説明

車両用日除け装置

【課題】日差しや雨水から車両を遮蔽し、また車体の必要な箇所を遮蔽する日除け装置を提供する。
【解決手段】車両用日除け装置1は、殼体2、2つの巻き軸21、座体3、複数の連動バー4、2つのサイドカバー5から構成され、座体3側部の複数の固定部31を車両の頂部に設置したとき、殼体2内に枢設された連動バー4を二端外側に向かって伸展させることで、2つの巻き軸21上の日除けスクリーン22を動かして外側に向かって延伸させ、日差しや雨水から車両を遮蔽する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用日除け装置に関し、特に、連動して伸縮する車両用日除け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
夏季の暑い気候において、車両を屋外に置いておくときは、強烈な日差しが車体を直射し、車内温度が高くなりすぎるのを防ぐため、運転者は通常車両のフロントガラスとガラス窓上に日除けスクリーンや断熱紙を設置し、日差しがフロントガラスとガラス窓から車内に照射するのを防止する。そのうち、日除けスクリーンはさまざまな形式があるが、吸盤で日除けスクリーンをガラス上に設置するものがほとんどである。しかしながら、吸盤式は日除けスクリーンそのものの重量や吸着力の不足で日除けスクリーンが落下してしまう状況がよく発生する。また、使用される断熱紙は、完全にフロントガラス及びガラス窓上に貼付することができるものの、より効果的に日差しの照射を阻むために、通常は透光性が比較的低い、または色が暗い断熱紙を使用するが、これによって運転者の視界不良が発生しやすい。さらに、日除けスクリーンまたは断熱紙のいずれにしても、設置上すべてフロントガラス及びガラス窓に設置して日差しの車内への進入を阻むが、車体の外に日差しが照りつける状況では、効果的に車内温度上昇を防止することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の主な目的は、主に殼体、2つの巻き軸、座体、複数の連動バー、2つのサイドカバーから構成され、主に座体により日除け装置を車両の頂部に設置し、殼体内に枢設された複数の連動バーを外側へ向かって伸展させることにより、2つの巻き軸上の日除けスクリーンを動かして、日除けスクリーンを外側へ向かって延伸させ、これにより日差しや雨水から車両を遮蔽するという目的を達する、日除け装置を提供することにある。
【0004】
本発明の別の目的は、殼体と座体が軸体によって相互に連接され、殼体の使用高さを調整できるほか、殼体を必要に応じて回動させることができ、日除けスクリーンを外側へ向かって延伸した後、車体の遮蔽が必要な箇所を遮蔽することができる、日除け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の第1発明は、車両用日除け装置であって、殼体と、前記殼体内部に設置され、それぞれに日除けスクリーンが巻回された複数の巻き軸と、前記殼体の底部に設置された座体と、対をなして枢設する方式で前記殼体内部に設置された複数の連動バーと、前記連動バーの一端に設置された2つのサイドカバーと、を含み、そのうち、前記殼体内部に枢設された前記複数の連動バーを前記殼体の外側に向かって伸展させることにより、前記巻き軸上に巻回された前記日除けスクリーンを外側へ向かって延伸させ、車両の頂部に設置したとき、外側へ向かって延伸された前記日除けスクリーンによって車両を外部からの日差しや雨水から遮蔽するよう構成したことを特徴とする、日除け装置を提供する。
本願の第2発明は、前記殼体上に透明カバーを設置したことを特徴とする前記第1発明の日除け装置を提供する。
本願の第3発明は、前記座体と前記殼体間に軸体を設置し、それにより前記殼体の高さの調節と回動を可能にしたことを特徴とする前記第1発明の日除け装置を提供する。
本願の第4発明は、前記日除けスクリーンが湾曲可能な軟性材質から成ることを特徴とする前記第1発明の日除け装置を提供する。
本願の第5発明は、前記複数の巻き軸上に巻回された前記日除けスクリーンの一端に、それぞれ前記サイドカバーが設置されたことを特徴とする前記第1発明の日除け装置を提供する。
本願の第6発明は、4本の前記連動バーをそれぞれ枢支部により前記殼体内部に枢設したことを特徴とする、前記第1発明の日除け装置を提供する。
本願の第7発明は、前記座体の側部に複数の固定部を設けたことを特徴とする前記第1発明の日除け装置を提供する。
本願の第8発明は、前記各連動バー上にプッシュバーを設けたことを特徴とする、前記第1発明の日除け装置を提供する。
本願の第9発明は、前記プッシュバーが気圧式プッシュバーまたは油圧式プッシュバーとできることを特徴とする前記第8発明の日除け装置を提供する。
本願の第10発明は、前記殼体内にさらに少なくとも1つの動力装置を設置し、前記連動バーの伸展の動力源とすることを特徴とする前記第1発明の日除け装置を提供する。
本願の第11発明は、前記透明カバー上にソーラーパネルを設置してもよいことを特徴とする前記第2発明の日除け装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の立体外観図である。
【図2】本発明の立体分解図である。
【図3】本発明の実施例1の立体図1である。
【図4】本発明の実施例1の立体図2である。
【図5】本発明の実施例1の立体図3である。
【図6】本発明の実施例1の立体図4である。
【図7】本発明の実施例1の立体図5である。
【図8】本発明の実施例2の立体図1である。
【図9】本発明の実施例2の立体図2である。
【図10】本発明の実施例3の立体図1である。
【図11】本発明の実施例3の立体図2である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1と図2に本発明の立体外観図と立体分解図をそれぞれ示す。これらの図に示すように、日除け装置1は主に、殼体2、2つの巻き軸21、座体3、複数の連動バー4、2つのサイドカバー5を含む。
【0008】
殼体2は、その上に殼体2内に収容された各部材を遮蔽かつ保護するための透明カバー24が設置されている。
【0009】
2つの巻き軸21は殼体2内に設置され、湾曲が可能な軟性材質から成る日除けスクリーン22がそれぞれ巻回されている。
【0010】
座体3は軸体25により殼体2底部に連結され、座体3の側部に複数の固定部31が設置されている。
【0011】
複数の連動バー4は、それぞれ枢支部23によって殼体2内に対をなして枢設され、各連動バー4上に気圧式または油圧式とできるプッシュバー41が設置されている。
【0012】
2つのサイドカバー5は、それぞれ連動バー4の一端及び2つの巻き軸21上に巻回された日除けスクリーン22の一端に設置されている。
【0013】
日除け装置1は主に車両頂部に設置され、殼体内部に枢設された複数の連動バー4を殼体2の外に向かって伸展させることで、2つの巻き軸21上に巻回された日除けスクリーン22を外側へ向かって延伸させ、車体を遮蔽することができる。
【実施例1】
【0014】
図2と、図3から図8の本発明の実施例1の立体図にしめすように、日除け装置1は座体3側部の複数の固定部31を車両の頂部に設置し、車両を屋外に置いておくときは、まず殼体2内に枢設された4本の連動バー4を両外側に向かって伸展させると、同時に2本の巻き軸21上に巻回された日除けスクリーン22が外側へ向かって延伸され、両側に延伸された日除けスクリーン22で車体を遮蔽することができ、かつ使用時の必要に応じて連動バー4の伸展長さを調整し、日除けスクリーン22で遮蔽する範囲を決定することができる。このほか、4本の連動バー4上にそれぞれプッシュバー41が設置されているため、連動バー4を外側に向かって伸展させたり、内側に向かって収納したりするときの操作に便利である。また、殼体2と座体3間に軸体25が設置されており、殼体2を必要な高さまで上昇させることができるほか、殼体2を必要に応じて回動させ、延伸後の日除けスクリーン22を遮蔽が必要な位置上に調整し、日差しや雨水から車両を遮蔽することができる。
【0015】
日除け装置1を収納するときは、まず外側に向かって伸展された複数の連動バー4を殼体2内に押し込み、かつ巻き軸21に日除けスクリーン22を巻回させて収納する。複数の連動バー4と日除けスクリーン22を完全に殼体2内に収納した後、連動バー4の一端に設置された2つのサイドカバー5で殼体2の両側を同時に覆い、かつ殼体2の上面に設置された透明カバー24を加えて、日除け装置1を普段使用しないとき、両側の2つのサイドカバー5と透明カバー24で殼体2内に収容された各部材を保護し、埃や異物が殼体2に進入するのを防止することができる。
【実施例2】
【0016】
図8と図9に本発明の実施例2の立体図を示す。これらの図からはっきりと分かるように、日除け装置1は内部に少なくとも1つのモーターなどの動力装置6を設置し、4本の連動バー4を動力装置6の動力によって外側に向かって伸展させることができる。また、透明カバー24上にソーラーパネル7を設置して、日除け装置1が日差しの照射を受けるときに同時に太陽エネルギーを吸収させて電気エネルギーに変換し、動力装置6の電力源としたり、この電気エネルギーを車両上のその他設備の用途に提供したりしてもよい。
【実施例3】
【0017】
図10と図11に本発明の実施例3の立体図をそれぞれ示す。これらの図からはっきりと分かるように、日除け装置1の日除けスクリーン22を外側に向かって伸展させた後、殼体2、日除けスクリーン22、サイドカバー5上にボタン、面ファスナー、ファスナー、巻き軸等を設置する方式でスクリーン8を増設してもよく、スクリーン8の設置により、キャンプなどのときテントとしての機能を発揮させたり、遮蔽効果を高めたりすることができる。
【符号の説明】
【0018】
1 日除け装置
2 殼体
21 巻き軸
22 日除けスクリーン
23 枢支部
24 透明カバー
25 軸体
3 座体
31 固定部
4 連動バー
41 プッシュバー
5 サイドカバー
6 動力装置
7 ソーラーパネル
8 スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用日除け装置であって、
殼体と、
前記殼体内部に設置され、それぞれに日除けスクリーンが巻回された複数の巻き軸と、
前記殼体の底部に設置された座体と、
対をなして枢設する方式で前記殼体内部に設置された複数の連動バーと、
前記連動バーの一端に設置された2つのサイドカバーと、
を含み、そのうち、前記殼体内部に枢設された前記複数の連動バーを前記殼体の外側に向かって伸展させることにより、前記巻き軸上に巻回された前記日除けスクリーンを外側へ向かって延伸させ、車両の頂部に設置したとき、外側へ向かって延伸された前記日除けスクリーンによって車両を外部からの日差しや雨水から遮蔽するよう構成したことを特徴とする、日除け装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用日除け装置であって、そのうち前記殼体上に透明カバーを設置したことを特徴とする、日除け装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用日除け装置であって、そのうち前記座体と前記殼体間に軸体を設置し、それにより前記殼体の高さの調節と回動を可能にしたことを特徴とする、日除け装置。
【請求項4】
請求項1に記載の車両用日除け装置であって、そのうち前記日除けスクリーンが湾曲可能な軟性材質から成ることを特徴とする、日除け装置。
【請求項5】
請求項1に記載の車両用日除け装置であって、そのうち前記複数の巻き軸上に巻回された前記日除けスクリーンの一端に、それぞれ前記サイドカバーが設置されたことを特徴とする、日除け装置。
【請求項6】
請求項1に記載の車両用日除け装置であって、そのうち4本の前記連動バーをそれぞれ枢支部により前記殼体内部に枢設したことを特徴とする、日除け装置。
【請求項7】
請求項1に記載の車両用日除け装置であって、そのうち前記座体の側部に複数の固定部を設けたことを特徴とする、日除け装置。
【請求項8】
請求項1に記載の車両用日除け装置であって、そのうち前記各連動バー上にプッシュバーを設けたことを特徴とする、日除け装置。
【請求項9】
請求項8に記載の車両用日除け装置であって、そのうち前記プッシュバーが気圧式プッシュバーまたは油圧式プッシュバーとできることを特徴とする、日除け装置。
【請求項10】
請求項1に記載の車両用日除け装置であって、そのうち前記殼体内にさらに少なくとも1つの動力装置を設置し、前記連動バーの伸展の動力源とすることを特徴とする、日除け装置。
【請求項11】
請求項2に記載の車両用日除け装置であって、そのうち前記透明カバー上にソーラーパネルを設置してもよいことを特徴とする、日除け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−140245(P2011−140245A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−567(P2010−567)
【出願日】平成22年1月5日(2010.1.5)
【出願人】(510005834)