説明

車両侵入検知システムおよび方法

【課題】誤検知の可能性を低減しつつ、侵入位置を特定可能とした車両侵入検知システムを提供することである。
【解決手段】提案する車両侵入検知システムは、送受信機15と、該送受信機15からの信号に応答して、自タグのID情報を含む反射波を送信する無線タグ40とを有する。送受信機15は、無線タグ40から受信されたID情報を含む反射波から、該ID情報を抽出するID情報抽出部28と、前記受信された反射波の電波強度を測定する電波強度測定部31と、前記測定された反射波の電波強度の、電波強度の基準値からの変化の度合いにより、内部への侵入の有無を検知する侵入検知部32と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両への人などの不正侵入を検知するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
建物、車両(乗用車、バス等)等に窓ガラスを破るなどして人が不正に侵入することがある。その不正侵入を検知するための技術が各種知られている。
第1の従来技術として非特許文献1等では、車両内に設置された送受信機から電波が送信される。そして、その電波が障害物により反射したり、周辺ノイズと干渉したりして生じた反射波を受信している。受信された反射波の変化の度合いにより、外部からの侵入の有無を検知している。
【0003】
また、第2の従来技術として特許文献1には、車両中央部に設置された発信機からの電波を、各ドア内部に組み込まれた検知機で受信し、その受信した電波の電波強度を予め定められた閾値と比較することにより侵入の有無を検知する侵入検知システムが示されている。
【0004】
しかし、第1の従来技術では、人が侵入したことを検知できても、侵入位置までは特定できない。また、周辺ノイズが大きい環境等に車両がある場合、ノイズの変化などを人の侵入と誤検知する可能性があり、十分な検知精度が得られない。
【0005】
また、第2の従来技術では、発信機からの電波の受信強度を閾値と比較して侵入検知を行っているが、侵入位置までは特定できない。
なお、この他に、関連技術として、特許文献2では、窓ガラス部材の損壊による不正侵入を検知し、警備会社等に通報する侵入検知システムが示されている。このシステムでは、ガラス部材に電子回路(ICタグ等)を印刷し、そのICタグにおいて、損壊したガラス部材のインピーダンスや誘電率の、非損壊時の値からの変化により侵入検知を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−100602号公報
【特許文献2】特開2007−328380号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】富士通テン技報34号(1999年11月)、車両盗難防止用侵入検知センサの開発
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上の問題点を考慮してなされたものであり、誤検知の可能性を低減しつつ、侵入位置を特定可能とした車両侵入検知システムおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
提案する第1の車両侵入検知システムは、1以上の無線タグへ無線信号を送信する送信手段と、前記1以上の無線タグから返ってくる反射変調信号を受信する受信手段とを有する送受信機と、前記送受信機から送信される前記無線信号を受信し、各無線タグのID情報で前記無線信号を変調して得られる前記反射変調信号を前記送受信機へ返信する前記1以上の無線タグと、を備えた車両侵入検知システムである。この第1の車両侵入検知システムにおいて、前記送受信機は、受信した前記反射変調信号を復調し、復調された信号から前記ID情報を抽出するID情報抽出部と、受信した前記反射変調信号の電波強度を検出する電波強度検出部と、前記電波強度検出部により検出された前記反射変調信号の電波強度から、抽出された前記ID情報に対応する無線タグとの間への侵入の有無を検知する侵入検知部と、を有する。これらにより、誤検知の発生を低減でき、侵入位置を特定することができる。
【0010】
提案する第2の車両侵入検知システムは、1以上の無線タグへ無線信号を送信する送信手段と、前記1以上の無線タグから返ってくる反射変調信号を受信する受信手段とを有する複数の送受信機と、前記複数の送受信機から送信される前記無線信号を受信し、各無線タグのID情報で前記無線信号を変調して得られる前記反射変調信号を前記複数の送受信機へ返信する前記1以上の無線タグと、を備えた車両侵入検知システムである。この第2の車両侵入検知システムにおいて、前記複数の送受信機は、それぞれの通信エリア内にある無線タグから受信した前記反射変調信号を復調し、復調された信号から前記ID情報を抽出するID情報抽出部と、受信した前記反射変調信号の電波強度を検出する電波強度検出部と、前記電波強度検出部により検出された前記反射変調信号の電波強度から、抽出された前記ID情報に対応する無線タグとの前記自装置との間への侵入の有無を検知する侵入検知部と、をそれぞれ有する。これにより、通信可能範囲が制限されている場合でも、大型車両にも本システムを適用することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、誤検知の可能性が低く且つ侵入位置を特定することが可能な侵入検知システムが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態の車両侵入検知システムが搭載された車の外観図である。
【図2】車内への侵入の一例を示した図である。
【図3】図1の車を上方から見た図である。
【図4】第1実施形態の車両に搭載される車両侵入検知システムの詳細を示すブロック図である。
【図5】電波強度基準値情報のデータ構造を示す図である。
【図6】第1実施形態の検知結果情報のデータ構造を示す図である。
【図7】図4の無線タグの変形例を示す図である。
【図8】侵入検知処理のフローチャートである。
【図9】第2実施形態における車両侵入検知システムが搭載されたバスを上方から見た図である。
【図10】第2実施形態の検知結果情報のデータ構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細を説明する。
図1は、第1実施形態の車両侵入検知システムが搭載された車の外観図である。
図1に示すように、車の天井の中央部に送受信機1が設置されるとともに、前方ドアの内部上方に無線タグ(RFID(Radio Frequency Identify Device)タグ)3−1、後方ドアの内部上方に無線タグ4−1、後部の窓の中央下方側に無線タグ5が設置されている。
【0014】
窓ガラスを破って車内への不正な侵入が行われるものとする。この場合、侵入位置によって、いずれかの無線タグと、送受信機1との間の電波が人体により遮られ、送受信機1側で測定される受信電波強度が変化する(弱まる)。
【0015】
例えば図2では、人体の一部(人の手)が車内への侵入時に、後方ドアの内部上方に設置された無線タグ4−1と、送受信機1との間にきて、送受信機1に受信される無線タグ4−1からの電波強度が弱められる。なお、以下では、応答としての無線タグからの送信波のことを“反射波”と呼ぶ。
【0016】
各無線タグは、送受信機からの信号に応答して、ID情報を含む反射波を変調し送信するタグである。そこで、受信電波強度の変化の度合いを送受信機1側で見るとともに、反射波を復調して無線タグのID情報を抽出することで、変化の度合いが大きい無線タグを特定することができ、侵入位置(特定された無線タグと送受信機の間のどこか)を知ることができる。
【0017】
図3は、図1の車を上方から見た図である。
図3に示すように、車は、前方窓ガラス8、後方窓ガラス9、左前方ドアの窓ガラス6−1、右前方ドアの窓ガラス6−2、左後方ドアの窓ガラス7−1、右後方ドアの窓ガラス7−2、天井中央部の送受信機1、を有している。
【0018】
車内への侵入が、後方窓ガラス9、左前方ドアの窓ガラス6−1、右前方ドアの窓ガラス6−2、左後方ドアの窓ガラス7−1、右後方ドアの窓ガラス7−2、を通して、例えば窓ガラスを破ってドアを開けることで行われることを想定していることから、後方窓ガラス9、左前方ドアの窓ガラス6−1、右前方ドアの窓ガラス6−2、左後方ドアの窓ガラス7−1、右後方ドアの窓ガラス7−2の近辺に、無線タグ5、3−1、3−2、4−1、4−2がそれぞれ設置されている。
【0019】
図4は、第1実施形態の車両に搭載される車両侵入検知システムの詳細を示すブロック図である。
図4では、送受信機15と無線タグ40が1台ずつしか示されていないが、実際には、送受信機15と複数台の無線タグ(図3では5台)とを車両侵入検知システムは有する。
【0020】
図4に示すように、送受信機15は、発振回路16、変調回路18、送信回路21、アンテナ22、受信回路24、復調回路26、ID抽出回路28、電波強度測定回路31、侵入検知回路32、メモリ33、を有する。
【0021】
また、無線タグ40は、アンテナ41、電源生成部42、検波回路43、復号回路44、論理回路45、変調回路46、を有する。
送受信機15の発振回路16は、搬送波を発振する。変調回路18は、搬送波を変調して送信データ信号として送信回路21を通してアンテナ22に供給する。
【0022】
送受信機15からの送信データ信号はアンテナ22から電磁界として放出(電波として送信)される。
送受信機15からの送信データ信号(電波)は、アンテナ41を通して無線タグ40に受信される。電源生成部42は、受信電力を整流することで電力を取り出し、各部に供給する。また、受信された電波は検波回路43により検波され、復号回路44により復号される。そして、復号されたデータを基に論理回路45において、自装置(無線タグ)のID情報が送信データに付加されるとともに、後段の変調回路46にID情報が付加された送信信号を出力するタイミングを生成し、生成されたタイミングで、変調回路46にID情報が付加された送信信号(処理結果の信号)が出力され、変調回路46において、処理結果の信号を搬送波にのせることで変調が行われ、アンテナ41を通してバックスキャッタ信号(反射波)として送信される。ここでは、変調方式が振幅変位(ASK)の場合を想定していて、スイッチ47の導通、非導通を、「0」、「1」あるいは「1」、「0」に対応させて変調を行っている。
【0023】
なお、このように、論理回路45にタイミング発生機能を設け、無線タグ側で送信タイミングをずらすことで、混信を防ぐこともできるし、送受信機15からの送信データ信号に無線タグのID情報を含め、復調結果から取り出されたそのID情報が自装置のID情報に一致するかどうかを判別する機能を論理回路45にタイミング発生機能の代わりに設け、取り出されたID情報が自装置のID情報に一致した場合のみ返信するようにして混信を防ぐこともできる。また、それ以外の方法で混信を防いでもよい。
【0024】
無線タグ40からの反射波は、アンテナ22、受信回路24を通して送受信機15に受信される。そして、受信回路24から復調回路26および電波強度測定回路31に出力される。
【0025】
電波強度測定回路31は反射波の電波強度を測定し、測定された反射波の電波強度値を侵入検知回路32に出力する。
復調回路26は反射波を復調し、復調結果の信号をID抽出回路28に出力する。
【0026】
ID抽出回路28は、復調結果の信号から反射波の送信元のID情報を抽出し、抽出したID情報を侵入検知回路32に出力する。
侵入検知回路32は、電波強度測定回路31から測定された反射波の電波強度値を受け取るとともに、ID抽出回路28から抽出したID情報を受け取る。そして、メモリ33内の電波強度基準値情報34から電波強度基準値を取得し、測定された反射波の電波強度の、その取得した電波強度基準値からの変化の度合いにより、上記抽出したID情報を持つ無線タグと、送受信機15との各設置位置の間の空間への侵入の有無を検知する。そして、検知結果をメモリ33内の検知結果情報35に書き込む。なお、測定された反射波の電波強度が電波強度基準値よりも所定値以上低いかどうか、測定された反射波の電波強度の電波強度基準値に対する割合が所定割合より低いかどうか等により、上記“変化の度合い”を判別する。
【0027】
続いて、電波強度基準値情報34および検知結果情報35について説明する。
電波強度基準値情報34は無線タグからの反射波の電波強度基準値を記憶したテーブルである。そのデータ構造としては、次の2つが考えられる。
【0028】
・無線タグ(のID)毎に基準値を設定する
・無線タグ(のID)にかかわらず、基準値を一律に設定する(精度が許す場合)
無線タグ(のID)毎に基準値を設定する場合の電波強度基準値情報34のデータ構造を図5に示した。
【0029】
無線タグ(のID)毎に基準値を設定する場合でも、固定値を予めメモリに記憶しておく方法や、車両(車など)が停止し本システムが起動してから最初の所定期間の間のみ(あるいは、任意の時刻において、直近の所定期間の)各無線タグの反射波の電波強度の測定値を保持し、無線タグ毎に、その所定期間で時間平均をとって基準値を決める方法などがある。
【0030】
基準値を一律に設定する場合も同様であり、固定値を予めメモリに記憶しておく方法や、車両(車など)が停止し本システムが起動してから最初の所定期間の間のみ(あるいは、任意の時刻において、直近の所定期間の)各無線タグの反射波の電波強度の測定値を保持し、各無線タグおよびその所定期間で平均をとって基準値を決める方法などがある。
【0031】
また、検知結果情報35のデータ構造は、図6に示すように、無線タグ(のID)と、検知結果の項目を有する。検知結果は、OK(侵入がないことを示す)と、NG(侵入の疑いがあることを示す)の2つの値を持つフラグ情報である。例えば検知結果の値は“OK”に初期化されている。侵入検知回路32は、測定された反射波の電波強度の、電波強度基準値からの変化の度合いが大きい場合に、ID抽出回路28から受け取ったID情報を持つ検知結果情報35のレコード(行)の“検知結果”の値を“NG”に設定する。
【0032】
なお、無線タグとしては、図4に示すパッシブ型のタグの他に、図7に示すようなセミパッシブ型のタグも使用可能である。セミパッシブ型のタグにおいては、図7に示すように、電源生成部の代わりに電池51を有し、この電池51から各部に電源を供給している。
【0033】
図8は、侵入検知処理のフローチャートである。このフローチャートの処理は無線タグから反射波を受信する毎に送受信機により実行される。
始めに、無線タグ40からの反射波が、アンテナ22、受信回路24を通して送受信機15に受信される。そして、図8のステップS1で、受信した反射波が受信回路24から復調回路26および電波強度測定回路31に出力される。
【0034】
ステップS1に続くステップS2では、復調回路26により反射波が復調され、復調結果の信号がID抽出回路28に出力される。続くステップS3では、ID抽出回路28により、復調結果の信号から反射波の送信元のID情報が抽出され、抽出されたID情報が侵入検知回路32に出力され、ステップS5に進む。
【0035】
一方、ステップS1に続くステップS4では、電波強度測定回路31により、反射波の電波強度が測定され、測定された反射波の電波強度値が侵入検知回路32に出力され、ステップS5に進む。
【0036】
ステップS3およびステップS4から制御を渡されたステップS5では、侵入検知回路32は、電波強度測定回路31から測定された反射波の電波強度値を受け取るとともに、ID抽出回路28から抽出したID情報を受け取る。そして、メモリ33内の電波強度基準値情報34から電波強度基準値を取得し、測定された反射波の電波強度の、その取得した電波強度基準値からの変化の度合いにより、上記抽出したID情報を持つ無線タグと、送受信機15との各設置位置の間の空間への人などの侵入の有無を検知する。
【0037】
そして、続くステップS6で、侵入検知回路32は、検知結果をメモリ33内の検知結果情報35に書き込む。すなわち、侵入検知回路32は、測定された反射波の電波強度の、電波強度基準値からの変化の度合いが大きい場合に、ID抽出回路28から受け取ったID情報を持つ検知結果情報35のレコード(行)の“検知結果”の値を“NG”に設定する。そして、一連の処理を終了する。
【0038】
なお、図4の送受信機15に設置するアンテナの数は1つである必要はなく複数個でもよい。
上記した一連の処理によって、侵入位置を示す情報である検知結果情報が設定され、人の侵入位置が判明する。人の侵入位置が判明すれば、写真、ビデオ撮影等の対策が可能となる。
【0039】
第1実施形態によれば、変調された反射波について、ID情報を抽出し、電波強度を測定している。変調された反射波を使用していることから誤検知の発生を低減できる。また、侵入検知部において、測定された反射波の電波強度の、電波強度の基準値からの変化の度合いにより、抽出されたID情報を持つ無線タグと、送受信機との各設置位置の間の空間への侵入の有無を検知している。よって、侵入位置を特定することができる。また、無線タグの配置、数を自由に変えられるため、車種毎の対応が容易に行える。また、無線タグとしては、配線により他ユニットから電源を供給されることをなくし、配置の自由度を高めるために、電池レス(パッシブ型RFID)、あるいは、電池あり(セミパッシブ型RFID)を採用している。
【0040】
なお、送受信機と無線タグとの間での通信に、UHF(Ultra High Frequency)帯以上の電波を使用することにより、電波の直線性を増すことができ、検知精度を高めることができる。また、バックスキャッタ信号を用いた通信の場合、通信可能距離が問題となることが多い。一般に各国の電波利用に関する法律に定められた電波出力強度では、通信可能距離が2〜3m程度であり、乗用車のような中・小型車の場合は、1台の送受信機で車内をカバーできるが、バス等の大型車となると、車内をカバーするために複数台の送受信機が必要となる。
【0041】
以下に説明する第2実施形態では、本システムの搭載対象の車両としてバスを想定する。
図9は、第2実施形態における車両侵入検知システムが搭載されたバスを上方から見た図である。
【0042】
図9に示すように、バスは、天井中央部前寄りに設置された送受信機61−1と、天井中央部後ろ寄りに設置された送受信機61−2、との2台の送受信機を有している。
図9において、円Aは、出力する信号の電波強度に応じた送受信機61−1の通信可能範囲を示しており、円Bは、出力する信号の電波強度に応じた送受信機61−2の通信可能範囲を示している。
【0043】
車内への侵入が窓ガラスを通して行われることを想定していることから、無線タグ62、63−1、63−2、64−1、64−2、65−1、65−2、66は、窓ガラスの下部近傍のバスのボディー内部に組み込まれている。円Aおよび円Bが示す通信可能範囲との関係から、送受信機61−1は無線タグ62、63−1、63−2、64−1、64−2と通信可能であり、送受信機61−2は無線タグ64−1、64−2、65−1、65−2、66と通信可能であることが分かる。
【0044】
図9において、送受信機61−1および送受信機61−2が互いの存在を認識せずに独立に動作したとしても、システムとして車内の侵入検知動作は実現できる。
使用環境によっては、検知結果情報を図4に示すように各送受信機で保持するよりも、外部の共通メモリに記憶させた方が好ましい場合もある。
【0045】
図9のメモリ67は、各送受信機の外部に設けられたメモリである。本実施形態のシステムは、選択的にメモリ67を備えることができる。メモリ67に記憶される検知結果情報68は、図10に示すように、送受信機ID、無線タグID、検知結果の各項目を有する。
【0046】
第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、複数の送受信機および複数の無線タグを車内に設置することにより、通信可能範囲が制限されている場合でも、大型車両にも本システムを適用することが可能となる。
【符号の説明】
【0047】
1、15、61−1、61−2 送受信機
3−1、3−2、4−1、4−2、5、40、50、62、63−1、63−2、64−1、64−2、65−1、65−2、66 無線タグ
6−1、6−2、7−1、7−2、8、9 車の窓ガラス
16 発振回路
18、46 変調回路
21 送信回路
22、41 アンテナ
24 受信回路
26、44 復調回路
28 ID抽出回路
31 電波強度測定回路
32 侵入検知回路
33、67 メモリ
34 電波強度基準値情報
35、68 検知結果情報
42 電源生成部
43 検波回路
45 論理回路
51 電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の無線タグへ無線信号を送信する送信手段と、前記1以上の無線タグから返ってくる反射変調信号を受信する受信手段とを有する送受信機と、前記送受信機から送信される前記無線信号を受信し、各無線タグのID情報で前記無線信号を変調して得られる前記反射変調信号を前記送受信機へ返信する前記1以上の無線タグと、を備えた車両侵入検知システムにおいて、
前記送受信機は、
受信した前記反射変調信号を復調し、復調された信号から前記ID情報を抽出するID情報抽出部と、
受信した前記反射変調信号の電波強度を検出する電波強度検出部と、
前記電波強度検出部により検出された前記反射変調信号の電波強度から、抽出された前記ID情報に対応する無線タグとの間への侵入の有無を検知する侵入検知部と、
を有することを特徴とする車両侵入検知システム。
【請求項2】
1以上の無線タグへ無線信号を送信する送信手段と、前記1以上の無線タグから返ってくる反射変調信号を受信する受信手段とを有する複数の送受信機と、前記複数の送受信機から送信される前記無線信号を受信し、各無線タグのID情報で前記無線信号を変調して得られる前記反射変調信号を前記複数の送受信機へ返信する前記1以上の無線タグと、を備えた車両侵入検知システムにおいて、
前記複数の送受信機は、
それぞれの通信エリア内にある無線タグから受信した前記反射変調信号を復調し、復調された信号から前記ID情報を抽出するID情報抽出部と、
受信した前記反射変調信号の電波強度を検出する電波強度検出部と、
前記電波強度検出部により検出された前記反射変調信号の電波強度から、抽出された前記ID情報に対応する無線タグとの前記自装置との間への侵入の有無を検知する侵入検知部と、をそれぞれ有することを特徴とする車両侵入検知システム。
【請求項3】
車両に設置された、1以上の無線タグへ無線信号を送信する送信手段と、前記無線タグから返ってくる反射変調信号を受信する受信手段とを有する送受信機と、前記送受信機から送信される前記無線信号を受信し、各無線タグのID情報で前記無線信号を変調して得られる前記反射変調信号を前記送受信機へ返信する前記1以上の無線タグと、が実行する車両への不正侵入検知方法において、
前記送受信機は、前記1以上の無線タグから返信される前記反射変調信号を受信したときに受信された前記反射変調信号の復調結果から前記ID情報を抽出するID情報抽出ステップと、
前記送受信機が受信した前記反射変調信号の電波強度を検出する電波強度検出ステップと、
前記送受信機が検出された前記反射変調信号の電波強度から、抽出された前記ID情報に対応する無線タグとの間への侵入の有無を検知する侵入検知ステップと、を有することを特徴とする車両侵入検知方法。

【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−280336(P2010−280336A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−136604(P2009−136604)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】