説明

車両用周囲確認装置

【課題】従来の車両用周囲確認装置では、映像表示画面が暗い状態のときに、トランスミッションのリバースシフトが作動しても、映像表示画面が暗い状態のままであって、見にくい点が課題である。
【解決手段】制御装置3は、ディマースイッチ25からの明暗信号に基づいてバックライト40の光量を調整し、かつ、バックライト40がOFFの状態もしくはバックライト40の光量が下がっている状態のときに、リバーススイッチ22、ウインカスイッチ23からの車両信号により、バックライト40をONもしくはバックライト40の光量を上げるものである。この結果、たとえば、夜間、液晶ディスプレー装置4の画面が暗いときに、車両Cの周囲を確認したい状況(たとえば、車両Cが後退する状況や車両Cが左折する状況や走行車線を変える状況)において、液晶ディスプレー装置4の画面を明るくして見やすくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の周囲の情報を映像として車内の液晶ディスプレー装置に表示させて車両の周囲を確認する車両用周囲確認装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用周囲確認装置は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、この車両用周囲確認装置について説明する。なお、括弧つきの符号は、特許文献1にそれぞれ対応する。この車両用周囲確認装置は、車体(2)、(5)の左右側面に沿う後方視界を撮影する左右一対のTVカメラ(1)、(1)と、車両(5)の直後方視界を撮影する後部TVカメラ(7)と、上記左右のTVカメラ(1)、(1)の映像を常時左右に、トランスミッションのリバースシフトに連動して上記後部TVカメラ(7)の映像を中央部にそれぞれ映出す映像表示画面(6)とを備えるものである。
【0003】
ところが、前記の従来の車両用周囲確認装置は、映像表示画面(6)の明暗とトランスミッションのリバースシフトとが連動していない。このために、前記の従来の車両用周囲確認装置は、映像表示画面(6)が暗い状態のときに、トランスミッションのリバースシフトが作動しても、映像表示画面(6)が明るくならず暗い状態のままであって、見ずらいと言う問題点がある。
【0004】
【特許文献1】実公平7−367号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする問題点は、従来の車両用周囲確認装置では、映像表示画面(6)が暗い状態のときに、トランスミッションのリバースシフトが作動しても、映像表示画面(6)が明るくならず暗い状態のままであって、見にくい、という点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、制御装置が、明暗信号出力装置からの明暗信号に基づいてバックライトの光量を調整し、かつ、バックライトがOFFの状態もしくはバックライトの光量が下がっている状態のときに、車両信号出力装置からの車両信号により、バックライトをONもしくはバックライトの光量を上げる制御部を、有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明の車両用周囲確認装置は、制御装置の制御部の作用により、明暗信号出力装置からの明暗信号に基づいてバックライトの光量を調整することができ、また、バックライトがOFFの状態もしくはバックライトの光量が下がっている状態のときに、車両信号出力装置からの車両信号により、バックライトをONもしくはバックライトの光量を上げることができる。これにより、この発明の車両用周囲確認装置は、バックライトがOFFの状態のもしくはバックライトの光量が下がっている状態のときに、車両の周囲を確認したい状況(たとえば、車両が後退する状況や車両が左折する状況や走行車線を変える状況)において、バックライトをONもしくはバックライトの光量を上げて液晶ディスプレー装置の画面を見やすくすることができる。このために、この発明の車両用周囲確認装置は、車両の周囲を確認し易くなり、交通安全の向上に貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、この発明にかかる車両用周囲確認装置の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0009】
(実施例の構成の説明)
添付図面は、この発明にかかる車両用周囲確認装置の実施例を示す。以下、この実施例における車両用周囲確認装置の構成について説明する。
【0010】
図2および図3において、符号Cは、この実施例における車両用周囲確認装置を搭載した車両である。前記車両Cは、この例では、保冷車などであって、荷室1がパネルで覆われている。前記車両Cにおいては、図2および図3に示すように、前記荷室1により、車両Cの後方真下のエリアA1と、車両Cの運転席側と反対側の側方、たとえば、後左側方のエリアA2とが、ドライバーからの死角のエリアとなる。
【0011】
この実施例における車両用周囲確認装置は、図1に示すように、複数台(この例では、2台)の撮像装置11、12と、電源スイッチ21と、車両信号出力装置としてのリバーススイッチ22およびウインカスイッチ23と、切替スイッチ24と、明暗信号出力装置としてのディマースイッチ25および光センサ26と、制御装置3(制御回路部やECU・電子制御ユニット)と、バックライト40を備える液晶ディスプレー装置4と、を備えるものである。
【0012】
前記2台の撮像装置は、車両Cの周囲の情報を撮像する第1撮像装置11、第2撮像装置12から構成されている。前記第1撮像装置11、前記第2撮像装置12は、たとえば、CCDカメラから構成されている。前記第1撮像装置11、前記第2撮像装置12は、車両Cの周囲の情報を前記CCDカメラで撮像し、前記CCDカメラで撮像した車両Cの周囲の情報を電気信号として前記制御装置3に出力するものである。
【0013】
前記第1撮像装置11は、図2に示すように、車両Cの荷室1の後部上方のほぼ中央に配置されており、前記車両Cの後方直下のエリアA1の情報を撮像して、電気信号を出力する撮像装置である。前記第1撮像装置11は、前記車両Cの後方直下のエリアA1の視界を確保する、いわゆる、直下カメラである。
【0014】
また、前記第2撮像装置12は、図3に示すように、車両Cの左側のアウトサイドミラーのステーに配置されており、前記車両Cの後左側方のエリアA2の情報を撮像して、電気信号を出力する撮像装置である。前記第2撮像装置12は、前記車両Cの後左側方のエリアA2の視界を確保する、いわゆる、側方カメラ(サイドカメラ)である。
【0015】
前記第1撮像装置11と、前記第2撮像装置12とにより、撮像された情報は、前記制御装置3を介して左右反転された映像として、前記液晶ディスプレー装置4の画面にそれぞれ表示される。
【0016】
前記電源スイッチ21は、この実施例における車両用周囲確認装置を起動させるための電源投入用のスイッチであって、たとえば、イグニションスイッチ、アクセサリスイッチなどである。前記電源スイッチ21は、電源20と前記制御装置3に接続されている。
【0017】
前記リバーススイッチ22は、車両信号を出力する車両信号出力装置である。すなわち、前記リバーススイッチ22は、車両Cが後退するときにドライバーがシフトレバー(図示せず)をシフト位置のうちリバース位置に位置させたときにONとなり、また、車両Cが後退を終了したときにドライバーがシフトレバーをリバース位置以外のシフト位置に位置させたときにOFFとなるスイッチである。また、前記リバーススイッチ22は、ONのとき車両信号としてのON信号(たとえば、HIレベル信号)を、また、OFFのとき車両信号の出力停止としてのOFF信号(たとえば、LOレベル信号)を前記制御装置3にそれぞれ出力するものである。さらに、前記リバーススイッチ22がONのときには、車両Cが後退できる状態となるとともにバックアップランプ(図示せず)が点灯し、前記リバーススイッチ22がOFFのときには、車両Cの後退が停止するとともにバックアップランプ(図示せず)が消灯する。なお、前記リバーススイッチ22は、ONのときに、前記液晶ディスプレー装置4の画面に表示される映像を前記第1撮像装置11の映像に強制的に切り替えるものであっても良い。
【0018】
前記ウインカスイッチ23は、車両信号を出力する車両信号出力装置であって、この例では、左側のウインカスイッチである。すなわち、前記ウインカスイッチ23は、車両Cが交差点などを左折するときや車両Cが左側に車線変更するときにドライバーがON操作し、また、車両Cが交差点などを左折した後や車両Cが左側に車線変更した後にステアリングハンドル(図示せず)が所定角度以上戻った時点で自動的にOFFするスイッチである。また、前記ウインカスイッチ23は、ONのとき車両信号としてのON信号(たとえば、HIレベル信号)を、また、OFFのとき車両信号の出力停止としてのOFF信号(たとえば、LOレベル信号)を前記制御装置3にそれぞれ出力するものである。さらに、前記ウインカスイッチ23がONのときには、左側のターンシグナルランプ(図示せず)が点滅点灯し、前記ウインカスイッチ23がOFFのときには、左側のターンシグナルランプ(図示せず)が消灯する。なお、前記ウインカスイッチ23は、ONのときに、前記液晶ディスプレー装置4の画面に表示される映像を前記第2撮像装置12の映像に強制的に切り替えるものであっても良い。
【0019】
前記切替スイッチ24は、前記第1撮像装置11、前記第2撮像装置12の映像の切替操作を行うための外部スイッチ(前記制御スイッチ3に内蔵されていないスイッチ)であって、手動式でかつ機械式のスイッチである。前記切替スイッチ24は、たとえば、ON操作(たとえば、押し操作)すると、LOレベル(ローレベル)の信号に対してHIレベル(ハイレベル)のパルス信号が出力されるものである。前記切替スイッチ24は、たとえば、前記電源スイッチ21がONされた後、前記液晶ディスプレー装置4の画面に表示される映像を、1回目のON操作で前記第1撮像装置11の映像に、また、2回目のON操作で前記第2撮像装置12の映像に、さらに、3回目のON操作で前記第1撮像装置11の映像および前記第2撮像装置12の映像の分割映像に、さらにまた、4回目のON操作で無映像(ブラック画面)に、切り替えるものである。
【0020】
前記ディマースイッチ25は、明暗信号を出力する明暗信号出力装置であって、3位置切替式のスイッチである。すなわち、前記ディマースイッチ25は、第1位置の「オート」に切り替えると、前記光センサ26が車両Cの周囲の明暗を検知して明暗信号として前記制御装置3に出力する。また、前記ディマースイッチ25は、第2位置の「ON」に切り替えると、ON信号(たとえば、HIレベル信号)を前記制御装置3に出力する。さらに、前記ディマースイッチ25は、第3位置の「OFF」に切り替えると、OFF信号(たとえば、LOレベル信号)を前記制御装置3に出力する。
【0021】
前記光センサ26は、オートディマー装置であって、前記ディマースイッチ25が第1位置の「オート」に切り替えられているときに、作動して車両Cの周囲の明暗を検知して明暗信号として前記制御装置3に出力する。前記光センサ26としては、たとえば、受光素子や太陽電池などからなり、車両Cの周囲が所定の明るさ以下のときにHIレベル信号を、また、車両Cの周囲が所定の明るさ以上のときにLOレベル信号を前記制御装置3にそれぞれ出力するものである。
【0022】
前記制御装置3は、図1に示すように、電源部30と、インバーター電源31と、制御部32と、映像処理部(画像処理部)33と、映像切替部34とから構成されている。前記制御装置3は、車両に搭載されているコンピュータ、たとえば、カーナビゲーション(ナビゲーションシステム)のコンピュータや専用のECU(電子制御ユニット)を使用する。
【0023】
前記電源部30は、前記電源スイッチ21と、前記インバーター電源31と、前記制御部32に接続されている。前記電源部30は、前記電源スイッチ21をONにすると、前記インバーター電源31および前記制御部32に電源を投入して、前記インバーター電源31および前記制御部32を作動させるものである。
【0024】
前記インバーター電源31は、前記電源部30と、前記制御部32と、前記液晶ディスプレー装置4とに接続されている。前記インバーター電源31は、前記電源部30から電源をインバーター電源として前記液晶ディスプレー装置4および前記バックライト40に供給するものである。
【0025】
前記映像処理部33は、前記第1撮像装置11と、前記第2撮像装置12と、前記制御部32と、前記映像切替部34とに接続されている。前記映像処理部33は、前記2台の撮像装置11、12からの撮像した情報(電気信号)を左右に反転させて映像信号に処理するものである。
【0026】
前記映像切替部34は、前記制御部32と、前記映像処理部33と、前記液晶ディスプレー装置4とに接続されている。前記映像切替部34は、前記切替スイッチ24の切替操作により、前記制御部32を介して、前記2台の撮像装置11、12で撮像しかつ前記映像処理部33で処理された映像を切り替えて前記液晶ディスプレー装置4に出力するものである。これにより、前記液晶ディスプレー装置4の画面には、前記第1撮像装置11の映像と、前記第2撮像装置12の映像と、前記第1撮像装置11の映像および前記第2撮像装置12の映像の分割映像とが、切り替えられて表示される。
【0027】
前記制御部32は、前記リバーススイッチ22と、前記ウインカスイッチ23と、前記切替スイッチ24と、前記ディマースイッチ25と、前記光センサ26と、前記電源部30と、前記インバーター電源31と、前記映像処理部33と、前記映像切替部34とに接続されている。前記制御部32は、前記切替スイッチ24の切替操作により、前記2台の撮像装置11、12で撮像しかつ前記映像処理部33で処理された映像を前記映像切替部34において切り替えさせるものである。また、前記制御部32は、前記ディマースイッチ25および前記光センサ26の作動により、前記インバーター電源31を介して、前記バックライト40をONまたはOFFしたり、あるいは、前記バックライト40の光量を上げたりまたは下げたりするものである。さらに、前記制御部32は、前記バックライト40がOFFの状態もしくは前記バックライト40の光量が下がっている状態のときに、前記リバーススイッチ22からのON信号、前記ウインカスイッチ23からのON信号により、前記バックライト40をONもしくは前記バックライト40の光量を上げるものである。
【0028】
(実施例の作用の説明)
この実施例における車両用周囲確認装置は、以上のごとき構成からなり、以下、この実施例における車両用周囲確認装置の作用について説明する。
【0029】
まず、電源スイッチ21をONにする。すると、制御装置3の電源部30を介して制御部32に電源20が投入され、制御部32が作動し、一方、インバーター電源31からバックライト40に電力が供給される。制御部32が作動すると、第1撮像装置11が車両Cの後方直下のエリアA1の情報を撮像し、また、第2撮像装置12が車両Cの後左側方のエリアA2の情報を撮像する。この第1撮像装置11、第2撮像装置12で撮像された情報は、電気信号として制御装置3の映像処理部33に取り込まれて映像処理される。この映像処理部33で処理された映像は、映像切替部34を介して液晶ディスプレー装置4に出力されて、この液晶ディスプレー装置の画面上に表示される。ここで、切替スイッチ24を操作して、液晶ディスプレー装置4に表示される映像を、第1撮像装置11の映像と、第2撮像装置12の映像と、第1撮像装置11の映像および第2撮像装置12の映像の分割映像とに切り替えることができる。
【0030】
つぎに、制御部32は、図4に示すフローチャートの工程(ステップ)を順次処理する。以下、制御部32の工程処理の手順(作用)を図4を参照して説明する。
【0031】
まず、制御部32は、最初の工程でディマースイッチ25がオートであるか否かを判断する(ディマースイッチ25はオートか? S1)。ここで、ディマースイッチ25がオートの場合、制御部32は、次の工程の(車両Cの周囲は、暗いか? S2)を判断する。ここで、光センサ26が車両Cの周囲の明るさを検知し、その検知の値が所定値以下の場合、制御部32は、車両Cの周囲が暗いと判断して次の工程の(リバーススイッチ22ウインカスイッチ23はONか? S3)を判断する。
【0032】
ここで、リバーススイッチ22およびウインカスイッチ23がともにOFFの場合、制御部32は、次の工程の(バックライト40をOFFもしくはバックライト40の光量を下げる S4)を処理する。このために、液晶ディスプレー装置4の画面が暗くなる。この結果、たとえば、夜間の車両Cの走行時において、液晶ディスプレー装置4の画面が暗くなり、ドライバーの運転への影響がない。その後、前記の工程(S1)に戻る。
【0033】
そして、前記の工程(S3)において、リバーススイッチ22またはウインカスイッチ23がONとなると、制御部32は、次の工程の(バックライト40をONもしくはバックライト40の光量を上げる S5)を処理する。このために、液晶ディスプレー装置4の画面が明るくなる。この結果、たとえば、夜間の車両Cの走行時に、バックライト40がOFFの状態のもしくはバックライト40の光量が下がっている状態のときに、車両Cの周囲を確認したい状況、たとえば、車両Cが後退する状況や車両Cが左折する状況や走行車線を変える状況において、バックライト40をONもしくはバックライト40の光量を上げて液晶ディスプレー装置4の画面を明るくして見やすくすることができる。その後、前記の工程(S1)に戻る。
【0034】
前記の工程(S2)において、光センサ26の検知の値が所定値以上の場合、制御部32は、車両Cの周囲が明るいと判断して前記の工程(S5)を処理する。このために、液晶ディスプレー装置4の画面が明るくなる。この結果、たとえば、昼間の車両Cの走行時に、バックライト40をONもしくはバックライト40の光量を上げて液晶ディスプレー装置4の画面を明るくして見やすくすることができる。その後、前記の工程(S1)に戻る。
【0035】
前記の工程(S1)において、ディマースイッチ25がオートではなくマニュアルの場合、制御部32は、次の工程の(ディマースイッチ25はONか?S6)を判断する。ここで、ディマースイッチ25がONの場合、制御部32は、前記の工程(S4)を処理する。このために、液晶ディスプレー装置4の画面が暗くなる。この結果、たとえば、夜間の車両Cの走行時において、液晶ディスプレー装置4の画面が暗くなり、ドライバーの運転への影響がない。その後、前記の工程(S1)に戻る。
【0036】
前記の工程(S6)において、ディマースイッチ25がOFFの場合、制御部32は、前記の工程(S5)を処理する。このために、液晶ディスプレー装置4の画面が明るくなる。この結果、たとえば、昼間の車両Cの走行時に、バックライト40をONもしくはバックライト40の光量を上げて液晶ディスプレー装置4の画面を明るくして見やすくすることができる。その後、前記の工程(S1)に戻る。
【0037】
(実施例の効果の説明)
この実施例における車両用周囲確認装置は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、この実施例における車両用周囲確認装置の効果について説明する。
【0038】
この実施例における車両用周囲確認装置は、以上のごとき構成および作用から明らかなように下記の効果を達成することができる。すなわち、バックライト40がOFFの状態のもしくはバックライト40の光量が下がっている状態のときに、車両Cの周囲を確認したい状況、たとえば、車両Cが後退する状況や車両Cが左折する状況や走行車線を変える状況において、バックライト40をONもしくはバックライト40の光量を上げて液晶ディスプレー装置4の画面を見やすくすることができる。このために、この実施例における車両用周囲確認装置は、車両Cの周囲を確認し易くなり、交通安全の向上に貢献することができる。
【0039】
(実施例以外の例の説明)
なお、前記の実施例においては、撮像装置が車両Cの後方真下のエリアA1を撮像する第1撮像装置11と、車両Cの運転席側と反対側の側方、たとえば、後左側方のエリアA2を撮像する第2撮像装置12とからなるものである。ところが、この発明においては、撮像装置としては、車両Cの後方のエリアを撮像する第3撮像装置、車両の運転席側の側方、たとえば、後右側方のエリアを撮像する第4撮像装置、その他の撮像装置などを追加しても良い。また、この発明においては、第1撮像装置11、第2撮像装置12、第3撮像装置、第4撮像装置、その他の撮像装置のうち1台の撮像装置を使用するものであっても良い。この場合、切替スイッチ24および映像切替部34が不要となり、また、リバーススイッチ22、ウインカスイッチ23のいずれか一方のみを使用するだけで良い。
【0040】
また、前記の実施例においては、明暗信号出力装置として、車両Cの周囲の明暗を検知して明暗信号として制御装置3に出力しバックライト40の光量を自動的に調整するオートディマー装置と、車両Cの周囲の明暗に基づいてドライバーがONOFFして明暗信号として制御装置3に出力しバックライト40の光量を手動的に調整するマニュアルディマースイッチとからなるものである。ところが、この発明においては、オートディマー装置またはマニュアルディマースイッチのいずれか一方でも良い。
【0041】
さらに、前記の実施例においては、マニュアルのディマースイッチ25がONのとき、すなわち、液晶ディスプレー装置4の画面が暗いときに、リバーススイッチ22、ウインカスイッチ23がONとなっても、液晶ディスプレー装置4の画面は明るくならない処理工程のものである。ところが、この発明においては、マニュアルのディマースイッチ25がONのとき、すなわち、液晶ディスプレー装置4の画面が暗いときに、リバーススイッチ22、ウインカスイッチ23がONとなると、液晶ディスプレー装置4の画面を明るくする処理工程であっても良い。
【0042】
なお、前記の実施例においては、映像処理部33が制御装置3に内蔵されているものである。ところが、この発明においては、映像処理部を撮像装置に内蔵したもの、また、映像処理部を制御装置や撮像装置と別個の独立したものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明にかかる車両用周囲確認装置の実施例を示す構成ブロック図である。
【図2】同じく、第1撮像装置(いわゆる、直下カメラ)の車両への設置位置と情報を撮像するエリアとの説明図である。
【図3】同じく、第2撮像装置(いわゆる、側方カメラ、または、サイドカメラ)の車両への設置位置と情報を撮像するエリアとの説明図である。
【図4】同じく、制御装置の制御部の作用(工程処理の手順)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
1 荷室
11 第1撮像装置
12 第2撮像装置
20 電源
21 電源スイッチ
22 リバーススイッチ
23 ウインカスイッチ
24 切替スイッチ
25 ディマースイッチ
26 光センサ
3 制御装置
30 電源部
31 インバーター電源
32 制御部
33 映像処理部
34 映像切替部
4 液晶ディスプレー装置
40 バックライト
C 車両
A1 車両の後方のエリア
A2 車両の後左側方のエリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周囲の情報を映像として車内の液晶ディスプレー装置に表示させて車両の周囲を確認する車両用周囲確認装置において、
車両の周囲の情報を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置で撮像された車両の周囲の情報を前記液晶ディスプレー装置に映像信号として出力する制御装置と、
バックライトを備え、前記制御装置から出力された映像信号を映像として表示させる前記液晶ディスプレー装置と、
明暗信号を出力する明暗信号出力装置と、
車両信号を出力する車両信号出力装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記明暗信号出力装置からの明暗信号に基づいて前記バックライトの光量を調整し、かつ、前記バックライトがOFFの状態もしくは前記バックライトの光量が下がっている状態のときに、前記車両信号出力装置からの車両信号により、前記バックライトをONもしくは前記バックライトの光量を上げる制御部を、有する、
ことを特徴とする車両用周囲確認装置。
【請求項2】
前記明暗信号出力装置は、車両の周囲の明暗を検知して明暗信号として前記制御部に出力し前記バックライトのONOFFもしくは前記バックライトの光量を自動的に調整するオートディマー装置、またはおよび、車両の周囲の明暗に基づいてONOFFして明暗信号として前記制御部に出力し前記バックライトのONOFFもしくは前記バックライトの光量を手動的に調整するマニュアルディマースイッチである、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用周囲確認装置。
【請求項3】
前記撮像装置は、車両の後方の情報を撮像する撮像装置であり、
前記車両信号出力装置は、前記車両が後退する際などにONし、かつ、前記車両が後退し終わった際などにOFFするリバーススイッチであり、
前記制御装置は、前記バックライトがOFFの状態もしくは前記バックライトの光量が下がっている状態のときに、前記リバーススイッチからのON信号により、前記バックライトをONもしくは前記バックライトの光量を上げる前記制御部を有する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用周囲確認装置。
【請求項4】
前記撮像装置は、車両の側方の情報を撮像する撮像装置であり、
前記車両信号出力装置は、前記車両が曲がる際などにONし、かつ、前記車両が曲がり終わった際などにOFFするウインカスイッチであり、
前記制御装置は、前記バックライトがOFFの状態もしくは前記バックライトの光量が下がっている状態のときに、前記ウインカスイッチからのON信号により、前記バックライトをONもしくは前記バックライトの光量を上げる前記制御部を有する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用周囲確認装置。
【請求項5】
前記撮像装置は、車両の後方の情報を撮像する撮像装置と、車両の側方の情報を撮像する撮像装置と、であり、
前記車両信号出力装置は、前記車両が後退する際などにONし、かつ、前記車両が後退し終わった際などにOFFするリバーススイッチと、前記車両が曲がる際などにONし、かつ、前記車両が曲がり終わった際などにOFFするウインカスイッチと、であり、
前記制御装置は、前記バックライトがOFFの状態もしくは前記バックライトの光量が下がっている状態のときに、前記リバーススイッチからのON信号、前記ウインカスイッチからのON信号のうち少なくともいずれか一方のON信号により、前記バックライトをONもしくは前記バックライトの光量を上げる前記制御部を有する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用周囲確認装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−44472(P2006−44472A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−228650(P2004−228650)
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)