説明

車両多重通信装置

【課題】 各電子制御装置のスリープ/ウェイクアップ制御を簡単に行なうことのできる車両多重通信装置を提供する。
【解決手段】 バス3に接続された各ノード1a〜1d間に送信権を予め定められた順番で循環させ送信権を獲得したノードがバスに所定数のデータを送出する装置であって、同期パルス生成部13は、ノードが動作停止状態でないときノードの動作停止状態が不成立であることを示す同期パルスを生成してバスに出力し、データ送受信部15は、同期パルスのバス上における有無を検出し、コントローラ11は、同期パルスが検出された場合に送信権を獲得したノードからバスに所定数のデータを送出させるためのデータ送信処理を開始させ、同期パルスが検出されない場合に複数のノードの全てを動作停止状態にさせる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載される複数のノードがバスに接続され、各ノード間に送信権を予め定められた順番で循環させ、送信権を獲得したノードがバスに所定数のデータを送出する車両多重通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車などの車両には、複数の電子制御ノード(電子制御装置)が共通のバスに接続され、各ノード間でデータの送受信を行なっている。この場合、各ノード間において、送信権を予め定められた順番で循環させ、送信権を獲得したノードがバスに所定数のデータを送出するトークンパッシング方式が知られている。
【0003】この種のトークンパッシング方式を採用した車載用電子制御装置の技術として、例えば特開昭62−51331号公報に記載されたものがある。特開昭62−51331号公報に記載された車載用電子制御装置は、複数の電子制御装置の各々が1つの信号ラインに接続され、各電子制御装置が予め定められた順番で信号ラインに所定数のデータを送出するもので、各電子制御装置は図6に示すように構成されている。
【0004】そして、図7に示すように、所定のデータ転送休止期間T0 を経た後、電子制御装置110(図7中では110で示す。)は予め定められた所定数のデータ(0〜3)をトランジスタ133を介して出力端子Tから信号ライン120に出力する。この所定数のデータの転送が完了すると、次に、電子制御装置111が同様に所定数のデータ(0〜4)を信号ライン120に転送する。
【0005】さらに、図7に示すように、電子制御装置112が信号ライン120に所定数のデータ(0〜2)を転送し、その後に、電子制御装置113が信号ライン120に所定数のデータ(0〜5)を転送する。そして、信号ライン120上の所定数のデータが自己の電子制御装置に必要であれば、そのデータを受信する。
【0006】このように、各電子制御装置相互間で多重通信を行なう場合において、車搭用電子制御装置全体のスタンバイ電流を小さくするために、各電子制御装置の動作停止(以下、スリープと称する。)や各電子制御装置の再起動(以下、ウェイクアップと称する。)の制御を行なう必要がある。
【0007】例えば、全ての電子制御装置がスリープ可能な状態である場合には、全ての電子制御装置をスリープさせることができるためにスタンバイ電流を流す必要がなく、また、いずれか1つの装置でもスリープ可能な状態でない場合には、全ての電子制御装置にトークンパッシングによるデータの送受信を可能な状態にするためのスタンバイ電流を流す必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の車搭用電子制御装置を用いて、各電子制御装置のスリープ/ウェイクアップ制御を行なう場合には、電子制御装置110がその他の電子制御装置111〜113の各装置からスリープ可否データを収集し、スリープ制御する必要があった。このため、各電子制御装置のスリープ/ウェイクアップ制御が複雑であった。
【0009】本発明は、各電子制御装置のスリープ/ウェイクアップ制御を簡単に行なうことのできる車両多重通信装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を採用した。請求項1の発明は、複数のノードがバスに接続され、各ノード間に送信権を予め定められた順番で循環させ送信権を獲得したノードが前記バスに所定数のデータを送出する車両多重通信装置において、前記ノードがスリープ可能な状態でないとき、このノードのスリープ条件が不成立であることを示すスリープ条件不成立信号を生成して前記バスに出力する信号生成部と、この信号生成部により生成された前記スリープ条件不成立信号の前記バス上における有無を検出する信号検出部と、この信号検出部により前記スリープ条件不成立信号が検出された場合に前記送信権を獲得したノードから前記バスに所定数のデータを送出させるためのデータ送信処理を開始させ、前記スリープ条件不成立信号が検出されない場合にノードをスリープ状態にさせる制御部とを各ノードにそれぞれ備えることを特徴とする。
【0011】この発明によれば、ノードがスリープ可能な状態でないとき、ノードのスリープ条件が不成立であることを示すスリープ条件不成立信号を信号生成部が生成してバスに出力すると、信号検出部は、生成されたスリープ条件不成立信号のバス上における有無を検出する。そして、スリープ条件不成立信号が検出された場合には、制御部は、送信権を獲得したノードからバスに所定数のデータを送出させるためのデータ送信処理を開始させ、スリープ条件不成立信号が検出されない場合には、制御部は、それぞれのノードをスリープ状態にさせる。
【0012】すなわち、スリープ条件不成立信号があるかどうかによって、車両多重通信装置全体がスリープ可能な状態かどうかを容易に判定でき、車両多重通信装置のスリープ制御を簡単に行なうことができる。
【0013】請求項2の発明は、前記各ノードには前記送信権の順番を示すためのアドレスが付加され、前記信号生成部、前記信号生成部及び前記制御部は、各ノードにそれぞれ設けられることを特徴とする。
【0014】請求項3の発明は、バス上のデータの有無を監視することによりデータ転送休止期間を検出するデータ転送休止検出部を備え、前記スリープ可能な状態でないノードにおける前記信号生成部は、最終番目のアドレスを有するノードが所定数のデータの送信を完了した後、前記データ転送休止検出部によりデータ転送休止期間が検出されたときには、前記スリープ条件不成立信号を前記バスに送出することを特徴とする。
【0015】この発明によれば、スリープ可能な状態でないノードにおける信号生成部は、最終番目のアドレスを有するノードが所定数のデータの送信を完了した後、データ転送休止検出部によりデータ転送休止期間が検出されたときには、スリープ条件不成立信号をバスに送出するので、各ノードはそれぞれスリープ条件不成立信号を検出して送信権の順番に従って、データ送信処理を開始させることができる。
【0016】請求項4の発明は、前記ノードが前記スリープ状態に入った後に前記複数のノードのウェクアップを要求するノードにおける前記信号生成部は、前記複数のノードをウェクアップさせるためのウェクアップ信号を生成して、そのウェクアップ信号を前記バスに送出することを特徴とする。
【0017】この発明によれば、ノードがスリープ状態に入った後に複数のノードのウェクアップを要求するノードにおける信号生成部が、ウェクアップ信号を生成してバスに送出するので、複数のノードのウェイクアップ制御を容易に行なうことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車両多重通信装置の実施の形態を図面を参照して説明する。図1に本発明の車両多重通信装置の実施の形態の構成ブロック図を示す。図1に示す車両多重通信装置において、ネットワーク内のバス3には第1のノード1a、第2のノード1b、第3のノード1c、第4のノード1dが接続され、トークンパッシング方式によりノード相互間で必要な所定数のデータの送受信が行なわれる。すなわち、各ノード1a〜1d相互間に送信権を予め定められた順番で循環させ、送信権を獲得したノードがバス3に所定数のデータを送出する。
【0019】第1のノード1aは、例えば、エンジン制御ノードなどであり、運転者のアクセルペダルの操作等に応じてエンジンの作動を制御する。第2のノード1bは、例えば、ミッション制御ノードなどであり、車両の運転状態に応じて自動変速機の制御を行う。
【0020】第3のノード1cは、例えば、ブレーキ制御ノードなどであり、車輪のロック状態を検出することによりブレーキ制御を行う。第4のノード1dは、例えば、出力トルク制御ノードなどであり、車両の駆動輪のスリップ状態を検出し、エンジンの出力トルクの制御を行なう。
【0021】第1のノード1a乃至第4のノード1dの各ノードは、マイクロプロセッサ等を有するコントローラ11、信号生成部を構成する同期パルス生成部13、データ送受信部15、トランジスタ17、抵抗19、バッファ21、アイドル検出部23、メモリ25を有する。
【0022】コントローラ11には同期パルス生成部13、データ送受信部15、アイドル検出部23、メモリ25が接続され、トランジスタ17のベースには同期パルス生成部13及びデータ送受信部15が接続される。トランジスタ17のエミッタは接地され、トランジスタ17のコレクタにはバス3とバッファ21の入力側と抵抗19の一端が接続されている。バッファ21の出力側はデータ送受信部15及びアイドル検出部23に接続されている。
【0023】同期パルス生成部13は、自己のノードがスリープでないとき(スリープ条件不成立)、あるいは、自己のノードがスリープ中にウェイクアップ要求をしたとき(ウェイクアップ条件成立)、パルス幅Tからなる同期パルスを生成して、その同期パルスをトランジスタ17を介してバス3に送出する。この同期パルスは、ノードがスリープ条件不成立であることを示すスリープ条件不成立信号であり、しかも、ノードをウェクアップさせるためのウェクアップ信号でもある。
【0024】メモリ25は、送信データ及び受信データを記憶する。送信データ及び受信データの各々は、所定数のデータからなる。データ送受信部15は、メモリ25に記憶された所定数の送信データを順番に1つずつトランジスタ17を介してバス3に転送し、他のノードからバス3及びバッファ21を介して順番に1つずつ転送されてくる所定数の送信データを受信してコントローラ11に送る。
【0025】アイドル検出部23は、データ転送休止検出部を構成し、バッファ21を介してバス3上のデータの有無を監視することによりデータ転送休止期間(以下、アイドル期間と称する。)を検出するもので、タイマー等を有して構成される。このアイドル期間としては、第1のアイドル期間t0 とこの第1のアイドル期間t0 よりも長い期間を持つ第2のアイドル期間t1 を設定する。
【0026】第1のアイドル期間t0 は、あるノードのデータ転送期間とその次のノードのデータ転送期間との間のアイドル期間である。第2のアイドル期間t1 は、最終アドレスを有する第4のノード1dがデータ送信を完了した後のアイドル期間である。
【0027】コントローラ11は、制御部を構成し、送信権の委譲先ノードを委譲先ノードのアドレスにより設定し、委譲先ノードのアドレスを1ずつインクリメントすることにより委譲先ノードを設定する。
【0028】ノードのアドレス値として、例えば、1〜4を設定し、第1のノードのアドレスを”1”とし、第2のノードのアドレスを”2”とし、第3のノードのアドレスを”3”とし、第4のノードのアドレスを”4”としてもよい。データ送受信部15は、コントローラ11により設定された送信権の委譲先ノードに送信権の委譲メッセージを送出する。
【0029】また、第1のノード1aのデータ送受信部15は、信号検出部を構成し、他のノードからバス3に送出された同期パルスを検出した場合には、所定数のデータの送信を開始する。他のノードの各々は、第1のノード1aのデータ送信に続けて第1のアイドル期間t0 を設けながらアドレス順番にデータを送信する。
【0030】さらに、スリープ条件が成立していないノードは、最終アドレスを持つ第4のノード1dがデータ送信を完了した後、第2のアイドル期間t1 が経過した後に同期パルスを送信する。
【0031】スリープ条件が成立したノードは、最終アドレスを持つ第4のノード1dがデータ送信を完了しても同期パルスを送信しない。どのノードも同期パルスを送信しない状態がスリープ状態である。また、車両多重通信装置がスリープ状態である場合に、ウェイクアップ条件が成立したノードは、同期パルスをバス3に送信する。
【0032】次に、このように構成された車両多重通信装置の実施の形態の動作を図2に示すフローチャートに従って説明する。図3に1以上のノードでスリープ条件が不成立であって同期パルスを送信した場合のタイミングチャートを示し、図4に全てのノードでスリープ条件が成立してスリープに入る場合のタイミングチャートを示し、図5にスリープ中にウェイクアップ要求が発生したノードが同期パルスを送信した場合のタイミングチャートを示す。
【0033】なお、ここでは、例えば、第1のノード1a、第2のノード1b、第3のノード1c、第4のノード1dの順番で送信権が循環するとして説明する。
【0034】まず、例えば、第2のノード1bにおいてスリープ条件が不成立であって、第2のノード1b内の同期パルス生成部13がトランジスタ17を介して図3に示すように、同期パルスSP1をバス3上に転送したものとする。
【0035】すると、第1のノード1aのデータ送受信部15は、バス3上の同期パルスSP1の有無を判定する(ステップS11)。第1のノード1aのデータ送受信部15が、バス3上の同期パルスSP1を検出した場合には、第1のノード1aのコントローラ11は、データの送信権を設定し(ステップS13)、ステップS15に進む。
【0036】次に、ステップS15において、第1のノード1aのアイドル検出部23は、同期パルスSP1の後の第1のアイドル期間t0 の有無を判定する。第1のアイドル期間t0 が検出された場合には、そのノードが送信権を有するかどうかが判定され(ステップS17)、そのノードが送信権を有する場合には、そのノードから所定数のデータをバス3に送信する(ステップS19)。ここでは、最初に第1のノード1aが送信権を有するから、第1のノード1aは所定数のデータND1(1〜7)の各々を1つずつ順番にバス3に転送する。
【0037】次に、第1のノード1aは、送信権を次のアドレスのノードである第2のノード1bに設定して(ステップS21)、第2のノード1bに委譲先メッセージを送出すると、第2のノード1bが送信権を得て処理がステップS11に戻る。
【0038】次に、第2のノード1bでは、ステップS11で同期パルスを検出せず、ステップS15において第1のアイドル期間t0 を検出すると、第2のノード1bが送信権を有するから、第2のノード1bは所定数のデータND2(1〜6)の各々を1つずつ順番にバス3に転送する。同様にして、第3のノード1cが第1のアイドル期間t0 の後に所定数のデータND3を転送し、第4のノード1dが第1のアイドル期間t0 の後に所定数のデータND4を転送する。
【0039】次に、スリープ条件が成立していない第2のノード1bは、最終アドレスを有する第4のノード1dのデータ送信が完了した後に、第2のアイドル期間t1 の検出の有無を判定する(ステップS23)。第2のアイドル期間t1 を検出した場合には、スリープ条件が不成立として(ステップS25のNO)、同期パルスSP2をバス3に送信し(ステップS27)、ステップS11に戻る。
【0040】すると、第1のノード1aが同期パルスSP2を検出するので、第1のノード1aがデータ送信を開始し、他のノード1b〜1dも第1のノード1aに続いて第1のアイドル期間t0 を設けながらアドレス順にデータをバス3に送信することになる。
【0041】すなわち、図3に示すように、いずれか1つのノードでスリープ条件が不成立である場合には、そのノードから同期パルスが送信されるので、その同期パルスにより全てのノードをデータ送受信可能な状態とさせることができる。
【0042】次に、例えば、第2のノード1bを含む全てのノードのスリープ条件が成立した場合には、図4に示すように、これらのノードは、最終アドレスを有する第4のノード1dのデータ送信が完了しても、同期パルスを送信しない(図4中の点線で示す部分)。すなわち、どのノードも同期パルスをバス3に送信しなければ、車両多重通信装置がスリープ状態に入る。
【0043】さらに、車両多重通信装置が図5に示すように、スリープ状態に入った後に、例えば、第3のノード1cにおいてウェイクアップ条件が成立したとする。すると、この第3のノード1cは、同期パルスSP3をバス3に転送するから、第1のノード1aが同期パルスSP3を検出する。
【0044】このため、第1のノード1aがデータ送信を開始し、他のノード1b〜1dも第1のノード1aに続いて第1のアイドル期間t0 を設けながらアドレス順にデータをバス3に送信することになる。すなわち、この場合も、図3に示すような処理が開始され、車両多重通信装置全体がウェイクアップする。
【0045】このように、トークンパッシング方式を採用する車両多重通信装置において、第1のノード1aのデータ送受信部15が、他のノードからバス3に送出された同期パルスを検出した場合には、所定数のデータの送信を開始する。他のノードの各々は、第1のノード1aのデータ送信に続けて第1のアイドル期間t0 を設けながらアドレス順番にデータを送信する。
【0046】スリープ条件の不成立ノード及びウェイクアップ条件の成立ノードは、同期パルスを送信し、スリープ条件成立ノードは、同期パルスを送信しないので、第1のノード1aは、第2のアイドル期間t1 の後に同期パルスがあるかどうかによって、車両多重通信装置全体がスリープ状態かウェイクアップ状態かを容易に判定でき、車両多重通信装置のスリープ及びウェイクアップ制御を簡単に行なうことができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、ノードがスリープ可能な状態でないとき、ノードのスリープ条件が不成立であることを示すスリープ条件不成立信号を信号生成部が生成してバスに出力すると、信号検出部は、生成されたスリープ条件不成立信号のバス上における有無を検出する。そして、スリープ条件不成立信号が検出された場合には、制御部は、各ノードの動作を開始または継続させる。また、スリープ条件不成立信号が検出されず、自ノードのスリープ条件が成立している場合には、各ノードの制御部は、それぞれのノードをスリープさせる。すなわち、スリープ条件不成立信号があるかどうかによって、車両多重通信装置全体がスリープ可能な状態かどうかを容易に判定することができる。
【0048】また、スリープ可能な状態でないノードにおける信号生成部は、最終番目のアドレスを有するノードが所定数のデータの送信を完了した後、データ転送休止検出部によりデータ転送休止期間が検出されたときには、スリープ条件不成立信号をバスに送出するので、各ノードはスリープ条件不成立信号を検出して、データ送信処理を開始させることができる。
【0049】さらに、ノードがスリープ状態になった後でいずれかのノードでウェクアップ条件が成立すると、そのノードにおける信号生成部がウェクアップ信号を生成してバスに送出するので、複数のノードで構成される車両多重通信装置全体のウェイクアップ制御を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両多重通信装置の実施の形態を示す構成ブロック図である。
【図2】車両多重通信装置の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図3】1以上のノードでスリープ条件が不成立で同期パルスを送信した場合のタイミングチャートである。
【図4】全てのノードでスリープ条件が成立してスリープに入る場合のタイミングチャートである。
【図5】スリープ中にウェイクアップ要求が発生したノードが同期パルスを送信した場合のタイミングチャートである。
【図6】従来の車載用電子制御装置における各電子制御装置を示す構成ブロック図である。
【図7】従来の車載用電子制御装置におけるデータ伝送を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1a 第1のノード
1b 第2のノード
1c 第3のノード
1d 第4のノード
3 バス
11 コントローラ
13 同期パルス生成部
15 データ送受信部
17 トランジスタ
19 抵抗
23 アイドル検出部
25 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のノードがバスに接続され、各ノード間に送信権を予め定められた順番で循環させ送信権を獲得したノードが前記バスに所定数のデータを送出する車両多重通信装置において、前記ノードが動作停止可能な状態でないとき、このノードの動作停止条件が不成立であることを示す動作停止条件不成立信号を生成して前記バスに出力する信号生成部と、この信号生成部により生成された前記動作停止条件不成立信号の前記バス上における有無を検出する信号検出部と、この信号検出部により前記動作停止条件不成立信号が検出された場合に前記送信権を獲得したノードから前記バスに所定数のデータを送出させるためのデータ送信処理を開始させ、前記動作停止条件不成立信号が検出されない場合に各ノードを動作停止状態にさせる制御部と、を備えることを特徴とする車両多重通信装置。
【請求項2】 前記各ノードには前記送信権の順番を示すためのアドレスが付加され、前記信号生成部、前記信号検出部及び前記制御部は、前記各ノードに設けられることを特徴とする請求項1記載の車両多重通信装置。
【請求項3】 バス上のデータの有無を監視することによりデータ転送休止期間を検出するデータ転送休止検出部を備え、前記動作停止可能な状態でないノードにおける前記信号生成部は、最終番目のアドレスを有するノードが所定数のデータの送信を完了した後、前記データ転送休止検出部によりデータ転送休止期間が検出されたときには、前記動作停止条件不成立信号を前記バスに送出することを特徴とする請求項2記載の車両多重通信装置。
【請求項4】 前記ノードが前記動作停止状態に入った後に前記複数のノードの再起動を要求するノードにおける前記信号生成部は、前記複数のノードを再起動させるための再起動信号を生成して前記バスに送出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の車両多重通信装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図2】
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【図5】
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【公開番号】特開平10−285189
【公開日】平成10年(1998)10月23日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−83015
【出願日】平成9年(1997)4月1日
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)