説明

車両用シート

【課題】パッド部を効率よく振動させて乗員に対するリラックス効果やマッサージ効果を与える。
【解決手段】車両用シート10では、支持フレーム40は平板状に形成されている。また、支持フレーム40にはモータユニット52が設けられており、支持フレーム40はモータユニット52によって振動する。このため、支持フレーム40の脚載せパッド50を振動させる面積を大きくできる。また、支持フレーム40がモータユニット52によって振動する際には、支持フレーム40が面振動して、この振動が脚載せパッド50を介して乗員のふくらはぎ部に伝達される。これにより、モータユニット52の振動が、脚載せパッド50に効率よく伝達されて、乗員のふくらはぎ部に伝達される。したがって、脚載せパッド50を効率よく振動させて乗員にリラックス効果やマッサージ効果を与えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動体を備えた車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用シートでは、シートクッションの車両前方に設けられた脚載せ台(所謂、「オットマン装置」)を備えたものがある(特許文献1参照)。脚載せ台はシートクッションに回動可能に支持されており、脚載せ台が回動された際には、乗員のふくらはぎ部が脚載せ台に支持される。このため、乗員に対してリラックス効果を付与できる。
【0003】
また、車両用シートでは、シートバックのクッション体の内部に振動体ユニットを備えたものがある(特許文献2参照)。この車両用シートでは、振動体ユニットの振動がクッション体を介して乗員の背中部に伝達されため、乗員に対してリラックス効果やマッサージ効果を付与できる。
【0004】
ところで、前述した脚載せ台を振動させて該振動を乗員に伝達すれば、乗員に対して更なるリラックス効果やマッサージ効果を与えることができる。また、この際には、脚載せ台を効率よく振動させることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−66180号公報
【特許文献2】特開平9−38168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事実を考慮し、パッド部を効率よく振動させて乗員に対するリラックス効果やマッサージ効果を与えることができる車両用シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の車両用シートは、乗員が着座するシートクッションの車両前方に設けられると共に、前記シートクッションに回動可能に支持され、板状に形成された支持フレームと、前記支持フレームに保持され、乗員のふくらはぎ部を支持するパッド部と、前記支持フレームに設けられ、前記支持フレームを振動させる振動体と、を備えている。
【0008】
請求項1に記載の車両用シートでは、支持フレームが、シートクッションに回動可能に支持されると共に、シートクッションの車両前方に設けられている。また、パッド部が支持フレームに保持されており、乗員のふくらはぎ部がパッド部によって支持される。
【0009】
ここで、支持フレームは板状に形成されている。また、支持フレームには振動体が設けられており、支持フレームは振動体によって振動する。
【0010】
このため、支持フレームのパッド部を振動させる面積を大きくできる。また、支持フレームが振動体によって振動する際には、支持フレームが面振動して、該振動がパッド部を介して乗員のふくらはぎ部に伝達される。これにより、振動体の振動が、パッド部に効率よく伝達されて、乗員のふくらはぎ部に伝達される。
【0011】
請求項2に記載の車両用シートは、請求項1に記載の車両用シートにおいて、前記シートクッションに連結され、乗員の背中部を支持するシートバックを備え、前記振動体が前記支持フレームを振動させることで前記シートクッション及び前記シートバックを共振させる。
【0012】
請求項2に記載の車両用シートでは、乗員の背中部を支持するシートバックがシートクッションに連結されており、振動体が支持フレームを振動させることで、シートクッション及びシートバックが共振する。このため、振動体の振動によって車両用シート全体が振動するため、乗員のふくらはぎ部のみならず乗員の尻部や背中部にも振動体の振動が伝達される。
【0013】
請求項3に記載の車両用シートは、請求項1又は請求項2に記載の車両用シートにおいて、前記振動体が前記支持フレームの先端部に設けられている。
【0014】
請求項3に記載の車両用シートでは、振動体が支持フレームの先端部に設けられているため、支持フレームの先端部に振動体の振動が付与にされる。このため、支持フレームが振動体によって振動されやすくなる。
【0015】
請求項4に記載の車両用シートは、請求項3に記載の車両用シートにおいて、前記振動体は、モータと前記モータの出力軸に偏心して取付けられた偏心体とで構成されると共に、前記出力軸を前記支持フレームの先端側にして配置されている。
【0016】
請求項4に記載の車両用シートでは、振動体がモータと偏心体とで構成されている。偏心体はモータの出力軸に取付けられており、モータの出力軸が支持フレームの先端側に配置されている。このため、支持フレームが振動体によって一層振動されやすくなる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の車両用シートによれば、パッド部を効率よく振動させて乗員にリラックス効果やマッサージ効果を与えることができる。
【0018】
請求項2に記載の車両用シートによれば、振動体の支持フレームを振動させる動力を利用して、振動体の振動を乗員のふくらはぎ部のみならず乗員の尻部や背中部にも伝達させて、乗員に対するリラックス効果やマッサージ効果を与えることができる。
【0019】
請求項3に記載の車両用シートによれば、振動体が支持フレームを一層効率よく振動させることができるため、振動体の振動をパッド部に一層効率よく伝達できる。
【0020】
請求項4に記載の車両用シートによれば、振動体が支持フレームをより一層効率よく振動させることができるため、振動体の振動をパッド部により一層効率よく伝達できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用シートを一部破断した車両左斜め前方から見た斜視図である。
【図2】図1に示される車両用シートに用いられるオットマン装置が格納位置に配置されている状態を示す車両左方から見た側面図である。
【図3】図1に示される車両用シートに用いられるオットマン装置が脚載せ位置に配置されている状態を示す車両左方から見た側面図である。
【図4】図1に示される車両用シートに用いられるオットマン装置の要部を示す車両左斜め前方から見た斜視図である。
【図5】(A)は、図4に示されるオットマン装置の要部が格納位置に配置されている状態を示す車両左方から見た側面図である。(B)は、オットマン装置の要部が格納位置から脚載せ位置へ回動される際を示す車両左方から見た側面図である。(C)は、オットマン装置の要部が脚載せ位置に配置されている状態を示す車両左方から見た側面図である。
【図6】図4に示されるオットマン装置の支持フレームを裏面側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1には、本発明の実施の形態に係る車両用シート10が車両左斜め前方から見た斜視図にて示されており、図2及び図3には、車両用シー10が車両左方から見た側面図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車両右方(車幅方向一側)を矢印RHで示し、上方を矢印UPで示す。
【0023】
これらの図に示すように、車両用シート10はシートクッション12を備えている。シートクッション12には、金属により製作されたシートクッションフレーム14(図1にはシートクッションフレーム14が図示省略されており、図2及び図3にはシートクッションフレーム14の車両前方の部分のみが示されている)が設けられており、シートクッションフレーム14は車両の床部に連結されている。また、シートクッション12には、ウレタン等の発泡材により製作されたクッションパッド16が設けられており、クッションパッド16はシートクッションフレーム14に保持されている。これにより、シートクッション12は着座乗員の尻部を支持する。
【0024】
シートクッション12の車両後端には、シートバック18が立設されている。シートバック18内には、図示しない金属により製作されたシートバックフレームが設けられており、シートバックフレームは、下部において、シートクッションフレーム14に傾動可能に支持されている。シートバック18には、ウレタン等の発泡材により製作されたバックパッド20が設けられており、バックパッド20はシートバックフレームに保持されている。これにより、シートバック18は着座乗員の背中部を支持する。
【0025】
シートクッション12の車両前方には、車両用シート10を構成するオットマン装置(脚載せ台)22が設けられている。
【0026】
図4及び図5(A)〜(C)にも示すように、オットマン装置22は、車両前方から見て略矩形枠状の固定ユニット24を備えている。固定ユニット24は、上部において、シートクッションフレーム14の車両前方の部分に固定されて、下方へ延在している。
【0027】
固定ユニット24には、車両前方から見て略U字形状のリンク機構26が連結されている。リンク機構26には、車幅方向両側の部分において、一対のリンク部28が設けられており、リンク部28には、略棒状のロッド30が車幅方向に沿って掛け渡されている。リンク部28には、略長尺板状のアーム32、34が設けられており、アーム32、34の長手方向一端が固定ユニット24に回転可能に連結されている。また、リンク部28には、略長尺板状のアーム36が設けられており、アーム36の長手方向一端の部分がアーム32、34の長手方向他端に回転可能に連結されている。さらに、リンク部28には、略長尺板状のアーム38が設けられており、アーム38の長手方向一端の部分がアーム32、34の長手方向中間部に回転可能に連結されている。このリンク機構26は、車両左方から見て、アーム32、34とアーム36、38とが略直線上に配置される状態(図5(A)に示す状態)から略X字形状に展開される状態(図5(B)及び(C)に示す状態)に揺動可能に構成されている。
【0028】
また、オットマン装置22は、支持フレーム40を備えている。支持フレーム40は、金属により製作されて、略平板状に形成されている。支持フレーム40の車幅方向両側の部分は、屈曲されて、リンク機構26のアーム36、38の長手方向他端部に回転可能に連結されている。これにより、支持フレーム40は、リンク機構26を介して固定ユニット24に車両前後方向へ回動可能に支持されている。ここで、リンク機構26のアーム32、34とアーム36、38とが略直線上に配置される際には、支持フレーム40は略上下方向に沿って配置されている(図5(A)に示す状態であり、以下この位置を「格納位置」という)。また、支持フレーム40が格納位置から車両前方へ回動されて、アーム32、34とアーム36、38とが略X字形状に展開される際には、支持フレーム40が略車両前後方向に沿って配置される(図5(C)に示す状態であり、以下この位置を「脚載せ位置」という)。
【0029】
支持フレーム40には、裏面側(固定ユニット24側)において、一対の連結ブラケット42(図5(A)〜(C)参照)が固定されている。連結ブラケット42は、略板状に形成されて、支持フレーム40から固定ユニット24側へ向けて突出されている。
【0030】
支持フレーム40と固定ユニット24との間には、駆動ユニット44が設けられている。駆動ユニット44は、長尺状の駆動ブラケット46を有しており、駆動ブラケット46は断面略U字形状に形成されている。駆動ブラケット46の長手方向一端部(図5(A)に示す上端部)は、車幅方向を軸線方向として固定ユニット24に回転可能に支持されている。
【0031】
駆動ブラケット46内には、長尺棒状の送りねじ48が設けられている。送りねじ48は駆動ブラケット46の長手方向に沿って配置されており、送りねじ48の両端部が回転可能に駆動ブラケット46に支持されている。送りねじ48の長手方向一端部(図5(A)に示す上端部)には、図示しない駆動モータが接続されている。駆動モータは後述する操作部60に電気的に接続されており、操作部60が操作されることによって、駆動モータに電流が供給されて、駆動モータが回転すると共に送りねじ48が回転されるように構成されている。また、送りねじ48の外周には、雄ネジが形成されている。
【0032】
送りねじ48には、図示しない略矩形筒状のナットが設けられている。ナットの内周部には、雌ネジが形成されており、雌ネジは送りねじ48の雄ネジに螺合されている。これにより、送りねじ48が自身の軸線回りに回転することで、ナットが送りねじ48の軸線方向に沿って移動される。
【0033】
ナットには、前述した支持フレーム40の連結ブラケット42が回転可能に連結されている。これにより、ナットが送りネジの長手方向一端側に位置している際には、支持フレーム40が格納位置に配置されるように構成されている(図5(A)参照)。また、駆動モータによって送りネジが自身の軸線回りに回転されて、ナットが送りネジの長手方向他端側へ移動すると、支持フレーム40が格納位置から脚載せ位置へ回動されるように構成されている(図5(C)参照)。
【0034】
一方、支持フレーム40の表面側(固定ユニット24とは反対側)には、パッド部としてのウレタン等の発泡材によって製作された脚載せパッド50が設けられている。脚載せパッド50は、支持フレーム40の表面全体に支持(保持)されている。これにより、脚載せパッド50の略全体が支持フレーム40によって支持されている。また、脚載せパッド50の表面側には、表皮52が設けられており、表皮52は脚載せパッド50を被覆している。
【0035】
支持フレーム40の裏面側(固定ユニット24側)には、振動体としてのモータユニット52が設けられている(図6参照)。モータユニット52は、略円柱状のモータ54と偏心体としての略扇形板状の偏心重り56とで構成されている。モータユニット52は、支持フレーム40の先端側(図4に示す矢印A側)の部分かつ車幅方向中央部において、断面略U字形状に形成されたモータブラケット58を介して支持フレーム40に固定されている。また、モータユニット52は、連結ブラケット42の側方に配置されて、駆動ユニット44と干渉しないように構成されている。さらに、モータユニット52は、モータ54の軸線方向を支持フレーム40の車幅方向に直交する方向に沿った状態にして配置されている。モータ54の一端部(支持フレーム40の先端側の端部)には、略シャフト状の出力軸54Aが設けられており、出力軸54Aはモータ54から支持フレーム40の先端側へ向けて突出されている。
【0036】
モータ54の出力軸54Aには、先端部において、偏心重り56が固定されており、偏心重り56は、モータ54の出力軸に対して偏心して配置されている。このため、モータ54の出力軸54Aが回転すると、偏心重り56が出力軸54Aに対して偏心して回転することで、モータユニット52が所定振動数の振動を発生する。これにより、モータユニット52が振動源として作用すると共に、支持フレーム40にこの振動が付与されて、支持フレーム40が振動する。
【0037】
また、モータ54は操作部60に電気的に接続されており(図4参照)、操作部60は乗員によって操作可能に構成されている。操作部60が操作されると、モータ54に電流が供給されて、モータ54の出力軸54Aが回転されることで、モータユニット52が振動を発生する。さらに、モータユニット52が発生した振動によって支持フレーム40が振動する際には、支持フレーム40の振動がリンク機構26、固定ユニット24を介してシートクッションフレーム14及びシートバックフレームに伝達されて、シートクッションフレーム14及びシートバックフレームが振動(共振)するように構成されている。
【0038】
次に、本発明の作用及び効果を説明する。
【0039】
まず、図2に示すように、初期状態においては、オットマン装置22は格納位置に配置されている。シートクッション12に着座した乗員が、オットマン装置22を回動させるために操作部60を操作すると、駆動モータが駆動されて、オットマン装置22が格納位置から脚載せ位置へ回動される(図3参照)。これにより、乗員のふくらはぎ部がオットマン装置22に支持されるため、乗員に対するリラックス効果を付与できる。
【0040】
この状態で、オットマン装置22を振動させるために乗員が操作部60を操作すると、モータ54の出力軸54Aが所定回転数で回転する。モータ54の出力軸54Aには偏心重り56が偏心して固定されているため、モータ54の出力軸54Aが回転すると、モータユニット52によって振動が発生する。また、この状態では、支持フレーム40が略車両前後方向に沿って配置されると共に、モータ54の出力軸54Aが略車両前方に向けてモータ54から突出されるため、支持フレーム40が主に上下方向に振動する。これにより、この振動が脚載せパッド50を介して、乗員のふくらはぎ部に伝達されて、乗員に対するリラックス効果及びマッサージ効果を付与できる。
【0041】
また、支持フレーム40が振動することで、この振動がリンク機構26、固定ユニット24を介してシートクッションフレーム14及びシートバックフレームに伝達されて、シートクッション12及びシートバック18が振動(共振)する。
【0042】
一方、オットマン装置22を格納位置に回動させるために乗員が操作部60を操作すると、駆動モータが駆動されて、オットマン装置22が脚載せ位置から格納位置へ回動される(図2参照)。この状態でオットマン装置22を振動させるために乗員が操作部60を操作すると、モータ54の出力軸54Aが所定回転数で回転して、モータユニット52によって振動が発生する。また、この状態では、支持フレーム40が略上下方向に沿って配置されると共に、モータ54の出力軸54Aが略下方に向けてモータ54から突出されるため、支持フレーム40が主に車両前後方向に振動する。その結果、この振動が脚載せパッド50を介して、乗員のふくらはぎ部に伝達される。これにより、オットマン装置22が格納位置に配置されている状態でも、乗員に対してリラックス効果を付与できる。
【0043】
また、この状態においても、支持フレーム40が振動することで、この振動がリンク機構26、固定ユニット24を介してシートクッションフレーム14及びシートバックフレームに伝達されて、シートクッション12及びシートバック18が振動(共振)する。
【0044】
ここで、支持フレーム40は平板状に形成されている。また、支持フレーム40にはモータユニット52が設けられており、支持フレーム40はモータユニット52によって振動する。
【0045】
このため、支持フレーム40の脚載せパッド50を振動させる面積を大きくできる。また、支持フレーム40がモータユニット52によって振動する際には、支持フレーム40が面振動して、この振動が脚載せパッド50を介して乗員のふくらはぎ部に伝達される。これにより、モータユニット52の振動が、脚載せパッド50に効率よく伝達されて、乗員のふくらはぎ部に伝達される。したがって、脚載せパッド50を効率よく振動させて乗員にリラックス効果やマッサージ効果を与えることができる。
【0046】
また、上述のように、オットマン装置22が格納位置及び脚載せ位置に配置された際でも、乗員の操作部60の操作によって、支持フレーム40を振動させることができる。さらに、オットマン装置22が格納位置に配置された際にモータ54の出力軸54Aを回転させると、支持フレーム40が主に車両前後方向に振動する。一方、オットマン装置22が脚載せ位置に配置された際にモータ54の出力軸54Aを回転させると、支持フレーム40が主に上下方向に振動する。このように、オットマン装置22が配置される位置によって、支持フレーム40が振動する振動特性を変化させることができるため、乗員に与えるマッサージ感を変化させることもできる。
【0047】
さらに、オットマン装置22は、車両用シート10の車両前方の部分に配置されているため、モータユニット52から発生する振動が支持フレーム40を振動させることで、シートクッションフレーム14及びシートバックフレームが振動(共振)する。このため、モータユニット52が支持フレーム40を振動させることで、車両用シート10全体が振動するため、乗員のふくらはぎ部のみならず乗員の尻部や背中部にもモータユニット52の振動が伝達される。したがって、モータユニット52の支持フレーム40を振動させる動力を利用して、モータユニット52の振動をふくらはぎ部のみならず尻部や背中部にも伝達させて、リラックス効果やマッサージ効果を与えることができる。
【0048】
また、モータユニット52が支持フレーム40の先端部に設けられている。このため、支持フレーム40の先端部にモータユニット52の振動が付与されるため、支持フレーム40がモータユニット52によって振動されやすくなる。これにより、モータユニット52が支持フレーム40を一層効率よく振動させることができるため、モータユニット52の振動を脚載せパッド50に一層効率よく伝達できる。
【0049】
さらに、モータ54の出力軸54Aが支持フレーム40の先端側に配置されている。このため、支持フレーム40がモータユニット52によって一層振動されやすくなる。これにより、モータユニット52が支持フレーム40をより一層効率よく振動させることができるため、モータユニット52の振動を脚載せパッド50により一層効率よく伝達できる。
【0050】
なお、本実施の形態では、モータ54の出力軸54Aを所定回転数で回転させて、モータユニット52が所定振動数の振動を発生するように構成されている。これに替えて、モータ54の回転数を段階的に切り替え可能に構成して、モータユニット52が発生する振動の振動数を段階的に切り替え可能にしてもよい。例えば、シートクッションフレーム14、シートバックフレーム、支持フレーム40の各々の固有振動数に合せて、モータユニット52が発生する振動の振動数を3段階に切り替え可能に構成してもよい。この場合には、モータユニット52が発生する振動によって、シートクッションフレーム14(シートクッション12)、シートバックフレーム(シートバック18)、及び支持フレーム40(オットマン装置22)の内の一つを主に振動させることができるため、乗員の好みに応じたリラックス効果やマッサージ効果を与えることができる。
【0051】
また、本実施の形態では、駆動モータの駆動によってオットマン装置22が格納位置から脚載せ位置へ回動されるが、オットマン装置22を回動させる機構はこれに限らない。例えば、支持フレーム40をシートクッションフレーム14に回動可能に支持させて、トーションばね等の付勢力でオットマン装置22を格納位置から脚載せ位置へ回動させてもよい。この場合には、駆動モータを用いる必要がなくなる。さらに、格納位置と脚載せ位置との間の所定位置にオットマン装置を保持させるために、ラチェット機構等を用いてもよい。
【0052】
さらに、本実施の形態では、支持フレーム40にモータユニット52が一つ設けられている。これに替えて、支持フレーム40にモータユニット52を二つ以上設けてもよい。例えば、駆動力の違うモータ54を支持フレーム40に設けて、これらのモータ54を切り替え駆動することで、支持フレーム40を振動させる力を変化させることができる。
【0053】
また、本実施の形態では、モータ54の出力軸54Aに偏心重り56が取付けられているが、出力軸54Aの長さは任意に設定できる。これにより、モータ54の出力軸54Aが回転する際のモータユニット52から支持フレーム40に付与する振動による力を変化させることができる。
【0054】
さらに、本実施の形態では、支持フレーム40が金属により製作されている。これに替えて、支持フレーム40を硬質樹脂により製作されてもよい。つまり、モータユニット52が発生した振動を伝達しやすい材料にすればよい。
【0055】
また、本実施の形態では、モータユニット52が振動を発生する構成にされている。これに替えて、振動体としてソレノイドを用いて、ソレノイドを駆動することで支持フレーム40に振動を付与してもよい。
【0056】
さらに、本実施の形態では、モータユニット52は支持フレーム40の先端部に設けられているが、モータユニット52の位置は支持フレーム40の形状や支持方法によって適宜変更されてもよい。
【0057】
また、本実施の形態では、モータ54の出力軸54Aが回転することによって、支持フレーム40に振動が付与されるため、この振動の振動波形が正弦波にされている。これに替えて、モータユニット52がランダム波の振動を発生できるように構成して、モータユニット52から支持フレーム40にランダム波の振動を付与してもよい。例えば、ホワイトノイズのランダム波を支持フレーム40に付与することで、広い周波数帯域の振動を乗員に付与できる。
【符号の説明】
【0058】
10 車両用シート
12 シートクッション
18 シートバック
40 支持フレーム
50 脚載せパッド(パッド部)
52 モータユニット(振動体)
54 モータ
56 偏心重り(偏心体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員が着座するシートクッションの車両前方に設けられると共に、前記シートクッションに回動可能に支持され、板状に形成された支持フレームと、
前記支持フレームに保持され、乗員のふくらはぎ部を支持するパッド部と、
前記支持フレームに設けられ、前記支持フレームを振動させる振動体と、
を備えた車両用シート。
【請求項2】
前記シートクッションに連結され、乗員の背中部を支持するシートバックを備え、
前記振動体が前記支持フレームを振動させることで前記シートクッション及び前記シートバックを共振させる請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記振動体が前記支持フレームの先端部に設けられた請求項1又は請求項2に記載の車両用シート。
【請求項4】
前記振動体は、モータと前記モータの出力軸に偏心して取付けられた偏心体とで構成されると共に、前記出力軸を前記支持フレームの先端側にして配置された請求項3に記載の車両用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−196253(P2012−196253A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60837(P2011−60837)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000004640)日本発條株式会社 (1,048)