説明

車両用グローブ

【課題】本発明は、グローブの中で手が滑ることを防止できる車両用グローブの提供を目的とする。
【解決手段】自転車などのハンドルを握るときに手に着用する車両用グローブである。グローブ1の内面における人差し指の根元部分の親指対向側に滑り止め部材6が設けられている。この滑り止め部材6は、さらに親指の根元部分の人差し指対向側に連続して延びる態様で設けられている。また、この滑り止め部材6は、小径のシリコン製の凸部6aが複数形成された集合体からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車などの車両のハンドルを握るときに手に着用する車両用グローブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自転車(特にスポーツ用自転車)などの車両において、ハンドルを操作し易くしたり、長時間のライディングでの手の疲労を軽減したり、また地面からの衝撃を少しでも吸収するため、グローブを着用する場合が多い。
【0003】
このグローブは、一般に合成素材、皮素材、ゴム素材、あるいはそれらの混合素材により形成される。そして、ハンドルを握ったときの滑り止めを目的としたグローブが数多く提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−120272号公報
【特許文献2】実用新案登録第3086188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のグローブは、グローブの外側であって、しかも手のひら部分や指の腹部分の全体に滑り止め部材が設けられているものであった。このためハンドルとグローブとの間では滑り止め部材の摩擦力により滑りを軽減することができるが、グローブと手の間には摩擦力がほとんど生じず、グローブの中で手が滑ってしまうという問題があった。このため、ハンドルを操作しくくなり、また長時間のライディングでの手の疲労を十分に軽減するものではなかった。
【0006】
本発明は、このよう問題に鑑みてなされたものであって、グローブの中で手が滑ることを防止できる車両用グローブの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、自転車などの車両のハンドルを握るときに手に着用する車両用グローブであって、グローブの内面における人差し指の根元部分の親指対向側に滑り止め部材が設けられていることを特徴とする。これによれば、特に人差し指の根元部分の親指対向側とグローブ内面との間に滑り止め部材による摩擦力が生じ、各種操作に重要な人差し指がグローブの中で滑ることを防止できる。
【0008】
また、前記滑り止め部材は、さらに親指の根元部分の人差し指対向側に連続して延びる態様で設けられているのが好ましい。これによれば、さらに親指の根元部分の人差し指対向側とグローブ内面の間に滑り止め部材による摩擦力が生じ、人差し指とともに親指がグローブの中で滑ることを防止できる。
【0009】
また、前記滑り止め部材は、小径のシリコン製の凸部が複数形成された集合体からなるのが好ましい。これによれば、滑り止め部材を安価かつ簡易に構成することができるとともに、長期間に亘る使用に対する耐久性にも優れている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、人差し指の根元部分の親指対向側とグローブ内面との間に滑り止め部材による摩擦力が生じ、各種操作に重要な人差し指がグローブの中で滑ることを防止できる。このため車両のハンドル操作時のグリップ力が向上し、またハンドル周りに取り付けられているシフトレバーやブレーキレバーなどの各種装置を操作し易くなり、ひいては長時間のライディングでの手の疲労を十分軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態にかかるグローブにおける手の甲の外側の平面図である。
【図2】グローブの手のひらの外側の平面図である。
【図3】グローブの手の甲の内側の平面図である。
【図4】グローブの手のひらの内側の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に本発明の一実施形態に係るグローブ1について図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、自転車のハンドル(図示略)を握るときに手に着用するグローブ1に適用したものである。
【0013】
本グローブ1は、図1〜図4に示すように、主に合成素材とゴム素材を組み合わせた混合素材で形成され、各指の第2関節付近で裁断されている。このような形態のグローブ1は既に周知のものであり、グローブ1を着用すると各指の先端部から第2関節までが突出した状態になる。これによりグローブの本来の機能を持たせたまま、素手の状態と同様に手先で細かい作業が行い易くなる。
【0014】
本グローブ1の甲部分の上部は、素材が立体的なメッシュ構造2に形成されている。このように素材の中に空洞を確保することにより、グローブ1の中に風邪を効率的に導くことができ、手の汗で蒸れることを軽減し、涼しさを向上させることができる。
【0015】
また、本グローブ1の甲部分の下部には、図1に示すように、ストラップ3が2段に並んで取り付けられている。このストラップ3は、ベルト31をリング部材32に通して折り返したあと、再び同ベルト31の上部にマジックテープ(登録商標)にて係止するようになっている。特に本グローブ1ではストラップ3が2段に並んで取り付けられることにより、本グローブ1の手の甲部分の素材をサポートし、素手でハンドルを握っているフィット感を実現することができる。
【0016】
また、本グローブ1の外面における人差し指の根元部分から親指の根元部分には、羊皮素材4が連続的に設けられている。この羊皮素材4は特有のしなやかさを有するとともに、グリップ力が増すため、確実なブレーキングやシフティングを実現することができる。なお、ブレーキングとは、ハンドルの前方のあるブレーキレバーを操作することをいい、シフティングは同じくハンドルの前方にあるシフトレバーを操作することをいう。
【0017】
また、本グローブ1の外面における手のひら部分には、図2に示すように、皮素材の滑り止め部材5が3段に設けられている。このように滑り止め部材5を3段に設けることにより、ハンドルの周面に亘って滑り止め実現することができ、しかもハンドルをしなやかに握ることができる。
【0018】
また、本グローブ1の内面における人差し指の根元部分から親指の根元部分には、図3に示すように、滑り止め部材6が連続的に設けられている。特に本実施形態では、人差し指の根元部分の親指対向側と、親指の根元部分の人差し指対向側にそれぞれ滑り止め部材6が設けられている。
【0019】
このように人差し指の根元部分の親指対向側とグローブ1の内面との間に滑り止め部材6による摩擦力が生じ、各種操作に重要な人差し指がグローブ1の中で滑ることを防止できる。このため自転車のハンドル操作時のグリップ力が向上し、またハンドル周りに取り付けられているシフトレバーやブレーキレバーなどの各種装置を操作し易くなり、ひいては長時間のライディングでの手の疲労を十分軽減することが可能となる。
【0020】
この滑り止め部材6は、小径のシリコン製の凸部6aが複数形成された集合体からなる。これによれば、滑り止め部材6を安価かつ簡易に構成することができるとともに、長期間に亘る使用に対する耐久性にも優れている。
【0021】
なお、本実施形態では、人差し指の根元部分から親指の根元部分にかけて連続的に滑り止め部材6を設けるものとしたが、人差し指の根元部分のみであってもよい。但し、その場合であっても、少なくとも人差し指の根元部分における親指対向側に滑り止め部材6が設けられる必要がある。
【0022】
また、本実施形態では、指の第2関節以上が裁断されたグローブ1としたが、指の全関節が被覆されるグローブであってもよい。
【0023】
また、自転車用のグローブ1に適用したが、その他の車両のグローブに適用してもよい。
【0024】
また、ストラップ3や滑り止め部材6などは種々に設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0025】
1・・・グローブ
2・・・メッシュ構造
3・・・ストラップ
31・・・ベルト
32・・・リング部材
4・・・羊皮素材
5・・・滑り止め部材(外面)
6・・・滑り止め部材(内面)
6a・・・シリコン製凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車などの車両のハンドルを握るときに手に着用する車両用グローブであって、グローブの内面における人差し指の根元部分の親指対向側に滑り止め部材が設けられていることを特徴とする車両用グローブ。
【請求項2】
前記滑り止め部材は、さらに親指の根元部分の人差し指対向側に連続して延びる態様で設けられている請求項1に記載の車両用グローブ。
【請求項3】
前記滑り止め部材は、小径のシリコン製の凸部が複数形成された集合体からなる請求項1または請求項2に記載の車両用グローブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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