説明

車両及びコネクタ

【課題】 汎用性が高い車両及びコネクタを得る。
【解決手段】 シート10の背面に雌部材12を取付け、該雌部材12に後付の装備部品を取り付け可能な雄部材38を装着させることで、後付でシート10の背面に装備部品を設けることができる。また、シート10の背面やラゲッジルームに拘わらず、雌部材12の取付位置を、フロントパネル、床、天井、サイドパネル、トランクルーム等とし、各場所に応じた装備部品を装着できるようにする。これにより、車室内の場所に合わせて、ユーザの希望に合わせて装備部品を選択することができ、汎用性が高くなる。このため、ユーザにとって使い勝手の良い(ユニバーサルデザイン)車両を提供することができることとになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両及び車両などに取り付けられるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、車両の乗員が所持したり、車室内に置かれる荷物類は、後部座席あるいはリヤパーセルシェルフ等に載置されるが、コンビニの袋等の袋状のものは、後部座席やリヤパーセルシェルフに載置した場合、走行中の急停車、急ハンドル等により、袋が後部座席やリヤパーセルシェルフから落下したり、袋内の荷物類がフロアに散乱する等の不具合がある。
【0003】
このため、特許文献1では、車両用シートの背面側に袋を引っ掛けるためのフックを取付けることができるようにしている。具体的には、取付ケースとフックが収容されたフックケースとの2ピース体を使用すると共に、車両用シートのシートバックフレームに貫通孔を設け、シートバックパッドに取付孔を設けて、該取付孔内に取付ケースを収容した状態で、トリムカバーを介して取付ケース内にフックケースを差し込んで取付ケースとフックケースとを固定し、フックを使用可能としている。
【0004】
しかしながら、コンビニの袋等のようにフックに引っ掛けるための把持部を有する物は良いが、例えば、ティッシュケースなど把持部を備えていない物はフックを使用できないこととなり、汎用性が低い。また、フックケース内にゴミが溜まったり、フックを使用しない場合でも、フックケース内が見えるため、美観が損なわれてしまう。
【特許文献1】特開2000−177470号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事実を考慮して、汎用性が高く、また、美観を損なうことのない車両及びコネクタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、車両において、後付の装備部品に設けられた雄部材が挿入され、前記装備部品が装着可能な雌部材が車室内に設けられたことを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明では、後付の装備部品に雄部材を設け、車室内には雄部材が装着可能な雌部材を設けることで、後付の装備部品として、トレイを用いれば、トレイ上に荷物を載置することができ、区画壁を用いれば、ラゲッジルーム内を区画することができる。
【0008】
つまり、ユーザの希望に合わせて装備部品を選択することができ、汎用性が高くなる。このため、ユーザにとって使い勝手の良い(ユニバーサルデザイン)車両を提供することができることとになる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両において、前記雌部材の取付位置が、シート背面、フロントパネル、ラゲッジルーム、床、天井、ドアトリムであることを特徴とする。
【0010】
車室内の場所に応じて必要な装備部品は異なってくるため、請求項2に記載の発明では、雌部材の取付位置を、シート背面、フロントパネル、ラゲッジルーム、床、天井、ドアトリムとし、各場所に応じた装備部品を装着できるようにすることで、さらに汎用性が高くなる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車両において、前記装備部品に電力を供給する電力供給手段を前記雌部材に設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明では、装備部品に電力を供給する電力供給手段を雌部材に設けることで、例えば、雌部材をコンセントとして使用することができ、これにより、利便性が良いと思われる場所で、携帯電話の充電、クーラーボックス等の使用が可能となる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の雄部材と雌部材とで構成されるコネクタであって、前記雌部材が、箱体と、前記箱体の挿入口を覆い前記雄部材が挿入すると前記挿入口から退避する蓋体と、で構成されたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明では、雌部材が箱体を備えており、箱体の挿入口を蓋部で覆うようにしており、雄部材が装着されるときは、蓋体が該挿入口から退避するようにする。
【0015】
つまり、雄部材が装着されないときは、箱体の挿入口は蓋体によって覆われるため、箱体の内部にホコリが溜まったりすることはない。また、雄部材が装着されないとき、箱体の内部が車室内から見えることはないため、美観が損なわれることはない。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のコネクタにおいて、前記箱体の内側へ撓み可能であり、該箱体から外方へ張り出して車室内の取付パネルに係止される係止爪と、前記蓋体に設けられ前記挿入口を覆った状態で前記係止爪の内面に当接して撓みを防止する第1撓み防止壁と、を有することを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明では、箱体には、箱体の内側へ撓み可能な係止爪を設けており、箱体から外方へ張り出して車両内の取付パネルに係止される。これにより、箱体を取付パネルに取付け可能としている。このため、蓋体には第1撓み防止壁を設け、係止爪の内面に当接して係止爪の撓みを防止するようにしている。これにより、係止爪が取付パネルから外れないようにしている。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のコネクタにおいて、前記箱体内へ前記雄部材が挿入された状態で、前記係止爪の内面に当接して撓みを防止する第2撓み防止壁が前記雄部材に設けられたことを特徴とする。
【0019】
箱体内へ雄部材が挿入された状態で、蓋体は箱体の挿入口から退避するため移動する。このため、請求項6に記載の発明では、雄部材に第2撓み防止壁を設けることで、箱体内へ雄部材が挿入された状態で、係止爪の撓みを防止するようにしている。これにより、箱体内へ雄部材が挿入され、雌部材に雄部材が装着された状態でも、係止爪が取付パネルから外れないようにすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、上記構成としたので、請求項1〜3に記載の発明では、ユーザの希望に合わせて装備部品を選択することができ、汎用性が高くなるため、ユーザにとって使い勝手の良い(ユニバーサルデザイン)車両を提供することができることとになる。
【0021】
請求項4に記載の発明では、雄部材が装着されないときは、箱体の挿入口は蓋体によって覆われるため、箱体の内部にホコリが溜まったりすることはない。また、雄部材が装着されないとき、箱体の内部が車室内から見えることはないため、美観が損なわれることはない。
【0022】
請求項5及び6に記載の発明では、箱体に設けられた係止爪が取付パネルから外れないようにしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、本発明の第1実施の形態に係る車両について説明する。
【0024】
図1に示すように、車両11の車室内には乗員が着座するためのシート10が複数設けられており、シート10の背面にはコネクタ13が装着可能となっている。このコネクタ13は雌部材12及び雄部材38で構成されており、図4に示すように、シート10の背面に、略箱状の穴部10Aが凹設され、該穴部10A内に雌部材12が装着された後、雌部材12に雄部材38が装着可能となっている。
【0025】
ここで、図2〜図5及び図10(A)〜(F)を参照して、雌部材12について説明する。なお、図10は、雌部材12の(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は下面図、(D)は背面図、(E)は左側面図、(F)は右側面図を示している。
【0026】
雌部材12は略箱状のケース(箱体)14と、ケース14の挿入口16を覆うカバー(蓋体)18とで構成されている。ケース14の挿入口16にはフランジ部15が外側へ向かって張り出しており、シート10の背面に当接して位置決めされる。
【0027】
また、ケース14の広い面積側の側壁14Aには、係止爪20がそれぞれ突出しており、互いに対面しない位置、すなわち、各側壁14Aを正面として側壁14Aの右側に係止爪20が配置されている。
【0028】
この係止爪20の回りには切込み部22が形成されており、係止爪20がケース14の内側へ向かって弾性変形可能となっている。この係止爪20はシート10の背面のブラケット17に係止されるようになっており、これにより、ケース14がブラケット17に取付可能となっている。
【0029】
また、ケース14の側壁14A同士を架け渡す側壁14Bの長手方向中央部には、側壁14Bの長手方向に沿ってスライド孔24が形成されている。また、ケース14の底壁14Cの中央部には、環状のボス26が突設しており、コイルスプリング28の一端部が装着可能となっている。
【0030】
一方、カバー18は略箱状を成しており、カバー18の外形寸法は、ケース14の挿入口16の内形寸法よりも僅かに小さくなっている。ケース14の側壁14Aと対面するカバー18の側壁18Aは、係止爪20の内面側が当接可能となっており、係止爪20が内側へ撓まないようにして、ケース14がブラケット17から外れないように防止している。
【0031】
また、ケース14の側壁14Bと対面するカバー18の側壁18Bには、スライド孔24内へ挿入可能なストッパ爪30が突出しており、ストッパ爪30の回りには切込み部32が形成され、ストッパ爪30が内側へ向かって弾性変形可能となっている。
【0032】
さらに、カバー18の底壁18Cの中央部には、環状のボス34が突設しており、コイルスプリング28の他端部が装着可能となっている。
【0033】
カバー18の口部36側をケース14へ挿入し、ケース14の挿入口16にストッパ爪30が当接した状態で、カバー18をさらにケース14内へ押し込むと、ストッパ爪30が内側へ撓む。この状態のまま、カバー18をケース14の奥方へさらに押し込むと、ストッパ爪30がスライド孔24へ到達し、ストッパ爪30が復元する。
【0034】
カバー18はコイルスプリング28によって、ケース14から飛び出す方向へ付勢されるが、ストッパ爪30がスライド孔24の端部に当接した状態で、カバー18は移動規制される。この状態では、ケース14のフランジ部15の端面とカバー18の表面とが略面一の状態となる。
【0035】
そして、コイルスプリング28の付勢力の抗する方向へカバー18を押圧すると、ストッパ爪30がスライド孔24に沿って移動し、カバー18がケース14の奥方へ沈み込む(図7参照)。
【0036】
ところで、このケース14には、雄部材38が装着可能となっている。以下、図2〜図8及び図11〜図14を参照して、雄部材38について説明する。
【0037】
なお、図11は雄部材34の、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は下面図、(D)は背面図、(E)は左側面図、(F)は右側面図を示しており、図12の(A)は図11(A)のA−A矢視図、(B)は図11(B)のB−B矢視図、(C)は図11(B)のC−C矢視図、(D)は図10(A)のD−D矢視図、(E)は図10(B)のE−E矢視図、(F)は図10(B)のF−F矢視図である。
【0038】
また、図13は雌部材12に雄部材38が装着された状態を示す、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は下面図、(D)は背面図、(E)は左側面図、(F)は右側面図を示しており、図14の(A)は図13(A)のA−A矢視図、(B)は図13(B)のB−B矢視図、(C)は図13(B)のC−C矢視図である。
【0039】
雄部材38は、カバー18の口部36を覆い、該口部36よりも若干幅広の略コ字状の連結部40を備えており、中央部に略矩形状の連結孔40Aを貫通させるべく、連結部40の先端部には平板状の連結バー40Bが架け渡されている。 この連結バー40Bとは反対側の連結部40の外面からは、幅広の軸体42が延出している。この軸体42の幅方向の右側或いは左側には、軸線方向に沿って肉抜き部44が凹設されている。ここで、各側壁を正面として側壁の左側に肉抜き部44を設ける。これにより、軸体42のひけ等による変形を防止している。
【0040】
また、肉抜き部44が設けられていない側は、ケース14に設けられた係止爪20が当接する撓み防止壁46であり、カバー18の側壁18Aと略同一の高さとなっている。このため、ケース14内に雄部材38を装着するとき、撓み防止壁46が係止爪20と対面可能となるようにする。
【0041】
これにより、ケース14に雄部材38が装着された状態で、カバー18はケース14の奥方へ沈み込んだ後、係止爪20が撓み防止壁46に当接可能となるため、係止爪20が撓み防止壁46に当接した状態で係止爪20の撓みが防止される。このため、ケース14に雄部材38が装着された状態でも、係止爪20がブラケットから外れないようにすることができる。
【0042】
一方、軸体42の先端部の両側面からは、脚片48が連結部40側へ向かって斜めにそれぞれ延出しており、先端部には互いに軸体42に対して直交する方向へ向かって張り出す押圧片50が設けられている。
【0043】
また、押圧片50と連結部40との間には(図7参照)、隙間が設けられており、押圧片50を互いに近接する方向へ押圧することで、脚片48が弾性変形し、根元部を中心に回転して縮径する。
【0044】
また、脚片48の外面の略中央部には、押圧片50の根元部から所定の距離をおいて突起部52が突出している。軸体42及び脚片48はケース14内に収容可能となっており、突起部52はスライド孔24内へ挿入可能となっている。
【0045】
雄部材38の軸体42側をケース14内へ挿入し、ケース14の挿入口16に脚片48の外面が当接した状態で、雄部材38をさらにケース14内へ押し込む。これにより、脚片48は内側へ撓み、この状態のまま、雄部材38をケース14の奥方へさらに押し込むと、突起部52がスライド孔24へ到達し、脚片48が復元する。
【0046】
雄部材38は、カバー18を介してコイルスプリング28によって、ケース14から飛び出す方向へ付勢されているが、突起部52がスライド孔24の端部に当接した状態で、雄部材38は移動規制される(図7参照)。
【0047】
この状態で、押圧片50及び連結部40は車室内へ露出することとなる(図7参照)。そして、図9に示すように、連結部40に装備部品としてトレイ54などを取り付ける。ここで、トレイ54には専用の連結アーム54Aを設けている。この連結アーム54Aは鈎状に形成されており、連結バー40Bの壁面を覆うようにして連結し、固定する。
【0048】
これにより、車室内には後付で略箱状のトレイ54が配置されることとなる。このトレイ54の上にティッシュボックスなどを置くことで、後部座席やリヤパーセルシェルフに載置した場合と異なり、ティッシュボックスが落下したりする恐れが低減される。
【0049】
ところで、雄部材38を取外す場合、押圧片50を縮径する方向へ押圧し、脚片48を縮径させて、係止爪20をスライド孔24から外す。これにより、雄部材38が移動規制された状態が解除され、コイルスプリング28の付勢力によって、カバー18を介して雄部材38がケース14から押し出される。カバー18はスライド孔24内を移動するストッパ爪30がスライド孔24の端部に当接した状態で移動規制され、ケース14の挿入口16を覆う(図3及び図4参照)。
【0050】
次に、本発明の実施の形態に係る車両の効果について説明する。
【0051】
本発明では、シート10の背面に雌部材12を取付け、該雌部材12に後付の装備部品(トレイ54)を取付け可能な雄部材38を装着することで、後付でシート10の背面に装備部品を設けることができる。なお、ここでは、装備部品として、連結部40にトレイ54を連結させたが、トレイに限るものではなく、専用の灰皿、カップホルダー、ゴミ箱等を連結させても良い。
【0052】
また、連結部40を雄部材38に設け、該連結部40にトレイ54の連結アーム54Aを連結させるようにしたが、図15(A)に示すように、雄部材55に直接トレイ54等を設けるようにしても良い。
【0053】
さらに、シート10の背面に雌部材12を設けたが、シート10の背面に限るものではなく、例えば、ラゲッジルーム56に雌部材12を設け、図15(B)に示すように、装備部品として区画壁58を装着し、ラゲッジルーム56内を区画するようにしても良い。
【0054】
車室内の場所に応じて必要な装備部品は異なってくるため、シート10の背面やラゲッジルーム56に拘わらず、雌部材12の取付位置を、図16に示すように、フロントパネル60、床94、天井96、サイドパネル98、トランクルーム(図示省略)等とし、各場所に応じた装備部品を装着できるようにする。
【0055】
このように、車両の場所に合わせて、装備部品をトレイ54にしたり、区画壁58にしたりすることができるため、ユーザの希望に合わせて装備部品を選択することができ、汎用性が高くなる。このため、ユーザにとって使い勝手の良い(ユニバーサルデザイン)車両を提供することができることとになる。
【0056】
また、本発明では、雌部材12をケース14とカバー18とで構成し、雄部材38が雌部材12に装着されていないとき、ケース14の挿入口16をカバー18で覆われるようにすることで、ケース14の内部にはホコリが溜まったりすることはない。さらに、雄部材38が雌部材12に装着されないとき、ケース14の内部が車室内から見えることはないため、美観が損なわれることもない。
【0057】
なお、ここでは、雄部材38がケース14に装着されるとき、カバー18がケース14の奥方へ沈み込んで、ケース14の挿入口16からカバー18を退避させるようにしたが、これ以外にも、挿入口16に対してカバー18を回転させたり、スライドさせたりして、カバー18を挿入口16から退避させるようにしても良い。
【0058】
次に、第2実施の形態に係るコネクタについて説明する。
【0059】
ここでは、装備部品として携帯電話の充電器を適用させた場合について説明する。なお、第1実施の形態と略同一の内容に関しては説明を省略する。
【0060】
図18及び図19に示すように、ケース62の底壁62A側には、他の部分よりも外形寸法が小さい小幅部64が設けられており、大福部65に形成されたスライド孔24の延長線上には、外側へ向かって突出する係止爪66が形成され、内側へ向かって弾性変形可能となっている。
【0061】
さらに、大福部65の、係止爪20が形成された側壁の中央部には、小幅部64と繋がり面一となる装着部68が設けられており、装着部68とフランジ部15の間には開口部72が形成されている。
【0062】
一方、小幅部64には略箱状のケースカバー74が外挿可能となっている。このケースカバー74のケース62の係止爪66と対面する位置には、側壁の肉厚を薄くする方向に切欠き部76が形成されており、切欠き部76の奥方には係止口76Aが設けられ、さらに肉厚を薄くしている。
【0063】
ケースカバー74をケース62の小幅部64に外挿し、係止爪66が係止口76Aに到達した状態で、弾性変形していた係止爪66が復元し、係止口76Aに係止され、ケースカバー74がケース62に装着される。
【0064】
ケース62の装着部68の延長線上に位置するケースカバー74の底壁74Aには、一対の挿通孔75が形成されており、電極板78、80の一端部がそれぞれ挿通可能となっている。この電極板78、80が装着部68に装着される。電極板78、80の他端部は、湾曲形状を成す接点部78A、80Aとしており、開口部72内に配置される。
【0065】
ここで、電極板78、80はそれぞれフロントパネル60(図17参照)内に配設された図示しない電源に接続されたリード線に接続されている。
【0066】
一方、ケース62に装着される雄部材82には、雄部材82がケース62に装着された状態で接点部78A、80Aと対面する位置に、電極部84、86を設けており、雄部材82がケース62に装着された状態で、開口部72を通じて接点部78A、80Aが電極部84、86にそれぞれ接触し通電可能な状態となる。
【0067】
また、雄部材82には連結部40(図2参照)の代わりに箱状の充電器88が設けられている。電極部84、86にはそれぞれ導電性の板バネ90、92が接触しており、充電器88内へ携帯電話(図示省略)を収容した状態で、携帯電話のプラス側、マイナス側の接点がそれぞれ板バネ90、92に接触することで、携帯電話が通電され、充電されることとなる。
【0068】
このように、ケース62に電力を供給する電極板78、80を設けることで、装備部品を通電させることができ、装備部品として電光掲示板等を適用させることもできる。また、ケース62の未使用時においては、ケース62の挿入口70はカバー18によって塞がれるため、電極に接触することがないので、安全性が保たれる。
【0069】
さらに、雌部材12をコンセントとして使用することもでき、利便性が良いと思われる場所、例えば、図20に示すように、フロントパネル60、床94、天井96、サイドパネル98等で、クーラーボックス、ひげそり、照明等の使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1実施の形態に係るコネクタが適用された車両を示す説明図である。
【図2】本発明の第1実施の形態に係るコネクタを示す分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施の形態に係るコネクタを示す分解斜視図であり、カバーがケースの挿入口を覆っている状態を示している。
【図4】図3の横断面図である。
【図5】図3の縦断面図である。
【図6】本発明の第1実施の形態に係るコネクタを示す分解斜視図であり、ケース内に雄部材が装着された状態を示している。
【図7】図6の横断面図である。
【図8】図6の縦断面図である。
【図9】本発明の第1実施の形態に係るコネクタに装備部品を装着した状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の第1実施の形態に係るコネクタを構成する雌部材の、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は下面図、(D)は背面図、(E)は左側面図、(F)は右側面図を示している。
【図11】本発明の第1実施の形態に係るコネクタを構成する雄部材の、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は下面図、(D)は背面図、(E)は左側面図、(F)は右側面図を示している。
【図12】(A)は図11(A)のA−A矢視図、(B)は図11(B)のB−B矢視図、(C)は図11(B)のC−C矢視図、(D)は図10(A)のD−D矢視図、(E)は図10(B)のE−E矢視図、(F)は図10(B)のF−F矢視図である。
【図13】本発明の第1実施の形態に係るコネクタを構成する雌部材に雄部材が装着された状態を示す、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は下面図、(D)は背面図、(E)は左側面図、(F)は右側面図である。
【図14】図13の、図14の(A)は図13(A)のA−A矢視図、(B)は図13(B)のB−B矢視図、(C)は図13(B)のC−C矢視図である。
【図15】(A)、(B)は、本発明の第1実施の形態に係るコネクタの他の例を示す説明図である。
【図16】本発明の第1実施の形態に係るコネクタが適用された車両を示す説明図である。
【図17】本発明の第2実施の形態に係るコネクタを示す説明図である。
【図18】本発明の第2実施の形態に係るコネクタを示す分解斜視図である。
【図19】本発明の第2実施の形態に係るコネクタを構成する雌部材に雄部材が装着された状態を示す縦断面図である。
【図20】本発明の第2実施の形態に係るコネクタが適用された車両を示す説明図である。
【符号の説明】
【0071】
10 シート
11 車両
12 雌部材(コネクタ)
13 コネクタ
14 ケース(箱体、雌部材)
16 挿入口
18 カバー(蓋体、雌部材)
18A 側壁(第1撓み防止壁)
20 係止爪
34 雄部材(コネクタ)
46 撓み防止壁(第2撓み防止壁)
54 トレイ(装備部品)
55 雄部材(コネクタ)
56 ラゲッジルーム
58 区画壁(装備部品)
60 フロントパネル
62 ケース(箱体、雌部材)
70 挿入口
74 ケースカバー(箱体、雌部材)
78 電極板(電極供給手段)
80 電極板(電極供給手段)
82 雄部材
88 充電器(装備部品)
94 床
96 天井
98 サイドパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後付の装備部品に設けられた雄部材が挿入され、前記装備部品が装着可能な雌部材が車室内に設けられたことを特徴とする車両。
【請求項2】
前記雌部材の取付位置が、シート背面、フロントパネル、ラゲッジルーム、床、天井、ドアトリムであることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記装備部品に電力を供給する電力供給手段を前記雌部材に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の雄部材と雌部材とで構成されるコネクタであって、前記雌部材が、箱体と、前記箱体の挿入口を覆い前記雄部材が挿入すると前記挿入口から退避する蓋体と、で構成されたことを特徴とするコネクタ。
【請求項5】
前記箱体の内側へ撓み可能であり、該箱体から外方へ張り出して車室内の取付パネルに係止される係止爪と、前記蓋体に設けられ前記挿入口を覆った状態で前記係止爪の内面に当接して撓みを防止する第1撓み防止壁と、を有することを特徴とする請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記箱体内へ前記雄部材が挿入された状態で、前記係止爪の内面に当接して撓みを防止する第2撓み防止壁が前記雄部材に設けられたことを特徴とする請求項5に記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−219023(P2006−219023A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−34812(P2005−34812)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)