車両用トランク装置
【課題】部品点数および組立工数を削減できる車両用トランク装置を提供する。
【解決手段】トランク本体(31)に対して開閉可能に取り付けられたリッド(32)を有するトランク(30)を車両に対して着脱可能に取り付ける係合フック(41)と、係合フック(41)を操作する操作レバー(42)と、係合フック(41)と操作レバー(42)とを連動させるための少なくとも一つの軸(41a)による連結部を有するトランク着脱機構(40)と、キー(51)の回動操作に連動する、少なくとも一つの軸(54a)で連結されたリンク(54)を有し、トランク本体(31)に対するリッド(32)の開動作を規制するロック機構(50)とを備え、少なくとも一つの軸の端部を、軸の軸線方向に直交させて配置した規制面(s)に当接させることで、軸線方向への移動を規制して連結部ないしリンクからの抜けを防止した。
【解決手段】トランク本体(31)に対して開閉可能に取り付けられたリッド(32)を有するトランク(30)を車両に対して着脱可能に取り付ける係合フック(41)と、係合フック(41)を操作する操作レバー(42)と、係合フック(41)と操作レバー(42)とを連動させるための少なくとも一つの軸(41a)による連結部を有するトランク着脱機構(40)と、キー(51)の回動操作に連動する、少なくとも一つの軸(54a)で連結されたリンク(54)を有し、トランク本体(31)に対するリッド(32)の開動作を規制するロック機構(50)とを備え、少なくとも一つの軸の端部を、軸の軸線方向に直交させて配置した規制面(s)に当接させることで、軸線方向への移動を規制して連結部ないしリンクからの抜けを防止した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用トランク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用トランク装置として、例えば特許文献1に見られるような車両用トランク装置が知られている。同文献の符号を借りて説明すると、この車両用トランク装置は、トランク本体(1)と、このトランク本体(1)に対して開閉可能に取り付けられたリッド(2)とを有するトランク(T)と、
このトランク(T)を車両に対して着脱可能に取り付ける係合フック(46)と、この係合フックを操作する操作レバー(50)と、これら係合フック(46)と操作レバー(50)とを連動させる軸(54,55)で連結された連結リンク(53)とを有するトランク着脱機構と、
キー(68)の回動操作に連動して、トランク本体(1)に対するリッド(2)の開動作を規制するロック機構とを備えている。
係合フック(46)と操作レバー(50)とを連結する連結リンク(53)の連結軸(54,55)は、その両端にサークリップを装着することによって、軸方向への抜けが防止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4344680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、部品点数、組立工数、および加工工数を削減できる車両用トランク装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明の車両用トランク装置は、トランク本体と、このトランク本体に対して開閉可能に取り付けられたリッドとを有するトランクと、
このトランクを車両に対して着脱可能に取り付ける係合フックと、この係合フックを操作する操作レバーと、これら係合フックと操作レバーとを連動させるための少なくとも一つの軸による連結部を有するトランク着脱機構と、
キーの回動操作に連動する、少なくとも一つの軸で連結されたリンクを有し、前記トランク本体に対するリッドの開動作を規制するロック機構と、
を備えた車両用トランク装置であって、
前記軸のうちの少なくとも一つの軸の端部を、該軸の軸線方向に直交させて配置した規制面に当接させることで、該軸の軸線方向への移動を規制して前記連結部ないしリンクからの抜けを防止したことを特徴とする。
この車両用トランク装置によれば、軸の端部が規制面に当接することで、該軸の軸線方向への移動が規制されて、軸の、連結部ないしリンクからの抜けが防止されるので、サークリップが不要となり、部品点数および組立工数の削減が可能となる。しかも、サークリップを装着するための、軸端部へのリング状溝の加工も不要となる。
ロック機構は、リンクを有しているので、レイアウトの自由度が向上する。リンクは軸で連結されるが、その軸には、サークリップを装着する必要がないので、部品点数の増大を防止することができる。
【0006】
前記車両用トランク装置は、キー(51)の回動操作に連動する、少なくとも一つの軸(54a)で連結されたリンク(54)を有し、前記トランク本体(31)に対するリッド(32)の開動作と、前記係合フック(41)の車両取付部(13)に対する係合解除動作とを規制するロック機構(50)をさらに備え、
前記軸のうちの少なくとも一つの軸の端部を、該軸の軸線方向に直交させて配置した規制面(s)に当接させることで、該軸の軸線方向への移動を規制して前記連結部ないしリンクからの抜けを防止した構成とすることができる。
そのように構成すると、ロック機構が一つで済むため、部品点数および組立工数を一層削減できる。
【0007】
前記規制面は、前記トランク本体の表面で構成することができる。
このように構成すると、規制面を構成する部材を別途設ける必要がないので、確実に部品点数および組立工数を削減できる。
【0008】
前記規制面は、前記係合フックおよび/または操作レバーを回動可能に取り付ける部材の内面で構成することができる。
このように構成すると、該部材をトランク本体と別材料で構成することにより、耐久性および剛性の向上を図ることができる。結果としてトランクの軽量化を図ることが可能となる。
【0009】
前記トランク着脱機構は、前記係合フックと操作レバーとを同一部材に回動可能に取り付けるとともに、これら係合フックと操作レバーとを連結リンクにて軸で連結し、かつその軸の端部は、いずれも、前記同一部材の内面に当接させることで、軸線方向への移動を規制した構成とすることができる。
このように構成すると、連結リンクの介在によりレイアウトの自由度が向上する。連結リンクは軸で連結されるが、その軸には、サークリップを装着する必要がないので、部品点数の増大を防止することができる。
【0010】
前記トランク着脱機構は、前記係合フックと操作レバーとを、それぞれ軸にて回動可能に取り付けるとともに、これら係合フックと操作レバーとを連結リンクにて連結し、かつ連結リンクの少なくとも一部は、前記軸の端部のうちの少なくとも一つの端部より外方に配置し、当該軸の端部を連結リンクの内面に当接させることで、当該軸の軸線方向への移動を規制した構成とすることができる。
このように構成すると、連結リンクの介在によりレイアウトの自由度が向上する。前記係合フックと操作レバーは軸で回動可能であるが、その軸の少なくとも一つは、連結リンク自体によって抜けが防止され、サークリップを装着する必要がないので、部品点数の増大を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る車両用トランク装置の一実施の形態の平面図。
【図2】同じく部分省略側面図(図1の正面図)。
【図3】図2における3−3断面図。
【図4】図1における4−4断面図。
【図5】図1における5−5断面図。
【図6】図1における6−6断面図。
【図7】図3における7−7拡大断面図。
【図8】トランク着脱機構40の正断面図(図9における8−8断面図)。
【図9】図8の側面図。
【図10】図8における10−10断面図。
【図11】図8における11−11断面図。
【図12】連結リンクの正面図。
【図13】トランク着脱機構40の取付部材44と上フック部材21、22との連結構造をトランク内側から見た斜視図。
【図14】左右一対の車両用トランク装置20を示す斜視図。
【図15】車両用トランク装置20の鞍乗型車両10への取付例を示す斜視図。
【図16】車両用トランク装置20の鞍乗型車両10への取付例を示す斜視図。
【図17】車両用トランク装置20の開状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る車両用トランク装置の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0013】
図1〜図3に示すように、この実施の形態の車両用トランク装置20は、トランク30と、このトランク30を車両10(図15参照)に対して着脱可能に取り付けるためのトランク着脱機構40と、トランク30の開閉および着脱を規制するロック機構50とを備えている。
【0014】
トランク30は、トランク本体31と、このトランク本体31に対して開閉可能に取り付けられたリッド32とを有している。
【0015】
トランク着脱機構40は、トランク30を車両10(図15参照)に対して着脱可能に取り付ける係合フック41と、この係合フック41を操作する操作レバー42と、これら係合フック41と操作レバー42とを軸41a、42aで連結する連結リンク43とを有している。この実施の形態では、係合フック41と操作レバー42とを連結リンク43で連結したが、連結リンク43を設けることなく、係合フック41と操作レバー42とを少なくとも一つの軸による連結部で連結することもできる。
【0016】
ロック機構50は、キー51(図15参照)の回動操作に連動する第1,第2リンク54,55を有し、トランク本体31に対するリッド32の開動作を規制する。この実施の形態のロック機構50は、第1,第2リンク54,55を有していて(図4,図7参照)、リンクを連結する軸も第1軸54a、第2軸55aの2つを有しているが、リンクは一つとすることもでき(例えば第1,第2リンク54,55を一体化する)、したがって、軸も一つとすることができる。
【0017】
この実施の形態の特徴は、前記軸41a、42a、54a、55aのうち、軸41a、42aの端部41b、42b(図10,図11参照)を、該軸41a、42aの軸線方向に直交させて配置した規制面sに当接させることで、該軸41a、42aの軸線方向への移動を規制して連結部ないしリンク43からの抜けを防止した点にある。
【0018】
この車両用トランク装置20によれば、軸41a、42aの端部41b、42bが規制面sに当接することで、該軸41a、42aの軸線方向への移動が規制されて、軸41a、42aの、連結部ないしリンク43からの抜けが防止されるので、サークリップが不要となり、部品点数および組立工数の削減が可能となる。しかも、サークリップを装着するための、軸端部へのリング状溝の加工も不要となる。
このような作用効果は、例えば図3に仮想線sで示すように、軸55aに関し、トランクの表面(この場合、内面)を近接させて、その近接部で規制面sを構成した場合にも得られる。軸54a、および後述する軸41cに関しても同様である。すなわち、規制面sは、トランクと別部材で構成することもできるが、トランク30の表面で構成することもでき、そのように構成すると、規制面sを構成する部材を別途設ける必要がないので、より一層の部品点数削減および組立工数削減を図ることができる。
【0019】
トランク30は、金属フレーム33と、留め具34,34とを備えており、留め具34,34を外して金属フレーム33を開くことでリッド32を開くことができる(図17参照)。
金属フレーム33は、トランク本体31の口縁部に設けられた本体側フレーム33bと、リッド32の下縁に設けられたリッド側フレーム33cと、これら両フレーム33b、33cを下部にて回動可能に連結するヒンジ33hとを備え、このヒンジ33h回りに、リッド32を開閉することができる(図17参照)。図17中、35は、両フレーム33b、33cの回動角を規制すべく、両フレームを連結する回動規制ベルト、36はインナーバッグである。
ヒンジ33hは、両フレーム33b、33cにリベット33rで固定される。
【0020】
図3に示すように、本体側フレーム33bは、その口縁内側に沿ってリッド32側に突出する突条33pを有している一方、リッド側フレーム33cは、その口縁内側に沿って前記突条33pを受け入れる凹溝33gと、この凹溝33g内に収容されたチューブ状シール33sとを有している。リッド32が閉じられると、突条33pの先端部分が凹溝33gに入り込んでチューブ状シール33sに食い込むようにして当接する。このような構成によると、シール性が向上する。
【0021】
図8〜図11にも示すように、トランク着脱機構40は、前記係合フック41と操作レバー42とを同一部材44に回動可能に取り付けるとともに、これら係合フック41と操作レバー42とを連結リンク43にて軸41a、42aで連結し、かつその軸41a、42aの端部41b、42bは、いずれも、前記同一部材44の内面sに当接させることで、軸線方向への移動を規制した構成となっている。
このように構成すると、連結リンク43の介在によりレイアウトの自由度が向上する。連結リンク43は軸41a、42aで連結されるが、その軸41a、42aには、サークリップを装着する必要がないので、部品点数の増大を防止することができる。
【0022】
上記部材44は、トランク着脱機構40をトランク30に取り付けるための取付部材である。
この取付部材44は一体成型品であり、第1開口44h1を有する側板44bと、この側板44bの上部に設けられた天板44cと、側板44b上部から天板44cに亘って設けられた第2開口44h2と、第1開口44h1および第2開口44h2の前後両側において側板44bと天板44cとを連結するように設けれた支持板44f、44fと、これら支持板44f、44f同士を連結する横架部44jと、この横架部44jからトランク内方へ向けて突出する軸支持部44k(図8,図10)と、トランク本体31への複数(図示のものは4個(図2参照))の取付部44mとを有している。
【0023】
係合フック41は、第1開口44h1に設けられており、基部41dが、軸41cによって、側板44f、44f間に回動可能に支持されている。軸41cは側板41f、41fに固定されている。軸41cは、その両端にトランクの表面(この場合、外面31s(図3参照))を近接させて、その近接部で規制面sを構成することによって、側板41f、41fからの抜けを防止することができる。
操作レバー42は、第2開口44h2に設けられており、基部42dが、軸42cによって、軸支持部44kに回動可能に支持されている。軸42cは軸支持部44kに固定されている。軸42cは、その端部42c1,42c1(図10)が連結リンク43の内面43sに当接することによって、軸支持部44kからの抜けが防止される。
連結リンク43は、図12に示すようなプレート状リンクを係合フック41および操作レバー42の両側に配置することで構成され(図10,図11)、前述した軸41aで係合フック41に回動可能に連結され、前述した軸42aで操作レバー52に回動可能に連結されている。連結リンク43は、少なくともその一部(図12における領域s参照)が、操作レバー42の軸42cの端部42c1より外方に配置され、軸42cに対する規制面sを構成する。図12において、仮想線sで示す領域が規制面である。なお、幅方向において、係合フック41と操作レバー42とを入れ替えることで、係合フック41の軸41cの抜けを連結リンク43で規制することもできる。
【0024】
前述した軸41a、42aに対する規制面sは、側板41f、41fの内面で構成される。なお、係合フック41、操作レバー42はそれぞれ別の部材に回動可能に取り付けることもでき、その場合には、各部材の内面で規制面sを構成することができる。いずれにしても、係合フック41および/または操作レバー42を回動可能に取り付ける部材をトランク30と別材料で構成することにより、耐久性および剛性の向上を図ることができる。結果としてトランク30の軽量化を図ることが可能となる。
【0025】
図8において、操作レバー42の操作部42fを外側へ引くようにして操作レバー42を仮想線で示すように回動させると、連結リンク43による連動作用で係合フック41が仮想線で示すように下方へ回動し、フック部41gによる車両側取付部13(図15)に対する係合が解除される。
【0026】
以上のようなトランク着脱機構40はユニットとして構成され、トランク30に組み付けられる。
図1〜図4に示すように、トランク本体31には、トランク着脱機構40を受け入れる凹部31hが設けられている。
トランク着脱機構40は、トランク本体31の凹部31hに嵌め込まれ、ボルト31bで固定される。図4に示すように、取付部44mにはナット44nが埋め込まれており、このナット44nにボルト31bを結合させることで、トランク着脱機構40がトランク本体31に固定される。
【0027】
図1〜図6に示すように、トランク30の内側上部前後には、上フック部材21、22が設けられ、トランク30の内側下部前部には下フック部材23が設けられている。
上フック部材21、22は、その湾曲板状の基部21b、22bがそれぞれ複数のリベット21r、22rでトランク本体31に固定されるとともに、図13に示すように、基部の内方に一体に設けられた固定片21f、22fが、ボルト31bによる前述した取付部材44の取付部44mとの共締めにより、トランク本体31に固定されている。これによって、取付部材44と上フック部材21、22とが、いわば三位一体となって、剛性及びトランク本体31への取付け精度を上げることができる。
下フック部材23は、その湾曲板状の基部23bが複数のリベット23rでトランク本体31に固定されることで、トランク本体31の前方下角部に固定されている。
【0028】
ロック機構50は、トランク本体31に対するリッド32の開動作を規制するとともに、前記係合フック41の車両取付部13(図15)に対する係合解除動作も規制する。そのように構成すると、ロック機構が一つで済むため、部品点数および組立工数を一層削減できる。
【0029】
図7に示すように、ロック機構50は、キー51(図15参照)によって回動操作されるシリンダ錠52と、このシリンダ錠52を介してキー51にて回動操作されるレバー53と、前述した第1,第2リンク54,55とを有している。
【0030】
レバー53は、第1アーム53aと、第2アーム53bとを有している。第2アーム53bに第1リンク54の一端が軸54aで連結され,第1リンク54の他端に軸55aで第2リンク55が連結されている。
第2リンク55にはフック55fが設けられている一方、リッド32には、フック55fと係脱可能な係合部材56が固定されている。第2リンク55は、トランク本体31に設けられたガイドピン57,57に案内されて、係合部材56と係脱する方向(前後方向)にスライド可能である。
【0031】
キー51がロック位置にあるとき、図7および図11に実線で示すように、第1アーム53aは、操作レバー42の下方に位置し、操作レバー42の開方向(係合フック41による係合を解除する方向)への回動を阻止する。また、図3および図7に示すように、第2リンク55のフック55fは、係合部材56の係合穴56hに入り込み、リッド32が開かれることを阻止する。
【0032】
キー51がロック位置から回動されてアンロック位置(オープン位置(図15))にあるとき、図7に仮想線で示すように、第1アーム53aは、操作レバー42の下方から退避し、操作レバー42の開方向(係合フック41による係合を解除する方向)への回動を許す。また、図7に仮想線で示すように、第2リンク55のフック55fは、レバー53と連動して係合部材56の係合穴56hから退避し(抜けだし)、リッド32が開かれること許す。
【0033】
ロック機構50は、リンク(図示のものは第1,第2リンク54,55)を有しているので、レイアウトの自由度が向上する。リンクは軸で連結されるが、その軸には、サークリップを装着する必要がないので、部品点数の増大を防止することができる。
【0034】
以上のような車両用トランク装置20は、通常、図14に示すように、左右一対(20(R,L))用意され、車両の左右に着脱可能に装着される。
以下その装着手順等について、左方の車両用トランク装置20(L)を代表させて説明する。
【0035】
車両用トランク装置20を装着するには、先ず、図15に示すように、キー51をオープン位置にして、操作レバー42を上げて係合フック41を下げた状態とし(図3仮想線参照)、上フック部材21、22、および下フック部材23をそれぞれ車両(例えば自動二輪車)10に設けられている取付部11,11,および12に引っ掛け、次いで、図16および図3に実線で示すように操作レバー42を下げて係合フック41を車両10に設けられている取付部13(図15)に係合させる。これにより車両用トランク装置20の各フック21,22,23,および41は車両の各取付部から外れない状態となる。その後、キー51をロック位置に回して抜き取ることにより、操作レバー42の操作が禁止されるとともに、リッド32が開くことも防止される。
車両用トランク装置20の取り外しは逆の手順を行えばよい。
キー51をオープン位置にすることで、図17に示すように、留め具34,34を外してリッド32を開くことができる。
【0036】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【符号の説明】
【0037】
10:車両、30:トランク、31:トランク本体、32:リッド、40:トランク着脱機構、41:係合フック、41a:軸、42:操作レバー、42a:軸、43:連結リンク(連結部)、44:取付部材、50:ロック機構、51:キー、54,55:リンク、54a、55a:軸、s:規制面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用トランク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用トランク装置として、例えば特許文献1に見られるような車両用トランク装置が知られている。同文献の符号を借りて説明すると、この車両用トランク装置は、トランク本体(1)と、このトランク本体(1)に対して開閉可能に取り付けられたリッド(2)とを有するトランク(T)と、
このトランク(T)を車両に対して着脱可能に取り付ける係合フック(46)と、この係合フックを操作する操作レバー(50)と、これら係合フック(46)と操作レバー(50)とを連動させる軸(54,55)で連結された連結リンク(53)とを有するトランク着脱機構と、
キー(68)の回動操作に連動して、トランク本体(1)に対するリッド(2)の開動作を規制するロック機構とを備えている。
係合フック(46)と操作レバー(50)とを連結する連結リンク(53)の連結軸(54,55)は、その両端にサークリップを装着することによって、軸方向への抜けが防止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4344680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、部品点数、組立工数、および加工工数を削減できる車両用トランク装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明の車両用トランク装置は、トランク本体と、このトランク本体に対して開閉可能に取り付けられたリッドとを有するトランクと、
このトランクを車両に対して着脱可能に取り付ける係合フックと、この係合フックを操作する操作レバーと、これら係合フックと操作レバーとを連動させるための少なくとも一つの軸による連結部を有するトランク着脱機構と、
キーの回動操作に連動する、少なくとも一つの軸で連結されたリンクを有し、前記トランク本体に対するリッドの開動作を規制するロック機構と、
を備えた車両用トランク装置であって、
前記軸のうちの少なくとも一つの軸の端部を、該軸の軸線方向に直交させて配置した規制面に当接させることで、該軸の軸線方向への移動を規制して前記連結部ないしリンクからの抜けを防止したことを特徴とする。
この車両用トランク装置によれば、軸の端部が規制面に当接することで、該軸の軸線方向への移動が規制されて、軸の、連結部ないしリンクからの抜けが防止されるので、サークリップが不要となり、部品点数および組立工数の削減が可能となる。しかも、サークリップを装着するための、軸端部へのリング状溝の加工も不要となる。
ロック機構は、リンクを有しているので、レイアウトの自由度が向上する。リンクは軸で連結されるが、その軸には、サークリップを装着する必要がないので、部品点数の増大を防止することができる。
【0006】
前記車両用トランク装置は、キー(51)の回動操作に連動する、少なくとも一つの軸(54a)で連結されたリンク(54)を有し、前記トランク本体(31)に対するリッド(32)の開動作と、前記係合フック(41)の車両取付部(13)に対する係合解除動作とを規制するロック機構(50)をさらに備え、
前記軸のうちの少なくとも一つの軸の端部を、該軸の軸線方向に直交させて配置した規制面(s)に当接させることで、該軸の軸線方向への移動を規制して前記連結部ないしリンクからの抜けを防止した構成とすることができる。
そのように構成すると、ロック機構が一つで済むため、部品点数および組立工数を一層削減できる。
【0007】
前記規制面は、前記トランク本体の表面で構成することができる。
このように構成すると、規制面を構成する部材を別途設ける必要がないので、確実に部品点数および組立工数を削減できる。
【0008】
前記規制面は、前記係合フックおよび/または操作レバーを回動可能に取り付ける部材の内面で構成することができる。
このように構成すると、該部材をトランク本体と別材料で構成することにより、耐久性および剛性の向上を図ることができる。結果としてトランクの軽量化を図ることが可能となる。
【0009】
前記トランク着脱機構は、前記係合フックと操作レバーとを同一部材に回動可能に取り付けるとともに、これら係合フックと操作レバーとを連結リンクにて軸で連結し、かつその軸の端部は、いずれも、前記同一部材の内面に当接させることで、軸線方向への移動を規制した構成とすることができる。
このように構成すると、連結リンクの介在によりレイアウトの自由度が向上する。連結リンクは軸で連結されるが、その軸には、サークリップを装着する必要がないので、部品点数の増大を防止することができる。
【0010】
前記トランク着脱機構は、前記係合フックと操作レバーとを、それぞれ軸にて回動可能に取り付けるとともに、これら係合フックと操作レバーとを連結リンクにて連結し、かつ連結リンクの少なくとも一部は、前記軸の端部のうちの少なくとも一つの端部より外方に配置し、当該軸の端部を連結リンクの内面に当接させることで、当該軸の軸線方向への移動を規制した構成とすることができる。
このように構成すると、連結リンクの介在によりレイアウトの自由度が向上する。前記係合フックと操作レバーは軸で回動可能であるが、その軸の少なくとも一つは、連結リンク自体によって抜けが防止され、サークリップを装着する必要がないので、部品点数の増大を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る車両用トランク装置の一実施の形態の平面図。
【図2】同じく部分省略側面図(図1の正面図)。
【図3】図2における3−3断面図。
【図4】図1における4−4断面図。
【図5】図1における5−5断面図。
【図6】図1における6−6断面図。
【図7】図3における7−7拡大断面図。
【図8】トランク着脱機構40の正断面図(図9における8−8断面図)。
【図9】図8の側面図。
【図10】図8における10−10断面図。
【図11】図8における11−11断面図。
【図12】連結リンクの正面図。
【図13】トランク着脱機構40の取付部材44と上フック部材21、22との連結構造をトランク内側から見た斜視図。
【図14】左右一対の車両用トランク装置20を示す斜視図。
【図15】車両用トランク装置20の鞍乗型車両10への取付例を示す斜視図。
【図16】車両用トランク装置20の鞍乗型車両10への取付例を示す斜視図。
【図17】車両用トランク装置20の開状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る車両用トランク装置の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0013】
図1〜図3に示すように、この実施の形態の車両用トランク装置20は、トランク30と、このトランク30を車両10(図15参照)に対して着脱可能に取り付けるためのトランク着脱機構40と、トランク30の開閉および着脱を規制するロック機構50とを備えている。
【0014】
トランク30は、トランク本体31と、このトランク本体31に対して開閉可能に取り付けられたリッド32とを有している。
【0015】
トランク着脱機構40は、トランク30を車両10(図15参照)に対して着脱可能に取り付ける係合フック41と、この係合フック41を操作する操作レバー42と、これら係合フック41と操作レバー42とを軸41a、42aで連結する連結リンク43とを有している。この実施の形態では、係合フック41と操作レバー42とを連結リンク43で連結したが、連結リンク43を設けることなく、係合フック41と操作レバー42とを少なくとも一つの軸による連結部で連結することもできる。
【0016】
ロック機構50は、キー51(図15参照)の回動操作に連動する第1,第2リンク54,55を有し、トランク本体31に対するリッド32の開動作を規制する。この実施の形態のロック機構50は、第1,第2リンク54,55を有していて(図4,図7参照)、リンクを連結する軸も第1軸54a、第2軸55aの2つを有しているが、リンクは一つとすることもでき(例えば第1,第2リンク54,55を一体化する)、したがって、軸も一つとすることができる。
【0017】
この実施の形態の特徴は、前記軸41a、42a、54a、55aのうち、軸41a、42aの端部41b、42b(図10,図11参照)を、該軸41a、42aの軸線方向に直交させて配置した規制面sに当接させることで、該軸41a、42aの軸線方向への移動を規制して連結部ないしリンク43からの抜けを防止した点にある。
【0018】
この車両用トランク装置20によれば、軸41a、42aの端部41b、42bが規制面sに当接することで、該軸41a、42aの軸線方向への移動が規制されて、軸41a、42aの、連結部ないしリンク43からの抜けが防止されるので、サークリップが不要となり、部品点数および組立工数の削減が可能となる。しかも、サークリップを装着するための、軸端部へのリング状溝の加工も不要となる。
このような作用効果は、例えば図3に仮想線sで示すように、軸55aに関し、トランクの表面(この場合、内面)を近接させて、その近接部で規制面sを構成した場合にも得られる。軸54a、および後述する軸41cに関しても同様である。すなわち、規制面sは、トランクと別部材で構成することもできるが、トランク30の表面で構成することもでき、そのように構成すると、規制面sを構成する部材を別途設ける必要がないので、より一層の部品点数削減および組立工数削減を図ることができる。
【0019】
トランク30は、金属フレーム33と、留め具34,34とを備えており、留め具34,34を外して金属フレーム33を開くことでリッド32を開くことができる(図17参照)。
金属フレーム33は、トランク本体31の口縁部に設けられた本体側フレーム33bと、リッド32の下縁に設けられたリッド側フレーム33cと、これら両フレーム33b、33cを下部にて回動可能に連結するヒンジ33hとを備え、このヒンジ33h回りに、リッド32を開閉することができる(図17参照)。図17中、35は、両フレーム33b、33cの回動角を規制すべく、両フレームを連結する回動規制ベルト、36はインナーバッグである。
ヒンジ33hは、両フレーム33b、33cにリベット33rで固定される。
【0020】
図3に示すように、本体側フレーム33bは、その口縁内側に沿ってリッド32側に突出する突条33pを有している一方、リッド側フレーム33cは、その口縁内側に沿って前記突条33pを受け入れる凹溝33gと、この凹溝33g内に収容されたチューブ状シール33sとを有している。リッド32が閉じられると、突条33pの先端部分が凹溝33gに入り込んでチューブ状シール33sに食い込むようにして当接する。このような構成によると、シール性が向上する。
【0021】
図8〜図11にも示すように、トランク着脱機構40は、前記係合フック41と操作レバー42とを同一部材44に回動可能に取り付けるとともに、これら係合フック41と操作レバー42とを連結リンク43にて軸41a、42aで連結し、かつその軸41a、42aの端部41b、42bは、いずれも、前記同一部材44の内面sに当接させることで、軸線方向への移動を規制した構成となっている。
このように構成すると、連結リンク43の介在によりレイアウトの自由度が向上する。連結リンク43は軸41a、42aで連結されるが、その軸41a、42aには、サークリップを装着する必要がないので、部品点数の増大を防止することができる。
【0022】
上記部材44は、トランク着脱機構40をトランク30に取り付けるための取付部材である。
この取付部材44は一体成型品であり、第1開口44h1を有する側板44bと、この側板44bの上部に設けられた天板44cと、側板44b上部から天板44cに亘って設けられた第2開口44h2と、第1開口44h1および第2開口44h2の前後両側において側板44bと天板44cとを連結するように設けれた支持板44f、44fと、これら支持板44f、44f同士を連結する横架部44jと、この横架部44jからトランク内方へ向けて突出する軸支持部44k(図8,図10)と、トランク本体31への複数(図示のものは4個(図2参照))の取付部44mとを有している。
【0023】
係合フック41は、第1開口44h1に設けられており、基部41dが、軸41cによって、側板44f、44f間に回動可能に支持されている。軸41cは側板41f、41fに固定されている。軸41cは、その両端にトランクの表面(この場合、外面31s(図3参照))を近接させて、その近接部で規制面sを構成することによって、側板41f、41fからの抜けを防止することができる。
操作レバー42は、第2開口44h2に設けられており、基部42dが、軸42cによって、軸支持部44kに回動可能に支持されている。軸42cは軸支持部44kに固定されている。軸42cは、その端部42c1,42c1(図10)が連結リンク43の内面43sに当接することによって、軸支持部44kからの抜けが防止される。
連結リンク43は、図12に示すようなプレート状リンクを係合フック41および操作レバー42の両側に配置することで構成され(図10,図11)、前述した軸41aで係合フック41に回動可能に連結され、前述した軸42aで操作レバー52に回動可能に連結されている。連結リンク43は、少なくともその一部(図12における領域s参照)が、操作レバー42の軸42cの端部42c1より外方に配置され、軸42cに対する規制面sを構成する。図12において、仮想線sで示す領域が規制面である。なお、幅方向において、係合フック41と操作レバー42とを入れ替えることで、係合フック41の軸41cの抜けを連結リンク43で規制することもできる。
【0024】
前述した軸41a、42aに対する規制面sは、側板41f、41fの内面で構成される。なお、係合フック41、操作レバー42はそれぞれ別の部材に回動可能に取り付けることもでき、その場合には、各部材の内面で規制面sを構成することができる。いずれにしても、係合フック41および/または操作レバー42を回動可能に取り付ける部材をトランク30と別材料で構成することにより、耐久性および剛性の向上を図ることができる。結果としてトランク30の軽量化を図ることが可能となる。
【0025】
図8において、操作レバー42の操作部42fを外側へ引くようにして操作レバー42を仮想線で示すように回動させると、連結リンク43による連動作用で係合フック41が仮想線で示すように下方へ回動し、フック部41gによる車両側取付部13(図15)に対する係合が解除される。
【0026】
以上のようなトランク着脱機構40はユニットとして構成され、トランク30に組み付けられる。
図1〜図4に示すように、トランク本体31には、トランク着脱機構40を受け入れる凹部31hが設けられている。
トランク着脱機構40は、トランク本体31の凹部31hに嵌め込まれ、ボルト31bで固定される。図4に示すように、取付部44mにはナット44nが埋め込まれており、このナット44nにボルト31bを結合させることで、トランク着脱機構40がトランク本体31に固定される。
【0027】
図1〜図6に示すように、トランク30の内側上部前後には、上フック部材21、22が設けられ、トランク30の内側下部前部には下フック部材23が設けられている。
上フック部材21、22は、その湾曲板状の基部21b、22bがそれぞれ複数のリベット21r、22rでトランク本体31に固定されるとともに、図13に示すように、基部の内方に一体に設けられた固定片21f、22fが、ボルト31bによる前述した取付部材44の取付部44mとの共締めにより、トランク本体31に固定されている。これによって、取付部材44と上フック部材21、22とが、いわば三位一体となって、剛性及びトランク本体31への取付け精度を上げることができる。
下フック部材23は、その湾曲板状の基部23bが複数のリベット23rでトランク本体31に固定されることで、トランク本体31の前方下角部に固定されている。
【0028】
ロック機構50は、トランク本体31に対するリッド32の開動作を規制するとともに、前記係合フック41の車両取付部13(図15)に対する係合解除動作も規制する。そのように構成すると、ロック機構が一つで済むため、部品点数および組立工数を一層削減できる。
【0029】
図7に示すように、ロック機構50は、キー51(図15参照)によって回動操作されるシリンダ錠52と、このシリンダ錠52を介してキー51にて回動操作されるレバー53と、前述した第1,第2リンク54,55とを有している。
【0030】
レバー53は、第1アーム53aと、第2アーム53bとを有している。第2アーム53bに第1リンク54の一端が軸54aで連結され,第1リンク54の他端に軸55aで第2リンク55が連結されている。
第2リンク55にはフック55fが設けられている一方、リッド32には、フック55fと係脱可能な係合部材56が固定されている。第2リンク55は、トランク本体31に設けられたガイドピン57,57に案内されて、係合部材56と係脱する方向(前後方向)にスライド可能である。
【0031】
キー51がロック位置にあるとき、図7および図11に実線で示すように、第1アーム53aは、操作レバー42の下方に位置し、操作レバー42の開方向(係合フック41による係合を解除する方向)への回動を阻止する。また、図3および図7に示すように、第2リンク55のフック55fは、係合部材56の係合穴56hに入り込み、リッド32が開かれることを阻止する。
【0032】
キー51がロック位置から回動されてアンロック位置(オープン位置(図15))にあるとき、図7に仮想線で示すように、第1アーム53aは、操作レバー42の下方から退避し、操作レバー42の開方向(係合フック41による係合を解除する方向)への回動を許す。また、図7に仮想線で示すように、第2リンク55のフック55fは、レバー53と連動して係合部材56の係合穴56hから退避し(抜けだし)、リッド32が開かれること許す。
【0033】
ロック機構50は、リンク(図示のものは第1,第2リンク54,55)を有しているので、レイアウトの自由度が向上する。リンクは軸で連結されるが、その軸には、サークリップを装着する必要がないので、部品点数の増大を防止することができる。
【0034】
以上のような車両用トランク装置20は、通常、図14に示すように、左右一対(20(R,L))用意され、車両の左右に着脱可能に装着される。
以下その装着手順等について、左方の車両用トランク装置20(L)を代表させて説明する。
【0035】
車両用トランク装置20を装着するには、先ず、図15に示すように、キー51をオープン位置にして、操作レバー42を上げて係合フック41を下げた状態とし(図3仮想線参照)、上フック部材21、22、および下フック部材23をそれぞれ車両(例えば自動二輪車)10に設けられている取付部11,11,および12に引っ掛け、次いで、図16および図3に実線で示すように操作レバー42を下げて係合フック41を車両10に設けられている取付部13(図15)に係合させる。これにより車両用トランク装置20の各フック21,22,23,および41は車両の各取付部から外れない状態となる。その後、キー51をロック位置に回して抜き取ることにより、操作レバー42の操作が禁止されるとともに、リッド32が開くことも防止される。
車両用トランク装置20の取り外しは逆の手順を行えばよい。
キー51をオープン位置にすることで、図17に示すように、留め具34,34を外してリッド32を開くことができる。
【0036】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【符号の説明】
【0037】
10:車両、30:トランク、31:トランク本体、32:リッド、40:トランク着脱機構、41:係合フック、41a:軸、42:操作レバー、42a:軸、43:連結リンク(連結部)、44:取付部材、50:ロック機構、51:キー、54,55:リンク、54a、55a:軸、s:規制面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランク本体(31)と、このトランク本体(31)に対して開閉可能に取り付けられたリッド(32)とを有するトランク(30)と、
このトランク(30)を車両に対して着脱可能に取り付ける係合フック(41)と、この係合フック(41)を操作する操作レバー(42)と、これら係合フック(41)と操作レバー(42)とを連動させるための少なくとも一つの軸(41a)による連結部を有するトランク着脱機構(40)と、
を備えた車両用トランク装置(20)であって、
前記軸のうちの少なくとも一つの軸の端部を、該軸の軸線方向に直交させて配置した規制面(s)に当接させることで、該軸の軸線方向への移動を規制して前記連結部ないしリンクからの抜けを防止したことを特徴とする車両用トランク装置。
【請求項2】
請求項1において、
キー(51)の回動操作に連動する、少なくとも一つの軸(54a)で連結されたリンク(54)を有し、前記トランク本体(31)に対するリッド(32)の開動作と、前記係合フック(41)の車両取付部(13)に対する係合解除動作とを規制するロック機構(50)をさらに備え、
前記軸のうちの少なくとも一つの軸の端部を、該軸の軸線方向に直交させて配置した規制面(s)に当接させることで、該軸の軸線方向への移動を規制して前記連結部ないしリンクからの抜けを防止したことを特徴とする車両用トランク装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記規制面(s)は、前記トランク本体(31)の表面で構成したことを特徴とする車両用トランク装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか一項において、
前記規制面(s)は、前記係合フック(41)および/または操作レバー(42)を回動可能に取り付ける部材(44)の内面で構成したことを特徴とする車両用トランク装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか一項において、
前記トランク着脱機構(40)は、前記係合フック(41)と操作レバー(42)とを同一部材(44)に回動可能に取り付けるとともに、これら係合フック(41)と操作レバー(42)とを連結リンク(43)にて軸(41a、42a)で連結し、かつその軸(41a、42a)の端部(41b、42b)は、いずれも、前記同一部材(44)の内面に当接させることで、軸線方向への移動を規制したことを特徴とする車両用トランク装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか一項において、
前記トランク着脱機構(40)は、前記係合フック(41)と操作レバー(42)とを、それぞれ軸(41c)(42c)にて回動可能に取り付けるとともに、これら係合フック(41)と操作レバー(42)とを連結リンク(43)にて連結し、かつ連結リンク(43)の少なくとも一部は、前記軸(41c、42c)の端部のうちの少なくとも一つの端部より外方に配置し、その端部を連結リンク(43)の内面に当接させることで、軸線方向への移動を規制したことを特徴とする車両用トランク装置。
【請求項1】
トランク本体(31)と、このトランク本体(31)に対して開閉可能に取り付けられたリッド(32)とを有するトランク(30)と、
このトランク(30)を車両に対して着脱可能に取り付ける係合フック(41)と、この係合フック(41)を操作する操作レバー(42)と、これら係合フック(41)と操作レバー(42)とを連動させるための少なくとも一つの軸(41a)による連結部を有するトランク着脱機構(40)と、
を備えた車両用トランク装置(20)であって、
前記軸のうちの少なくとも一つの軸の端部を、該軸の軸線方向に直交させて配置した規制面(s)に当接させることで、該軸の軸線方向への移動を規制して前記連結部ないしリンクからの抜けを防止したことを特徴とする車両用トランク装置。
【請求項2】
請求項1において、
キー(51)の回動操作に連動する、少なくとも一つの軸(54a)で連結されたリンク(54)を有し、前記トランク本体(31)に対するリッド(32)の開動作と、前記係合フック(41)の車両取付部(13)に対する係合解除動作とを規制するロック機構(50)をさらに備え、
前記軸のうちの少なくとも一つの軸の端部を、該軸の軸線方向に直交させて配置した規制面(s)に当接させることで、該軸の軸線方向への移動を規制して前記連結部ないしリンクからの抜けを防止したことを特徴とする車両用トランク装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記規制面(s)は、前記トランク本体(31)の表面で構成したことを特徴とする車両用トランク装置。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか一項において、
前記規制面(s)は、前記係合フック(41)および/または操作レバー(42)を回動可能に取り付ける部材(44)の内面で構成したことを特徴とする車両用トランク装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか一項において、
前記トランク着脱機構(40)は、前記係合フック(41)と操作レバー(42)とを同一部材(44)に回動可能に取り付けるとともに、これら係合フック(41)と操作レバー(42)とを連結リンク(43)にて軸(41a、42a)で連結し、かつその軸(41a、42a)の端部(41b、42b)は、いずれも、前記同一部材(44)の内面に当接させることで、軸線方向への移動を規制したことを特徴とする車両用トランク装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか一項において、
前記トランク着脱機構(40)は、前記係合フック(41)と操作レバー(42)とを、それぞれ軸(41c)(42c)にて回動可能に取り付けるとともに、これら係合フック(41)と操作レバー(42)とを連結リンク(43)にて連結し、かつ連結リンク(43)の少なくとも一部は、前記軸(41c、42c)の端部のうちの少なくとも一つの端部より外方に配置し、その端部を連結リンク(43)の内面に当接させることで、軸線方向への移動を規制したことを特徴とする車両用トランク装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図13】
【公開番号】特開2013−95301(P2013−95301A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240864(P2011−240864)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
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