説明

車両用情報提供装置

【課題】 車両の利用者に外部機器の持っている各種情報を車両搭載機器を経由して提供する場合、適切な情報量とすることにより、HMIを向上させることが可能な車両用情報提供装置を提供する。
【解決手段】 利用者へ車両の各種状態を報知する第1の報知手段206及び第1の報知手段206を動作させる第1の制御手段202を有する車両搭載機器102と、車両搭載機器102と接続手段104を介して接続され第1の制御手段102に対して車両の外部情報を出力する第2の制御手段252を有する外部機器103とを備え、車両搭載機器102は、利用者に車両の外部情報の選択に関する仕様のカスタマイズモードを有する第1の制御手段202と、カスタマイズモードにおける選択の内容を定めるための第1の入力手段213と、選択の内容を登録するための第1の記憶手段203とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の利用者に各種情報を提供する車両用情報提供装置に関し、特に、車両搭載機器と外部機器とを利用して各種情報を提供する車両用情報提供装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車内情報システムのごとき車両用情報提供装置としては、例えば下記特許文献1に携帯情報機器(外部機器)と車両に搭載された車載用マルチメディアコンピュータ(車両搭載機器)とを接続し、互いに制御可能な構成としたものが開示されている。これにより、車両の利用者は車載用マルチメディアコンピュータを介して、携帯情報機器の持っている機能(オーディオプレイヤー起動、ナビゲーションシステム起動、インターネットブラウザ起動)を利用することが可能となっているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−22482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載の車両用情報提供装置にあっては、車両内で手軽に携帯情報機器を利用することが可能であり、車両の利用者に対し利便性の高い車内情報システム(車両用情報提供装置)を提供するものである。ところで、今後、益々車両の利用者に携帯情報機器(外部機器)を利用した各種情報提供が増加することが予想され、利用者への情報提供に関して改善の余地があった。
【0005】
特に、利用者の携帯情報機器(外部機器)または車両に搭載された車載用マルチメディアコンピュータ(車両搭載機器)への操作を伴わず、割り込む形で利用者に提供される各種情報は、適切な情報量を超えると利用者の負担となることが予想される(利用者が事前に情報提供を予測できないため利用者の負担となることが想定される)。
そこで、本発明は前述した改善点に着目し、車両の利用者に外部機器の持っている各種情報を車両搭載機器を経由して提供する場合、適切な情報量とすることにより、ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)を向上させることが可能な車両用情報提供装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、利用者へ車両の各種状態を報知する第1の報知手段及び前記第1の報知手段を動作させる第1の制御手段を有する車両搭載機器と、前記車両搭載機器と接続手段を介して接続され、前記第1の制御手段に対して車両の外部情報を出力する第2の制御手段を有する外部機器とを備え、前記車両搭載機器は、前記利用者に前記車両の外部情報の選択に関する仕様のカスタマイズモードを有する前記第1の制御手段と、前記カスタマイズモードにおける前記選択の内容を定めるための第1の入力手段と、前記選択の内容を登録するための第1の記憶手段とを備えていることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、利用者へ車両の各種状態を報知する第1の報知手段及び前記第1の報知手段を動作させる第1の制御手段を有する車両搭載機器と、前記車両搭載機器と接続手段を介して接続され、前記第1の制御手段に対して車両の外部情報を出力する第2の制御手段を有する外部機器とを備え、前記外部機器は、前記利用者に前記車両の外部情報の選択に関する仕様のカスタマイズモードを有する前記第2の制御手段と、前記カスタマイズモードにおける前記選択の内容を定めるための第2の入力手段と、前記選択の内容を登録するための第2の記憶手段とを備えていることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、前記第2の制御手段は、予め定められた所定の条件が成立すると、前記第1の制御手段に対して前記車両の外部情報を出力することを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記第1の制御手段は、前記車両の各種状態と前記車両の外部情報とを組み合わせた情報を前記利用者へ提示すべく、第1の報知手段を動作させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、車両の利用者に外部機器の持っている各種情報を車両搭載機器経由で提供する場合、利用者の好みに応じた情報提供を行う構成とすることで、各種情報を適切な量とすることを可能であり、ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)の向上した車両用情報提供装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態による車両用情報提供装置と各種電装品の接続状態を示すブロック図。
【図2】同実施形態による車両用情報提供装置のブロック図。
【図3】(a)は車両搭載機器におけるカスタマイズモードの画面を示す図であり、(b)は車両搭載機器におけるカスタマイズモードの記憶状態を示す図である。
【図4】(a)は外部機器におけるカスタマイズモードの画面を示す図であり、(b)は外部機器におけるカスタマイズモードの記憶状態を示す図である。
【図5】(a)は第1の報知手段により報知される車両外部情報を示す図であり、(b)は第1の報知手段により報知される車両状態と車両外部情報とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態を示すブロック図であり、図1中、100は車両を示している。また101は車両用情報提供装置であり、この車両用情報提供装置101は、車両搭載機器(ここでは車両用メータとする)102と、外部機器(ここではスマートフォンとする)103と、車両搭載機器102と外部機器103とを接続する接続手段104とから構成される。
【0014】
車両搭載機器102は、車内LAN(多重通信ライン)105を介して、オーディオ106、エアコン107、ボディ制御部108、エンジン制御部109等の電装品と接続されている。また、外部機器103は、通信手段110を介してインターネットとの接続も可能である。
【0015】
次に、図2を用いて、車両搭載機器102と外部機器103とから主に構成される車両用情報提供装置101の構成を詳細に説明する。車両搭載機器102は、車両の各種状態に関する各情報(車両状態信号)の入出力を行う車両情報端子(車両情報手段)210及び多重通信入出力端子(多重通信入出力手段)211と、車両搭載機器102をカスタマイズモードに移行させるための第1の設定手段212と、カスタマイズモードの実行時に各種設定内容を設定または選択するための第1の入力手段213と、車両インターフェース(車両I/F)手段201と、車両搭載機器102の制御を行う例えばマイクロコンピュータからなる第1の制御手段202と、第1の制御手段202の処理プログラムが格納されるとともに第1の入力手段213より設定される各種設定を登録可能としたフラッシュメモリやEEPROM等の不揮発性メモリからなる第1の記憶手段203と、車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を視覚的に報知する液晶表示パネルや有機ELパネル等からなる第1の表示部204と車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を聴覚的に報知するスピーカ等からなる第1の発音体205とからなる第1の報知手段206と、第1の表示部204と第1の発音体205と各種アナログ式(指針式)計器207との駆動制御を兼ねた第1の駆動手段208と、外部機器103と接続するための接続手段104を構成する無線通信手段としての第1の通信部(ここではBluetoothとする)209とで構成される。
【0016】
なお、各種アナログ式計器207は、詳細図示省略するが、車両の速度をアナログ指示する速度計と、エンジン回転数をアナログ指示する回転計と、タンク内燃料量をアナログ指示する燃料計と、エンジン冷却水の温度をアナログ表示する温度計とを備えている。また、第1の通信部209は、外部機器103に備えられる後述する第2の通信部との間で無線通信を行うものである。つまり、第1の通信部209は、外部機器103に備えられる前記第2の通信部と間でデータのやりとりが可能となる。
【0017】
外部機器103は、車両搭載機器102と接続するための接続手段104を構成する無線通信手段としての第2の通信部(ここではBluetoothとする)260と、各種センサ(ここではGPSモジュールとする)261と、外部機器103をカスタマイズモードに移行させるための第2の設定手段262と、カスタマイズモードの実行時に各種設定内容を設定または選択するための第2の入力手段263と、インターフェース(I/F)手段251と、外部機器103の制御を行う例えばマイクロコンピュータからなる第2の制御手段252と、第2の制御手段252の処理プログラムが格納されるとともに第2の入力手段263より設定される各種設定を登録可能としたフラッシュメモリやEEPROM等の不揮発性メモリからなる第2の記憶手段253と、車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を視覚的に報知するタッチパネル付ディスプレイ等からなる第2の表示部254と車両の利用者へ各種情報(車両の各種状態)を聴覚的に報知するスピーカ等からなる第2の発音体255とからなる第2の報知手段256と、第2の表示部254と第2の発音体255の駆動制御を兼ねた第2の駆動手段257と、インターネットと接続するための通信手段110を構成する通信モジュール258とで構成される。
【0018】
なお、本実施形態では、車両搭載機器102と外部機器103の接続手段104に無線通信手段からなる第1、第2の通信部209、260を適用したが、これに限定されるものではなく、USB等の有線接続手段からなる接続手段104を用いて車両搭載機器102と外部機器103とを接続することも可能である。
【0019】
また、本実施形態では、第1の通信部209を車両搭載機器102内に設けたが、これに限定されるものではなく、例えば車内LAN105と接続される図示省略したゲートウェイ(G/W)手段を設けて、前記ゲートウェイ手段の中に第1の通信部209を内蔵することにより、車両搭載機器102と外部機器103とを接続することも可能である。
【0020】
次に、図2〜図4を用いてカスタマイズモードについて説明する。図3(a)は車両搭載機器102をカスタマイズモードに移行させたとき第1の表示部204に表示される各種設定の内容を示すものであり、図3(b)は第1の記憶手段203におけるカスタマイズモードにて登録された各種設定内容の登録状態を示すものである。
【0021】
同様に、図4(a)は外部機器103をカスタマイズモードに移行させたとき第2の表示部254に表示される各種設定の内容を示すものであり、図4(b)は第2の記憶手段253におけるカスタマイズモードにて登録された各種設定内容の登録状態を示すものである。なお、図3(a)、図4(a)の各図中におけるアンダーライン箇所は、初期設定値を示している。
【0022】
車両の利用者は、第1の設定手段212を外部より操作して第1の制御手段202が予め有しているカスタマイズモードへ移行するように第1の制御手段202に指示を与える。具体的には、第1の設定手段212の通常電位が「ハイ」レベルにある端子をスイッチ等の所定操作により「ロー」レベルに変更することで第1の制御手段202による認識が可能となる。
【0023】
第1の制御手段202は、カスタマイズモードへ移行すると、第1の駆動手段208を介して第1の表示部204を通常表示から図3(a)で示すカスタマイズモードの初期画面表示(初期画面300)へと切り替える処理を実行する。
【0024】
かかる初期画面300は、利用者が第1の入力手段213(例えば利用者の手が届く位置にある操作スイッチ)を介して外部機器103の出力する車両の外部情報の選択に関する仕様を示す画面である。ここで初期画面300において、「1」は利用者がスマートフォンの電話着信の報知を第1の報知手段206を介して行うか否かの選択画面を示している。
【0025】
ここでは、電話着信の報知に関して、初期設定値である報知を行わない「×」なる選択が利用者によってなされたため、第1の制御手段202は、第1の記憶手段203への設定内容の書き込み処理は行わない。これにより、図3(b)に示すように第1の記憶手段203において、「1」(つまり「デンワ」)に対応する第1エリアR1には初期設定値「×」が記憶される。
【0026】
また初期画面300において、「2」は利用者がスマートフォンのメール着信の報知を第1の報知手段206を介して行うか否かの選択画面を示している。ここでは、メール着信の報知に関して、初期設定値である報知を行わない「×」から報知を行う「○」への選択が第1の入力手段213を通じて利用者によってなされたとする。すると、第1の制御手段202は、第1の記憶手段203へ設定内容を記憶させる。
【0027】
つまり、図3(b)に示すように第1の記憶手段203において、「2」(つまり「メール」)に対応する第2エリアR2には設定内容である報知を行う「○」が登録される。これと同時に、第1の制御手段202は、初期画面300において「2」(つまりコウモク「メール」)に対応するセンタク領域にて「×」を選択表示しているアンダーラインを「○」に切り替えるような制御を行い、これにより詳細図示は省略するがアンダーラインがメール着信の報知を行う「○」を選択表示することになる。
【0028】
また初期画面300において、「3」は利用者が車両の一時停止の報知を第1の報知手段206を介して行うか否かの選択画面を示している。ここでは、一時停止の報知に関し、初期設定値である報知を行わない「×」から報知を行う「○」への選択が第1の入力手段213を通じて利用者によってなされたとする。すると、第1の制御手段202は、第1の記憶手段203へ設定内容を記憶させる。
【0029】
つまり、図3(b)に示すように第1の記憶手段203において、「3」(つまり「イチジテイシ」)に対応する第3エリアR3には設定内容である報知を行う「○」が登録される。これと同時に、第1の制御手段202は、初期画面300において「3」(つまりコウモク「イチジテイシ」)に対応するセンタク領域にて「×」を選択表示しているアンダーラインを「○」に切り替えるような制御を行い、これにより詳細図示は省略するがアンダーラインが一時停止の報知を行う「○」を選択表示することになる。
【0030】
また初期画面300において、「4」は利用者が天気予報の報知を第1の報知手段206を介して行うか否かの選択画面を示している。ここでは、天気予報の報知に関し、初期設定値である報知を行わない「×」から報知を行う「○」への選択が第1の入力手段213を通じて利用者によってなされたとする。すると、第1の制御手段202は、第1の記憶手段203へ設定内容を記憶させる。
【0031】
つまり、図3(b)に示すように第1の記憶手段203において、「4」(つまり「テンキ」)に対応する第4エリアR4には設定内容である報知を行う「○」が登録される。これと同時に、第1の制御手段202は、初期画面300において「4」(つまりコウモク「テンキ」)に対応するセンタク領域にて「×」を選択表示しているアンダーラインを「○」に切り替えるような制御を行い、これにより詳細図示は省略するがアンダーラインが天気予報の報知を行う「○」を選択表示することになる。
【0032】
このように、本例の場合、第1の制御手段202は、車両の利用者に天気予報等の前記外部情報の選択に関する仕様のカスタマイズモードを有しており、第1の入力手段213を通じてカスタマイズモードにおける前記外部情報の選択内容を利用者の好みに応じて定めることができ、さらに前記外部情報の選択内容は第1の記憶手段203に登録されるようになっている。
【0033】
なお、図3(a)に示す初期画面300では、車両搭載機器102の第1の表示部204に表示される各種設定の内容を「漢字」を用いずに「カタカナ」を用いて表示している。これは、第1の表示部204に解像度の低い安価な表示パネルを用いた場合、文字がつぶれることがなく有効な手法である。但し、これに限定されることはなく、解像度の高い表示パネルを用いて、「漢字」で表示することも可能である。
【0034】
車両の利用者は、車両搭載機器102を用いた上述のカスタマイズ操作と同様のカスタマイズ操作を、外部機器103を用いて行うことも可能である。以下、外部機器103を用いたカスタマイズ操作の一例を説明する。
【0035】
車両の利用者は、第2の設定手段262を外部より操作して第2の制御手段252が予め有しているカスタマイズモードへ移行するように第2の制御手段252に指示を与える。具体的には、第2の設定手段262(例えば第2の表示部254に表示されているカスタマイズ用アイコン)の所定操作(タッチ操作)により第2の制御手段252による認識が可能となる。
【0036】
第2の制御手段252は、カスタマイズモードへ移行すると、第2の駆動手段257を介して第2の表示部254を通常表示から図4(a)で示すカスタマイズモードの初期画面表示(初期画面400)へと切り替える処理を実行する。
【0037】
かかる他の初期画面である初期画面400は、利用者が第2の入力手段263を介して外部機器103の出力する車両の外部情報の選択に関する仕様を示す画面である。ここで初期画面400において、「1」は利用者がスマートフォンの電話着信の報知を第1の報知手段206を介して行うか否か(外部機器103が車両の外部情報を出力するか否か)の選択画面を示している。
【0038】
ここでは、電話着信の報知に関して、初期設定値である報知を行わない「なし」なる選択が利用者によってなされたため、第2の制御手段252は、第2の記憶手段253への設定内容の書き込み処理は行わない。これにより、図4(b)に示すように第2の記憶手段253において、「1」(つまり「電話」)に対応する第1領域S1には初期設定値「なし」が記憶される。
【0039】
また初期画面400において、「2」は利用者がスマートフォンのメール着信の報知を第1の報知手段206を介して行うか否かの選択画面を示している。ここでは、メール着信の報知に関して、初期設定値である報知を行わない「なし」から報知を行う「あり」への選択が第2の入力手段263を通じて利用者によってなされたとする。ここでは、第2の入力手段263は、「2」(つまり項目「メール」)に対応する選択領域に表示される「あり」部分を利用者がタッチ操作する手段を意味する。すると、第2の制御手段252は、第2の記憶手段253へ設定内容を記憶させる。
【0040】
つまり、図4(b)に示すように第2の記憶手段253において、「2」(つまり「メール」)に対応する第2領域S2には設定内容である報知を行う「あり」が登録される。これと同時に、第2の制御手段252は、初期画面400において「2」(つまり項目「メール」)に対応する選択領域にて「なし」を選択表示しているアンダーラインを「あり」に切り替えるような制御を行い、これにより詳細図示は省略するがアンダーラインがメール着信の報知を行う「あり」を選択表示することになる。
【0041】
また初期画面400において、「3」は利用者が車両の一時停止の報知を第1の報知手段206を介して行うか否かの選択画面を示している。ここでは、一時停止の報知に関し、初期設定値である報知を行わない「なし」から報知を行う「あり」への選択が第2の入力手段263を通じて利用者によってなされたとする。すると、第2の制御手段252は、第2の記憶手段253へ設定内容を記憶させる。
【0042】
つまり、図4(b)に示すように第2の記憶手段253において、「3」(つまり「一時停止」)に対応する第3領域S3には設定内容である報知を行う「あり」が登録される。これと同時に、第2の制御手段252は、初期画面400において「3」(つまり項目「一時停止」)に対応する選択領域にて「なし」を選択表示しているアンダーラインを「あり」に切り替えるような制御を行い、これにより詳細図示は省略するがアンダーラインが一時停止の報知を行う「あり」を選択表示することになる。
【0043】
また初期画面400において、「4」は利用者が天気予報の報知を第1の報知手段206を介して行うか否かの選択画面を示している。ここでは、天気予報の報知に関し、初期設定値である報知を行わない「なし」から報知を行う「あり」への選択が第2の入力手段263を通じて利用者によってなされたとする。すると、第2の制御手段252は、第2の記憶手段253へ設定内容を記憶させる。
【0044】
つまり、図4(b)に示すように第2の記憶手段253において、「4」(つまり「天気」)に対応する第4領域S4には設定内容である報知を行う「あり」が登録される。これと同時に、第2の制御手段252は、初期画面400において「4」(つまり項目「天気」)に対応する選択領域にて「なし」を選択表示しているアンダーラインを「あり」に切り替えるような制御を行い、これにより詳細図示は省略するがアンダーラインが天気予報の報知を行う「あり」を選択表示することになる。
【0045】
このように、本例の場合、第2の制御手段252は、車両の利用者に天気予報等の前記外部情報の選択に関する仕様のカスタマイズモードを有しており、第2の入力手段263を通じてカスタマイズモードにおける前記外部情報の選択内容を利用者の好みに応じて定めることができ、さらに前記外部情報の選択内容は第2の記憶手段253に登録されるようになっている。
【0046】
なお、図4(a)に示す初期画面400では、外部機器103の第2の表示部254に表示される各種設定の内容を「漢字」を用いて表示している。従って、この場合、第2の表示部254は、解像度の高い表示パネルが用いられていることになる。
【0047】
次に、図2、図3、図5(a)を用いて、車両の利用者に対し、外部機器103が持っている情報を車両搭載機器102に備えられる第1の報知手段206にて報知させる際の車両用情報提供装置101の動作について説明する。
【0048】
まず、外部機器103に備えられる第2の制御手段252は、車両の現在位置(つまり前記現在位置の緯度、経度)を外部機器103内に設けられるGPSモジュール等からなる検出手段としての各種センサ261を用いて求める。次に、第2の制御手段252は、この現在位置近辺の地図情報を外部機器103内の通信モジュール258を用いて(インターネット経由で)入手する。
【0049】
そして、第2の制御手段252は、車両の走行経路と地図情報とを比較して、これから走行しようとする走路に交差点があり車両の一時停止が必要であることを判定すると、交差点から所定距離だけ手前の位置(例えば交差点の200メートル手前の位置)で、この先に一時停止があることを示す情報(つまり車両の外部情報)を各通信部209、260経由で、車両搭載機器102側の第1の制御手段202に対して出力する。第1の制御手段202は、この一時停止情報を受けて第1の記憶手段203へ記憶のカスタマイズ情報を参照する。
【0050】
第1の制御手段202は、図3(b)に示すごとく第1の記憶手段203を参照して、利用者が一時停止の報知を行うことを選択していると判定する。次に、第1の制御手段202は、多重通信入出力端子211より車速信号を受信し、これに基づいて車両の速度(つまり車速)を算出する。
【0051】
そして、第1の制御手段202は、車速が所定の閾値以上(例えば時速20キロメートル以上)であることを示す信号を検出すると、第1の表示部204に車両の状態を報知させるべく(つまり、この場合、第1の表示部204に「この先、一時停止があります」なる報知表示を行うべく)、第1の駆動手段208を介して第1の表示部204を表示動作させるとともに、第1の発音体205から「ピッ」なる吹鳴音を吹鳴させるべく、駆動手段208を介して第1の発音体205を吹鳴動作させる。
【0052】
すると、図5(a)に示すように、車両搭載機器102に備えられる第1の表示部204には、「この先、一時停止があります」なる注意喚起を促すメッセージが表示されるとともに、車両搭載機器102に備えられる第1の発音体205からは前記メッセージの表示後に、利用者に対する注意喚起力をさらに高めるべく「ピッ」なる吹鳴音が発せられる構成となっている。
【0053】
次に、図2、図3、図5(b)を用いて、車両の利用者に対し、外部機器103が持っている情報を車両搭載機器102に備えられる第1の報知手段206にて報知させる際の車両用情報提供装置101の他の動作について説明する。
【0054】
まず、外部機器103に備えられる第2の制御手段252は、前記現在位置(つまり前記現在位置の緯度、経度)を外部機器103内に設けられるGPSモジュール等からなる各種センサ261を用いて求める。次に、第2の制御手段252は、この現在位置近辺の天気予報に関する情報を外部機器103内の通信モジュール258を用いて(インターネット経由で)入手する。
【0055】
そして、第2の制御手段252は、車両の走行経路と天気予報に関する情報とを比較して、これから所定時間以内(例えばこれから1時間以内)に天候が変化する(例えば天気が曇りから雨に変化する)可能性があることを検出すると、第2の記憶手段253へ記憶のカスタマイズ情報を参照する。
【0056】
第2の制御手段252は、図4(b)に示すごとく第2の記憶手段253を参照して、利用者が天気予報の報知を行うことを選択していると判定する。そこで、第2の制御手段252は、この天気予報に関する情報(つまり車両の外部情報)を各通信部209、260経由で、車両搭載機器102側の第1の制御手段202に対して出力する。そして、第1の制御手段202は、天気予報に関する情報を受けて、車内LAN105及び多重通信入出力端子211を介しエンジン制御部109からのエンジン特性情報(車両の状態)を入手する。
【0057】
ここで、第1の制御手段202は、複数のエンジン特性情報から「Rainモード」(例えば、二輪車において濡れた路面での走行においてバランスの良いトルク特性)を選択するのが適切と判定して、天気予報に関する情報と利用者へエンジン特性の選択を促す情報を報知すべく、第1の駆動手段208を介して第1の表示部204を表示動作させるとともに、第1の発音体205から「ピッ」なる吹鳴音を吹鳴させるべく、駆動手段208を介して第1の発音体205を吹鳴動作させる。
【0058】
すると、図5(b)に示すように、車両搭載機器102に備えられる第1の表示部204には、「天気:曇り→雨、エンジン特性はRainモードが適しています」なる注意喚起を促す他のメッセージが表示されるとともに、車両搭載機器102に備えられる第1の発音体205からは前記他のメッセージの表示後に、利用者に対する注意喚起力をさらに高めるべく「ピッ」なる吹鳴音が発せられる構成となっている。
【0059】
以上のように本実施形態では、利用者へ車両の各種状態を報知する第1の報知手段206及びこの第1の報知手段206を動作させる第1の制御手段202を有する車両搭載機器102と、この車両搭載機器102と第1、第2の通信部209、260(接続手段104)を介して接続され、第1の制御手段202に対して前記車両の外部情報を出力する第2の制御手段252を有する外部機器103とを備え、車両搭載機器102は、利用者に前記車両の外部情報の選択に関する仕様のカスタマイズモードを有する第1の制御手段202と、カスタマイズモードにおける選択の内容を定めるための第1の入力手段213と、選択の内容を登録するための第1の記憶手段203とを備えていることにより、車両利用者に外部機器103の持っている各種情報(前記外部情報)を、車両搭載機器102経由で提供する場合、車両利用者の好みに応じた情報提供を行う構成となるので、車両搭載機器102側へと伝送される情報量を適切な量とすることが可能となり、これによりヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)の向上した車両用情報提供装置を提供することができる。
【0060】
また本実施形態では、利用者へ車両の各種状態を報知する第1の報知手段206及び第1の報知手段206を動作させる第1の制御手段202を有する車両搭載機器102と、この車両搭載機器102と第1、第2の通信部209、260(接続手段104)を介して接続され、第1の制御手段102に対して前記車両の外部情報を出力する第2の制御手段252を有する外部機器103とを備え、外部機器103は、利用者に前記車両の外部情報の選択に関する仕様のカスタマイズモードを有する第2の制御手段252と、カスタマイズモードにおける選択の内容を定めるための第2の入力手段263と、選択の内容を登録するための第2の記憶手段253とを備えていることにより、車両利用者に外部機器103の持っている各種情報(前記外部情報)を、車両搭載機器102経由で提供する場合、車両利用者の好みに応じた情報提供を行う構成となるので、車両搭載機器102側へと伝送される情報量を適切な量とすることが可能となり、これによりHMIの向上した車両用情報提供装置を提供することができる。
【0061】
また本実施形態では、第2の制御手段252は、予め定められた所定の条件が成立すると(例えばこれから走行しようとする走路の前方に一時停止があるという情報を入手したり、前記所定時間以内に天気が変化する可能性があるという情報を入手すると)、第1の制御手段202に対して前記車両の外部情報(例えば一時停止に関する情報や天候に関する情報)を出力することにより、車両利用者に対し外部機器103の持っている各種情報(前記外部情報)が、前記所定の条件の成立に基づき割り込む形で提供される(車両利用者が事前に情報提供を予測できない)情報であっても、車両利用者の好みに応じた情報提供を行う構成となるので、車両搭載機器102側へと伝送される情報量を適切な量とすることを可能であり、HMIを向上させることが可能となる。
【0062】
また本実施形態では、第1の制御手段202は、車両の各種状態(例えばエンジン特性情報)と車両の外部情報(天気予報に関する情報)とを組み合わせた情報を利用者へ提示(表示)すべく、第1の報知手段206を動作させることにより、車両利用者に対し外部機器103の持っている各種情報(前記外部情報)を車両搭載機器102経由で提供する場合、車両の各種状態と組み合わせた情報提供が行われるので、車両利用者に対し有効な情報提供を行うことができるというメリットがある。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、車両搭載機器と外部機器を利用した車両用情報提供装置に関し、車両搭載機器としては車両情報を表示する車両用メータ(車両用計器)のみならず、車両に搭載されるナビゲーション装置やマルチディスプレイ装置等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0064】
101 車両用情報提供装置
102 車両搭載機器
103 外部機器
104 接続手段
202 第1の制御手段
203 第1の記憶手段
204 第1の表示部
205 第1の発音体
206 第1の報知手段
209 第1の通信部
212 第1の設定手段
213 第1の入力手段
252 第2の制御手段
253 第2の記憶手段
254 第2の表示部
255 第2の発音体
256 第2の報知手段
260 第2の通信部
262 第2の設定手段
263 第2の入力手段
300、400 初期画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者へ車両の各種状態を報知する第1の報知手段及び前記第1の報知手段を動作させる第1の制御手段を有する車両搭載機器と、
前記車両搭載機器と接続手段を介して接続され、前記第1の制御手段に対して車両の外部情報を出力する第2の制御手段を有する外部機器とを備え、
前記車両搭載機器は、前記利用者に前記車両の外部情報の選択に関する仕様のカスタマイズモードを有する前記第1の制御手段と、前記カスタマイズモードにおける前記選択の内容を定めるための第1の入力手段と、前記選択の内容を登録するための第1の記憶手段とを備えていることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項2】
利用者へ車両の各種状態を報知する第1の報知手段及び前記第1の報知手段を動作させる第1の制御手段を有する車両搭載機器と、
前記車両搭載機器と接続手段を介して接続され、前記第1の制御手段に対して車両の外部情報を出力する第2の制御手段を有する外部機器とを備え、
前記外部機器は、前記利用者に前記車両の外部情報の選択に関する仕様のカスタマイズモードを有する前記第2の制御手段と、前記カスタマイズモードにおける前記選択の内容を定めるための第2の入力手段と、前記選択の内容を登録するための第2の記憶手段とを備えていることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項3】
前記第2の制御手段は、予め定められた所定の条件が成立すると、前記第1の制御手段に対して前記車両の外部情報を出力することを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用情報提供装置。
【請求項4】
前記第1の制御手段は、前記車両の各種状態と前記車両の外部情報とを組み合わせた情報を前記利用者へ提示すべく、第1の報知手段を動作させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−35376(P2013−35376A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172444(P2011−172444)
【出願日】平成23年8月6日(2011.8.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)