説明

車両架装装置の操作装置及びその充電システム

【課題】容易に充電することができる車両架装装置の操作装置及びその充電システムを提供する。
【解決手段】特装車両に積載された車両架装装置の操作装置46において、操作装置本体61と、この操作装置本体61に内蔵された充電池62と、操作装置本体61から突出していて磁石又は磁化された磁性体で形成された陽極充電端子63と、操作装置本体61から突出していて磁石又は磁化された磁性体で形成された陰極充電端子64とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷受台昇降装置、ウィングボデー、ダンプ装置等、特装車両に積載された各種車両架装装置の操作装置及びその充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
荷受台昇降装置、ウィングボデー、ダンプ装置等、特装車両に積載された各種車両架装装置の操作装置として、無線による遠隔操作式の操作装置がある(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−27576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線操作式の操作装置は、乾電池を電源として駆動するのが通常である。したがって、電池残量がなくなった場合には電池交換しなければ車両架装装置を無線操作することができなくなってしまう。常日頃から電池残量に注意を払って操作装置が電池切れを起こさないようにしておくことも簡単ではない。
【0005】
本発明は上記に鑑みなされたものであって、容易に充電することができる車両架装装置の操作装置及びその充電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、特装車両に積載された車両架装装置の操作装置において、操作装置本体と、この操作装置本体に内蔵された充電池と、磁石又は磁化された磁性体で形成された陽極充電端子と、磁石又は磁化された磁性体で形成された陰極充電端子とを備えたことを特徴とする。
【0007】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記陽極充電端子及び前記陰極充電端子は、前記操作装置本体から突出していることを特徴とする。
【0008】
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記充電池への充電動作を制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記陽極充電端子及び前記陰極充電端子と前記充電池との間に介在し、前記陽極充電端子及び前記陰極充電端子の電位差が設定の範囲にある間にのみ、前記陽極充電端子及び前記陰極充電端子を介して前記充電池に通電し前記充電池への充電を許容することを特徴とする。
【0009】
(4)上記(1)−(3)のいずれかにおいて、好ましくは、前記充電池の電池残量を表示する表示部を備えていることを特徴とする。
【0010】
(5)上記(1)−(4)のいずれかの車両架装装置の操作装置、及びこの操作装置の充電器からなる充電システムにおいて、前記充電器は、充電器本体と、前記陽極充電端子が吸着する磁性体製の陽極給電端子と、前記陰極充電端子が吸着する磁性体製の陰極給電端子と、前記陽極給電端子及び陰極給電端子を電源に接続する電源プラグとを備えたことを特徴とする。
【0011】
(6)上記(5)において、好ましくは、前記充電器は、前記操作装置本体の着座によって入る通電スイッチを備え、当該通電スイッチが入ることで前記陽極給電端子及び前記陰極給電端子に通電されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば操作装置を容易に充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の操作装置を適用する特装車両の一例の全体構造を表す側面図である。
【図2】本発明の操作装置を適用する車両架装装置の一例である荷受台昇降装置の詳細構造を表す斜視図で、荷受台を格納した状態を表している。
【図3】本発明の操作装置を適用する車両架装装置の一例である荷受台昇降装置の詳細構造を表す斜視図で、荷受台を展開した状態を表している。
【図4】本発明の操作装置を適用する特装車両の一例に備えられた油圧駆動装置の一構成例を表す油圧回路図である。
【図5】本発明の操作装置を適用する特装車両の一例に備えられた制御装置の一構成例を周辺機器と併せて表す機能ブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る操作装置の外観を表す正面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る操作装置の外観を表す側面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る操作装置の充電器の外観を表す正面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る操作装置の充電器の外観を表す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0015】
図1は本発明の操作装置を適用する特装車両の一例の全体構造を表す側面図である。本願明細書においては、図1の左右を車両の前後とする。
【0016】
図1に示した車両は、車枠1と、車枠1の前方に設けた運転室2と、車枠1上に搭載した荷台3と、車枠1の下部後側に設けた格納式の荷受台昇降装置4とを備えている。この荷受台昇降装置4が、本実施形態に例示する車両架装装置であり、例えば走行運転時には荷受台5を折り畳んで荷台3の下側に格納する一方、荷台3への荷物の積み下ろし作業時等には荷受台5を後方にスライドさせて展開し、荷台3の床面高さと地面高さとの間で昇降させ作業支援を行う。
【0017】
図2及び図3は荷受台昇降装置4の詳細構造を表す斜視図で、図2は荷受台5を格納した状態、図3は荷受台5を展開した状態を表している。
【0018】
図2及び図3に示したように、荷受台昇降装置4は、荷物を積載する前出の荷受台(プラットフォーム)5と、荷受台5等を前後方向にスライドさせるスライド駆動部6と、荷受台5を昇降させる昇降駆動部7とを備えている。
【0019】
スライド駆動部6は、車体1の下部後側に前後方向に延設した左右一対のガイドレール8と、左右のガイドレール8にそれぞれ係合支持されガイドレール8に沿って走行可能な左右のスライダ9と、左右のスライダ9に装架した連結部材10と、連結部材10におけるスライダ9の外側に設けた左右のブラケット部11と、スライダ9の後方に突設した左右の支持フレーム13と、支持フレーム13の先端に設けられ格納及び展開の際に荷受台5が転接する支持ローラ12と、左右のスライダ9をそれぞれ前後に移動させる左右のスライドシリンダ14とを備えている。左右のスライドシリンダ14の伸縮駆動に伴ってスライダ9がガイドレール8に沿って移動し、スライダ9と一体となって連結部材10、ブラケット部11、支持フレーム13、支持ローラ12が前後方向に移動する。このとき、左右のガイドレール8には、スライダ9の前後方向の移動範囲を制限する前後のストッパ(図示せず)と、スライダ9が後側ストッパに当接した状態(作業位置とする)にあるかどうかを検出する後端センサ15(後述の図5参照)が設けられている。また、支持フレーム13には、リフトアーム18(後述)が水平位置付近に設定された格納高さにあるときにリフトアーム18に設けた図示しないターゲットに対向するようにアームセンサ16が設けられている。これらセンサ15,16にはいずれも例えば近接センサを用いることができる。
【0020】
昇降駆動部7は、上端部がブラケット部11に回動可能に連結された第1アーム(チルトアーム)17と、前端部が第1アーム17に後端部が荷受台5にそれぞれ回動可能に連結された第2アーム(リフトアーム)18と、前端部がブラケット部11に後端部が荷受台5にそれぞれ回動可能に連結された第3アーム(コンプレッションアーム)19と、ロッド側が第1アーム17の下端部にボトム側が第2アーム18にそれぞれ回動可能に連結されたリフトシリンダ20とをそれぞれ左右一対ずつ備えている。第2アーム18及び第3アーム19はスライダ9に対して荷受台5を昇降可能に連結する平行リンクを形成し、この平行リンクがリフトシリンダ20の伸縮駆動に伴って上下に回動することで荷受台5が水平姿勢を保って昇降する。
【0021】
荷受台5は、上記昇降駆動部7に支持された荷受台基端部21と、荷受台基端部21にヒンジ22を介し回動可能に連結された荷受台本体部23と、荷受台本体部23にヒンジ24を介し回動可能に連結された荷受台先端部25とを備えている。ヒンジ22は、両端が荷受台基端部21及び荷受台本体部23の上面近傍にそれぞれピン(図示せず)を介し回動可能に連結されており、荷受台基端部21に対する荷受台本体部23の回動機構が、ヒンジ22を介する二重関節構造となっている。同様に、ヒンジ24は、両端が荷受台本体部23及び荷受台先端部25の上面近傍にそれぞれピン(図示せず)を介し回動可能に連結されており、荷受台本体部23に対する荷受台先端部25の回動機構が、ヒンジ24を介する二重関節構造となっている。荷受台本体部23及び荷受台先端部25は、それぞれ展開状態から上方に回動して折り重ねられる。
【0022】
このとき、図2及び図3には図示していないが、荷受台基端部21と荷受台本体部23を連結するヒンジ22には、荷受台5の開閉状態を検出し荷受台5が格納動作中か否かを検出するゲートセンサ56(図5参照)が設けられている。このゲートセンサ56には、ヒンジ22の荷受台基端部21に対する角度を検出する角度センサを用いることができる。前述したようにヒンジ22は二重関節構造であるため、荷受台本体部23を荷受台基端部21に折り重ねる際、荷受台本体部23がヒンジ24に対して90度回動した後、ヒンジ24が荷受台本体部23に拘束されて荷受台基端部21に対して回動し始め、最終的に荷受台本体部23と荷受台基端部21の互いの荷受面が対向する。したがって、作業後に実際に荷受台5を格納する際には、後述するように荷受台先端部25及び荷受台本体部23を折り畳んで支持ローラ12に立て掛けた状態でリフトアーム18を上昇させるが、この時点ではヒンジ22の荷受台基端部21に対する角度は90度に到達していない。荷受台5が展開しているときの荷受台基端部21に対するヒンジ22の角度を0(ゼロ)、接地位置で支持ローラ12に荷受台本体部23を立て掛けた際の荷受台基端部21に対するヒンジ24の角度をα(0<α<90°)とした場合、ゲートセンサ56は荷受台基端部21に対するヒンジ22の角度が設定角度β(α<β<90°)以上のときに検出信号を出力するように設定されている。
【0023】
つまり、ゲートセンサ56によって荷受台5の格納動作に入ったことが検出されたら、その後アームセンサ16により荷受台5が水平高さに達したことが検出された際にリフトシリンダ20の伸長動作を停止してスライドシリンダ14の縮退動作に切り換えることで、荷受台5を自動的に車両1の下部に引き込んで格納することができる。
【0024】
また、スライド駆動部6のブラケット部11の左端部には前出のスライドシリンダ14及びリフトシリンダ20を駆動するための油圧駆動装置(パワーユニット)26が、右端部には荷受台昇降装置4を操作するための荷台外側操作装置27(図2及び図3中にスイッチボックスのみ図示、詳細は後述)が、それぞれ設けられている。
【0025】
図4は油圧駆動装置26の一構成例を表す油圧回路図である。
【0026】
この図4において、油圧駆動装置26は、電動モータ28と、電動モータ28によって駆動される油圧ポンプ29と、油圧ポンプ29の吸込側に設けたオイルタンク30と、油圧ポンプ29から吐出された圧油をリフトシリンダ20に供給する圧油供給通路31と、圧油供給通路31の流れを連通又は遮断する上げ動作用コントロールバルブ32と、圧油供給通路31における上げ動作用コントロールバルブ32の下流側から分岐してオイルタンク30に接続する圧油戻し通路33と、圧油戻し通路33の流れを連通又は遮断する下げ動作用コントロールバルブ34と、下げ動作用コントロールバルブ34の下流側に設けた流量制御弁35と、油圧ポンプ29の吐出圧の最大値を規定するリリーフ弁36と、電動モータ28とバッテリ(図示せず)との間に介設したコンダクタリレー37とを備えている。
【0027】
例えば、荷役動作又は格納動作における荷受台5の上げ動作時には、後述する無線操作装置46等からの操作信号に応じてコントローラ45から出力される指令信号に従って、コンダクタリレー37のコイル37aに通電されて通常開き状態の接点37bが閉じ、接点37bを介してバッテリから電動モータ28に給電され油圧ポンプ29が駆動する。同時に、上げ動作用コントロールバルブ32のソレノイド部32aに駆動指令信号が入力され、上げ動作用コントロールバルブ32が図4中左側の連通位置に切換わる。このとき、下げ動作用コントロールバルブ34は図4中下側の遮断位置であるから、油圧ポンプ29からの圧油が圧油供給通路31を介しリフトシリンダ20のボトム側に供給され、リフトシリンダ20が伸長し、荷受台5が上昇する。
【0028】
一方、荷役動作又は展開動作における荷受台5の下げ動作時には、無線操作装置46等からの操作信号に応じてコントローラ45から出力される指令信号に従って接点37bが開き、電動モータ28及び油圧ポンプ29が停止するとともに、上げ動作用コントロールバルブ32が図4中右側の遮断位置になる。同時に、下げ動作用コントロールバルブ34のソレノイド部34aに駆動指令信号が入力され、下げ動作用コントロールバルブ34が図4中上側の連通位置に切換わり、リフトシリンダ20のボトム側が圧油戻し通路33を介しオイルタンク30に連通し、荷受台5が自重で下降する。
【0029】
また、油圧駆動装置26は、圧供給供通路31における上げ動作用コントロールバルブ32の上流側から分岐してスライドシリンダ14のロッド側に接続する圧油供給通路38と、圧油供給通路38に設けた絞り弁39及び逆止弁40と、絞り弁39及び逆止弁40の下流側で圧油供給通路38から分岐してスライドシリンダ14のボトム側に接続する圧油供給通路41と、圧油供給通路41の流れを連通又は遮断する後退動作用コントロールバルブ42と、後退動作用コントロールバルブ42の下流側で圧油供給通路41から分岐してオイルタンク30に接した圧油戻し通路43と、圧油戻し通路43の流れを連通又は遮断する前進動作用コントロールバルブ44とを備えている。
【0030】
例えば、展開動作における荷受台5のスライド動作時には、後述する無線操作装置46等からの操作信号に応じてコントローラ45から出力される指令信号に従って、コンダクタリレー37の接点37bが閉じて電動モータ28及び油圧ポンプ29が駆動し、同時に後退動作用コントロールバルブ42のソレノイド部42aに駆動指令信号が入力され、後退動作用コントロールバルブ42が図4中上側の連通位置に切換わる。このとき、前進動作用コントロールバルブ44は図4中下側の遮断位置であるから、油圧ポンプ29からの圧油が圧油供給通路41を介しスライドシリンダ14のボトム側に供給され、ロッド側との受圧面積差によってスライドシリンダ14が伸長方向に駆動し、荷受台5等が後方にスライドする。
【0031】
一方、格納動作における荷受台5のスライド動作時には、後述する無線操作装置46等からの操作信号に応じてコントローラ45から出力される指令信号に従って、コンダクタリレー37の接点37bが閉じて電動モータ28及び油圧ポンプ29が駆動し、同時に前進動作用コントロールバルブ44のソレノイド部44aに駆動指令信号が入力され、前進動作用コントロールバルブ44が図4中上側の連通位置に切換わる。このとき、後退動作用コントロールバルブ42は図4中下側の遮断位置であるから、油圧ポンプ29からの圧油が圧油供給通路38を介しスライドシリンダ14のロッド側に供給され、スライドシリンダ14のボトム側からの圧油が圧油戻し通路43を介してオイルタンク30に流出する。この結果、スライドシリンダ14が縮短方向に駆動し、荷受台5等が前方にスライドする。
【0032】
なお、スライダ9が後端位置にある状態で荷受台5を昇降させるため、リフトシリンダ20を伸長させる間、後退動作用コントロールバルブ42を連通位置に切換えてスライダ9を既述した後側ストッパに押し付けるように構成することもできる。また、荷受台5の下降時も油圧ポンプ29を駆動し、後退動作用コントロールバルブ42のボトム側に圧油を供給して、スライダ9を後端位置に付勢するように構成することもできる。また、荷受台5の後方スライド時に瞬間的に前進動作用コントロールバルブ44を連通位置に切換え、スライドシリンダ14を圧抜きするように構成することもできる。
【0033】
図5は荷受台昇降装置に備えられた制御装置の一構成例を周辺機器と併せて表す機能ブロック図である。
【0034】
図5において、荷受台5が後端位置にあるかどうかを検出する後端センサ15と、荷受台5の格納動作に入ったことを検出するゲートセンサ56と、折り畳まれた荷受台5がスライド可能な格納位置にあるかどうかを検出するアームセンサ16と、本荷受台昇降装置4に対する操作信号を有線出力する荷台外側操作装置27と、車両1側(又はパワーユニット26内)に設けたコントローラ(制御装置)45と、本荷受台昇降装置4に対する操作信号を無線出力する無線操作装置(リモコン)46とが設けられている。コントローラ45は、荷受台昇降装置4の電源(バッテリ)57と電源スイッチ58を介して接続しており、電源スイッチ58によってコントローラ45の電源の入り切りが切り換えられる。電源スイッチ58は例えば車両1の運転室2内或いはパワーユニット26等に設置することができる。
【0035】
荷台外側操作装置27は、例えば、押しボタン式の上げ動作スイッチ47A及び下げ動作スイッチ47Bを備えたペンダント操作方式のものであり、上げ動作スイッチ47A又は下げ動作スイッチ47Bの操作に応じた操作信号をコントローラ45にケーブル等を介して出力する。
【0036】
無線操作装置46は、押しボタン式の上げ動作スイッチ48A、下げ動作スイッチ48B及び電源スイッチ48Cと、動作スイッチ48A又は48BのON・OFF状態等のシリアルデータを生成し、このシリアルデータを無線信号として送信する送信部49とを備えており、操作者が携帯可能である。勿論、運転室2や荷台3の中等、任意の場所に保管しておくこともできる。
【0037】
コントローラ45は、後端センサ15、アームセンサ16及びゲートセンサ56からの検出信号、荷台外側操作装置27からの操作信号を入力する入力部50と、無線操作装置46からの無線操作信号を受信する受信部(入力部)51と、制御プログラム(例えばシーケンス制御やタイマ制御等に基づいたプログラム)を記憶した記憶部(メモリ)52と、この記憶部52に記憶された制御プログラムに従って演算処理を実行しシリンダ14,20の動作を指示する指令信号等を生成する演算部(CPU)53と、この演算部53で生成した指令信号を各コントロールバルブ32,34,42,44のソレノイド部32a,34a,42a,44aやコンダクタリレー37に適宜出力する出力部54とを備えている。
【0038】
図6は無線操作装置46の外観を表す正面図、図7はその側面図である。
【0039】
無線操作装置46は、操作装置本体61と、操作装置本体61に内蔵された充電池62と、陽極充電端子63と、陰極充電端子64と、充電池62への充電動作を制御する制御装置(マイコン)65と、充電池62の電池残量を表示する表示部66と、操作部67とを備えている。
【0040】
操作装置本体61は、無線操作装置46の筐体であって、本実施形態では、操作部67を設けた面を正面(図7中左側の面)、陽極充電端子63及び陰極充電端子64を設けた面を背面(図7中右側の面)とする。図6及び図7では図示していないが、上面(図6及び図7中の上側の側面)に、送信部49(図5参照)を設けている。
【0041】
陽極充電端子63は、その先端部が操作装置本体61の背面から突出した端子であって、制御装置65を介して充電池62の陽極端子(図示せず)に接続している。同様に、陰極充電端子64は、その先端部が操作装置本体61の背面から突出した端子であって、制御装置65を介して充電池62の陰極端子(図示せず)に接続している。本実施形態において、両充電端子63,64は、磁石及びこれを挟んだ二枚の磁性体の板(鉄板)からなり、操作装置本体61から突出していて後述する充電器70(図8及び図9参照)に接触する部分は磁石により磁化された磁性体で形成されているが、導電性を有する磁石を用いる場合には両充電端子63,64を磁石のみで形成しても良い。ここで言う「磁化」とは、磁界内に置かれて磁気を帯びた状態になることを言う。また、充電端子63,64に用いる磁石は基本的に永久磁石であるが、電磁石を利用することも考えられる。さらに本実施形態においては、操作装置本体61の背面における上面側に陽極充電端子63を、下面側に陰極充電端子64を設けた場合を例示しているが、両充電端子63,64の位置関係はこれに限定されない。
【0042】
制御装置65は、電路中の陽極充電端子63及び陰極充電端子64と充電池62との間に介在し、陽極充電端子63及び陰極充電端子64の電位差が設定の範囲にある間にのみ、陽極充電端子63及び陰極充電端子64を介して充電器70(図8及び図9参照)からの電流を充電池62に流し、充電池62への充電を許容する。
【0043】
表示部66は、操作装置本体61の正面における上面側の領域に設けられており、本実施形態では3つのLEDを有していて、その点灯数で電池残量を報知する方式を例示している。本実施形態の場合、制御装置65によって充電池62の電池残量が監視されており、例えば電池残量が第一の設定値X以上であれば3つのLEDを全て点灯して電池残量が十分にあることを表示し、電池残量が第二の設定値Y(<X)未満であれば2つのLEDを消灯(LEDを1つ点灯)して電池残量が残り僅かであることを表示して充電を促す。電池残量がY以上X未満である場合は、2つのLEDを点灯(LEDを1つ消灯)して電池残量が中間程度であることを報知する。但し、電池残量の表示態様はこの例に限定されず、例えば液晶を用いて図形や文字等で表示する方式を採っても良い。
【0044】
操作部67は、操作装置本体61の正面における表示部66の下側の領域に設けられており、図5で押しボタン式の先述した上げ動作スイッチ48A、下げ動作スイッチ48B及び電源スイッチ48Cを備えている。これらスイッチ48A−48Cは、上記表示部66とともにシールされていて防水性を持たせてある。
【0045】
図8は無線操作装置46の充電器の外観を表す正面図、図9はその側面図である。
【0046】
図8及び図9に示した充電器70は、充電器本体71と、通電スイッチ72と、陽極給電端子73と、陰極給電端子74と、電源プラグ75とを備えている。
【0047】
充電器本体71は、充電器70の筐体であって、本実施形態では、陽極給電端子73及び陰極給電端子74を設けた正面(図9中左側の面)を着座面としており、充電時には無線操作装置46の背面がこの着座面に対向し、陽極充電端子63及び陽極給電端子73、陰極充電端子64及び陰極給電端子74が電気的に接続する構成である。
【0048】
陽極給電端子73は、磁性体でできていて、無線操作装置46の陽極充電端子63が吸着する。同様に、陰極給電端子74は、磁性体でできていて、無線操作装置46の陰極充電端子64が吸着する。これら陽極給電端子73及び陰極給電端子74は、陽極充電端子63及び陰極充電端子64が嵌合するように窪みを有していても良いが、本実施形態においては着座面と面一のフラットな形状をしていて、陽極充電端子63及び陰極充電端子64の磁力によって無線操作装置46が着座面に着座するようになっている。
【0049】
通電スイッチ72は、押しボタン式のスイッチであり、無線操作装置46が着座面に着座することで、操作装置本体61の背面に押されるようになっている。この通電スイッチ72が押されると、電源プラグ75から陽極給電端子73及び陰極給電端子74への電路が開通し、電源プラグ75が電源(図示せず)に挿し込まれた状態において陽極給電端子73及び陰極給電端子74に通電される仕組みである。
【0050】
電源プラグ75は、充電器70を電源(図示せず)に接続するためのもので、家庭用電源に差し込むACアダプター付きのプラグを用いることもできるが、本実施形態では、車両の運転室2内のシガーソケット(図示せず)に挿し込んで陽極給電端子73及び陰極給電端子74を電源に繋ぐプラグを例示している。
【0051】
続いて無線操作装置46又は荷台外側操作装置27の操作、及びそれによる荷受台昇降装置4の動作を説明する。
【0052】
例えば車両1の下部に格納された状態の荷受台5を使用する場合、コントローラ45の電源スイッチ58を入れ、無線操作装置46の下げ動作スイッチ48B又は荷台外側操作装置27の下げ動作スイッチ47Bを押せば、スイッチ操作をしている間、コントローラ45を介してスライドシリンダ14の伸長指令がなされて荷受台5が格納位置から後方に移動する。荷受台5が後端位置まで引き出されたことが後端センサ15で検出された後、さらにスイッチ48B又は47Bを押すと、コントローラ45からの指令信号がリフトシリンダ20の縮退指令に切り換わり、荷受台5が接地位置まで下降する。荷受台5が接地位置まで下降したら、荷受台5を展開し、無線操作装置46又は荷台外側操作装置27の上げ動作スイッチ及び下げ動作スイッチを適宜操作することにより、荷受台5を昇降させて荷役作業の支援に利用することができる。
【0053】
一方、荷役作業終了後に車両1の下部に荷受台5を格納する場合、まず荷受台5を折り畳んで支持ローラ12に立て掛け、無線操作装置46の上げ動作スイッチ48A又は荷台外側操作装置27の上げ動作スイッチ47Aを押す。すると、コントローラ45を介してリフトシリンダ20の伸長指令がなされて荷受台5が上昇する。その後さらにスイッチ47A又は48Aを押し続け、ゲートセンサ56からの検出信号が入力されて格納動作に入ったことが認識されたら、コントローラ45は、アームセンサ16からの検出信号の入力を機に指令出力をスライドシリンダ14の縮退指令に切り換え、荷受台5を前方の格納位置に移動させて車両1の下部空間に格納する。荷受台5の格納が完了したら、電源スイッチ58を切る。
【0054】
ここで、荷台外側操作装置27はコントローラ45に有線接続することによって使用時には車両に搭載されたバッテリからの給電により動作可能であるのに対し、無線操作装置46は、使用時には自己のバッテリ62を電源とする。したがって、バッテリ62を適宜充電する必要がある。バッテリ62を充電する場合、充電器70の電源プラグ75を電源に挿し込み、無線操作装置46を充電器70の着座面に載せる。このとき、無線操作装置46の充電端子63,64は磁力によって対応する給電端子73,74に吸着するので、無線操作装置46を充電器70に位置合わせをして嵌め合わせる手間がなく、大まかに目標を定めて充電器70の着座面に無線操作装置46を近付けるだけで無線操作装置46を充電器70にセットすることができる。
【0055】
無線操作装置46が充電器70にセットされると、無線操作装置46の背面が充電器70の通電スイッチ72を押し、給電端子73,74を介して充電端子63,64に通電される。このとき、充電器70の給電端子73,74の電位差は定まったある範囲にある。無線操作装置46の制御装置65は、給電端子73,74の電位差の想定範囲を事前に設定範囲として記憶しており、充電器70にセットされた際の充電端子63,64の電位差がこの設定範囲にある場合にバッテリ62の充電を開始する。このように、本実施形態によれば、充電端子63,64が磁力を持っていて相手方の給電端子73,74に吸着するので、無線操作装置46を容易に充電することができる。また、本実施形態の場合には、充電器70の電源プラグ75を車両の運転席2のシガーソケットに挿し込むことができるので、車両の運転室2のシガーソケットに充電器70を繋いでおいて不使用時には無線操作装置46を充電器70上に置くようにすれば、無線操作装置46の電池切れも抑制することができる。
【0056】
また、一般に充電池を内蔵した機器は、陽極及び陰極の充電端子の間の短絡を抑制するため、これら充電端子が筐体表面から窪んだ位置にあるのが通常である。それに対し、本実施形態では、充電端子63,64を操作装置本体61から突出させている。先述したように充電端子63,64には磁力があるので、例えば荷役作業中に無線操作装置46を仮置きする場合には、荷台3の側壁に充電端子63,64を接触させて無線操作装置46を荷台3に貼り付けることができる。その際、充電端子63,64と充電池62との間の電路には制御装置65が介在しているので、制御装置65によって充放電は抑制される。
【0057】
また、操作装置に磁石を取り付けて荷台等に貼り付けておくことができるようにする場合、本実施形態の構成においては、その磁石を充電端子63,64で兼ねることができるので、磁石を別途設ける必要がない。反対に、荷台等に貼り付けられるように磁石を備えた操作装置がある場合、その磁石を充電端子に兼用することができるので、充電可能に構成するにあたって別途充電端子を追加する必要がない。
【0058】
なお、以上の実施形態においては、操作装置として無線操作装置46と有線操作式の荷台外側操作装置27の2つの操作装置を用意し、無線操作装置46に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、荷台外側操作装置27が不要な場合には荷台外側操作装置27を省略しても良い。また、荷台外側操作装置27については、コントローラ45との接続ケーブルを介して車両から供給される電力で動作することとしたが、このような有線操作式の操作装置であっても、別途バッテリを内蔵して本発明を適用することはできる。
【0059】
また、無線操作装置46の充電端子63,64が操作装置本体61から突出する構成としたが、これに限定することなく、無線操作装置46を荷台等に貼り付けることができる程度の磁力を有していれば、充電端子63,64の先端部が操作装置本体61の背面と面一の構成とすることも考えられる。また、同様に、充電端子63,64の磁力によっては、充電端子63,64が操作装置本体61の背面から窪んだ構成としても、充電器70の着座面や荷台3の側壁に無線操作装置46を吸着させられ得る。
【0060】
また、以上においては、荷受台5を折り畳んで車両1の下部空間に引き入れて格納する格納式の荷受台昇降装置の操作装置に本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明は各種の荷受台昇降装置に適用可能である。さらに、荷受台昇降装置の操作装置に限らず、ウィングボデー、ダンプ装置等、特装車両に積載された各種車両架装装置の操作装置にももちろん本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
4 荷受台昇降装置(車両架装装置)
46 無線操作装置(操作装置)
48A 上げ操作スイッチ
48B 下げ操作スイッチ
48C 電源スイッチ
61 操作装置本体
62 充電池
63 陽極充電端子
64 陰極充電端子
65 制御装置
66 表示部
67 操作部
70 充電器
71 充電器本体
72 通電スイッチ
73 陽極給電端子
74 陰極給電端子
75 電源プラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特装車両に積載された車両架装装置の操作装置において、
操作装置本体と、
この操作装置本体に内蔵された充電池と、
磁石又は磁化された磁性体で形成された陽極充電端子と、
磁石又は磁化された磁性体で形成された陰極充電端子と
を備えたことを特徴とする車両架装装置の操作装置。
【請求項2】
請求項1の車両架装装置の操作装置において、
前記陽極充電端子及び前記陰極充電端子は、前記操作装置本体から突出していることを特徴とする車両架装装置の操作装置。
【請求項3】
請求項1又は2の車両架装装置の操作装置において、
前記充電池への充電動作を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記陽極充電端子及び前記陰極充電端子と前記充電池との間に介在し、前記陽極充電端子及び前記陰極充電端子の電位差が設定の範囲にある間にのみ、前記陽極充電端子及び前記陰極充電端子を介して前記充電池に通電し前記充電池への充電を許容することを特徴とする車両架装装置の操作装置。
【請求項4】
請求項1−3のいずれかの車両架装装置の操作装置において、
前記充電池の電池残量を表示する表示部を備えていることを特徴とする車両架装装置の操作装置。
【請求項5】
請求項1−4のいずれかの車両架装装置の操作装置、及びこの操作装置の充電器からなる充電システムにおいて、
前記充電器は、
充電器本体と、
前記陽極充電端子が吸着する磁性体製の陽極給電端子と、
前記陰極充電端子が吸着する磁性体製の陰極給電端子と、
前記陽極給電端子及び陰極給電端子を電源に接続する電源プラグと
を備えたことを特徴とする車両架装装置の操作装置の充電システム。
【請求項6】
請求項5の車両架装装置の操作装置の充電システムにおいて、
前記充電器は、前記操作装置本体の着座によって入る通電スイッチを備え、当該通電スイッチが入ることで前記陽極給電端子及び前記陰極給電端子に通電されることを特徴とする車両架装装置の操作装置の充電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−136168(P2012−136168A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290541(P2010−290541)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)