説明

車両用灯火器構造

【課題】保持部材の設計変更を低減でき、防振機構の軽量化を図ることができ、バルブのメンテナンス性を十分に確保することができる車両用灯火器構造を提供する。
【解決手段】車両用灯火器構造10は、フィラメント61の振動を抑制する防振装置70を備える。防振装置70は、保持部材62に取り付けられる振動伝達部材82と、フィラメント61から離れる方向に延出した振動部84A、84Bとを備える。振動部84A、84Bの揺動部90a、90bの自由端部には、錘部92a、92bが設けられる。錘部92a、92bは、保持部材62とバルブ60とからなる複合体の重心を基準として、フィラメント61の反対側に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯火器構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ヘッドライト、テールランプ等の車両用灯火器は、バルブと、バルブが装着される保持部材であるソケットと、バルブ挿通孔が形成されるとともにソケットが取り付けられるハウジングと、ハウジングの前面を覆うレンズとを備えている。このような車両用灯火器において、ハウジングにガタなくソケットを固定した構造にあっては、バルブのフィラメントがエンジン駆動や車体走行に伴って車体側から伝わる振動によってバルブに共振が発生すると、バルブのフィラメントが断線する恐れがある。
【0003】
そこで、従来の車両用灯火器におけるバルブ取付構造として、バルブを保持部材(ソケット)に取り付けるとともに、この保持部材をゴム製の中空円筒形の緩衝部材を介してハウジングに取り付けるようにすることで、ハウジングに対して保持部材及びバルブをフローティング状態で支持するものが提案されている(下記、特許文献1参照)。このような構成によれば、緩衝部材によって、車体側の振動を吸収し、バルブのフィラメントに振動が伝達しにくいようにすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−161507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、緩衝部材によって振動を十分に吸収しようとすると、緩衝部材は大きなものになりやすく、重量が増加する可能性がある。また、バルブは、緩衝部材の中空部及びハウジングに形成されるバルブ挿入開口に挿通させる必要があるが、緩衝能力を上げるために緩衝部材が大きくなると、これに挿通されるバルブやソケットも長く重くなる。したがって、緩衝部材の長さに合わせてバルブやソケットを大きく設計変更する必要があり、緩衝部材を含む防振装置が重量化しやすく、さらに、バルブのメンテナンス時にバルブが緩衝部材の中空部やバルブ挿入開口に引っ掛かりやすくなってメンテナンス性も低下するという課題がある。
【0006】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、バルブやソケットの設計変更を低減でき、防振装置の軽量化を図ることができ、バルブのメンテナンス性を十分に確保することができる車両用灯火器構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、フィラメント式のバルブ(60)を保持する保持部材(62)と、前記保持部材(62)が取り付けられるとともに、前記バルブ(60)が挿通されるバルブ挿通孔が形成されたベース部材(66)と、前記バルブ(60)を覆って前記ベース部材(66)に取り付けられるレンズ(68)とを備え、前記保持部材(62)を前記ベース部材(66)の外側から取り付けることで、ベース部材(66)とレンズ(68)との間に形成される収容空間(69)に前記バルブ(60)が配置される車両用灯火器構造(10)において、前記保持部材(62)に取り付けられる振動伝達部材(82、102)と、前記振動伝達部材(82、102)に設けられ、前記バルブ(60)のフィラメント(61)から離れる方向に延出した振動部(84、84A、84B、84C)と、を有する防振装置(70、100)を備え、前記振動部(84、84A、84B、84C)は、前記バルブ(60)の軸線方向に沿って延在する揺動部(90a〜90c)と、前記揺動部(90a〜90c)の自由端部に固定された錘部(92a〜92c)とを有し、前記錘部(92a〜92c)は、前記保持部材(62)に前記バルブ(60)が装着された状態での前記保持部材(62)と前記バルブ(60)とからなる複合体の重心を基準として、前記フィラメント(61)の反対側に位置することを特徴とする車両用灯火器構造(10)である。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の車両用灯火器構造(10)において、前記揺動部(90a、90c)は、前記保持部材(62)の基端部よりも前記保持部材(62)の背面側に延出していることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の車両用灯火器構造(10)において、前記振動伝達部材(82、102)には、前記保持部材(62)に嵌合可能な嵌合部(86)が設けられ、前記嵌合部(86)が前記保持部材(62)に嵌合した状態で、前記振動伝達部材(82、102)は、前記保持部材(62)と前記ベース部材(66)とで挟み込んで支持されることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯火器構造(10)において、前記振動伝達部材(82、102)は、金属製の板材を折り曲げることで形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項3記載の車両用灯火器構造(10)において、前記保持部材(62)には、少なくとも3つ以上のリブ状の突出部(76)が設けられ、少なくとも2つ以上の前記突出部(76)を残して前記突出部(76)と前記嵌合部(86)とが嵌合することを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項3記載の車両用灯火器構造(10)において、前記振動部(84、84A)は、前記嵌合部(86)に設けられることを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用灯火器構造(10)において、前記振動部(84、84A、84B、84C)は、前記フィラメント(61)と平行に配置されることを特徴とする。
【0014】
請求項8に係る発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両用灯火器構造(10)において、前記バルブ(60)は、前記フィラメント(61)が車幅方向に向くように取り付けられ、前記振動部(84、84A、84B、84C)には、前記フィラメント(61)よりも上方位置に設けられる第1振動部(84A)と、前記フィラメント(61)よりも下方位置に設けられる第2振動部(84B、84C)とがあることを特徴とする。
【0015】
請求項9に係る発明は、請求項8記載の車両用灯火器構造(10)において、前記保持部材(62)にはハーネス(71)が接続されるとともに、前記第2振動部(84B、84C)には、前記ハーネス(71)をガイドするガイド部(94、104)が設けられることを特徴とする。
【0016】
請求項10に係る発明は、請求項9記載の車両用灯火器構造(10)において、前記第2振動部(84B)は、前記ガイド部(94)の自由端側から前記バルブ(60)側に延出することを特徴とする。
【0017】
請求項11に係る発明は、請求項9記載の車両用灯火器構造(10)において、前記ガイド部(104)は、前記第2振動部(84C)よりも上方に配設され、前記ガイド部(104)の自由端部は、前記第2振動部(84C)よりも前記保持部材(62)の背面側に突出していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明によれば、保持部材とバルブとからなる複合体の重心を基準としてフィラメントの反対側に錘部が位置するので、フィラメントの振動に対して逆位相となる振動を揺動部と錘部とによって発生させることができ、揺動部と錘部とからなる振動部をダイナミックダンパとして機能させることができる。これにより、フィラメントの振動が、この振動とは逆位相の振動により打ち消されることで、フィラメントの振動を抑制することができる。また、振動部はフィラメントから離れる方向に延出するので、錘部の重量を軽く設定した場合でも、容易にフィラメントへの振動を打ち消す振動を発生させることができ、防振装置の軽量化を図ることもできる。さらに、防振装置自体は保持部材の外側に設けられるものであるため、保持部材自体の設計変更を低減でき、バルブのメンテナンス性も十分に確保することができる。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、揺動部を長くすることによって錘部を軽くすることができ、防振装置全体として軽量化を図ることができる。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、防振装置を保持部材に取り付けた状態で保持部材の着脱が可能であり、メンテナンス性を向上できる。また、保持部材をベース部材に取り付けるだけで、防振装置が外れないように固定するこができる。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、振動伝達部材を薄くでき、構造を簡素化することができる。
【0022】
請求項5に係る発明によれば、保持部材に設けられた突出部と、振動伝達部材に設けられた嵌合部とが嵌合した状態で、残された2つ以上の突出部をつまんで保持部材をベース部材に対して着脱できるので、メンテナンス性を向上できる。
【0023】
請求項6に係る発明によれば、揺動部と嵌合部とを効率的に配置することができ、スペース効率を向上できる。
【0024】
請求項7に係る発明によれば、振動部の振動方向を、フィラメントの振動方向に一致させることができるため、フィラメントの振動を効率良く打ち消すことができ、より高い振動抑制効果が得られる。
【0025】
請求項8に係る発明によれば、フィラメントよりも上方位置と下方位置に配置された第1振動部及び第2振動部により、より一層効率良くフィラメントの振動を打ち消すことができる。
【0026】
請求項9に係る発明によれば、ハーネスの動きを規制して、ハーネスが第2振動部に干渉することを防止できる。
【0027】
請求項10に係る発明によれば、保持部材を径方向に大型化することなく、ガイド部と第2振動部とを共存させることができ、第2振動部にハーネスが干渉することを防止ができる。
【0028】
請求項11に係る発明によれば、ハーネスが第2振動部に干渉するのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用灯火器構造を備えた自動二輪車の側面図である。
【図2】図1に示した自動二輪車のテールランプ及びその周辺部位の斜視図である。
【図3】テールランプの縦断面図である。
【図4】図3におけるIV−IV線に沿った横断面図である。
【図5】車両用灯火器構造を構成するバルブ、保持部材及び防振装置の分解斜視図である。
【図6】図3におけるVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】保持部材を外した状態のベース部材を背面側から見た斜視図である。
【図8】変形例に係る車両用灯火器構造を構成するバルブ、保持部材及び防振装置の分解斜視図である。
【図9】図8に示したバルブ、保持部材及び防振装置の組立状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る車両用灯火器構造について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。なお説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、車体に対してのものとする。また、図中の矢印Fは車体前方を示し、矢印Lは車体左方を示し、矢印Uは車体上方をそれぞれ示している。また、車体左右方向に付いては、適宣、車幅方向という。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用灯火器構造10(以下、単に「灯火器構造10」ということがある)を備えた自動二輪車12の側面図である。図1において、自動二輪車12の運転者Mを二点鎖線で示している。自動二輪車12は、車体フレーム14を備えている。図示した構成例に係る車体フレーム14は、いわゆるダブルクレードル形のフレームである。
【0032】
この車体フレーム14は、図1に示すように、その前端部に配置されたヘッドパイプ16と、このヘッドパイプ16から左右に分岐して緩やかに後ろ下がりで後方に延びた後、湾曲部18Aを介して略下方に延びる左右―対のメインフレーム18と、同じくヘッドパイプ16から左右に分岐して、メインフレーム18の下方を、後ろ斜め下方に延びた後、湾曲部20Aを介して略水平に後方に延びる左右一対のダウンパイプ20とを有している。車体フレーム14は、さらに、左右一対のメインフレーム18のそれぞれの湾由部近傍から後方やや後ろ上がりに延びる左右―対のシートレール15と、それぞれのメインフレーム18の下部に配設された左右―対のピボットプレート17と、これらピボットプレート17から斜め後ろ上がりに延びてシートレール15にそれぞれ接続された左右一対の補強用のステー19とを有している。左右一対のピボットプレート17には、リアスイングアーム21のピボット22が設けられている。
【0033】
図1に示すように、ヘッドパイプ16は、左右一対のフロントフォーク24を回動自在に支持している。これらフロントフォーク24の上端には、トップブリッジ25を介して操舵用のハンドル26が取り付けられている。また、フロントフォーク24の上部近傍には、スピードメータをはじめとするメーター類27やヘッドライト28が取り付けられている。一方、フロントフォーク24の下端部には、ブレーキディスク29と一体の前輪30が回転自在に支持され、その支持部分の上側には、前輪30の上方を覆うフロントフェンダ31が固定されている。
【0034】
図1に示す前輪30の後方で、かつ後述する燃料タンク32の下、すなわち、車体フレーム14の側面視における、メインフレーム18とダウンパイプ20との間には、エンジン33が配設されている。なお、本構成におけるエンジン33は、いわゆる空冷並列4気筒のエンジンである。エンジン33は、ダウンパイプ20の下部に固定されたエンジンマウント34等に取り付けられ、クランクケース33aを有している。エンジン33は、さらに、クランクケース33aの前部上方に違結されたシリンダブロック33bと、このシリンダブロック33bの上部に連結されたシリンダヘッド33cと、このシリンダヘッド33cの上部に連結されたヘッドカバー33dとを有している。
【0035】
シリンダブロック33bには、シリンダ内にビストンが往復自在に収納されていて、クランクケース33a内には、ビストンにコンロッドを介して連結されたクランク軸やエンジン出力軸33eが軸支されるとともに、クランク軸とエンジン出力軸33eとの間に動力伝達機構を構成するクラッチ機構や変速機等が収納されている。図1では、エンジン出力軸33eについては、クランクケースカバーの、エンジン出力軸33eに対応する部分を示している。上述のエンジン出力軸33eに装着されたスプロケット36と、後述する後輪35に装着されたスプロケット36との間には、ドライブチェーン37が掛け渡されていて、エンジン33の回転は、動力伝達機構等を介して、後輪35に伝達されるようになっている。
【0036】
また、シリンダヘッド33cにはエンジン33前側から下方に延びる排気管38が接続されている。この排気管38には、排気マフラー39が接続されている。排気マフラー39は、車体フレーム14の下方から車体右側方を、後ろ上がりで斜め後方に延設されている。また、シリンダヘッド33cの前方には、オイルクーラー40がダウンパイプ20の前側に固定されており、一方、シリンダヘッド33cの後方には、図示しないエアクリーナーやスロットルボディが配設されている。
【0037】
車体フレーム14のピボットプレート17には、ピボット22を介して、リアスイングアーム21が略上下方向に揺動自在に支持されている。リアスイングアーム21における後端部上側と、シートレール15との間には、リアクッション41が介装されている。また、リアスイングアーム21の後端には、ブレーキディスク42と一体の後輪35が回動自在に支持されている。また、ピボットプレート17には、後方に延びるステップホルダ44が固定されており、このステップホルダ44の前部と後部とには、運転者M用および同乗者用のステップ45、46が装着されている。
【0038】
車体フレーム14における左右のメインフレーム18上部には、これらを跨ぐように燃料タンク32が配設されている。また、燃料タンク32の後方におけるシートレール15の上部には、シートレール15を略上方から覆うようにシート54が取り付けられている。また、燃料タンク32の後部の下側には、着座姿勢をとった際の運転者Mの膝より下の部分が当接される一対のニーカバー47が設けてある。これらニーカバー47は、上述のエアクリーナーの左右の両端にそれぞれ配設されている。ニーカバー47の後方には、サイドカバー48が配設されている。
【0039】
車体フレーム14のシートレール15における後部には、同乗者が把持する左右のグラブバー49、左右のリアウインカ50が取り付けられ、また、側面視略円弧状のリアフェンダ51が外装品として取り付けられている。そして、このリアフェンダ51には、テールランプ52、ライセンスプレート53が取り付けられている。
【0040】
図2は、自動二輪車12のテールランプ52及びその周辺部位の斜視図である。図2に示すように、リアフェンダ51の上部には後方に延出するテールランプカバー56が固定されている。テールランプカバー56は、平面視で略T字状であり、後方に開放した開口部を有する。このテールランプカバー56にネジ部品57を介してテールランプ52が取り付けられている。
【0041】
図3は、テールランプ52の縦断面図であり、図4は、図3におけるIV−IV線に沿った横断面図である。本実施形態に係る灯火器構造10は、テールランプ52として構成されている。テールランプ52として構成された灯火器構造10は、光源であるフィラメント式のバルブ(電球)60を保持する保持部材(ソケット)62と、保持部材62が取り付けられるとともに、バルブ60が挿通されるバルブ挿入孔64が形成されたベース部材(ハウジング)66と、ベース部材66の正面を覆うようにベース部材66に取り付けられるレンズ68と、保持部材62に取り付けられた防振装置70とを備える。保持部材62をベース部材66の外側から取り付けることで、ベース部材66とレンズ68との間に形成される収容空間69にバルブ60が配置される。以下、灯火器構造10(テールランプ52)及びその構成部品に関し、軸線方向のレンズ68側を「正面側」と規定し、ベース部材66側を「背面側」と規定する。
【0042】
保持部材62は、例えば合成樹脂製であり、全体として略円筒状であり、その一側に、バルブ60を挿入して固定するための挿入穴62aを有する。保持部材62に関し、バルブ60が挿入される側(挿入穴62aの開放側)を先端側とし、先端側の端部を「先端部」と呼ぶ。また、保持部材62に関し、先端側とは反対側を背面側とし、背面側の端部を「基端部62b」と呼ぶ。図4に示すように、バルブ60は、フィラメント61が車幅方向に向くように保持部材62に取り付けられている。保持部材62の基端部62bからは、バルブ60に電力を供給するためのハーネス71が延出している。図3に示すように、ハーネス71は、保持部材62の基端部62bからバルブ60とは反対方向に延出した後、下方に向かうように配設されている。
【0043】
図5は、バルブ60、保持部材62及び防振装置70の分解斜視図である。図3〜図5に示すように、保持部材62の先端側はベース部材66に挿入される挿入部72として構成されており、当該挿入部72の外周部には、ベース部材66と係合可能な複数の係合片74が周方向に間隔をおいて設けられている。図示例では、係合片74は4つであり、90°間隔で設けられている。この係合片74は、ベース部材66のバルブ挿入孔64に設けられた係合溝67(図7参照)に係合可能であり、係合片74と係合溝67とが係合することで、保持部材62がベース部材66に固定されるようになっている。
【0044】
保持部材62において、挿入部72の基端側には、半径方向外方に突出し且つ周方向に延在するフランジ部63が設けられている。また、保持部材62の基端側外周部には、半径方向外方に突出し且つ軸線方向に延在するリブ状の複数の突出部76が周方向に間隔をおいて設けられている。これらの突出部76のレンズ68側の端部は、フランジ部63に結合している。保持部材62には、少なくとも3つ以上のリブ状の突出部76が設けられるとよく、図示した構成例では、突出部76は4つであり、90°の角度間隔で設けられている。突出部76は、保持部材62をベース部材66に着脱する際に、作業者がつまむ部分であり、保持部材62をつまんで回転させやすいように適度な大きさに設定される。
【0045】
保持部材62が取り付けられるベース部材66は、例えば合成樹脂製であり、バルブ60から放射された光を反射するリフレクタ78が設けられている。リフレクタ78は、保持部材62の基端側に向かってドーム状に窪む形状を呈しており、バルブ60からの光を灯火器構造10の正面側(本実施形態では、車両後方)に反射するように構成されている。バルブ60は、リフレクタ78の略中心に配置されている。
【0046】
図7は、レンズ68が取り付けられたベース部材66を背面側から見た斜視図である。ベース部材66の背面には、収容空間69と連通する通気孔が形成された通気ポート77が設けられている。この通気ポート77には、L字状に曲がって下方に向けて開口したチューブ81が被されている。また、ベース部材66の背面において、バルブ挿入孔64の両側には、ネジ部品57(図2参照)が螺入されるネジ固定部83が突出形成されている。
【0047】
図3及び図4に示すレンズ68は、全体が透明な合成樹脂製であり、ベース部材66を覆うように構成されている。具体的には、レンズ68は、ベース部材66との間に収容空間69を形成するように凹状(有底筒状)に構成されている。バルブ60が放射する光は、レンズ68を透過して自動二輪車12の後方に照射される。ベース部材66の周縁部には、後方に開口する溝部79が形成され、この溝部79に樹脂製のシール材(ホットメルト)80を介してレンズ68が取り付けられることで、レンズ68がベース部材66に固定されている。
【0048】
図3〜図5に示すように、防振装置70は、保持部材62に取り付けられる振動伝達部材82と、この振動伝達部材82に設けられ、バルブ60のフィラメント61から離れる方向(本実施形態では車両前方)に延出した振動部84とを備える。図示した構成例に係る振動伝達部材82は、円環状のリング部85と、リング部85の上部に設けられた嵌合部86と、リング部85の下部に設けられた突出片87とを有するものであり、所定形状に形成された金属製の板材を折り曲げることで構成されている。この場合、振動伝達部材82を構成する金属材料としては、振動部84で発生した振動を保持部材62側に適切に伝達できるものであれば特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミ合金、銅合金等が挙げられる。
【0049】
リング部85の内径は、保持部材62の挿入部72の外径よりも大きく、フランジ部63の外径よりも小さく、かつ、ベース部材66に設けられたバルブ挿入孔64の内径よりも大きい。
【0050】
嵌合部86は、保持部材62の基端側に向かって延出する。図示した構成例では、嵌合部86は、リング部85の上部に設けられているため、保持部材62に設けられた複数の突出部76のうち、上側の突出部76aと嵌合する。図6に示すように、嵌合部86に突出部76の外方端部が挿入されることで、嵌合部86と突出部76とが嵌合状態となる。尚、嵌合部86を折り曲げてかしめることで、突出部76を挟持するように構成しても良い。
【0051】
また、振動伝達部材82には、保持部材62のフランジ部63に係合可能な係合溝88(図5参照)が設けられている。図示した構成例では、係合溝88は、嵌合部86とリング部85との間に設けられている。係合溝88は、リング部85の半径方向内方に向かって開放した溝であり、このように振動伝達部材82が構成されているので、保持部材62をベース部材66から取り外した状態で、保持部材62に防振装置70を引っ掛けておくことができる。
【0052】
本実施形態の場合、振動伝達部材82に設けられた嵌合部86は1つであり、保持部材62に設けられた突出部76は4つであるため、保持部材62に振動伝達部材82を取り付けた状態で、嵌合部86と嵌合する突出部76は1つだけであり、残りの3つの突出部76は嵌合部86と嵌合しない。保持部材62に振動伝達部材82を取り付けた状態で嵌合部86と嵌合しない突出部76が複数あることで、それらをつまんで保持部材62をベース部材66に対して着脱できるので、メンテナンス性を向上できる。このような観点から、突出部76の数は、嵌合部86の数よりも2つ以上多いことが好ましい。
【0053】
リング部85の下部に設けられた突出片87は、保持部材62の基端側(図示例では、車両前方)に向かって延出している。
【0054】
本実施形態に係る灯火器構造10では、振動部84が2つ設けられている。以下、一方の振動部84を「第1振動部84A」ともいい、他方の振動部84を「第2振動部84B」ともいう。第1振動部84Aは、フィラメント61よりも上方位置に設けられ、第2振動部84Bは、フィラメント61よりも下方位置に設けられている。換言すれば、フィラメント61は、第1振動部84Aと第2振動部84Bとの間の高さ位置に配置されている。
【0055】
第1振動部84Aは、嵌合部86に設けられている。具体的には、第1振動部84Aは、嵌合部86に接合(固着)されバルブ60の軸線方向に沿ってリング部85を基準としてバルブ60とは反対方向に延出する揺動部(バネ材)90aと、揺動部90aの自由端部に固定された錘部92aとを有する。揺動部90aは、板状部材であり、板幅方向が車幅方向を向くように配置されている。したがって、第1振動部84A(揺動部90a)は、フィラメント61と平行に配置されている。揺動部90aと嵌合部86との接合は、溶接、溶着(半田)、接着等によることができる。図示した構成例において、錘部92aは、揺動部90aの自由端部における両面に設けられているが、片側のみに設けられてもよい。
【0056】
図3に示すように、錘部92aは、バルブ60の軸線方向の位置に関して、保持部材62にバルブ60が装着された状態での保持部材62とバルブ60とからなる複合体の重心Gを基準として、フィラメント61の反対側に位置している。すなわち、本実施形態の場合、錘部92aは、重心Gよりも車両前方に設けられている。また、揺動部90aは、保持部材62の基端部62bよりも保持部材62の背面側に延出している。
【0057】
本実施形態において、第2振動部84Bは、ガイド部94を介して突出片87に固定されている。このガイド部94は、突出片87に接合(固着)されバルブ60の軸線方向に沿ってリング部85を基準としてバルブ60とは反対方向に延出した板状部材であり、板幅方向が車幅方向を向くように配置されるとともに、上下に貫通する開口94aを有する。ガイド部94と突出片87との接合は、溶接、溶着(半田)、接着等によることができる。図5に示すように、ガイド部94の自由端側のエッジ94bがハーネス71と接触しないように、当該エッジ94bは、下方に向かって湾曲又は屈曲しているとよい。
【0058】
第2振動部84Bは、ガイド部94の自由端部からバルブ60側に延出する揺動部(バネ材)90bと、揺動部90bの自由端部に設けられた錘部92bとを有する。揺動部90bは、板状部材であり、図示例では、ガイド部94の開口94a内に突出するとともに、板幅方向が車幅方向を向くように配置されている。したがって、第2振動部84B(揺動部90b)は、フィラメント61と平行に配置されている。揺動部90bと、ガイド部94とは、一枚の金属製の板材から成形された一体成形品であってもよく、あるいは、別部材により構成されたものでもよい。図示した構成例において、錘部92bは、揺動部90bの自由端部における両面に設けられているが、片側のみに設けられてもよい。
【0059】
図3に示すように、錘部92bは、バルブ60の軸線方向の位置に関して、上述した重心Gを基準として、フィラメント61の反対側に位置している。すなわち、本実施形態の場合、錘部92bは、重心Gよりも車両前方に設けられている。また、揺動部90bの固定端は、保持部材62の基端部62bよりも基端方向に位置し、錘部92bは、保持部材62の基端部62bよりもバルブ60側に設けられている。
【0060】
図3及び図4に示すように、ベース部材66に保持部材62を装着した状態で、振動伝達部材82は、保持部材62とベース部材66との間に挟みこんで支持される。この場合、振動伝達部材82(リング部85)とベース部材66との間には、リング状のシール部材(パッキン)95が介装され、保持部材62とベース部材66との間から収容空間69内に液体が浸入することが防止されている。
【0061】
本実施形態に係る灯火器構造10は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、その作用及び効果について説明する。
【0062】
本実施形態に係る灯火器構造10によれば、保持部材62とバルブ60とかなる複合体の重心Gを基準としてフィラメント61の反対側に錘部92a、92bが位置するので、揺動部90a、90bと錘部92a、92bとからなる第1振動部84A及び第2振動部84Bによって、フィラメント61の振動に対して逆位相となる振動を発生させることができる。すなわち、第1振動部84Aと第2振動部84Bは、片持ち梁の共振を使用したダイナミックダンパとして機能するものであり、車体側からの振動により第1振動部84A及び第2振動部84Bが振動する。第1振動部84A及び第2振動部84Bの振動は、フィラメント61の振動とは逆位相の振動であるため、フィラメント61の振動を打ち消す(抑制する)ことができる。
【0063】
第1振動部84A及び第2振動部84Bの固有振動数がフィラメント61の固有振動数に近くなるように、第1振動部84A及び第2振動部84Bの仕様を設定するのがよい。例えば、第1振動部84A及び第2振動部84Bの固有振動数は、フィラメント61の固有振動数に対して0.8〜1.2の割合であるとよい。これにより、フィラメント61の振動周波数と、第1振動部84A及び第2振動部84Bの振動周波数とを近づけることができ、効果的にフィラメント61の振動を打ち消すことができる。
【0064】
第1振動部84A及び第2振動部84Bはフィラメント61から離れる方向に延出するので、錘部92a、92bの重量を軽く設定した場合でも、容易にフィラメント61への振動を打ち消す振動を発生させることができ、防振装置70の軽量化を図ることもできる。さらに、防振装置70自体は保持部材62の外側に設けられるものであるため、保持部材62自体の設計変更を低減でき、バルブ60のメンテナンス性も十分に確保することができる。
【0065】
揺動部90aは、保持部材62の基端部よりも保持部材62の背面側に延出していため、揺動部90aを長くすることによって錘部92aを軽くすることができ、防振装置70全体として軽量化を図ることができる。また、本実施形態の場合、揺動部90bの固定端は、保持部材62の基端部62bよりも基端方向に位置し、錘部92bは、保持部材62の基端部62bよりもバルブ60側に設けられているため、揺動部90bを長くすることによって錘部92bを軽くすることができ、防振装置70全体として軽量化を図ることができる。
【0066】
嵌合部86が保持部材62に嵌合した状態で、振動伝達部材82は保持部材62とベース部材66とで挟み込んで支持されるため、防振装置70を保持部材62に取り付けた状態で保持部材62の着脱が可能であり、メンテナンス性を向上できる。また、保持部材62をベース部材66に取り付けるだけで、防振装置70が外れないように固定するこができる。
【0067】
振動伝達部材82は、金属製の板材を折り曲げることで形成されているため、振動伝達部材82を薄くでき、構造を簡素化することができる。
【0068】
保持部材62には、少なくとも3つ以上のリブ状の突出部76が設けられ、少なくとも2つ以上の突出部76を残して突出部76と嵌合部86とが嵌合するため、保持部材62に設けられた突出部76と、振動伝達部材82に設けられた嵌合部86とが嵌合した状態で、残された2つ以上の突出部76をつまんで保持部材62をベース部材66に対して着脱できるので、メンテナンス性を向上できる。
【0069】
第1振動部84Aは、嵌合部86に設けられるため、第1揺動部84Aと嵌合部86とを効率的に配置することができ、スペース効率を向上できる。
【0070】
第1振動部84A及び第2振動部84Bは、フィラメント61と平行に配置されことから、第1振動部84A及び第2振動部84Bの振動方向を、フィラメント61の振動方向に一致させることができるため、フィラメント61の振動を効率良く打ち消すことができ、より高い振動抑制効果が得られる。
【0071】
バルブ60は、フィラメント61が車幅方向に向くように取り付けられ、第1振動部84A及び第2振動部84Bは、フィラメント61よりも上方位置と下方位置にそれぞれ設けられるため、より一層効率良くフィラメント61の振動を打ち消すことができる。
【0072】
第2振動部84Bには、ハーネス71をガイドするガイド部94が設けられるため、ハーネス71の動きを規制して、ハーネス71が第2振動部84Bに干渉することを防止できる。また、第2振動部84Bは、ガイド部94の自由端部からバルブ60側に延出するので、保持部材62を径方向に大型化することなく、ガイド部94と第1揺動部84Aとを共存させることができ、第1揺動部84Aにハーネス71が干渉するのを防ぐことができる。
【0073】
上述した防振装置70では、ガイド部94の自由端部からバルブ60側に第2振動部84Bが延出するが、このような構成の防振装置70に代えて、図8及び図9に示す防振装置100を採用してもよい。図8は、バルブ60、保持部材62及び防振装置100の分解斜視図であり、図9は、バルブ60、保持部材62及び防振装置100の組立状態を示す斜視図である。
【0074】
防振装置100における振動伝達部材102は、上述した振動伝達部材82における突出片87に代えて、ガイド部104を設けたものであり、このガイド部104に第2振動部84Cが固着されている。ガイド部104は、第2振動部84Cよりも上方に配設されるとともに、第2振動部84Cよりも保持部材62の背面側に延出している。この場合、ガイド部104は、リング部85から保持部材62の基端方向に延出するアーム106と、アーム106の自由端部に設けられたU字状に湾曲又は屈曲したガイド片108とを有し、このガイド片108によって、ハーネス71が第2振動部84Cに接触することが防止される。アーム106の固定端側には、下方に突出する固定部110が設けられる。
【0075】
第2振動部84Cは、固定部110に接合(固着)されバルブ60の軸線方向に沿ってリング部85を基準としてバルブ60とは反対方向に延出する揺動部(バネ材)90cと、揺動部90cの自由端部に固定された錘部92cとを有する。揺動部90cは、板状部材であり、板幅方向が車幅方向を向くように配置されている。揺動部90cと嵌合部86との接合は、溶接、溶着(半田)、接着等によることができる。図示した構成例において、錘部92cは、揺動部90cの自由端部における両面に設けられているが、片側のみに設けられてもよい。
【0076】
このように構成された防振装置100によっても、上述した防振装置70と同様に、保持部材62の設計変更を低減でき、防振装置100の軽量化を図ることができ、バルブ60のメンテナンス性を十分に確保することができる。また、ガイド部104が第2振動部84Cよりも上方に配設されるとともに、第2振動部84Cの自由端部が保持部材62よりも軸線方向に突出しているので、ハーネス71が第2振動部84Cに干渉するのを確実に防止することができる。
【0077】
上述した実施形態では、2つの振動部84が設けられたが、いずれか一方のみが設けられてもよい。振動部84は、3つ以上設けられてもよい。また、振動部84が設けられる位置は、保持部材62の上方及び下方以外であってもよい。例えば、保持部材62の側方に振動部84が設けられてもよい。
【0078】
上述した実施形態に係る灯火器構造10は、テールランプ52として構成されたが、本発明はこれに限らず、車両における他の灯火器、例えば、ヘッドライト、ウインカ等に適用することも可能である。
【0079】
上記において、本発明について好適な実施の形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0080】
10…車両用灯火器構造 12…自動二輪車
52…テールランプ 60…バルブ
61…フィラメント 62…保持部材
66…ベース部材 68…レンズ
70、100…防振装置 71…ハーネス
76…突出部 82…振動伝達部材
84…振動部 84A…第1振動部
84B、84C…第2振動部 86…嵌合部
90a、90b、90c…揺動部 92a、92b、92c…錘部
94、104…ガイド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィラメント式のバルブ(60)を保持する保持部材(62)と、
前記保持部材(62)が取り付けられるとともに、前記バルブ(60)が挿通されるバルブ挿通孔が形成されたベース部材(66)と、
前記バルブ(60)を覆って前記ベース部材(66)に取り付けられるレンズ(68)とを備え、
前記保持部材(62)を前記ベース部材(66)の外側から取り付けることで、ベース部材(66)とレンズ(68)との間に形成される収容空間(69)に前記バルブ(60)が配置される車両用灯火器構造(10)において、
前記保持部材(62)に取り付けられる振動伝達部材(82、102)と、
前記振動伝達部材(82、102)に設けられ、前記バルブ(60)のフィラメント(61)から離れる方向に延出した振動部(84、84A、84B、84C)と、
を有する防振装置(70、100)を備え、
前記振動部(84、84A、84B、84C)は、前記バルブ(60)の軸線方向に沿って延在する揺動部(90a〜90c)と、前記揺動部(90a〜90c)の自由端部に固定された錘部(92a〜92c)とを有し、
前記錘部(92a〜92c)は、前記保持部材(62)に前記バルブ(60)が装着された状態での前記保持部材(62)と前記バルブ(60)とからなる複合体の重心を基準として、前記フィラメント(61)の反対側に位置する、
ことを特徴とする車両用灯火器構造(10)。
【請求項2】
請求項1記載の車両用灯火器構造(10)において、
前記揺動部(90a、90c)は、前記保持部材(62)の基端部よりも前記保持部材(62)の背面側に延出している、
ことを特徴とする車両用灯火器構造(10)。
【請求項3】
請求項1又は2記載の車両用灯火器構造(10)において、
前記振動伝達部材(82、102)には、前記保持部材(62)に嵌合可能な嵌合部(86)が設けられ、
前記嵌合部(86)が前記保持部材(62)に嵌合した状態で、前記振動伝達部材(82、102)は、前記保持部材(62)と前記ベース部材(66)とで挟み込んで支持される、
ことを特徴とする車両用灯火器構造(10)。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯火器構造(10)において、
前記振動伝達部材(82、102)は、金属製の板材を折り曲げることで形成されている、
ことを特徴とする車両用灯火器構造(10)。
【請求項5】
請求項3記載の車両用灯火器構造(10)において、
前記保持部材(62)には、少なくとも3つ以上のリブ状の突出部(76)が設けられ、少なくとも2つ以上の前記突出部(76)を残して前記突出部(76)と前記嵌合部(86)とが嵌合する、
ことを特徴とする車両用灯火器構造(10)。
【請求項6】
請求項3記載の車両用灯火器構造(10)において、
前記振動部(84、84A)は、前記嵌合部(86)に設けられる、
ことを特徴とする車両用灯火器構造(10)。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用灯火器構造(10)において、
前記振動部(84、84A、84B、84C)は、前記フィラメント(61)と平行に配置される、
ことを特徴とする車両用灯火器構造(10)。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両用灯火器構造(10)において、
前記バルブ(60)は、前記フィラメント(61)が車幅方向に向くように取り付けられ、
前記振動部(84、84A、84B、84C)には、前記フィラメント(61)よりも上方位置に設けられる第1振動部(84A)と、前記フィラメント(61)よりも下方位置に設けられる第2振動部(84B、84C)とがある、
ことを特徴とする車両用灯火器構造(10)。
【請求項9】
請求項8記載の車両用灯火器構造(10)において、
前記保持部材(62)にはハーネス(71)が接続されるとともに、
前記第2振動部(84B、84C)には、前記ハーネス(71)をガイドするガイド部(94、104)が設けられる、
ことを特徴とする車両用灯火器構造(10)。
【請求項10】
請求項9記載の車両用灯火器構造(10)において、
前記第2振動部(84B)は、前記ガイド部(94)の自由端側から前記バルブ(60)側に延出する、
ことを特徴とする車両用灯火器構造(10)。
【請求項11】
請求項9記載の車両用灯火器構造(10)において、
前記ガイド部(104)は、前記第2振動部(84C)よりも上方に配設され、
前記ガイド部(104)の自由端部は、前記第2振動部(84C)よりも前記保持部材(62)の背面側に突出している、
ことを特徴とする車両用灯火器構造(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−206670(P2012−206670A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75353(P2011−75353)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)