およびカバー12の間に配置されたエラストマー緩衝材16とを含む。ネジ部品を必要とせず、シリンダブロックおよび/またはエンジンブロック上に存在可能なように、カバー12がエンジンのフランジ18との封止係合へ容易にはめ込まれることができるように、クリップ14はカバーアセンブリ10へのスナップ式の局面を提供する。それに加えて、稼動中に必要になるかもしれないように、クリップ14は、エンジンから容易に取り外すことを可能にする。エンジンを有するカバーアセンブリ10の流体密封シールを確立することを促進するために、カバーアセンブリ10は、クリップ14と、フランジ18に隣り合うエンジンの表面21との間に押し込まれた封止係合のために配置されたエラストマーシール20を含むことが好ましい。
【0011】
カバー12は、所望のポリマーまたは金属材料から製造されてもよい。カバー12は、おおよそ周囲自由端22を有するドーム形状である。ここで隣り合うように示されているように延び、自由端22からおおよそ外側に延びるフランジ24を有するように、周囲自由端22は形成されてもよい。フランジ24は、上面の側面に沿って延びるクランプ表面26と、その中で上方に延びる溝28とを有し、好ましくはフランジ24の周囲近傍である。溝28は少なくとも部分的にエラストマーガスケットまたはシール20を受け入れるために幅および深さにおいてサイズ決めされる。シール20は、前もって決められたプレスインプレースタイプシール(press-in-place type seal)であってもよく、シールが溝28内に直接成形されるモールドインプレースタイプ(mold-in-place type)であってもよい。とにかく、シール20はここでは緩衝材16とは別の材料片で形成されるように示されている。シール20は、溝28から外側に延び、ここでは互いに間隔を隔てた複数のふち30を有し、エンジンのフランジ18に対して押し込まれるとすぐに流体密封シールを形成することを促進するために、シール20辺りの長さまたは円周に沿って延びるように表されている。
【0012】
クリップ14は、カバー12とは別の材料片として形成され、ポリマーであっても金属であってもよく、同じタイプの材料または異なるタイプの材料を用いて形成されてもよい。クリップ14は、カバー12に動作可能な取り付けのための概して32で示される第1の部分と、エンジンのフランジ18とのスナップ係合のための概して34で示される一般的に堅い第2の部分とを有する。図1において最もよく示されているように、クリップ14は、実質的にカバー12の外周に沿って延びるように形成されるように、ここでは示されているが、一例であり、限定されず、カバー14の各々の面35、37に沿って別の部分において延びていてもよい。図2に示すように、クリップ14の第1の部分32は、第2の部分34に応じて、複数の指部(fingers)38を有する細長いレール36を有することが可能である。指部38は、エンジンのカバーアセンブリ10の所望のクランプ力を得るために必要とされる指部の数に応じて、あらかじめサイズ決めされたギャップ40によって互いに間隔を隔てて配置される。レール36は、一般的にフランジ24のクランプ表面26に平行に延び、エラストマー緩衝材16は、レール36およびフランジ24の上面との間に一般的に均一に挟まれ、押し付けられることが可能である。緩衝材16は、レール36やクランプ面26とは別の部品として提供されてもよく、あるいは、たとえば接着剤を介してまたは成形プロセスのように、どちらかに結合されてもよい。
【0013】
図2および図4に示されるように、カバー12へクリップ14の取り付けを容易にするために、複数のタブ42がレール36に従属する位置関係で、かつ緩衝材16との係合のために互いに間隔を隔てた関係で形成されてもよい。構築された1つの好ましい方法においては、たとえばレール36がポリマーまたは金属に応じて、加熱支持プロセスまたは穴あけプロセスのように、タブ42はレール36の材料で支えられていてもよい。
【0014】
図3にも示されるように、クリップ14は、指部38とレール36との間の曲げ半径において形成される複数のくぼみを有していてもよい。大体は利用されることが可能であるが、くぼみ43はそれぞれの指部38に形成されることが好ましい。くぼみ43は、クリップ12に加えられた強度および剛性により、アセンブリを容易にし、使用中にクリップ14に加えられた所望のクランプ力を保持することを提供する。
【0015】
さらに、クリップ14は、アセンブリ、特に表面中からカバー12の取り外しを容易にするために指部38の少なくともいくつかから外側へ延びる突起部44を有するように構築されてもよい。突起部44は、エンジンのフランジ18との下方のスナップ係合に適切な工具(図示せず)でクリップ14を押す位置を提供する。
【0016】
それに加えて、クリップ14は、上方に延び、レール36からおおよそ垂直であるへり46を有してもよい。へり46は、カバー12に対するクリップ14の動きの度合いを制限することによって、カバー12およびフランジ18上の取り付けられた位置においてクリップ14を保持することを容易にできる。好ましくは、へりはカバー12から間隔を隔てて保持され、その間に生じる望ましくない振動およびノイズを防止する。図2〜4に示されるように、NVHが加えられた緩衝材48はへり46とカバー12との間の空間に配置され、緩衝材8は別の部品として提供され、その後へり46またはカバー12のいずれかに接着され、たとえばカバー12またはへり46のいずれかの上の所定の位置に成形される。
【0017】
クリップ14の指部38は、フランジ18とのスナップ係合を固定するように構成される。指部38は所定の位置に固定するが、カバーアセンブリ10に関連する、またはカバーアセンブリ10に従う部品の点検中のように、指部38は、固定された係合を選択的に開放することができることが認識される。エンジンからカバーアセンブリ10の組み立ておよび取り外しを容易にするために、クリップの指部38の端部で表される第2の部分34は、エンジン上のフランジとのカム係合のための傾斜したカム表面52を有する、外側へ広がる延出部50を有していてもよい。クリップの第2の部分34の延びる係合面54を、フランジ18の支持表面18との連結に至らせるために、表面52がフランジ18を取り外すまで、傾斜したカム表面52により、指部38をフランジ18の外側から付勢させる(図3)。
図4に示されるように、フランジ18は厚み(D)を有し、カバーアセンブリ10はシール20のシーリング底面50および指部38の係合面54の間の厚み(d)を有し、厚み(D)は厚み(d)よりも大きい。このように、カバーアセンブリ10をエンジン上で下方に押すと、カム表面52はフランジ18と係合し、指部38がフランジ18から外側に向けて付勢される。指部38は外側から付勢されて、緩衝材16が押し込まれ、および/または、指部38が弾性的に曲げられる。エラストマー緩衝材16およびエラストマーシール20は、係合面54が、フランジ18の下方の表面56とのスナップ係合のために十分な量だけ押し込まれる。したがって、緩衝材16および/またはシール20が押し込まれると、距離(d)はフランジの厚み(D)と実質的に等しくなるように増加される。上記のように、係合面54がフランジ18の底面56を超えると、指部38は付勢され、係合面54をフランジ18の表面56との固定された係合に至らせるように、一般的に付勢されていない位置まで跳ね返され、これにより指部38に意図的に加えられた外力により支配されるまでエンジンからカバーアセンブリ10が取り外されることを防止する。
【0018】
図5には、本発明の他の局面にしたがった他のカバーアセンブリ110が示され、上記と同様の特徴を認識するために100だけオフセットした参照符号が用いられる。
【0019】
アセンブリ110は、エンジンのフランジ118とのスナップ係合のための上記とおおよそ同様に構成されたカバー112を有する。したがって、カバー112は周囲自由端122と、クランプ面126およびシール120の受け入れのための溝128を有するフランジ124とを有する。それに加えて、アセンブリ110は、ポリマーまたは金属材料から構成され、フランジ118に対するカバー112のスナップ係合を容易にするために、クランプ114を含む。
【0020】
しかしながら、上述したようなレール36を有するよりもむしろ、カバー112およびフランジ118に個別にスナップ取り付けをするためにクリップ114は互いに別の部品である。クリップ114の一般的な形態は、上述した指部38と同様である。そのようなものとして、クリップ114は、概して132で示される第1の部分と、概して134で示される第2の部分と、カム面152と、係合面154とを有する。第1の部分132はフランジ124のクランプ面126に対しておおよそ平行であり、個々のNVHエラストマー緩衝材116は、各々のクリップの第1の部分132およびフランジ123の間におおよそ均一に挟まれ、押し込まれる。そのようなものとして、第1の実施の形態に示されるような1つの緩衝材16よりもむしろ、第1の部分132に横たわるようにサイズ決めされた別の緩衝材16がここでは組み込まれている。緩衝材116は、第1の部分132から別の部品として構築および保持されていてもよく、あるいは、たとえば接着剤を介してまたは成形プロセスのように、どちらかに結合されてもよい。
【0021】
図7に示されるように、クリップ114の係合面154およびシール120のシーリング底面158は厚み(d)を有し、フランジ118は厚み(D)を有する。そのようなものとして、カバー112に対するクリップ114およびフランジ118のアセンブリは、上述したように、エンジンのフランジ118とのシールされたスナップ係合においてカバー112を保持するために、緩衝材160およびシール120の押し込みをもたらす。それ以外は、カバーアセンブリ110は上述したように一般的には同様であるので、さらなる詳細な説明は本実施の形態の理解に必要としない。
【0022】
図8において、本発明の他の局面にしたがった他のカバーアセンブリ210が示され、上記と同様の特徴を認識するために200だけオフセットした参照符号が用いられる。
【0023】
アセンブリ210は、エンジンのフランジ218とのスナップ係合のために構築されたカバー212およびレール236を有する。カバー212およびレール236は別の材料片から形成され、材料の含有量は用途に応じ、同じであっても異なっていてもよい。たとえば、カバー212およびレール236は、金属および/またはポリマーの材料から構成されていてもよい。カバー212およびレール236は、以降NVHブリッジ216と言及されるNVHエラストマー緩衝材により互いに取り付けられてもよい。NVHブリッジ216は、カバー212およびレール236が外周において互いに間隔を隔てた位置関係に保持されるように、カバー212および236の外周に封入される。
【0024】
レール236は、複数の指部238を有し、指部238は、フランジ218に対する個々のスナップ取り付けのために、互いに間隔を隔てて、かつ分離している。指部238の一般的な形状は上述した指部38と同様である。このようなものとして、指部238は、フランジ218の下の表面256とのスナップ係合のためのカム表面252および係合面254を有する。
【0025】
カバーアセンブリ210は、アセンブリおよびフランジ218の間の流体密封シールを確立するためのシール220も含む。シール220は、NVHブリッジ216とは別の材料片として提供されてもよく、示されているように、NVHブリッジ216と単一の材料であってもよい。したがって、シール220はNVHブリッジ216の成形中、レール236の底面に成形される。NVH216およびシール220はたとえばゴム、シリコーンのような同じエラストマー材料を用いて成形されてもよく、あるいは互いに離れた関係で、所望の似ていない材料で成形されてもよい。
【0026】
図10に示されるように、指部238の係合面254およびシール220のシーリング底面258は厚み(d)を有し、指部218は厚み(D)を有する。このようなものとして、フランジ218との指部238のスナップ係合は、上述したように、シール220の押し込みにより、エンジンのフランジ218と封止係合においてカバーアセンブリ210を保持する。
【0027】
図11には、本発明の他の局面にしたがった他のカバーアセンブリ310が示され、上記と同様の特徴を認識するために300だけオフセットした参照符号が用いられる。
【0028】
アセンブリ310は、エンジンのフランジ318とのスナップ係合のために構築されたカバー312およびレール336を有する。カバー312およびレール336は別の材料片から形成され、材料の含有量は用途に応じ、同じであっても異なっていてもよい。たとえば、カバー312およびレール336は、金属および/またはポリマーの材料から構成されていてもよい。カバー312およびレール336は、鋳造または成形プロセスにおいて互いに取り付けられる。現時点での1つの好ましい形態として、レール336はたとえばスタンプ鋼板のような金属から形成されてもよく、カバー312はレール336の自由端にプラスチック材料から成形されてもよい。たとえば、図7に示されるようなNVHブリッジ(図示せず)は、カバー312をレール336に接続するために成形されてもよいことは、認識される。
【0029】
レール336は、複数の指部338を有し、指部338は、フランジ318に対する個々のスナップ取り付けのために、互いに間隔を隔てて、かつ分離している。指部338の係合面354を形成する自由端がフランジ318を取り外し、フランジ318下の表面356とのスナップ係合が動くまで、フランジ318に対して指部338を外側に付勢することを容易にするために、指部338は上方かつ内側に延びるカム表面352を有する。
【0030】
カバーアセンブリ310は、レール336およびフランジ318の間の流体密封シールを確立するためのシール320を含む。シール320は、ここではカバー312から分れて形成された部材として表されている。シール320は、たとえばナイロンや金属のようなシール320の材料よりも別の材料から形成されるキャリア72を有するように示されている。シール320を形成する材料は、たとえばシリコーンのような即時重合エラストマーを用いた液体のエラストマー成形プロセスにおいて形成されてもよい。シール320は、レール336およびフランジ324の間に流体密封シールを形成することを容易にするために、起伏する上面および下面74,75を有するように表したが、一例であり、限定されない。
【0031】
図13に示されるように、指部338の係合面354およびシール320のシーリング表面358は厚み(d)を有し、フランジ318は厚み(D)を有する。そのようなものとして、指部338とフランジ318とのスナップ係合は、上述したように、シール320の押し込みにより、エンジンのフランジ318とのシールされた係合において、カバーアセンブリ310を保持する。
上記の教示に鑑み、明らかに、本発明の多くの修正および変形が可能である。それゆえに、添付された請求項の範囲内において、この発明は、特に記載された以外にも実行され得ると解される。
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.技術分野
本発明は一般に、車両エンジンに関し、より特定的にはNVHおよびスナップ式の特徴を有する車両エンジンおよびカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術
バルブカバー、オイルパンカバー、およびエンジンカバーのような車両のエンジンカバーは、典型的にはエンジンシリンダヘッドおよび/またはエンジンブロックにボルトで取り付けられる。そのため、各々のボルトは所定のトルク範囲で挿入および締め付けを必要とし、ボルトの取り外しには正確にサイズ決めされた工具を有することが必要とされるので、カバーの組立および分解プロセスは複雑になる。それに加えて、ボルトの挿入/除去工具の作業端を有するボルト先端を接続することは、ボルトの位置に依存するので難しくなる。
【0003】
それに加えて、エンジンのカバーを取り付けるためのボルトの使用は、振動伝達の源を提供し、結果としてノイズとなる。そのため、ノイズ発生の可能性を低減するために、エラストマーのワッシャが含まれる場合がある。しかしながら、ワッシャは一般的に緩め、または変形し、これによりボルトが相対的に緩くなり、これにより漏れ、振動およびノイズをもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
ねじ部品の使用をせずに、内燃機関へのスナップ取り付け(snapping attachment)のためのカバーアセンブリは、カバー、クリップ、および、クリップとカバーとの間に配置されるエラストマー緩衝材を有する。クリップは、カバーから延びる第1の部分と、エンジンとのスナップ係合(snapping engagement)のための堅い第2の部分とを有する。エラストマー緩衝材は、第2の部分とエンジンとの間の直接の係合を提供するため、および、クリップとカバーとの間の振動の伝達を抑制するために、クリップとカバーとの間に配置される。
【0005】
本発明の他の局面にしたがうと、ねじ部品の使用をせずに内燃機関のスナップ取り付けのためのカバーアセンブリは、カバーと、カバーから離れた材料として形成されたクリップとを有する。クリップは、第1の部分と、エンジンとのスナップ係合のための堅い第2の部分とを有する。エラストマー緩衝材は、クリップとカバーとの間の振動の伝達を抑制するために、クリップの第1の部分およびカバーに取り付けられる。
【0006】
本発明の他の局面にしたがうと、ねじ部品の使用をせずに内燃機関のエンジンのフランジへカバーアセンブリを取り付ける方法が提供される。方法は、カバーを提供する工程と、第1の部分および第2の部分を有するクリップを提供する工程と、クリップの第1の部分とカバーとの間であって、クリップの第2の部分から間隔をあけて、エラストマー緩衝材を配置する工程とを含む。緩衝材と係合するようにクリップの第1の部分を押す工程と、フランジとの固定された係合になるようにクリップの第2の部分をはめ込む(snapping)工程とをさらに含む。
【0007】
本発明の他の局面にしたがうと、フランジとの係合にはめ込まれたカバーを有するフランジを有する。クリップは、第1の部分と、フランジとのスナップ係合のための堅い第2の部分とを有する。エラストマー緩衝材は、クリップとカバーとの間の振動の伝達を抑制するために、それらの間に配置される。緩衝材は、第2の部分とフランジとの間の直接の係合を提供するために、クリップの第2の部分から間隔があけられる。
【0008】
図面の簡単な説明
本発明のこれらおよび他の局面にしたがって構築されたスナップ式の内燃機関エンジンカバーの特徴および利点は、以下の現時点での好ましい実施形態およびベストモードの詳細な説明、添付されたクレームおよび添付の図面に関連して考慮されると、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】現時点での好ましい一実施の形態にしたがって構築されたエンジンカバーアセンブリの平面図である。
【図2】内燃機関エンジンのフランジに取り付けられたことを示すカバーアセンブリを有する図1のカバーアセンブリの部分垂直断面図である。
【図3】図1のカバーアセンブリの部分透視断面図である。
【図4】エンジンのフランジから取り外されたことを示すカバーアセンブリを有する図1のカバーアセンブリの部分垂直断面図である。
【図5】内燃機関エンジンのフランジに取り付けられたことを示す現時点での好ましい他の実施の形態にしたがって構築されたカバーアセンブリの部分透視断面図である。
【図6】図5のカバーアセンブリの部分垂直断面図である。
【図7】エンジンのフランジから取り外されたことを示すカバーアセンブリを有する図5のカバーアセンブリの部分垂直断面図である。
【図8】内燃機関エンジンのフランジに取り付けられたことを示すカバーアセンブリを有する現時点での好ましい他の実施の形態にしたがって構築されたカバーアセンブリの部分透視断面図である。
【図9】図8のカバーアセンブリの部分垂直断面である。
【図10】エンジンのフランジから取り外されたことを示すカバーアセンブリを有する図8のカバーアセンブリの部分垂直断面図である。
【図11】内燃機関エンジンのフランジに取り付けられたことを示すカバーアセンブリを有する現時点での好ましい他の実施の形態にしたがって構築されたカバーアセンブリの部分透視断面図である。
【図12】図11のカバーアセンブリの部分垂直断面図である。
【図13】エンジンのフランジに取り外されたことを示すカバーアセンブリを有する図11のカバーアセンブリの部分垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
現時点での好ましい実施形態の詳細な説明
図面をより詳細に参照して、図1は、現時点での好ましい一実施の形態にしたがって構築された内燃機関エンジンのためのカバーアセンブリ10を示し、カバーアセンブリはバルブカバー、油だめカバー、またはリアエンジンカバーとして用いられることが可能である。カバーアセンブリ10は、カバー12と、カバー12とは別の材料片で形成されたクリップ14と、クリップ14およびカバー12の間のノイズ、振動および耳障りな音(NVH)を抑制するためにクリップ14およびカバー12の間に配置されたエラストマー緩衝材16とを含む。ネジ部品を必要とせず、シリンダブロックおよび/またはエンジンブロック上に存在可能なように、カバー12がエンジンのフランジ18との封止係合へ容易にはめ込まれることができるように、クリップ14はカバーアセンブリ10へのスナップ式の局面を提供する。それに加えて、稼動中に必要になるかもしれないように、クリップ14は、エンジンから容易に取り外すことを可能にする。エンジンを有するカバーアセンブリ10の流体密封シールを確立することを促進するために、カバーアセンブリ10は、クリップ14と、フランジ18に隣り合うエンジンの表面21との間に押し込まれた封止係合のために配置されたエラストマーシール20を含むことが好ましい。
【0011】
カバー12は、所望のポリマーまたは金属材料から製造されてもよい。カバー12は、おおよそ周囲自由端22を有するドーム形状である。ここで隣り合うように示されているように延び、自由端22からおおよそ外側に延びるフランジ24を有するように、周囲自由端22は形成されてもよい。フランジ24は、上面の側面に沿って延びるクランプ表面26と、その中で上方に延びる溝28とを有し、好ましくはフランジ24の周囲近傍である。溝28は少なくとも部分的にエラストマーガスケットまたはシール20を受け入れるために幅および深さにおいてサイズ決めされる。シール20は、前もって決められたプレスインプレースタイプシール(press-in-place type seal)であってもよく、シールが溝28内に直接成形されるモールドインプレースタイプ(mold-in-place type)であってもよい。とにかく、シール20はここでは緩衝材16とは別の材料片で形成されるように示されている。シール20は、溝28から外側に延び、ここでは互いに間隔を隔てた複数のふち30を有し、エンジンのフランジ18に対して押し込まれるとすぐに流体密封シールを形成することを促進するために、シール20辺りの長さまたは円周に沿って延びるように表されている。
【0012】
クリップ14は、カバー12とは別の材料片として形成され、ポリマーであっても金属であってもよく、同じタイプの材料または異なるタイプの材料を用いて形成されてもよい。クリップ14は、カバー12に動作可能な取り付けのための概して32で示される第1の部分と、エンジンのフランジ18とのスナップ係合のための概して34で示される一般的に堅い第2の部分とを有する。図1において最もよく示されているように、クリップ14は、実質的にカバー12の外周に沿って延びるように形成されるように、ここでは示されているが、一例であり、限定されず、カバー14の各々の面35、37に沿って別の部分において延びていてもよい。図2に示すように、クリップ14の第1の部分32は、第2の部分34に応じて、複数の指部(fingers)38を有する細長いレール36を有することが可能である。指部38は、エンジンのカバーアセンブリ10の所望のクランプ力を得るために必要とされる指部の数に応じて、あらかじめサイズ決めされたギャップ40によって互いに間隔を隔てて配置される。レール36は、一般的にフランジ24のクランプ表面26に平行に延び、エラストマー緩衝材16は、レール36およびフランジ24の上面との間に一般的に均一に挟まれ、押し付けられることが可能である。緩衝材16は、レール36やクランプ面26とは別の部品として提供されてもよく、あるいは、たとえば接着剤を介してまたは成形プロセスのように、どちらかに結合されてもよい。
【0013】
図2および図4に示されるように、カバー12へクリップ14の取り付けを容易にするために、複数のタブ42がレール36に従属する位置関係で、かつ緩衝材16との係合のために互いに間隔を隔てた関係で形成されてもよい。構築された1つの好ましい方法においては、たとえばレール36がポリマーまたは金属に応じて、加熱支持プロセスまたは穴あけプロセスのように、タブ42はレール36の材料で支えられていてもよい。
【0014】
図3にも示されるように、クリップ14は、指部38とレール36との間の曲げ半径において形成される複数のくぼみを有していてもよい。大体は利用されることが可能であるが、くぼみ43はそれぞれの指部38に形成されることが好ましい。くぼみ43は、クリップ12に加えられた強度および剛性により、アセンブリを容易にし、使用中にクリップ14に加えられた所望のクランプ力を保持することを提供する。
【0015】
さらに、クリップ14は、アセンブリ、特に表面中からカバー12の取り外しを容易にするために指部38の少なくともいくつかから外側へ延びる突起部44を有するように構築されてもよい。突起部44は、エンジンのフランジ18との下方のスナップ係合に適切な工具(図示せず)でクリップ14を押す位置を提供する。
【0016】
それに加えて、クリップ14は、上方に延び、レール36からおおよそ垂直であるへり46を有してもよい。へり46は、カバー12に対するクリップ14の動きの度合いを制限することによって、カバー12およびフランジ18上の取り付けられた位置においてクリップ14を保持することを容易にできる。好ましくは、へりはカバー12から間隔を隔てて保持され、その間に生じる望ましくない振動およびノイズを防止する。図2〜4に示されるように、NVHが加えられた緩衝材48はへり46とカバー12との間の空間に配置され、緩衝材8は別の部品として提供され、その後へり46またはカバー12のいずれかに接着され、たとえばカバー12またはへり46のいずれかの上の所定の位置に成形される。
【0017】
クリップ14の指部38は、フランジ18とのスナップ係合を固定するように構成される。指部38は所定の位置に固定するが、カバーアセンブリ10に関連する、またはカバーアセンブリ10に従う部品の点検中のように、指部38は、固定された係合を選択的に開放することができることが認識される。エンジンからカバーアセンブリ10の組み立ておよび取り外しを容易にするために、クリップの指部38の端部で表される第2の部分34は、エンジン上のフランジとのカム係合のための傾斜したカム表面52を有する、外側へ広がる延出部50を有していてもよい。クリップの第2の部分34の延びる係合面54を、フランジ18の支持表面18との連結に至らせるために、表面52がフランジ18を取り外すまで、傾斜したカム表面52により、指部38をフランジ18の外側から付勢させる(図3)。
図4に示されるように、フランジ18は厚み(D)を有し、カバーアセンブリ10はシール20のシーリング底面50および指部38の係合面54の間の厚み(d)を有し、厚み(D)は厚み(d)よりも大きい。このように、カバーアセンブリ10をエンジン上で下方に押すと、カム表面52はフランジ18と係合し、指部38がフランジ18から外側に向けて付勢される。指部38は外側から付勢されて、緩衝材16が押し込まれ、および/または、指部38が弾性的に曲げられる。エラストマー緩衝材16およびエラストマーシール20は、係合面54が、フランジ18の下方の表面56とのスナップ係合のために十分な量だけ押し込まれる。したがって、緩衝材16および/またはシール20が押し込まれると、距離(d)はフランジの厚み(D)と実質的に等しくなるように増加される。上記のように、係合面54がフランジ18の底面56を超えると、指部38は付勢され、係合面54をフランジ18の表面56との固定された係合に至らせるように、一般的に付勢されていない位置まで跳ね返され、これにより指部38に意図的に加えられた外力により支配されるまでエンジンからカバーアセンブリ10が取り外されることを防止する。
【0018】
図5には、本発明の他の局面にしたがった他のカバーアセンブリ110が示され、上記と同様の特徴を認識するために100だけオフセットした参照符号が用いられる。
【0019】
アセンブリ110は、エンジンのフランジ118とのスナップ係合のための上記とおおよそ同様に構成されたカバー112を有する。したがって、カバー112は周囲自由端122と、クランプ面126およびシール120の受け入れのための溝128を有するフランジ124とを有する。それに加えて、アセンブリ110は、ポリマーまたは金属材料から構成され、フランジ118に対するカバー112のスナップ係合を容易にするために、クランプ114を含む。
【0020】
しかしながら、上述したようなレール36を有するよりもむしろ、カバー112およびフランジ118に個別にスナップ取り付けをするためにクリップ114は互いに別の部品である。クリップ114の一般的な形態は、上述した指部38と同様である。そのようなものとして、クリップ114は、概して132で示される第1の部分と、概して134で示される第2の部分と、カム面152と、係合面154とを有する。第1の部分132はフランジ124のクランプ面126に対しておおよそ平行であり、個々のNVHエラストマー緩衝材116は、各々のクリップの第1の部分132およびフランジ123の間におおよそ均一に挟まれ、押し込まれる。そのようなものとして、第1の実施の形態に示されるような1つの緩衝材16よりもむしろ、第1の部分132に横たわるようにサイズ決めされた別の緩衝材16がここでは組み込まれている。緩衝材116は、第1の部分132から別の部品として構築および保持されていてもよく、あるいは、たとえば接着剤を介してまたは成形プロセスのように、どちらかに結合されてもよい。
【0021】
図7に示されるように、クリップ114の係合面154およびシール120のシーリング底面158は厚み(d)を有し、フランジ118は厚み(D)を有する。そのようなものとして、カバー112に対するクリップ114およびフランジ118のアセンブリは、上述したように、エンジンのフランジ118とのシールされたスナップ係合においてカバー112を保持するために、緩衝材160およびシール120の押し込みをもたらす。それ以外は、カバーアセンブリ110は上述したように一般的には同様であるので、さらなる詳細な説明は本実施の形態の理解に必要としない。
【0022】
図8において、本発明の他の局面にしたがった他のカバーアセンブリ210が示され、上記と同様の特徴を認識するために200だけオフセットした参照符号が用いられる。
【0023】
アセンブリ210は、エンジンのフランジ218とのスナップ係合のために構築されたカバー212およびレール236を有する。カバー212およびレール236は別の材料片から形成され、材料の含有量は用途に応じ、同じであっても異なっていてもよい。たとえば、カバー212およびレール236は、金属および/またはポリマーの材料から構成されていてもよい。カバー212およびレール236は、以降NVHブリッジ216と言及されるNVHエラストマー緩衝材により互いに取り付けられてもよい。NVHブリッジ216は、カバー212およびレール236が外周において互いに間隔を隔てた位置関係に保持されるように、カバー212および236の外周に封入される。
【0024】
レール236は、複数の指部238を有し、指部238は、フランジ218に対する個々のスナップ取り付けのために、互いに間隔を隔てて、かつ分離している。指部238の一般的な形状は上述した指部38と同様である。このようなものとして、指部238は、フランジ218の下の表面256とのスナップ係合のためのカム表面252および係合面254を有する。
【0025】
カバーアセンブリ210は、アセンブリおよびフランジ218の間の流体密封シールを確立するためのシール220も含む。シール220は、NVHブリッジ216とは別の材料片として提供されてもよく、示されているように、NVHブリッジ216と単一の材料であってもよい。したがって、シール220はNVHブリッジ216の成形中、レール236の底面に成形される。NVH216およびシール220はたとえばゴム、シリコーンのような同じエラストマー材料を用いて成形されてもよく、あるいは互いに離れた関係で、所望の似ていない材料で成形されてもよい。
【0026】
図10に示されるように、指部238の係合面254およびシール220のシーリング底面258は厚み(d)を有し、指部218は厚み(D)を有する。このようなものとして、フランジ218との指部238のスナップ係合は、上述したように、シール220の押し込みにより、エンジンのフランジ218と封止係合においてカバーアセンブリ210を保持する。
【0027】
図11には、本発明の他の局面にしたがった他のカバーアセンブリ310が示され、上記と同様の特徴を認識するために300だけオフセットした参照符号が用いられる。
【0028】
アセンブリ310は、エンジンのフランジ318とのスナップ係合のために構築されたカバー312およびレール336を有する。カバー312およびレール336は別の材料片から形成され、材料の含有量は用途に応じ、同じであっても異なっていてもよい。たとえば、カバー312およびレール336は、金属および/またはポリマーの材料から構成されていてもよい。カバー312およびレール336は、鋳造または成形プロセスにおいて互いに取り付けられる。現時点での1つの好ましい形態として、レール336はたとえばスタンプ鋼板のような金属から形成されてもよく、カバー312はレール336の自由端にプラスチック材料から成形されてもよい。たとえば、図7に示されるようなNVHブリッジ(図示せず)は、カバー312をレール336に接続するために成形されてもよいことは、認識される。
【0029】
レール336は、複数の指部338を有し、指部338は、フランジ318に対する個々のスナップ取り付けのために、互いに間隔を隔てて、かつ分離している。指部338の係合面354を形成する自由端がフランジ318を取り外し、フランジ318下の表面356とのスナップ係合が動くまで、フランジ318に対して指部338を外側に付勢することを容易にするために、指部338は上方かつ内側に延びるカム表面352を有する。
【0030】
カバーアセンブリ310は、レール336およびフランジ318の間の流体密封シールを確立するためのシール320を含む。シール320は、ここではカバー312から分れて形成された部材として表されている。シール320は、たとえばナイロンや金属のようなシール320の材料よりも別の材料から形成されるキャリア72を有するように示されている。シール320を形成する材料は、たとえばシリコーンのような即時重合エラストマーを用いた液体のエラストマー成形プロセスにおいて形成されてもよい。シール320は、レール336およびフランジ324の間に流体密封シールを形成することを容易にするために、起伏する上面および下面74,75を有するように表したが、一例であり、限定されない。
【0031】
図13に示されるように、指部338の係合面354およびシール320のシーリング表面358は厚み(d)を有し、フランジ318は厚み(D)を有する。そのようなものとして、指部338とフランジ318とのスナップ係合は、上述したように、シール320の押し込みにより、エンジンのフランジ318とのシールされた係合において、カバーアセンブリ310を保持する。
上記の教示に鑑み、明らかに、本発明の多くの修正および変形が可能である。それゆえに、添付された請求項の範囲内において、この発明は、特に記載された以外にも実行され得ると解される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじ部品の使用をしない内燃機関エンジンへの取り付けのためのカバーアセンブリであって、
カバーと、
前記カバーから延びる第1の部分と、前記エンジンとのスナップ係合のための堅い第2の部分とを有するクリップと、
前記クリップおよび前記カバーの間に、それらの間の振動の伝達を抑制するために配置されたエラストマー緩衝材とを備え、前記エラストマー緩衝材は、前記第2の部分および前記エンジンの間の直接係合を提供するために前記第2の部分から間隔をおいて配置される、カバーアセンブリ。
【請求項2】
前記クリップは前記カバーとは別の材料片で形成され、前記エラストマー緩衝材は前記カバーの自由端および前記クリップの前記第1の部分に取り付けられる、請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項3】
前記カバーは、前記クリップの前記第1の部分を支持するために配置された外側に向かって延びるフランジを有し、前記クリップの前記第1の部分は、互いに間隔を隔てた位置関係にある第2の部分に応じて、複数の指部を有する細長いレールを含む、請求項2に記載のカバーアセンブリ。
【請求項4】
前記エラストマー緩衝材は、前記レールまたは前記フランジの少なくとも一方に結合される、請求項3に記載のカバーアセンブリ。
【請求項5】
複数のタブは、前記エラストマー緩衝材との係合のために前記レールに従属する、請求項3に記載のカバーアセンブリ。
【請求項6】
前記第2の部分は、前記エンジンとの直接の係合のために前記レールと実質的に平行に延びる係合面を含む、請求項3に記載のカバーアセンブリ。
【請求項7】
前記エラストマー緩衝材とは別のエラストマーシールをさらに備え、前記フランジはその中で上方に延びる周囲の溝を有し、前記エラストマーシールは前記溝内の一部分に配置され、前記エンジンとの封止係合を提供するためにそこから外側に延びる、請求項2に記載のカバーアセンブリ。
【請求項8】
前記エンジンとの封止係合のために前記クリップに取り付けられたエラストマーシールをさらに備えた、請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項9】
前記エラストマーシールは、材料として前記エラストマー緩衝材で形成される、請求項8に記載のカバーアセンブリ。
【請求項10】
前記第2の部分は、前記エンジンとのカム係合のための傾斜したカム表面を有する、請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項11】
ねじ部品の使用をしない内燃機関エンジンのフランジへカバーアセンブリを取り付ける方法であって、
カバーを提供する工程と、
第1の部分と、前記カバーから離れるように延びる第2の部分とを有するクリップを提供する工程と、
前記クリップの前記第1の部分および前記カバーの間に、前記クリップの前記第2の部分から間隔を隔てた位置関係となるように、エラストマー緩衝材を配置する工程と、
前記緩衝材と係合するように前記クリップの前記第1の部分を押して、前記フランジと固定されて係合するように前記クリップの前記第2の部分をはめ込む工程とを備えた、方法。
【請求項12】
前記カバーとは別のクリップを提供する工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
互いに間隔を隔てた位置関係にある前記レールから第2の部分に応じて、複数の指部を有する細長いレールを含む前記クリップを提供する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記エラストマー緩衝材との係合のために前記レールに従属する複数のタブを形成する工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
周囲自由端を有する前記カバーを提供する工程と、前記自由端および前記クリップの前記第1の部分に前記エラストマー緩衝材を取り付ける工程とをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記自由端および前記クリップの前記第1の部分に前記エラストマー緩衝材を成形する工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
材料として前記エラストマー緩衝材でエラストマーシールを成形する工程をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
エンジンであって、
前記エンジンの一部から延びるフランジと、
カバーと、
前記カバーから延びる第1の部分と、前記フランジとのスナップ係合のための堅い第2の部分とを有するクリップと、
前記クリップおよび前記カバーの間の振動の伝達を抑制するために、それらの間に配置されるエラストマー緩衝材とを備え、前記緩衝材は、前記第2の部分および前記フランジの間の直接の係合を提供するために、前記第2の部分から間隔が隔てられる、エンジン。
【請求項19】
前記クリップは、前記カバーとは別の材料片で形成される、請求項18に記載のエンジン。
【請求項20】
前記カバーは、前記クリップの前記第1の部分を支持するために配置された外側に向かって延びるカバーフランジを有し、前記クリップの前記第1の部分は、互いに間隔を隔てた位置関係にある第2の部分に応じて、複数の指部を有する細長いレールを含む、請求項19に記載のエンジン。
【請求項21】
前記エラストマー緩衝材は、前記レールまたは前記カバーフランジの少なくとも一方に結合される、請求項20に記載のエンジン。
【請求項22】
前記エラストマー緩衝材とは別のエラストマーシールをさらに備え、前記カバーフランジはその中で上方に延びる周囲の溝を有し、前記エラストマーシールは前記溝内の一部分に配置され、前記エンジンの前記フランジとの封止係合を提供するためにそこから外側に延びる、請求項20に記載のエンジン。
【請求項23】
前記エンジンの前記フランジとの封止係合のために前記クリップに取り付けられたエラストマーシールをさらに備えた、請求項18に記載のエンジン。
【請求項24】
前記エラストマーシールは、材料として前記エラストマー緩衝材で形成される、請求項23に記載のエンジン。
【請求項25】
前記第2の部分は、前記エンジンの前記フランジとのカム係合のための傾斜したカム表面を有する、請求項18に記載のエンジン。
【請求項1】
ねじ部品の使用をしない内燃機関エンジンへの取り付けのためのカバーアセンブリであって、
カバーと、
前記カバーから延びる第1の部分と、前記エンジンとのスナップ係合のための堅い第2の部分とを有するクリップと、
前記クリップおよび前記カバーの間に、それらの間の振動の伝達を抑制するために配置されたエラストマー緩衝材とを備え、前記エラストマー緩衝材は、前記第2の部分および前記エンジンの間の直接係合を提供するために前記第2の部分から間隔をおいて配置される、カバーアセンブリ。
【請求項2】
前記クリップは前記カバーとは別の材料片で形成され、前記エラストマー緩衝材は前記カバーの自由端および前記クリップの前記第1の部分に取り付けられる、請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項3】
前記カバーは、前記クリップの前記第1の部分を支持するために配置された外側に向かって延びるフランジを有し、前記クリップの前記第1の部分は、互いに間隔を隔てた位置関係にある第2の部分に応じて、複数の指部を有する細長いレールを含む、請求項2に記載のカバーアセンブリ。
【請求項4】
前記エラストマー緩衝材は、前記レールまたは前記フランジの少なくとも一方に結合される、請求項3に記載のカバーアセンブリ。
【請求項5】
複数のタブは、前記エラストマー緩衝材との係合のために前記レールに従属する、請求項3に記載のカバーアセンブリ。
【請求項6】
前記第2の部分は、前記エンジンとの直接の係合のために前記レールと実質的に平行に延びる係合面を含む、請求項3に記載のカバーアセンブリ。
【請求項7】
前記エラストマー緩衝材とは別のエラストマーシールをさらに備え、前記フランジはその中で上方に延びる周囲の溝を有し、前記エラストマーシールは前記溝内の一部分に配置され、前記エンジンとの封止係合を提供するためにそこから外側に延びる、請求項2に記載のカバーアセンブリ。
【請求項8】
前記エンジンとの封止係合のために前記クリップに取り付けられたエラストマーシールをさらに備えた、請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項9】
前記エラストマーシールは、材料として前記エラストマー緩衝材で形成される、請求項8に記載のカバーアセンブリ。
【請求項10】
前記第2の部分は、前記エンジンとのカム係合のための傾斜したカム表面を有する、請求項1に記載のカバーアセンブリ。
【請求項11】
ねじ部品の使用をしない内燃機関エンジンのフランジへカバーアセンブリを取り付ける方法であって、
カバーを提供する工程と、
第1の部分と、前記カバーから離れるように延びる第2の部分とを有するクリップを提供する工程と、
前記クリップの前記第1の部分および前記カバーの間に、前記クリップの前記第2の部分から間隔を隔てた位置関係となるように、エラストマー緩衝材を配置する工程と、
前記緩衝材と係合するように前記クリップの前記第1の部分を押して、前記フランジと固定されて係合するように前記クリップの前記第2の部分をはめ込む工程とを備えた、方法。
【請求項12】
前記カバーとは別のクリップを提供する工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
互いに間隔を隔てた位置関係にある前記レールから第2の部分に応じて、複数の指部を有する細長いレールを含む前記クリップを提供する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記エラストマー緩衝材との係合のために前記レールに従属する複数のタブを形成する工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
周囲自由端を有する前記カバーを提供する工程と、前記自由端および前記クリップの前記第1の部分に前記エラストマー緩衝材を取り付ける工程とをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記自由端および前記クリップの前記第1の部分に前記エラストマー緩衝材を成形する工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
材料として前記エラストマー緩衝材でエラストマーシールを成形する工程をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
エンジンであって、
前記エンジンの一部から延びるフランジと、
カバーと、
前記カバーから延びる第1の部分と、前記フランジとのスナップ係合のための堅い第2の部分とを有するクリップと、
前記クリップおよび前記カバーの間の振動の伝達を抑制するために、それらの間に配置されるエラストマー緩衝材とを備え、前記緩衝材は、前記第2の部分および前記フランジの間の直接の係合を提供するために、前記第2の部分から間隔が隔てられる、エンジン。
【請求項19】
前記クリップは、前記カバーとは別の材料片で形成される、請求項18に記載のエンジン。
【請求項20】
前記カバーは、前記クリップの前記第1の部分を支持するために配置された外側に向かって延びるカバーフランジを有し、前記クリップの前記第1の部分は、互いに間隔を隔てた位置関係にある第2の部分に応じて、複数の指部を有する細長いレールを含む、請求項19に記載のエンジン。
【請求項21】
前記エラストマー緩衝材は、前記レールまたは前記カバーフランジの少なくとも一方に結合される、請求項20に記載のエンジン。
【請求項22】
前記エラストマー緩衝材とは別のエラストマーシールをさらに備え、前記カバーフランジはその中で上方に延びる周囲の溝を有し、前記エラストマーシールは前記溝内の一部分に配置され、前記エンジンの前記フランジとの封止係合を提供するためにそこから外側に延びる、請求項20に記載のエンジン。
【請求項23】
前記エンジンの前記フランジとの封止係合のために前記クリップに取り付けられたエラストマーシールをさらに備えた、請求項18に記載のエンジン。
【請求項24】
前記エラストマーシールは、材料として前記エラストマー緩衝材で形成される、請求項23に記載のエンジン。
【請求項25】
前記第2の部分は、前記エンジンの前記フランジとのカム係合のための傾斜したカム表面を有する、請求項18に記載のエンジン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2011−508852(P2011−508852A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541591(P2010−541591)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/030262
【国際公開番号】WO2009/089242
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/030262
【国際公開番号】WO2009/089242
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
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